
総合評価
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powered by ブクログ読了後、表紙を見返してゾッとする。本当に“悪い男”は誰なのか。 今作は女性警察官エリンボルクが主人公。母としての悩みに、将来の自分を重ねて大変だなと思う。 また、捜査の過程で出会う少女たちへの励ましや強い言葉が印象的。悪いのは罪を犯した方。顔を上げて堂々としていればいい。 個人的に娘のテオドーラちゃんの賢さと落ち着きに惹かれた。次作にも出てきてほしいな。
0投稿日: 2025.11.16
powered by ブクログストーリーは面白かった。 たまに直訳!みたいなところあって不自然だったけど。地名と人名が全く頭に入らず苦戦した。 ルースルンドの本の方が読みやすいのは、やっぱり訳者の技量なのかしら? まぁ地名人名はどうにもならないけれど。
0投稿日: 2025.04.23
powered by ブクログ読書備忘録872号。 ★★★★☆。 これも大好物なシリーズです。 本作は7作目。 カテゴリは北欧警察(ミステリー)小説という感じでしょうか。 舞台はアイスランド。高緯度にある人口40万弱の小さな島国。 冬は極夜で一日中暗いイメージ。そんな暗くて寒い街で起きる犯罪をレイキャビク警察の主人公たちが陰気に解決していく!寒い寒い・・・。 本来このシリーズは犯罪捜査官のエーレンデュルが主人公なんですが、今作は同僚のエリンボルク(40代の女性、4人の子供と旦那あり)を主人公に据えたミステリー。 エーレンデュルはどこ行った? なんか2週間の休暇を取得し、東部に出かけていき行方不明・・・。謎でしょ? そうなんです。このシリーズの主人公や同僚は漏れなくプライベートに問題を抱えているんです。 犯罪捜査と並行して、このあたりの枝葉ストーリーが作品に深みを与えていることは間違いないです。 物語はレイキャビクの夜、パブらしき飲み屋で男が女を物色しているところから始まる。 どうやら男はレイプドラックを使ってレイプを企てている様子。 そして男のアパートの部屋で、男は下半身裸の状態で頸を鋭利なナイフで切られ殺されていた。 周りには使用済みのコンドームが。女性の髪の毛と思われる微細証拠。 口にはレイプドラックが押し込まれていた。 ベッドの下には女性の遺留品と思われるスカーフ。 男の名前はルノルフル。電気通信会社の技師。 現場にいたと思われるレイプ被害者?は誰なのか? ルノルフルを殺したのは誰なのか? 普通に考えれば、レイプ被害者が男の隙をついて殺害して逃げた? エーレンデュル不在のなか、エリンボルクが捜査の指揮を執る! ここにリンカーン・ライムがいれば現場の微細証拠の科学分析から全てを明らかにしていくことろですが、そこは北欧ミステリーです!ひたすら足を使った聞き込み捜査。 太陽に・・・の山さんか、踊る・・・の和久さんか!っていうくらい地道な捜査。 スカーフからインド料理の香辛料の匂いを手掛かりに・・・。 ルノルフルにレイプドラックを売ったと思われる売人に・・・。 ルノルフルが配線工事した家の聞き込み・・・。 ルノルフルの地元に、友人に、親族に聞き込み・・・。 登場人物の数が半端ない(巻頭に一覧があるので助かります)。 全ての登場人物から聞き取り、推理、聞き取り、推理を繰り返すエリンボルク。 そして、残り数ページでやっと事件の全容にたどり着く! エリンボルクと共に聞き取り捜査を体感するのがこの作品の醍醐味なので、毎度ですが全て割愛(;^ω^) そしてエリンボルクの抱える家庭問題。 4人の子供のうち、一番上の長男は夫の甥であり養子。 自分の子供たちと分け隔てなく育ててきた。それでも長男は家を出て行ってしまった。 それを母親のせいだと母親を目の敵にする次男。次男をお手本と崇める三男。唯一母親の味方の末っ子長女。 どこまでも優しい旦那。 