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シリウスの道(下)
シリウスの道(下)
藤原伊織/文藝春秋
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総合評価

43件)
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    知らない広告業界を舞台にしたハードボイルド作品。 人が描かれていて面白かった。 『テロリストのパラソル』との繋がりも良かったんじゃないかな。

    3
    投稿日: 2024.11.13
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    藤原伊織作品に登場するキャラクターは皆、傷を抱えながらも自分の人生を全うしている。その美しい描写が読後に深い余韻をもたらしてくれる。余韻に浸り過ぎてお浸しになりそうな作品です。

    0
    投稿日: 2024.07.30
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    面白い。登場人物が多めだが、どの人も設定が豊かで良い。 組織の中でもがいている人間には刺さると思う。 以前読んだ『蚊トンボ白髭の冒険』に比べると業界や背景知識もわかりやすいのでスピード感があると思った。 テロリストのパラソルのカメオ出演もガッツリあるので好きな方はぜひ。 匿名の方の後書きも良かった

    0
    投稿日: 2024.01.06
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    15年ぐらいの年月を経て、再読。 平成19年に逝去した作者。 まだまだ面白い小説を書けると思っていたので、突然の逝去に絶句しかなかった。 そんな作者の作品を久しぶりに読んでみたが、何だか話が散らばっていて、「こんなんだったっけ?」って言うのが正直な感想。 ほとんど覚えていないのか・・・ 過去の過ちを抱えた三人の登場人物。 大人になってから、忍び寄る悪の手。 この作品が発行されたころは、こんな感じの作品が流行っていた気がする。 主人公である辰村は単なる広告マンの域を超えているし、守ろうとした三人の過去の秘密も今読むと弱いような。 全てが辰村の都合の良い方に進んでいき、出来過ぎな感も否めない。 当時は大好きだった作者だっただけに、こんな感想しか出て来ないのが、何だか情けない。

    4
    投稿日: 2022.12.20
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    広告業界を舞台にしたヒューマンドラマ。 「もう少し読みたい」という名残を残して物語を閉じるのが巧い。「テロリストのパラソル」とのリンクも。

    0
    投稿日: 2022.03.28
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    最高のビジネス書。 ブレない強い人たちと卑怯なクズたちの物語。 それぞれの登場人物がこの後どうなるんだろう?と考えてしまう、余韻がすごくいい作品。 その後をもっと書いて欲しい、と思うところで終わっているのがいいんだろうな。

    0
    投稿日: 2019.11.23
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    あらすじ 新規クライアントの広告コンペに向け、辰村や戸塚らは全力を傾注する。そんな中、3通目の脅迫状が明子の夫の許に届いた。そして勝哉らしき人物が上野近辺にいることを突き止めた辰村は、ついに行動を起こす!広告業界の熾烈な競争と、男たちの矜持を描くビジネス・ハードボイルドの結末は。

    0
    投稿日: 2019.11.05
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    上巻から持ち越した期待に違わず、面白く読めました。 実は登場人物や場所の一部に、テロパラのものが混じっていた事に後から気づきました。 「ホットドックしか出さないバー」って、どこかで聞いた気がしていたのはそのせいかっ! ラストの持って行き方も、なかなかに藤原さんらしい、腑に落ちるのが70%、落ちないのが30%くらいの、いいバランスで、全体としてオススメの一冊(二冊?)です。

