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この闇と光
この闇と光
服部まゆみ/KADOKAWA
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総合評価

318件)
3.8
70
122
89
15
3
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    このレビューはネタバレを含みます。

    物語の真相が明らかになる後半の展開に何度も「えっ!」と声が出てしまうほど引き込まれた。 主人公が心身共に未熟な子供、ましてや盲目が故にずっと信じていた自分の中の世界と現実世界のギャップをなかなか受け入れられないのは胸が痛かった。 父に貰った名前で再び父に会いに行った健気な主人公に対する父の態度がすごく残念で、今後2人の関係がどうなるのかが気になって仕方ない。

    1
    投稿日: 2023.05.03
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    7割くらいのところまではメチャクチャ面白くてコレは良いんじゃないの⁈とか思っていたけれど、詰めが甘いというかもう少し深く掘り下げるべきだよななどと感じた。惜しい。

    1
    投稿日: 2023.04.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    レイアの時の世界観は好き。 本のお薦めサイトのランキングに大体入っていたので、期待大で読みました。 大どんでん返し!と謳われていたのですが、レイアが男の子というのは生理のくだりですぐにわかってしまいました。 だって、性的な夢を見て下腹が熱くなって…って明らかに初潮の描写じゃないですよね? 初潮は下腹が重だるく鈍い痛みとともにくる事が多いですし、一瞬で終わるものではないので、下着を取り替えれば済む話じゃないです。 作者の方も気付く人には気付くような文章にあえてされたのかなとは思います。 ダフネが存在しないというのは想像してなかったです。 ですが、大どんでん返し!とか誰もが騙される!とか、そういう煽り方は良くないと思います。 素直に本の世界に入れなくなる。 願わくは最後再び2人が繋がった事で、レイアが自分らしく過ごせ、心安らげる居場所ができますように。

    3
    投稿日: 2023.04.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった。 ダラダラ読んでたけど思ってもなかったどんでん返しで悲しさとワクワクが止まらなかった。 終わり方も好き 美しくて悲しい話、最高。

    2
    投稿日: 2023.03.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    耽美......ですね。後半の文章や後書きを読む限りこれが作者さんのカラーなのかなと思うのですが、その耽美さと、「レイア姫」の設定がものすごく上手くマッチしてます。それにレイア姫が成長するにつれて彼女の認識が変わっていき語彙が豊富になっていく過程の描写が上手すぎる...。 最後まで「お父様」「ダフネ」が本当のところ誰なのかはハッキリわからないんですよね。彼は真相を暴くつもりでまた同じ闇の中に自分の足で戻っていく。今度は正しい(?)形で。まさに「帰還」。終わりがすごく良かったです。ハッキリなにもかもが日の下に晒されるのはこの文体、この世界には合わない。本当に「それで良いじゃないですか」というラストが相応しい。 面白かったです。

    2
    投稿日: 2023.03.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    腑に落ちない部分が何点かあり、微妙だった。 前半はとても美しく儚くて、よかった。 ミステリーやどんでん返しを期待して読んでいたが、後半のミステリーパートより、前半のファンタジーの方が好きだった。 中世ヨーロッパ風なのに、停電やらブザーやら違和感は散りばめられていたので、現世の日本であることはなんら驚きはなかった。 おとうさまは終始怪しかったし。 レイア姫が着るものの趣向なども結構気持ち悪さ(偏愛っぽさ)が出ていたので、納得。 んー最後がスカッとしないのが良さでもあり悪い部分でもあるのかな。 誘拐の動機や、返した動機もはっきりわからない、、。なんで女の子として育てたのか?なんでダフネという人物が必要だったのか?

    2
    投稿日: 2023.02.13
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    素晴らしかった。ここ最近は大学関係の義務的な読書ばかりだったため自分で選び手に取った本は久しぶりだったが、読書の楽しさを思い出した。 特に本が大好きだった小学生の時期を思い出すように読みふけって一気に読んでしまった。 星5では足りないくらい。大好きな世界に浸れた。

    0
    投稿日: 2023.02.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    美しい文章にすごい惹かれたけど最後の展開にびっくりした どんでん返しがあるのは分かってたし父親が犯人とかかなっていうのは薄々感じてたけどまさか!っていうのがたくさんあった 読んでる人はレイアが男の子だと絶対に勘付かないし、まさか舞台が日本だとは思わないと思う 舞台を日本だと思わせないところや時代が中世ヨーロッパとかそこら辺を感じさせる文章の美しさと綺麗さにやられるそんな作品だと思う

    0
    投稿日: 2023.01.15
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    盲目で囚われの幼い王女レイアの物語。美しい文章で耽美な世界観が綴られていきますが、やがて... まあビックリな展開でした。そう来ますか。 現実世界に目を背けて、ただたたこの耽美に浸っていたい感じもしますが、ラストシーンと皆川博子さんの解説がまた耽美でよろしいかと。

    0
    投稿日: 2023.01.10
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    オンラインビブリオバトルで紹介された本。紹介された方は「何も知らないで読むべき本」と説明。プロットには触れず、澁澤龍彦風の雰囲気のみを語ってくれました。 興味を覚え、ブックオフで購入。大船のやきとん屋で読み始めたらやめられず。1人飲みで泥酔してしまいました。 ものすごい娯楽本。裏表紙も読まない方がいいです。できれば、本を買ったらすぐにカバーを捨てて頂ければと。 正月休みに読むのに最適な本。お勧めです。

    1
    投稿日: 2022.12.31
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     耽美な物語だった。なぜ犯人はレイアを返したのだろうか。美しい物だけを幼少期から教え込み、いきなり現実世界に戻されるのはあまりに酷い。最初から一緒にいるのは優しい父と認識しており、ストックホルム症候群にもなっていない(実の父親の印象が2〜3歳とはいえ薄過ぎるのが気になる)。  違和感は夏目漱石が出た時点で、架空ファンタジーではなく同じ世界線なのかと感じ、その後初潮のくだりでも感じたが、まさかこんな意味だったとは。

    1
    投稿日: 2022.12.05
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    随分前に読んだ記録。 書店でたまたま目にし、他では見たことなかったから興味あり購入。 非現実的でファンタジーっぽいのは好みじゃない私でも帯の言葉に興味をそそられたのは間違いない。 国王とか盲目のお姫様とか、、、勝手にハイジの世界のクララをイメージしてみたり、、、 そして、、、面白かった!期待を裏切られなかった。

    1
    投稿日: 2022.12.02
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    面白い!時代も国も全てを超越して裏切られる…すごい本があったもんだ…。ミステリーだけにとどまらず、主人公を取り巻く環境も文学的でもある。 初めて読んだ著者だけど、本当に面白い。

    2
    投稿日: 2022.12.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「なぜ攫ったのか」「夜のダフネの行動が謎」等、感想を書こうと思ったけど、「レイア1」も「レイア2」もレイアが書いたんだった。それじゃ真相は分からないよなぁ… 2人で対峙(?)する終わり方はとても良い。 「接吻」とか出てきた辺りで嫌な方向に行くのかと不安だったけど、そうならなくて良かった。

    6
    投稿日: 2022.11.08
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    盲目の王女がお城で生活する話。 終盤で、ある出来事が起こって物語が大幅に転換するのだけど、その仕掛けには中盤あたりで気がついてしまい、「なるほど、やっぱりね」となった。 でも一部の真相には無理があるように思えるけど、そこにもある仕掛けがあって、なんというか、真実は読者に委ねられていたのが、人によっては好みが分かれるかも…

