
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ミステリ専門店でバイト中の葉村晶。古本引取の際、白骨死体を発見し、負傷。入院した病院で同室の元女優・芦原吹雪から20年前に家出した娘の安否調査を依頼される。調査を開始するが、かつて娘の行方を探した探偵が失踪していた…。 『悪いうさぎ』から13年。葉村晶も40を超えて、長谷川探偵事務所も閉鎖、晶はシェアハウスに住んでいる。 だいぶ雰囲気が変わってるし『悪いうさぎ』のイメージが強すぎて、序盤はちょっと入り込めなかった。 徐々に黒い感じが出てきて楽しくなる。ただ色々メイン以外がまとめられた感じがした。
0投稿日: 2025.11.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
葉村晶シリーズが好きで順番通りじゃないけど3冊目。 面白くて一気に読んじゃうんだけど、やっぱり後味が悪いというか悲しいというか…でも今回はもやもやする感じはあんまりなかった気がする。 今回は一段と不運に見舞われてた気がする。落ち着く暇がなくて、ずっとハラハラしながら気づいたら読み終わってた。次も早く読みたいな〜 他のミステリー作品も出てきたので、紹介されてた本もいつか読んでみたいと思った。 【追記】前作で長谷川探偵調査所に何があったのか気になってあとから前作を読んだけど、特に何もなくて、本当に前作を読んでなくても問題なかった。
0投稿日: 2025.10.24
powered by ブクログ葉村晶シリーズ3作目。 冒頭から、葉村は不運すぎる探偵の名にふさわしい不運さをいかんなく発揮する。 遺品整理に訪れた家の床が抜け、地面に埋まっていた白骨死体の頭部に頭突きした上に助骨にヒビが入るのだ…そして、入院した病院で同室の女性から20年前に失踪した娘を探してほしいと頼まれる。 これでもかと様々な災難が降り掛かり満身創痍になる葉村には同情の念を禁じ得ない。 そして、依頼人やその関係者、警察、ひょんなことから知り合いになった女性…すべてのひとがアクが強く一筋縄ではいかない厄介さ…!! 飄々としたユーモアある筆致で描かれているので、うわーと思いながらも終始楽しく読める。 葉村は自分の慢心や油断を悔やみ反省するのだが、いやー1人でめっちゃ頑張ってるよーと慰めたくなってくる。
1投稿日: 2025.09.18
powered by ブクログ今、最も日本でタフでハードボイルドをしている女探偵葉村晶。今回は一段と不運具合が大盛りになっているが、それにもめげずに大活躍大活劇を見せてくれます。葉村晶の魅力が満載の作品になっています。 悲劇になる一歩手前でコミカルな味付けもあり、あまり深刻にならずに楽しめます。メインの事件は相当深刻にも関わらず。 今回は、メインの事件以外にも数々の小事件が絡み、とんでもなく複雑な展開を見せるが、少々詰め込みすぎの感が否めない。最終的には収集がつくのだが、もう少しシンプルなストーリーでも良かった気がする。 おまけのブックガイドが楽しい。
17投稿日: 2025.05.15
powered by ブクログなかなか面白かったし、過去の失踪事件を遡るうちに結構ヘビーな展開になっていくのと意外な結末はさすが。 2878冊 今年106冊目
0投稿日: 2025.04.16
powered by ブクログ今頃という感じだが、若竹七海の作品を初めて読んだ。 「女には向かない職業」という名作ミステリがあるが、本作も主人公は女探偵、いや元探偵だ。ずっとケガばかりしている主人公が読んでいて痛々しいが、ミステリの筋はよく出来ており、終盤もスピード感があってなかなか面白かった。タイトルも気が利いている。誰にさよならを言う手口なのか、最後まで読むと納得のオチだ。 本筋の面白さとは別に、ミステリ通の作者ならではの色々なミステリのタイトルが出てくるだけでなく、解説までしてくれているのはとても嬉しい。早速この中で出てきた作品のいくつかは今後読もうと思うリストに入れたくらいだ。
23投稿日: 2025.04.10
powered by ブクログ仕事はできるが、不運すぎるタフな女探偵『葉村 晶』シリーズ第5弾❗️ 前作の『悪いうさぎ』に比べると、後味の悪さは若干緩和されつつも、相変わらず傷が絶えない事件に巻き込まれる葉村が、とても不憫に思えます❗️ ストーリーは前半から引き込まれる展開で、長編シリーズでは1番好きな作品となりました。 おまけにあるミステリーの紹介では、読んだことがある作品は殆どなかったので、いつの日かチャレンジしてみたいと思います。
18投稿日: 2025.02.16
powered by ブクログ葉村晶シリーズはどれも面白いけれど今回は少し読みにくかった。性格の悪い女性が多く見ていて、「現実にもいるな……」と考えてしまい少し気分が悪くなった。最後の店長のあっけらかんとした感じにとても救われた。
0投稿日: 2024.11.30
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運の悪い女探偵もすでに40代。長谷川探偵事務所は無くなり、古本屋でバイト中に、白骨死体を見つけて、白骨死体に頭をぶつけた事が原因で入院に。 なんとも不運。かと思いきや、入院先で知り合った余命数日の婆さんに20年間失踪している娘を探す依頼をされてから、運が巡ってきたのか、調査が捗る。真相は、娘の心の闇が引き起こす問題だった。そして、それに関するかのように別の事件が2つ。友人と思ってシェアハウスを紹介した女は犯罪を犯しっぱなしのサイコパス。失踪した娘を追ってた探偵の行方不明には、家族の問題が絡んでた。
0投稿日: 2024.08.15
powered by ブクログもう何年積読してたのだろう、と思ったけど奥付け2020年の第12版なので、まぁせいぜい4年くらい?? 悪いうさぎ、結構衝撃的だったもんね。 女探偵がここまで(身体的に)痛い目に遭う小説って見たことなかった。 ハードボイルド系ってわりと主人公自身も強いことが多かったから。 でもだからこそ、この話には魅力があって。 コネとか腕力とか財力とか関係なく、葉村晶が頑張る姿が好き。 今回のお話も、面白かった。 二転三転する犯人像と群像劇でやられた! 面白かった!
0投稿日: 2024.06.11
powered by ブクログ若竹七海の長篇ミステリ作品『さよならの手口』を読みました。 『依頼人は死んだ』、『静かな炎天』、『不穏な眠り』に続き、若竹七海の作品です。 -----story------------- 仕事はできるが運の悪い女探偵・葉村晶が帰ってきた! 探偵を休業し、ミステリ専門店でバイト中の葉村晶は、古本引取りの際に白骨死体を発見して負傷。 入院した病院で同室の元女優に二十年前に家出した娘探しを依頼される。 当時娘を調査した探偵は失踪していた――。 ----------------------- 2014年(平成26年)に刊行された、前作から13年振りとなる葉村晶シリーズの第4作です。 ■さよならの手口 ■おまけ ~富山店長のミステリ紹介~ ■あとがき ■解説 霜月蒼 探偵を休業し、ミステリ専門店〈MURDER BEAR BOOKSHOP〉でバイト中の葉村晶は、ある家からの古本引き取りを頼まれる……ほとんどあばらやのようなその家で、大量の本と格闘したが床が抜けてしまい、床下に落ちた葉村は怪我を負うと同時に、白骨死体を見つけてしまう、、、 入院先で刑事に事情を聞かれた葉村は、ある事実を指摘……それが骨の身元判明につながり、事件は解決したのだが、話を聞いていた同室の入院患者で元女優の芦原吹雪から、二十年前に家出した娘の安否についての調査を頼まれ、引き受ける。 一方、やめるつもりだったミステリ書店のバイトも続けるはめになったのだが、そこで女性客の倉嶋舞美と親しくなる……しかし、彼女は警察の監視下にあり、葉村は担当の警察官・当麻から舞美に対するスパイの役割をしろと強要されるのだった……。 順番通りではないのですが、シリーズ第2作『依頼人は死んだ』、シリーズ第4作『静かな炎天』、シリーズ第7作『不穏な眠り』に続き、不運ながらも有能な女性探偵・葉村晶がさまざまな謎に立ち向かう葉村晶シリーズの作品です……本シリーズの長篇は初めて読みますね、、、 前作から13年振りでも、長篇でも、葉村晶の不運な運命と彼女が巻き込まれる闇の中での奮闘や怒涛の展開と独特の語り口の魅力は相変わらずですねー 彼女の人間味あふれるキャラクターと事件の謎解きの展開が堪らない一冊でした……長篇だけに、アイデアや仕掛けがたっぷり詰まった贅沢な内容で、物語が重層的で深みがあり、とても愉しめました。 遺品整理屋の伝手で遺品から出物のミステリを探すうちに押入れの床を踏み抜いてしまい白骨死体に出くわすという印象的なシーンで幕を開け、、、 元女優から20年前に失踪した娘の捜索を依頼されたことをきっかけに、最初に調査した有能な元刑事が調査を完了しないまま姿を消していた謎や、失踪した娘の父親はだれかという謎、失踪した娘のはとこが絞殺された事件の謎 等々、失踪人探しから、いくつもの謎が生まれ、複数の嘘や策謀、秘密が解明されたり暴露されたりという怒濤の展開……多くの伏線が、最後には全て回収される展開もお見事でしたね。 葉村晶シリーズの在庫は読み切ってしまいました……次は、若竹七海の別なシリーズを読んでみようと思います。
7投稿日: 2024.05.28
powered by ブクログ葉村シリーズ第4弾。元女優の失踪した娘探しや裏カジノなどいろいろな謎や事件が、程よくコミカルに展開していく。アルバイト中の晶が白骨死体を発見した際の負傷っぷりが「出オチか⁉」と思うほどのの大怪我っぷり。その後も何度もこれでもかっていうくらいの大怪我で葉村さんの受難ぷりが際立つ作品でした。
0投稿日: 2023.11.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読んだことあったのかなぁと思いながらいたけど、なかったやつ。登場人物が多く、混乱しそうと思いつつ、でも意外とそうでもなく。登場キャラがたってるからだろうかね。 さよならの手口というタイトルの回収は十分ではない気もするけど、ミステリーらしく人のつながりが重要で、どこかで誰かが裏切るのでは?と思いながら、実際裏切りがいくつか出てきて、あぁなるほどなーと思いつつ、それ以上にこの人がそっち側に心変わりかよ!みたいなことの方が、小さいながらもインパクトがある。 ボリュームの割に展開が早いのでどんどん読み進めてしまう。秋の夜長にちょうどいい。
1投稿日: 2023.10.31
powered by ブクログ待望の葉村シリーズ!前作からはや13年… 葉村晶も40代になりましたが、相変わらず巻き込まれて大変なことになってます。 探偵の職を失い、ミステリ専門書店で働いていたら事件に巻き込まれ、運ばれた病院で新たな依頼を受けることになる。 巻末にはミステリ専門書店の店長による本作品内で登場したミステリ解説つき。 こちらも読み応えたっぷりなので、ミステリ好きは読んでて楽しい作品だと思います。
0投稿日: 2023.10.02
powered by ブクログここまで真面目に行動するのに、お愛想を言わないせいかいろんな人の反感を買い、何度も何度も大怪我をして、それにも負けずに一生懸命に進み続けて真相に辿り着く葉山さんがすごい!
