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無理・無意味から職場を救うマネジメントの基礎理論
無理・無意味から職場を救うマネジメントの基礎理論
海老原嗣生、守島基博/プレジデント社
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総合評価

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    内発的動機はどうしたら上げられるのか ① ちょうどよいレベルの機会を与える ②その機会に対して、うまく乗り越えていけるよう支援をする ③成功したら正当に評価する。その評価を周囲で共有し、承認する ④周囲の承認と同時に、昇給や昇進など会社として報酬を与える ⑤1つの難関を乗り越えたら、その成長に見合う程度の難易度の機会を再度与える  これだけなのです。平たく言えば「機会~支援~評価~承認~報酬」のサイクルです。  心理学者であり、経営者としても成功をおさめた大沢武志は、マネジメントの根幹とはつのWと2つのR」だと説いています。このあと出てくるエドウィン・ロックやリチャード・ハックマン、グレッグ・オールダムの言わんとすることを彼なりに意訳した名言でしょう。  2つのWとは、「What(何を)」「Way(どうやって)」、2つのRとは「Reason (理由)」「Range(範囲)」です。  まず、人は苦手なことをどうやって克服していくのでしょうか? 短絡的に考えると、 ック療法で、苦手な領域に放り込んで、逃げ場をなくすという方法が頭に浮かびそうです。 にいうスパルタですね。これは「逃げ場をなくす」という点では正しいのですが、マネジトの基礎理論では「苦手な領域に放り込む」という部分が間違っています。  この「機会の与え方」について、明快に答えを出しているのが、エドウィン・ロックでー人はどのような目標を与えたときに、最大の成果を出すのか。研究の結果、1つの答えが道出されました。それは「できるかできないか、ギリギリの線」で目標を提示したときだったです。つまり、易しすぎても難しすぎてもだめ。「易しすぎ」には、他に逃げ道があること含まれます(難題を回避しても、目標達成できる、ということはすなわち、易しい目標提示ほかなりません)。  いわれてみれば当たり前かもしれませんが、上司としては悩むところでしょう。当たり前ことを自信を持ってやることがマネジメントの能力を高めることにもつながります。 職務設計の中核的5次元 1.職務の多様性  単純な業務よりも、よりスキルや熟練が生かせる仕事を II.タスク・アイデンティティ  歯車、ではなく、全体像のなかでの流れを知る Ⅲ.意味深さ  やるべきことの背景や、やらねばならない理由などを知る IV.自律性  きっちり手順を定めすぎず、工夫できる自由度を用意する V.フィードバック (FB)  結果だけでなく、進捗途上でもしっかりFBをする この5要素そろった職務設計をすることが部下の意欲と成長に寄与する *ハックマンとオールダムによる お互いの要望を出すより、お互いの仕事をわかり合う  販売会社などでは、営業ラインと顧客が近く、顧客の反応を通じて身の丈に合ったやりがいが生まれます。ところが、その上流にある部門、とりわけ大手企業の本社などでは、どの仕事に携わっても、最終顧客が見えず、日常的には仕事の意義・意味が見えなくなりがちです。  そうしたときに、部下のすぐ手・下手にいる人たちとの意見交換の機会を持たせ、また、多少、工程が離れる部署の人たちとも交流を行い、仕事の流れや意義を確認させる行為を、業務のなかに埋め込むのが重要になってきます。  たとえば、自分の担当している業務が、何かのきっかけでとてもやりやすくなった、もしくは、ある特定の帳票だけ非常にスムーズに使うことができる。そんなときは、上流の誰かが、 あなたの部署の業務を想定して、改善をしている可能性があります。  その「よかった点」を上手の部署に報告する。それだけで、相手と気持ちがつながり、お互い、仕事への真剣度が増すはずです。  歩留まりアップとか、仕組みの改善などというテーマで、上手から下手までの各部署をつなげるような合同研修を行うのもよいでしょう。