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黄門さま~助さんの憂鬱~ 1
黄門さま~助さんの憂鬱~ 1
徳弘正也/集英社
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総合評価

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    諸国漫遊の旅をするのが大好きで、当然悪はゆるさない水戸の黄門様。 しかしながらお供の助さんが旅先で死にまくるので 御付きの者を浪人から募集する事に。 そこに合格したのが浪人の井上新ノ助。 黄門さまがね、ちょっとボケちゃっててね たまに善悪の判断がつかなくなるし、そもそも元々全うな善人として描かれておらず 胸糞悪くなる展開もあるので、諸国漫遊が始まってからは読み進めるのが辛い。 しかしその一方で、井上新ノ助が助さんとして雇用されるまでを描いた 1巻部分は秀逸、斬り合いの心理戦などは手に汗を握る。 でも黄門様のきまぐれに振り回される様を見ていると可哀想になるよ。 時代劇の水戸黄門と思って見ない方がいいね。 ダーク水戸黄門として見るといいかも。

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    投稿日: 2017.10.05
  • 黄門様の諸国漫遊部分を除いてはほぼリアル(勘違いの先生と教科書よりよっぽどリアルな)な江戸時代のお話です。

    ノッケからですが、トトラッシュさんのレビューが一番的確です。私が書こうとした同じ内容です。 (歴史を知ることも無く、教科書に書いてあることを疑問にも思わずそのまま教えるというよりも伝えるだけの先生から) 歴史の授業で江戸時代ってなんて習いました?! 「士農工商の徹底したカーストと同じ身分社会でその頂点に立つ武士からそれ以外は搾取され蔑まれ続けるおよそ400年だった」 と事実から大きく歪曲したことを習いませんでしたか!? 実際の江戸時代はインドのカースト制のような生涯不変の絶対身分が存在しているのではなく、縁故と資産があれば農民から武士どころか御家人にすらなり得る時代で、実際に幕末に幕府の全権代理で米国大使と交渉した人は祖父の代まで農民と言う出自でしたし、「金治郎」で知られている二宮尊徳も生れは農家ながら出世して認められて武士になった一人です。 もちろんこのマンガのもとになる水戸黄門の諸国漫遊記は講談本の作り話で史実の水戸光圀はおそらく関東圏どころか水戸藩内と江戸を除いては鎌倉と日光くらいしか行ったことはないようですし、描かれている内容の詳細では作者特有のデフォルメされた内容がありますが、こと風俗や庶民の感覚などについてはよく史実を勉強されて描かれていて変な教科書よりもよっぽど良い江戸資料になると思います。 教科書で勘違いを教えられているよりも江戸時代は制度が整備され、治安も雇用も安定していて、情報社会でした。 例えば江戸の町には治安の為に町ごとに木戸があり夕刻から夜明けまでは閉門されて門番がいいたので長屋以外の夜間の人の移動は不可能でしたが赤穂浪士の討ち入りでも庶民はいつやるかと待ち望んでいたくらいで噂されて周知だったからこそ赤穂浪士たちは武装した格好で吉良邸までの移動が可能であったり、討ち入り後の泉岳寺までもすんなりと行けたのです。(鼠小僧などの盗人が屋根を伝って移動する理由はそこにあります) 史実ではないですが本作品中に水戸の御老公の諸国漫遊が庶民には周知だったというくだりがありますがもしも諸国漫遊が本当だったら実際に庶民には周知だったことでしょうね。 風俗の特に男女の風俗も風情があり楽しめる時代でした。 現代用語と勘違いされていますが「ヤバイ」とは、弓矢の射的場の女性店員が実は風俗の現代で言うキャバクラみたいなお店になっていて、そんな所で働く女のことを「矢場い女」と言っていたのが語源と言われています。 知れば知るほど魅惑的な江戸時代。 戦国時代ならまだしも関ヶ原から80年近く経っていた太平の時代に人を殺傷できる刀を常に腰に下げていたとはいえ人を殺傷などしたことなどない時代ですからね。 現代感覚でリアルでもなんでもない時代劇ドラマ「水戸黄門」よりも実に江戸時代をギャグ満載で(そしてちょっと?Hに)それでいてリアルに描いているのが本作品です。 内容としては主人公が採用試験を生き残り採用されて「助さん」になるまでを描いています。

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    投稿日: 2016.03.09
  • さすか、徳弘作品

    ターちゃん、狂四郎、いろいろ読んだけど、なかなか面白い。 着眼点が最近では見かけないです。好き嫌いは分かれるかも 是非、狂四郎を電子化してほしい。

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    投稿日: 2015.10.02
  • 徳弘正也版 水戸黄門。徳弘の善悪描写が秀逸。

    水戸黄門漫遊記を、浪人から選出された助さん(井上進ノ助)の目から描いています。 徳弘正也の作風である、人間の持つ悪意というものを見事に描きつつ、小ネタで爆笑させてくれます。 本作は江戸時代という太平ながらも色々な問題の多かった時代とテーマがマッチしていたこともあって、 読み終わった後に、より深く色々なことを考えさせられました。 全6巻で完結しましたが、私は本作にのめり込み、あっという間に読み終わりました。 非常に良作でした。 『狂四朗2030』と比べて残酷な描写は減りましたが、人間の悪意に対する描写は同作に負けていないと 思います。ご興味のある方は、1回目の漫遊が終わる2巻までを読んでみてはどうでしょうか?

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    投稿日: 2015.09.19
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    エログロナンセンスの狭間に一途な男の正義感を盛り込む徳弘正也の真骨頂が感じられ楽しみだ。 しかし、主人公は物語を収束させうる巨大な目標を獲得することができるのだろうか? 時代劇という制約の中で、作者はなにを目論んでいるのか。 ここ数巻が待ち遠しい。

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    投稿日: 2014.08.21