    0
    投稿日: 2022.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公は王女として生きる方が幸せだったのではないか。この作品の真骨頂はどんでん返しでは無い。光とは本当に美しいのか、闇の方が美しいのではないか。どんでん返しはそれを読者に考えさせる為の手段に過ぎない。世の中には知らなければいいこともあると考えせられた本だった。星5でふ

    3
    投稿日: 2022.09.02
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    まさかの展開で驚かされた小説だった。そのまさかを踏まえた上でもう一度読んでも面白く、おすすめの小説を聞かれたら1番におすすめしたくなる私の中では今のところNO.1の小説だ。

    1
    投稿日: 2022.08.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大どんでん返しが待っているとは… 前半と後半で雰囲気ががらりと変わる。 今まで信じていたもの、信じ込まされていたものが一気に崩壊する瞬間がたまらなかったです。 ミステリー?とはまた違う世界観

    1
    投稿日: 2022.07.20
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    読み終わってから暫く呆然としていた。この後の展開がどうあって欲しいですか?と作者から問われたら…?悲惨な現実世界の中で生き抜く力が欲しいと思った。

    1
    投稿日: 2022.07.05
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    後半ガラっと変わるという感想を見ていたので、何の驚きもなく…。 全く知らなかったとしても、面白いと思わなかったかな。

    2
    投稿日: 2022.07.02
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    後輩オススメ本。京都行きの電車のお供に。 どんでん返しがあるって分かっていても面白いし騙されると思う。ただ最後のほうが何年経ったのか、誰の視点なのか一瞬分からなくて読み辛かった。囚われの身の盲目のお姫様レイアとその父との美しい生活。本、絵画、音楽が2人の生活の中で沢山出てくるんだけど芸術って優雅で贅沢なものだなと思わされる。視覚が無くても他の感覚があれば贅沢を味わい素敵な生活が送れる、寧ろ視覚が無かったからこそ他の感覚を研ぎ澄ませて最高のそれが味わえたんだろうな。結末を分けるなら多分メリーバッドエンド、私はモヤモヤした。世界観と合わせて表現するなら飲んだ贅沢な高級ワインに遅効性の毒が入っててそれが効いてきたような読後感。あれも伏線か!ってなる。

    1
    投稿日: 2022.06.25
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    何だかすごくせつない気持ちになる ムーンレイカー。愚か者って誰なんだろ 今までに読んだことない本。読んでみないと分からない。

    1
    投稿日: 2022.06.12
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    すごい。。 6割くらいまで何も疑わなかったけど思い返せば、伏線がたくさん… これは再読必須。 前半の描写が美しい。 私もレイアの視点から繊細な描写を想像して楽しめた。 まさに純粋無垢の美しさって感じ。。 タイプの世界観そのものだった。 途中から不穏になり妖艶になり… どんでん返し。 最後は、、 もう一度読みたい。

    1
    投稿日: 2022.06.07
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    ちょっとメルヘンの世界が長過ぎるんとちゃうの? どう繋がっていくのかと… 少しイライラ… 大どんでん返しと言えばそうやけど、たまに、こんな事件あるな。 こんな誠心誠意に育てて貰ってないけどね〜 レイアが大人になって来て、真実が明らかになっていくのは、王様が罪の意識が出て来たのか、レイアが大人の兆候が出て来たからか… 現世に戻っても、メルヘンの時代が忘れられないのは、こんな感じで生活してたらそうなんかもしれん。 メルヘンの世界ほど、現世はキレイやないし、綺麗事やなく生きていかなあかんしな。 しかし、レイアさんは、これからも結構、ツラく生きていかなあかんのやろな。 まぁ、これが現世での真実の生き方なんやけど、また、メルヘンの世界に行くんかな? とは言え、どんでん返しなかなかでした〜(^_^)v

    52
    投稿日: 2022.05.28
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    【ネタバレ厳禁.ᐟ.ᐟすべての世界が崩れゆく快感】 森の奥深く囚われた盲目の王女・レイア。父王からの優しく甘やかな愛と光に満ちた鳥籠の世界は、レイアが成長したある日終わりを迎える。そこで目にした驚愕の真実とは…… 物語について感想を述べたいが、何を書こうにもネタバレになってしまうので難儀だ。 ミステリーというより、現代のおとぎ話のような、文学のような、読了後は考察したくなるような作品である。 題名にもある“闇と光”。 主人公レイアにとっての“闇と光”がある日を境にひっくり返るのだが、レイアにとっての“闇と光”はどちらかという疑問は、読者にとってそれぞれ感じ方が違うのではないだろうか。 物語のラストでもその回答は得られず、不条理に巻き込まれたレイアのその後がどうなったかは読者に委ねられるので、読了後はぜひ考察してみて欲しい。 今作には美術、文学、音楽など芸術の描写が多く出てくるのだが、盲目のレイアが思う美しさと、不条理の対比が残酷で美しい世界観を表現している。 作者は早くに亡くなられてしまったが、他の作品も読んでみたくなる。 味わい深い作品だった。 こんな人におすすめ.ᐟ.ᐟ ・どんでん返しが好きなひと ・ダークファンタジーが好きなひと ・原田マハが好きなひと ・イヤミスが好きなひと

    2
    投稿日: 2022.05.24
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    ネタバレになるので、詳細控えるが、描き方が美しい。あまりない視点からのミステリー。 途中で、ネタバレの一つには気づいてしまったが、最後まで、あれもそうだったのか、な展開は楽しめた。 作者は亡くなってるそうで、もう新作が望めないのは残念だ。

    2
    投稿日: 2022.05.23
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    結構前に読んだのですが、帯にもある通りどんでん返しが凄かったです。 思ってたどんでん返しの5倍ぐらいひっくり返りました。 最後の1ページまで味わい尽くせる本です

    1
    投稿日: 2022.04.08
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    嗚呼! 凄い! 美しくて、切なくて、おそろしくて……。 予想をはるかに上回る読書だった。 久しぶりに「はっ」と声が出てしまった。 この作品は何を書いてもネタバレになってしまうので、何も書けない。 もし、自分が誰かのレビューでネタを目にしてしまい、それから読んだとしたら、きっと腹を立てるだろう。   一般的に、トリックというのは道具であり手段だと思っています。 ですから、たとえそれがどんなに複雑で精巧な仕掛けだとしても、トリックを披露するためだけに作られた物語には心惹かれません。 感心はしますが。   本書は……私程度ではうまく太刀打ちできない、説明できない、美しく切ないミステリーでした。   この本を教えてくれたブグログの方々に感謝。

    51
    投稿日: 2022.04.03
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    本の帯ではやたらと「どんでん返し」の凄さについてアピールされており、実際中終盤の怒涛の展開は面白い。 しかしこの作品の最も素敵なところは前半部分の退廃的で耽美的な世界観であり、そういった作品が好きな人にこそおすすめしたい。 逆に言えば、ミステリ好きな人がどんでん返しだけを期待して読むべき作品ではない。

    3
    投稿日: 2022.03.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読後に色々な感想を読めば読むほど混乱してしまい、どれが大どんでん返しだったのかすらわからなくなりかけました(笑) 現実に引き戻されてしまった今、一つだけはっきりしているのは、私は前半の、レイア姫の頭の中に広がった世界も割と好きだったな。ということくらいです。 前半読んでいた時は「この章長いなー」とか思いながら読んでいたのに…。ごちゃごちゃになってる頭の中が整理出来たら、また読み返したい一冊です。