    0
    投稿日: 2019.01.20
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    ◆ネタバレがありますので未読の方はご注意ください 競合プレの代理店ストーリーと、幼なじみが絡むミステリー仕立てストーリーがあるのだが、どうにもバランスが悪いというか焦点がぼやけているというか。 当然メインは幼なじみストーリーだろうと思っていたのだが、そっちがどうにも弱い。辰村が勝哉の消息を訊ねまわったあげくにようやく再開するシーンも、本来なら一番の見せ場となるはずだがどうにも盛り上がらず、カタルシスがない。こっちを書きたかったわけではないのかも…。作者が得意とする(またはそれで書けば本の出版に繋げられる)ハードボイルドやミステリーの体裁を借りながら、実は自分がいた代理店の話を書きたかったのかな。 明子との再会のシーンのほうがやや盛り上がるが、最後の「駆け落ち」っていうのもなんだかなあ。 ビジネスストーリーは競合プレなのでまあそれなりなのだが、あれだけ緻密に準備を進めていたのに、クライアントからリーチ/フリークエンシーの質問をされてあわてるというのはどーいうわけやねん! 18 億の予算使ってテレビ中心にプラン組むんだったらそんなのはプレゼンの中で説明していて当たり前ではないか。広告会社の仕事の描き方がまさに中にいた人間ならではのリアリティで、最初のほうは仕事の延長のようにも思えてしまいかえってとっつきづらいぐらいに思っていたので、何で最後になってこんな基本的なことを…とちょっと白けてしまった。この作者、たしかクリエイティブの人だったからかな。 立花部長もなあ…。ふたりが接近するのはまあ最初からわかっていたけど、なんだか辰村とくっつくために離婚したように見えてしまってやや興ざめ。それにしても辰村モテすぎ(笑)。 社内の嫌味な人間を叩き潰すエピソードも、なんだかそこにカタルシスが来てしまっているようであまり気持ちのいいものではない。 若手の戸塚が広告マンとして成長する物語としてはそれなりにおもしろく読める。しかし現職の大臣である彼の父親が汚職で逮捕されたことについてプレゼンの最後に質問され、その答えが結局プレの敗因となってしまうわけだが、それによって彼が辞表を出したことに対してフォローがなさすぎ。物語もラストの手前だからなのだろうが、辰村の異動だか辞職だかでは社長まで巻き込んでの大騒ぎがあったわけで、辰村も戸塚のことをとても高く買っていたわけだからあっさり辞職で終わっちゃうのはどうなんだろうか…。 「テロリストのパラソル」と一部リンクしているのはわかったが、浅野はなかなかいいキャラだと思ったら「テロリスト」のほうの感想に同じことが書いてあった(笑)。

    0
    投稿日: 2018.10.15
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    新規クライアントの広告コンペに向け、辰村や戸塚らは全力を傾注する。そんな中、3通目の脅迫状が明子の夫の許に届いた。そして勝哉らしき人物が上野近辺にいることを突き止めた辰村は、ついに行動を起こす!

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    投稿日: 2018.06.14
  • ラストは映画の作り方か

    脅迫状の謎がどんどん紐解かれていく。 だが、最後の方で話が様々に急展開をするのが、悪く言えば詰め込んだ、よく言えば、映画的にスリリングな展開ともいえる。 戸塚の成長が心に残った。

    0
    投稿日: 2016.02.06
  • 少しだけくたびれてきたオジンに光を当てる・・・中年以上の男にとって惜しい作家にあらためて合掌

    微妙に余韻を残して終わるところが良かったのかどうか・・・? 主人公・辰村の過去に繋がる事件はあっけないところで終息した。それでも、その後の社内のドタバタ劇は面白かった。さすがに電通出身だけあってストーリーにリアリティーがある。勧善懲悪的なニュアンスは否めないものの辰村を取り巻くキャストが最高に良い。それでも順番としては、シリウスの道を読んでから、てのひらの闇を読むべきだった。藤原伊織氏の小説は、とにかく登場人物が格好いい、もしかすると今はなき化石になってしまったような格好よさかもしれないが。おっちゃんとしては思いっきり喝采を送りたい。最後に、本書を読む前に是非とも『テロリストのパラソル』を読んでおくことをお勧めする。

    0
    投稿日: 2015.10.21
  • 脅迫状の真実が明らかに

    誰が何のために脅迫状を書いたのか、その真実が明らかになります。 25年の空白の時を経ても尚、お互いに信じ合える主人公と友人との関係にはジーンとしてしまいました。 主人公の広告マンとしての仕事っぷりも、実際にはあり得ないだろうと思いながらもスイスイ読めました。 仕事仲間のキャラも立っていてとても楽しく読めました。

    0
    投稿日: 2015.07.24
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    テロバラ、手のひらの闇、んでこのシリ道の 三つはいおりんの最高傑作三部作だとおもう いちばん静謐で切ないのがこれかなあ。

    0
    投稿日: 2015.06.22
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    以外とおもしろかった。 偶然が重なり過ぎている感じは否めないが、過去から現在に繋がる話と、それとは別の現在の戦いがうまく絡んでいて、後半は一気に読んでしまった。

    0
    投稿日: 2015.01.18
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    上巻で引き込まれたまま下巻も一気に読んだ。 面白いだけでなく、ところどころ格言のようなためになる言葉もあって、思わずメモを取りたくなった。 2014/10/19

    0
    投稿日: 2014.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この作品は、あまり多くを語ってしまうと 読む意欲をスポイルしてしまう作品です。 いえるのは、決してありがちな、 展開は待っていない、ということです。 脅迫状に関しての真相もです。 「え?」と思ってしまうのは、必至でしょう。 しかしながら、この本にはそれが相応しく思います。 一人の青年が最後の最後で味わうこととなる 本人の意思とは無関係の責め苦。 しかも、彼は、それをおくびにも出さなかったのに… これからのことは書かれていません。 ですが、きっと、収まるところに おさまったはず、でしょう。