0投稿日: 2023.08.11
powered by ブクログこんなに頑張ってるのに。不幸の星って辛い、でも、これだけの事が起こっているのに相手へのフェアさを手放さないところがカッコいい
1投稿日: 2023.05.28
powered by ブクログ葉村晶は怪我をし過ぎでこちらが心配になる。あと本の中なのであまり歳を取らせたくない。 登場人物で一人だけそれはないだろという行動をした者がいたのがマイナス。
0投稿日: 2023.03.19
powered by ブクログ再読。 当時、文春のミステリ年間ランキングで上位に入ったのを見て、おもしろそうだったので読んでみたんだった。 それから若竹作品を遡って読んだ。 今回久々に読んだが、岩郷元刑事の失踪原因以外はほぼ忘れていたので、楽しく読めた。
4投稿日: 2023.02.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
刊行当時13年ぶりの葉村晶(その間短編は2本ほど発表されているらしいが)。 なんと四十歳の坂を越え、職業も長谷川探偵社が廃業したことにより、ミステリ専門古書店"MURDER BEAR BOOKSHOP"でアルバイトをしていた。 なんか探偵じゃない葉村を見るのって『プレゼント』の頃を思い出す。 13年ぶりかぁ。 リアルタイムで待っていたら待ちくたびれる、というか完全にそれまでの過程を忘れてしまうだろうから、ある程度出そろったところから月日を物ともせず、ずんずんと読んでいく今の読み方ができて幸運。 さて、今回は葉村が古書店で働いているということもあり、ほんのりビブリオ風味。 書店での倒述フェアではF・W・クロフツとか、骨フェアではレジナルド・ヒルとか語られるとそっちも気になってしまうのがミステリ好きの性。 事件の方は、とあるアパートの店子の遺品整理で大量の蔵書が見つかり、掘り出し物がないか探っていたところ、押し入れの床が抜け白骨死体の待つ床下へ頭から落下するという葉村の災難に始まる。 白骨死体の謎は元探偵葉村の推理が冴え渡り、事情聴取に来た刑事に口添えすることでスピード解決。 その能力を見初められ依頼されたのが、往年の大女優・芦原吹雪の失踪した娘の捜索。 それと並行して巻き込まれる"MURDER BEAR BOOKSHOP"の常連客・倉嶋舞美とのどたばた。 切れ味良い物言いや、物事の見極めの鋭さは健在であるが、前作までと比べてとにかく災難に見舞われるし、ところどころで冷静さを失い、感情を抑え切れない場面も。 今回特に印象的だったのは人と人が懇意になることの脆さ。 前々から滲んではいた葉村の優しさにつけ込んでかき回すサイコパスしかり、そのサイコパスにすっかり洗脳されてしまう”スタインベック荘”の大家しかり、ちょっとした手抜かりから微妙な関係となってしまった東都総合リサーチの桜井しかり。 それを終盤、「慢心」という言葉や「わたしは何を間違えたのだろう」と自省する葉村の心に共振し、とても胸が痛んだ。 それとは別に『依頼人は死んだ』で出てきた濃紺の悪魔や、前作ですったもんだあった相場みのりの行く末など、未来への振りかと感じていたところが全く回収されず、意外と放置系なのか!?(まぁ、別に支障ないけど)という点も多々。 全体的にイヤミス感溢れていたけれど、最後のオチだけはとっても爽やか。 次は『静かな炎天』。 また短編になるようだ。
37投稿日: 2022.12.29
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葉村晶、13年ぶりの長編。 信じられない。ずっと読んでいる気持ちだったのに。短編とかだったのか… 杉田比呂美さんのイラストが大好きで、若竹作品が大好きで、葉村晶が大好きだけど、盛りだくさんすぎて、窒息しそうだった。 何回スマホが壊れて、何回死にかけるんだ。なのに生きてるし、自分から面倒に飛び込んでいく晶はタフ過ぎる。女優の娘を探すだけだったはずなのに。変な女にくっつかれたり、消えた探偵を気にかける羽目になったり、警察に目をつけられたり。絶対300万もらってても足りない。とにかく、ただただ面白い。
1投稿日: 2022.10.02
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すごく面白かった。今までの葉村晶シリーズで1番の面白さ。 本のタイトルが、最終的に「あ、ここに掛かってるのね。そこをタイトルにしたのね」とクスッと笑えるのも良い。手口と書いてあるから、犯罪に関わることかと思いきや、そこかーい!って。笑 メインの話もすごく面白い。
1投稿日: 2022.05.31
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葉村晶の乾いた言葉選びが本当に好き。 仕事柄ハードボイルドでも、日常で心地のよいものを好みで選んでいるところが、私にとって好感の持てるポイント。華美ではないがそういう穏やかな生活が、きちんと後ろに控えているところがいい。 でも今回初っ端から満身創痍で笑ってしまった。トラブルの方が葉村晶を離さないといった様子だ。 葉村晶の仕事ぶりを見て回るのは楽しい。最低でも、社交性があって身体が強くて口がうまくて勘が強くないと務まらない。 幾重にも折り重なった事件の苦い後味がこのシリーズらしいなと思う。
2投稿日: 2022.04.23
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「人探しを頼まれる」という探偵ものミステリにありがちな導入からは、予想だにしない結末が待っていた! 今作だけで、葉村晶は何度も病院に入院したり、大怪我したり。40でこれはつらい。しかも、何度も頭打ってるし。 ここまでくると、葉村晶が今後穏やかに過ごせることを願うばかりです。読者としては葉村晶シリーズに続いてもらいたいものの、かわいそうすぎて。 でも、一番かわいそうだったのは、怪我した時よりも、気が合うと思っていた舞美と、晶が病室で言い争いをしたとき。 いつも心の中で毒づいたりツッコミ入れたりしてる晶が、舞美に感情的になって言い返して、そのあと泣いた時。不死身の葉村晶の哀しみを感じた。 事件は、二重、三重に仕掛けられていて。 母親が娘を殺したつもりになっていて、でも実は娘は死んでおらず、母のマネージャーが娘を逃して匿っていた…というところは、白雪姫を思い出させた。 マネージャーの妹が殺された事件についても、結局はっきりと解決しないまま…。もしかしたら、マネージャーが実の妹を?という疑問も生まれた。 最後の岩郷のおばあさんの涙には、もらい泣きしてしまった。 ノンストップで葉村晶と共に事件を追ってきた(つもりになってる)私にとって、岩郷のおばあさんの涙は、ふっと力と圧が抜ける瞬間だった。 タイトル「さよならの手口」は、警察官に別れを告げる方法はない、という、本の一節からきているようだ。 何か後ろ暗いことがある限り、警察官とは別れられない、ということだろう。 晶は舞美に対して、警察官と別れることはできないぞ!と忠告したあと、警察を使って脅かしてしまったことを後悔する。 晶は良い人だと思った。 舞美がどう受け取るかということも気がかりだったのかもしれないが、晶の中には彼女なりの筋があって、自らそれに反してしまうことを後悔したのではないかな、と私は思った。
3投稿日: 2022.02.28
powered by ブクログシリーズものが読みたくなって、この作品の次(静かな炎天)をずいぶん前に読んでそのままになっていた葉村晶シリーズを読んだ。 満身創痍というか、話が進むにつれ(葉村の推理が進むにつれ)、身体と心を痛めつけられる。次も読みたいと思わせてくれるのは葉村晶の不屈さと優しさかな。 和製ハードボイルド。最後の一文も、”ロンググッドバイ“。
8投稿日: 2022.02.19
powered by ブクログ葉村晶の長編、堪能した。 これでもかってほど複雑に絡み合った人間関係も、真相が分かればスッキリ。探偵モノでは当たり前なのかもしれないけれど、女探偵がここまで言葉通り身体張って楽しませてくれる作品、まだ出会っていない。 次巻は入手済み、でもあえて時間をあけて、再会の喜びを倍増させる手をつかおう。
0投稿日: 2022.02.18
powered by ブクログ葉村晶シリーズ3冊目、だけど、作中の時間軸はこちら方が古いようだ。 長編は初だったのだけれど、テンポや面白さは変わらずで、 短編を読むようにずっと物語に引き込まれていた。
1投稿日: 2022.01.09
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最初は軽いタッチというか独特な主人公だなと読み進めていたら、 途中からあれよあれよと話が大きくなっていきました。 前作を読んでいないのですが、 葉村探偵の思考や倉嶋舞美のうざさなど楽しく読めました。
0投稿日: 2021.12.23