    0
    投稿日: 2022.02.16
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    幻想的なゴシックミステリー。前半部分はとにかく耽美。可憐な盲目の少女と彼女にさまざまなことを教える“父親”二人の世界は閉じて、どこまでも美しい……。 その世界が崩れる時、読者は力任せに現実に引き戻される。 とにかくすごい。騙されたい人みんなに読んでほしい

    3
    投稿日: 2022.02.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    幻想的な表現とゴシックな雰囲気に包まれた一冊。多少表現が独特なところと、視点が入れ替わるところから読みにくい印象も受けた。 読む前からどんでん返しだということは聞いていたので、どんなどんでん返しがあるのかと思っていたらまさかのレイアが男の子でダフネは和泉高雄の一人二役など驚かせる要素がたくさんあって面白かった。 最後は、メリーバッドエンドかなぁと思いました。彼は光の中の闇を見てそれを自分を誘拐した父に求めた。洗脳でここまで社会との関わりが途絶えた人間の価値観が変わってしまうのかと思った。そしてそこから解放されたとしても今までいた環境とのギャップで悩んでしまうところがとてもリアルであった。 最後に、大木怜=おお、綺麗となるの所が和泉が彼に抱いてた印象を表わしているのかなと思った。 この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。 レイア:水瀬いのり/松岡禎丞 父(和泉高雄):井上和彦 ダフネ:茅野愛衣 沢先生:安野希世乃 大木洋子:早見沙織 大木章二:小山力也 美奈子:佐倉綾音

    38
    投稿日: 2022.02.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    内容に触れずに感想を書くのが難しいので今回はネタバレありで。 あらすじでどんでん返しを匂わせるのはやめてくれ! しかし、本作は読者を騙すことに全力集中でネタバレして終わり!ということはなかったので良かった。 謎が明らかになった後も、それまでの幻想的な雰囲気を引き継いで物語が続く。 謎も単純な一つではないのもよかった。 舞台が単なるファンタジー世界ではないことには気づいたが、まさか自己認識まで偽られているとは。 美しいものへのあこがれを植え付けられてしまったあとで現実の醜さを知ったら、もう一度戻ろうと自分の目をつぶして父の元に戻るくらいのことをするかと思ったが、ある意味それ以上にグロテスクな結末だった。 結局父から離れられない怜、そして過去をうやむやにしたまま怜を弄ぼうとしている父。 はっきりとさせないことで、善悪の議論を挟みにくくなっているのが怖い。 父が完全に仕組んでいて、怜は被害者だとはっきりすれば単純で分かりやすい話なのだが。 形が変わっただけで、怜が父の支配下にあることは変わらない。 なのに、またあの美しい日々が始まると読者にまで何か期待させてしまうような状況になっていて恐ろしい。

    7
    投稿日: 2022.01.25
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    とにかく美しい世界を見たって感じ。 主人公のレイアは森の奥に囚われた盲目の王女。 レイアの視覚以外の五感から至上の美を感じた。 途中でなんとなく仕掛けはわかってしまったから、ミステリものとして読むべきではない、、と思う。

    7
    投稿日: 2022.01.10
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    最初の方はあまり動きがなく退屈だったが、後半に差しかかると緊迫感がすごくてドキドキしながら読んだ。 あらすじに「ミステリ」とあったので頭から疑いの目で読んでいたけれど、想定していた上をいかれた。 結末がとてもふわっとしていて、それが作品の色ではあるのだろうけど、個人的にはもっと明確なものが欲しかった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 森の奥に囚われた盲目の王女・レイアは、父王の愛と美しいドレスや花、物語に囲まれて育てられた…はずだった。ある日そのすべてが奪われ、混乱の中で明らかになったのは恐るべき事実で―。今まで信じていた世界そのものが、すべて虚構だったのか?随所に張りめぐらされた緻密な伏線と、予測不可能な本当の真相。幻想と現実が混ざり合い、迎えた衝撃の結末とは!?至上の美を誇るゴシックミステリ!

    0
    投稿日: 2022.01.08
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    盲目の姫・レイアは「父」と共に幽閉されていた。 目が見えずとも、音楽や小説に彩られた耽美な日々をおくっていたが、突然外に連れ出され、世界の真実を知ることになる。 美とは、闇とは、光とは…? 読み終わったとき、あなたの世界も変わるかもしれない。 アニメーション学科3年

    0
    投稿日: 2021.12.25
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    目の見えないお姫様と国を取られた王様の、幻想小説のような雰囲気で始まり、いったいどういう展開になるんだろうと先の見えない物語でした。レビューも目次も見ないで読むことをお薦めします。?

    0
    投稿日: 2021.11.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    騙されました! 異国の地ではなく日本だった事。 王は誘拐犯だった事。 ダフネと一人二役だった事。 実は男の子だった事。 ストーリー中に伏線やヒントが多々与えられているので、気付く人は気づくのではないでしょうか? 私は日本だったことくらいしか気づけませんでした笑 ダークがダフネにも懐いていた理由に納得! ただ面白さが右肩下がりだったのが残念。

    1
    投稿日: 2021.11.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    粗筋もレビューも見ずに、真っ新な状態で読んだなら数倍楽しめたのにと思いました。 最近はある程度情報収集してからの読書が多いので、“どんでん返し”“一転する”というキーワードに期待し、或いは予測しながら読んでしまうことが多いです。それでも驚くことは多いし、予想の上をいく展開があったりするので十分楽しめるのですが、この作品はその展開に驚きたかったなぁと思いました。 前半のゴシックの世界観はとても好みでした。

    0
    投稿日: 2021.11.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    “真に己の魂を震わせる「美」であり、魂によって選び抜かれた「極上のもの」”の描写が凄い! 前半の盲目レイアの見る世界が美しくて、色の説明でさえも美しく感じる。 しばらくその世界によっていたら、急にきた!!どんでん返し!! 「え?そういうこと?」って驚きますよ。 って尊敬する司書さんから勧められて借りた本だったが、まさかの半分でこの世界終わりー?って残念極まりない。 王とタブネが同一人物かもっとは思ったが、男の子であるのは、見抜けなかったなぁ…。 なぜ誘拐指したか、その背後に迫る感情が物足りなかった。ダフネがいなくなったからって目の前の病気の猫でさえも拉致しないよね? と思ってしまった…。 思わず 「えっ」って声を潜めず声に出すくらい驚いた本は初めて。8割レイアの世界だったらもっと読後は良かったかなぁ〜。

