Reader Store
一八八八 切り裂きジャック
一八八八 切り裂きジャック
服部まゆみ/KADOKAWA
作品詳細ページへ戻る

総合評価

29件)
3.9
8
10
5
3
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     今年中にもう1冊読む予定だったのに、長すぎて本書が2022年最後の読書に。電子書籍は読み始めるまで分厚さに気づかないので臆さず読めるのは長所かもしれない。文庫本だったら読んでなかったかも。  序盤はなかなか事件も起こらず優雅な留学生活ぶりに鼻白らんでいたが、細部まで丁寧な描写と美しく残酷な当時のロンドンの様子、終盤にかけての加速など、ページを捲る度にグイグイ惹き込まれていく。この時代はまだ指紋が1人1人違うことが常識ではなかったのか。長いがその分読み応えもバッチリ。もう1冊積んでる著者の別作品も楽しみ。

    3
    投稿日: 2022.12.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    霧のロンドン、貴族と貧民が混在する、耽美と退廃に彩られた血生臭い街。 主人公は、日本人医学留学生・柏木薫。最初はベルリンで解剖学を学ぶのだけど、友人の「光の君」こと鷹原惟光の紹介で、先天性奇形症候群であるエレファントマンに興味を持ち、ロンドンへ。そこで切り裂きジャック事件に出くわし、巻き込まれていく。 切り裂きジャックについては、なんとなくしか知らなかったので、無知の状態だったこともあって、事件の凄惨さに興味を持ちながら読みました。 読後にあらためて調べると、実際の事件とほぼ同じ流れで小説も展開されていました。その上で、あの人が犯人かもという方向に持っていったんだなぁとわかり、なかなか面白かったです。 ただ、この作品の魅力は、事件そのもののトリックよりも、主人公が人生について悩みながら作家という存在に興味を持っていくという青春物語であったり、また大きな魅力としては鷹原のキャラです。彼は、高い知性、稀な美貌、社交術を持ち合わせながら、シニカルな見方をして時に薫と衝突しつつ、なんだかんだいいつつ薫を心配したりと、二人のやりとりに引き込まれます。 それから、エレファントマンの描き方も、最後まで読むと感心させられました。薫に影響を与えた人物として出てくるわりには、けっこう重要なポジションにいるよな…と思いながら読んでいたのですが、そうくるとは。最後の最後、あの塔の模型に隠された秘密。しびれます。 前半は登場人物が多く、恥ずかしながら世界史に疎くカタカナの人名にも弱い私は、何度もぺージを戻しては、これ誰やっけ??となりながら苦労して読み進める始末でしたが、物語が進むにつれ主要人物の関係性は自然とわかってきました。 ヴィーナスのくだりも、そういうものがあるとは知らなかったので勉強になりました。あの当時ってグロテスクな美が当たり前に許容されていたんですね。 19世紀末ロンドンにタイムスリップしたかのような気分に浸れる一冊でした。長かったけど、そのぶん読みごたえがありました! あと、森鴎外や北里柴三郎が出てきた他、薫と鷹原が源氏物語になぞらえてあるという遊び心。柏木薫て…(笑)でもそれが35年後のラストにつながるのだからおもしろいですね。

    3
    投稿日: 2022.02.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    実は再読だけど、ほとんど内容を覚えていなかったのでほとんど初読み気分で読めた。 前半物語の雰囲気に慣れるまでは読むのにひたすら時間がかかったけど、後半事件の解決まで気になって一気に読めた。おかげで寝不足。 ほんとにシリーズ化して欲しいくらいメイン2人のキャラクターが好き。

    2
    投稿日: 2021.12.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    素晴らしい。わたしも鷹原と柏木くんと共に19世紀ロンドンに存在していた。 切り裂きジャックとエレファントマンは同じ時代だったんだ。 ここではジャックの正体より、この時代の退廃したロンドンとそこに生きる人たちを中心に描いている。 同性愛者であることを隠して生きていかなければならなかったスティーヴンとドルウェット、娼婦として生きて行くしかなかったメアリ、抑圧や鬱屈を排出できず爆発させてしまったトリーヴス医師、見せ物として晒され壮絶な人生を歩んできたにも関わらず感謝と敬意しか示さないエレファントマン。 そして語り手である柏木くんも絶賛モラトリアムである。 容姿端麗で頭脳明晰な完璧超人な鷹原ですら、実の母が娼婦であった過去を持つ。 非常に鬱々としながらも青春小説のような爽やかさもある。 そして何より、はじめと最後に老人になった柏木を置き回顧という形をとるのがエモすぎる。時代を超えたヴァージニアからの手紙。何十年越しに届くスティーヴン氏の手紙。そしてエレファントマンとトリーヴス医師の真実。 とても切なく、大きな存在感を残す作品である。