だからこそ、捜査に明け暮れ、家のことが疎かになる葛藤に悩む。 レイプ事件と自分の娘を重ねて苦しむ。 エリンボルク家に幸あれ!と願わずにいられない! そして肝心のエーレンデュル。ホントにどこ行ってしまったのか・・・。 例によって亡き弟と向き合うために山を放浪しているのか・・・。 巻末の訳者柳沢由実子さんによれば、次作第8巻でもエーレンデュルは復活せず。 エリンボルクに代わり、同じく同僚のシグルデュル=オーリが主人公とのこと。 これまでちょろちょろとしか触れられなかった彼のプライベートが明らかになる!? めちゃくちゃ楽しみです。
32投稿日: 2024.11.12
powered by ブクログエーレンデュル捜査官シリーズ7作目。 エーレンデュルは行方不明中。なので同僚のエリンボルクが主役。女性と犯罪の関係に焦点が当たってて、どこの国も女性は弱者と暗い気分になってしまった。 エリンボルクが作るアジア料理を食べてみたい。
0投稿日: 2024.08.22
powered by ブクログもともとこのシリーズの良さは、 謎解きの楽しみというよりも、 事件の暗さに絡められた エーレンデュルの内面の深堀りにあると私は思う。 その片鱗は見られた。 エリンボルクの家庭の様子が描かれ、 親子の問題をどう語っていくのかに私は興味津々だった。 ラスト数十ページまで来たときに、 この本は恐らく前編で、 もう1冊を後編として出して、 謎解きも、エリンボルクの子どもとの葛藤も、 深く描かれるのだろうと思っていた。 それが、事件はあっけなく解決し、 子どもとの話も描かれずじまいだった。 とても良い取っ掛かりを持った作品だっただけに、 もったいないなあと思う。 風呂敷を広げるだけ広げて、 終了までの時間が足りなくなって、 慌てて風呂敷を閉じてしまった印象。 もしかすると、 エリンボルク同様、 インドリダソン自身も、 問題がつかみ切れていないまま書き終えたのかも。 インドリダソンが得意とする内面の描写を、 エリンボルクとルノルフルにやってくれたら、 これもまた傑作のひとつになったと思うのだが。
1投稿日: 2024.08.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
アイスランドミステリー第7弾。 主人公のはずのエーレンデュルは行方不明。同僚エリンボルク女性刑事、既婚、子供は3人、養子に迎えた夫の姉の子がいる。しかし彼はよく知らない父親のもとへ行ってしまった。末っ子の女子テオドーラはエリンボルクのお気に入り。 事件は、若い男性が首を切られたというもの。口にはレイプドラッグが詰め込まれていた。彼は性犯罪の常習犯だったのかもしれない。手がかりは女性もののスカーフ。タンドリーチキンの匂いがした。実はエリンボルクは料理の名人。レシピ本も出版している。元々厳しい家庭に育ち、食には恵まれていなかった。彼女には離婚歴がある。当時は地理学を学んでいた。 事件はなかなか解決せず、エリンボルクは睡眠時間が少ない。しかし夫はよくサポートしてくれている。彼は自動車修理工場の共同経営者。料理はあまりできなくて、子供達にはテイクアウトのものを食べさせているが気楽だ。 エリンボルクの同僚シングルデュルオーリは癖が強い。相手にすぐ突っかかるし。 殺害された男と彼の友人だった高校教師。彼の教え子の一人が行方不明になっている。エリンボルクは彼女ももしかしたら関係があるのかもしれないと思っている。殺害された男性は電気通信技師として訪問した家を物色していた。 そして結末。殺害したのは被害者男性と同郷の男。彼の姉がかつて男に乱暴され、長年精神を病み自殺してしまったのだった。結局被害者男性の友人の教え子の行方もわからないままだ。エーレンデュルは車が打ち捨てられているだけで行方が分からない。 《感想》いつもなら安定して静かなはずのこの作品。