    0
    投稿日: 2021.10.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ついに、やっと、読みました。 寝る直前に軽い気持ちで読み始めたのですが、案の定やめられなくなってしまい、夜遅く最後まで読んでしまいました。 読み終わった後、いろいろ考えてしまって寝られなかった…。 前半と後半の落差が非常に大きく、え?、え?!と、わたしが主人公か?というくらい戸惑いました。 わたしは前半のパートがとても好きだったので、唐突に終わり、つまらない、何の味もしない色もないような日常が始まり寂しかったです。 とは言っても、なるほどそういうことかと理解し、見えないことが見えるようになってから読者が考えるのは「なぜ」ということかと思います。 多くの人が「なぜ」の説明があることを期待して読み進めるでしょうが、結局最後まで答えはわからぬままでした。 なるほど、の後、前半のことを考えてみても性別のこと、そして一人二役ということには気づけませんでした。 ただ、現実的なことを述べると、肌着を変える描写だけなのはどうしてなのだろうとは思いましたが、父親でしかも王であるため、知識や経験が乏しいのだと勝手に理解してしまいました。 描写がないだけできちんと当て布でもしたのかしら、と思っていました。そんなに細かく書くことではないし。 性別はうまくごまかせるとしても、一人二役は難しいのではないでしょうか。 レイアが幼いうちに途中でダフネを退場させたのは正解だったかもしれません。 目が不自由だと、耳から情報を得るため、聴力や音から空間を把握する能力が高くなると思うので、声がする方向や衣擦れの音、靴音から一人だということがわかってしまいそうです。 また、いくら声を作っても、男の人が女声を出すというのは難しいような気もします。 でもレイアは父と二人きりで、女性がどのようなものかを知らないので、うまくごまかせたのかもしれないですね。(実際、声の低い女性はいます。) ダフネはフネを投影したキャラクターで、レイアに父の優しさや信頼感を植え付けるための必要悪的な存在であったのかもしれませんが、同時に原口のもう一つの顔でもありました。 レイアを意のままにして可愛がる一方、夜中、ダフネとして部屋に来て、邪魔だ、殺してしまえば、などと言っていたのは原口の本心なのでしょう。 怜の本当の家族によって、警察によってこの暮らしが壊される不安、成長したレイアが閉ざされた檻から出て行ってしまう不安、罪悪感、良心、などがダフネを構成していたのかもしれません。 ダフネが部屋に来る、ということを知った時の反応は本当に知らなかったように感じられるので、酔っていて記憶がなかったのでしょうか。 ダフネと決別したのは、自身のそういった負の感情を自分で否定しようとしたのかも、とも思います。 特にレイアが成長してからのやり取り、「罪と罰」について、などは自身の罪を自覚していたからこそ、レイアに痛いところを突かれて罪悪感などもより感じたかもしれませんし、ダフネとして夜中レイアに恨みつらみのようなものを言っているのも、良心の呵責に苛まれているように思えます。 食事や衣服、教育も上質なものを与えていたようですし、怜を丁寧に扱い、大事に育てており、どういった類のかはわかりませんが、愛情を持って接していたのだと思いますが、 とはいえ、親から引き離して独創した世界を与えていたというのは、法で裁ける罪ではないかもしれませんが、非常に重い罪ではないかとさえ感じます。 そもそも善悪の判断がつき、まともに物事を考えられる人は幼児を誘拐したりはしないわけで、誘拐の動機も少なくとも同情に値するものではありません。 成長した怜と対峙した原口に罪悪感や反省の態度は見られず、実際のところ前述の感情でさえ、「我が子へ不便な生活を強いることへの父としての不甲斐なさや罪悪感」、「国を守れなかった王としての反省」といった 虚構の人物を演じるための材料だったのかもしれません。 非現実的で極端ではありますが、誰しも周りの人間に対して二面性を持っており、ある時は人を好きで、役に立ちたくて、優しくしたくて、大事にしようと思うのに、ある時は同じ人に対して憎らしく、顔も見たくないと思い、どうなってもいいとさえ思うことがあるでしょう。 皆が皆、心に闇と光を持っているのだと思います。

    2
    投稿日: 2021.10.16
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    どこの国の物語かと思っていたら、ぐるりと引っくり返る価値観。 物語の中で語られるお話、絵画、音楽の選び方に築きたい美の王国の世界が広がっていてため息が出るようでした。 このラストからきっと新しい世界が始まるに違いない、その耽美の雰囲気に目眩がしそうです。

    1
    投稿日: 2021.08.16
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    父王とともに幽閉されている盲目の娘レイア、意地悪な世話係ダフネと犬のダークと暮らすクローズドな世界。解放され手術で目が見えるようになる。日本、現代、誘拐された幼児、男の子。俗人の父と母、かつての極上だった闇の世界。 世の中に多くのものがたりがあふれている今だから、普通に異世界・異時代のフレームで認識していたけれど、そういうフレームの存在を考えさせられました。

    0
    投稿日: 2021.05.22
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    59歳でがんで亡くなったこの作家を本書で知りえたのは収穫でした。以下、ネタバレ注意。 しかし、これはどんでん返しミステリーではないと思う。始めから終わりまで、突然さらわれて違う生き方を強いられた子供の悲劇を描いた物語。もちろん、目が見えない、偽って女の子と育てられる、しかも中世の王女として・・という変わった趣向はあるものの、その体験は事実で、取り消すことも書き換えることもできない代物という意味において、さらわれた子なら誰もが一生つきあっていかなければならない忌まわしい記憶です。これは、甘美な幻想ミステリーなどと称賛してはいけない幼児誘拐犯罪小説です。

    0
    投稿日: 2021.05.21
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    一気読みしてしまった。盲目の王女レイアの、暗闇の中ながら色や音楽、季節や外の空気を感じている描写が秀逸、かつ流れるように読みやすい文章。幻想的な世界でありながらもミステリーであり、後半で一気に謎が解決していく。 これからどうなるんだ?真実は何だったのか?続きが気になって読む手をやめられませんでした。

    1
    投稿日: 2021.05.19
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    読者に挑戦状!どんどんハマるミステリー小説10選!【前編】〜騙される快感を味わえる傑作〜 で紹介されていたので早速読んでみました。 とある王国。「D」の一族ではないけれど…

    0
    投稿日: 2021.05.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公も取り巻く世界も、これほど大きく違っていたことに衝撃的だった。前半の世界のレイアがどうなるのかと思って読み進めたら、夢の世界から醒めたがごとくの展開になり、印象的でした。真相知りたくて、後半は一気に読んでしまった。

    2
    投稿日: 2021.05.05
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    盲目のレイア姫の視点で語られる前半が秀逸 目で字を追いながら、暗闇の世界を追体験 レイアの成長と共に広がっていく世界を体感できるような感覚で 異様な世界観ではあるけど、気持ちの揺らぎがスッと入ってきた この前半をたっぷり堪能できたが故、 真相が分かり別の方向に世界が広がっていく後半の感情の動きもずんとくる ラストもまぁ、必然かなぁ… 叙述トリックやどんでん返しを楽しむような話ではないと思う フランス映画を観たような感じ、でも小説でないとできない表現 とても面白かったし、何よりもタイトルセンスが良い

    3
    投稿日: 2021.04.30
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    世界がひっくり返ってから驚きの連続!美しいもので溢れた世界で暮らすお姫さま、レイア姫…。お姫さまは情報が制限されているからこそ最上の美を想像できる。世界を自分の中で創りあげることができる。 誰かにとって神や世界そのものになれたとしたら…という少し危ない想像を膨らませてしまった。でも小さな子どもにとっての親は神であり世界そのものになりうるし、身近に神の力を持つ人はたくさんいるなぁ。 美しいものに惹かれる人たちが組み上げた夢の世界を覗けて最高だった。 終わりかたも淡くてふんわりした陶酔を残してくれる。全てを語らないのでこの物語の世界の続きを私の中で創り上げることが許されている。美と想像の力を感じた。

    1
    投稿日: 2021.04.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    グノーシス主義なんで評者(私)の思想とは合わないけど、ひとつのテーマをもとに作品としてうまくまとまってる ラスト一行がばっちり決まってる 伏線としての犬の使い方がよかった とはいえ「犯人?」がなぜあんなことをしていたのかという疑問は残るので、そこは難点かな

    0
    投稿日: 2021.04.20
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    読んでいるこちらも実際にその情景を見ているのではなく、頭で想像しながら読んでいくため、盲目の主人公とリンクしながら読めるのではないかと思いました。 後半のどんでん返しは声を出して驚いてしまいました。

