
総合評価
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powered by ブクログ表題作の他に「薪能」・「薔薇屋敷」・「流鏑馬」を収録。 倫ならぬ恋、自らに流れる“血”、半ば自発的に重ねる悪徳……。人間が直視したくないほどに儘ならぬ現実を前に狼狽し、躊躇し、善かれ悪しかれ決断するまでの過程を、作者は俗悪で仰々しい表現を用いず淡々と綴っている。語り口はあっさりだが、その奥に彼ら彼女らが抱える懊悩や罪悪感はひしひしと伝わってくる。新たな推しの作家、発見! 本書でのお気に入りは、日本と朝鮮の血を引く兄弟が自己の存在と向き合う「剣ヶ崎」、肉欲と麻薬への依存と脱却に揺れる男を描いた「薔薇屋敷」、夫に不倫された妻が弓と乗馬が得意な義弟に惹かれ、彼の姿に永遠的なものを見出す「流鏑馬」。
0投稿日: 2024.05.09
powered by ブクログ生々しい感情や人間を、かなり分析的に色々な立場から物語る、素晴らしい作品ばかりだった。 戦後の混乱期の青年を体験できた。
0投稿日: 2017.11.03
powered by ブクログ▼電子立ち読みあります▼ http://shogakukan.tameshiyo.me/9784093522076 直木賞受賞作含む、立原正秋の代表的短編集。 日本と朝鮮の血を引く家系に生まれた兄弟が、戦争という得体の知れないものに翻弄されながらも、自分たちの存在を確かめようと、”血”とは何かを追求した「剣ケ崎」。 金貸業者を踏み倒す事を仕事にしている奇妙な男にひかれて、その不可解な魅力と付き合っているうちに、自らも破滅してゆく中年の教師を描いた「白い罌粟」。 没落寸前の旧家・壬生家。その終焉を闇夜に輝く篝火に象徴させ、従弟との愛を”死”で締め括った人妻を描いた「薪能」。 義弟との束の間の愛に燃えた若妻を描く「流鏑馬」、麻薬窟に出入りし、女と薬に溺れる男を描く「薔薇屋敷」。 直木賞受賞作、芥川賞候補作など立原正秋の代表短編5編を納めている。
0投稿日: 2016.04.11懐かしい!
リーダーで立原正秋氏の作品を見つけて、とても懐かしくて購入。 10代後半から20代後半までずっと読み集めた作家さんでした。 「薪能」最初にこれを読んだ感想は今でも鮮明に甦ります。 「20代後半の女性ってこんなにも大人な立ち居振る舞い、考え方をするのだろうか?」 10代後半の私は、立原作品に登場する女性像があまりにも大人で、奥ゆかしくありながら情熱を秘めていることに驚きで引き込まれていきました。 立原作品に登場する女性は確か20代後半から30代が多かったのではなかったかと記憶しています。花開くその年代が美しいという文章もあったように思います。 とうにその世代はすぎましたが、こちら側から読んでも、女性像の魅力は色あせてはいませんでした。 どれも恋愛のストーリーに目が行きがちですが、伝統美、食の楽しさ美しさ、本物を見ることなど多くの知識を与えてくれた作家さんでした。 薪能、能面そして鎌倉への興味を膨らませる一冊です。 昔の引っ越しで、揃えた本を処分したのが悔やまれる。 あっ、でも、断捨離のつもりでリーダーにしたので出来れば全作品登場して欲しいです。
13投稿日: 2015.09.17