今回は同僚エリンボルクにスポットライトが当たっているおかげで少し温かみが感じられる。事件よりも詳しく書かれているのはエリンボルクの日常。3人子供がいて、また頭の片隅には長男?養子の子供がいる。彼が家を出て行ったことで実子長男は反抗気味。ブログにいろいろ書いていて、それが余計エリンボルクを苛立たせる。彼女の心の慰めになっているのは末っ子。出来が良くて、飛び級なんかも勧められているけれども、エリンボルク夫妻はあんまり乗り気ではない。 ただ今回はその末っ子の絵本、自動車工場夫の服が決め手となって事件に進展が見られた。アイスランドは殺人事件の発生率がとても少ないらしい。そんな中でこのシリーズが7作も続いているのは、ただ事件の解決だけではなくて、そこに至る人々の気持ちや思い出がとてもとても詳しく書かれているからだと思う。次作はシグルシュルオーリにスポットライトが当てられているらしい。本当に楽しみにしている。
2投稿日: 2024.07.31
powered by ブクログアパートで喉を切られた死体が発見される。レイプドラッグが口に詰められており、その時、部屋にいた親子が逮捕されるのだが、、、。北欧ミステリーらしい残酷な事件。今回はエリンボルクが主役たが期待を裏切らず、読み応えがある。 次作はシグルデュル=オーリが主役とのこと。エーレンデュルの行方が気になる。
0投稿日: 2024.07.08
powered by ブクログ期待を裏切らないシリーズ、 今回はいつものエーレンデュルではなく 彼の部下の エリンボルクが主役。 面白かったー。 当たり前のことだけど 彼女にも家庭があり、 悩みがあり。 そして悪い男を征伐したのは誰か? そして終盤で誤植を見つけましたよ、 編集者さん。 再開→再会 ですよね。
0投稿日: 2024.06.16
powered by ブクログエーレンデュル捜査官シリーズ第7弾。 6弾は、エーレンデュルがほぼ1人で捜査をしていたが、今作は女性であるエリンボルクが主人公として事件解決に乗り出す。 エーレンデュルの場合も家庭内のことも事件を追いながら絡めてきていたが、エリンボルクも同様に始めて知る彼女の家族ことが明らかにされる。 バツイチであることや夫が自動車修理工であり、夫の亡くなった姉の子どもを養子にしたことやそのあと3人の子どもを生み、今は高校生の長男の反抗期に悩まされていること。 料理が得意で、でき得る限り手料理をも食べさせたいと思っているなど。 今回、アパートの一室で喉を切り裂かれた男の死体が発見され、レイプドラッグが見つかっていることから常習のレイプ犯かと…。 被害者による復讐なのか?をエリンボルクが追う。 殺害現場に残っていたものを手掛かりに捜査するが、決めてとなったのは匂いである。 エリンボルクが料理好きなこともあり、スカーフに残っていた香辛料の匂い。 そして、夫が修理工であることでエンジンオイルの臭いなどを嗅ぎとる。 ラストには、まだ探しものがあるという雰囲気で終わる。 この余韻はいつも感じることなのだが今回はすっきりとしないという不穏さが強い。 それにエーレンデュルが行方不明であることが気になる。 これは繋がっていくのだろうか…。
65投稿日: 2024.05.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
このシリーズは外れがない気がする 一気読みだった 小さな国なので、隣近所知り合いばかりっぽいけど、レイプはあるんだ。おまけに捕まっても1年ちょっとの刑で終わるんだ 確かに殺したくなるね
1投稿日: 2024.05.18