    1
    投稿日: 2021.04.15
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    この表紙からは 予想ができないような結末でした 後半はもう一気に読んだ 盲目の主人公にとって なにが幸せでなにが不幸なのか 文章表現がとにかく細かいので 想像を掻き立てられるようなお話です

    3
    投稿日: 2021.03.02
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    独特の世界観。 とても綺麗な作品だった。 ミステリなのかは分からない。 幻想的なゴシックかなぁ。 私は夢を見ていたかったな、とも思ってしまうけれど。 タイトル通り、闇と光の物語。

    1
    投稿日: 2021.02.18
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    盲目のレイアは優しい「おとうさま」と自分に厳しい「ダフネ」に世話をされ建物の2階で暮らしている 会話の端々から、お父様は国王でダフネは敵国の人だとわかる おとうさまは暴動が起こらないように時々遠くまで出かけていく 1階には違う国の言葉を話す兵士が見張っていて、見られたら殺されてしまうとダフネは言う ダフネは夜な夜な眠っているレイアに向けて「殺してやる」とつぶやくが、実際に殺すことはしない その生活が終わるとき、自分の立場が判明する 何というか、何を言ってもネタバレになりそうで詳しく語れない ってか、ジャンルは一応ミステリになるのか? 犯人の動機はよくわからないけど、とりあえず犯罪は起こっていたようで ただ、その人が真犯人なのかは不明 ただなー 何というか、無理がないか?とも思う 伏線がスゴイと読書会で紹介されて読んだわけだけれども 確かに色々な伏線がある まぁ、フェアな方なやつが どんでん返しミステリはそこそこあるけど 二度三度とひっくり返されるのは珍しい そして芸術や文学に関する描写が文学ちっく 幻想小説としても価値はあるんじゃなかろうか

    0
    投稿日: 2021.02.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ゴシックミステリって何? って思いながら読み始めた本作。しかし、読み始めてすぐに分かった。中世を想起させる世界観と閉塞的な環境で繰り広げられる、どこかダークな描写こそ、確かにゴシックらしさなのだろう、と。 没入しやすい世界観、かつゴシックとは、まさに僕の好きなジャンルで、読んでいて楽しかった。←これが叙述トリックに気がつく前の感想。 『囚われの姫』の章からの展開に、最初は何が起こっているのか分からなかった。 看護師の「あなたが喋っているのは日本語よ」って言った時、さすがに疎い僕でも何が起きたか気がついたし、読書(日本人の本)という先入観自体も利用するトリックに鳥肌が立った。と同時に、もう一回最初から読み直してみたいと思った。きっと伏線だらけだろう。 そこからは早かった。「わたし」と言うことをすりこまれた「僕」が自分をさらった人物を見つけるために奔走する。何度も言うことかもしれないが、前半からは全く想像もできない展開で、本当に内容の同じ本を読んでいるのかと不安にもなった(笑) 終わり方もどこかしこりを残したものになっていて、好きだった。 改めて、世界観が素晴らしい。 この本を飾りたくなるようなくらい。一種の絵画みたいな。

    0
    投稿日: 2021.01.15
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    表現が豊かで綺麗。 設定が面白く、最後どういう展開へと繋がっていくのかとワクワクして読めた。 ただ、大どんでん返しというのは過大。 どんでん返し系だと知らずに読みたかった。

    0
    投稿日: 2021.01.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    服部まゆみ氏を知っているかどうかで変わってくるのかなと。僕は初めて読んだので、本当に中世ヨーロッパを舞台とするような物語を期待した。そうしたファンタジーを書くような人だと思い、だからこそ入り口で騙された。欲しかったのはそんな話ではない!と思ったが、まぁ読んで後悔はしていない。

    0
    投稿日: 2021.01.01
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    三つ子の魂百まで。 このような形のネガティブな愛情は知らなかった。 世界観が良く、言葉の端に伏された鍵。ラストの種明かし。物語のその後はどうなるか妄想したくなる余韻。読み応えのある作品。

    2
    投稿日: 2020.11.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    盲目の方が見る世界を描くのは難しいと思う。「春琴抄」で感じたが、視覚に頼らないと他の五感を全て使ってその人物の生きる世界を表さなければいけない。 音楽や文学、芸術を楽しむ主人公の生活に魅力を感じた。見ることができる素晴らしさ、目に頼らない芸術の楽しみ方考えることができた。 被害者が誘拐犯に心酔していくのはよくあるが、その内情はそれぞれで面白い。 作品の雰囲気的に海外実写化すると面白そう!

    0
    投稿日: 2020.08.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    文章が美しい。今まで読んだ小説の中で1番と言っていいほど好みでした。 前半の美しい描写に酔いしれていると、後半でその世界がガタガタと崩れ去る。 真実が解ってからは、あの美しい世界を奪わないで…。 優しいお父様嘘だと言って…。と切なさが心に染み込んで消えないまま読んでいました。 最後のレイアとお父様のやりとりには涙してしまいました。 美しさとはなんなのか。虚像と現実。 ミステリー的にも、メッセージ性的にもとても魅了される作品です。 

    1
    投稿日: 2020.08.13
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    Beautiful and mysterious. I couldn’t expect that ending! The world and atmosphere has changed a lot in this story. It didn’t take long time to finish this book, it was great.

    1
    投稿日: 2020.08.10
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    面白かったです。 前半の中世のヨーロッパのような描写。どこを取っても綺麗で穏やかな日々、ファンタジスティックな印象を受けました。 後半からの怒涛の展開には驚かされました。 絵画や、作品の名前、著者、思想など沢山出てきて少し、うわ〜となった部分もありましたが、とても面白かったです。 ラストも凄くイメージしやすく、モヤモヤしつつも、素敵だなあと、思いました。

    0
    投稿日: 2020.07.26
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    好きです。美しい文章に魅せられる。 敵国に落ち幽閉された、盲目のお姫様と、娘を慈しみ育てる王様の話。 視界がない方が本質が見えるんじゃないか。 何を言ってもネタバレになりそうだから言葉はつぐみますが、ちょっとした違和感が積み上げられていきながらも読み進めると、極上な結末がわかります。

    0
    投稿日: 2020.07.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    深いなぁ。 故に理解するのはやさしくないと思います。 本書をどう表現すればいいのか、確かにミステリー作品で、相当などんでん返し。 異国を舞台にし、父王の愛と美しいドレスや花、本や絵画等に囲まれた屋敷で生きる盲目のプリンセスレイアの物語。 のはずであった。 幻想と現実が絶妙に混ざり合い、読者を惑わせながらたどり着く驚愕の真実。 個人的には間違いなく好きなジャンルであるはずなのですが、読後感が今までに読んだ(他の作者が書かれた)ミステリー作品とは全く異質。 読者それぞれで、ある意味、違った感想を持たれる作品だと思います。 説明 内容紹介 森の奥深く囚われた盲目の王女・レイア。父王からの優しく甘やかな愛と光に満ちた鳥籠の世界は、レイアが成長したある日終わりを迎える。そこで目にした驚愕の真実とは……。耽美と幻想に彩られた美しき謎解き! 内容(「BOOK」データベースより) 森の奥に囚われた盲目の王女・レイアは、父王の愛と美しいドレスや花、物語に囲まれて育てられた…はずだった。ある日そのすべてが奪われ、混乱の中で明らかになったのは恐るべき事実で―。今まで信じていた世界そのものが、すべて虚構だったのか?随所に張りめぐらされた緻密な伏線と、予測不可能な本当の真相。幻想と現実が混ざり合い、迎えた衝撃の結末とは!?至上の美を誇るゴシックミステリ! 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 服部/まゆみ 1948年、東京生まれ。現代思潮社美学校卒業後、加納光於版画工房にて銅版画を学ぶ。87年、『時のアラベスク』で第7回横溝正史賞を受賞しデビュー。幻想的かつ耽美な作風と、巧妙に仕組まれたトリックとが見事に融合した作品の数々は、熱狂的支持を受ける。2007年、永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    8
    投稿日: 2020.07.11
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    確かにこれはどんでん返し。 耽美な文章と世界観に引き込まれる。おとうさまとの幸せな時間や、繊細で丁寧な暮らし。 非常に頭の良い主人公。 この小説を読んだ後の感覚を文章に起こすのは非常に難しい。 あらすじほど驚くようなどんでん返しはないものの、確かに驚くようなトリックはある。 また、随所に散りばめられた見えない仕掛け。読了後に読み返したくなる秘められた伏線。タイトルや目次にもそれらが見受けられる。 読み終わった後に、その人なりの光と闇が見つけられるだろう。