    4
    投稿日: 2020.04.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    『レオナルドのユダ』の後に服部さんの作品を読んでみたいと手にとった本。 切り裂きジャックを題材に、主人公・柏木の一人称で進む物語が、最後には柏木の小説内であることがわかる。 かーなーり冗長な印象。 権威ある様々な人物が脇を固めているが、爵位がどうの殿下がどうの、というのが多くて誰が誰かわからなくなる。 柏木も悩める青年、という感じで、微細なできごとから急に前向きになったり後ろ向きになったり、丁寧な描写と言えば聞こえはいいが情緒不安定ともとれる。 半面、友人の鷹原は行動派で頭の回転がとても速く、魅力的に描かれている。 柏木の対比として存在しているのかな? 分厚く1ページあたりの文字数が多い本なので、途中気が遠くなりかけたが、最後の方はたたみかけるように急におもしろくなるのでなかなか評価が難しいかなw 最後に老人の柏木が出てくるのが、間が長くて忘れていたがそういや冒頭はここから始まったんだなと。 柏木はイギリスに、切り裂きジャックに、エレファント・マンにただただ翻弄された青年という印象だったが、小説に鷹原の生死について触れ、それが嘘だとわかった時は『一番くえないヤツかも』と思ってしまった^^ おお、とてもおもしろいかと言われたら難しいのだけど、レビューが長くなったのが意外w

    2
    投稿日: 2019.12.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー https://ja.m.wikipedia.org/wiki/切り裂きジャック )といえば、ヴィクトリア朝ロンドンに実在したシリアルキラーというよりも、最近では映画・小説・漫画・ゲームに広く使われているキャラクター的な側面を思い浮かべる人も多いかもしれない。 私も「彼(彼女)」について始めて知ったのは名探偵コナンの映画「ベイカー街の亡霊( https://ja.m.wikipedia.org/wiki/名探偵コナン_ベイカー街の亡霊 )」であり、その残忍さよりも先に、キャラクターとしての個性の強さや特殊性ゆえの魅力を感じた。もちろん、実際のジャックは何の罪もない女性たちの喉を切り裂き臓器を切り取るという、おぞましいことこの上ない殺人を起こしたまぎれもない犯罪者である。しかしそのあまりの突出した残忍性や、世間に犯行予告とも取れる文書を公表した(とされる)こと、そして未だ犯人が特定されていないことから、後130年に渡り創作の題材にされ続ける魅力があることも確かだろう。 そう、2019年現在、切り裂きジャックとあだ名された連続殺人鬼の正体は分かっていない。幾度かDNA鑑定の結果を発表されたりもしたが、決定的な証拠は未だない( https://rocketnews24.com/2019/03/19/1186967/ )。当時よりも格段に進歩した科学技術をもってしても、特定には至っていないのだ。 これに関しては、知りたいような知りたくないような、複雑な心境を持つひとも多いのではないか。これほど多くの人々の心を掴むのは、正体不明だからという理由も大きいだろう。犯人がわからないからこそ、人々は勝手に想像し、恐怖をかき立て、その人間離れした虚像を楽しんできた。不謹慎だが、決定的な証拠が出てきてしまったら、ただの狂った人間になってしまう。 そしてこの「一八八八 切り裂きジャック」のように、彼をテーマにしながら全く新しい物語として昇華された作品も、生み出されにくくなってしまうのではないか。それを思うととても残念に思えてしまうのだ。(もちろん犯人を特定して分析できれば、社会的観点からいえばものすごく価値のあることだと思う) 前置きが長くなったが、この作品は日本からの留学生である柏木薫の視点で、切り裂きジャックの事件に翻弄されるロンドンの街を描いた小説だ。 一連の事件をテーマにした作品は数あれど、その中でもこの小説の魅力といえば、登場人物たちのユニークさが挙げられる。彼の友人で類稀なる麗人である鷹原惟光や、病によって極度の畸形となった実在の人物−−エレファント・マンことジョーゼフ・ケアリー・メリック( https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ジョゼフ・メリック )、「僕」が恋をした謎の女性ヴィットリア、ジョーゼフを庇護し時の人となったトリーブス医師など、非常に魅力的な人物が多い。反して主人公は(国の留学生として選ばれるだけの才覚はあるにせよ)比較的凡庸でかつうじうじと悩むので、若干の苛立ちは感じるものの、共感できる点もある。後半、腹が決まってからの主人公は個人的に好ましく感じた。その点、ただのミステリではなく、主人公の成長物語でもある。 主人公を始め登場人物の一部が日本人であるというのも大きい。正直言って、私は外国人の名前を覚えるのが苦手だ。(何故だろう? 人によるとは思うが、文章として見たときに、漢字だと字形として覚えられるから? 単に親しみがないから?)とにかく、人物一覧がないので、途中何度も戻って確認した。(人物一覧がないのはこの小説の唯一の不満点と言っていいかもしれない)その中で、主人公とその親しい友人が日本人であり、名前をすんなり覚えられることはありがたかった。 そして、日本人視点であるがゆえに、当時の日本とヨーロッパの文化の違いや、華やかなだけじゃないヴィクトリア朝の闇の部分を近い目線で知ることができる。ただ面白いだけじゃなく教養にもなる作品だと思う。とりわけ、「見世物小屋」や「救貧院」といったジョーゼフが通ってきた壮絶な過去は、実話を下敷きにしているだけに非常にリアリティがあり、胸が苦しくなる。フィクションでしばしば舞台にされる中世(近世)ヨーロッパが、美しいものだけではないことをよくよく感じることができ、ためになった。 あとこれは一部の人には受け付けないかもしれないが−−若干の耽美な薫りのする場面もある。その辺りも、日本とヨーロッパ(キリスト圏)の価値観の違いがあり面白く読めた。 全体的にいえば、ジャックの手口を詳細に描いているだけにグロテスクな箇所も多く、人を選ぶかもしれない。もっとも、これはゴシックサスペンスを得意とする作者の色でもあるので、単純に好みの問題だと思う。血や臓器といった描写が平気なら、是非とも読んでみてほしい。 残虐極まりない殺人を繰り返す切り裂きジャックの犯人は誰なのか? 一向に再会できない「ヴィットリア」は何者だ? 踊り子と駆け落ちした森ってもしかして...。大きな謎から細かい謎まで(最後の一つは謎ではないが、気付いた時はにやりとしてしまった)、ミステリ好きにも納得できる作品になっていると思う。 最後に言うとこではないが、非常に長い物語なので、覚悟して読んでほしい。手が疲れること必至だ。 ちなみに、ゴシックサスペンス好きな人には、同作者の「この闇と光」もおすすめ。 私はこの2つを読んで服部ワールドにどっぷりハマってしまったので、他3作品をまとめ買いしてしまった。そのうち感想を書くと思う。 ベイカー街の亡霊も、また見たいな……。

