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すべて真夜中の恋人たち
すべて真夜中の恋人たち
川上未映子/講談社
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総合評価

734件)
3.5
120
205
234
71
18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画化するの知らなかった() 主人公を応援するつもりはない(なんならお酒で失敗したことを思い出して辛くなる)けれど、一歩踏み出した人が感じる世界が確実に拓けていく様子(文中で「やらない後悔の方が大きいのはおかしい」旨まで言ってたのに……。)はただ綺麗なものだと思った。 踏み出した一歩目が上手く行かなかったけど、なんやかんやで踏み込んでくれる友人を得て、自分の好きなものを文字にして自分の外に出せているのから、ハッピーエンドだと思う。

    1
    投稿日: 2025.11.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    はっきりと言葉に表せられない冬子、それにイライラするタイプの聖。冬子と三束さんとの会話のやり取りが気持ちよかった。なぜ最後うまくいかなかったのかなあとか考えるのも楽しかった。

    0
    投稿日: 2025.11.12
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    夏物語に次いで2冊目 やはり川上さんの文章が好き 不器用な主人公の心模様が、痛いくらいまっすぐな感情がささる 映画楽しみ 浅野さんはワイルドすぎないか?と思ってたけど光について話してるところ想像したらいいかも

    0
    投稿日: 2025.11.09
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    こんなに入り込めない恋愛小説初めて。 女友達の会話もとても攻撃的だし、なぜ友達なのかわからんレベル。 主人公も奥手すぎて、共感できない。 静かに進んだり、なかなか表面に出ない愛だからといって究極の愛になるのかっていうのはまた全然違う話だと思う。 こんなにハマらない小説初めてで自分にとってはある意味斬新なストーリーだった。

    1
    投稿日: 2025.11.09
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    すごく不器用なのに、時々すごく大胆な事を言ったり行動したりする冬子さん。 辛そうな人生を歩んでいるように見えるけど、彼女なりの人生を歩んでいる。 基準とか価値観とか、私は私なりでいいのだと思えた。 冬子さんの37年間。この先も読んでみたい。

    4
    投稿日: 2025.11.08
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    一つのシーンを緻密に表現するのが特徴的だった。一読したけどあまり理解が追いつかず。。期待していたラストではなかったので驚き。ただ文のまま読んでいるだけだと、作者の意図を汲みきれてない気がした。誰かの解説記事を読んで「そういう事だったのか」と理解する事ができた。国語の問題文のようだ。 もう一度読み直して咀嚼したい。

    0
    投稿日: 2025.11.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    三束さんとのシーンの表現が美しかった でも結局嘘で作られた世界だから美しかったのかなとも思えた 本音でぶつかりあえた聖みたいに三束さんも一方的に告げるのではなく本音でぶつかってほしかったかな あと三束さんの仕事がなくなってから今までのことはどんなことが書かれていたのか気になる

    0
    投稿日: 2025.11.02
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    2025.10.25 読了 他人と少し距離を置いて、傷つかないようにしてる感じが自分に少し似てると思った。 でも、読み進めるうちにその感じが苦しくなるし自分ににてるからこそイラッとしてくる。 言葉や文章の静けさは美しいけど、なんとなく心がモヤモヤとする終わり方だった。

    1
    投稿日: 2025.10.25
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    心の些細な変化をこんなにも美しく丁寧に綴ることができるのかと感動した 恋をしている瞬間に映る情景は本当に綺麗なんだと改めて思ったし、自分が過去に体験してきた失恋の思い出も肯定することができた気がした

    1
    投稿日: 2025.10.23
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    とりあえず文章から連想できる情景がとても綺麗だった。雪や雨がとても似合うシーンが多く、主人公の感情が徐々に表現されていき、そこに切なさと愛おしさを覚えた。静かにスローに、大人の初恋がなされていく。相手もまたいい、好きだわ、哀れな彼。 (ただ、少しダラダラと長く集中できない所もある。特に仕事系とか、友人のところとか、あまり記憶にない。もっと恋愛部分を深掘って書いてほしかった気もする)

