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powered by ブクログ再読。一気に読むのが怖く、ちょうど旅行中の4日間で読んだ。題名の恋歌とはどの歌を指しているのだろう。思えばたくさんの歌が出てくる。辞世の歌も、誰かを思う恋歌を秘めているのかもしれない。中島歌子が歌人を目指した理由も書いてあるが、確かに歌にいのちを込めたのかもしれない。明治生まれのひよっこに何が分かる。重い言葉だ。
11投稿日: 2025.12.27
powered by ブクログ江戸末期から明治の動乱の時代を生き抜いた歌人、中島歌子の半生と恋心を描く、骨太の時代小説です。 物語は、病に伏した師の見舞に訪れた弟子が、師が書いたものであろう手記を見つけたところから始まる。歌人である師のそれはただの書き付けなどではなく、目の前にまざまざと情景が浮かび上がるようなその半生を綴った長い物語だった。手記は若かりし頃の師――登世の娘時代の淡くも色鮮やかな恋から、水戸に嫁いで何かと苦労をしつつも夫を慕うささやかな日々を描いていたものが一変、水戸藩内の内紛から天狗党藩士の家人への苛烈な弾圧、投獄など時代の潮流に翻弄される妻子たちの姿を浮き彫りにしていく。激動の時代をなんとか生き抜き、憎しみと苦しみの連鎖を目の当たりにしてきた師が最後に望んだことは、手記と遺言書の中にあった。 まるで、一本の大河ドラマを観終わったような読後感でした。作中作は、お弟子さんが師の作品を読んでいる体で書かれているにもかかわらず、作中作こそが本編であるという形を取っているので、途中でお弟子さんたちのパートが入るまですっかり彼女たちの存在を失念していました。それだけお弟子さんたちも師の手記に没入して読んでいたのだ、という表現でもあるように思います。 私はあまり、江戸から近代、近現代の日本史を深く学んできませんでした。学校の歴史や社会の教科書に書かれる以上のことに深い興味を持っていなかったこともあります。けれど、最近時代小説にも手を出すようになって、改めて私は物を知らなかったんだなと感じることが多くなりました。 この物語の舞台である江戸末期から幕末、明治維新にかけての時代、実はどんなことが起きていたのかということを、うまく想像できていなかったように思います。天狗党の乱というのも、そういえば歴史でそんな名前を聞いたかな、くらいの認識でした。血で血を洗うような、復讐を復讐で返し、罪のない妻子を殺された恨みを同じく罪のない相手の妻子を殺すことで晴らすような、そんな時代があったのだと思うと、何故こんなことになってしまうのだと想像するだに苦しく、辛かったです。 それでも、この物語のタイトルは『恋歌』。 時代に揉まれ、激流に流され、それでも"われても末に逢はむとぞ思ふ"、その心が愛しい物語でした。 この作者の方のお話は、以前読んだ時にも時代の中に名を遺した人の妻の目線で書かれたものを読みましたが、時代の主役でない目線で見るからこそ見えるものがあると思わされます。 機会があれば、また歴史を改めて勉強していきたいと感じました。
1投稿日: 2025.12.05
powered by ブクログ朝井まかてさんのお話を読むのは2作目。 実在する歌人の中島歌子さんを主人公にした物語。 生来の純粋さを持ちながらも、時代に振り回されながら生きてきた彼女が、どうして歌人として生きることになったか。 登世の物語に引き込まれて読み進めるなかで、知らず知らず緻密に張り巡らされていた一つ一つが一気に回収される最後に圧倒された。登世と以徳さまとを結びつけた歌のことと思っていたけれど、手記に書かれる最後の歌を読んだ時に、このタイトルがぐっときた。 全て知った後に、また歌人として生きたパートも含めて改めて読み返したい。
21投稿日: 2025.11.09
powered by ブクログ流石、直木賞受賞作。中島歌子がまさか、あの天狗党一味の奥方だったとは本書を読むまでは知らなかった。一気読みです。
4投稿日: 2025.08.27
powered by ブクログ幕末の水戸藩に嫁いだ中島歌子の人生。 門下生の三宅花圃が手記を読む形で物語が始まる。史実に基づいた物語に、和歌に込められた心情を巧みな描写で色をつけていくような、引き込まれる文章です。
1投稿日: 2025.08.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
明治36年、小説家三宅花圃が「師の君」中島歌子の手記を発見したのをきっかけに、40年前に歌子(本名・登世)の身に起きた物語が展開されている。 手記は一人称で書かれており、前半は豪商の娘として水戸に嫁いだ経緯と水戸での生活が描かれている。自分が望んだ結婚でありながら、夫は尊王攘夷の志士として家にいないときのほうが多い。「天狗黨之亂」の後は完全に生き別れ、そして死別。なので、恋愛から始まった小説なのだが、物語自体は恋愛感がやや薄い。多くは登世が激動した時代に生き抜いた姿である。 水戸を舞台にしたこの小説は、普段よく聞いた幕末の話と一線を画し、示しているのは敗者の物語。水戸藩の主張した尊王攘夷が珍しい考え方ではないものの、薩長のような財力もなく、内部の闘争も抑えできぬ水戸藩は破滅に瀕していた。 そのような時代のなかに、「勝てば官軍」という言葉があると同時に、「世が世であれば」と考えずにはいられないことも少なくもない。でも、本のなかに、こう言った。 「「世が世であれば」などと詮方ない想像はよそう。誰もが今生を受け入れてこの骸だらけの大地に足を踏みしめねば、一歩たりとも前に進めぬのだから。」(361)
0投稿日: 2025.06.09
powered by ブクログ読みごたえのある一冊だった。 それにしても、その頃の女性の立場のないことに驚く。自分からなにかを希望して行うということが、できなかった時代なのだろうか。登世はひたすら見合いを断っていたら理想の男性が向こうから結婚を申し込んでくれて、水戸に行ったあとは家事もできずに家で待つばかり、政変によって妻子まで牢につながれる経験は凄惨だが常に受け身で…いや、牢に同じくつながれた他の妻女は気丈に息子たちに論語を教えたりしていたのだから、すべての女性が無為だったわけではない。それでも、読んでいるともうなんだかもう少し何とかならないのか!と思ってくる。 最後まで読むことで、この小説の本当の良さがわかると思う。
0投稿日: 2025.05.29
powered by ブクログ時は天下が揺れる幕末の動乱期。時代物の単なる恋物語などという生優しいものでなく、過酷な歴史の荒波に飲み込まれた、(樋口一葉の師でもある)歌人・中島歌子の壮絶な人生を描いた物語です。本屋が選ぶ時代小説大賞・直木賞受賞作品。 主人公の登世(歌子の幼名)は、江戸の商家の娘でしたが、一途な恋を成就させ水戸藩の藩士に嫁ぎます。夫は尊王攘夷を主張する天狗党の志士でした。 水戸藩では、天狗党と保守派の諸生党の対立が激化し、殺戮と拷問を繰り返す内乱へ突き進みます。 賊徒の妻として捕らわれ、女や子どもが次々処刑されてゆく中、登世は夫との再会を願い、命懸けで詠む歌だけが心身の拠り所なのでした。 地獄を潜り抜けて時は明治へ移り、歌子は歌の道に精進し「萩の舎」を主宰します。本書は、密かに書き残した登世の手記を弟子が読む構成です。 志に生き志に死んだ男たち、その事実を抱えて生きた女たち…。これら全てが壮大に描かれた物語でした。歌子が亡き夫に向け詠んだ「恋することを教えてくれたのだから どうか忘れ方も教えて…」という意の歌からは、心の叫び、慟哭が聞こえてくるようで心揺さぶられました。 わずか160年ほどの遠くない幕末。主君のための死・切腹は名誉、斬首は不名誉との恐ろしい価値観で、命がとても儚い時代でした。人間の愚かさを痛感します。私たちはこうした時代を踏まえ"今"を生きているのですね。
88投稿日: 2025.05.25
powered by ブクログ普段あまり時代物を読まないタイプだが一気に読み進めてしまった。 とにかく切なく、やり場のない思い。 と同時に武士の生き様を見たという感動。 どんな状況になろうが誇り高く生きている姿に心を打たれた。 私もこんなふうに真っ直ぐ生きたい。 歴史に名こそ残せなかったかもしれないが、その者たちの人生をかけた戦いにより今の私たちの暮らしがあると思う。今自分が立っている場所は昔誰かが流した血が染み込んだ大地、昔誰かが愛するものを信じ、歩き続けた道なのかもしれない、そう思うと今の、あまり不自由のない生活をできている事に感謝をしながら胸を張って歩きたい。 また、貧しさは人の心を狭くする、という言葉に、税金や物価上昇などのニュースが流れる日本で、それをどうしていけばいいかということも考えた。 そのひとつとして爺や澄世の母、周りの女中など登場人物はとても愛に溢れている。そう言った人に自分もなり、周りにも伝染させていけたらよいなと思う。 まずは隣の人に幸せを分け与える。それはゆくゆくは広がっていくと思う。
0投稿日: 2025.05.16
