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三酔人経綸問答
三酔人経綸問答
中江兆民、鶴ヶ谷真一/光文社
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総合評価

15件)
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    「明治の「集団的自衛権」」 https://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51898093.html

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    投稿日: 2025.09.30
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    著者、中江兆民は、ウィキペディアによると、次のような人物です。 ---引用開始 中江 兆民(なかえ ちょうみん、1847年12月8日〈弘化4年11月1日〉-1901年(明治34年)12月13日)は、日本の思想家、政治家。本名は中江 篤介(なかえ とくすけ)。自由民権運動の理論的指導者であり、第1回衆議院議員総選挙における当選者の一人。フランスの啓蒙思想家ジャン=ジャック・ルソーを日本へ紹介したことから東洋のルソーと評される。 ---引用終了 で、本作の内容は、BOOKデータベースによると、次のとおり。 ---引用開始 自由平等・絶対平和の追求を主張する洋学紳士君と軍備拡張で対外侵略を、と激する豪傑君に対し、南海先生の持論は二人に「陳腐」と思われて…。自らの真意を絶妙な距離感で「思想劇」に仕立てた中江兆民の代表作。未来を見通した眼力が、近代日本の問題の核心を突く!三人の酔っ払いが繰りひろげる正論、暴論、極論ありの“憂国放談”!中江兆民の最高傑作、待望の新訳! ---引用終了 で、本作の原文の書き出しは、次のとおり。 ---引用開始 南海先生、性酷だ酒を嗜み、又酷だ政事を論ずることを好む。而して其の酒を飲むや、僅に一二小瓶を ---引用終了 それから、中江兆民よりもやや年上の方々と並べて、生年没年を見ておきます。 中江兆民(1847~1901) 福沢諭吉(1835~1901) 西郷隆盛(1828~1877) 勝海舟(1823~1899) 榎本武揚(1836~1908)

    36
    投稿日: 2025.02.19
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    中江兆民「三酔人経綸問答」光文社古典新訳文庫 元の本が書かれたのが1887年、この2年後に明治憲法が発布され、7年後に日清戦争が起きる。明治維新からは十分に時間が経ち、一方で欧米列強に対しては弱さを自覚していた時代である。そして欧米では普仏戦争が終わり帝国主義が全盛期を迎えていた。そんな時代に民主主義と平和主義に心酔する洋学紳士、富国強兵と大陸進出を熱望する豪傑、そして中庸をとく我が家の主人南海先生が鼎談する。時代のキーワードがスペンサー流の「進化」であること、中国侵略論も既に強かったこと、早くも英独の建艦競争から将来の世界大戦をうかがう見方もあったことなどが興味深い。南海先生の立憲君主制から民主主義への漸近論も、これが昭和初期であれば素直に受け取られたかどうか。

    1
    投稿日: 2024.10.05
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    大酒飲みの南海先生のもとへ「洋学紳士君」「豪傑君」という主義主張の異なる二人が訪れ酒を酌み交わしながら政治談義を繰り広げる。「政治の本質とは何か。国民の意向にそい、国民の知識にみあった制度を採用し、国民が安らかに暮らし、幸福を得られるようにする、ことです。」(P119)という南海先生の話の重さを感じた。

    2
    投稿日: 2024.10.03
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    明治の政治思想家の本。酒好きの「南海先生」を2人の客(洋学博士、豪傑の客)が訪ねてきてそれぞれの視点・思想から国のあるべき姿を論じ、意見を戦わせているという構図。この3人の他に注釈が、さらにこれを聴いている聴衆(時にヤジ的な)が加わる。 当時の社会情勢や倫理観を踏まえておかないとわかりづらい部分もあるが、概ね普遍的な話しが展開している。それぞれの理想と現実が色濃く表れ、極論が展開される傾向もありつつ、しかし現実的な話でもある。 著者は各論客の意見を極端に位置付けながらも、当時の国民に様々な視点から物事を考えるよう啓蒙する狙いを持っていたのかと思える。 映画やドラマ、小説にも「当時の社会情勢」という注釈が入るのを良く目にする。昨今の作品も何十年か先には同じように「当時の」とつくこともあるんだろうか、なんてことも考えてしまった。

    1
    投稿日: 2024.08.25
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    1.この本を一言で表すと? 平和主義と武装主義の議論を対話形式でまとめた本。 2.よかった点を3~5つ ・ 2.参考にならなかった所(つっこみ所) ・なぜ対話形式の内容になっているのだろうか? ・立憲制と民主制を区別しているのはなぜだろうか? ・洋学紳士は「狂暴な国は決してないことを知っています。」(p73)と言っているがそんなことはないということは明らかだ。 ・豪傑君の理屈は現代社会では通用しない。 ・欄外の「眉批」はどのように捉えればいいのかわからなかった。 3.実践してみようとおもうこと ・ 5.全体の感想・その他 ・最後の南海先生がまとめた内容は当たり障りのない内容で意外だった。 ・解説を読んで大事なんとなく著者の言いたいことはわかった。19世紀後半の日本において日本がいかに生き延びるかをよく考えた結果なのだと思う。 ・この本が書かれた明治20年頃にブランデーがあったのは知らなかった。

