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総合評価

39件)
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    あっという間に、上下巻を読み終わりました。篤蔵の、何が何でも料理人になる、という決意と行動力に尊敬します。 一方で、篤蔵の料理人としての地位は、フランスに留学したことで、確固たるものになるわけですが、その費用をお父さんが出してくれているとのことで、何かをやり遂げるには本人と努力以外に周りの環境も必要なんだなと痛感しました。 「やり過ぎたことはあったかもしれぬが、やり足りなくて、あとに心を残すことはなかった。それが彼のやり方だった。」 そんな生き方が出来れば、理想ですね。

    0
    投稿日: 2025.08.15
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    近代の立身出世物語 好きなことに全霊を傾けると道が拓けるのは どの時代においても不変なのかな このバイタリティは見習いたい

    10
    投稿日: 2025.04.30
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    皇室の方々は、材料は素晴らしいが、普段は質素な食事をされているんだなと知った。しかし、戦時中は、よく材料を調達したものだ。

    9
    投稿日: 2024.04.24
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    下巻はフランスへ料理修行から宮中で働くことがメイン。当時のフランスや、日本の時代感、天皇のお料理を担当するということが、篤蔵を通して事細かに書かれている。けれども面白くないわけではなく、篤蔵のキャラクターが生き生きと描かれ、マイページ楽しい。 佐藤健主演のドラマとはかなり違う場面も多い。ドラマを見て小説を読んでいるので、ドラマの脚本というのも素晴らしいと感じた。(脚本だけでなく役者や裏方もだが) また何よりこの本のあとがきが良かった。 天皇の料理番を簡潔に説明しつつ、情勢、筆者の書き方にも触れ、なおかつ感想も適所に記されている。あとがきの良さで☆を一つ増やしました。

    0
    投稿日: 2024.02.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    上巻の面白切ったんだけど、下巻で失速した印象。 パリでの修行までは面白かったんだけど、天皇の料理番になってからの主人公の描写が、粗筋か!?ってくらい淡々としすぎてて、あまり感情移入できなかった。 あと、主人公がだんだんくそオヤジ化してて、最後めっちゃ老害なっとるやん…と、思ってしまった。 正直、先行して読んだwikiの話のほうが面白いと感じたり。 皇室のやり取りで面白いエピソード結構あったと思うんだけど、皇室だから遠慮したのか、当時の反皇室の気風に遠慮して粗筋化したのか解らないけれど、少し残念な読後感だった。

    1
    投稿日: 2023.06.27
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    アラビア太郎を読んだ時にこの伝記作家に興味を持ち、この本に当たりました。誇大表現もなく淡々と書かれている、対象者は 実際は凄い人物ですが、のがドンドンと読み進められました。 今巷で炎上している料理人も、昭和だったら問題なかったんだろうと思った次第です。

    0
    投稿日: 2023.06.22
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    下巻はフランスでの修行から天皇の料理番としてのお話。 いろいろなエピソードが書かれていますが、美化したりしないで、どこか淡々として、でも味気ない訳では無い、私には丁度良い塩梅の文章でした。 最期の最後まで料理人として生きた人生に、それだけ打ち込めた情熱や信念を思うと羨ましくもあります。 久しぶりに伝記小説を読みましたが、思いのほかいろいろ考えさせられた一冊です。

    21
    投稿日: 2023.06.01
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    昭和の戦前戦後を生きたフランス料理の第一人者にして天皇の料理番になった篤蔵の力強い生き様に感銘を受けた。今とは時代が違うが、どこか懐かしい昭和初期の景色や人々が手に取るように表現される杉森久英さんの文章がとても良かった。

    0
    投稿日: 2023.03.24
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    最後まで楽しく読みました。ときどき、べらんめえ口調になるので面白かった。宮内庁の人にオタンコナスとか罵声をあびせるのが最高過ぎました。