powered by ブクログ第150回直木三十五賞 第3回本屋が選ぶ時代小説大賞 幕末の動乱を駆け抜けた登世(中島歌子)のドラマティックなノンフィクション小説。 江戸の裕福な商家で育ったお嬢様の登世は、水戸藩士の林忠左衛門に嫁ぎ、その半生はあまりにも過酷。 愛する夫と過ごした時間はどれだけあったんだろう。 賊徒の妻子として投獄されてからの様子は、あまりにも酷いと思ったけど、まかてさんは容赦なくじっくり描写されている。 先に処刑されていく婦人たちが残した辞世の句や、会えない夫を思って詠んだ登世の句がとても切ない。 「君にこそ恋しきふしは習ひつれ さらば忘るることもをしえよ」 激しい恋心が伝わる印象的な句だと感じた。 貞芳院との釣りの場面や、爺やとの温かい会話が素敵で良かった。 最後は意外な展開で終わった。
31投稿日: 2025.04.14
powered by ブクログはじめて、朝井まかてさんの作品を読んだ。直木賞受賞作の帯に惹かれて購入。 樋口一葉の師匠である、中島歌子の知られざる過去。 江戸の商家の娘だった歌子は、初恋の相手に嫁ぐ。幕末に水戸藩士の妻となったが、水戸藩は質素倹約を体現する貧しい土地。尊王攘夷を唱えて過激な行動に出る藩士たちと、不安定な情勢。ついに藩内の内乱となり、歌子たちも捕えられ投獄される。その獄内の悲惨さや、次々斬首させていく命のあっけなさが、幕末という革命の時代の恐ろしさを表していて恐ろしい。後半は引き込まれて一気読みだった。
1投稿日: 2025.03.17
powered by ブクログ幕末が好きな私。 "尊王攘夷とはいったいなんだったのか?" この問いを、忘れてはいけないと感じた。 内戦があってもなくても、 ひとびとの生活は続いてゆく。 そこに影を落としてはならないのだ。 もっと世の中のことを知りたい。 もっと日本を知りたい。 もっと世界で起きていることを知りたい。 これらの、いままでになかった、私の心の奥底から出てきた欲求は、私自身、そして私自身の【人生】を真剣に考えていきたいというおもいの表れであると考える。 この作品で感じたことは、 いまの世の中、いや世界に思いを馳せるきっかけとなるであろう。
2投稿日: 2025.02.27
powered by ブクログ途中まではなかなか読み進まず、挫折しそうになりながら時間をかけて読んだが、中盤の天狗党の乱あたりからは夢中になり一気に最後まで読んだ。 幕末から明治への激動の時代に翻弄されながら懸命に生きた、1人の女性の物語。
1投稿日: 2024.12.27
powered by ブクログ幕末から明治にかけての過酷で混乱をきたした時代。 その時代を運命に翻弄されながらも懸命に生き抜いた、樋口一葉の師・歌人中島歌子の半生を綴った作品。 物語は歌子の弟子が、彼女の手記を読み返すという構成。 人気歌塾の主宰者として一世を風靡した彼女がどの様にして生き、何を思い胸に秘めてきたのかが記されていた。 無知なもので、中島歌子さんの事知らなかった〜。 「恋歌」はSNSでもよく見かけて、なんとなく気になってたので読んでみたのだけど、まさかこんな辛い内容だったとは。。 この時代には珍しい商家の娘・登世(歌子)と水戸藩の武士・林以徳の恋物語。 恋物語でもあり、幕末の内乱の多かった時代を描いた歴史小説でもあった。 武士である以上、命の危険は伴うものなのだろうけど、とにかく読んでて恐ろしかった。 捕らえられてしまうと、その家族まで投獄され、幼い子供にも容赦ないその凄惨な様子に胸がギュッとなる。 こういう時代を生きた人達がいて今に繋がってるんだと思うと、命の重みを感じる。 "君にこそ恋しきふしは習ひつれ さらば忘るることもをしへよ" (恋を教えてくれたあなた、ならば忘れる術も教えて下さい) 生涯ただ1人の人を愛し続けた登世。 歌人になり詠んだ歌が悲しくも美しい。
67投稿日: 2024.08.06
powered by ブクログ朝井まかてさんの歴史小説ははずさない! しっかり読ませてくれます。 「類」では森鴎外の末っ子、「眩」では葛飾北斎の娘、この「恋歌」では中島歌子、とあまり他の小説では描かれない人を主人公にして描くのがすごいなぁ、目の付け所が違うなと思います。 幕末というと坂本龍馬や新撰組が有名だけど、水戸藩の話というのは聞いたことがなく、この小説で初めて知りました。 水戸藩内での内乱の末、敗れた天狗党の妻子たちに行った仕打ちは読んでいて辛いものでした。 君にこそ恋しきふしは習つれ さらば忘るることまをしへよ 恋することを教えたのはあなたなのだから、どうか、お願いです、忘れ方も教えてください。 懸命に生きても生きても、一番いてほしい人はこの世にいない。いない。 この箇所にはやられたなぁと思います。胸がぎゅうっとなります。いてほしい人がいない世界でどんな気持ちで中島歌子は生きていったのかを想像するたまらなくなります。
3投稿日: 2024.07.21
powered by ブクログ和歌の話なのかと思っていたら、幕末の水戸藩のハードな話でびっくりした。歴史も中島歌子も全然知らずに読んだから、衝撃の連続で辛かったけど、良い小説でした。
2投稿日: 2024.07.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
恋歌 著者:朝井まかて 発行:2015年10月15日 講談社文庫 初出:2013年8月発行単行本(講談社) *第150回(2013年下期)直木賞受賞作 歴史検証をするノンフィクションの大書(「ラジオと戦争」)とか読んでいると、楽しめる小説が無性に恋しくなる。どれを読んでも面白い朝井まかての文庫を少し前に買ってあったので、貪るように読んだ。朝井まかて作品といえば、女性を主人公に、市井の生活感あふれる日常を描いたものが多く、平凡な人間なりの頑張りで、苦労をしながらも最後にはうまくいく、それも大成功ではなく、そこそこいい人生に落ち着く、といった趣の小説を期待する。ところが、この小説は珍しく結構きつかった。読むのがしんどくなるような部分もあったが、でも最後はきっとうまくいくと信じることができたので読み切ることができた。読んだ後で、これが直木賞作品だと知った。 明治の歌人、中島歌子の数奇な生涯を描いた作品だという。中島歌子は、樋口一葉の和歌の師匠でもあり、この小説は、一葉の姉弟子でもある作家の三宅花圃(田邊龍子)が、世を去る直前の中島歌子の手記を読むスタイルで書かれている。舞台は江戸時代の水戸。江戸で池田屋という宿屋に生まれた登世(歌子)は、兄がいたが、母親がその接客の才を見抜いて宿屋を継がせるべく婿を取る算段をしていたが、水戸藩士で宿屋の客であった林忠左衛門以徳(もちのり)に一目惚れする。母親の反対を押し切り、水戸へと嫁ぐ。 以徳は攘夷派の若き志士で、天狗党という集団を作り、諸生党と対立していた。桜田門外の変に参加する予定だったが、別件で怪我をして間に合わず、それで命を長らえていた。生麦事件なども起き、水戸藩も益々ややこしくなっていった。嫁いだ後、以徳は下士などの子弟に剣術を教える学校の宿舎に住んでいたため、水戸の屋敷に戻ることは少なかった。ランクは中士であり、質素倹約を大切にする水戸藩として生活は裕福ではない。以徳の妹のてつともしっくりいかない。 攘夷の志士でさらに若い藤田小四郎が、屋敷にやってきた。てつは好きになった。彼はさらに過激な尊皇攘夷論者だった。ついに天狗党の反乱がおきた。妻や子供たちはつかまり、牢獄に入れられた。登世もてつも、入れられた。牢獄は劣悪な環境だった。永久に入れられるもの、死刑になっていくもの。悲惨な日々が続く。しかし、わが身よりも以徳が生きているかどうかが気になる。会いたい、の一心だった。凄絶、いや、壮絶な日々。 次々と牢仲間が処刑されていく中、2人は解き放たれた。そして、江戸へ向かった。世の中の変化に翻弄される2人。維新になると、今度は天狗党が英雄になる・・・小四郎は捉えられて斬首されていたが、以徳は怪我のために生きのびて京に向かったという噂だった。一縷の望みにかけて、江戸で暮らしたが、結局、それは根も葉もない嘘で、獄死(病死)していたことが分かった。 中島歌子に長年仕えた下女。それは、なんと諸生党の大物武士(仇敵)の子供だった。歌子はそれを知って雇っていた。そして、その下女の三男に自分の財産などを与えるという遺言を残していた。
1投稿日: 2024.05.12
powered by ブクログ時代小説初心者にはちょっと読むのがしんどかった。 尊王攘夷系の歴史に精通してないから、昔言葉と歴史でよくわからない部分が多くて読むのか辛かった。 純文学もあんまり好きじゃないのかも。 キャラへの感情移入ができなかった。
1投稿日: 2024.03.18
powered by ブクログ朝井まかて、すごい!凄腕!思わず引き込まれてぐんぐん読みました。ラストはこらえきれず、目頭が熱くじーんとなってしまった。知りませんでした。中島歌子がこんな人物だったなんて。もちろん萩の舎のことは知っていたし、一葉さんの師匠だということも知っていたけど。超ド級の純愛物語でした。短歌に限らず芸術に命をかけるって、私には想像もできないけれどその境地に至れるのはこの上ない幸福なのでしょう。萩の舎のあった安藤坂界隈は私の母の育った町。私も学生時代初めてバイトした土地なのでとても思い入れがある。今度訪ねてみよう。
1投稿日: 2024.03.03
powered by ブクログ時代の流れ、運命は悲しくて 歴史で学ぶと「尊王攘夷」「水戸藩士」「内乱」と点で終わってしまう事柄に、ひとりひとりの人間のドラマがあることにはっとさせられます。 ひとりの女性がきゅんと恋をして力強く愛を貫いていく姿に胸が熱くなりました その人の今に至るまでに、どんな人生があったか。 これまでもこれからも出会う相手を、その人の生きてきた過程も含めて大切にしたいなと思いました