その際、改善すべき点を挙げつらって、業務効率一点張りでお互いの都合を主張し合うのは逆効果です。まずは、どんな流れで誰の仕事が誰とつながっているのか。そして、あのよくできた仕組みは、上手の誰がつくったのか。そんな話をすることから始めましょう。 第2章をまとめると次のようになります。 2.1 Whatだけでなく、Wayも伝える 2.2 できるかできないかギリギリの線を提示し、逃げ場をなくす 2.3 部下の状態を日々よく見て、ギリギリの線を保ち続ける 2.4 周囲とのつながり、将来の展望のなかで、いまの仕事の意義を確認させる 2.5 その仕事の意義・本質を伝え、どこまでなら自由にやっていいか明確にする 28の動因 マレーの心理発生的要求リスト 社会的動機といわれるものの種類はきわめて多く、その分類もいろいろと試みられている。 大分類/小分類/詳細 A 主に生きていない対象と結びついた要求 ・獲得(acquisition):所有物と財産を得ようとする要求 ・保存(conservation):いろいろなものを集めたり、修理したり、手入れしたり、保管したりする要求 ・秩序整然(orderliness):ものを整頓し、組織立て、片づけ、整然とさせ、きちんとする要求 ・保持(retention):ものを所有し続け、それを貯蔵する要求、かつ質素で、経済的で、けちけちとする要求 ・構成(construction):組織化し、築き上げる要求 B 大望、意志檀: 力、成就欲、 および威光に関係する要求 ・優越(superiority):優位に立とうとする要求、達成と承認の複合 ・達成(achievement):障害に打ち勝ち、できるだけうまくかつ速やかに困難なことを成し遂げようと努力する ・承認(recognition):賞賛を博し、推薦されたいという要求;尊敬を求める要求 ・顕示(exhibition):自己演出の要求;他人を興奮させ、楽しませ、原動し、ショックを与え、はらはらさせようという要求 ・不可侵性(inviolability):侵されることなく、自尊心を失わないようにし、“よい評判”を維持しようとする要求 ・屈辱回避(Infavoidance):失敗、恥辱、不面目、嘲笑を避けようとする要求 ・防衛(defensiveness):非難または軽視に対して自己を防衛しようとする要求: 自己の行為を正当化しようとする要求 ・中和(counteraction):ふたたび努力し、報復することによって敗北を克服しようとする要求 C 人間の力を発揮し、それに抵抗し、あるいはそれに屈服することに関係することに関係のある要求 ・支配(dominance):他人に影響を与え、あるいは統制しようとする要求 ・恭順 (deference):優越者を賞賛し、進んで追随し、喜んで仕えようとする要求 ・模倣 (similance):他人を模倣、または真似ようとする要求: 他人に同意し、信じようとする要求 ・自律(autonomy):影響に抵抗し、独立しようとする要求 ・反動(contrariness):他人と異なった行動をし、独自的であろうとし、反対の側に立とうとする要求 D 他人または自: 己に障害を与集する要求 ・攻撃(aggression):人を攻撃したり、傷つけたりしようとする要求、人を軽視し、寝を与え、悪意をもって眼笑しようとする要求。 ・服従(abasement):罪を承服甘受しようとする要求;自己卑下 ・非難の回避(avoidance of blame):非難、追放または処罰を避けようとする要求、行儀よく振る舞い、法に従おうとする要求 E 人間間の愛情に関する要求 ・親和(affiliation):友情と絆をつくる要求 ・拒絶(rejection):他人を差別し、鼻であしらい、無視し、排斥しようとする要求 ・養護(nurturance):他人を養い、助け、または保護しようとする要求 ・求援(succorance):援助、保護または同情を求めようとし、依存的であろうとする要求。 