    0
    投稿日: 2014.07.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小説としては面白いものの、上巻が企業小説とミステリー部分がうまくマッチした感じだったのが、ミステリー部分はやや腰砕け。企業小説部分も新入社員の成長譚みたいになってしまった。やや残念。

    0
    投稿日: 2013.12.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    新規クライアントの広告コンペに向け、辰村や戸塚は全力を傾注する。そんな中、3通目の脅迫状が明子の夫の元に届いた。そして勝哉らしき人物が上野近辺にいることを突き止めた辰村は、ついに行動を起こす! 広告業界の熾烈な競争と、男たちのハード・ボイルドの結末は?

    0
    投稿日: 2013.08.16
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    「辰村」のような自虐的で、媚びず、誰であろうと牙をむくようなサラリーマンには出会ったことがありませんが、現実にいたら迷惑だけど爽快だと思う。 空気を読む、草食系などといわれて久しい今の時代には、こんな作品は流行らないかも。こんな作品に共感するのは、バブルの残り香に触れた自分たちの世代が最後かも知れませんが、好きなものは好きです。

    0
    投稿日: 2013.03.25
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    私にとって最後の藤原伊織作品だったので、 温存したかったけど、いつも通り一気読みだった。 辰村と立花の掛け合いがおしゃれで粋でオトナでいいなぁって思う。 (毎回ながら、もの凄い自制心のある男の人が出て来るな) 他も女性は皆、ワガママじゃないけど感情に素直で、素敵だ。 同僚も後輩も、手助けになるあの人や、美味しそうなあの食べ物も、 いいスパイスになってる。香ってきそうだ。 肝心の謎については、ミステリー・ハードボイルド色は薄いかもしれないが、その分、仕事に向き合うことがどういうことか、藤原伊織さんなりの哲学が、他のものよりも実に即して書かれていたと思う。 なんてみんなかっこいいんだろう。 たまんないね。

    0
    投稿日: 2012.04.13
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    主人公辰村や立花部長なんかはめちゃめちゃ藤原伊織ぽいんだが、戸塚の存在が印象的すぎた。 歴代好きな登場人物ランキングTOP3にはいる。自分の目指すべき仕事人像そのままだった。 振舞いは謙虚に、普段の仕事は愚直に、いざという時ほどスマートに、内にはプライドを。

    0
    投稿日: 2012.01.24
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    自分が業界の中にいるだけに、読みながら胃が痛くなってしまいました。 自分があんだけ泣き面に蜂的な状況が頻出する仕事に巻き込まれたら、と思って。 最後のプレゼンの結果が腑に落ちる。

    0
    投稿日: 2012.01.16
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    物語の軸となる競合プレゼンの過程に、目が離せない。 企業小説部分が充実しているので、ミステリ部分が霞んでしまうほど。

    0
    投稿日: 2012.01.09
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    ちょっと難しくて分かりにくかったけれど おもしろかった 相変わらずひと癖ある賢い人がかっこいい

    0
    投稿日: 2011.11.14
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    らしい作品。作者がよく書く暴力的シーンによる肉体的強さより、今回は意志の強さが描かれていて好感の持てる。

    0
    投稿日: 2011.05.27
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    新規クライアントの広告コンペに向け、辰村や戸塚らは全力を傾注する。そんな中、3通目の脅迫状が明子の夫の許に届いた。そして勝哉らしき人物が上野近辺にいることを突き止めた辰村は、ついに行動を起こす!広告業界の熾烈な競争と、男たちの矜持を描くビジネス・ハードボイルドの結末は。

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    投稿日: 2011.03.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一気に読めた。 ただ、バタバタといろいろと起こり、バタバタと解決という印象が。。。 エピソードが一つ無くてもいいから、もう少し一つ一つの問題をジックリ解決して欲しかった。 明子の魅力も今一つ伝わって来なかったし。立花さんはすご過ぎ。 でも、すべては主人公の魅力を引き立てるためかなー。 戸塚くんも良い上司あってこその成長って感じだし。 この人の本は始めて読んだので、話題でこの本にも関わりがありそうな「テロリストのパラソル?」を読もうかと思う。