powered by ブクログアイスランド・レイキャビク警察のエーレンデュル捜査官シリーズ第七作。 と言っても、今回はエーレンデュルは休暇のため不在(長すぎるし連絡も取れなくてこっちも気になる)。 ということで、今回はこれまで脇役だったエリンボルク捜査官(女性)が主人公となる。 このシリーズは被害者が気分が悪くなるような『悪い男』であることが多いのだが、この作品もそうだった。 レイプドラッグと言われる薬品を女性に飲ませて強姦するレイピストが、自ら使っていたレイプドラッグを口に詰め込まれて殺されていた。 全く同情出来ない被害者なので、自業自得な最期については寧ろ良かったと思ってしまうのだが、警察としてはそうはいかない。 日本の警察小説だとアウトローな刑事ものでない限り二人一組で捜査をするのだが、このシリーズは基本単独捜査を行っている。 訳者あとがきによると、アイスランドでの殺人事件は年間4、5件、人口10万人単位での殺人事件発生率としては日本に近いくらい少ないようだ。ヨーロッパの中でも比較的平和な国ということでこういう捜査スタイルになっているのかも知れない。 だが今回の作品のような強姦だったり過去に扱われた虐待や暴行事件などはそれなりに起こっているようで、エリンボルクの母親は、娘が捜査官という職業を選んだことを心配している。 捜査の行方の方は、現場に残されていた女性ものと思われるスカーフやTシャツ、そして被害者の人間関係、さらに目撃者探しといったことをエリンボルク一人で担っているため、遅々として進まない。 この辺りは過去の作品で経験済みなのだが、訳者の柳沢さんの文章と相性が良いのか、読み進みやすかった。 同時にエリンボルクの家族関係についても描かれていて、こちらはエーレンデュルほど極端な家族ではないので親近感があった。 現在の夫・テディの大らかさに癒され、長女で三番目の子供のテオドーラに勇気づけられる一方で、長男ヴァルソルとの関係は全く上手く行っていないし、次男アーロンも徐々にエリンボルクから距離を置こうとしている。ヴァルソルとの確執が養子ビルキルが家を出たことに端を発していると知ったエリンボルクは過去の自分の対応に思い悩む。 こうしたことには正解というものはないので悩ましい。なるようにしかならないと大らかに構えるか、とことん藻掻くのか。距離を置いた方がいいのか、向き合ってとことん話し合うのか。 個人的にはエリンボルクは仕事も家事も家族にも頑張っている良いお母さんに見えるが、三人の子供たちそれぞれの観方は違うだろう。だから夫テディの大らかさは救いになるかも知れない。 一方で捜査の方も新展開を見せたりして面白くなってくる。『悪い男』だと思った被害者は『悪い男』ではなかったのか?別の側面があったのか? 信用ならないと思われていた証言や、見逃しそうな証言を丹念に探っていくエリンボルクはやはり優秀な捜査官だと思う。 そして強姦の被害者に対して『恥は暴行した男が感じるべきものよ』と言ったエリンボルクには共感するが、『彼らの受ける罰と言ったら、馬鹿馬鹿しいほど軽いのよ!』という被害者の言葉にも大きく頷く。 もっと被害者に寄り添った『正義を下す方法』があれば良いのだが。 もう一つ印象に残ったのは被害者の出身地である村の雰囲気。まるで横溝正史先生の作品に出てきそうな、排他的な空気でちょっと怖い。 事件としては解決したのだが、様々な謎は残っている。 次作はなんと、問題児(と私が勝手に呼んでいる)シグルデュル=オーリが主人公らしい。 時間軸としては今回の作品と同時らしいので、エーレンデュルはまだ不在らしい。こちらの作品のその後やエリンボルク家族のその後、エーレンデュルの行方なども描かれるだろうか。
48投稿日: 2024.04.14