    0
    投稿日: 2025.10.20
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    ☆3.8くらい。 嫌いじゃないけど、高揚もしない。 静かな語り口。 共感したところはあったけど。

    0
    投稿日: 2025.10.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とにかく大人の恋愛小説が読みたくて読み始めた。 まず、比喩用言がとても好み。名前のない、文章では見た事のない感情や風景がちゃんと文字になって思い浮かべられた。 内容について 最後、聖の言葉をかき消そうとした(嫌だと思った)のは冬子が社会に溶け込み始めていたからなのか。でも、化粧を自分でできないことや貰い物でおしゃれをするのは10代。結局は最後のデートの時はまだ自分の闇の中だったんだろう。 自分も過去の恋愛を引きずっているけど、思い出す頻度が極端に減っている事、少しずつ思い出せる事が減っている事、いつかこのまま忘れられる気がした。 またこの本の内容を忘れかけた時に読み直したい。

    0
    投稿日: 2025.10.19
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    すごく丁寧に書かれているような気がして、長い物語ではないんだけど、読み応えがある。 というか、しっかり感動できた。 じんわりと、良い話だなぁ・・・と

    0
    投稿日: 2025.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『すべての真夜中の恋人たち』を読んで、正直なところ主人公にはあまり共感できなかった。けれど、世の中にはこういう人もいるのだろうと思った。自分はどちらかというと聖のように、仕事でも恋愛でも自分から動くタイプだ。素敵な人と付き合いたいなら、まずは自分を磨くべきだと思っている。 一方で、冬子のようにすべてに対して受け身な人も確かに存在するのだと気づかされた。そうした人の繊細な心の動きを、著者はとても丁寧に描いている。主人公にイライラしながらも、文章の表現はどこか温かく、特に空間の描写が美しく印象に残った。共感はできなくても、静かに心に残る作品だった。

    0
    投稿日: 2025.10.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    光について 本人でさえ自覚がないまま、ぼんやりと暗いところにずっといた入江冬子を、照らして、冬子は選択をできるようになって、そして、どこかへ吸収されてしまった冬子の光、三束さん 私生活は荒れども美人で仕事熱心でマッチョメンタルな聖は色々周りに言われていて割かし外れてもいないのだけど、それでも嫌いになれない弱さを持っている 冬子が三束へ電話越しに、私と寝たいと思ったことがあるか聞いて、はい と言われたシーンは、自分までが冬子になったように気持ちがいっぱいになってしまった 三束さんはどんな気持ちでその返事をしたのだろう

    0
    投稿日: 2025.10.14
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    それなりに面白かった。 ストーリーは大きな展開などはないが、主人公の心情などがとても繊細に細かく描写されていて、それに共感する部分が多かったので読みやすかった。 あまりにもピュアで繊細で、なんだか懐かしい気持ちになった。 ある人にとってはなんとでもないようなことも、その人にとっては難しく、大きな出来事で。 光の話が所々に引用されていたが、それもこの物語の儚さを助長していて、綺麗に感じた。 主人公やその他の人物のその後をなんとなく想像して、幸せに暮らしていたらいいなって思わされるような物語だった。

    0
    投稿日: 2025.10.13
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    冬子の感情の動き方が、デジャヴというか、昔私もなったことあるなぁ、と思って一緒に苦しくなりました。でも冬子の真っ直ぐな気持ちに触れて、心の汚いものが洗い流されたような気持ちです。

    0
    投稿日: 2025.10.13
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    色んな種類の、いい人ぶった嫌な人が出てきた! そして、その嫌な人はどこにでもいるのめっちゃわかる。 家族、友達、職場など、そしてその嫌な言葉を投げかけてくるのは異性とは限らず両方っていうのもめっちゃわかる。 結婚して子供を産まない女は人として欠損があるように見られたり、籍を入れずに子供を産むのは親世代からしたら絶縁するほどの罪だったり。 恋愛が本テーマなのかなと思い読み始めたのだが、こういう周りにいる地味に嫌な人達によって生きづらい世界を作られている感じにめちゃくちゃ共感した。 34歳にして初恋をして、仕事1日2時間しかできなくなるぐらい苦しくなって部屋に閉じ籠る主人公、、、(^∇^)笑 この著者さんの小説は、特別に何かが起こる事はないけど、人間関係のモヤモヤを言語化するのが上手ですね。あーわかるわかるって何回もなりました! どっぷり恋愛小説読みたい人には物足りないと思います! 物足りなかった反動で、めちゃくちゃドロドロ泥沼恋愛小説読みたくなりました!笑

