
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
直木賞受賞作品らしいなぁと思った小説。 女性の目から見た、明治維新。それも水戸藩内紛という、全国レベル目線だとかなり目立たない事件を背景にしているという着眼点もそうだし、すれ違いの多い二人の切ない恋物語ってベタさも、主人公目線を基本に、どんでん返しは別の視線を用意しておいて、そこに語らせるという構成もそう。文学賞の選考員が喜びそうなポイントを上手く突いていると思うが。 そんなことも含めて、この小説エエわぁ。 江戸の商人お嬢が、お店を潰すほどのわがままをして、新婚早々、嫁ぎ先の小姑中心いびりに耐えて、死と血と糞便の臭い充満する地獄の投獄生活の中でも、ひたすらに貫き通す一途の恋。 「君にこそ恋しきふしは習ひつれ さらば忘るることもをしへよ」 この歌を本題に据えたクライマックスが、なるほどこういう風になってくるのか、明治の文学界にはこういう一面もあったのか、と一々納得、一々唖然。 ちょっと強引な仕掛けもなくはないが、筆のパワーに圧されて「それもまぁアリかな」と思わされてしまった力作。 せやけどね、ほんまケンカは個人戦やわ。徒党を組んでするケンカ(戦争)なんて、ロクなことはない。ケンカしたいんか、自分の意見を認めさせたいんか?ちゃうやろ、自分のしたいことをしたいんやろ、ならケンカ(戦争)は一番の遠回りで損な道。備えはいるが行使なんて最悪の選択だと、それはホントにそう思う。
3投稿日: 2016.07.09
powered by ブクログただの恋愛物と侮っていたらとんでもない。歴史背景や当時のしきたりが鮮明に描かれており、普通に恋をし、普通に家庭を持つことがどんなに幸せなことか、この一冊で改めて実感しました。 幕末の水戸藩の内紛により、江戸から水戸に嫁いで間もない登世も巻き込まれてしまう。投獄されてからの描写は兎に角生々しい。読者も憎悪を覚えてしまう。そんな中でも登世の以徳への一途な愛に心がほころぶ。「君にこそ恋しきふしは習ひつれ さらば忘るることもをしへよ」この歌で何人が泣いたことか。 今の日本があるのは、この本にも描かれた無名の戦士たちのおかげである。作中で登場した以徳や清六のように、一人一人には壮大や物語があったはずだ。どの時代の、どの国の戦にもおいて言えることである。
1投稿日: 2016.06.19
powered by ブクログ2016/05/20 もっと恋愛要素の強い作品だと思って読み始めたのだけれど、ちょっと違った。 水戸藩がこんなにも悲惨なことになってたなんて、恥ずかしながら知らなかった。 また違った視点で読む幕末。
1投稿日: 2016.05.20
powered by ブクログ知らなかった歴史を見せてもらいました。 天狗党といえば、芹沢鴨がいたところだよね、くらいの知識で、1人の女性の恋愛が幕末の水戸藩の内紛や幕末の歴史のストーリーになろうとは。 入りやすい入り口からなかなかの歴史物語を見せてもらいました。 もちろん、囚われの身であったこともあり、歴史の戦いに身を投じた武士の目線より少し外から見た歴史ではあるが、血の通った歴史であった。 水戸藩といえば水戸黄門とか将軍お膝元とかで立派なイメージがあったが、実際はお金に困っていて内紛が起きていてそれを収められる人もいなくて、って大変だったのねというのも初めて知りました。 いい目の付け所。 2016.4.21
1投稿日: 2016.04.22恋歌
明治維新前の水戸藩の状況がよくわかる。天狗党と言うのは耳にしたことがあったがどんなものかも知らなかった。 ある程度のことがわかった。小説は面白かった。もう少し歴史的な事実を知りたくなった。
0投稿日: 2016.04.10
powered by ブクログ御維新の時代の水戸がそんなことになってたのを初めて知った。 登世と以徳ふたりのトピックより、当時の動乱の方がメインになってる感じだったが登世視点で描かれているので読みやすかった。 てつ殿と二人で行動を共にして以降をもっと知りたかったけど、こんくらいがちょうどいいのかなー。はらはらもするし、切なくもなるし、何か残る一冊でした。
1投稿日: 2016.03.05幕末舞台の出色のラブストーリー
幕末の裏面史といってもいい水戸藩天狗党の若者たちの恋物語。 と書けば軽薄だが、中身は壮絶極まる。 一種のミステリーといってもいい文明開化後の種明かし が大きなな感動を呼ぶ。
2投稿日: 2016.03.01
