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五木寛之自選文庫〈小説シリーズ〉 晴れた日には鏡をわすれて
五木寛之自選文庫〈小説シリーズ〉 晴れた日には鏡をわすれて
五木寛之/KADOKAWA
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総合評価

11件)
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    このレビューはネタバレを含みます。

    多くの人には自分の容姿に対する何かしらのコンプレックスがあるはずだ。本書はその極端な例を題材にしたもの。 ヒロインは、化け物並みに醜い容姿から世界中の誰もが認める美しい姿に整形した。 それで幸せになれたのか? これに関してはそれほど深掘りしていないが、彼女は常に「容姿が他人に与える影響」を観察している。つまり、化け物の視点を忘れていない。それは周りの人間の本質を知る手段の一つになると思う。 「差別とは何か」「容姿によって差別される理由」を深く考えさせられ共感できた。 ただし、最後に知り合いが生きていたことと、彼が目の前で自殺したことは意味が分からない。

    0
    投稿日: 2018.09.27
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    夫が図書館で借りたので私も読んでみました。 醜い容姿に絶望していた女性が過去を捨て、整形して美女に生まれ変わるお話です。 人は皆平等というのは幻想で、実際の社会では美醜による差別が存在しているということを明示し、その前提の上で主人公が差別される側からする側に変わり、優しさとは優越感の上で成り立つ感情なのか、様々な種類の差別は立場や時代や場所や状況によって変化するが、不変の平等はあるのか、などを考えさせられる少し哲学的なお話に感じました。 確かにね、ブスは心がキレイ、というのは幻想ですから。

    0
    投稿日: 2018.09.21
  • 美醜と心の関係を解き明かした小説

    この世のものとは思えないくらい醜い顔をした女が整形手術をして、誰もが振り向くような美人になるという話。 てっきり百田尚樹の『モンスター』のように復讐劇が始まるのかと思いきや全く違う展開だった。 整形手術だけではなく、語学に始まり、様々な学問や教養、スポーツ、芸術、ワインの利き酒に至るまで徹底した英才教育を施される。 こうして解き放たれた女性が第二の人生をどう歩むのかという実験的小説でもある。 「美しい」とは?「差別」とは?深いテーマが根底にある。 ラストは意外すぎて登場人物の気持ちにちょっと追い付けない。

    1
    投稿日: 2017.01.28
  • 本音はね、誰だってそう思ってるのよ

    皮膚の数ミリのでこぼこが人の一生を左右する不条理を言い繕うために、人は色々なことを言っている。 曰く、顔だけが綺麗でも心が優しくないと 曰く、大事なのは中身だよ それをあっさりすっぱりひっくり返して平然としていられるのはさすが五木寛之。しょぼい作家だったら差別主義だの非人道的だのバッシングされて二度と出てこられないかも。 美しいと誉められることで人は優しい気持ちが持てる きれいな人は根性が悪いなんて嘘だ 美しいというだけで、この世は明るく住み良い いやーここまで言い切られるといっそ爽快で、ボロを着ててもなんて言うのは本当に偽善的な、美醜という本人にはほとんどどうしようもない事をあげつらうのは下品だというお行儀の仮面を被った建前そのものだということがよくわかる。

    0
    投稿日: 2016.10.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この本を何度も何度も読み返していた時期がありました。 余程自分の容姿にコンプレックスを抱いていたのかな。 そして世の中のみんなが美醜についてどう考えているのかとても気になっていた。 このお話の展開は大好き。 整形手術で完璧な容姿を手に入れる主人公が、もともと内面が素晴らしい女性だっていうのが好きだな。 内面の美しさに外側も追いついたってところが面白い。 いくら中身が美しくても見た目が悪かったら見向きもされない世の中なんだっていう現実を見せてくれるお話が面白い。 それでも、色んなエピソードを読んでると見た目だけ良ければいいなんて、やっぱりおかしい考えなんじゃって思ってくる。 最後の最後、ラストの展開に呆然として。 醜いと思っていたものが美しい光を放って消えていった気がして 惜しいような、でも消えていくからこそ。その時美しかったのかとも思った。 こうして思い出しながら書いていて、やっぱりこの本はどんなに古くなってくたびれても捨てられないって思ったよ。

    0
    投稿日: 2013.04.08
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    醜い外見のために諦観の中で生きてきた女性が、容姿や才能に恵まれながらも生きることをやめようとしていた男性と出会い、お互いが変わっていく。 恋愛ものか、あしながおじさんものか、と思いきや、物語はとても無機質に、淡々と進んで行く。 誰もが惹きつけられるような容姿を手に入れても驕らない彼女の聡明さと、そんな彼女に執着した醜い男の顛末が、なにやらとても悲しく、温かかった。

    0
    投稿日: 2012.10.05
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    五木 寛之さんの作品はこれしか読んだ事が無いけれど、面白かったです。生きるヒント、大河の一滴など有名ですが、私はコレしか読みたいと思ったモノは無いですね。

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    投稿日: 2012.08.29
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    五木作品としては展開的に落ちる。容姿による根本的差別というのは判るが、ぎこちなく断定的で、納得出来ない部分が多い。ラストもちょっと・・人物もあまり生きていない。どうも、戒厳令前の、初期の作品が好きだなぁ~、評判いいようだけど親鸞もピンとこないし・・けっこう、五木さんの傑作はエッセイだったりするかな(笑)

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    投稿日: 2010.12.25
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    「雨の日には車をみがいて」そしてこれ 題名がホントにステキですね。 脱帽です。 この表装は文庫版ですが、ハードブックいいですよ。

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    投稿日: 2008.04.21
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    主人公は不器量で、本が好き。主人公の働く民宿にクサカゲという男性が泊まりに来るところからお話が始まります。クサカゲはパーフェクトすぎるし、主人公は頭の良いコンプレックス持ちなので感情移入が少し難しいけれど、読みやすい。

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    投稿日: 2007.07.31
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    ブサイクな人だったら誰でもコンプレックスにもがき苦しんで毎日生きていると思う。そういう人に夢を見させてくれるような本、だとも勝手に思う。私は好き。

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    投稿日: 2004.11.11