    5
    投稿日: 2025.10.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    聖の最後の独白に100共感してしまった。 自分で自分の人生をコントロールしようとしない人にはイライラする。いやまあ、しょうがないんだろうけどね。 主人公側に自己投影できた人の感想が知りてえ。

    1
    投稿日: 2025.10.13
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    都会の真夜中、校閲者の冬子が出会う三束さん。静かな描写の中で揺れる心や孤独感、淡い期待と不安が丁寧に綴られ、日常の何気ない瞬間が“光”となって響きます。川上未映子ならではの繊細な文体は読後に深い余韻を残し、恋愛小説を超えた群像劇としても楽しめる一方、派手な展開を求める人にはやや物足りなさも。キャラクター同士の距離感や内面の葛藤がリアルに描かれ、大人の共感を誘う名作です。静かな夜に寄り添いたい時にぜひ。

    34
    投稿日: 2025.10.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    タイトルの語感と装丁が好みで、ずっと読んでみたいと思っていた。 終盤で聖と対話するシーンが個人的に印象に残った。人付き合いが苦手っていうのを、こういう思考で責めるのか、と驚きつつも勝手に悲しくなった。身につまされすぎて。自分のことを責められてる気になって、否定したいけど、どうしても否定しきれない。誰かが代わりに引き受けてるのか…もしかしてこの前ある人に言われた「強く生きてください」ってこの思考に基づく皮肉だったのかも…楽をしてるつもりではないんだけどなぁ。 三束さんとの関係のところも含めて、小説全体がどこか現実離れしてるような気がしつつも、どこか自分の感じている、生きている日常と地続きのような、不思議な感覚だった。

    1
    投稿日: 2025.10.10
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    外に出る色が吸収されなかった光の色みたいに、私たちが外に出して皆に見せているのは自分には適合しない異分子みたいなものなのかもしれない。 本当はこんなこと言いたくないし。やりたくない。 そう思えば思うほど色は濃く出てしまう。 主人公の冬子は全部を吸収しているせいか本当に透明で色がなかった。そんな冬子をみてイライラする聖たちの気持ちは少し分かる。 光の分子はいつか吸収されて無くなってしまう。あんなにそこにあったはずの体温や音もいつかは思い出せなくなってしまう。 それでも、真夜中の光は絶対にそこにあって、キラキラと漂っている。

    0
    投稿日: 2025.10.10
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    人は誰しも自分の中に弱さを持っている。それを隠すために洋服で着飾ったり、化粧で自分を強く見せたりする人もいる。しかしそれは、その弱さを克服したことにはならない。その弱さと共存する自分だけの生き方を見つけることが重要なのだと思う。

    1
    投稿日: 2025.10.09
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    こたけ正義感のお薦めで読了 成瀬シリーズ直後のせいか キャラも文章も対照的で最初は戸惑った 言いたいことが定まらないまま 疑問を口にする主人公 それに対する周囲の反応 肯きながら後半は号泣 自分の望みと違うラストに淋しさはあるが タイトルの余韻が心に沁みた

    0
    投稿日: 2025.10.06
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    内気で消極的(とは表現されてないけど)な主人公·入江冬子に 中々共感できず、 寧ろ、冬子の言動ひとつひとつに [え、なんで今それ?] と思ってしまって 読み進めるのに苦戦した。 物語はごくごく静かに進んでいく。 その静かさはたぶん、冬子に内在する静かさ。 だから基本的には 彼女自身が持つ、 冬の夜みたいな空気の静かさ。 だけど過去の回想や 後半に向かうにつれ、 静かさの中に 感情を感じる…といった印象の本だった。 タイトル回収ストーリーを望んでるわけではないけど、 わたしには このタイトルの意図するところ?が 全然読めなかった。