    0
    投稿日: 2020.07.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    意外と読後感すっきりなことに違和感をおぼえてしまう新しいタイプの物語。 このあと、二人が仲良く暮らしてるといいなぁという希望。

    0
    投稿日: 2020.07.05
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    とある王国で囚われた盲目の王女、レイア。 父の寵愛を受け、物語に囲まれて過ごした日々が、ある日を境に一変する。至上の美を誇るゴシックミステリ。 なにやら、どんでん返しがあるらしい、そうあらすじを読んで、レビューなどうっかりネタバレ要素がありそうなものはなるべく視界に入れないようにして、読むのを楽しみにしていた1冊です。 結果、どんでん返しも楽しめた。 けれど、私はそれ以上にこの耽美な世界に酔いしれた。 囚われて制限された生活だからこそ、与えられた良質の本や音楽を足掛かりに、どこまでもその世界にのめり込める。それがいかに贅沢なことか。 いや、本当はそんな囚われた生活よりも自由の方が望ましい、そう頭では思うのに、どうしても酔いしれてしまう。 精神世界はどこまでも自由で豊かで、どこへでも羽ばたいていける。不自由な者のみが手に入れられる自由、というものにすっかり私自身囚われてしまった。 麻薬のように甘く美しい世界に触れ、何日も余韻が消えず、正直困った。思い返してもドキドキする。

    12
    投稿日: 2020.07.05
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    この作者の作品は初めて読んだ。あらすじからもっととんでもないどんでん返しがあるものと思っていたのでちょっと拍子抜けしたものの、文体や構成がとても美しく解説で皆川博子さんが書かれていたように正しく薔薇の香りがするような小説だった。主人公がこの先どう生きていくのか興味は尽きない。

    0
    投稿日: 2020.06.22
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    前半は盲目の王女レイアとその父王のやりとりがメイン。 後半で一転する世界に「やられた!」と叫びたくなった。 随所に伏線が散りばめられていたけど、全然気づかなかったなあ。 見事すぎるミスリードでした。 カバー表紙も美しい。 開かせていただき光栄です、のカバーも素敵だったし佳嶋さんのイラスト好きだな。

    0
    投稿日: 2020.06.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    病院でふと見つけた目の見えない男の赤子を誘拐して、女として育てる。設定は中世ヨーロッパで、躾に厳しいダフネと優しい父の二役を、沈丁花の香水を使うことで演じる。

    0
    投稿日: 2020.06.07
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    すごく衝撃的な内容だった。 最初のゴシックな部分に散りばめられた、現代の部分。 おかしいな、なんで車もテレビもあるんだろう。お父様のポケットで鳴るブザーも現代すぎるよな、と思いながら読み進めていって、最後であぁ、やっぱりな。って思った。 読み終わって、いや、よく考えると怖すぎるなって寒気。 ただの誘拐じゃなくて、ずっと女の子と思わせ続けて育てるなんて怖すぎる。 でも、なんとなく、なんとなくだけど、実際こういうことがいつか起こりそうだなぁって。 本当にこういうことされるとれいちゃんみたいに、心に負う傷は相当なものだろうなぁ。 あー、怖いなぁ。

    0
    投稿日: 2020.05.25
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    「身の周りに在るものは全て美しく華麗であらねばならない。接するものは全て極上のものであらねばならない……闇の幻想としても…。」 何を書いてもこの作品を初めて読むときの感覚の妨げになるだけなので、ただうっとりとして、前半と後半でガラリと変わる世界に浸っているのが心地好いです。 本当に貴方がおとうさまなの?は想像にお任せ、なのも好き。 皆川博子さんの愛溢れる解説も素敵です。

    0
    投稿日: 2020.05.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    評価は高いが、わたしはあまり面白くなかった。 カセットデッキやCDなどの言葉に違和感を感じていたし、多分男の子なんだろうとなんとなく気が付いてはいたが、闇と光の世界のギャップがあり過ぎるだろうと思った。 犯人の動機もいまいちはっきりしない。 やがて身体が大人になってきたからいらなくなったのか。レイアは彼に会いに行ってその後、いったいどうなったいうのか。 どんな気持ちで、髪の長い中学生の男の子にドレスを着せて、毎日毎日愛でていたのだろうと思うと気味が悪い。

    0
    投稿日: 2020.04.03
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    面白かった! 最近1番のヒット作。 こんなに最初からドキドキしながら読んだ本は久しぶり。 展開がわからず ワクワクして 少し怖くて本に引き込まれていった。

    0
    投稿日: 2020.01.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    意外な結末だった。 レイア姫、お父様、ダフネの正体が意外すぎた。しかし、場面がいきなり跳ぶところもあって、少し読みにくかった。

    0
    投稿日: 2020.01.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    森の奥に囚われた盲目の王女・レイアは、父王の愛と美しいドレスや花、物語に囲まれて育てられた…はずだった。ある日そのすべてが奪われ、混乱の中で明らかになったのは恐るべき事実で―。今まで信じていた世界そのものが、すべて虚構だったのか?随所に張りめぐらされた緻密な伏線と、予測不可能な本当の真相。幻想と現実が混ざり合い、迎えた衝撃の結末とは!?至上の美を誇るゴシックミステリ! とても、面白い作品だった。王女と思われていたレイアは誘拐された男の子だし、登場人物は、誘拐犯の自演だったりと予想を裏切られることばかりだった。エピローグ的に描かれた最終章のトリック解説も本当に誘拐されたことなのか、小説の中の小説なのかが分からないようにしてるのも面白かった。また、花の香りがヒントだったりと、随所に耽美的な表現がなされているのが美しかった。

    2
    投稿日: 2020.01.09
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    Theどんでん返しです!!!!ってところと、 終わり方もお話が止むことない感じなのが良いなあ。 思っていたよりずっと昔に初版の本で驚き。 予想絶対つかない保証はあります笑

    0
    投稿日: 2019.12.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    何もかもが美しかった世界が 突然消えてしまった。偽物だった。 それを知った時、私だったら何を思うだろう。

    0
    投稿日: 2019.11.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんとなく表紙買いしてしまったが、当たりだった。夏目漱石や、ラジカセというワードから現代モチーフの架空国家かな?と思っていたがまさか…生理の記述も、ん?と思ったがそういうことか…。初めの部分は少し長いと感じたが、長かったぶん、違和感が上手く誤魔化されていた部分があると思った。 最後の結末が何故?何故?と問いかけたくなるのは、見事レイアの混乱と自分がシンクロしているということだろう。 女性が好きそうなストーリー。

