Reader Store
復興の書店
復興の書店
稲泉連/小学館
作品詳細ページへ戻る

総合評価

20件)
4.1
6
7
4
0
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2011年8月に発行され、2014年に文庫化されたそうです。 復興してもその後閉店された書店もあるそうですが…。 本は一人の世界に浸れるし、同じ本を読んだ人と感想を語り合って人と繋がれると言う意味合いの文章があり、そうだなぁ~と実感です。

    0
    投稿日: 2024.10.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ・多くの人にとっては意味のない一冊の本でも、ある人にとっては宝石のように大きな価値を持つ。石巻のような地方の町では尚更、本はそのような存在だった。 ・たとえ読むことはなくても、本棚を見ればいつもそこにあった愛着のある本だったのかもしれない。 ・本は私たちに力を与え続けてくれています。目に見えて役に立つ、即効性と実用性の高いものだけではありません。心にそっと明かりを灯し、静かに寄り添い、ぎゅっと手を握り背中を押してくれる、そんな本とじっくり長くつきあっていくのもいいですよね。 本も店も流された人達が復興していく話。 本には不思議な力があるなとつくづく思い知らされた。これからも本屋さんを大切にしたい。 本の力、言葉の力は素晴らしい。

    0
    投稿日: 2023.11.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これは「本屋の話であるけれど、本屋だけの話ではない」「被災地の話であるけれど、被災地だけの話ではない」と感じます。 「自分が、何故そこに居るのか?」を本屋や被災地を通して問いかけてくれるお話し。 未曾有の災害を被ったとき、最初に必要なのは確かに衣食住のインフラを再構築することでしょう。 でも、人はそれで生きていける訳ではない。 本書で印象的だった言葉は「親たちは、子供達の笑顔を必要としている」 そう、人が生きる勇気を、前を向く希望を感じるのは、そんな「心を満たされる瞬間を得るため」だと、本書は語り掛けてくれます。 そして自分と重ね合わせ、自分が満たされるモノは何だろう。自分が必要としている事はなんだろう。 と気づくことができるのだと思います。 本好きの方にはもちろんですが、「生きる勇気」を与えてくれる素敵な本だと思います。

    13
    投稿日: 2023.06.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    被災してほんの少ししか経たない間に、人々は本を必要と感じるとは意外でした。 しかし「たった一人の世界に入って心を充電するためのツール」として本を求めたのではないかという文を読んで、そうか、なるほどと思いました。 本が心を充電するためのツールだというのは、平時の自分にも当てはまることではないか。本の役割の重要性を身に染みて感じました。

    1
    投稿日: 2022.04.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    p.68 いまはまだ混乱し、様々な感情を咀嚼しきれずにいる… …いま一人称で考えていること、感じていることを全て真っすぐに書いてほしい p.139 がんばんなきゃいけない、つながらなきゃいけない、みんなのために、っていうことが当たり前みたいになって、自分のため、自分だけのための時間を作ることがとても難しかったから。 p.170 本屋の棚というのは、こうやって耕すんですよ 田んぼと同じで、棚は触れば触るほど生きてくる。 災害という非日常の中で本に求められるものとは。 書店員さんの奮闘、葛藤が語られます。読んでいるうちに胸が熱くなりました。 コロナ禍となった今はどんな様子になっているんでしょうか。 とある書店員さんの笑顔の写真にほっこりしました。

    1
    投稿日: 2021.07.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2011年東日本大震災後の東北の書店の復興を書いた本。本は「生活必需品」であり「心を充電するためのツール」であり、書店は「町のインフラ」であると、、震災の中を、書店とその関係者からの視点で書かれているのを読んで、本当にそうだなと思った。

    0
    投稿日: 2021.01.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    書店で働きたいと思った最初の日のこと思い出した。 日々のルーティンに追われて大切なことをわすれていたことに気づかせてくれた。 書店員には是非読んでほしい一冊