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本筋(ミステリー)以外の話で恐縮だが、主人公・葉村晶が非常に魅力的。 物語の始まりは廃屋でカビ臭い蔵書の取り出し、遺品整理。 晶が押入れの多量の蔵書を運び出そうとした瞬間、腐食した床を踏み抜き、下水まみれの床下に落下し、骸骨に頭をぷつけながら気絶し骨と肺をやられてしまう。 意識を取り戻すとそこは病院で、結局、同室の患者から調査依頼を受けるハメに。 満身創痍で始まり、周りの人や警察から雑多な扱いを受けたり疎んじられたりする。 踏んだり蹴ったり、そして厄介ごとが重なってくる毎日なのに、晶はめげない。 晶の魅力は、肉体、精神の強さというより、ひたすら愚直に、時々は間違いもしながら、前に進む力。それも孤独であるのに。 愚痴りながら、感情を時には爆発させながら、時にはギリギリで踏み止まりながら、というのも非常に共感を覚えて楽しい。 僕が、伏線や推理を理解、堪能するにはあと2回くらい読み返す必要があると感じる。 まーちゃんさんの本棚で「依頼人は死んだ」と本作を知り、今回は推理というか、晶の遭遇する事件や、心理を見ていくことで非常に堪能できました。 今後も本棚と感想、参考にさせていただきます。 ありがとうございました。
8投稿日: 2021.10.18
powered by ブクログ若竹七海さんの作品、今回初めて読みました。 著者、若竹七海さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。 若竹 七海(わかたけ ななみ、1963年 -)は日本の作家。東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒。夫は評論家(バカミスの提唱、ミステリ映画の研究で知られる)の小山正。 で、今回の『さよならの手口』は、葉村晶シリーズの13年ぶりの長編だという。 たまたま手にしたにしては、良いところに当たったという感じ。 『さよならの手口』の内容は、次のとおり。(コピペです) 仕事はできるが運の悪い女探偵・葉村晶が帰ってきた! 探偵を休業し、ミステリ専門店でバイト中の葉村晶は、古本引取りの際に白骨死体を発見して負傷。入院した病院で同室の元女優に二十年前に家出した娘探しを依頼される。当時娘を調査した探偵は失踪していた――。 よれよれの読了という感じですね。 筋が複雑なミステリーを読むのは、ややストレスがたまるようになってきています。
13投稿日: 2021.09.12
powered by ブクログ'21年1月23日、読了。若竹七海さんの作品、4冊目。 葉村晶シリーズの、初の長編小説(「悪いうさぎ」を先に読みたかったのですが、手に入れてなくて…ざんねん!)でした。 相変わらず、悪意のある嫌な人が、沢山登場して…そこは読んでてグッタリしますが、不思議と爽やかな読後感。だから、この人の作品は好き。 謎解きよりも、僕はハードボイルド調の物語として楽しめました。葉村のセリフが、とても魅力的。冷ややかな、シニカルなユーモア、とでもいうのかな…楽しめました。 最後のセリフ、マーロウの…大好きです。
7投稿日: 2021.01.23
powered by ブクログちょっと前に読んだ『悪いうさぎ』の続編 『悪いうさぎ』から13年も経っての刊行だったんですね 女探偵葉村晶シリーズです ・ 『悪いうさぎ』では学生時代、同クラだったら葉村さんとはお友達にはなれない…と思ったけど、13年経ち、葉村さんも大人の分別を身に付けており、今だったら図書委員くらいなら一緒にできるかもと思いました ・ 葉村さん…相変わらず、怪我ばっかしてます 冒頭では探偵は辞め、古本屋のバイトをしてるのに事件に巻き込まれます しかも、二つも! 40代の身体に鞭打って頑張ってます ・ 本作を渡してくれる時の母の反応は微妙でしたが、私は『悪いうさぎ』より面白かったです
0投稿日: 2020.11.25
powered by ブクログ【腹減り度】 なし 【1番美味しそうだったもの】 スナックなつこのおでん *感想* なんと葉村晶が四十路に!びっくり。 相変わらずの巻き込まれ不幸体質で冒頭からラストまでボロボロ(笑) 周りの顔ぶれも変わってちょっと寂しさもただよいつつ、新しい出会いもあり。 今回は女性が怖い怖い!ゾッとしちゃうようなキャラクターがうようよしてた。古書店勤務になったこともあり、ミステリの小ネタや作品がわらわら出てきて面白い。出てきたものも読破したいわ(稀覯本は無理だけど‥)。その辺含めて過去3作だと今作が1番好きかな。次回作早く読まねば。
0投稿日: 2020.11.16
powered by ブクログ葉村晶の4作目。 あまりにストイックで、 あまりに孤独で、 あまりにハードボイルドな葉村晶の生活をまたは人生を うらやましいと思ったことはなかったが、 初めてうらやましいと思った。 好きなミステリの本のことを語り合える友人ができたとは。 そして、良かったなと。 が、しかし世の中はそれほど甘くない。 探偵業を休み、ミステリ専門の本屋でバイトをしていたはずが、 探偵を頼まれて、行方不明の娘を探すことに。 新宿の古いビルから仙川のテラスハウスに居を移し、 しかし相変わらず怪我をし、相変わらずひどい目に遭う。 探偵だから、当然か。 銭湯の番台のお婆さんに聞き込みするシーンは面白かったが、 夫を待ち続けたおばあさんは可哀想だった。
0投稿日: 2020.09.12
powered by ブクログ葉村晶シリーズ第3弾 前作から続けて読んだらだいぶ年下だった葉村晶が同世代になっていてびっくりした でも相変わらずの痛々しい日々 何もそこまで キズだらけの満身創痍 フットワークの軽さや頭の良さもしっかり冴えてはいたが 至らなさ不甲斐なさも真摯に受け止める それが出来る人は信頼ができる ちゃんと探偵に向いている もっと読んでいたいと言う事ね ところで元同居人の彼女とはその後どうなったの? 一晩ぐらい泊めてくれる友達…には入らなかったのよねぇ 切ない
1投稿日: 2020.08.27
powered by ブクログ2020.08.15.読了 この作者の作品は初めて。 なかなか面白かったです。 最近おもしろいミステリーに出会えていなかったので、久しぶりに毎夜の読書タイムを待ち遠しく感じました。 他の作品も読むつもりです
0投稿日: 2020.08.19
powered by ブクログ葉村晶シリーズ3冊め。ハードボイルドなミステリを勝手にイメージしてたのですがちょっとコミカル?でしたね。いろんな事件が絡み合う系のストーリー展開で面白かったです。最後の最後の最後まで、という感じ。でもボリューム的にしんどかったので次は短編を読みたいと思います。
0投稿日: 2020.08.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
冒頭のエピソードから、葉村晶が気の毒。でも小さな事実から鋭い分析を見せるなと思ったら、それが本編でも発揮された。そうなのか!と、うならされた。 20年前の女優の娘の失踪事件、調べていた探偵が行方不明なこと、娘のはとこが殺された事件。事実が少しずつ明らかになりつつ、新たな謎も出て来て、どんどん読み進めてしまった。途中スタインベック荘の新住民や警察との取引など、要素はてんこもり。ところどころにシニカルな物の見方や、銭湯の番台のおばあちゃんを「世界征服を狙っている」など、クスッと笑わせてくれるところもあり、緩急つけるのがうまい。 でも葉村晶はとことんかわいそう。タフでなければ探偵でないってやつかしら。それでも一番不幸なのは岩郷のおばちゃんかな。
4投稿日: 2020.06.20
powered by ブクログ冒頭、葉村晶はこのように呟く。 「この世には数かぎりない不幸が存在している。誰もが不幸と無縁に暮らしたいと願い、不幸の臭いが漂ってくると身を翻して距離を置く。それがうまくいく場合もあるが、飛び離れた結果、かえって不幸に足を突っ込んでしまうこともある‥‥」 こういう呟きが、和製ハードボイルドと言われる所以である。 彼女は、これから起こる事件の説明をしている気持ちなんだろうけど、実は彼女の人生そのものを語っているのである。しかし、彼女の人生はこの作品のテーマではない。 不思議なことに、冒頭こそ不運に見舞われるけど長編の途中まで、目星が次々と当たったりして葉村晶の調査はツキまくる。ツキのあとには、不運が来ると決まっている。しかも最大級の不運がやってくる。葉村晶は「痛い目」に遭う。この「痛い」というのは、身体的にも「かなり」痛かったが、精神的にも「かなり」痛かったのである。 396pの彼女の呟き。精神的に参って、食欲のない葉村晶が、美味しくないファーストフードを途中で残す。残したって誰が責めようか、と私は思うのだが、彼女はこう呟くのである。 ‥‥ふと握りしめていた紙袋に気がついた。捨てようと思っていた工業製品。でもこれも、誰かの手を経て生まれてきた食べ物だ。人の手のぬくもりは感じられなくても、わたしよりましな誰かが作った食べ物だ。もう一度ベンチに座り、ゴミとして丸めたハンバーガーを最後まで食べた。 事件とは関係ないけど、これが彼女の真骨頂なんだろうな。優秀なのに、一見クールなのに、あまりにも優しい。そして、自己肯定感が低い。 ここまで読んできた方々は、気がついているとは思うが、私は本書の事件について一言も語っていない。いや、葉村晶シリーズに関して言えば、ほとんど事件については語らずに長々とレビューを書いてきていたのに、恥ずかしながら今気がついた。少しは〈あらすじ〉を書くのは「礼儀」というものかもしれない。