    0
    投稿日: 2022.09.11
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     英国大使館のシェフから精養軒での修行を紹介され、下働きに励もグラン・シェフの西尾はパリで修行した日本一のフランス料理人で篤蔵もその次なる人物になろうとフランスへの渡航を決意する。    パリでは、オテル・マジェスティックやホテル・リッツ等の一流レストランでコックを経験した。  本作のモデルは、大正から昭和47年に掛けて天皇家の料理長だった''秋山徳蔵''の生涯です。彼は、ほぼ小説通りの場所で修行し後に宮内省の大膳課主厨長という料理長を務めた。  一心に最高の料理を拵える事に注力しその姿勢は他の者達への叱咤、暴言等宮廷に遣える者とは思えない様な傍若無人な所もあったが彼の料理に対しての情熱と宮廷というプライドが生涯に亘って一貫した行動だった。  これぞ職人魂だと感じ、料理という一つの作業に一生を注いだ篤蔵に敬意と羨望を募らせ読了した。

    0
    投稿日: 2021.09.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初この本を手に取った時、すでに天皇の料理人になった主人公の物語だと思っていた。 実際読み始めると、生い立ちぐらいから書かれており肩透かしを食らった。 下巻を読み始めてすぐに、解説を読み始めた。まさか伝記小説だったとは・・・ 淡々とした書き方で、少し残念な気がした。私は、もう少し生々しい物を求めていたらしい。

    0
    投稿日: 2021.08.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    仕事に燃える男の熱い物語を期待していたのだが…。 お仕事小説というより歴史物。 その歴史物特有の描き方に結局乗れずじまい。 歴史小説は好きではあるが、それを読みたかったわけではないので苦労した。 ところどころが大雑把で気になる。 例えば、フランスで転職するところで転職先を紹介してくれた友達とは日本人なのかフランス人なのか?それより先にも後にもその友達は出てこず、ご都合主義の神だったかの様。 それと絵描きになったキャラとはよく偶然に出会うこと。 料理描写もそれを食べる描写も今一つ。 献立だけ書かれても、ねぇ。 う〜〜ん消化不良でした。 あ、ドラマはマチャアキ世代です。

    0
    投稿日: 2021.06.26
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    パリで修行した後は題名の通り天皇の料理番に抜擢されることになり、篤蔵の成長を楽しみに読み進めていった読者としては喜びの気持ちに。下巻でも篤蔵の人となりは変わらずで、人間味があって魅力的です。全体的に時代背景の描写が多く、個人的にはもう少し人間模様の描写が多い方が楽しめたかなという印象でした。ただ背景についてはとても分かりやすく、時代の中での料理の変化も分かります。変わらないものと変わっていくもの。その狭間に生きるということを考えさせられる一冊です。

    0
    投稿日: 2020.09.03
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    大正・昭和天皇の料理番となった秋山徳蔵の生涯を描いた話。 福井県の片田舎の裕福な家に次男として生まれ、養子に出された先でひょんなことから口にしたカツレツに衝撃を受け、洋食のコックを志す。思い立ったら即実行という生来の性質で大学在学中の兄を頼って東京へ。修行先にも恵まれ、日々勉強の毎日を過ごすが、本場のフランスで修行をしたいという考えに捕われ、実家の援助を受けて単身フランスへ。 現地では大使館の世話で一流ホテルで修行をし、その後転々とするが、ある日大使館からお呼びがかかる。それは、天皇の料理番にならないかという誘いだった。 それから宮中での奮闘がはじまる。戦時中は食糧難に苦労しながらも毎日の食事を切り盛りし、晩餐会などがあれば献立のみならず装飾などまでにも気を配る。そんな食に生涯を捧げた料理人を描く。 想像していたような人物とかけ離れていて、結構驚いた。しかしやはり大成する人というのは人並みならぬ情熱と勤勉さがあって、努力もかなりしているものなのだと改めて感じた。その努力が苦にならないほどの情熱を持っているというか。 結構淡々とあっさりと物語は進んでいくので重厚感がないのが残念。どちらかというと主人公の人となりに焦点を当てているが、天皇の料理番としての苦悩や苦労など、プロフェッショナル的な話がもっとあったらおもしろかったと思う。