4投稿日: 2024.02.24
powered by ブクログ主人公で小説家の三宅花圃が萩の舎を開き樋口一葉の師として知られる中島歌子の過去を手記を読む形で振り返る形で物語が進む。手記を通した読んだ水戸藩内での天狗党と諸生党の争いが凄まじく壮絶で言葉を失った。
2投稿日: 2024.02.15
powered by ブクログ間違いなく自分の記憶に残る作品だな、と思いました。壮絶な人生の中で、女性の生き様、使命、男性とは違った強さやしなやかさを感じます。現代の女性にはもしかしたら残っていないところなのかも、と思いつつ、本質は変わっていないのだろうか?自分にもそんな強さがあれば良いなと思えた作品です。
1投稿日: 2023.12.27
powered by ブクログ幕末という時代がいかに激動だったかがよくわかる。こういう地獄のような状況の中でも失われない人間性が泣かせる。
1投稿日: 2023.11.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
歌人中島歌子の話かと思いきや 幕末の水戸藩 天狗党の事が 詳細に描かれて それはそれで とても興味深く 時に辛く胸を締め付けられながらも 一気に読んでいました。 そこここに 散りばめられた歌も 良くは分からないなりにも その時代の人の心が伝わるもので 歌の良さが沁みてきました。 歌人としての中島歌子は 分かりませんが 水戸藩天狗党の妻として生きそして逝った人だったのかなと 一人の人を想い続けた気持ちの強い女性という印象でした。
0投稿日: 2023.09.03
powered by ブクログ久しぶりの時代物。 「君にこそ恋しきふしは習ひつれ さらば忘るることもをしへよ」 宇多田ヒカルさんの「FIRST LOVE」を思い出した。恋はいつの時代も変わらないのか⁈
1投稿日: 2023.07.30
powered by ブクログ不慣れな時代もので、さくさく読めかったけど、教科書とか学ぶ幕末なんてほんの数ページだけど 、こんな時代があって、生きた人がこんな思いだったのだと、ただただ衝撃だった…。
0投稿日: 2023.07.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
明治の歌人・中島歌子が主人公の物語。 樋口一葉の師・中島歌子と紹介されていますが、あまり関係ないですね。樋口一葉との関係性が、どう展開するのか気になりましたが、物語とは関係ない。巻頭でちょっと出てきますが…。 中島歌子の弟子・花圃が、入院した師匠の自宅の荷物を片付けを頼まれ、見つけた自叙伝形式で紡がれる物語。一緒に片づけた、女中の澄についての秘密も、ミステリーのような感じで面白かったです。 江戸の商家の娘・登世(中島歌子)は、跡取りとして期待されたが、一途な思いを通して水戸藩士に嫁ぐ。夫・林似徳は尊王攘夷を志す天狗党の属し、内乱によって、運命が翻弄されていく。逆賊として投獄されながらも、江戸へ逃げて、歌人になっていく…。 君にこそ恋しきふしは習いつれ さらば忘るることもをしへよ 中島歌子の詠んだこの歌のための物語のように感じました。 幕末の水戸藩の争乱が細やかに描かれ、興味深かったです。断片的に、大河ドラマなので見ていますが、あまり知らなかったものですから…。 小説読了184冊目。ブクログ内で。
3投稿日: 2023.06.16
powered by ブクログ浅井さんの本を読むのは三作目。オーディブルには数が限られてるなぁ。 回想の形を取った書き方の本だった。 幕末の時代の旦那さんを慕っていたお嫁さんのお話。なんだか本当に不憫な恋すぎて主人公にして書かれたらつらくて読み進められないかも。 牢獄の中の生活がありありと書かれていてそこが一番印象的だった。死を待つ牢獄なんてほんとうにつらいのにそれでも品を保つって本当にそんなに気高い人がいたんだなぁ。
2投稿日: 2023.05.29
powered by ブクログ水戸藩の武士以徳に嫁いだ、江戸の商家の娘登世の物語。 恋歌を読むことによって、日本史の勉強をしていたのに忘れてしまった事柄を記憶に残せるように思う。例えば、桜田門外の変については、経緯や天狗党が関わっていたことは全く覚えていなかった。単語だけ覚えて、その由来まで学ばなかったからかもしれない。 水戸藩の様子についても全く知らず、天狗党と諸生党の対立と天狗党の乱の発生の様子についても興味深く読む事ができた。 以徳の妹てつの言動によって、武家と商家の違いと水戸藩の質実剛健さを知ることができた。 大日本史の編纂によって他藩より税金が重かった事が天狗党の乱の一因となっている。高邁な目的も大切だけれど、屋台骨を支える民衆を労ることも必要だ。 天狗党の妻子が捉えられてから後の描写は読んでいて辛かったけれど、その中でも階級による振る舞いの違いがよく描かれていて、特に上士の妻の振る舞いには切腹に通じる当時の精神のありようを感じた。 登世が生き抜く事ができたのは、以徳に会いたいという希望があったからなのだろう。
1投稿日: 2023.03.09
powered by ブクログやっと気持ちが乗って読み始めたら、一気読み。 なんとない恋物語から一変し、読むのが辛いのに、止められない。 歴史上幸せな結末でないとわかっているのに、水戸藩の幸せを祈ってしまう。 愛する人を失うとは本当に恐ろしいことだ。斬首も自害も戦死も、想像しただけでゾッとした。 それでも、人は、進まなきゃいけないのだよね。 どうしようもない時代を生きた人たち。その人たちが切り開いていった未来。それが、わたしが生きている今。忘れちゃいけないね。 やり切れない切なさ怒り、そして美しさ。 和歌に興味を持っていたタイミングだったこともあり、大変に響きました。 良き涙を流せた。ありがとうございます。
1投稿日: 2023.03.01
powered by ブクログ本を読んで泣いたのは初めてでした。 中盤は読んでいて辛く悲しい部分もありますが、手に取ったら、ぜひ最後まで読んでいただきたいです。
2投稿日: 2023.02.07
powered by ブクログ幕末から明治にかけての水戸藩の内紛、そしてそれに翻弄される決して名を馳せたる人ではなかった武士、そして庶民の悲哀のお話。 明治維新は、「維新」という綺麗な言葉だけには括れない勢力争いの果てのクーデターではなかったのか... 最終盤、貞芳院と歌子の会話「薩長と水戸は何が違うたと思う」の問いへの想い、心に残ります。
1投稿日: 2023.02.03
powered by ブクログ歌塾萩の舎をひらいた歌人、中島歌子の半生を書き上げた一冊。 特に序盤は年頃の女性らしい語り口で歴史小説を普段読まない人でも読みやすいと思う。 幕末のなになに党だとか血生臭い武士武士した感じがどうも苦手で実はところどころ斜め読みした。
0投稿日: 2023.01.24
powered by ブクログ幕末、水戸藩尊王攘夷派天狗党の志士である一人をただ男として、愛して嫁いだ娘、登世。恵まれた商家の贅沢な生活を惜しげも無く捨てる。 水戸藩は、困窮していた。嫁いだ先でも、持参金を使い果たす生活が続く。それでも、世間知らずな娘には、幸福な日々であった。 官軍になれなかった天狗党は、その妻子までも逆賊として投獄されていく。そこは、飢えと処刑の凄惨な泥梨だった。 内乱と殺戮の水戸から江戸へ逃れた、登世は、和歌の修行に励み、歌人中島歌子となっていく。 この小説は、弟子の一人が歌子の手記を読むという構成になっています。明治になり歌子は「萩の舎」を開き和歌や古典を教えていました。教え子の一人には樋口一葉。彼女には大変期待していたようです。今の娘達は、と自分の過去を振り返りながら嘆く事が多かったようですね。 過酷な幕末を生き抜き、悲惨な歴史を見てきた彼女ですが、歌人として、美しい伝統を残しました。 和歌って良いよねえ。辞世の句までも、美しくという生き様とか。
46投稿日: 2022.12.09
powered by ブクログ日本の歴史が苦手だからちょっと難しかった。でも、恋だなー。 「私は言の葉にひしと思いを込める。ああ、何でこれに気がつかなかったのだろう。思いを込めた言の葉は言霊になるのだ。願いになる。」
0投稿日: 2022.11.29
powered by ブクログ#読了 樋口一葉の師・中島歌子の手記を弟子が読み解いていく。歌子はかつて思い人であった天狗党の志士・林以徳の元へ嫁ぎ、天狗党の乱を経て壮絶な経験をする。 町娘が水戸の武士へ嫁ぎ、どうやって萩の舎を設立するのか疑問に思いながら読んだんだけど、読み終えてみればとても良質な恋愛小説だった。とても良かった。 それはそれとして、長年疑問に思っていた、なぜ水戸藩は明治政治の表舞台にほとんど出てこられなかったのかがわかる。こんなとんでもない報復合戦が行われていたら、そりゃ人はいなくなるよね。その根源が随分前まで遡ることを思うと、歴史は繋がっているのだなぁとしみじみしてしまった。
1投稿日: 2022.11.16
powered by ブクログ日本史にある程度詳しければ、問題なく読める作品。天狗党の乱を、こういった視点で読む機会に恵まれたことに感謝したい。素晴らしい作品でした。電車の中で何度も涙がこぼれそうになりました。