なんか、書き損ねるんだよね。 彼女の人生が面白すぎる。 私は一生懸命頑張っている女の子が好きなのだ。彼女は既に女の子ではないけれども、私には女の子にしか見えない。 申し訳ないので(←誰に?)、ハードボイルドっぽい文を以下にメモする。 ・(週刊誌記事は)どれもいわゆるオヤジ媒体で、強烈な煽り文句やえげつない惹句の裏に、ありとあらゆるものに対するねたみや反感が見え隠れしていた。そしてこの時、叩きがいのある「水に落ちた犬」は、芦原吹雪だった。(91p) ・ようやく脱げたときには、またひとつ賢くなっていた。「人間四十をすぎたら着られない服がある。見た目や若作りというレベルではなく、生物学的に」‥‥。このまま順調に年を重ねれば、わたしはいずれ賢人と呼ばれるようになるかもしれない。(111p) ・おまけに、だ。仮に彼女が裏カジノに関わり、警察内部から捜査情報を聞き出しては警察を小バカにする役割を担っていたとして、それがどうした。犯罪には違いないが、人の世の生き血をすすっているというほどでも、不埒な悪行三昧というほどでもない。警察が捜査するのは当然だとしても、退治てくれよう、なんて気分にはなれない。(224p) ・この人工的な街にくるたびに思うだが、関東ローム層の上で育った多摩の土着民からすると、湾岸地帯なんかで暮らす人間の気が知れない。ところが住民たちは、なんだかやたら幸せそうに住んでいる。(233p) ・着信があった。画面を見てうんざりした。調布東警察署の渋沢漣治だった。警官にさよならを言う方法は、二十一世紀になった現在も、いまだ発見されていない。(249p) ・通った幼稚園がカソリック系だったためか、わたしはシスターにすこぶる弱い。まして佐久間は園長先生に瓜二つだった。膝にすがりついて泣かないように気をつけなくては。(299p)←ハードボイルド文章ではないが、葉村晶の背景を知るためには極めて重要な一文。 次いでにもう一つメモ。巻末にミステリ専門書店〈MUDER BEAR BOOKSHOP〉店長富山泰之のミステリ紹介がおまけとして載っている。いつか読みたいと思った作品。 ・「警部銭形」原作モンキー・パンチ 作画岡田鯛 ・「殺意」フランシス・アイルズ 三大倒叙ミステリの一つ。 ‥‥いかん。こんなの読んで行ったらドツボにハマってしまう。紹介中断。
37投稿日: 2020.05.27
powered by ブクログ葉村晶シリーズ五冊目。 20年前に行方不明になった女性を探す主軸の物語、それに伴ういくつものトラブル。深まり広がる謎から目が離せない。 葉村に襲いかかる不運のパターンが多様すぎて、感情が反応できずにいるとすぐに次の不運や事件がやってくる。ひとりの人間にこれほど不運が押し寄せるものなんですね…がんばれ葉村。
1投稿日: 2020.05.20
powered by ブクログ葉村晶シリーズ、文庫書き下ろし長編! 本シリーズはNHKでドラマ化されているが、本作はドラマ化されていない。 そんな原作本について、ドラマを見たことのない人、初めて読む人には短編から読むことをいつもお勧めしているが(慣れないと人は飽きてしまう)読書の楽しみを知っている人にはもちろん本作からでも。 エピグラムには『ロング・グッドバイ』(長いお別れ)の一文。 さて、過去の名作を下敷きにしすぎてミルフィーユになっているところはミステリファンにとってはたまらない。 読んだことのない作品名も出てくるので、またまた読みたい本が増えていく。 本作はかつての大女優、芦原吹雪の隠し子を探す依頼がメインになるのだが、葉村をつけ狙う妖しげな影、薬物パーティーの噂のある女の登場、隠し子の父の行方、警察からの内部リーク。 ミステリ要素を詰め込みすぎて、大丈夫か、ちゃんと仕舞までいけるのか?! 結論から言うと、お見事ツツツ(『刃牙』に出てきそうなセリフを吐きたくなる)。 本シリーズの他作品も読み切らなければ! 葉村晶のこの華麗なる、そして不幸っぷり、もう少し見なければ!
6投稿日: 2020.05.17
powered by ブクログ葉村さんは今回もこれでもかとコテンパンで、しかしやはりとにかく格好良いのでした。 バリバリの伏線を鮮やかに回収し、タイトルとラストでまた。洒落てんなー
0投稿日: 2020.05.04
powered by ブクログ葉村晶シリーズの長編作品。主人公の葉村晶同様、読み手も疲れ果てたり、興が乗って一気に読み進めたりと、気ままに読む結果となった。主人公が何度も入院する結果となったりして、おいおいストーリーが重すぎはしないかと呆れたり、でも面白く読み終えた。
10投稿日: 2020.04.23
powered by ブクログ4/15読了。 葉村さんの怪我の多さに驚くばかりかなぜにそんなにお人好しなのと。 わたしには全くない根性と努力、やはり尊敬。葉村晶ファンやめれない。
0投稿日: 2020.04.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
生活環境が変わっても、相変わらず頼まれごとを断れない主人公 またまた、人捜しを頼まれるのは従来通りです 作者は古い設定はどんどん捨てて、葉村にもどんどん年をとらせるようです 複数の事案が同時進行するので、登場人物も多いです 結局、どれも報われない結末 しかも今回は、年のこともあるのか何度もボロボロになり、最終的には体のみならず、心までボロボロです 最後にちょこっと救われるというオチ 今後も探偵業は続けるのでしょう
1投稿日: 2020.04.05
powered by ブクログストーリーとしては、かなり凄惨な内容だけど、若竹さんのシニカルだけどユーモアの効いた文章で、時々クスッと笑える。個人的には銭湯のおばあちゃんとのやりとりが大好き。それにしても、葉村晶さん、タフだけど、決して傷ついていないわけじゃなく、落ち込んで、自分の存在意義を問い直し、でもちゃんと立ち上がるところが素晴らしい。パーフェクトじゃないからこそ共感できるキャラですね。
0投稿日: 2020.03.23
powered by ブクログハムラアキラシリーズ。 ハムラアキラへの依頼人は何かを知っていて、その人たちの回りには、精神的に追い詰められる人たちが多くないか? 不運な探偵ではなく、満身創痍の状態でもどうしてここまで彼女は事件を調べるのか…。 好奇心からなのか…クールと言われながらも、どこか情が厚い人。そんな不思議な感じがする。 前作より、年数もたち、住まいも所属ももちろん、年齢も重ねている。スマホも登場する。 ハムラアキラシリーズ第2章という感じだろうか。
3投稿日: 2020.03.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
葉村晶シリーズ四作目。長編。 初っ端から病院送りにされる葉村晶。40歳を越えてるのに相変わらず相当な酷い目に遭わされる主人公にさすがに同情します。 癖のある登場人物が多く、その度に発揮される葉村晶の心の中での毒っぷりがやっぱり面白い。 後半に登場する、芦原吹雪の元マネージャー山本博喜がバケモノじみてる。なんか怖かった。60半ばの小柄な優男には到底思えないほどに暴れまわってた印象が残ってて、それがこの事件の恐怖部門に一役買っているのではないかと思う。 それを含め後半の盛り上がりが凄まじく、夢中になって読んでた。最後の最後でこの本の題名を回収してるのも、事件の後味の悪さとのバランスがとれてて読後感も良い。 面白かったです。
0投稿日: 2020.01.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
葉村晶シリーズ。盛りだくさんの長編。 読みはじめて早速ケガしたかと思ったら、今回はほんとに何度病院のお世話になることかと、何か自分の手やら足やらまで痛くなりそうだった。 最後は志緒利がどこにいるのか?いつ姿を現すのかが気になっていたけど、そんなとこにいたのかと驚き。 前のほうを読み返してしまった。 舞美は、図々しいのと調子が良いのがちょっと気に入らなかったのだけど、まさかのそうでしたか。ショックではないけど、晶の苦い想いとかを思うと騙された感満載。 もっと騙されたのは息子か。なんだよそれ。 でもようやく熟睡できたというのでちょっとだけ人間らしさも感じられたか。 そしてなかなかに秀逸な終わりかた。 このタイトルはどこから?ということにもちゃんと応えてくれた。 読みごたえ充分。楽しめました。
8投稿日: 2019.11.03
powered by ブクログ内容(「BOOK」データベースより) 仕事はできるが運の悪い女探偵・葉村晶が帰ってきた! 探偵を休業し、ミステリ専門店でバイト中の葉村晶は、古本引取りの際に白骨死体を発見して負傷。入院した病院で同室の元女優に二十年前に家出した娘探しを依頼される。当時娘を調査した探偵は失踪していた――。 探偵を休業し、ミステリ専門店〈MURDER BEAR BOOKSHOP〉でバイト中の葉村晶は、ある家からの古本引き取りを頼まれる。ほとんどあばらやのようなその家で、大量の本と格闘したが床が抜けてしまい、床下に落ちた葉村は怪我を負うと同時に、白骨死体を見つけてしまう。入院先で刑事に事情を聞かれた葉村は、ある事実を指摘。それが骨の身元判明につながり、事件は解決したのだが、話を聞いていた同室の入院患者で元女優の芦原吹雪から、二十年前に家出した娘の安否についての調査を頼まれ、引き受ける。 一方、やめるつもりだったミステリ書店のバイトも続けるはめになったのだが、そこで女性客の倉嶋舞美と親しくなる。しかし、彼女は警察の監視下にあり、葉村は担当の警察官・当麻から舞美に対するスパイの役割をしろと強要されるのだった……。