    0
    投稿日: 2025.10.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「生きることの対価を払ってないじゃない」 そんな聖の言葉にびくっとした。 物語を取り巻くどんよりとした重たさに 若干辟易しつつどうにか読了。 やっぱりこの人の書く文章は読みやすい。 主人公のまどろっこしさやネガティブさは あまりにも極端で 共感できる人は少ない気がするけれど、 誰もが持ち合わせている部分な気もしたり。 内向きな思考ばかり積み上がって 人と対面したときほど言葉が出てこない。 そんな主人公の特性は自分と重なる部分もあり。 だからこそちょっと苦しかったなあ。 「光」に救われることがある。

    0
    投稿日: 2025.09.28
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    シチュエーションと心理描写が非常に綺麗に思えた。 実際には理解しがたい登場人物が多く登場するが、結局人から見た自分もこんなものかもしれないと思った。

    0
    投稿日: 2025.09.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昔からよく平積みされていて気になっていたことと、最近YouTubeでこたけ正義感が好きな本としてあげていたので、ついに読んだ。「川上未映子さんの書く文章が心地いい」というふうに言われていたけれど、私にはそれが感じとれず。 物語は35歳の女性が主人公で、人との関わり方の悩みや葛藤がテーマの物語だと感じた。昔からあまり話すことが得意ではなく、職場での居心地の悪さを感じる点など、初めは近しいものを感じていたけど、その後、とてもはつらつとした女の友達と親しくなるところやお酒をたくさん飲んでカルチャーセンターへ行き、結局気持ち悪くなって吐いてしまうところなど、あまり近しくないと感じる部分もあった。 偶然出会った20歳以上年上の人に対して、主人公が恋愛感情を次第に抱き、男性側も抱くのだけど、その年齢差の恋愛が気持ち悪いと感じてしまった。この恋愛は主人公視点だから、綺麗な物語だけれど、三束さん視点を勝手に考えてしまって気持ち悪くなっているのかも。 登場人物がどの人もいい面もあれば、あまり好きではない面もあるところが、現実的で、そうだよねとなりながら、心がシオシオした。 あまり話さない主人公に対して、「見ているとイライラする」というような言葉を投げかける高校時代の彼、聖、恭子さん。それまではそこが好きだと思っていたじゃない…好きなところが嫌いなところになるんだね…などと思いながら、悲しい気持ちになっていた。 高校時代の声の掠れている女友達も年齢を重ね、結婚、子供を産み、夫婦生活のどうしようもならないような悩みを話した。そして、「これを打ち明けた理由は、あなたがもう私の人生の登場人物ではないから」という言葉。それは、言わなくてもいいし他の言い方がなかったのかい…という悲しさがあった。 そして、女子のことを「くん」で呼ぶ人だったっけ、そんな設定あったっけと困惑した。(読めてなかったのかも) 思っていたより恋愛というよりは、人生、女性の生き方、というようなお話だった。 この小説を読んで、アルコールを摂取したくなり、お酒を飲みました。心がシオシオとするので、あんまり落ち込んでいる時には不向きかも。

    1
    投稿日: 2025.09.25
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    情景や心情の描写が柔らかい表現でされていて、穏やかな気持ちで最後まで読み進めることができました。反面、ひらがな表記が多いので、慣れるまでは読みにくかったです。 恋愛経験がないまま大人になった冬子が、偶然出会った三束さんに惹かれながら、自身の生い立ちや課題に触れていくのですが、結末は釈然としないように感じました。

    0
    投稿日: 2025.09.22
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    背表紙、最初の数ページを見て購入しました。 ですが、最初の1文目で期待したような世界観では無かったです。 主人公は昔からずっと優柔不断な性格でした。 そんな自分で選択できなかった主人公が、自分の道を自分で選択できるようになるまでのお話です。 途中、印象づけるための出来事でしょうが、それいる?と思うような出来事もあり、急に病み始めるし、最後まで読んでも全然スッキリしなかったので、私にとっては低評価でした。