1投稿日: 2022.10.26
powered by ブクログ桜田門外の変を起こすほど尊王攘夷派であった水戸藩が維新前後に有力な人物を排出しなかったのは、御三家といういわば幕府を象徴するような藩だったからだと、今までは漠然と思っていました。それなりに時代小説を読んできたのに、水戸の内乱にを描く作品と何故出会わなかったのだろうか。 本書の凄いところは珍しさそのものではなく、珍しい題材を女性の立場から描き、また作中作という構造によって臨場感と他者による過去を見る視点を組み合わせた点だと思う。 読み終えて初めて直木賞受賞作だと知ったのですが、納得です。
3投稿日: 2022.09.09
powered by ブクログ出会ってしまった、と思える本に、一生のうち何冊出会えるだろう。 思い返せばそんなに多くはない。これだけ沢山の本があるというのに。 だからこそ、出会えたとき、その奇跡に震える。 出会ってくれてありがとう。私のもとに来てくれてありがとう。 この本は私にとって、そんな本となった。
3投稿日: 2022.07.26
powered by ブクログこんな凄惨なことがあって、今の日本があるって 史実を知るたびに自分の浅学が恥ずかしくなります。 「恋歌」という切り口で、幕末の水戸藩を描いたまかてさんの想い、 市井の生活の尊さを教えてくださったお仕事に敬意を表します。 幕末って自分にはややこしいけど、世の男性がのめりこむの、 ちょっぴりわかりました。この志士たちの熱量は、動かされるものがありますね。 樋口一葉の師・中島歌子が生涯を自ら語るストーリー。 踏んだり蹴ったり(言葉が明るくてすみません)の怨恨を、 昇華させる生き様が圧巻でした。 【本文より】 ・瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ (私はいつか必ずあなたと抱き合うだろう。今は川瀬のように別れても、いつか必ず。) ・誰もが今生を受け入れてこの骸だらけの大地に足を踏みしめねば、一歩たりとも前に進めぬのだから。 【解説より】 ・「男が志に生き志に死ぬのならば、女は何に生き何に死ねばいいのだろう」
1投稿日: 2022.06.24
powered by ブクログ1人の女性の生き様を通して、明治維新の新たなドラマを見ることが出来ました。まかてさん素晴らしいです。
2投稿日: 2022.03.23
powered by ブクログ幕末、井伊直弼を暗殺した藩士がいた水戸藩では何故あの血みどろな内紛劇があったのか。樋口一葉の師匠中島歌子は当時のことを静かに語り出す。 恋歌という素敵なタイトルとはまったく言えないほどの事件が幕末水戸藩にありました。隠れた歴史の1ページを中島歌子と夫であった天狗党の志士林忠左衛門との半生を描き出します。
0投稿日: 2022.02.12
powered by ブクログ幕末に悲しい物語がいくつもあるのは知っていたものの、水戸藩士にまつわる逸話は知らなかった。 当初の無邪気で一途な登世の描写からは、こんな悲劇に見舞われるとは思えない。 国のために思いを持っていてもそれを遂げられず、それだけではなく悲惨な最期を迎えた名もない人たちのことが悲しくて、切ない。 生き残った中島歌子は、自分の愛する人たちがそんな運命を辿ったことがどんなに辛かったろう、思いを馳せるたびに無念で悔しかっただろう。 それなのに澄の素性を知りながら受け入れた。 なんという時代だろうと思う。わたしはなんて平和な日々を生きているのだろう。 争いの悲惨さというと世界大戦を思い浮かべてしまうけど、その前にもこんな争いがあったなんて。争いを繰り返してはならないというけれど、自分や、大切な人がこんな思いをするなんて絶対に嫌だ。わたしたちはこういう物語を語り続けて、少なくとも今の日本でこうした争いがないことについて「平和でよかった」と思うときに、この人たちに思いを馳せないといけないように感じた。理由はうまく言い表せない。でも思いを遂げられず、名前も残らなかった人たちや、大切な人がこんな運命を辿った中島歌子たち水戸藩士の家族にとって、それがせめてもの救いになるんじゃないか、そんな気持ちのような気がする。 新しい時代が来たときに、かつての内紛のせいで、その中枢に就くことのできる人材が誰もいなかったという記述に胸が締め付けられた。 母に勧められて読んだ。本を読んでこんなに胸が締め付けられ、読み終わった後も思いを馳せては目が潤んでしまうのは久しぶりだ。
2投稿日: 2021.11.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
終盤は、時間も忘れて読み耽るほどのめり込んで読んだので面白かったのは間違いない。 個人的には、幕末志士達の自死も恐れない精神論みたいなのとかをあまり押し出されると、時代が違うとは言えちょっと「そこまでしなくても…」と、現実にかえって冷めてしまうところがあるので、中盤はちょっと飛ばし読みした。 そのせいか、若い頃はあんなに真っ直ぐで誰にも明るく接していた登世が、歌子となってからは時に少しとっつきにくい人間に変化していった理由がいまいち腹落ちしなかった。牢の中で死ぬ思いをし、命からがら生き延びた経験がそうさせたとあったが、それでもそんなに変わってしまったとは思えず、もう少しその変遷した経緯を知りたいと思った。
1投稿日: 2021.09.23
powered by ブクログ『辞世の句』 人がこの世を去る時に詠む歌。そう辞書には書かれている。 幕末ー。それは志の高い者たちが時にぶつかり合い生きていた、激動の時代。 そんな中で女たちは、一生懸命に男たちを支えた。 志半ばで詠む辞世の句は、その字のごとく、命を賭して詠んだ歌。 『露と落ち 露に消えにし 我が身かな 浪速のことも 夢のまた夢』 この豊臣秀吉の辞世の句のように、辞世の句とはてっきりこの世を憂うものだと私は思っていた。 けれどそれだけじゃない。 家族や妻、恋人に宛てたものもある。 この作品の辞世の句、それは、命がけで詠んだ愛の歌であり、恋の歌であった・・・ 瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢わむとぞ思ふ
1投稿日: 2021.06.30
powered by ブクログもう一度読み返して見て、結末はわかっているのに、こんなにも、心をえぐられる話だったかと、幕末を駆け抜けた、人々に思いを馳せ、日本人とは…と考えてしまいました。どんな時代も誰かを愛すること、家族を想う事、その心底は変わらない。今も内戦が止まない国は世界に有って、同じ様に血を流し苦しみを味わった日本が、平和への道標を示す事が出来ます様にと願います。
2投稿日: 2021.06.26
powered by ブクログ伝える事の積み重ねで歴史は作られていく それは教科書に書かれた人たちだけではない 君にこそ恋しきふしは習ひつれ さらば忘るることもをしへよ 学生時代は全く興味がなかった歴史にちょっと足を踏み入れてみようか
0投稿日: 2021.06.25
powered by ブクログ樋口一葉の歌の師匠、中島歌子の半生が書かれた手記を弟子が発見し、一緒に読み進める形の物語。 幕末、水戸藩の武士に嫁いだ歌子の生涯をかけた恋、そして多くの罪なき命が奪われることになった残酷すぎる出来事、そんななか辛うじて命を繋ぎ止めた多くの女たちが生き抜いてきた歴史は紛れもなくこの日本で起きたことなのだ。 五七五七七 31文字に人生をのせて歌う、恋歌。 切なくて、切なくて、ただただ切ない。 すごいタイミングで大河ドラマ「青天を衝け」で天狗党の面々が斬首される回が放送… ナレーションだけではあったが多くの犠牲があったことが少しでも多くの人に伝わっていますように。
1投稿日: 2021.06.15
powered by ブクログ読んでいて今まで感じたことのない気持ちになった…苦しくてやめたいのに、やめられない。 状況が悪くなるにつれ、以徳と登世の恋がより鮮やかに美しく変化したように思う。 幕末は人気の題材と思うが、水戸藩の内紛で多くの血が流れたことは知らなかった。 戦は誰の為、何の為か。幸せは志を持って死ぬことか、生き抜くことか。 「人が群れるとは、真に恐ろしいものよ」という貞芳院の言葉が忘れられない。 人々が歌に託した想い、生き抜いた歌子が31文字に託して伝えたかった想い。まさに〝恋歌〟であったと思う。
1投稿日: 2021.04.25
powered by ブクログまちがいなく恋歌だった。 中島歌子さんや幕末における水戸藩の立ち位置や歴史を知ることができる貴重な小説だと思う。私は全然知らなかった。 天真爛漫な少女が嫁いだ先で味わうしきたりや苦悩も読み応えあるんだけど、やはり投獄時代の描写が生々しくて想像しただけでクラクラしてしまうほど。当時の人達の覚悟、胆力たるや。 そんな地獄を経験しての憎しみや復讐心はあるのだろうけどそれぞれの立場でまた想いは異なり、簡単には割りきれずそれ故通じる信念や運命のいたずらのような関わりもあって。 幕末と言えば誰もが知る歴史エピソードは数多あるんだけど、名もなく散る人達にフォーカスする着眼点も素晴らしいと思った。
1投稿日: 2021.03.30