    0
    投稿日: 2019.05.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    長い〜とにかく長い〜 でも実在の人物や事件も登場して面白かった 作品に漂う暗くてどんよりした感じ、好きだー 皆川博子氏の作品の雰囲気に似ているので、そちらが好きな人はこの作品も好きかも

    0
    投稿日: 2018.06.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読み終わりましたー。 久しぶりにシャーロックホームズを読んで、そのままイギリスが舞台の小説を…と思って読み始めたら、ぐいぐいズルズルとはまり… 気がつけば、3時。 仕事のときも休憩中に読んだりしましたが… 長いので、休みの日にイッキ読みするのがよいかなと。 ヨーロッパの歴史と並行しながら進みますが、私は心境が変わっていく柏木さんが好き。本の虫同士、仲良くなれそうな気がします。

    0
    投稿日: 2018.02.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    長っ! 翻訳物のように私には読みづらく時間がかかった。 前半のよくわからない交友録は必要だったのだろうか。 当時のイギリスがらよくわかり、そーゆー面では面白かったけど、柏木が悩む姿が多く後半どうでもよくなってしまった。 斜め読みしてもとにかく疲れた。

    1
    投稿日: 2018.01.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読み終わるのが死ぬほどしんどかった。 前半、本筋がはじまるまでの交友録、あれは意味があったのか、、、。 有名すぎる事件を取り扱った小説だけに、 犯人をどうするのか、 それだけが気になって、ひたすら気合で読みました。 後半の後半、 犯人探しになってからはやっとミステリっぽくなりました。そこまできつかった〜 そしてそして、犯人は本当に彼だったのかな? 煮え切らない柏木くんにイライラ。笑

    0
    投稿日: 2017.08.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    登場人物達がすごく魅力的でイッキ読み!柏木のナイーブさが好きだなぁ。愛おしいです。鷹原と柏木の関係も良い。2人とも容姿がいいからその辺りも楽しめます。 実はずっと以前もう20年程前?創元から出てたのを図書館で借りて読んでます。20代、ミステリを読みだしたばかりで、それまで切り裂きジャックの事件の知識も無く、その後も切り裂きジャックについての本を読んでいなかったため、私の中ではかの事件のあらましはこの本の内容で記録されていました(汗)そして多分これからもf^_^; ステキな作品に再び出会うことができて本当に嬉しいです!

    0
    投稿日: 2017.07.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    皆川博子さんの「開かせていただき~」の装丁に似ていていたので手に取ってみたのだが、なんとなく中の雰囲気も似ていた…。 とんでもなく長かったのだが、美貌の伯爵家長男(鷹原惟光)に胸キュンで何とか読み終える。しかし、もう少し整理してこの半分でテンポよく読みたかった。また、登場人物が多すぎたし、愛称も似ていて混乱した。 ミステリーとしては面白かった。私も、犯人は彼だと勘違いしていたので…。 ただ、犯行の動機としてはいまいち納得できなかったけど。 光に薫…ね。美しい青年が出てくると、それだけで読んでいてワクワクしちゃう!