    2
    投稿日: 2019.11.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    もともと推理小説は好きだけど、これは新ジャンル。 アンニュイ系推理小説というか、そんなかんじ。 イヤミスに近い? 【ネタバレ】 読んでて、ダフネってもしや「寺田フネ」とかそんな名前だったりしてw なんて考えてたらあってたし!(→岩田フネ)

    0
    投稿日: 2019.09.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初から、これが全部壊れるっていうのが分かっているので、ちょっと苦手なトリックなので、ビクビクしながら読む。 カタルシスは、意外に早く訪れた。 美しいものだけを与えられて育った。 目が見えるようになり、現実を知ることで、醜いもの、汚いものを知る。 そして、結局それを受け入れることができない。 もっと若い頃に読んでいたら、現実を受け入れずにあちら側に戻ることを甘美に思えたのだろうか。ひとの親となったからか、父も母も結局愛せないことが悲しい。 「物事の良い側面しか見せない」というのは、こんなことでなくても今の育児にありがちな偏りだな、と思った。 あちら側に戻ったからといって、元通りになれるのだろうか。だって、真相かと思ったら、それも「れいあ」が書いた物語でしかなくて、相手は肯定も否定もしていない。 れいあを返したのは、本当にそういう理由なのかなあ。 もう少女じゃなくなったから要らなくなったのでは? と思ってしまった…

    0
    投稿日: 2019.08.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    神の意思はランダム! ムーンレイカー >「たとえ虱のような人間であってもね」と父は続けた。「ひとがひとを殺すのは罪なのだよ。ひとがひとに、何かを強要するというのは…ひとを自由にしようとするのは…個人の考えで、勝手にひとを支配しようとするのは……罪だ。……暴力だよ。殺さなくても、それは精神的暴力だ。 >二人の単純な……それゆえに善意に満ちたあたたかな愛情を愚弄している僕こそ……まさに愚か者なのではなかろうか? >シンクレールはデミアンを愛し、そして憎んだ。僕も「D」を愛し、そして今は激しく憎んでいる。僕を闇の世界に放置したまま、中途半端な叡知を与え、再び「外」へと放り出した男……闇に気づかせたまま、 めくるめく光の真っ只中へと放り出した男……僕は灼熱の光の中で、惨めな影をぶら下げたまま、 足掻くことしかできない。 >別荘で僕が聞かされていた「王」や「王女」は、現世での地位としての……権力者としての王や王女とは無関係だった。それは魂の「王」であり、魂の「王女」としての在り方だった。求めるものは、地位とも、虚名とも、金銭とも結びつかない。真に己の魂を震わせる「美」であり、魂によって選び抜かれた「極上のもの」だった。闇の中に在って、世界は何と美しく輝いていたことだろう! >十九歳の秋……私は世界を作っている。 レイアは闇の中にあって、輝く妖精だった。私の言葉だけで世界を形作る無垢の天使…私は彼女の父であり、神である。 ダフネになるのは簡単だ。香水瓶の蓋をあけるだけで、レイアは慄き、テーブルクロスで頬や腕をなぞれば震え上がった。だが、もう、彼女を苛めようとは思わない。いとしい娘………ダフネの出番は少なくしよう。おまえは豊かで美しいネヴァーランドを知るのだ。とろけるような蜜の世界……甘美な愛だけを紡いで、おまえに着せてあ げよう。いとしい娘……私のラプンツェル……厭わしい世も、世俗に塗れた人間どもも、おまえを穢すことはできない。ここは離宮……ネヴァーランドの魔法の塔だ。 >今朝、彼女は夢精をしていた >「君が何を言おらと、私は君が気に入りました。君もそうでしょう? レイア」 そこに居るのはアブラクサス…… 闇と光の神だった。

    0
    投稿日: 2019.07.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    盲目の世界――幸いにも視覚を使える自分には想像ができない。時折「目が見えない」事態を想像してみたことはあるが、漠然とした恐怖感しかなかった。本作を読み、視覚のある者がここまで緻密に盲目の世界を描けることに本当に驚き、自分では決して実感できるはずのない世界に、リアリティをともなう共感を覚えた。 長い第一章で、盲目の世界が語られる。視覚に関する叙述はほとんどなく、専ら嗅覚や聴覚に依拠した描写のためやや退屈を感じるが、この章こそが本作の最大のプロットである。そして一章を読み終えた後は、一気呵成にエピローグまで物語は進む。結果として、この物語のスピード感の相違は、作者の企みであろうが成功していると思う。 盲目の、すなわち想像の世界の中で、あたかも中世ヨーロッパを再現したかのような場面が展開される。ここには作者の博覧強記ぶりがよく表れている。しかしそれを知識の披歴としてではなく、耽美浪漫として描くところは、作者の面目躍如だ。 タイトルの『この闇と光』――「光と闇」ではなく「闇と光」であるところにも、なんとなく作者の企みを感じてしまう。

    1
    投稿日: 2019.06.20
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    盲目のレイア姫とともに、暗闇の中を手探りで物語の中を進みます。事前にちょっとした情報を知っていたため、残念ながら二つほどしっかりと伏線を拾ってしまい、おそらく作者が意図した通りの反応はできなかったと思いますが、それでもたくさんの絵画や書物の知識をちりばめた耽美な美しい世界を堪能しました。15歳になったレイア姫が思うものはなんでしょう。彼女自身の闇と光は私たちの思うものと同じでしょうか。そして結局、実際のところおとうさまは何を考えていたのでしょうか。この先の物語を想像し余韻に浸りました。

    0
    投稿日: 2019.06.14
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    もっともっとノアールに、黒い構成にできたのではと思う。そうすれば光の部分がまだ輝く。 多感な中高生向きな小説です。

    0
    投稿日: 2019.05.14
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    話がどう進んでいくのか全く分からずに読み進め、途中からの予想外の展開にびっくり。でも正直、私には結末の意味がよくわからなかったです。『おとうさま』は結局何をしたかったんだ…?そのあたりを自分で考えるのがいいのだろうか??

    1
    投稿日: 2019.04.25
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    前半は,盲目の王女レイアが王国の覇権から追われた王である父と2人で,森の中でひっそりと暮らす様子が幻想的に語られる。まわりには彼らを見張る兵士や世話をする嫌な女がいるが,父はレイアに本を読んでくれ,小犬をプレゼントしてくれ,趣味のよいCDを聴かせてくれ等,暮らしぶりはつましいながらも満ち足りていた。――それが物語中盤でがらがらと崩れ落ちる。文庫の帯に「見事な大どんでん返し」とあるので,最後にもう一つあるのかと思っていたのだが,その点では少々物足りない。

    0
    投稿日: 2019.04.08
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    散々物語にのめり込ませるような耽美な世界から、一気に現実に転じるのが鮮やかで楽しい本。 じわじわと感じてた違和感が明確に形になるカタルシスがいい。 作中に出てくる物語が読み返すと意味を持ってついてくる構成がすごい。