1投稿日: 2019.10.29
powered by ブクログ相変わらず、満身創痍でヒロインとは思えないやられっぷり。ほんとにきつそう…前作で喧嘩別れしてしまった親友はそのままなのかな〜というところが気になって仕方ない。
8投稿日: 2019.09.15
powered by ブクログ13年ぶりだそうです。彼女は40を過ぎ、古本屋でバイトをしています。今回彼女が探偵としてお願いされたことはただひとつ。けれど事件の方はそれだけを彼女に追わせることを許してくれず次から次へと…成り行き上彼女はいつも通りいろんなことをひきよせハードボイルドしていきます。中身はぎっしり、でも若竹さんらしい読みやすさは健在でぐいぐいと読み進められました。楽しかったです。最後はどうやら落ち着いたようですし、是非また続きをお願いしたいです。名言「人間関係と書いて<りふじん>と読む。」なんかわかるのが哀しい。
1投稿日: 2019.06.14
powered by ブクログ不運な探偵葉村晶シリーズの長編ミステリ。 タイトルがずるい。 ふと気づくと時がたっているシリーズ。その間のことは多く語られず、読者に推察させる。 最後まで読んで、やはりタイトルがずるい、と思うミステリ。 格好良すぎるだろ。
2投稿日: 2019.04.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
40過ぎになっても相変わらず不運な葉村晶は、吉祥寺の古書店「殺人熊書店」でアルバイトをしている。遺品整理業者に呼ばれ古書を引き取りに行った古家で、押入れの床が抜け、隠されていた白骨遺体に遭遇するという相変わらずの引き寄せ体質。この冒頭の事件でいきなり入院する羽目に。 入院先の病院で、同室の余命いくばくもない女性から、20年前に失踪して以来行方不明の娘探しを依頼される。 調べるにつれ次々と明らかになる謎。数々の失踪した人間たち。次第に明らかになる、胸糞悪くなるような事実。 暴力や脅しによる横槍が入ろうとも、彼女はめげない。女だからと甘えない。 血だらけになり、骨は折れ、顔は青あざだらけ。満身創痍になり、悩みながらも生きるために働く彼女が、それでもこの仕事が好きだということに気づくところがたまらなくいい。 複雑に入り組んだ事件、こんなところにまで・・・という伏線も見事に回収され、最後にはくすっと笑えるオチまでついて大満足のミステリ。 おまけに、様々なミステリ専門古書店だけに、古今のミステリ案内もついてファンにはたまらない。次も読まなきゃと思わせるシリーズです。
4投稿日: 2019.03.02
powered by ブクログ葉村晶シリーズ長編。 探偵を休業して本屋でバイト中の葉村は、古書を引き取りに行った家で白骨死体を発見して負傷してしまう。そして病院で同室だった元女優から人探しを頼まれるのだが… 相変わらずの運の悪さで、本書が始まってから終わるまで傷が癒える間もなく次々と新たな怪我をして病院にかつぎこまれる葉村だが、40代になってもハードボイルドさは変わらず、試行錯誤しつつもめげずに前進し続けて事件の真相にたどりつく。いくつもの事件が最後にバタバタと解決するのがすごい。 救いのないような事件で重苦しい気持ちになったところでの最後のオチはよかった。
1投稿日: 2019.02.16
powered by ブクログ前日譚未読でも問題なし!の言葉に背中を押され、葉村晶シリーズ初読み。徹底的に足で稼ぐ手法、社会へのシニカルな視点、警察との関係性など、思っていた以上にハードボイルドだった。度々不運に見舞われる葉村晶はまるで満身創痍のプロレスラーだが、クスリと笑える彼女のボヤキやツッコミのおかげで軽快に読める。本編は事件や謎がテンコ盛りで、少々力技な部分(使用人失踪の真相や倉嶋舞美の正体)もあったが、こうも綺麗に伏線回収出来るのは本当に恐れ入る。結末の苦い後味といい、好物すぎて満腹。また追いたいシリーズが増えてしまった…。
2投稿日: 2018.12.16
powered by ブクログ出てきた本一つも知らないっていう…。 主人公が同年代で、共感持てた。 元警察官の探偵さんをずっと待ち続ける奥さんが気の毒でならなかった。
0投稿日: 2018.12.09
powered by ブクログ結構評判良い感じだったので期待しすぎたかもしれない。 探偵が出る推理小説久しぶりだったな~。 謎がほんとたくさんあって、全部つながるのか、、?と思ったのがちゃんと繋がったのはすごかった。
1投稿日: 2018.09.09
powered by ブクログ20年前の行方不明事件、しかも警察OBが出かけても未解決の事件に女探偵・晶がどう挑むのか。 最後50ページのまさかまさかという展開が凄まじく、夢中になった。シリーズものの続編らしいけど、この1冊から読んでも楽しめる。
1投稿日: 2018.09.03
powered by ブクログ探偵を休業し、ミステリ小説専門の古本屋でバイト中の葉村は、古本を引き取りに民家を訪れる。 押し入れにあった本を物色しようと体を突っ込んだとたん、床を踏み抜き転がり落ちる。 転がり落ちた先には、なんと、白骨遺体があった。 白骨に頭突き、なんていう経験は、葉村以外、なかなかできるものじゃないのだろう。 「不運な探偵」というキャッチフレーズ(?)を付けられた葉村の面目躍如といったところか。 ともかく、そのケガで病院に運び込まれるのだが、同室の、往年の大女優から、失踪した娘の行方を探してほしいと頼まれる。 この依頼を受けた瞬間から、数々のトラブル、厄介ごとが葉村に襲い掛かるのだ。 で、今回は、まあ、ケガのオンパレード。 白骨への頭突きに始まり、男に首を絞められた拍子に床に倒れ顔面負傷。 そして、病院での大立ち回りで、看護師の頭突きを胸に受けたり…。 相変わらず、調査で浮かび上がってくる人の悪意やハードな事実が、乾いた文体とシニカルな葉村の毒づきで淡々と語られる。 そうした悪意や悲しみが澱のようにたまってくる。 真正面から向き合う探偵は、よほどタフでなければ務まらない。 ある作家が探偵に言わせた言葉を思い出す。 「強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない」。 優しさとは強さ、強さとは優しさだと、この時思った。
1投稿日: 2018.08.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
十数年ぶりに葉村晶が登場し、ちゃんと年を取って40代になっていることに感動した。しかも、不運はパワーアップ。 冒頭、事件に遭遇してケガを負うのも、事件をきっかけに依頼を受けるのも前回同様のお約束。 調査が進めば進むほど謎が増えていき、収拾できるのかと思わせるが、見事に収束。本筋ではない事件が残り、これも解決するが、後味の悪さも楽しみの一つ。 最後の1ページは笑えるし、ラストの一行は震えるほど気が利いている。 葉村晶が福家警部補シリーズを買うなんて!! 葉村晶が傑作と評する「キルトとお茶と殺人と」は読まなければ。
2投稿日: 2018.07.06
powered by ブクログ葉村晶シリーズの第四弾。 40歳代に突入した葉村晶の活躍は相変わらず面白かった。 前作に続いて長編小説で、シリーズものと言ってもそれぞれ独立した小説として楽しめる所もこのシリーズが面白い要素だと思います。 長編と言ってもへーというのが何個かちりばめられていて読んでいて飽きません。 第五弾の静かな炎天は最初に読んでしまったのでこれで最後と思うと少し寂しさもあり・・・。またの再会を期待しています。。
1投稿日: 2018.06.24
powered by ブクログ葉村晶シリーズ。 とても贅沢なミステリーでした。 久々に、読み終わっちゃうのがもったいないと思える本でした。 葉村晶、好きだなぁ。まだまだ、探偵を続けてほしい。
3投稿日: 2018.05.17
powered by ブクログ葉村晶シリーズ。今回の不運の波はなかなかに大きく、繰り返しやってきて、葉村さんは文字通り満身創痍になってしまう。このシリーズのいいところは、葉村さんはタフではあるけど、決してスーパーウーマンではなく、時に涙し、後悔しながら生きているところ。生活も劇的に変わることなく、試行錯誤を繰り返し、一歩進んで二歩さがったりする。とても等身大。でも、自分をしっかり持っている彼女は、やっぱりカッコいい。 ミステリとしては、20年前に失踪した女性の人捜しという鉄板もの。幾重にも張られた伏線と、絡み合った謎がこれでもかと提示される贅沢なつくり。
4投稿日: 2018.05.15
powered by ブクログ探偵を休業し、ミステリ専門店でバイト中の葉村晶は、古本引取りの際に白骨死体を発見して負傷。入院した病院で同室の元女優の芦原吹雪から、二十年前に家出した娘の安否についての調査を依頼される。かつて娘の行方を捜した探偵は失踪していた―。有能だが不運な女探偵・葉村晶が文庫書下ろしで帰ってきた!