    0
    投稿日: 2020.04.18
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    華族会館を出た後、上野の精養軒で再出発を果たした篤蔵は、実家の援助をもらって西洋料理の本場パリへ。大使館の紹介で一流ホテルで、改めて下働きからスタート。数年で実力をアピールし、フランスでも一流の料理人に。 そんな時に、天皇陛下の料理番として呼ばれ、日本へ帰国。まだ30歳前後くらいで料理長を任され、当初は予算も潤沢で、最高の料理を作ることを目指す。畑で野菜を作るだけでなく、品種改良も行われ、最盛期には鶏や牛、豚を飼い、バターやハムも自家製だったという。 とにかく真っ直ぐに、仕事だけでなく、人とも付き合う姿が描かれている。終戦後は、天皇陛下を守るために、あえて進駐してきたアメリカ人を喜ばせることに精一杯だったという。

    0
    投稿日: 2018.12.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    料理人がまだ認められていなかった時代に、 国賓をもてなす為に腕をふるった一人の料理人。 負けん気の強い篤蔵のキャラクターに惹かれます。 人の体を形作る食事という行為のために 真心をこめて料理を作る。 どうしようもない男だった篤蔵 のシンデレラストーリーとも言える 内容ではありますが 古き良き時代や天皇陛下の偉大さも感じられます。

    0
    投稿日: 2017.02.12
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    通読すると、主人公の若い頃に主に焦点をあてた印象。パリで成功していく過程、晩年は随分端折った構成。主人公の一途さがカッコいい。おもしろく読んだ。

    0
    投稿日: 2016.04.17
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    パリでの生活と、料理人として宮内庁に入った経過が描かれていた。最後はただの頑固おじさんとしか見えなかったのが残念。

    0
    投稿日: 2016.02.04
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    明治の男だなー。最愛の奥さんでもなぐるんだーとか…。でも料理を極めるためのがむしゃらな努力と実力で認められていく過程は素晴らしかった!

    0
    投稿日: 2015.11.28
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    料理に挑み続ける姿は達人と呼ぶに相応しいが一歩、料理の道から外れれば只の人でしかなかった。 人生を料理という刀に捧げられたのだから幸福だったろうなぁ

    1
    投稿日: 2015.10.16
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    上巻は時代背景を感じながら、とても面白く読めたのですが、下巻は料理本の専門書のようになってしまって、篤蔵さんの日常がさらっと流されてて 退屈ですぐに眠くなってしまい、なかなか読み進まなかったです(^^;; ドラマの方が後半はよくできていました。

    0
    投稿日: 2015.10.15
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    201504/ドラマは未見だけど気になって読んでみたら面白かった。ひどい男だなって思う箇所もあったけど、時代も考えると相当の情熱がないとこれだけのことを成し遂げられなかっただろうな。

    1
    投稿日: 2015.10.11
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    ドラマを観てからの原作読書。 ドラマでは描かれていなかった部分があったり、ドラマとは違ってた部分もあった。

    0
    投稿日: 2015.10.01
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    下巻はパリに行って修行して呼び戻されて天皇の料理番になるのだが、パリでのフランソワーズとの恋の話、呼び戻されてからの妻とのこと、ザリガニの話などドラマのほうがよくできていた。本は伝記として読むのにはよかった。

    1
    投稿日: 2015.08.31
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    取り留めのないまま話が終わった。 篤蔵の人となりがよく分からない。仕事にがむしゃらだったことはわかる。家庭人としての篤蔵は? 子供については「二人いた」だけ。 必要と思えないエピソードも多い。ちょっとがっかりな本だった。 ※'17/5/1(?)売りに出す

    0
    投稿日: 2015.08.01
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    こんなに熱くて真っ直ぐでカッコいい料理人がいたなんて。篤蔵の作る料理を食べてみたい。そんな風に思わせる人間の、幼少期から最期までを描いた物語。明治から昭和までの時代の空気感も味わえる、ヒューマンドラマであり、歴史小説ともいえる作品。 たまたまドラマを観たのが、天皇即位のお祝いのコースを考える回で、病床のお兄やんに対して読み上げられるメニューが最高に美味しそうだった!