    0
    投稿日: 2017.01.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    概要  1888年のロンドンを舞台としたミステリー。医学留学生としてロンドンに滞在していた日本人、柏木と、スコットランドヤードに所属する友人の鷹原が、当時ロンドンを騒がせた切り裂きジャックと呼ばれる連続殺人事件の捜査に挑む。切り裂きジャックの正体を追うミステリーとしての側面に加え、エレファントマンの人生や背景を通じて、ヴィクトリア朝時代のロンドンを緻密に描き、濃厚な物語が展開される小説 総合評価 ★★★★☆  切り裂きジャックをテーマにした作品。当時のヴィクトリア朝の世界を濃厚に描いており、柏木の視点を通じて、エレファントマンなどの時代背景を鮮やかに描いた上で、切り裂きジャックの正体を追うミステリーとしての要素も見事に組み込まれている。真相として、切り裂きジャックがトリーヴィス医師だったという展開にはそれなりのサプライズがある。ただし、ヴィクトリア朝時代の描写が多いため、ミステリーとしての楽しみがやや薄れる印象もある。小説としての完成度が非常に高いだけに、ミステリーとしての面白さが薄れる点が惜しい。個人的には好みとは言えないが、それでも十分に楽しめる内容であり、★4をつけたい。 サプライズ ★★★☆☆  この小説では、切り裂きジャックの正体をトリーヴィス医師としている。予想範囲内ではあるが、それなりに驚きはある。ラストのオチで、鷹原が日清戦争で死亡したとされながらも実は生きていたという描写は、少しニヤリとさせられる。全体的にはサプライズとして★3程度 熱中度 ★★★★☆  服部まゆみの筆力の高さが光る。768ページにわたる大作で、海外(ロンドン)を舞台としているためなじみにくい部分もあるが、柏木の目を通して描かれるヴィクトリア朝時代のロンドンの情景や深く掘り下げられた登場人物たちが魅力的で、熱中して読むことができた。ミステリーとしてのワクワク感よりも、小説そのものとしての楽しさを味わえる作品。たまにはこういった読書も悪くない。★4で。 インパクト ★☆☆☆☆  小説全体としては面白いが、特定のシーンや要素にインパクトがあるわけではない。叙述トリックや驚愕の真相はなく、切り裂きジャックの正体を追う以外のミステリー的要素も控えめ。トリーヴィス医師が人間味豊かに描かれているため、正体が判明した際も驚きより納得感が勝る。インパクトとしては★1程度 キャラクター ★★★★★  登場人物の描写が非常に深い。主人公・柏木の苦悩と成長、探偵役の鷹原の魅力、スティーヴンやトリーヴィス医師、エレファントマンなど、すべてが丁寧に描かれている。人間を深く描く小説特有の面白さがあり、★5をつけたい。 読後感 ★★★★☆  切り裂きジャックの正体がトリーヴィス医師だと明かされるラストは、サプライズ重視ではないものの美しい終わり方で、読後感は非常によい。★4で。 希少価値 ★★☆☆☆  服部まゆみの作品は「この闇と光」が注目されており、その影響で他の作品も手に入りやすくなる可能性がある。ただし、分量が長く内容も重いため、爆発的な売上を期待するのは難しい。それなりに手に入りにくい位置に止まりそう。 ● プロローグ  1923年の東京。ヴァージニア・ウルフからの手紙を見て、1888年のロンドンを思い出す。 ● 1 雪のベルリン  鷹原惟光がロンドンの柏木薫のところを訪れる。柏木は、エレファント・マンの存在を知り、エレファント・マンがどのような考えを持っているかを知るためにロンドンに行くことを決意する。 ● 2 霧のロンドン  ロンドンで、柏木は暴漢に襲われているヴィットリア・クレーマーズ男爵夫人と名乗る人物を助ける。このとき、後に切り裂きジャックに襲われるメアリ・ジェイン・ケリーと出会う。 ● 3 エレファント・マン  柏木がロンドン病院でエレファント・マン(ジョセフ・メリア・メリック)に会う。トリーヴィス医師、ヘンリー・ライダー・ハガード、ジェームズ・ケネス・スティーヴン、モンタギュー・ジョン・ドルイットといった主要な登場人物が登場。柏木は、エレファント・マンとの面会を続ける。 ● 4 カオス  トリーヴィス医師がエレファント・マンを預かることになった経緯が紹介される。ウィリアム・スィック部長刑事が登場。トム・ノーマンという、エレファント・マンの見世物小屋時代の興行主にも出会う。フレデリック・ジョージ・アバーライン警部を紹介される。 ● 5 売春婦が一人  切り裂きジャック事件の最初の被害者、マーサ・タブラム殺害事件が起こる。鷹原は、スコットランドヤードとともに同事件の捜査を行う。柏木は、ディケンズの『大いなる遺産』を読み、小説の魅力を知る。 ● 6 スッシーニのヴィーナス  鷹原と柏木がアルバート・ヴィクター・クリスチャン・エドワード王子と食事をする。ハンテリアン博物館を訪れる。スティーヴンに会い、スティーヴンとエドワード王子がケンブリッジ大学時代からの知り合いであると知り、スティーヴンが男色家であることを知る。エドワード王子のコレクションの一つである「スッシーニのヴィーナス」(人体解剖の状態の蝋人形)を紹介される。学文本会で、クロッカー医師が『皮膚疾患―その1万5000症例の分析』と題する大著を刊行し、エレファント・マンについての見事な考察もあった。 ● 7 クーツ男爵夫人の晩餐会  クーツ男爵夫人の晩餐会が行われる。柏木はヴィットリアに会うが、助けた女性とは違っていた。柏木が助けた女性はドルイット氏に似ていることに気付く。 ● 8 売春婦が二人……  メアリー・アン・ニコルズの事件が発生。その捜査。鷹原の母が芸者であることが分かったり、スティーヴンが容疑者であることが分かったりする。 ● 9 そして三人……  アニー・チャップマンの事件が発生。その捜査。ジョージ・エイキン・ラスクが自警団を結成する。 ● 10 ジャックの手紙  レザー・エプロンと言われる容疑者、ジョン・パイザーが見つかり、保護される。スター紙のベンジャミン・ベイツが登場。「切り裂きジャック」という者からの手紙がスター紙のベイツのもとに届く。 ● 11 三人……そして四人目  バーナード・ショーが登場。柏木と鷹原は、ヴァージニアが拾った猫(ビービ)を預かる。エリザベス・ストライドとキャサリン・エドウズの殺害が発生。書かれていた落書きは消されてしまう。 ● 12 戦慄の都  切り裂きジャックから再び手紙が来る。捜査が進み、ブラッドハウンドという種類の犬を利用した捜査のテストなどが行われる。 ● 13 再び手紙  日本から田中稲城という者が鷹原を訪ねてくる。「地獄より」という手紙が届く。柏木は、サットン医師という人物からトリーヴィス医師についての評判を聞く。 ● 14 1888年10月  ラスクのところに脅迫状が届く。ラスクはすっかりおびえている。鷹原は、一連の犯行にフリーメイスンが関与している可能性があると示唆する。柏木はスティーヴン、ドルイットと会い、助けた人物が女装をしたドルイットであったことに気付く。 ● 15 1888年11月  柏木と鷹原が帰国することを決める。メリック(エレファント・マン)を劇場に連れていくというプランが決まる。ラスクがメアリー・アン・ニコルズ殺害のときのアリバイがあることを知る。メアリー・ジェイン・ケリーの殺害。プリンス・オブ・ウェールズがエドワード王子のことを相談するために鷹原のもとを訪れる。柏木はスティーヴンを疑う。ジョン(ドルイット)は女装しているスティーヴンを閉じ込める。 ● 16 1888年12月  ヴァージニアを通じ、スティーヴンは救出されたと思われるが姿を見せない。病院での送別会で、柏木はメリック(エレファント・マン)から「バベルの塔」という紙細工をもらう。鷹原と柏木の送別会で、鷹原は「指紋識別法」を利用し、これまで関係した人に、これ以上の殺人をしないように言う。メリック(エレファント・マン)を連れた演劇鑑賞。鷹原は柏木に証拠の指紋は嘘の指紋であり、本物のジャックに嘘の脅迫をしていたことを伝える。最後は船上で、鷹原は柏木に切り裂きジャックはトリーヴィス医師だと言う。 ● エピローグ  柏木による回想。ヴァージニアからの手紙の中に、スティーヴンからの手紙も入っていた。「バベルの塔を解体すれば、誰が切り裂きジャックか分かる」と。バベルの塔の中には凶器のメスが入っていた。それはトリーヴィス医師のメスだった。その後、関東大震災で柏木の家が崩壊。1888年に書き始めた小説のラストを書いていると、そこに鷹原がやってくる。