powered by ブクログ殺害された被害者はレイプドラッグを所持しており… 家族の絆を細やかに描いた社会派ミステリ #悪い男 ■あらすじ アイスランドの首都レイキャヴィークで発生した殺人事件、アパートの一室で男の死体が発見されたのだ。部屋からは女性のスカーフが見つかり、さらに彼はレイプドラッグを所持していたことが判明する。主人公である捜査官であるエリンブルクは、彼に乱暴された女性を探すために捜査を始めるのだった… ■きっと読みたくなるレビュー シンプルかつストレートな北欧ミステリーですね、胃にずっしりと来ました。タイトル『悪い男』とは間違いなくこの被害者であるのは想像がつく、一体この事件にはどんな背景があるのだろうか。 本作エーレンデュル捜査官シリーズの第七弾ということなんですが、実はこのシリーズまだ一冊も読めてないんですよね、あはは(湿地をはじめ、もちろん手元には何冊かあるけど)。でもシリーズ初読みでも前作以前のネタバレもなさそうでしたし、目一杯楽しませていただきました。 じっくり、本当にじっくりと捜査が進む。この静かさと重々しさが一番の魅力ですね。関係者や街の人々に聞きまわっても、解決の糸口すらつかめないというこの行き詰った重々しさ。それでもひたすら捜査を続けるエリンブルクの粘り強さが渋すぎて素敵です。 しかもこの女性捜査官であるエリンブルク、彼女の日常やプライベートがたびたび描写されるんです。夫との距離感、多感な年ごろの子ども達との関係性など、家族の間に吹く隙間風が針の筵のように彼女の背中に突き刺さってくる。 特に末っ子の娘に対して贔屓目に見てしまったり、猫かわいがりが転じて自分の甘える矛先になってしまう感覚なんかはホントよくわかるの。さらに娘を持つ親として、本事件の背景にある恐ろしさに対する震えを肌で感じ取ることができるのです。 そして物語の後半になってくると、他の家族との巡り合わせがやってくる。被害者家族と加害者家族が背負っている十字架が、彼らのとってあまりに重大過ぎて辛すぎますよ。読めば読むほど苦々しさが胸を襲ってきて、許せない感情が爆発しそうになりました。 ずっと水の底で本を読んでいるような錯覚に陥る、でも強い勇気も感じる渋いミステリーでした。 ■最近わたしが思っていること 性的同意アプリって知っていますか? 性的同意を証明するものとして、書面での手続きはその場の雰囲気を壊してしまうため、比較的手軽に手続きができるように作られたらしいです。効果とかセキュリティの問題など、いろいろ批判が多いですが、こんなアプリがでてくること自体が悲しくてならない。 そもそも手続きの問題なのではなく、愛している人とだけ性交渉に及びべきという、あたりまえの愛のカタチを目指すことのほうが重要ではないでしょうか。正しく教育され、ひとりひとりが成長していけば、同意なく人を襲うなんてことは起きないんですよ。 ただ…きれいごとだけでは問題がなくならないことも知ってまして。もし本作のような被害者を減らせるのであれば、この性的同意アプリもきっと意義があるのではないか。辛い思いをする人が、ひとりでも少なくなるようにしたいです。
87投稿日: 2024.04.04
powered by ブクログ作家、舞台共にアイスランド。 人口わずか30万人とはいえ、気骨が感じられる国と映る。 ヨナソンから食いつき、インドリダソンも邦訳は完読。 思い込みかもしれないが、独特の癖も含めて、他の国や作家のが読めないほど お気に入り。 いつの間にかエーレンデュル捜査官シリーズという看板がついていたんだ・・ただし、今作は主役が休暇中で不在(弟探しの旅に出ているのか??)オーリが助っ人で登場しているのは嬉しい。 だが女性かちゅ役の国、主役留守とはいえ、女性捜査官エーレンデュルがじっくり、丹念な捜査をものにしている。 相変わらずの天気が背景となって作品の情念世界の暗さを表現している・・暗い、湿っている、そして雪空? エーレンデュル捜査官の家庭事情も何やら複雑、母子家庭のような状況を呈し、長ずるに従っての反抗的な息子に心をなやまっ姿は等身大の現実社会に酷似。 事件自体は、北欧にあるあるタイプ。ロヒプノール、連続レイプ魔・・・レイキャビクに蔓延したポリオ事情は史実と思われる。 ネットフリックスで放映されるアイスランドの刑事ものもはまってしまった‥日本と匂いが全く異なる社会事情と風土。でもしっかり人々が生きていることに小さく感動する。