powered by ブクログたった一つの恋を成就させたというのに、その相手が水戸藩士だったばかりに、結婚後の登世には壮絶な運命が待ち受けていた。義妹には受け入れて貰えず、水戸藩の内紛に巻き込まれてしまう。 天狗党の乱以降の出来事は、読んでいるも辛い描写が続いた。あの状況に陥っても嫁いだことを後悔していない登世の一途に夫を想う強さに胸を打たれた。 戦国や幕末の動乱期に、登世と同じような過酷な経験をした武家の女はどれ位いたのだろうかと思うとやるせない。 「君にこそ恋しきふしは習ひつれ さらば忘るることもをへしよ」 この歌に、涙腺が崩壊でした。
1投稿日: 2016.03.01
powered by ブクログ幕末から明治なる動乱の時代に 水戸藩士の妻となった女性の半生が描かれている。 水戸藩内部の内乱により逆賊として投獄される。 彼女はのちに歌人となり明治の世を生きる。 途中からどんどん先が気になって、気がつけば読み終わってました。水戸藩の内乱ははじめて知りました。 君にこそ恋しきふしは習ひつれ さらば忘るることもをしへよ。 この歌は泣けます。
1投稿日: 2016.02.09
powered by ブクログ全く知らない幕末から明治維新の話。水戸藩って、何したっけ?? 安政の大獄。 井伊直弼。 桜田門外の変。 水戸藩の人から見たら、そういう話だったん? しかも、ただの自伝、自分史かと思いきや、遺書につながるとは… 「自分」を持つことの大変な時代に、ここまで自分の意思で動いた女性がいたのにも衝撃を受けた。 それにしても、水戸藩の皆さん。 日本全体が大変な激動の時代に、何で内紛なんか…小さな一つの藩の中で、優秀な人材を殺しあっていったい何がしたかったの?
1投稿日: 2016.02.05
powered by ブクログ母の姉であるおばさんが貸してくれて読みました。 水戸藩の知らなかった歴史。 苦しい時代があったのですね。 直木賞にしては、わたしはいまひとつだったような。
2投稿日: 2016.01.31
powered by ブクログとても情熱的な恋だった 「瀬をはやみ岩にかかせる滝川の われても末に逢はむとぞ思ふ」 与謝野晶子といい、女流歌人はかっこいいのかもしれない
1投稿日: 2016.01.30
powered by ブクログあまり歴史小説は読まないのだけれど、女優の杏さんが勧めていたので。 歴史に詳しいわけでもないけれど、段々と吸い込まれてしまいました。 あの時代に生きる女性の志を見た気がします。
1投稿日: 2016.01.26
powered by ブクログ中島歌子、樋口一葉など知れた名前が出てくるけれど、それ以上に幕末のおぞましさみたいなものが伝わってくる。 その中で生き延びて、ひとつの歌に込める想いの切なさと潔さ。 誰のせいにもできない運命のもと、そういうものはたしかにあるということだ。
1投稿日: 2016.01.09
powered by ブクログ時代小説は割と苦手なジャンルだが、本作はかなり現代風の筆致で描かれており、読みやすかった。内容もなかなか面白く、直木賞受賞も納得の良作だと思う。 全体の印象としては江戸のお転婆娘が水戸の武家に嫁ぎ、喜びと苦難の日々を送りながらも夫への一途な想いを抱き続けている様子がうまく描かれていると感じた。物語後半の最大の読みどころである、牢獄に幽閉されて毎日のように処刑が続く凄惨な日々の描写はとても迫力があり、読んでいて胸が痛くなった。史実を基にした作品ということだが、明治初期に水戸でこんな無茶苦茶な内乱があったなんて全然知らなかった。 作中内手記という手法自体は賛否両論あると思う。そもそも当時こんな現代風の文章を書けるわけがないわけだし。でも、花圃が読み取った内容を作者がデフォルメして表したのだと解釈すれば、まーこれもありなのかなとも思う。
1投稿日: 2016.01.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
おもしろかった。手記形式にする必要性はよく分からなかったが、あとがきを読んで納得。後書きまで満足。前半は恋愛もの、後半は戦の堪えがたさ、むごさ、水戸藩の内紛の愚かさ。。そしてまた人を愛することへとテーマは戻り・・・。 最後の最後もとてもよかった。「鎮魂」という言葉はやや浮いていたように思うけれど。 いつか大河になるかいな。いや無理か。
1投稿日: 2016.01.08
powered by ブクログ歌人中島歌子の波乱の人生を綴った歴史小説。タイトルと前半部の展開から恋愛に重きを置いた情緒的な作品かと思ったが、水戸に舞台が移ると俄然重厚なドラマとして読者に迫り、後日談も鮮やかで清々しい。なぜかイアン・マキューアンの「贖罪」(ATONEMENT)を連想した。
1投稿日: 2015.12.29