    0
    投稿日: 2017.01.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    私はめっっちゃくちゃ面白かったです! 主人公二人がすごく好き!!魅力的! そして実際の事件や人物が出て来るのに 全然説明じみたり取ってつけた感もなく 自然に胸の中に収まっていく物語の面白さと繊細な描写でした。 ただ推理小説としては後手後手に回りすぎているので つまらないと思う方もいるかもしれませんが、 私は、これは主人公である柏木薫の転機・成長を記した手記のようなものと思って読んでいたので、 純朴で真面目だけど人の心の機微に疎い柏木の心の動きにも惹きつけられたし、 日本人でありながら欧州の人をも虜にする美貌を持ち如才無く王族とも接し、 光源氏のように皆に愛される光こと鷹原の活躍と その奥に疼いているしこりを覗き見ることができて 非常に満足しながら読めました。

    0
    投稿日: 2017.01.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    19世紀ロンドン切り裂きジャックの犯行を追う事になる日本人留学生とその友人の物語。序章にアーサー・ウェイリーの名前が出てきて、主人公の名前が柏木薫、美男子な友人の愛称が光と、源氏物語をふんわり思い浮かべるネーミング。 とはいえ、内容は19世紀ロンドン、下宿生活で捜査に関わる青年と同居の医師見習い留学生だから、物語の造りはシャーロック・ホームズですね。 切り裂きジャックの犯行を追いながら綴られる当時の人々、上流から下流まで驚きで魅了され、非日常とすら思える場面のくらくらするような幻想的な描写。とろとろ読んでいましたが、文庫の帯の文句「物語に囚われる恍惚。」に相違はありませんでした。エピローグの柏木に驚かされたところで、現実に戻されました。