2投稿日: 2024.03.08
powered by ブクログ男は目立たぬようにバーに入ってゆき、サンフランシスコの文字のあるTシャツを着た女性に声をかけた。で始まる描写が続き、一行空いて、エリンボルグが現場に到着すると、血の海の中で若い男が倒れていた。血まみれのサンフランシスコの文字の入ったTシャツを着ていた。・・と続く。 男はこの若い女性のTシャツを着て殺されていた、という出だしから、殺された男は「悪い男」なのだな、と思う。その予想のごとく、エリンボルグは男殺害の真犯人を見つけ出すのだが、男がもたらした「悪」の空気が作品全体を包みやるせない。男の故郷はアイスランドの田舎。若い者は村から出て行って、村人の行動はただちに村じゅうに知れわたる。暗くて寒い空が覆っている。それが「サンフランシスコ」の明るくて暖かいTシャツと対照をなす。男の母親はとても厳しく男を育てた。 もう少し「悪い男」の内面を描写してほしかったかな。なぜそういう性癖になったのかインドリダソンの見解を知りたい。でも一気に読んでしまった。エーレンデュルは東部地方への休暇をとっている、とだけわかっていて出てこない。次作は「黒い空」でシグルデュル=オーリが主人公だ、と解説にある。オーリもけっこうおもしろい性格だな、と思いながら読んでいるので、次回作が楽しみ。 2024.1.19初版 図書館
11投稿日: 2024.03.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
エーレンデュル第7作ではあるが、エーレンデュルは全く出ず、エリンボルクが主人公のスピンオフ的な作品。 面白くないわけではないが、エーレンデュルに比べると、エリンボルクは申し訳ないが魅力にかける印象。 ちょっと堅苦しくて、取り調べの会話は少しイライラした。 話としても今一つ。 次作もエーレンデュル不在らしい。ちょっと残念。
2投稿日: 2024.03.04
powered by ブクログ北欧のミステリーシリーズ。エーレンデュルかと思えば彼の部下のエリンボルクが主人公。 彼女の日常が細かく描かれていてとてもリアル。緻密な捜査や被害者の家族の感情が前面に出ている。エーレンデュルはどうしたのか、刑事仲間でなくとも気になる。
16投稿日: 2024.02.18
powered by ブクログ『エーレンデュル捜査官シリーズ』は非常にメッセージ性の高いミステリーだ 今回は卑劣極まりない犯罪の被害者たちに対して、あなたたちは悪くない、あなたたちに責任はない、世間から隠れて暮らす必要はない、堂々と生きろ!と強く主張している だけどその主張はまず「社会」に向けられるべきだと思うのだ 「社会」こそが犯罪被害者たちを日陰の存在に押しやっているのではないか、声を塞いでいるのではないかと思う そして、作者のアーナルデュル・インドリダソンはこのシリーズを通して、常に家族の絆についてスポットを当てているように思う そして今作は主人公がいつもと違ってエーレンデュルの部下、女性刑事のエリンボルクとなっている つまりいつもと違う家族が登場し、また違う種類の家族の問題が母親視点で描かれている 明確な答えは用意されていない 読者に提示されるのは問題だけだ 答えはそれぞれが自分の力で見つけるべきだとアーナルデュル・インドリダソンは言っているのだろうか そして今、私が強く思うのは、素晴らしい物語なんだが、アーナルデュルとかエーレンデュルとかエリンボルクとか聞いた時点で心折れてる人多いだろうなってことですw
65投稿日: 2024.02.14
