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新・魔獣狩り1 鬼道編
新・魔獣狩り1 鬼道編
夢枕獏/祥伝社
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総合評価

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  • ようやく完結

    「魔獣狩り」から複数の外伝を挟んでのシリーズ再開ですが外伝などの登場人物やガジェットがそのまま出てくるので出来れば巻数を飛ばさずに読まれた方が良いかと思います。 埋もれた歴史とその秘宝、そしてそれを守る闇の一族とそれを追う様々な機関との闘い、本作も伝奇小説モノのお約束の設定が沢山用意されてはおりますが、このシリーズの最大の見所と言ったらなんと言ってもサイコダイビングのシーンでしょう。 夢枕獏という作家の凄いところは「誰も見たことのないモノやカタチのないモノを描いてみせるチカラ」であり、その描写力はこれまでにも仏陀が悟りを開くシーンやキマイラの人であって人でないものへの変身シーンなどで遺憾なく発揮されて来ましたが、本シリーズでも人の精神世界という見たことがない世界へ潜るサイコダイビングのシーンがやはり面白くて毎回読んでいてワクワクします。前回は空海の即身仏へのダイビングがクライマックスに用意されていましたが、今回も主人公の鳳介が最後の最後にトンデモナイものにダイビングするので楽しみにしてて下さい。 新魔獣狩りシリーズ、1巻の鬼道編が発売されたのが1992年、最終巻が2010年なので完結までに18年かかっています。初めは出版される都度スグに読んでいたのですが余りにも間が空き過ぎて内容を忘れてしまうので後半は完結するまで積んどいて一気に読みました。電子版では多分、合本も出ると思うので出来ればそれで一気読みがベストだと思います。ただイッキ読みするとわかるのですがシリーズの前半と後半ではペース配分が余りにも違う。特に最後の2巻は、今迄の展開スピードからするとかなり早いペースで物語は動くのでラストダイブも含めて意外とあっさり終わってしまいます。その点だけはご注意を。 しかし完結しないのでは?と半ば諦めていた作品なのでラストシーンが読めて本当に良かった。是非とも「キマイラ」もこの勢いで完結させてください。よろしくお願いします。

    7
    投稿日: 2015.10.18