    1
    投稿日: 2011.03.02
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    やはり、私の中で藤原氏は別格なんだよなぁ。 決してスマートとは言えない、くたびれたオッサンや、ヤクザさえもかっこよく描いてしまう、それが伊織節。 今回は、今までにない若手の活躍が一番良かった。 本当に頭が良い人は、難しい内容を簡単な言葉で説明できる人だと言うけれど、藤原氏の読み易い文章は、まさにソレ。 読みながら、「ゾクゾク」「ワクワク」というオマケつき。 ただし、今作の出来は中途半端に感じる部分があるので、中の上としておく。

    0
    投稿日: 2011.02.22
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    こんなに面白い会社小説(?)は初めて。 サラリーマン社会も悪くない とも思える(錯覚する?)。 まあ結局は、どんな人達と仕事ができて 自分がどうあるか によるのでしょうが。 とにかく、大きな事件があるわけではないが、とても生き生きとした楽しい小説でした。

    0
    投稿日: 2010.12.29
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     ハードボイルド・ファンタジーを自称する藤原伊織さんの魅力が、ぎゅっと濃密に詰まった長編。  ほかの作品とも共通する、ハードボイルドの濃厚な香りが漂いつつも、作者さん自身の職歴がものをいうのか、大手広告代理店の熾烈な世界が、活き活きと描かれていて、働く男の背中が好きな方や、サラリーマンの方には、特につよく進めたい一冊。  小説の楽しさや味わいって、それぞれに色んな方向性がありますが、たとえば、普段とは違う上等のお酒を味わいながら呑むように、美味しいコーヒーを楽しむように、一冊の本にうっとりと酔う、藤原さんの小説には、そういう上質の娯楽のような、なんともいえない陶酔感があります。端々で重厚なリアリティがあり、それでいてお硬く気取っているのではなく、手に汗を握る展開が待っていて、隅々までエンターテイメントしている。  藤原さんの小説のヒロインには、ときどき、女性から見るとあまり共感できないようなタイプ(口の悪い言い方をすると男に都合のいい女性像)が描かれるときもあるのですが、今回のヒロイン、ばりばりのキャリアウーマンで、すごくかっこよかったです。

    0
    投稿日: 2010.08.26
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    登場人物がみな粋でかっこいい!そんな中、トップとしてイースト証券の富田が他の社長に比べ器が落ちる。辰村が立花部長を誘うシーンの 「今週末にでもまたふたりで飲みにいきませんか」 「また私の膝枕でねむりたいわけ?」 「そう。あれはすごく寝心地がよかった」 「でも、よだれでスカートに染みができちゃうのはどうだろう」 「最初からスカートを脱がせていれば、その心配はないでしょう」 そしてその受け答えは、 「うん、それは悪くない考えかもしれない」うまいなぁ。藤原伊織の作品に 出てくる男たちは過去に生きている。「いま」はどうでもよく、感情に蓋をして生きている、ところが過去に向き合った途端に生の感情が噴出する。まさに、ビジネスハードボイルドである。 の2回目の飲む場面はもっと詳しく書いてほしい。

    0
    投稿日: 2010.07.27
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    ああ、そうくるのか! というラスト。 現実はいつでも厳しい。厳しいけれどやさしい。それでもつらい。 仰ぎ見る星の光がまぶしければまぶしいほどに。 きれいごとだけでは終わらない、この作品が好きです。

    0
    投稿日: 2010.05.07
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     広告代理店を舞台にした、ハードボイルド。  主人公は、アルコール依存症っぽい38歳、広告代理店の副部長。  うーん、若い。  結構、やってることはオジさんなのだけど…。もうちょっと年齢上げたほうが、違和感なかったように思います。藤原伊織の中の38歳って、こんな感じなのかもしれないけど、大多数はもっと子供だと思うんですけど。特に主人公のように、独身で根無し草のような性格だとね。  にしても、やっぱ、上手いよ、藤原伊織。  主人公の子供の頃の話が、微妙にからんできてて「永遠の仔」か「白夜行」と思わせながら、そのあたりをばさっと斬ってるのが藤原伊織らしい潔さといえると思います。  で、出てくるキャラが、皆いいんだよ。  政治家のコネで入社した若造が、泣けるぐらいいい。  派遣会社からくる女の子が、またいい。そして、主人公の上司がこりゃまた、いい女なのだ。  も、このキャラだけで、各三本ぐらい小説かけるよ、ってぐらいの濃密さ。  キャラを堪能するだけでも、贅沢です。はい。  でも、話はあんまりハードボイルドじゃありません。キャラはハードボイルドですが。  「テロリストのパラソル」的なものを期待すると、ちょっとがっくりかも。  が、面白いのはテロリスト以上です。最高のエンターテイメントになってます。  結末がね、もっとなんとか、ってジレンマがあるんだけど、これはこれで藤原伊織のテクニックで納得させられるのでありました。  …なんか、癌宣告されてるそうです、藤原伊織。  (読んだ週刊誌の記事は、「余命を宣告されて、国民年金の支払いをやめたら、差し押さえるといってきた。もうもらえるあてがないのになんで納付しなきゃいけない」って怒ってた。ホント、これで納付を納得させるのは無理だろ。私だって同じになったら、絶対払わないな)  落ち着いて、少しでも多くのいいものを書いて欲しいです。  できたら「ダックスフントのワープ」っぽいのを。ええ、私は「ダックスフントのワープ」のファンでしたから。