    1
    投稿日: 2019.05.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本(書籍、紙、文字)の持つあたたかみを心底感じた作品、ルポルタージュ、ノンフィクションです。東日本大震災で被災した沢山の書店、苦難を乗り越えて営業を再開、開店前から長蛇の列、あらゆる種類の本が買い求められたそうです。街の書店が持っているある種の安らぎ、本自体が醸し出す癒し。本は、私たちにとって趣味の世界であると同時に、趣味を超えた衣食住と同レベルのものと、そんな気持ちを抱きました。本に囲まれた暮らし、本当に幸せなことですね!稲泉連 著「復興の書店」、2014.11発行(文庫)。

    2
    投稿日: 2019.05.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    単行本も読んだのだけれどそれからの日々も読みたくて再読。 そういえば、大槌の一頁堂同様、ヤマト屋書店中里店も入口近くに震災関連本の棚がある。地元の役割なのですね。

    0
    投稿日: 2018.10.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本や本屋がいらない、ネットで買えるという人もいるかもしれない。それでも私は本や本屋のない世界には生きていけない。漫画でも小説でも人が紡いできた言葉と心の中でひとり対話する時間が愛おしい。 東日本大震災で本を求めた人達も販売に携わる人達も苦しい中で本の持つチカラに支えられている。本通して、震災が奪っていった日常を丁寧に描き、その中で困難な中でほんの束の間、本で休息を得た人たちを知ることができてよかった。

    1
    投稿日: 2017.04.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いまや本はネットで買える。電子書籍という選択肢もできた。なのに我々はなぜ本屋さんへ行きたくなるのだろう?そんな素朴で究極の疑問への答えが詰まっている。震災後、それぞれの想いを胸に各地で書店が再開。そのとき書店は被災者のコミュニティの場となり、希望の基点ともなった。災害のあとには奇妙な共同体が生まれるとよく言われるが、それとは違う。なぜなら、街の本屋さんは懐かしき場所であり、活気の象徴でもあるからだ。普段、何気についで寄りしているつもりでも、実は自分の中で心の拠り所にしているのかもしれない。

    1
    投稿日: 2016.04.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本に関わる人たちによる、被災地で書店が、本がどのような役割を担っていたかや、書店経営再開や被災地で書店を始めた人たちにスポットをあてたドキュメンタリー。 正直、美談のような話が多く感じられてバイアスかかってるように思われましたが、私も本が好きなのでそこは目を瞑りながら(汗)… 被災地で本が求められたエピソードについては、人間はどのような境遇にあっても、あるいは被災地のような極限的な状況だからこそ(本のような)心の安らぎを感じられる存在を求めるのかなぁ、と思いました。また「本」という存在が我々にどのように関わっているのか、今後どのように関わっていくのかについて考えさせられました。 個人的には「ほんの村いいたて」のエピソードを別の本(3.11 あの日を忘れない)で少しかじっていたので、そこに登場する書店員さんの名前を見た時「リアルスターシステムや!」と妙なワクワク感を覚えたのが印象に残りました。 「事実は小説より奇なり」じゃないけど、現実世界でがんばっている人はフィクションのヒーロー/ヒロインと同じくらいの存在感・影響力があるんだろうと思うと、少し感動しました。

    2
    投稿日: 2015.12.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    被災した時に必要な物は衣食住だろうと漠然と思っていましたが、書店が開店した時にあらゆる本を買い求める人々で行列ができたそうです。やはり人は食べて寝るだけでは満たされないんですね。書店は重要です。でも今はリアル書店は閉店閉店また閉店です。書店受難の時代だと思います。 この本に出てくる書店や書店員さん達は、とにかく本を人々に届けたいという情熱を糧に前に進んでいます。胸が熱くなりました、皆んなかっこいい。儲けたいなら違う仕事に就く方が早いですから。憧れるけど僕には出来ないな書店員。僕は読む専門でいます。