    0
    投稿日: 2016.12.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    舞台は19世紀末のロンドン、実際に起きた切り裂きジャックの事件について、医学を学ぶために渡欧した日本人の目を通して、犯人を暴いていく。 切り裂きジャックと呼ばれる犯人による娼婦連続殺人は、未解決の猟奇事件ということもあり、ミステリーの素材として取り上げられることも少なくない。これもそのひとつで、史実を織り混ぜながら重厚な読み物に仕上げている。 主人公はまったく冴えない青年で、対照的に事件を解決していく友人は、容姿も性格も頭脳も正反対。そのコンビは、主人公が事件を日記風に綴っていくところも含め、ホームズとワトソンの姿と重なる。番外編で、別の事件も読みたいと思ったほどだ。 個人的には、主人公が関わっていくエレファントマンは、その昔映画を観たが(若い頃映画館で観たため、映像にも内容にもかなりショックを受けたことを思い出した)、切り裂きジャックと同時期だとは考えもしなかった。 伏線等は比較的分かりやすく、おのずと犯人の目星もつく。が、それはともかくとして、ロンドンの匂いたつような光と闇の、くらりとするような妖しい雰囲気が存分に楽しめる。途中、皆川博子の長編を読んでいるような錯覚に陥った。 ただし、とくに前半はかなり冗長で、物語に入り込むまでに根気が必要。もう少し削ってアップテンポでもいい。 同時に、800ページ近い作品を1冊の文庫本というのは物理的に重い……。せめて2冊に分けてくれれば。あと、これだけの長編なので、人物一覧がほしかった。

    0
    投稿日: 2016.12.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    正直、読書歴が少ない私には読みずらかった…けど慣れるもんです。 しかしながら歴史と上手くコラボした作品で読書後は唸る!! と思います。私は、仕事が忙しく&まじめに読んで、久しぶりの1ヶ月半かかりました… これは、時代背景と出版された時代に、本が好きだった方には最高に面白い本!!だと思います。再読すれば、かなり面白い本かも!(かなりの読書通の母親は3日で読破(-。-;面白いそうです!?)

    1
    投稿日: 2016.10.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    その時代のロンドンが味わえる濃厚な話。 他の方が言及していたが、柏木が信頼出来る語り手なのかが最後の最後で怪しい。 鷹原の説明で何となく納得は出来る犯人が語られているが、鵜呑みにして良いものか。

    1
    投稿日: 2016.10.26
  • 真実は…

    19世紀末。大英帝国の首都・霧の倫敦。光と退廃の街。日本から医学留学生として、独逸を経てエレファントマンに会うため倫敦にやってきた柏木薫と、友人でスコットランドヤードに所属している美貌の青年・鷹原惟光の二人が、世間を騒がせている「切り裂きジャック」事件に巻き込まれていく。絢爛豪華な貴族社会と、隣り合わせの貧困と犯罪。暴力や売春。当時の倫敦の雰囲気がとてもよく描かれていたと思います。皇太子から女王までを魅了してしまう鷹原と、真面目すぎて腹芸すらできない柏木の友情は良い。ただ後半の柏木は頑固すぎて…ジェムが気の毒で。

    6
    投稿日: 2016.07.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    19世紀末のロンドンを舞台に、日本人青年の鷹原惟光と柏木薫の二人が当時世間を震撼させた「切り裂きジャック」を追うミステリで、文庫本で800ページ近くもある大変な労作です。惟光、柏木、薫は、いずれも源氏物語に登場する人物の名前で、さながら優雅かつ耽美な物語世界が展開されます。 緻密な描写と野心的な設定は非常に魅力的ではあるのですが、どうでしょう、一般受けするにはハードルがちょっと高い気がします。