    1
    投稿日: 2010.04.24
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    広告代理店事情は面白く興味深く読むことが出来てそれは良かったけど しりつぼみ感が否めないのはどうしようもない 肝心の軸がどこにいってしまったのか、分からないような感じがする。

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    投稿日: 2009.11.14
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    過去の人間関係が複雑に絡み合い進展していくのだけど、個人的には途中入社で使えない、とされていた戸塚が、どんどん化けていく過程がプレゼンのシーンとともに、一番面白かったな〜。 「テロリストのパラソル」との交差もあって、どっちを先に読むか…いや、とにかく両方読むのがさらにワクワク感が増すよね。

    0
    投稿日: 2008.06.08
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    上巻後半までは広告業界用語が多様されていて読みにくかったですが、下巻にはそれがなく、スイスイ読めました。こんなビジネスマンになりたい!!と思わせる作品に仕上がっています。そしてああいう女上司、うちの会社にもいます。名前はあえて書きませんけどww 藤原伊織先生のほかの作品では「ダナエ」と「テロリストのパラソル」がお勧めですよ。けど、登場人物はだいたいこの作品と同じキャラです。それが藤原先生の特徴ですね。とにかくお亡くなりになったのが悔しいです(金子)

    0
    投稿日: 2007.10.01
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    ハードボイルド (hardboiled) とは、元来は「堅ゆで卵」(白身、黄身の両方ともしっかり凝固するまで茹でた鶏卵)のこと。転じて、感傷や恐怖などの感情に流されない、冷酷非情な、(精神的・肉体的に)強靭な、妥協しない、などの人間の性格を表す言葉となる。 とウィキペディアが言っている通り、藤原小説の何が一番ハードボイルドかと言った時に、キラキラと光る自分の宝物を敷き詰めた箱庭を眺める為に削りに削り、削ぎに削ぎ、絞りに絞った文章を構築する作業をする藤原伊織自身の姿こそがハードボイルドの他にならないと思ったのであった。

    0
    投稿日: 2007.06.09
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    面白かったです。堪能できました。なるほどね。勝哉はこう絡んできましたか・・・まあ、妥当なところかな。なんか、みんなかっこよすぎるんだよね。まあ、小説なんだからそれでいいんだけど。

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    投稿日: 2007.05.23
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    現代小説文庫で上下巻を俺が買うのは珍しい。 上下巻って中途半端な気がしていたんだが、初めて買ったセットがこの2冊!

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    投稿日: 2007.04.17
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    大人になっても子供の時の記憶って結構鮮明に残っていたりするよなって思わせられた 大人ってやっぱり大変だよ

    0
    投稿日: 2007.03.13
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    急に甲府へ出張することになり、家に寄って支度をして、本も2冊放り込んで出発。時間が遅くなって身延線廻りの電車は無く、久しぶりに新横から八王子と横浜線を乗り継ぐ。概ねその行程の間に読了。 ちょっと切ない。 幼なじみとの邂逅でも、漸く会えた人からの告白にも、魅力的な上司との束の間の逢瀬でも、そこで渡っても良い溝を、しかし渡らぬ、渡れぬ男。辰村って僕の周りにいる38歳からすると、とても老成している。 無理解な客のトップにより敗北の憂き目に会うプロのプロたる所以の集大成。悔しくない負け方、…そうかも知れんが、そんなこと滅多にない。 戸塚、会社を辞めなくてもよかったと思うよ。それがお前の矜持だとしても、会社勤めってそういうもんだ。 一気に読めて、それはいいんだけど、上巻での謎の余韻が、下巻はパタパタと終結に向かって進んだ印象も。

    1
    投稿日: 2007.03.03
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    現実に自分のしていることとは逆に理想主義に走る偽善者者VS美化できない生活をただがむしゃらに営む者。サラリーマンのがんばりがわかります。

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    投稿日: 2007.02.02