    1
    投稿日: 2024.01.27
  • 「100分 de 名著」から来ました

    2023年12月の「100分de名著」で平田オリザ氏が指南されている書。 時は明治20年。外には帝国主義に翻弄され、内には帝国憲法発布前の侃々諤々の頃。左右の極論とまどろっこしい漸進論を見通しよく読ませ、考えさせるのに「酔っ払い3人の談義」+眉批(欄外注)という体裁が見事だ。さらに、解説を通して時代背景などの周辺情況が深まり面白い。原文は流し読みしただけだけれど、リズムがとてもよく、弁舌を想像するのも楽しかった。

    0
    投稿日: 2023.12.25
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    お馴染みの洋学紳士、豪傑君、南海先生の3人がヘネシーを飲みながら経綸について語り合うという本を現代語に訳したもの。100年も前の話だけど、中身はまだ舞台を現代にしても通じるんじゃないだろうか。

    1
    投稿日: 2023.10.01
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    明治時代に、このような知識人がいたということを知れただけでもまず読む意味があった。 大正から令和の時代の今までの歴史を振り返ると、その慧眼に驚く。

    0
    投稿日: 2022.12.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    現代語訳されているので非常に読みやすかった。1880年代に、これからの日本の国家論を述べたもの。 洋学紳士は世界中の国が民主制を整えることで世界から戦争をなくすことができると唱える。一方、豪傑君は欧米列強は軍備を強化しており、いつアジアを占領しに来るか分からない、したがって日本も植民地を持っておくべきだと主張する。南海先生が言うには、洋学紳士の主張は理想論で、豪傑君の主張は今日では役に立たない。立憲制度を整え、平和外交を基調とする。様々な権利は次第に制限を解き、商工業も次第に浸透させる。こうした現実主義的な方針こそ、激動の時代を迎えていた日本が取るべき策なのだと主張した。果たして日本は戦争を重ね、領土を拡大していってしまうのだが…

    0
    投稿日: 2022.08.26
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    大酒飲みの南海先生の家に、自由平等・絶対平和の追求を主張する洋学紳士君と軍備拡張で対外侵略をと激する豪傑君がやってきて、それぞれの主張を述べて南海先生も持論を述べ、夜が明けて紳士君と豪傑君が帰るまでの話。 物語が書かれた時代というところをイメージできた方が、それぞれの主張の背景みたいなものがリアルに感じられて面白いのかも。 2人の対極な、でも極端であることは共通している主張も、のらりくらり話を聞いていた南海先生の話す2人よりマイルドな持論も、それぞれなるほどなと思う部分もあるし、現代はこうなってるよって3人に教えてみたい気持ちにもなった。

    0
    投稿日: 2022.01.13
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    1987年(明治20年)。平易な言葉に翻訳されてはいるが、当時の政治状況などよく理解していないと楽しめないだろう。とはいえ、文面を読むに、当時も現代と似たような不安を人々は抱えていたのだろうと推測できる。名作とされているが、これを現在の作家が書いて出版しても売れるとは思えず、名作というものはその時代にマッチした作風であり、文体であり、内容であり、さらに、それが時代を経てもなお残っているもののことを言うのだなと思うのだった。

    0
    投稿日: 2020.03.28
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    翻訳が分かりやすくてすいすい読めるし、想像以上に書かれている内容が今読んでも古びておらず面白い。(これが明治20年(1887年)時点で書かれていた驚き…)もちろん原文も収録されてます。 豪傑君、西洋紳士君、南海先生の3名による正解のない議論(あえて読者に「そこ」を考えさせる構成)に加え、脚注と解説で補足された事項を踏まえ、もう一度ゆっくり咀嚼して読み直したい1冊でした。

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    投稿日: 2019.08.18
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    南海先生、紳士君、豪傑君の三者による対談形式。分量の半分以上は原文や解説なので、新訳の本編自体は短い。 洒落のきいた文章と、単純簡潔な構成(ヘーゲルの弁証法的?)でさっと読ませるが、中身は大問題に真っ向から取り組むもの。現代の憲法九条に関する議論もほぼこの本で語られていることにすっぽり収まりそう。 解説にもあるが不戦条約により建前だけでも戦争が不可になるのは1920年代になってからである。

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    投稿日: 2019.04.29
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    日本には哲学者がいない。 当時、多くの葛藤があったと思うが、考えを伝えるためにわかりやすく書いてある。 現代人が読んでもいまの情勢を考える上で直結で役に立つと思う。 中江兆民はフランス語と漢語にも堪能だそうで文もおもしろかった。原文を一度音読してみたい。

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    投稿日: 2017.05.19