powered by ブクログ【子持ちが読むには辛すぎる史実】 せつなくなるような恋愛小説が読みたいと思ったのと、幕末が好きなのでこちらの本を選びました。本のストーリーについても主人公のモデルとなった中島歌子についても作者についても何の予備知識もないまま読み進めましたが、恋の相手が天狗党の水戸藩士と知って望んでたハッピーエンドは無いなと早々に気付いてしまいました。まぁ幕末という時代なので、ハッピーエンドな恋愛自体が稀有だとは思いますが。結論としては、恋愛小説といよりは時代小説として、途中からぐいぐいと物語に引き込まれ夢中になって読みました。 恋愛模様については心が洗われるような純愛ですが、描写自体はあっさりしたもの。あっさり恋に落ちてあっさり結婚。恋愛小説を期待していると描写も熱量も少し物足りないでしょう。しかし、その後、水戸藩でおきた歴史上の出来事に主人公たちが翻弄されて、恋愛小説から時代小説としてガラリと物語の様相が変わります。水戸藩の天狗党に見舞われた悲劇をほんの少し知っていたのですが、知っていたのは武士たちに起こったことであってその家族に起こったことではありませんでした。天狗党の武士たちの妻子、家族たちに何が起こったのかを知ってとてもショックを受けました。大昔から一家根絶やしという残酷なことが行われてきたと思いますが、近代目前の幕末というそう大昔でもない時代にも当たり前に行われていたのが信じられないと共に、私たちが生まれたのが今の時代で本当に良かったと思います。 主人公が投獄されてからの話は本当に読んでて辛かったけれど、ページをめくる手が止まりませんでした。幼い子を持つ私には本当に辛かった。主人公がそんな過酷な状況を生き抜き、歌人になるというある意味、安心材料があったからこそ読み切ることが出来たとも思います。歴史に巻き込まれ翻弄される女子供という視点が新鮮でした。歴史小説として良作だと思います。
1投稿日: 2021.03.21
powered by ブクログ恋愛小説としても、歴史小説としても最高の作品でした。幕末の作品は、あまりにも内容が色々ありすぎて、苦手でしたが、この作品を読み、他の幕末作品を読みたいとおもいました。 勝てば官軍、負ければ賊軍 まさにその言葉の通りに翻弄されたこの時代の人々 どちら側の人間にもそれぞれの思い・立場がある。一概に〇〇だと言い切れない事がある。それぞれ立場の想いがある。それを秀逸に捉えている作品でした。
1投稿日: 2021.02.15
powered by ブクログ幕末の水戸藩のおおよその歴史を知っていると読みやすいかなと思いましたが、そんな予備知識がなくても、動乱の時代に翻弄されつつも信念を持って生きる強い女性の姿がとても鮮明に描かれています。 歴史者が得意じゃない方でも一気に読めると思います。 茨城県に住んでいた時期がありますが、天狗と諸政、未だに遺恨があると伺ったことがありました。 藩内で殺し合う、こんなに壮絶な内乱があったのかと改めて驚きました。 幕末の水戸に暗い印象があるのは、やはりこの内乱か歴史に影を落としてるのだなと納得しました。
1投稿日: 2021.01.28
powered by ブクログ女性が輝く、とは、なんと儚い時代を幾年も経て来たものなのか、想像するだけで尊くなる。 池田屋の娘、登世。樋口一葉の師匠。 いわゆる、中島歌子の物語。 好きな人と一緒になりたい。 ただただ、そんな始まりで、恋する女性の切なさが続き、明るく真っすぐな性格を前面に、物語が展開される様は、次々とページをめくるのが楽しくもあり、また、苦しくもあった。 時は動乱、明治維新、前夜の時代。 名もあり志がある男子だけが、生き急ぎ、信念を持って生きていたのではない。 名のなき市井の人々が、同様に一所懸命に生きていた。 登世と貞芳院(徳川慶喜の母)の会話が秀逸でした。 この二人の2度ある邂逅、二人が紡ぐ「おしゃべり」が、この小説の全てを著している気がした。 なんともステキで、なんともそこはかとない、雅溢れ、心に正直な会話が続く。 今の世は、言葉の裏側に、あまりにも何も乗せないで、ストレートに相手に放つ。 ほんの150年ほど前の日本という国は、まっすぐ想いを伝えないからこそ、一言一言に想いをくぐらせ、日常の生活や会話をする中で、持ち得る「創造する力」を勝手に成長させ、養っていっていたのだろう。 言葉の持つ儚さ、少しでも残したいですね。笑 良い本でした。
1投稿日: 2021.01.06直木賞受賞作
朝井まかては、朝日新聞夕刊連載の小説が素晴らしくて、今は日経の夕刊でも小説を連載している。 どちらも歴史上の人物を題材に人情の機微を表現しているもので、今作も同じ。 歴史に興味をそそられるとともに、個々の登場人物の心の動きにも惹きつけられるものがある。
0投稿日: 2020.12.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
圧巻でした。 朝井さんの作品は以前、雑誌連載の銀の猫を読んでいたので、軽快な印象を持っていて、本書を読んでみようと思ったのですが、良い意味で裏切られた感じです。水戸藩の幕末の事件のことはほとんど知らずに読み始めました。獄中の描写を読みながら、なぜか、マーティンスコセッシ監督の映画、沈黙の中の拷問シーンが繰り返し甦ってきました。 皮膚感覚というか、ゾワリとした感触が襲って来るような気がしました。朝井さんの描写力の凄まじさに圧倒されました。それだけではなく、幕末の志士らの辞世の句に着目された朝井さんの視点にも新しさが感じられました。中島歌子の心の奥底に秘めた、まさに恋歌には誰もが心を揺さぶられるのではないかと思います。
2投稿日: 2020.12.04
powered by ブクログ同年代の女性がこんなにも生きづらく壮絶な人生を送る時代が確かにあって、それでも強く生きていたことにとても胸が苦しくなった。 終始息苦しい内容だったけれど、人にオススメしたい一冊
1投稿日: 2020.11.06
powered by ブクログ若いとか、躰がまだ小さいとかはあんまり見ません。銃口を向けられて立ちすくんでしまう者、これを仕留めるんが流儀や。
1投稿日: 2020.09.28
powered by ブクログたいてい投獄生活は過酷なものと決まってはいるけれど、やはり彼女たちが目にしたものを思うと胸が詰まる。 特に、延やいくの静かな凛とした姿には、体の芯を固く引っ張られるような、手を合わせたくなるような、そんな思いにかられた。そして登世は実際にそこにいたのだ。 一途に「待つ」だけにはさせてもらえない、動乱の世。 その後の彼女に何があったのかももっと知りたくなった。 歌人になるまでの話が主。歌なんて苦手という方でも大丈夫。
1投稿日: 2020.06.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
私からするとこんなに報われなくていいのかと思うとただただ切ない。 最初は恋が実って良かったわ〜みたいな気持ちも束の間、あれよあれよと政に翻弄され。 文中にもあるけど、男が志を持って生きれば、女は何を持つのだろうか、 主人を待つだけの身とは。いてもたってもいられなくなるのは分からなくもない。 また、水戸藩士の内紛についても分かった。 誰も幸せになってないなーと思いつつも、登世もてつも己を貫いたけど、幸せかどうかは疑問
1投稿日: 2020.04.15
powered by ブクログ題名から恋愛小説としていいだろうが、幕末期の水戸藩の悲劇を描いた歴史小説と言ってもいいか。 幕末から明治へと激動の時代を生きた実在の歌人中島歌子の半生記。小説は、その歌人の手記を弟子が詠むという構成になっており、それがこの小説に深みを持たせている。 情熱的でおきゃんな江戸の商家の娘が、水戸藩士に一目惚れ。その初々しい恋物語は、嫁いだ途端一変する。 江戸との文化の違い、小姑との諍い。さらに藩内抗争の余波が襲いかかる。凄まじいばかりの牢獄生活の描写は、アウシュビッツもかくやと。 血を血で洗う藩内抗争もこの小説の肝か。多くの有為の人材を失わせた内乱が、尊皇派でありながら水戸藩士を明治新政府の顔ぶれから遠ざけた原因だろう。 書中、薩長と水戸との違いを語らせる箇所がある。 「温暖な薩摩や長州も懐は豊や。けど、水戸は藩も人も皆、貧しかった。水戸者は生来が生真面目や。質素倹約を旨とし過ぎて頑なになって、その鬱憤を内政にむけてしもうたのや・・・」 歴史小説としても読めるこの作品を貫いている主題は、やはり歌人の一途な恋。折々に綴られる和歌に、歌人の思いが込められている。 君にこそ悲しきふしは習ひつれ さらば忘るることもをしえよ
8投稿日: 2020.03.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ブログに感想書きました。 https://blog.goo.ne.jp/luar_28/e/571b10ae7441fef743c8bbf0cd0a2bc9
1投稿日: 2020.02.13
powered by ブクログ自分の人生の中で、この本に出会えて良かったと思えた1冊。 恋する女性の強さというものを感じた。 主人公中島歌子の結婚、つかの間の新婚生活、牢獄での生活、その後の奔放な人生。 そんな節目に出てくる和歌がすごく印象的で、この限られた文字数の中にこんなにも情感溢れる想いを込めることができる和歌というものの奥深さを知った。 後半は泣きながら一気に読みました。
3投稿日: 2020.01.25