2投稿日: 2018.05.09
powered by ブクログこのミス2016年版4位。場面の切り替えが頻繁すぎるのと主役の女探偵(葉村昌)の頭の回転速すぎるので半分ぐらいまでほとんど理解できないままに読み進めることになってしまった。まあ、きちんと時間を取って集中して読めば楽しかったのだろうけど。後半は集中して読めたのと徐々に慣れてきたのとで複数の事件の状況が理解できるようになって一気読みができた。良くできたミステリで面白かった。
2投稿日: 2018.04.01葉村晶が面白い
いそうでいない葉村晶のキャラクターで、次から次と事件に関わってく逞しさ。素敵なアラフォー女探偵でした。軽快な会話で探っていく賢さと、妙に脇が甘く事故や怪我が、命が危うくなるなど可笑しくもハラハラもありです。そういえば恋愛沙汰は無かったと思います。どんな恋愛するのか興味深い。これは男性女性誰でも楽しめる一冊です。 他にも葉村晶の探偵本が有るようなので、早速読んでみます。恋愛沙汰とか元彼とか出てこないかなぁ。楽しみ!
0投稿日: 2018.01.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
探偵葉村晶シリーズ3弾。長編。 あらすじ 40過ぎになった葉村は、仕事を請け負っていた探偵社が閉鎖されたのを機に、古書店店員になって10ヶ月。本を引き取りに行った先で事件に遭い、入院するが解決する。それがきっかけで往年の大女優から、死んだはずの娘を探してほしいと依頼される。同じ頃、住んでいるシェアハウスには、本屋の店員でうさんくさい女性が住み始める…。 13年ぶりの葉村シリーズらしい。しっかり年を重ねているし、世間は探偵に厳しく、スマホもある。でもハードボイルドぶりは相変わらず。短編は短編で一ミリも隙がないところが好きだが、長編もまたいい。ほんとだったら、本三冊ぐらい書けるんじゃない?っていう内容が詰め込まれていて、しかも面白い。相変わらず傷だらけ・ごたまぜになりながら葉村は事件を解決していく。このださかっこいいところって、なんか北欧ミステリ-に通じるところがあると思う。
1投稿日: 2017.12.04
powered by ブクログ再読。 まずタイトルが良い。チャンドラー作品に出てくる有名な言葉『警官にさよならを言う方法はまだみつかっていない』から来ているのだが、『さよならの方法』でも『さよならの手法』でもなく『さよならの手口』としたところに葉村晶シリーズらしさを感じる。 親が子に、子が親に、夫が妻に、妻が夫に、友達が友達に、過去の傷に…様々な『さよならの手口』が出てくるが、いずれも最悪な形で晶に突き付けてくる。 女性でありながらこれほど痛め付けられ傷を負うという設定の探偵も珍しいが、彼女はそこを諦めつつも受け入れ探偵としてやり遂げていく。 だが結末はあまりにもハード。晶自身が振り返るように、彼女は誠実に働いたが、何かが違っていたのだろう。 クールで手抜きをしない探偵だが、感情がないわけではなく、時折熱くなりお人好しにもなる。そこが彼女の魅力であり弱点でもある。 脇役としては厭な警察官だが当麻警部は結構好きだった。また晶のバイト先である古本屋の富山店長の理不尽さも健在で好き。 彼のお陰で警官にさよならを言う方法は見つかっていたというオチも笑える。 四十代に入ってますますハードな葉村晶探偵の活躍を今後も期待。
9投稿日: 2017.10.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
探偵としての腕は良いが、どこかツイていない女探偵、葉村晶。 現在は骨休めのつもりでミステリ専門書店のバイト店員をしている。 ひょんな出来事をきっかけに、元スター女優から二十年前に失踪した一人娘を探して欲しいと頼まれ調査を始めるが……。 話が二転三転し色々な事件も絡んでくるが、テンポ良くスッキリ物語も進み、読み手を飽きさせない。 何より葉村晶のキャラにとても好感が持てる。 明らかになる様々な真実に落ち込み自棄になりそうになるが、やはり探偵の仕事が好きだと気付く葉村。 また葉村のミステリが読みたい。
3投稿日: 2017.08.19
powered by ブクログ2017.8.17読了。 途中なんども頭の中がとっ散らかった... 「ん?どういうこと?」 思いながらも、戻らずそのまま読み進めていったら、終盤一気に沢山のことが解決していった。 ゆっくり、じっくり、時間をかけて、いつか再読したい作品。
1投稿日: 2017.08.17
powered by ブクログ名探偵羽村晶シリーズ第四作。 前作の登場人物が基本的に出てこないのがちょっと残念。。 20年も前の疾走事件を追ううちに、犯人に狙われたり事件に巻き込まれたりして、満身創痍になっていくのが、痛々しくも、プロ根性なように思った。 書評では、羽村晶は不運な探偵という紹介があったが、今作で初めて、その不運だと感じた。 捜査が進むに連れて怪我が増えていく様は、痛々しくもあった。ここまで来たら、調査を続けたのはもはや意地だったんじゃないかとすら思えてくる。 友人思いだけどドライで皮肉っぽい人情家という変な性格が、とても好きになった。 ホントにいたらいいのに。 読んだあと、ふと、この羽村晶シリーズは、新井素子さんの作風に少し似ているような気がしてきた。 強いて挙げてみると、読後感もジャンルも全く違うが、主人公の内省の方向性や、皮肉が皮肉にならないで事実になってしまう立ち回り。 真面目なのは解るのに真面目になりきれないところは、読んでいてついつい力が入ってしまうところでふっと力が抜けるのが、いいアクセントになっていて、作品が一層面白くなっていると思う。 そして、こういう真面目な中のユーモアみたいな、あるいは言葉遊びみたいな息抜きは、集めていくと面白いと思う。 しかし・・・、店長さん! もっと早く免許のこと言っておいてくれたら良かったのに。。 ワンマンすぎる店長さんのおかげで話はタイトルからオチまで全部が面白かったです。
1投稿日: 2017.07.15
powered by ブクログ若竹七海さんのミステリー小説 初めて読みました。 これは 女探偵 葉村晶シリーズだったんですね〜 この本で初めて葉村晶を知る事になるんですけど タイトルからして訳ありな要素を含みつつ、内容も かなり面白かった ついつい読み入ってしまった ラストが呆気なく終わってしまった感じがした…女性探偵ならではの サバサバした性格でありながら 人を気遣うところなど とても 主人公に好感を持てるし、細かく調査してゆく道順が面白かったし、結構痛い目に遭いながら臨んでゆく姿に ミステリーではないドラマ性を感じられ 前作の葉村晶シリーズを読みたくなった。葉村晶シリーズに期待大!