    0
    投稿日: 2015.07.17
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    伝記小説というのを初めて読みました。 普通の小説に読み慣れているとちょっと違和感もありますし、どこまでがホントでどこからがフィクションなのかとか余計なとこが気になってしまいます。。 ドラマが大好きで原作も読んでみたのですが、ドラマとか結構内容が異なり、別の楽しみ方が出来たとは思いますが、ドラマの方が好きだなぁというのが正直な感想です。 後半が少しダラダラと羅列している様な印象を受けました。

    0
    投稿日: 2015.07.12
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    ドラマがとても良かったので、原作も読んでみた。明治〜昭和にかけて、福井から裸一貫で飛び出してきた男のサクセスストーリー。ドラマはだいぶ脚色されているけれど、また違うものとして楽しめた。描かれている料理がどれも美味しそう!

    0
    投稿日: 2015.07.07
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    今ドラマでやっている天皇の料理番の原作。 フランスのホテルでの修行から終戦後までを描いている。 上巻に比べると事実を淡々と述べていく印象が強かった。下巻だと宮内庁にはっきりと物申す人という印象で、上巻の方が特徴的な人物であったと感じられた。

    0
    投稿日: 2015.06.18
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    なんというか、生き方まで豪傑な人だったんだなーと。そりゃ、天皇様の料理番になるくらいなんだから並大抵の人では務まらないのだろうけれど。ドラマは見ていないけれど佐藤健君が演じているようで、なんかキャラがあっているのか想像しがたい。

    0
    投稿日: 2015.06.12
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    上巻に引き続き下巻もサクサク読めてしまう。 下巻は篤蔵が精養軒勤務を経て、いよいよパリへ料理修行に向かう。当時は料理修行のための留学は前代未聞。 篤蔵の情熱的な向上心がヒシヒシと伝わってくる。 留学中のエピソードはなかなか秀逸。 留学を終え、ついに宮内省出仕。厨子長に任を拝命する。普段天皇・皇族がどのような食事をするのかはまさに「雲居」のお話なのでイメージが湧かなかったが、本書「雲の上」では当時の宮内省大膳寮での仕事内容や雰囲気を鮮明に伝えてくれる。 宮内省出仕の身でありながら「トンチキ野郎」とか「オタンコナス」などべらんめぇ調な篤蔵には人間味を感じる。 八千代さん、フランソワーズ、兄・周太郎、新太郎さんとの間の人間模様はよく出来ているな、という感想。ちと無理矢理感も否めないが。 下巻でついに篤蔵の立身出世物語は完結。読後感は爽快であり、700頁があっという間であった。

    0
    投稿日: 2015.05.29
  • ドラマ原作

    天皇陛下や皇族の方々が召し上がる食事の調理・内容や風景が描かれていると思いきや、主人公の一生を描いた物語でした。あまり物語っぽくなく、伝記のような感じでした!!

    0
    投稿日: 2015.05.26
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    ☆2015年5月23日 前夜、上巻を読み終え、下巻も一日で読了。 35年前のドラマの中で、堺正章ふんする篤蔵が、幼い皇太子の希望にこたえて、宮中で寿司屋を再現するシーンがあった。それが強い印象とともに記憶に残っていたのだが、それがどう描かれるのか…と期待していたのだが…。 こういう生き方の人物が、つい最近までいたのだと思うと、日本も変わったなぁと思う。

    0
    投稿日: 2015.05.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    下巻のほうが良かった。読んでて楽しい♪ ついにフランスへ!そして待ちに待った天皇の料理番。 篤蔵のすばらしさは料理の腕前だけでなく、前例を気にせず挑戦する前向きさ、行動力、真心、そして誰にも勝る努力なのかなあ。3代の天皇の料理番を全うした篤蔵はついに永眠。おつかれ様、と言いたい。

    0
    投稿日: 2015.05.13
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    フランスでの料理人修業に人間関係の取り方の修業も加わって大変。いよいよ宮内省主厨長としての仕事が始まる。持って生まれた性格がガラッと変わるわけもなく、自分の信念に基いた言動を貫く篤蔵さんには恐れ入ってしまう。周りの人達の目が怖くはないのだろうか?いやそれぐらいでないとあの立場での仕事は出来ないのかも知れない。テレビドラマがどう創っていくか楽しみです。