powered by ブクログ再読だけど、面白かった。銀二貫とかを彷彿させるね。一生懸命農村を何とかしようとする若旦那に惚れちゃうよね。女ぐせ悪いけど。お家さんがとっても魅力的です。
1投稿日: 2019.11.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
中島歌子の半生、甘い恋から一転幕末の動乱に巻き込まれ愛する人を失う激動の三年を描く。 まず、幕末の水戸藩という歴史に隠れがちな部分に焦点が当たっているという点に歴史好きとしては興味を掻き立てられた。後半で貞芳院が述べる通り、水戸藩と薩長土肥を比較すると「貧しさ」という点に目がいくのは事実。本作でも牢獄の描写は人が飢えや絶望により如何に狂気になり得るかを実にリアルに描く。 何よりも本作の注目ポイントはその荒波の中で登世(歌子)が何を感じ、どう動いてきたかにある。正直、恋歌というタイトルから林以徳との恋模様は深く、劇的に描かれると予想していた(例えば最後の別れのシーンはそれを仄めかす言動があってなど)。だが、実際には登世との夫婦としての描写は数ページで、以徳の最期も回想の中でしか描かれず、肩透かしを食らったように感じていた。 一方で、江戸に戻った登世が雅な和歌の世界で生きていくということを咀嚼した時、登世の一生に甘い夫婦生活のシーンは不要だったんだなと理解した。つまり、華やいだ少女時代から現実を生きる水戸での大事件を経て、心情をありのままに歌うことのない雅な歌人となった。 また、この過程を踏まえてみると、最後の「君にこそ〜」の歌から以徳への恋歌としての想いがより強く伝わる。
2投稿日: 2019.09.29
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なるほど、たしかに密度がすごい、読み応えのある本だった。読むのに時間がかかった。世界観もよく、一気読みした。 節目節目に短歌は登場するのだけれど、思ったより短歌短歌してなかったな、どちらかというと、幕末~明治期の水戸藩の歴史が中心だったな、と思った。 女性はやっぱり共感度が高い作品なんじゃないだろうか。ドラマチックで、構成にも惹きつけられるものがあって、よかった。取材や資料量の多さを感じさせる作品、歴史的な背景と風景描写が緻密で、目を引くものがあった。 個人的には、歴史のところよりも、歌子が短歌を習得するところの話をもう少し聞きたかったのだけれども…! * こんな時代もあったんだ、といより、本当にいつの時代も、どんな状況でも人は変わらないのだなと思った。 極限状態で人は本性が出るというけども、極限状態でなくても、人の本性というのはある、なにより本人がそれでどれくらい生きやすいかというのを感じて知っている。 この、今の平和な世でも、心がキリキリとして生き辛そうにしている人とはそこかしこで見かける。いつの世も変わらぬな、と思う。どの手段を選びたいと思うかは、経験はそれを裏付けるものであるけども、人は状況よりも前に決めていることだ、代わり映えのしない日常からこそ、その手段を選ぶ幅というのは広がるのだと思う。 戦場など、究極の状態に巻き込まれてしまうのはもちろん不幸だけど、そこで垣間見えるのは、あるいはその状況をどうとらえて対処していくかは、平生のその人が出ることだと思うし、それはその状態のせいではない、と言い切ってしまいたい。 むしろ、その平生が究極の状態を呼び込んでしまっている、ということだってあり得るのだ。 あとは、夫や子供が死んでいくのを知って自ら牢獄で命を絶っていった女性の姿勢から、時代に関係なく、生きるためのよすがを求めるのは変わらないのだなと思った。 ドラマチックな主人公の人生や、主要な人物たちの人柄が好ましく描かれていて、それも読みやすいところだったが、考えさせられたのは、その他大勢の人たちのふるまいや権力についてだったな、と思った。 面白いし、うまいし、もっとこの人の作品を読んでみたいのだけれど、すごい人をすごく書いてそれがすごいよね、で終わってしまうと、凡人としては「こんな人もいたのねえ」終わってしまうのがもったいないなと思う。 あ、あと自分に歴史の知識がないので、池田屋って、あの池田屋事件のやつか!と思い、池田屋事件いつ起こるのかなー!と思ったけど出てこなかったので、数少ない日本史の知識のあてがはずれでがっかりしたのだが、たぶん私の日本史レベルがしょぼいからだと思う。 面白かった、書くのにすごく手間がかかっているのが伝わってきた。風景や情景、心情の描写がとてもうまく、とくに件の短歌、「割れても末に…」の描写がとてもうまい、短歌ってすごいなあと思うことができた。
2投稿日: 2019.08.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
幕末で世の中のアタリマエに関して力が強かった時代だからこそ、そこでもがき苦しむ人の姿がより胸を打った。 志に死ぬ(開国派を討って自害とか)ことが是とされている中で、身近な人含めて本当に色んな人が亡くなっていく時代に巻き込まれていく。その中でも町人の彼女はその武士の志が全く理解できないという葛藤を持つ。 色々な人物が最期に詠む辞世の句には恥もなくストレートに感情や無念が籠っており、そこから感じる人間の生暖かさも感じる。 自立して生きると決意して大成するが、一方でどうしても拭えない孤独感がある彼女の人生には強さと表裏一体の孤独感があり、激しく胸を打たれた。
3投稿日: 2019.08.04
powered by ブクログ樋口一葉の師である中島歌子の知られざる半生。一途な恋を成就させ嫁いだ先は尊王攘夷の急先鋒、水戸藩の天狗党の志士。ゴリゴリの親藩大名の元で、攘夷派と佐幕派の対立が激化し、桜田門外の変を経て、藩主の気まぐれで攘夷派は粛清される。皆投獄され、獄死や処刑は家族にも及ぶ。これを生き抜き明治の世に生きる歌子が、最後にとった選択が泣ける。復讐と怨嗟の連鎖を止める唯一の方法であり、まさに凛とした判断。本書が直木賞を受賞した際「男は志に生きて死ぬが、女は何に生きて死ねば良いのか」という書評があり、とても考えさせられる。戦争も政治も男が大義を掲げ意思決定するのだが、悲劇に巻き込まれるのはいつも女子供。
2投稿日: 2019.07.21
powered by ブクログ読み始めは、とっかかりずらく、またにしようと思ったが、読み続けるほど引き込まれていった。情景の描写が上手くて、まるでそこに居るようであった。水戸藩の内情が理解できた。歴史が変わる時は残酷である。
2投稿日: 2019.06.02
powered by ブクログ命がけで歌を詠む時代があったんだ…。 『辞世の句』というのは聞いたことあったけど。 こんなにも命をかけて、胸が張り裂ける思いで詠んだ人々がいたのですね。 他にはどこにもない、静かに燃えるような31文字が並んでいます。
2投稿日: 2019.02.20
powered by ブクログこの小説を読むのをずっとスルーしていた、なぜかというと、幕末の歴史 が盛り込まれていて重過ぎる、そして、水戸藩州の歴史知らなくて知るのが怖かったから。でも読んでみて良かったとやはり思った。朝井まかてさんの読ませる力がぐいぐいのめり込ませてくれた。
2投稿日: 2019.01.22
powered by ブクログこれは面白かった!歴史小説は苦手だけど、これは一気に読めた。どこまでが事実なのだろう。構成が絶妙で、文体も綺麗。何より、登場する女性たちの芯の強さと気高さがとてもかっこいい。だらしなく生きてる私には、背筋を正される思い。朝井まかてさんの他の作品も読んでみたいと思う。
7投稿日: 2019.01.12
powered by ブクログ直木賞ということで初めて時代小説に挑戦。 結果、とてもとても面白かった。 解説にもあるように、読むのが辛くて苦しくてやりきれない。 本当にその通りで、日々生活していても心がこの小説の方を向いていた数日間。 小説としての面白さに加え、歌子先生の明治の若者に向けた言葉がそのまま現代にも通じているような気持ちがする。過去から学び現代を生きる。 さすが直木賞といえるストーリー展開で、読んでよかったと思えた。 友人にも薦めたい一作。
2投稿日: 2019.01.01
powered by ブクログ文学とかさほど詳しいわけではないのですが、直木賞受賞作の時代小説、しかも幕末の水戸藩というマニアックな設定だったので興味を惹かれて読んでみました。 読み始めたとたんに独特の語り口とスピード感にぐいぐい引き込まれ、あっという間に読み終わり、朝井さんの他の作品も読んでみたくなってしまいました。 樋口一葉の姉弟子が、病床に付している師匠の荷物を整理している中で手記を発見することから物語は始まります。 歌人である師匠の若かりし頃の恋愛、結婚、そして時代の激流に流されて行く様が生々しく(においまで感じてしまいそうなほどに!)描写されています。 幸福感に満ちたシーンはそのまま浸っていたくて読み続け、閉塞感に満ちたシーンは早くそこから抜け出したくて読み続け、気がついたらまんまとどっぷりこの世界にハマっているのです。スピード感の緩急も絶妙で読んでいて非常に心地よいのです。 時代としては桜田門外の変から、尊皇攘夷の急先鋒であった水戸藩の内乱(天狗党の乱)が中心になります。かなりマニアック(笑) タイトルは乙女チックですが、超本格時代小説で、歴史小説好きにはたまらない一冊でオススメです!! 今度朝井さんの他の作品も読んでみようと思います。