F その他、社会釣に関連した要求 遊戯(play):緊張を和らげ、自分で楽しみ、気晴らしと娯楽を求める要求 求和(cognizance):探索し、質問し、好奇心を満足させる要求 解明(exposition):指摘し、例証しようとする要求;情報を与え、説明し、解析し、講釈しようとする要求 上の人から来た「骨太な指示」に対して、自分の専門性・部署の特性を考えて肉付けをする それをさらに下にいる人に「骨太で簡単明瞭な指示」になるようにして伝える Wayや細かなWhatは、自分より下の人に肉付けをしてもらう この繰り返しで、骨太な大目的は保たれ、そして実行可能な詳細指令がかたちづくられきます。 大義(大元の骨太方針)を守る 自分の階層に合わせた肉付けをする ただし、下から見ればその肉付けされた指示でさえ「骨太」で肉付けの余地がある これが階層と階層ごとのリーダーのあるべき姿といえるでしょう。要は、「俺は上の言うことをわかりやすく言い直したから、あとはお前たちが細かく肉付けしろ」の連鎖です。 …自分が肉付けしたことに対しては、このように必ず説明責任を全うするのです。 健全で前向きなインフォーマルなグループの特徴 ①自発的に組織化されている 構成員もそのなかの上下関係も、どこからの圧力も受けずに、個人の感情や意思によってつくり上げられていること ②グループに属することに、誇りを持っている ホーソン実験では社内から優秀な人間が集められたという自負心。一大研究がなされているという意義。そして、その結果をみんなが注目しているという視線。グループ内に、こうした 「誇り」を高めるような要素があった ③公式な組織のリーダーから裁量を与えられている ホーソン実験はあくまでも実験だったために、部課のような命令系統が脆弱で、インフォーマルグループに組織運営の多くを委ねていたことが、生産性向上に寄与した 要は、①自由意思で組織され、②誇りを持ち、③運営を任された集団は強いということです。  では、よいインフォーマルグループがないときはどうすればいいのでしょうか。  ここで逆転の発想です。そういうときは、よいインフォーマルグループをつくってしまえばいいのです。  じつは会社が「よいインフォーマルグループ」をつくるような努力をしているケースもあます。その一例が、小集団活動です。  有名なのは、製造業の工場などで行われているTQC運動のQCサークルでしょう。他も、たとえば経営提言活動や新規事業発案制度などを設け、そうした制度に応募するとき、 人ではなく、何人かのグループをつくらせる方法などもあります。同様に、会社の課題解ロジェクトや、方針や理念を浸透させるプロジェクトに、自主的に小集団をつくって取り組まセルケースもあるでしょう。  このように経営とベクトルのそろう小集団をうまくつくり、リーダーが彼らと協力関係を築いていれば、マネジメントはより機能するようになります。 創業者が社長に返り咲く大手ベンチャーが多い理由  世の中には、目に見えにくいものを「ない」ものだとし、数字や業務フローに落としやすいものだけが「存在する」と考える人がけっこう多いものです。  そうした人たちからすると、コア・コンピタンスや強みなどの目に見えないものには、まさに重きを置く必要がないことになりがちです。  それよりも、競合を分析して、その成功要因を見出し、それを徹底的に社内で再現するといった、マイケル・ポーターのポジショニング戦略などに傾倒する経営者はあとをたちません。 こうした経営者はコンサルティングファームの指揮のもと、最適なポジショニングを探し、そこにノウハウがない場合はM&Aで補完し、あとは不採算事業をターンアラウンドで切り捨てていくといった道をたどります。これで企業が簡単に業績を回復できるのであれば、これほど簡単なことはないでしょう。  私は、初代創業者が退き、スマートな2代目経営者を外部から招聘して思いきりロジカル経営に振ったあとで、業績が思うように上がらず、最終的に創業者が経営に復帰したケースも多く目にしてきました。たとえば、ファーストリテイリングや、カルチュア・コンビニエンス・ クラブもそうした企業でしょう。  創業経営者は、何よりもコア・コンピタンスをよく知っています。それをどう鍛え直し、そして、それが生かせる新たな領域をどう探すか、と彼らはきちんとコア・コンピタンスの本意どおりに考えるのでしょう。