    0
    投稿日: 2016.07.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    6/25 読了。 興奮しているため、いきなりネタバレの話をします。 この話、表面上の決着としてはある医師が犯人として示される。そこはそれなりに物語内での妥当性はある。けれど、とってつけたようなフロイト心理学的な動機の説明に違和感をおぼえ、鷹原の謎解きの性急っぷりも気になった。端的に言うと、納得しきれないものを感じた。 とはいえ、私は本格やパズラーを突き詰めて解くタイプの読者ではないため、「まぁこんなもんか。ヴィクトリア朝の空気をたっぷり味わえたし、切り裂きジャックはそもそも未解決事件なんだから、それなりに妥当な犯人像を創り上げただけでも立派だよな」と胃の腑に落とそうとしたのだが。 エピローグの最後の最後、柏木が書いた手記、そしてそれの伴うオチを読んで、あ〜〜〜〜〜こいつ信頼ならない語り手か?!?!?!と、やっと気付いたのだ。つまりこの鈍くてボヤッとした、柏木の語り口自体が何かを隠蔽しているのではないか? そう考えると、自然と疑わしくなってくるのはドルイット氏である。そもそもドルイットとスティーヴンをめぐるエピソードは全編通してミスリードのためのミスリード然としすぎだし、正直後半は彼らを追い続ける柏木にイラッとしてくる。 けれど、ドルイット=ヴィットリアと柏木はそもそも娼家街をうろついていて出逢ったのだし、メアリの恋人だから家の中まで案内されたのだと思えば自然だし、メアリを鶏姦で犯したのもスティーヴンとの同性愛関係から逃れたいと思いながら逃れきれないという引き裂かれた感情ゆえと思えるし、暖炉で燃やされていた女性物の服もドルイットが女装して会いに行ったのだと思えばすっきり説明がつく。それだけでなく、鷹原が医師の心理として語った母親へのコンプレックスも、発狂した母を持つドルイットに敷衍することができるのだ。しかも、柏木がドルイットを容疑者から外す理由は、チャプマン殺しの犯行推定時刻から数時間後にクリケットの試合に出ているということだけしかない。(全然まだちゃんと伏線集めきれてないんだけど、メスに彫られた犯人のイニシャル飾り文字を見て「ジョンの事務所に置き忘れた銀の煙草ケースと同じものだった」と思い出すことや、メリック氏の母の写真を見てヴィットリアに似ていると思うことなど鑑みて、病院とドルイットをつなぐ糸も隠されているのではないかと思う)(鷹原との初対面の反応見るとエレファント・マンも同性愛者っぽいよね) メリック氏がジョセフと名乗っているのにもかかわらずドルイット氏のと同じ「ジョン」と間違えられ続けることや、ヴィットリアが時代を象徴するヴィクトリアに通じる名前なのも、ドルイットが本書の核となる人物であることを指すサインなのではないかと勘ぐってしまう…。 と、ここまで考えた時点では、ドルイット氏は作者が用意したオリジナルキャラクターだと思い込んでいたのだが、今日(6/27)、物語理解を深めるため手にとったスティーブ・ジョーンズ「恐怖の都・ロンドン」で、初めて切り裂きジャックに関する当時の容疑者候補リストを見、驚いた。 最有力容疑者にモンタギュー・J・ドルイットがいるのだ。 経歴は死に至るまで完璧に一緒。切り裂きジャックフリークはきっと名前が明かされた時点でピンとくるのだろう。いやー、びっくり。 あと、もうひとつ謎があった。柏木はロンドンの本屋で新刊をごっそり買うという描写があるのに、切り裂きジャック事件の前年に刊行されたシャーロック・ホームズ・シリーズ第1作「緋色の研究」に対する言及がない。鷹原も流行に敏感な男という設定なのに。まぁ完全にホームズワトソン型のヴィクトリア朝バディものでホームズの話を出すのも野暮か、などと勝手に忖度していたが、これも前掲書の情報で、ドイルはジャックを女装男性だと推理していたことがわかった。 つまり、事件後に発狂を恐れて自殺した最有力容疑者ドルイットと、ホームズの作者による女装男性説を組み合わせたのが本書の真犯人なのではないか?そう考えれば、スティーヴンとドルイットの同性愛関係も、またそれに反発しながら惹かれていく柏木の姿も、そして無駄にスーパー美形と人間的魅力を強調される性を超越した存在としての鷹原というキャラクターも、ただの<そういう趣味の人間>への目配せなどではない、特に捻れた犯行動機を解くための物語上の必然性を帯びてくる。いや、もう絶対そう!「レオナルドのユダ」先に読んだけど、そういう仕掛けしてくる人だもんなこの人!(20年前に発表されたミステリーに新参者が僕真犯人わかりましたヅラで騒いですみません)(自分で謎解けた道筋と興奮を残しておきたいんだ…!) いやーすごい。まんまとやられました。しかもこのねじくれ方がそのまんまヴィクトリア朝という時代を表現しているし。本書全体が時代の空気を閉じ込めた真空パックのようで、読後もしばらく戻ってこられなくなる。今や古典となった当時の娯楽小説のブックガイドにもなっているし、この小説のインターテクスチュアリティというか、ハイパーリンクでド・クインシーでもウルフでもディケンズでもバーナード・ショーでも飛んでいける構造の豊かさも褒め称えたい。思わず読み終わったあとに今まで読んだ19世紀ロンドンが舞台の小説で、年表つくっちゃったもんね。あと参考文献欄に載ってないけど、高山宏の「切り裂きテクスト 殺人鬼切り裂きジャックの世紀末」(「世紀末異貌」一九九〇)に拠るところ多いのでは?と、つい先日それを読み返したので思ったりしました。 解説は皆川博子先生。今思えば「開かせていただき光栄です」ってこの作品へのオマージュ要素たぶんにありそう。六章で鷹原と柏木が訪ねていくハンテリアン博物館をつくったジョン・ハンターは「開かせていただき〜」のダニエル先生の直接的なモデルだし。読み返そうかなぁ。