1投稿日: 2018.10.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
幕末維新のころの水戸の気風が知りたくて再読。 教科書には描かれない、幕末動乱期のもうひとつの側面を描いた小説。前半、何度も薩摩を批判しているくだりが出てくるのに、次第に水戸藩を二分する内紛へと突き進んでいってしまう後半は読み進めるのが本当につらい。 血で血を洗うような復讐の連鎖を体験した主人公が人生の最後に選んだ決意に、涙。 4年前に単行本で読んだときの感想はこちら。 https://booklog.jp/users/junjinnyan/archives/1/4062185008
2投稿日: 2018.09.04
powered by ブクログ幕末の水戸を舞台にしているのが新鮮。 →https://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-12379216569.html
0投稿日: 2018.07.14
powered by ブクログ樋口一葉の師として有名な歌人中島歌子の人生を書いた手記を、病床の歌子の弟子たちが読むことで、歌子の人生を辿っていく。 まさに壮絶な人生。歌子が歌に向かう気持ちの重さや熱さがどこから来たのか、病身でありながらどうして手記を書いたのか、歌子の残した遺言の意味などを、歌子の人生に重ねてみると、胸が熱くなる思いがする。 Wikipediaでみると、ちょっと時系列やらエピソードが違ったりもして、どこまでが史実でどこからが創作なのかはわからないが、とても美しくまとまっていると思った。
2投稿日: 2018.05.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2018/5/16 壮絶。 もちろん誉め言葉です。 でも壮絶すぎてドン引いてる私でもある。 おとぎ話が好きなんです。 ひっそり逃げ延びた以徳様と異国にでも行って伝説の豪商とかになっておもしろおかしく暮らしてもよかった。 現実はそうは行きません。 そんなジョークの入る隙もなくこれでもかこれでもかと人が死ぬ復讐合戦。敵方の女子供まで皆殺しの復讐の連鎖。 なんかむなしいわー そう、むなしくなってん。 あんまり正義だ!とか正しい!とか思い詰めずに楽しく優しくゆるーく生きようと改めて思った。
1投稿日: 2018.05.16
powered by ブクログ非常に読み応えのある作品。これほどの小説と知らずに読んだため、いたく感動した。深くて濃厚な時代恋愛小説を読みたい人におすすめ。
1投稿日: 2018.03.06
powered by ブクログ樋口一葉の歌の師匠として知られる中島歌子の波乱に満ちた半生を描いた作品。 直木賞受賞作 膜末の江戸商家の娘が水戸の藩士に嫁ぐ。 恋しい夫は尊王攘夷の志士だった。 彼女を襲う過酷な運命 愛した人をひたすら思う力 引き込まれて読んでしまいました
2投稿日: 2018.02.17
powered by ブクログ(オーディオブックにて) 読み始めはあまり期待していなかった。歌人をテーマにした明治時代の小説と感じたから。 ところが時代が江戸末期の水戸藩に飛んだ瞬間、惹きつけられた。 そして起こる藩内の対立。その犠牲になる女たち。グイグイ引き込まれて最後に驚きの事実。 そんなことが実際に水戸藩で起こっていたことは事実なのでしょうけど、明治時代への国の混乱の中に一般の人は知らないことなのでしょう。
1投稿日: 2017.12.31
powered by ブクログ入れ子の構造。歌人、中島歌子が病床にあるなかで、家の整理をする弟子ふたり。散らかった紙束の中に、めずらしく言文一致体で書かれた小説のようなものを見つけて、読み始める。それは、師がたどってきた険しい道のりを綴ったものだった。その内容が物語のほとんどを占めている。 宿屋の娘から水戸藩士に嫁いだ歌子、=登世。幕末という大きな転換期を、血で血を洗う内紛に明け暮れてしまった水戸藩を、女の立場から見続けた。粛清に巻き込まれて牢暮らしも経験した。敵対する一派の家族であるというだけで「大根の首でも落とすような、酷い所作で」命を奪われた妻、母、子供たちを見届けた。 前半の、若い娘の恋心があふれる瑞々しさ、初々しさとはまるで違う、血塗られた時代の描写は読むのが辛くなるほど。しかし、生き抜いた登世が和歌を学ぼうと決意した理由が、夫・以徳を戦場へ見送る時に詠んだ歌があまりにも拙くて後悔したから・・・というところに、なんというか、衝撃を受けた。 人は、そういう動機で、自分の生きる道を選ぶことが出来るのだ。むしろ、女だったからそうなったのかもしれない。男ならばやはり一矢報いて自らも・・・というのがあの時代の当たり前だった。それが難しい女だから、後悔を抱えつつ、生きる理由として、歌を選んだ・・・。 入れ子なので外側の弟子にも物語はあるのだけど、やはり内側の熱量がすごかった。
3投稿日: 2017.10.21
powered by ブクログ全体のトーンは恋歌、和歌で恋を歌い上げる、中島歌子は何故歌い続ける必要があったのか? 中島歌子が中島登世だったころ、水戸藩士林忠左衛門以徳を慕い、水戸に嫁入り。 当時の水戸藩は藩論は尊王攘夷で統一されていましたが、細かい部分では天狗党と諸生党に分裂し、激しく対立していた。林は天狗党メンバーながら分裂を回避し、藩論統一に奔走。天狗党の乱に加わることになり、戦病死します。天狗党幹部の親類縁者として妻登世も投獄されます。夫に再び会えることを信じて生き延び、出獄後は水戸を脱出します。 夫が戦病死していることを知り、それでも夫の遺志を尊重し、生き延びねばならないと信じていた登世は、夫に贈った和歌の返歌が心残りでした。何故思い漕がれいる夫への想いを歌に込められなかったのか?そう思ったところから、命を懸けて和歌の道を究めようと心に決め、和歌の道を突き進みます。 そのころの武士道がどんなものであったかは、歴史ドラマでよく見るが、結局は腹切の横行という感じもある。そのような時代感のなかで、生き延びろ!という宣言がどれくらい通じたのか疑問でもある。 天狗党の乱は教科書では討幕運動のホンの一つに過ぎない。しかし当然ながらそこには参加した人々の分だけ物語があるわけで。数々の維新の事案のなかでどうしても埋没してしまう。それは天狗党の乱だけでもないわけだが。 しかし、天狗党の乱を紐解くと、水戸国内の激しい対立と報復の連鎖は、今の世の宗教対立に似たものがある。それを知らずにいたこと、本書にあって知ることができたこと、それが本書の一番の収穫かもしれない。
1投稿日: 2017.10.16
powered by ブクログ第150回直木賞受賞作。 著者初読み。 樋口一葉の師と言われる中島歌子の半生を綴った作品。 水戸藩の天狗党の関係書籍と言うことで読んでみたが、想像以上に歴史に関する部分が詳しく描かれており、水戸藩の歴史の勉強にもなった。 そして、タイトルにもなっている「恋歌」。愛する人を幕末の戦乱で失った主人公・登世や他の天狗党の関係者達の31文字に込めた想いが何とも切ない。
10投稿日: 2017.10.10
powered by ブクログ2017年10月9日読了。第150回直木賞受賞作。歌人・三宅花圃や樋口一葉の歌の教師として知られる中島歌子の残した手記に記された、過酷な人生の内容とは。幕末が部隊の小説、だが小説の舞台となる「天狗党の乱・水戸藩内部のごたごた」ってよくある歴史ものではあくまで背景としてさらっと流れてしまうもので、そこにフォーカスして「こんなこともあったのか」と新しい認識をもたらしてくれたのはよかった。が、水戸藩の面々の葛藤はわかるんだけど「こいつらいつまで同じことでぐだぐだやってるんだ」という印象になってしまい、後半の登世の苦しみにも共感できなくはないのだが「そもそもあいつらがもうちょっとうまくやっていれば…」という感想がぬぐえない。まあでも、歴史っていろんな切り口があって面白いやね。
1投稿日: 2017.10.09
powered by ブクログ歌人・中島歌子の手記を弟子が読む、という形で進む幕末の物語。 妻の立場から書かれた手記の内容の凄惨さと、苛烈すぎる状況の中でも伝わってくるみずみずしい感情に圧倒される。 少し彼女の和歌を読んでみたくなった。
3投稿日: 2017.09.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「恋することを教えたのはあなたなのだから、どうかお願いです、忘れ方も教えてください。」 己の心を命懸けで三十一文字の歌に注ぎ込む中島歌子の半生。 幕末から明治にかけて全力疾走した登世(のちの中島歌子)。 幕末における水戸藩の内紛や尊王攘夷等について、色々思うところもある。 しかしなんと言っても、どんなに辛い仕打ちを受けても「恋い焦がれたあの人の妻になれた」ことを胸に生き抜いた登世は天晴れだと思った。
8投稿日: 2017.08.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
壮大な物語で驚いた。 水戸藩の世界の息苦しさよ…。。 藩内でそんなにいがみ合って、一体何が生まれたのかなぁ。変革って犠牲が伴うし、反発も激しかったと思うけど、今と違って情報も少なくて視野が狭いから? 現代の政治・選挙というシステムは合理的んだなぁと感じる。 憎しみは憎しみしか生まない。