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    投稿日: 2025.07.30
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    一人の部下を持つマネージャーとしてどう部下と向き合えばいいのかだけでなく、会社組織全体として、マネジメントはどういう意味目的を持つのか、会社経営にどうつながるのか、がわかりやすく解説されている良書。

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    投稿日: 2022.02.27
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    タイトルの通り「基礎理論」を学び直しになります 自社の人事制度や施策が、どんな理論に基づいているのか考えるきっかけにもなるかと。 なんとなくで実践しがちの「人と組織のマネジメント」の奥深い世界の入り口に立てるお勧め書籍です。

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    投稿日: 2021.12.02
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    個人的に守島基博氏による解説が特に印象に残った。企業経営を戦略と組織の二つに大別すると、特に組織の側面については理論や知識を持たず「経験と勘」だけを頼りにマネジメントされる傾向が強い。なので、本書のテーマである、人や組織についての「マネジメントの基礎理論」を学ぼう、ということなのだろう。

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    投稿日: 2021.07.17
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    マネジメントとは、何をすればいいのか?に対する回答がシンプルにまとめられているので最初に読んでよかった。 マネジメントの基本は「やる気(内発的動機)」。やる気を高め続けるには「機会~支援~評価~承認~報酬」 のサイクルが必要。 実践できているか、常に見返したい。

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    投稿日: 2021.02.09
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    マネジメントの原理原則が書かれた本。今の企業組織に定着した「表彰」や「MBO」などの源流を知ることもできた。 マネジメント自体は非常に奥深く難しいものだと理解をしていたが、この本に書いてある原理原則を知っているかどうかでマネジメントのレベルが大きく変わると感じた一冊。 特に「Range(挑戦範囲の限定)」の話は納得できた。周囲に新任でマネージャーになった人がいたらまず最初に勧めたいと思える本だった。

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    投稿日: 2021.01.05
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    マネジメントは人をその気にさせる。具体例もありすごくわかりやすい一冊でした。 人が動く動機について書いてあり、自分の考えが偏ってることにも気づくことができました。

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    投稿日: 2020.01.02
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    部下育成の業務にある人はオススメの本です。 なぜなら、属人的なノウハウではなく、組織心理学の理論を基にわかりやすく実践方法が書かれているからです。 ハーズバーグの二要因論、三隅ニ不ニのPM理論など多くの理論が用いられ、2W2Rのようにどう運用するかが非常に納得できます。 また、大沢武志さんの心理学的経営を読んでからこの本を読むと非常に理解が深まると思います。

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    投稿日: 2019.10.06
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    職務設計の中核的5次元(1. 職務の多様性2. タスク・アイデンティティ3. 有意義性4. 自律性5. フィードバック)は、実践的で腹落ち感もあって、とりいれたいなと思った。 「経営は戦略論と組織論はペアで考えること」ということをが分かりやすく理解できる本。

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    投稿日: 2018.09.30
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    ▼福岡県立大学附属図書館の所蔵はこちらです https://library.fukuoka-pu.ac.jp/opac/volume/287996

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    投稿日: 2017.02.20
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    マネジメントの基本、マネージャーになりたて方は参考になるかも。伝え方の大事さがわかる。 しかしマネージャーはスキルよりスタンス、そしてマネージャーとしてのスタイルが本来は必要。 導入に関してはこういうライトな切り口から勉強するのもあり。

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    投稿日: 2016.03.25
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    理論がとても分かりやすく、方法論まで言及されている。 組織マネジメントで育成やモチベーション管理について言及してる書籍はあまり見かけないので、かゆい所に手が届く感じ。

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    投稿日: 2016.01.07
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    人と組織のマネジメントについて、わかりやすく学ぶことができた。どうしたらみんながやる気を出して働くことができるか、どのように企業風土を作っていくのか考える材料として、とても参考になった。会社の中では、経営者と課長が自由度が最も高い、というのは面白い。課長クラスの仕事が、一番自分次第で成果に差が出る、ということだと思う。

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    投稿日: 2015.12.31
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    人に動いてもらいたい、変わってもらいたいと思うシーンがある人は読んでおきたい本。 単に人材マネジメントの理論だけを書いただけでなく、 なぜそういうことが必要なのか、 後ろにある人の心の動きについても書かれていて、 読みやすく納得感も高い。 問答形式(?)で自分ごととして考えられるしかけもあり、 理屈だけでなく実践的な内容であり、 図解などもあり満足度が高かった。 難しい内容ではないが、 なかなか自然にはできない人材マネジメント。 何度も読み直して自分のものとしたい本。

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    投稿日: 2015.05.17