5投稿日: 2017.06.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
シリーズものの第一作でもなければ最新作でもなかった。 でも面白かったわ~。 四十代の元探偵事務所の調査員で、今は古本屋のバイト店員・葉村晶。 彼女がめっぽうハードボイルド。 全身打撲、肋骨二本にひび、おでこに大きなこぶ、そして肺がカビの胞子まみれ。 これが、導入部の、本筋ではない事件での負傷。 その後も、たった数日の間に何度病院に担ぎ込まれることか。 しかし彼女はめげない。 やらなきゃならないことは、身体を張ってでもやる。 頭の回転は速い。 そしてなんだかんだ言ってお人よし。 ああ、好きだわ、こんな生きるのが不器用な人。 二十年前に行方不明になった娘の生死は? 彼女の父親は? 失踪した探偵は? 最後までゆるむことなく張りめぐらされた謎と罠。 ミステリ専門の古本屋さんでバイトもしているものだから、懐かしい書名がたくさん出て来て嬉しい。 そして店長のキャラクター! あくまでマイペースに自己主張を押しとおす。 そばにいれば迷惑な人だが、傍で見ている分には実に愉快。 ストーリーの後味の悪さを、彼のキャラクターが随分中和してくれる。 これも、シリーズを追いかけることになりそう。
6投稿日: 2017.05.31
powered by ブクログ女性の探偵ものは、何故だかほろ苦い。 女性が探偵『役』で、美人だったりして、荒事をこなしてくれる相棒がいたり、疲れ切った時に労ってくれるいい男がいたりすると、そうはならないんだけれど。 葉村晶は、その点ちっとも甘くなく、リアルに食べていくための仕事として『探偵』で、女性として得してるところはほとんど全然なく、その上運が悪く、ケガはするし危ない目には合うし、いまや若くもなく美人でもない。 けれど真摯に仕事をし、精一杯フェアであろうとする、人としてスジの通ったところが沁みる、男前?な女探偵ぶりが、独特な面白さになっていると思う。 若竹七海さんの作品は、ドタバタミステリもいいけど、こういう曇り空みたいなミステリも好き。 青空が、ちらっと見えるところがあって救われるのもいい。
2投稿日: 2017.05.08
powered by ブクログ探偵を休業し、ミステリ専門店でバイト中の葉村晶は、古本引取りの際に白骨死体を発見して負傷。入院した病院で同室の元女優に二十年前に家出した娘探しを依頼される。当時娘を調査した探偵は失踪していた――。 相変わらずタフ。しかし今回はほんと不運が多くてちょっと笑ってしまった。読み応えあって贅沢な本。ほんとこの一冊で五冊分くらいのネタが入ってるような。新しい女友達とのほのかな友情があんなことになって切ないなあと思っていたら結果アレで同情なんていらんのじゃ!というクール&ドライな後味でほっとしたというかなんというか。ところでみのりは元気なのだろうか……
4投稿日: 2017.04.16
powered by ブクログ前作から10余年。 勤務先の廃業とともに探偵を休業中の葉村晶はミステリ専門書店でバイトをしていた。 ある日、古書を回収しに行った家の床板を踏み抜き、床下に埋められていた白骨死体に頭突き。 肋骨を2本折り入院するが、同室になった元女優の老女から20年前に行方不明になった娘を探してほしいと依頼を受ける。 これが、受難の女探偵・葉村晶のさらなる不運の始まりだった。 メインの謎となるのは、元スター女優の20年前に失踪した娘探しですが、同時にいくつもの派生した謎や別のトラブルが発生し絡み合っていくという複雑な様相を呈しています。 失踪当時、女優の娘を調査中に突然失踪した探偵の行方は? 他にもこの親子の近辺の人物が何人も行方不明になっているが、その真相とは。 また、偶然知り合った舞美という女性は何が目的で葉村に近づいたのか? それらの謎が有機的にメインの謎と結びついたり結びつかなかったり、盛りだくさんでおなかがいっぱいになりました。 雪崩のように事件が発生し、伏線を取りこぼすことなく続々と破綻無く回収していく様子は日本版フロスト警部のミステリを読んでいるようで至極満足でした。 事件が起こった時に一人の人間の心の水面が波立ち、それが言動となってあらわれ周囲にどう波及していくのか、露わにしてみせる巧みな心理描写には唸らずにはいられません。 悪意や残酷さを鷲づかみにしてナマの人間の本質を見せてくれる作者の凄腕にぶんぶん振り回されながらも、葉村の筋を通す頑固一徹な清廉さにほっとします。 正義というとちょっと面映いのですが、物事に対して葉村は必ず自分の内面の正義と照らし合わせてから行動を起こすような一面がある気がします。 人間って普通、筋が通らないことでも自分の利益になることなら真実も捻じ曲げ、ずる賢く欺瞞に満ちたことを平気ですると思うのですが、葉村は賢いがゆえにそのごまかしに自分で気づいてしまうようなところがあるんですよね。 そんな彼女だから、不運を呼び寄せてしまうのですが、後悔なく生きているであろう彼女が悪意に敢然と立ち向かっていく姿がすごく好きです。 自分にはできないから憧れているのかもしれません…。 ウィットに富んだ台詞回しもいつもながら楽しいし、100点満点の作品です!!
2投稿日: 2017.03.18
powered by ブクログ初読みの作家さんだったけれど ミステリー好きにはたまらない一冊なのだろう。随所にちりばめられるミステリーの傑作選、残念ながらあたしにはちんぷんかんぷんだったけれど 巻末にご丁寧な解説付き。 内容はかなり重くて 読み進んでいくうちに苦しくなってきて 何とも救いようがなかったのが 苦痛だった。 たぶん読み手によってかなりの温度差があるのだろう。
4投稿日: 2017.03.05
powered by ブクログ相変わらずの面白さ。 毎回ボロボロになって、とにかく今は眠りたい、ってなるなー(笑) 巻き込まれ型の探偵さんですが、巻数を重ねるごとに人情味がましますね。しかしあくまでドライ。 同時進行の問題多発であきません。 このシリーズの残酷な結末は重くなくて好きなんだけれど、今回こんな終わりもいいな。切ないとこは切ないけど。
2投稿日: 2017.03.02
powered by ブクログ葉村晶シリーズも4冊目。一気に読み進めているので感じないが、この本が出るまでに10年以上の月日が流れている…という事で、ファンには待望だったんだろうなあ。 葉村さんも同じくらい年をとっていて、まずそれに意表をつかれた。取り巻く環境も大きく変わっていて、その間に何があったのか気になる! 過去の事件を追って、やっぱり様々な不運に見舞われつつも、一本芯が通って強い葉村さんが良い。 そして彼女の好きなところは、ちゃんと反省が出来るところなんだなと思った。 「さよならの手口」このタイトルが、色々な意味を持っていて、とても好き。 あと、様々なミステリ作品が出てくるのが面白く、何作か読んでみたいものがあった。
1投稿日: 2017.03.01シリーズは、最初から
葉村晶シリーズを最初から読んでます。 なので、最初の数十ページが退屈(失礼!)でも、最後まで読めました。 相変わらず、面白い!! いつものようにゴチャゴチャと複数の事件が発生し、解決していく。泥臭く。 救われない話を、最後のちょっとしたエピソードで上手くオチがつき、読後感も良し。 次は、このミス2位の『静かな炎天』。 これから読み始めます。
1投稿日: 2017.02.23
powered by ブクログ失踪した女優の娘を探す女探偵。 相変わらず面白い。 理不尽なことばかりだけど主人公がドライで読みやすい。
1投稿日: 2017.01.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
解説者さんのおっしゃる、原価率の高いミステリー。 先に「静かな炎天」の方を読んでしまったけれどこちらは超の付くほどの長編。イヤ、本の厚さではなく内容の濃さで。 このシリーズを語るには私にとって100万年早い気がする。その位心酔してしまいました。 何しろ『MURDER BEAR BOOKSHOP』の富山店長が素敵すぎる!
1投稿日: 2017.01.16
powered by ブクログ濃密すぎる一冊です ハードボイルドはもちろんなのですが、良質なミステリィな事は太鼓判です 一体、どれだけのネタでどんでん返しを体感させられるんだ!読了後にゼーハー喘ぐような心地よい疲れる作品です。読むべし。
2投稿日: 2017.01.14
powered by ブクログこの作品も「このミス」(2015)でランクインしていたので、読んでみた。シリーズとしては4作目になるようだが、この前が13年空いているとのことで、ここから読んでも、全く問題なく楽しめる1冊。しかし…名前はもちろん知っていたが、こんなにハードボイルドな作品を書く方だったとは…最初から最後まで、まさにジェットコースターな展開で息が出来ないかと思うほど。女性探偵の葉村晶はとても不死身、でも、かっこいい訳でもなく、かなり抜けている。そこがまたいいのかもしれない。次作も2016年の「このミス」でランクインしており、人気があって、まだ読めないので、先に前の作品を読もう!