1投稿日: 2017.08.11
powered by ブクログ「恋に落ちる瞬間」が、こんなにも美しいなんて。現代とは違う。連絡を取ることだけでも困難で、再びまみえることも確約など出来ない時代に。祈るように送り出し、その先を共に生きるために待つ。待てども再びはないと理解し尽くしてなお、忘れることが出来ない。 いやー、良かった。とても。
3投稿日: 2017.04.02
powered by ブクログ恋歌を「れんか」と読ませているのにこの本の魅力が集約されている気がする。「こいうた」のような甘いだけではなかった燃え上がるような恋。ところどころに挿入される和歌が物語を盛り上げる他、最後の意外な事実、そして決断によって憎しみの連鎖が断ち切られることも感動的。
1投稿日: 2017.03.16
powered by ブクログ恨みの連鎖を断ち切ろうとした登世の覚悟が見事。 冲方丁が「光圀伝」の中で義を全うさせた光圀の姿と完全に二重写しになるものでした。
1投稿日: 2017.03.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
前半は幕末の江戸で商家の娘として育ったおしゃまな歌子が、厳格だが愛情あふれる母、いつも味方の爺やに囲まれほのぼのとした娘時代を過ごしていて、一途な恋を成就させ、水戸の藩士に嫁ぐ話だった。後半は、尊王攘夷の急先鋒・天狗党の志士の夫が内乱が勃発するとどこに行ったのかわからなくなり、妻子も逆賊として投獄されてしまう。極限の中で淡々と日々を過ごし凛として死んでいく女性、なりふり構わず生き抜いていく女性に目が離せなかった。時折、挿まれる短歌に身につまされた。 君にこそ恋しきふしは習ひつれ さらば忘るることもをしへよ
1投稿日: 2017.01.11
powered by ブクログ幕末時代の水戸の尊王攘夷によって、波乱の人生を送ったひとりの女性歌人を描いている。 関西育ちの私には、京都の尊王攘夷しか頭に入っていなかった愚かさに、水戸の内乱が、こんなに大変だったのか?と、改めてこの本で知った次第である。 題名の『恋歌』と、、、書かれていて、三十一文字の恋歌と、思いきや、幕末の動乱の時代を、駆け抜けて行った一途な女性が、記されている。 何不自由のない生活を送っていた裕福な商家のおてんば娘が恋した人は、水戸の天狗党である。 母親も凄い人だと思う。 大きな商家を処分して、娘の持参金に迄費やすことが出来る肝っ玉の備えた人である。 しかし、天狗党は逆賊とされて妻子も投獄の身になり、当の歌子本人も投獄され、その様子の惨たらしい姿を垣間見ながら、生へ、そして、夫への再会を夢見て、生き抜く姿に、本から目が離せないでいた。 今、日本のこの地で、平和に暮らしている自分が、中東などの戦争で、難民になっているものなど報道を見ると、この本のような事が起きているかもしれないと思うとぞっとする。 しかし、中島歌子は、意思の強い人であったのだろう。 実家の後ろ盾も大きいけれど、、、 歌人で花咲き、多くの弟子を、偉大な歌人や小説家へと排出したのだから。 最後に、子のできなかった中島歌子が、遺書に託す養子と相続については、意外であったが、本人は、一番の裁量だったのだろう。 中島歌子(登勢)の弟子の三宅花圃(田邊龍子)の目から師を描いている部分から始まり、最後に葬儀の場で終わる。 恩師の波乱に満ちた人生を描いているが、色々浮名も流したことを記すことなく、綺麗に描かれている。 中島歌子の母親のような人を題材の本も読みたいと思ったひよっこである。
1投稿日: 2016.12.16
powered by ブクログ私のひいおばあさんは明治生まれなのだけど、この幕末の激動を読むと、明治生まれもひよっ子、と言われても仕方ない。私たちなんて、ひよ子以下だわ… 見た目やうわべは柔らかく、芯は強い女性になりたいと思った。それには、志を決めなくては。私の志、何だろう。。
3投稿日: 2016.12.06
powered by ブクログ一緒にいる時間だけでははかれない、そんな添い方もあるのかもしれません。 時代が違えば穏やかな生き方もあっただろう名もなき人々が築いてきて今がある。 奥床しいけど命懸けの歌が詠めない私は、日々感謝を言葉に出して伝えなければとしみじみ思います。 生きていきたい、登世殿と共に…すごい一言だ。 瀬をはやみ〜の歌のとおりまたあの世で会えますように。
1投稿日: 2016.10.12
powered by ブクログ朝井まかてさんの水戸天狗党の乱を背景にした歴史小説。 幕末時代、何かつながりが感じられずポツンとした印象ばかりで、どんな事件だったのかよく知らなかった天狗党の乱。そういえば小説で取り上げられることも少ないですね。 この本を読んでようやく判りました。御三家の一つ水戸徳川家で起きた尊王攘夷。薩長(土肥)の尊王攘夷が初期はともかく最終的には討幕を目的にした旗印に過ぎなかったのに対し、天狗党は目的が尊王攘夷。そのために幕末の様々な流れの中で孤立した印象があになるのですね。それにしても、こんな悲惨な事件だとは思いませんでした。 天狗党の志士に出会い、一途な思いを実らせそのもとに嫁いだ明治の歌人・中島歌子。 1000人もの門下生を持ち、いくつもの浮名を流したという維新以降の生き様を見れば、傲慢で我儘なやり手だったのかもしれません。しかし朝井さんは中島の一首「君にこそ恋しきふしは習ひつれ さらば忘るることもをしへよ」をもとに、夫にぞっこんで、おきゃんで純粋な若き歌子像を描いて見せます。史実はどうだったのでしょう。しかしそんなことは関係なく、浅井さんの描く歌子はとても魅力的です。 タイトルを見て歴史を背景とした恋愛小説かとちょっと手を出すのをためらったのですが、骨太な見事な歴史小説でした。
7投稿日: 2016.08.14
powered by ブクログ歌詠みの女性の恋物語。 と、タイトルだけで想像して読み始めたが、 予想外に、壮大な物語であった。 幕末、維新の時代の流れの中で翻弄され、 その中でも、人を想う心を強く、大切にし、 しっかりと生き抜いた、だからこそ 歌に想いをこめられた主人公、登世。 登世が恋いこがれる以徳さまもさることながら 爺や、てつ、登場人物が皆、それぞれに 何かを教えてくれる魅力的な人物。 愛する夫への歌に、三十一文字の世界に もっとふくらみを持たせたいと 歌にとりくむことになった登世。 さまざまな心の在り方が美しく、強く、 読み終えたときに、とても大きなふくらみをもつ 恋歌に包まれていた感動が胸にひろがった。
4投稿日: 2016.07.28
powered by ブクログ天狗党の乱は聞いたことがあったけれど、天狗党が破れたら妻子が投獄されて、容赦なく処刑されたり、餓死したり、自殺したりする事実にただ唖然。 なかなか話に入っていけなくて苦労した作品。
1投稿日: 2016.07.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
直木賞受賞作品らしいなぁと思った小説。 女性の目から見た、明治維新。それも水戸藩内紛という、全国レベル目線だとかなり目立たない事件を背景にしているという着眼点もそうだし、すれ違いの多い二人の切ない恋物語ってベタさも、主人公目線を基本に、どんでん返しは別の視線を用意しておいて、そこに語らせるという構成もそう。文学賞の選考員が喜びそうなポイントを上手く突いていると思うが。 そんなことも含めて、この小説エエわぁ。 江戸の商人お嬢が、お店を潰すほどのわがままをして、新婚早々、嫁ぎ先の小姑中心いびりに耐えて、死と血と糞便の臭い充満する地獄の投獄生活の中でも、ひたすらに貫き通す一途の恋。 「君にこそ恋しきふしは習ひつれ さらば忘るることもをしへよ」 この歌を本題に据えたクライマックスが、なるほどこういう風になってくるのか、明治の文学界にはこういう一面もあったのか、と一々納得、一々唖然。 ちょっと強引な仕掛けもなくはないが、筆のパワーに圧されて「それもまぁアリかな」と思わされてしまった力作。 せやけどね、ほんまケンカは個人戦やわ。徒党を組んでするケンカ(戦争)なんて、ロクなことはない。ケンカしたいんか、自分の意見を認めさせたいんか?ちゃうやろ、自分のしたいことをしたいんやろ、ならケンカ(戦争)は一番の遠回りで損な道。備えはいるが行使なんて最悪の選択だと、それはホントにそう思う。
3投稿日: 2016.07.09
powered by ブクログただの恋愛物と侮っていたらとんでもない。歴史背景や当時のしきたりが鮮明に描かれており、普通に恋をし、普通に家庭を持つことがどんなに幸せなことか、この一冊で改めて実感しました。 幕末の水戸藩の内紛により、江戸から水戸に嫁いで間もない登世も巻き込まれてしまう。投獄されてからの描写は兎に角生々しい。読者も憎悪を覚えてしまう。そんな中でも登世の以徳への一途な愛に心がほころぶ。「君にこそ恋しきふしは習ひつれ さらば忘るることもをしへよ」この歌で何人が泣いたことか。 今の日本があるのは、この本にも描かれた無名の戦士たちのおかげである。作中で登場した以徳や清六のように、一人一人には壮大や物語があったはずだ。どの時代の、どの国の戦にもおいて言えることである。
1投稿日: 2016.06.19