    1
    投稿日: 2015.12.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    書店員自身、嗜好品だと思っていた本を、震災直後から求めるお客さんの姿に、必要なものなんだとあらためて気付かされるくだりが印象的。日常に帰るためのツール、他人と身を寄せ合うしかない中で「一人」になれるツール、子供が笑顔になるためのツール。本というのはそんな大切なものなんだって、読んでいる私もハッと気付かされた。 あの災害の中で、少しでも早く店を開けようと動き出した、そのエネルギーには感嘆せずにはいられない。 4年が経ち状況は変わってきているし、これからも変わっていくだろうけれど、不況から抜け出せないと言われる書店業界もまだやれるところがあるんだなって思った。 また、次に自分が大きな災害に遭ったとしても、人にはあんなエネルギーがあるんだからって思い出して踏ん張れるかも。

    0
    投稿日: 2015.06.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    震災後の東北地方の書店復興の話。 この本の素晴らしい点は 文庫化に伴って、1年後や2年後の状態をインタビューして、うまくいってないことも記事にしたこと。 本離れがすすむなかで、書店が再度作られることの難しさとか。 Kindleで読んで、少し申し訳なくも思った。

    0
    投稿日: 2015.05.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「紙つなげ!」の時と同様に「読んで良かった」と思い、やはり電子書籍ではなく紙の本だと心底思った。震災当時、水・食糧・衣類など必要なものは本当にたくさんあっただろうけど、その中に「日常に戻る」「ひと時だけ別世界に行ける」本はとても大きな存在だと思った。辛い現実から少しでも心を解放し少しでも不安で縮こまった心に暖かい隙間を作ることができる本はとても素晴らしいと思った。本屋さんの現状は厳しくけわしいものだと思うけど、やはり身近な地域に本屋がある世界は素敵だと思うので、なんとか踏ん張って欲しいと思った。最後の書店員さんの手記がとてもよかった。

    0
    投稿日: 2015.03.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    以前読んだ「紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている──再生・日本製紙石巻工場」(以下「紙つなげ」)と、比べながらの感想。 「紙つなげ」が、紙を中心とした、本にさまざまな立場で携わる人々の物語をつなげた「ストーリー」を構成しているのに対して、本書(「復興の書店」)は、末端の「書店」にフォーカスしており、独立したエピソードはほとんどリンクしていない。「復興の書店」は雑誌連載という背景もあるのだけれど、どちらか一冊を、ということであれば、「紙つなげ」の方が、(物語の登場人物の努力の集大成を、実際に「本」という形で手にできる、という点まで含め)完成度は高い。 ただ、「復興の書店」がフォーカスしているのは、「紙つなげ」での作り手側の物語よりもっと末端の「読み手」に近いところ。一章のタイトル「本は「生活必需品」だった」が、本書の位置づけを示しているように思う。品質、もの作りとしてのこだわり、そういったものを超えた、純粋に「情報」「環境」としての読書。そういったものがいかに被災者にとって大事であったのか、それを復興させるために、書店員がどのように戦ってきたのか、そういったことを、より、被災者に寄り添った視点から描き、まざまざと感じさせてくれたのが「復興の書店」であった。 そういった意味では、本書で求められている「本」の役割を果たすのは、紙である必要はなく、電子書籍でも構わないはず。ただ現時点での電子書籍における「共有」の弱さが、浮き彫りになったかなという印象を受けた。 どちらの本も、やはり涙なしには読めない。それだけの出来事であったのだし、遠く、ほとんど被害はなかったとは言え、同じ災害を体験したものとして、考え続け、語り継いでいかないといけないということを再認識させられた。