    1
    投稿日: 2025.09.21
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    ぐずぐずな冬子のすごいぐずぐずさ加減を超ハキハキな聖と対比したり、三束さんも極端にゆっくり側で、どちらもよくこの冬子に付き合っているな、と思うが、それでもそれなりに退屈させずに進む。「自分もさすがに冬子ほどではない」と内気な読者を元気づけるのがテーマ?。校閲者への感謝?。少し村上春樹的な「意外な比喩」があるが、世界は現実的。冬子の幸せを願う読者の期待に低空飛行から上げておいて最後に落としてどうするのかと思ったら、ちょっと意外な。。タイトルの意味が分かる瞬間をずっと期待していたが、、、残念。

    0
    投稿日: 2025.09.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初の読み始めすぐに、読み終わるのに時間かかりそうだな…と思ったが 淡々と進んでいく話で気づいたら読み終わっていた。 ミツツカさんはなぜあんな嘘をついたのか。 なぜもう冬子と会わないのか。 (個人的にはミツツカさんは冬子のこと好きだと思うんだけどな。。。) 読了後、切ない気持ちになる。 美しい文章がたくさんあった。 真夜中の冷たい空気を思い切り吸い込みたくなった!

    2
    投稿日: 2025.09.17
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    開始40ページで合わないと気付いてしまったけど気合いで読了。作者の言葉選びは好きだけど登場人物全員理解できなかった。主人公があまりに突飛で共感が難しかった。

    1
    投稿日: 2025.09.16
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    読むのに時間がかかった。主人公はアル中なのかって笑いそうになった。 光の描写とかはすごく嫌いに描かれていて、真夜中の儚さや寂しさが浮かんできた。恋ってこんな感じだよねって優しく暖かく苦しく表現してあって良かった。

    7
    投稿日: 2025.09.15
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    主人公の心情を表現する文章が、とても練られていて美しいと思った。恋が始まって思いが深まって行く描写も良い。そういった心の機微の表現を楽しみたい人の為の小説と思う。 物語の起伏や展開をもっと楽しみたい自分には、エッセイ読んでる感が強くて物足りなかった。 川上さんの他の小説も読んでみたい。

    9
    投稿日: 2025.09.14
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    恋をする描写がとても綺麗 ショパンの子守唄を聞いたら、光だった 聞きながら読むと、光に包まれるみたいでふわふわ浮いていく冬子になれた

    1
    投稿日: 2025.09.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一言で恋愛小説と片付けるのは勿体ないぐらい素敵な物語 ‎文章が余りにも綺麗でいい意味で恐怖心を覚えた 冬子がなくしたバックは結局見つかったのか 聖と冬子は今後も友達関係を続けていくのか 三束さんのもう会わないにはどんな意味が込められていたのか、なぜ嘘をついたのか、全て真意は分からないけどきっとそれでいいのかもしれない 一つだけ確かなことは、冬子にとって三束さんは暗い夜道を歩いていても気づいたら足元を照らしてくれる「光」のような存在であり続けるのだということ ‎私も誕生日に真夜中を歩いてみたくなった