powered by ブクログ読み終えて、恋歌の本当の意味を知った。 登世が水戸藩士以徳と出会い、恋し、水戸へ嫁入りをする。少女であった登世の初恋から恋愛結婚と若々しい活力と希望に満ち溢れた様子に、本書を読む私にも水戸の空も田畑も輝く情景が目前に浮んだ。 しかし、桜田門外の変に露見するそれ以前から狂っていた歯車は、速度を増して新妻登世を波乱の運命へと巻き込んでゆく。 幕末から明治維新を書いた小説の多くは、時代の偉人や悲劇のヒーローを中心に書かれているが、時代の渦に巻き込まれ翻弄され泡と消えた多くの藩士やその妻たちに触れた作品は読んだことがなかった。 時代の梶に触れることも、流れを読むこともできず、ただ自滅していった水戸の志士たちの無念と、その志士を支え信じ通して牢獄で命を絶たれる妻子たちの無念を思うと余りある。 また明治に時代を遷しても続く報復の連鎖に胸がさらに痛む。 死を前に、信じる夫や妻を想い読む辞世の31字の重さはあまりに重く悲しい。 今、シリアやイスラエルを中心に起きている悲劇の構図も、多少の違いはあれど水戸での悲劇と同じように感じる。明治維新から1世紀以上経ち、急速に人類の知恵が発展しても、まだ人類が似たことを繰り返していることに、人の世はつくづく難しいと感じる。
1投稿日: 2015.12.25
powered by ブクログ中島歌子については、萩の舎の名とともに樋口一葉の師として描かれているものに触れたことがある程度だった。 その彼女が、こんなに凄絶な経験をした方だったとは・・・。 巻末の解説を読んで、もう一度、問いかけられるものを感じました。
1投稿日: 2015.12.12
powered by ブクログ明治時代の歌人、中島歌子の生涯を描く、直木賞受賞作。 のちに樋口一葉の師としても有名になった彼女は、江戸の豪商の娘として育ち、恋慕った水戸藩士林以徳に嫁し、初恋を成就させる。しかし時は幕末、特に混沌として不穏な動きの絶えない水戸でやがて壮絶な運命に飲み込まれる…。 大成したのちの彼女からは想像もつかない過去。今まで知らなかった水戸藩内部の戦乱と相まって、最後まで引き付けられた。また、終盤でふと現れる意外な人物の真実など、仕掛けも心憎かった。 まだまだ幕末には知られざる波乱の生涯を送った人物がいるのだなぁと思った。
1投稿日: 2015.11.29
powered by ブクログ女優の杏さんがテレビで勧めていて読んでみました。朝井まかてさんの作品は初めて読みました。 教科書で大政奉還は習ったものの、その裏で水戸藩の人、主人公たち市井の人がどう苦しんだかを教えてもらえる作品。 ドラマや映画では幕末の著名な藩士たちの姿が描かれますが、映像にするにはあまりに酷い歴史に胸が潰れそうになります。 そしてその時代に生きた女性の燃えるような恋を見届け、本を閉じると、深くため息を吐くしかありませんでした。 読んでいくうち、この本を勧めていた杏さんが大事にしているものに少し触れられるようで、以前よりも彼女のファンになった気がします。
1投稿日: 2015.11.28
powered by ブクログ直木賞作品。 朝井まかて氏の作品は初めて読む。 まだ作家としては熟していない頃の 作品だと思うので 批判は控えたい。 描かれたものが生々し過ぎて 描かれたものから何を読み取るべきか 私にはわからなくなってしまった。 中島歌子の生涯については とても詳細に取材されたのだろう。 血が匂い立つような描写は迫真だった。 歴史の語るものは事実であり それを受け取ることに抗いはしない。 しかし 私が求めるものは文学であり 人間への賛歌だ。 胸の底まで冷え切ってしまう史実から 私はなお 何かの救いを得たかった。 歌の 言の葉の尊い力さえ 副え物のような 扱いでは 発揮されない。 筆力には敬服したが 得られなかった。 これは私の問題なので 参考にはしないでほしい。
1投稿日: 2015.11.22
powered by ブクログ樋口一葉の歌の師匠の中島歌子の波乱に満ちた半生を描いた作品。舞台は維新の水戸藩。 歴史物は苦手でしたが、直木賞というのとタイトル「恋歌」に惹かれて読みました。 女の一生というのは、生きる時代で違ってくるもの。文明が進んだ現代では考えられない壮絶なシーンもありました。 人を想う気持ちはいつの世も切なくも悲しく、そして、甘く強いものなのだと思います。一人の人をここまで愛せたら、例えあえなくても幸せな女の一生なのでしょうね。
2投稿日: 2015.10.18
powered by ブクログ樋口一葉の師・中島歌子は、知られざる過去を抱えていた。幕末の江戸で商家の娘として育った歌子は、一途な恋を成就させ水戸の藩士に嫁ぐ。しかし、夫は尊王攘夷の急先鋒・天狗党の志士。やがて内乱が勃発すると、歌子ら妻子も逆賊として投獄される。幕末から明治へと駆け抜けた歌人を描く、直木賞受賞作。
1投稿日: 2015.10.15