    0
    投稿日: 2019.03.26
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    コテコテの少女趣味な世界にはツッコミどころが多すぎて、最初はあんまり乗れなかったのですが、トリックが分かってからは、がぜん面白くなり、最後までページをめくる手が止まらなかった。 とてもおもしろかった。 世の中には、古いもの、いわゆる古典と呼ばれるもの(=すでに評価が定まっているもの、と言い換えてもいい)しか楽しめない人が一定数いて、このブクログを見ていても、読書家ほど特にそういう傾向の人が多いように思えるが、それはいったいどういう心理なのだろう、理解できないもの=嫌い、という心理なのだろうか、それとも、評価の定まったものは安心だからだろうか、といつも疑問に思っていた。それが、この本を読んで、ああこういう心境なのかな、と少し理解できたような気がした。 なんていうか、新しいものや自分と同時代のものは、くだらないもの、俗なもの、一段劣ったもの、に思えるんでしょうかね。自分の実生活との間に距離が必要なのかな。 あるいは、ただの生活道具が時代を経ると急にアンティークと呼ばれるような感じで、今はもう手に入りづらい、という希少性や、時間による価値の底上げがないと美しさを感じないのかしら。 この登場人物のような人たちって、今絶賛している古いものの作者ともし同時代に生きていたら、ちゃんと今と同じようにそれらを評価できたんだろうか、といつも興味深く思う。 ラストは賛否両論なんですね。私は、予想に反してハッピーエンドに終わって非常におもしろいと思ったけど。 Win-Winとはこのことよ、と読後スッキリ。 しかし、テレビのことを「テレヴィ」と表記しているのには思わず失笑。 どういう感性なんだ。「テレビ」という言葉は完全に日本語だけど、「語源」に忠実に書きたかったのか? だったら、丸谷才一先生ばりに、全部旧仮名遣いで書くべきだろう・・・(ちゃんとした理由があってそうしていた丸谷先生に失礼かしらん) そもそも、テレビという単語にはそこまでこだわっておきながら、出てくる英語がことごとく変なのにはあきれた。そこに関しては、全く気にしないんだ、とちょっと驚き。

    0
    投稿日: 2019.03.04
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    ☆☆☆☆☆ 久しぶりの☆5かな。 中世ヨーロッパ辺りで敗戦した隣国の王と王女が森の中に幽閉されている。 可愛いそうな王女レイアは目が見えず、王なる優しい父と、沈丁花の香りをまとったお世話係のダフネ女史に怯え… 童話の世界…非現実の世界にぐいぐいと引き込まれて、王女の絶望的な行く末を案じながらもやがて私も本の世界で迷子になった。 人は…環境で生きていくしかない。 恐ろしいのは現実か…非現実なのか。 光と闇…御伽噺は常に残酷である。 作者がもう永眠されているとは残念です。 他の作品も必ずや読みたいと思う。 今年の4冊目 2019.2.17

    8
    投稿日: 2019.02.17
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    表紙からタイトルまで魅力的で、以前から登録してあったこの本。 まさしく目隠しをされ、どこを歩かされているのか分からず不安な序盤だった。だが中盤、その目隠しを外され急に自分の置かれた世界は開く。初めは受け入れられるわけもなく、徐々にその世界が詳らかに歩み寄ってくる。そしてこのタイトルの「この闇と光」に唸った。 見事な作品だった。美しくもありながら醜い。不可解な人間の行動。だがそこには計り知れない魅力がある。 てっきり最近の作家さんだとばかり思い込んでいたが、調べてみると既に亡くなっておられるではないか。初読みだったが好みだっただけにちょっとショック。

    1
    投稿日: 2019.01.04
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    あまりにもひどい本だったので登録するのを忘れていた、個人的には『君の膵臓をたべたい』と並ぶひどさである。あらすじと装丁と評判にだまされた。

    0
    投稿日: 2018.12.29
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    盲目の王女・レイアの世界は優しい父と、怖い敵国の女ダフネだけで成り立っている。 閉じられた世界の中で、父に教わるまま音楽を覚え、文字を覚え、物語を読み、レイアは成長していく。 その行き着いた先には。 一つ一つの描写がとても美しく丁寧であり、天鵞絨のような文章だと思う。 レイアに教える父の嗜好や美意識を強烈に感じた。 最後の結末も美しい。

    0
    投稿日: 2018.11.27
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    盲目な彼女が信じた世界。 情報を自分の都合に合わせ伝える事により、ここまで現実からかけ離れた世界を作ることができるとは…。 真実を知ったうえで、もう一度読み返したいな。

    1
    投稿日: 2018.11.26
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    囚われの子「レイア」を主人公にした、繊細で美しい世界の物語。 いわゆる「どんでん返し」ものではあるが、どんでん返しのタイミングはかなり早く、本の真ん中ぐらい。というのも、実は本書のミソはどんでん返しそのものにあるのではなく、どんでん返しでガラリと変わる「闇の世界」と「光の世界」の対比にあるのだ。 ではどちらの世界が闇で、どちらの世界が光なのだろうか。これは筆者が与える、最大の難問である。 主人公をとりまく2つの世界の見事な対比。しかしそれでいて違和感なく連続する話の構成。そして耽美的な雰囲気を感じさせる文章描写――もはやこれは小説というより芸術だなという印象を受けた。

    2
    投稿日: 2018.11.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ライトなノベル。 翻訳物の「部屋」のように刺さってこないです。 面白かったですし、一気読みなんですけど。 主人公の悲惨さでいけば、こっちの方が上です。 けど絵空事感が強くて、装丁のイラストイメージ通り 耽美・退廃の美しさがあって、なんというか上品です。 だからですかね、刺さりません。 犯人がスーパーすぎるっていうのも、あるかもですが。 再読はないでしょう。

    0
    投稿日: 2018.11.15
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    盲目の王女と失脚した父王が美しいものばかりに囲まれて暮らしていた。それが暴動により壊された。 父と引き離され見知らぬ文化、見知らぬ生活様式、何より馴染まない人々の間で翻弄されるレイア姫。そんな彼女に知らされる真実とは……。 物語のように美しい世界は本当に物語(虚構)の中にしかあり得ないわけで。 お父様との甘やかな時間もダフネの闇も靄の中に存在していたから美しかった。 ではそこに戻るためにはどうするか、というのが結末にあたるラスト。 もう戻れない、と思うのは部外者の思うこと。

    2
    投稿日: 2018.10.19
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    読み始めは、ゴシック的な要素が多く「あ、もしかしたら最後まで読めないかな?」と思ったが、意外にもスラスラ結構面白く読めた。 序盤、なんとなく怪しいなと思いつつ、何が怪しさを感じさせるのかはっきりしないところが面白かったと思う。 ネタバレ的な箇所は、途中勘ぐりすぎて「もしかして?」と思った部分ではあったのでそれほどまでに驚きはしなかったが、いわゆる叙述トリック的な話だという前知識がなければびっくりしたと思う。

    1
    投稿日: 2018.10.12
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    この著者の作品は初読です。どんでん返しなトリックがあるという予備知識があり読みました。疑いつつ読んでも騙されましたが、スカッとはしない読後感。美しい世界は好きだけど、主人公の求めているものは私の好きな世界とは違う種類のものだと感じました。含みのある終わり方ももやもやして、嫌な感じが残りました。

    0
    投稿日: 2018.09.30
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    意外な結末のミステリってことで取り上げられているのを何度か見かけたので、それなら読んでおかないと、ってことで。目が見えないっていう時点でもう、信用ならざる語り手による物語ってことが前提されている訳で、そういう意味では、ある程度想定の範囲内。性別はちょっと意外だったけど、男だったからといって特に何かに影響が出る訳でもなく、寧ろ『その意外性、いるか?』って感じ。結構色々などんでん返しを経験して免疫がついてきたせいか、サラサラっと、ただ読み終えました。

    1
    投稿日: 2018.09.19