    1
    投稿日: 2015.05.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    下巻はどちらかというと、伝記や回顧録といった印象。少しかけ足で書かれていた気がするので、もう少しゆっくりが良かったなぁと。だけれど、所々笑えるエピソードがあって面白かった(新聞記者とも墓場の場面、スッポンを料理する場面とか)そして相変わらずの頑固さと、きかんぼうは健在。オタンコナス!なんて久々に聞いた(笑)でも、本人は至って真面目なんだからそれがまた面白い。"仕事も遊びも一生懸命に"なんていうけれど、まさにその通りの人間。 余談で、今週の日曜日からはやっとドラマがスタートするので、この人間臭いけれど魅力的なキャラクターを佐藤健くんがどのように演じるのか、非常に楽しみである。

    0
    投稿日: 2015.04.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どこかで聞いたなあと思いつつ、とっても興味をそそられるタイトルだったので買ってしまいました。読んだ後の解説を読むと、この本は1979年に出版され、1980年には堺正章主演でドラマ化されていて、それが今年佐藤健で再ドラマ化されるとのこと。いわゆる復刻版でした。 主人公は、このタイトル通り、宮内庁の厨房で、明治天皇から昭和天皇まで、3代の天皇の毎日の食事を賄った料理長、秋山徳蔵(本の中では秋沢篤蔵)。当時日本一の料理長と言われた男の話でした。 しかもこの料理長は、なんと自分の故郷である福井県の出身ということで、いわば故郷の英雄の一人だったようです。知らなかったなあ。 ・今の武生市で育った秋山は、裕福な家庭の次男坊として生まれ、請われて近くの八百屋の養子となる。陸軍の調理場に野菜を運ぶうち、料理人と知り合い、そこで初めて食べたカツレツが、強烈に旨かったとのことで、そこから料理の世界に入る。 ・やがて結婚した秋山は、あの時のカツレツの味が忘れられず、料理人になるため、妻を残して一人東京に。華族会館(旧・鹿鳴館)で料理人として修業を開始し、先輩料理人を殴ってそこを辞め、街中の洋食レストランで修業して、店の奥さんとねんごろになってそこを辞め、日本で最大級の大きさを誇る精養軒で修業し、そこでフランスに憧れて、フランス修業に。 ・敦賀からウラジオストックに行き、シベリア鉄道でヨーロッパ、パリに。ホテル・マジェスティックで修業して、先輩料理人にナイフ突きつけて辞め、カフェ・ド・パリで修業中、フランソワーズという女性とねんごろになり、しかしその料理の腕を認められ、宮内庁から天皇の料理人として抜擢され、日本に帰国。 ・放蕩な秋山ですが、さすが天子様の毎日の食事を作るという大役に最初は慄き、包丁を持つ手が震えたとのこと。宮中では、多くの晩さん会が開かれ、その食事も秋山が担当。明治時代、まだ日本は欧米に学ぶこと多い時代でしたが、しかし秋山の作る料理は、各国の大使館や訪問した元首からも絶賛されたとのこと。 ・中でも、昭和天皇がまだ皇太子だった頃、初めてイギリスを訪問した際には、英国王室の晩さん会の厨房に入りこみ、徹底的に研究。翌年英国皇太子を日本に招いた時には、英国風と日本風の料理で皇太子じきじきから称賛を受け、後に王室から勲章まで与えられ、料理人の頂点となる。 ・しかしその秋山も、第二次世界大戦中の料理については相当苦労した模様。皇室には専用の田畑、牧場が当時はあったが、戦災でそこからの食材が手に入らず、皇室なので闇市から買うわけにもいかず、戦後は天皇といえども、一般国民と同様、配給制で与えられる食料だけで賄ったとのこと。 ・昭和34年、皇太子様と美智子様の結婚式の祝宴も秋山が担当。その時の折詰のカマボコとして採用されたのが、当時はまだ名も知られていなかった紀文。紀文にとっては一大事で、下命を受けた後、工場を一旦閉鎖し、大掃除、大消毒を行い、従業員は出勤後入浴し、下着を取り換え、万全の態勢でカマボコを製造し納めたとのこと。 ・その後昭和47年に引退。明治、大正、昭和の歴代天皇の料理番は、その翌々年永眠。 前半の主人公は、上述したように荒くれ者で放蕩無頼な青年のようでしたが、明治時代の料理人は、今のような専門学校もなく、丁稚・下働きから始まり、先輩料理人から味を盗んで一人前になっていくしかなく、逆に、そのくらい強い人間でないといけなかったのでしょう。 ただ彼にとって幸運だったのは、福井の実家が裕福だったということで、東京での修業、パリでの修業もあまり金には困らなかった様子。ここがなんとなく、物語としても、ドキュメンタリーとしても、泣けるものではないのが残念。 しかし、物語後半の、皇室を支える厨房の世界や、晩さん会での料理の工夫、メニューの意味などいろいろ知ることも多くありました。ただ、まあたぶん、佐藤健のドラマは見ないけど。