powered by ブクログ『湿地』以来、いずれも高水準を保っているこのアイスランド・ミステリーは『エーレンデュル捜査官シリーズ』として出版社より紹介されてきたが、本書では当のエーレンデュル主任警部が不在というシチュエーションで女性刑事エリンボルクが初の主演を果たす。時に助け役なのか邪魔する役なのか判断が難しいかたちで三人目の刑事シグルデュル=オーリが登場するが、こちらも友情出演程度の顔出し。本書は、一作を通じてあくまでエーレンデュルを主役とした作品なのだ。 序章にして既にトリッキーである。まず女性にデートドラッグを飲ませレイプするという目的を持つ病的な犯罪者が一軒のバーで獲物を狙うシーンから本書はスタートする。続いて死体発見現場で本書のストーリーは正式発動されるのだが、思いに反して被害者はレイプされた女性ではなくデイトドラッグを仕掛けたほうの犯罪者の方であり、彼は自分の住むアパートの部屋で喉を掻き切られるという無残な姿で死んでいた。 アイルスランドという、北極圏に近くフィヨルド地形が目立つような小さな国。人口は30万ととても少なく、しかもその大半がレイキャビックに集まっているという。この小さな国で世界の言語に翻訳されている作家と言えば本シリーズの原作者の他にラグナル・ヨナソンで、ぼくはこちらの作家も日本語翻訳作品は全読して注目しているのだが、こちらはアイスランド北部にあるシグルフィヨルズルという田舎町の警察署に所属する若き警官アリ=ソウルを主としたシリーズ。ヨナソンでは女刑事フルダのシリーズ三部作が立て続けに翻訳されその衝撃的内容に震えたものである。 アイスランド・ミステリーに何よりも注目を集めたのが本エーレンデュルのシリーズで初邦訳された『湿地』であり、その後も主人公が抱えている過去(雪山で見失って以来行方のわからないままの弟、という未解決な事件)のトラウマは、執拗にシリーズに影を落とし続ける。さらにその事故、あるいは事件の真相究明にのために、エーレンデュルはレイキャビックから毎年決まって姿を消してしまう。 本書でもエーレンデュルが不在であるわけはおそらく雪山の事故を思い出し真実に辿り着くための旅なのだと思う。なので本書では主人公をエリンボルクが務め、日頃あまり語られなかった彼女の私生活の描写が随所に語られつつ、彼女が執拗に本書の事件究明に携わる姿のどこかに、改めてエリンボルクという女性の大切にしているものが明確になってゆく。ちなみに料理へのこだわりが強く料理本を出版までしていることは過去作にも書かれていたたが、その辺りの拘りは本書でも頻出、刑事というよりも女性という側面を主体に男性作家によって書かれた作品である、という捩れのようなものも面白い。 また真相に辿り着くための執念、そしてたった独りの捜査を通じて知り合ってゆく関係者たちとの接し方も通常捜査というよりは、より個人的な被害者である<悪い男>への怒りと殺害者への情さえ感じ取れてしまう辺りが通常のミステリと完全に逆転していて面白い。おそらくこの作品にしか登場しないキャラクターたちも、皆どこか魅力的でしっとりした情景描写に、いつもながらのインドリダソン作品のディープな味わいを感じてしまう。 次作は同じ時期(つまり真の主人公であるエーレンデュル不在時)のシグルデュル=オーリを主人公にしたものだそうである。87分署みたいに人数はいないけれど日替わり主人公のような楽しみまで加わってきた本シリーズの今後、そして何よりもいずれ明らかになるであろうエーレンデュルの行方知れずの弟の行方という解に辿り着くまで本書は読み続けてゆかねばならない。その意味でも順に辿って全作を読んでゆきたいシリーズなのである。
11投稿日: 2024.02.03
powered by ブクログ本作はエーレンデュルが不在で、同僚のエリンボルクが主役。 今までは脇役だったエリンボルクが、女性への暴力に対し、毅然とした態度で忍耐強く事件解決に向けて奔走する様子が描かれ、好感が持てた。 また、彼女の家族との関わりにも焦点を当てており、新鮮だった。
2投稿日: 2024.01.22