5投稿日: 2017.01.04
powered by ブクログ若竹七海『さよならの手口』文春文庫。『悪いうさぎ』から13年振りのシリーズ作とのこと。葉村晶シリーズの長編作であり、『このミステリーがすごい!』、『週刊文春ミステリーベスト10』にランクインするなど評判の高い作品である。 これまでシリーズ作を4作読んだが、長編よりも短編に魅力を感じる。長編になると必要以上に色々と詰め込まれ過ぎて、読むのに非常に苦労するのだ。 探偵稼業を休業し、ミステリ専門書店でバイト中の葉村晶は古本を引き取りに出向いた古い民家でアクシデントに見舞われる。白骨死体を発見するは、大怪我はするはの相変わらずの不運ぶりを発揮。入院する羽目になった葉村晶は同室の元女優から20年前に失踪した娘の安否調査の依頼を受けるが…
4投稿日: 2017.01.03
powered by ブクログ一気に読了。やっぱり葉村晶は面白い。 ただ、前作「悪いうさぎ」がいつもどおり暗いながらも、おっかなびっくり人間関係を築いていくプロセスも描かれていて非常によかったので、それには劣るかなという感じ。できれば葉村には完全に一人ではいないでほしい、と同世代同性として思うわけでね。
0投稿日: 2016.12.11
powered by ブクログこんないかにもミステリを読むのは存外久しぶりかも。この人の長編はイマイチ好きじゃないことが多いんだよな…と初めは思ってたんだけど、次第にハマった。なかなかのどんでん返しっぷり。
0投稿日: 2016.12.04
powered by ブクログ葉村晶シリーズ。久しぶりに読むなあと思ったら前作から13年。そして葉村晶も歳を取っていて、なんかほぼ同世代に。 なかなかハードな過去を背負う彼女は、それをひけらかすことが無く、でも微妙にアンラッキーでなかなか他人を捨てきれず、人生ままならないこともあるよね、という部分がリアルながらかわいらしい。 ひとことで言うととにかく最後まで読みたくて読んだ。楽しかった。そして大オチで幸せになった。ああよかった。 シリーズ他作品読まなくても読めるけど、読んでおくとより楽しいかも。
0投稿日: 2016.09.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
探偵の葉村晶シリーズの第4弾。 葉村シリーズはもちろんのこと若竹さん初読です。 シリーズの前巻から13年ぶりで文庫書下ろしということで、ファンも大喜びだったそうですが、ミステリー的にも、サスペンス的にも面白かったです。 事件としては大きく3つ扱うのですが、一つはプロローグ的、一つは主題として拡散していく謎の連続が一気に収束する見事さ、最後の一つはどんでん返し的エピローグのようで、感服しました。 さらには膨大なミステリー小説の蘊蓄がちりばめられていて、大満足です。 それにしても推理は鋭いものの言動からトラブルを招いたり、事件が大きくなっていったりした上に、ケガが絶えないこの探偵ものの10年以上前の姿が見たくなりました。
0投稿日: 2016.07.17構成複雑過ぎ!読みずらし。
最近珍しい雰囲気の素人探偵、きっかけは失跡事件、に引かれて読み始めたが外れでした。古くさい昭和テイストの探偵小説です。狙いでしょうが。
1投稿日: 2016.07.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
このミステリーがすごい!で割と評判がよかったので読んでみたのだが・・・私にはあまり良さが分からなかった。ただ単にいろいろ怪我の多い女性探偵が主人公だな・・・くらいしか最初は思わなかったが、出だしの頭蓋骨の推理はたいしたものだ。そこからは、元スター女優の娘の失踪人探しに展開していくのだけれど・・・・。刑事との絡みや、前の探偵との絡みもそうだけど、次第になんか暗くなって終わってしまった感がするのはちょっと後味が悪かったように思う。
0投稿日: 2016.07.01
powered by ブクログ病院の隣にいた元女優から二十年前に失踪した娘の捜索を依頼される。余命幾ばくもないことを知り引き受けてしまうがかなりの難題だった。 人探し、サイコパス、結婚詐欺、絞殺魔とミステリ要素は盛り沢山。主人公は不運にも何度も入院する羽目になるしドタバタした印象だが、ロジックはしっかりしている様に思う。分厚さの割にはさらっと読めた。
0投稿日: 2016.04.09
powered by ブクログ一行目:この世には、数かぎりない不幸が存在している。 派手な立ち回りがないのに面白かった。加納朋子とか近藤史恵が好きな方なら、楽しめるはず。 探偵休憩中の主人公、葉村晶。探偵としては有能なのに、日常は面倒事を呼び込む体質らしい。 長編だが、連作短編のようでもあり、飽きずに読める。 誰にでも勧められる、安心な一冊。
0投稿日: 2016.03.21アラフォー女探偵がリアルで面白い
主人公の葉村晶は以前勤めていた探偵事務所が閉鎖したことで知り合いのミステリ専門店のバイトで生計を立てている元探偵。ある日、古本引き取りに行った先で白骨死体を発見するもその際に負傷し入院してしまう。その入院先で知り合った元女優から二十年前に家出した娘の安否についての調査を依頼された晶は、退院後、早速娘の行方を捜し始めるのだが以前その娘を探していた探偵が失踪していることがわかり、失踪の裏に様々な謎が隠されていることを知る・・。 このミス4位で文庫という手軽さもあり手に取った作品。女探偵モノなので以前読んだ「笹野里子」シリーズを想像していたのですが、あそこまでハードでもクールでもない。ですが内容はぎっちりと詰まっていてこちらの方が読ませます。失踪人探しが話のメインですが、その調査中に他の頼まれ事や厄介事に巻き込まれるというパターンで同時並行的に複数の事件の謎を解いて行きます。しがらみや同情心からきっぱり断れない主人公の優しさ(優柔不断さ)や調査を進めるに従って見えてくる暗い過去や苦い真実に真摯に向き合う姿勢にいつのまにか主人公の晶にどんどん肩入れして行ってしまう。(舞台となる京王線の仙川あたりに昔住んでいたのも理由の1つではあるけど(笑))アラフォー探偵の心情や境遇がリアルに描かれていて満身創痍になりながら事件を追う彼女を応援したくなります。 やるせない結末ですが、最後の最後に題名の意味がわかる出来事が用意されているので晶と一緒に大笑いしてください。
6投稿日: 2016.03.09
powered by ブクログ面白かった。 ミステリのネタが散りばめられて最後まで飽きずに読みきれる。 主人公に振りかかる災難も愉快(失礼!)。 主人公 葉村晶が人間臭く抱えながら負けずに探偵業に勤しんでいく。 物語はドロドロして重いミステリ・テーマなのだが、気分が重くならない。 他の葉村晶シリーズも読んでみたくなりました。
2投稿日: 2016.02.28
powered by ブクログ元大スター女優が依頼した、20年前に失踪した娘の行方を追うミステリ。 冒頭から推理が冴え渡りますが、謎は二転三転します。 それでも徐々に意外な結末に近づいていく展開は、どんどん読ませます。 ミステリ3冊分くらいの謎解きが入っている、とても楽しめるミステリです。
1投稿日: 2016.02.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
探偵葉村晶シリーズ。 最近読んでないなと思ったら13年ぶりのシリーズ新作らしい。 久しぶりに長編の探偵物読みました。 不幸というか不運というか、行くとこ行くとこで 事件に巻き込まれていきます。 で、体ぼろぼろになりながら、必死に捜査して 事件を解決に導く様は最近のお手軽ミステリにはない 泥臭さがあって好きです。 昔読んだスー・クラフトンの「キンジーミルホーンシリーズ」を思い出します。
3投稿日: 2016.02.14
powered by ブクログこのミス4位。シリーズ物みたいだけど問題なかった。とにかくプロットというか筋というか展開が秀逸。何となく身近に存在する悪意が怖い。シリーズ読破決定。
0投稿日: 2016.02.02
powered by ブクログいつも年初は、年末に買った「おすすめ文庫王国」から去年読み落とした面白そうな本を拾っていくのだけど、今年はあまり食指を動かされた本がなく、この本は文春から来るメルマガの『このミス国内部門で4位になりました』に惹かれて買ってみた。 この前に本棚に登録した本より先に読み始めていたのだけれど、出張にも持って出ずに読み終えたのはこちらが後になった。 依頼された失踪者探しの中に色んなエピソードが含まれている上に、関係なさそうな人や出来事が次々と出て来て、何が片付いて何が引き続いているのやら、作りがかなり本格的に重層的で、朝夕の通勤電車の中でチマチマ読むにはかなり手強かった。 何となく漸く読み終えた感できちんと評価出来ず、ちょっと申し訳ない。
3投稿日: 2016.01.23
powered by ブクログこのミスから。「悪いうさぎ」は未読でしたが、問題はなさそう。探偵を休業し、ミステリ専門店で古本買取のバイト中、負傷。入院先で偶然に同室だった元女優に20年前に失踪した娘探しを依頼され、調べると20年前に調査を行った探偵は失踪。驚くほど怪我をし、驚くほど携帯を壊し、驚くほどかっこいい。無理に男性的な魅力を彼女に求めないのが素敵。後は、ささいなところですが、彼女を皆が晶ではなく葉村と呼ぶのに好感がもてます。かなり重苦しく、辛い結末でありながら、良い読後感。さよならの手口が見つかって良かったです、葉村さん!
1投稿日: 2016.01.17