    0
    投稿日: 2015.04.18
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     ドラマ放映開始を前に読了。篤蔵に憑依された佐藤健の映像が頭の中を縦横無尽に駆け巡る。自分の脳がでっち上げた妄想映像込みでこの主人公の人生ドラマを満喫したが、もしも佐藤健が演じることがなかったら、果たして私はこの小説をそれほど楽しめただろうか? そもそもこの小説に興味を持つこと自体なかったと思うし、よしんば何かのきっかけがあって読んだとしても、物足りなく感じたのではなかろうか。  純粋に小説として評価するならば、この書き手はストーリーテラーとしての力量にやや欠ける。いくつものエピソードをただつないだだけのような印象だ。実在の秋沢篤蔵という人物がとんでもなく個性的で人間的魅力に満ちているのでエピソードの羅列でも十分に面白くはあるのだが、ひとつのドラマとしての一貫性やメリハリに欠けていて、「えっ、ここをはしょっちゃう?」「いったいこの時彼は何歳であの時から何年経ってる??」「今突然登場したこの人物はどこの誰???」などと面食らう場面が多々ある。もっと手練れの作家の筆で読んでみたいと思ってしまうのだ。  男性作家にありがちなことだが、仕事がらみの人間関係の描写は詳細なのに、家族関係の描写がおざなりなのも女性読者にとっては物足りない。兄弟はたくさんいたらしいのに、前半の郷里での少年時代には病弱な兄貴しか出てこないし(次男の篤蔵は幼くして他家に養子に出されたという事情もあってのことだろうが)、終盤でその兄が死んだところでようやく「家督は三男が継ぐ」とさらっと書いてある。つまり兄は長男なのに独身だったってことか? 最初の妻との別離の顛末もどうもすっきりしないし(離縁の手続きをどうしたのか全く書かれていない)、初恋の女性に似た二度目の愛妻についても、ラブラブエピソードはちょこっと出てくるが、彼女が病気で死ぬ直前になって唐突に子供が2人生まれていたことが語られる。  魅力的な主人公であるだけに、読者としてはその公の顔と私の顔を両方見てみたいのだ。仕事仲間や友人との「私の顔」はふんだんに書いてあるのに、家族との「私の顔」の描写がとても少ないのは、いかにも男性の視点だと思う。ほんの少ししか描かれない家族とのエピソードがとても面白く、そこをふくらませれば小説としても格段に深みを増すだろうに……。  たぶんテレビドラマはそのあたりに特別リキを入れるのだろうことは想像に難くない。どうやらかなり設定を変えてフィクションを混ぜているようだが、篤蔵氏の実子も監修に加わっているのなら、私が小説に対して感じた不満をドラマが解消してくれるだろうか。幕開けが楽しみだ。

    0
    投稿日: 2015.04.17
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    大正天皇即位の礼を控え、外国からの賓客に本格的なフランス料理を提供できる料理長として、パリの日本大使館の推薦により宮内省に招かれ宮内省大膳寮司厨長に任じられた福井県出身の秋山徳蔵をモデルにした物語。 年少の頃から天皇の料理番になるまでの話が魅力的で引き込まれました。時代背景も魅力的でした。後半は、時々挿入される歴史的な激動に比べて物語は少し駆け足で平板的に思えてしまいました。福井出身の方がこうした活躍をしていてうれしいものです(^^

    0
    投稿日: 2015.04.16