    1
    投稿日: 2016.06.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「ままならなさ」を感じた小説でした。あの人も、あの人も、あのふたりも、あっちのふたりも、なんだかやるせなく、歯がゆくて、もどかしい思いでいっぱいです。 あのふたり、あっちのふたりにも、それぞれ親愛の情があって、真摯に思っていて、と考えるほどにもどかしい…… カタカナがたくさん出てきて大変でしたが、ラストあたり、三十五年越しの手紙にあっ!!!!!と声を上げてしまいました。本当に、あっ!!!!!でした。 その後の「鷹原は~」のくだりにはえっ!!!!!!! なんだかんだ言ってふたりなかよしジジイになってて愛しい。柏木薫、何度見てもすごい名前です。

    0
    投稿日: 2016.03.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    切り裂きジャックを題材にしたお話し。 切り裂きジャック意外にも エレファントマンや当時のロンドンの 時代背景がとても色濃く描かれています。 ちょっと分厚くて中ダルしてしましたが…

    0
    投稿日: 2016.02.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    固有名詞にカタカナが多く、ページが800近くもあり読むのに苦労しました(笑) 当時のイギリスの文化や生活の描写がしっかりと書かれていてそれだけでも楽しむことができました。 読み進めるうちに切り裂きジャックの医者説も出てくるのは納得だな、と思えるほどでした。 でもエレファント・マンと切り裂きジャックが同時代だったことには驚きました。 確かに彼の心のうちはどうだったんだろう?と聞きたいです。 人物としては柏木の内向的でウジウジグズグズした性格思考が気に入りませんでした。 私もそうなので同族嫌悪なのかもしれません(笑) 逆に人から声をかけられ社交的で見目麗しい鷹原に憧れました。 その2人が留学後にも交流があることにはホッとしました。

    0
    投稿日: 2016.02.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    カタカナ苦手なので今まで読んだ本のなかで一番辛かった…(;ω;) 途中何度やめようと思ったか(;ω;) ただ! 読んで良かった!!! 実際の歴史上の人物がちょいちょい出るのも面白い。

    0
    投稿日: 2016.02.02
  • 虚実入り混じる、すばらしき小説世界

    当時の若き日本人が見た、かの時代の英国の物語。切り裂きジャック事件はあくまでも物語の筋を動かす動力にすぎず、メインは日本人留学生の目に映る、ヴィクトリア朝ロンドンのあれこれ。 とても良かった。何よりも終わり方がこの上なく美しい。この虚実混交したスバラシイ物語の読者たちを、虚実混交の世界に残したまま・・・それも、突き放すようなものでなく、その世界に心地よく浸からせてきれいに幕を閉じる。結局、どこまでが真実で、どこからが著者の付け加えた虚構なのか。それを判断するのは、読者の想像とお望みと興味次第。そんな粋なラストシーンです。 コナン・ドイルさんもきっとそのうち出てくるはずだ!・・・と思っていたけど出てきませんでした。笑。

    5
    投稿日: 2015.12.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    実在人物が紛れて出てきたり、当時のロンドンやベルリンの描写が細かくて面白い。切り裂きジャックを書くには、これだけ細かい世相描写は必要だなーとおもう。ていうかどっちかっていうと、切り裂きジャックよりそっちの要素が強いと思う。登場人物、というか固有名詞多すぎてわけわからんことになります。

    0
    投稿日: 2015.11.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    本格ミステリでもパズラーでもない、 エレファントマンおよび切り裂きジャック事件を題材にし、 世紀末ロンドンの風景、文化、風俗、倦んだ人々をたっぷり描写する中で、 ひとりの青年が思い悩み作家になることを決意する、 いっぷう変わったビルドゥングスロマンだ。 いくつかの軸がある中でどこに着目するかで見え方が異なる。 BLというよりJUNE的展開もなかなかよい。 美形美形といわれる鷹原よりも、その鷹原や同性愛者異装者を惹きつけておいてのほほんとしている柏木のほうに萌え。 それにしても卑怯なネーミングだね。

    0
    投稿日: 2015.11.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2002年に刊行された文庫の再版。服部まゆみの復刊は『この闇と光』に続いて2冊目。 本作は切り裂きジャックをモチーフにした歴史ミステリで、文庫本で800ページほどある大作。序盤は主人公である日本人留学生・柏木薫がベルリンからロンドンに移るまでの紆余曲折を始め、徐々に築かれて行く人間関係が細やかに描かれる。そのせいで彼が事件に関わるまでにかなりの紙幅が費やされるのだが、この細やかさが最後に利いて来る。また、華やかな社交界と上流階級の紳士淑女と、貧民街や見世物小屋といった下世話な世界との対比も面白かった。 他の文庫も改版にならないか、というのと、文庫化されていない単行本が数冊あった筈なので、そちらの文庫化も何とかならないか……というのをうっすらと期待しているのだが、単行本は版元が違うので難しいのだろうか。

    0
    投稿日: 2015.10.02