    0
    投稿日: 2014.12.21
  • 被災者たちの物語

    以前読んだ「紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている──再生・日本製紙石巻工場」(以下「紙つなげ」)と、比べながらの感想。 「紙つなげ」が、紙を中心とした、本にさまざまな立場で携わる人々の物語をつなげた「ストーリー」を構成しているのに対して、本書(「復興の書店」)は、末端の「書店」にフォーカスしており、独立したエピソードはほとんどリンクしていない。「復興の書店」は雑誌連載という背景もあるのだけれど、どちらか一冊を、ということであれば、「紙つなげ」の方が、(物語の登場人物の努力の集大成を、実際に「本」という形で手にできる、という点まで含め)完成度は高い。 ただ、「復興の書店」がフォーカスしているのは、「紙つなげ」での作り手側の物語よりもっと末端の「読み手」に近いところ。一章のタイトル「本は「生活必需品」だった」が、本書の位置づけを示しているように思う。品質、もの作りとしてのこだわり、そういったものを超えた、純粋に「情報」「環境」としての読書。そういったものがいかに被災者にとって大事であったのか、それを復興させるために、書店員がどのように戦ってきたのか、そういったことを、より、被災者に寄り添った視点から描き、まざまざと感じさせてくれたのが「復興の書店」であった。 そういった意味では、本書で求められている「本」の役割を果たすのは、紙である必要はなく、電子書籍でも構わないはず。ただ現時点での電子書籍における「共有」の弱さが、浮き彫りになったかなという印象を受けた。 どちらの本も、やはり涙なしには読めない。それだけの出来事であったのだし、遠く、ほとんど被害はなかったとは言え、同じ災害を体験したものとして、考え続け、語り継いでいかないといけないということを再認識させられた。

    5
    投稿日: 2014.12.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この著者の『命をつなげ 東日本大震災、大動脈復旧への戦い』を読み、本書も手に取った。東日本大震災で被災した東北の街の書店のその後を描いたルポルタージュである。地盤沈下や原発事故の影響など被災状況も様々であるが、懸命の努力により復活した書店もあれば、やむなく廃業した書店もあり、中には全くの未経験にも関わらず、新たに開店した書店もある。こうした様々な街の書店の苦しみや努力が行間から伝わって来る。多くの人びとの心の支えとなった街の書店に心から感謝したい。 本書に描かれている書店の中では、宮脇書店気仙沼店、金港堂石巻店、ヤマト屋書店、ジュンク堂書店仙台ロフト店に行った事がある。中でも、宮脇書店気仙沼店は品揃えが非常に良く、かなり気に入り、東日本大震災前に何度も通った。先日、場所を替えて、オープンした新店舗にも行ったが、規模は縮小したものの、本のセレクトの良さは変わっていなかった。 東日本大震災以降は生きる事と被災した方々の支援に精一杯で、なかなか本を読めなかった。落ち着いてから書店に行ってみると、しばらく買っていなかった新刊が並んでいて嬉しくなった。 表紙の写真は、陸前高田市の奇跡の一本松。文庫化にあたり、『それからの日々』を加筆。

    1
    投稿日: 2014.12.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    被災した東北の書店を暖かなまなざしで回っていく。同じ体験について語っていくことの繰り返しだからなのか、語られる話は似通っている。だからなのか、それとも希望を見いだそうとしていることが痛々しく感じるからか、賽の河原で石を積んでいるような読書体験となった。希望を見いだそうとするのは彼なりの被災地への思い入れからなのかもしれないが、読んでいてノンフィクションというジャンルの限界を感じたのも事実。非取材者を傷つけないために、筆を押さえた部分があるような気がしてならない。もしくは書店員が口を割らなかったのかはわからないが、話しぶりが痛々しいし、深さもあまり感じない。これをもとに小説として書いた方が作品としての完成度は高まるんじゃないだろうか。そんな気がした。あと気になったのは金太郎アメ的な構成。ひとつひとつ丁寧に回っていくという作業を地道に行うのは稲泉さんの誠実さ故なんだろうけど、話をきく人に変化を付けて、震災と出版というものをひとつかみできるような構成にして欲しかった。

    0
    投稿日: 2014.11.26