    1
    投稿日: 2025.09.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんとなす会社で周囲に馴染めなかった冬子、ご縁があり個人で校正の仕事をこなす中で聖と出会う。 (この時点で強い主体性がある訳では無いと示唆されてるなと思い返した。) 三束さんとの出会いはドラマ的ではなかった。カルチャーセンターにいく勇気を得るためお酒を飲んだ冬子。ここから少しアルコールで得られる感覚の鈍りに頼りがちになる。 喫茶店で頻度は少ないが三束さんと会うようになる。 物理の本、光の不思議な話、ピアノ子守唄が入っているCDなど三束さんから頂いたものも沢山あるにもかかわらず、冬子の胸に残るのは話している時に見ていたであろう三束の手や目の皺などばかり。この時点で既に冬子は三束に惹かれていたのだろう。 お互いに何をするわけでも特別な関係でもなかったがある時冬子の一言で関係が変化した。 私とそういったことをしたいと思ったことがありますか?そんな聞き方するか?とも思ったが冬子なのだから仕方ない 三束の誕生日に聖から贈られた彼女の不要な服、靴、鞄、下着を身につけ出かける。 あんな素敵な女性だったら隣に立てると錯覚したのだろう。ありのままの冬子で良かっただろうに。 帰宅する道中に心配してかけつけた聖とばったり会い、思ったことをそのまま口に出され口論?一方的なとっつきにあった。 三束の嘘は何のためにあったのか。それだけが不思議。 今回は主人公に共感することができなかった為か少し話にとっつきにくさを感じた。 言葉を紡ぐのに何度も頭の中で校正し、考えているうちに時間が経ってしまう。そういう彼女は言葉の重みを知っているのだ。

    0
    投稿日: 2025.09.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ビターエンド……真夜中の時間帯に読んだため余計に沁みる。自分は冬子側の人間なので聖の言葉が後半グサグサ刺さって読むのに時間がかかった。この本の登場人物はみんな置かれた立場や環境は違えどみんな一人で寂しい切ない感じがずっと物語に一貫して漂っていたのがタイトルとマッチしていて個人的にはとても好みだった。

    0
    投稿日: 2025.08.31
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    この本を読み始めてから 意味があってもなくても より生活の意味を考えて生活をするようになった 初めて川上未映子さんの本を読んだ 他の本も読もうと思った

    0
    投稿日: 2025.08.27
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    主人公みたいなタイプの友達がいて、私はどちらかというと聖みたいなタイプの人間だから、読み進めるのに苦労しなかった。恭子みたいに聖を疎み嫌う人もいれば、終盤の聖みたいに冬子にイラついてしまう人もいるだろうなと思いながら、やっぱり人間同じ人なんていないからこそ軋轢は無くならないなと思った。三束さんはどうして冬子とこうなる結末を選んだんだろう。

    0
    投稿日: 2025.08.25
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    未映子節。恋愛は儚いものといいたいのはわかった。そのうえで、いいものだといいたいのか怖いものだといいたいのか。多量飲酒が見せた夢とでもいいたいのか。なんか解釈にモヤモヤする。お友だちの存在の意味も私にはようわからず。

    1
    投稿日: 2025.08.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ジメジメと、鬱々とした気分で読んでいた。 私から見れば主人公はさぞ生き辛いだろうな、と思うが、その逆もまた然り。という感じなのかも。 みんなそれぞれの生き辛さを抱え、他人と比較し、ちょっとだけ見栄を張る、人を見下す。そういう嫌な部分を持つことで己を保っている。そうやって暗闇の中、残った光を放って生きている。 そんな現実を、情景が鮮明に浮かぶ程、あるがままに、詳細に描かれた本だった。

    1
    投稿日: 2025.08.23
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    こんなに読んでて心地いいんや、恥ずかしながら川上未映子さん初心者だったけど、一気にファンになりました

    1
    投稿日: 2025.08.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初はお酒を飲まなかった冬子が出かける前に飲んだり日本酒を持ち歩いたりすることがショックだった。嘔吐描写も地雷なので途中で読むのをやめようかとも思った。 なかなか感情が動かない冬子にイライラしつつ、正反対の聖も苦手な女だ...と思いながらどこにも感情移入できずに読みましたが、後半三束さんとのしあわせな時間の数ページだけは心穏やかに読めました。 冬子と三束さん、歳の差はあれどうまくいってほしかったなぁと思います。 私には苦手な表現が多かったけど読後全体を思い返すとすきな雰囲気でした。評価がむずかしいですが文章はとても読みやすかったです。

    0
    投稿日: 2025.08.18
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    間違いなく、良い本。いま22歳だが、とても響いた。この年齢の人には刺さると思う。人を好きになるということの、つらさと甘やかさが描かれている。何も手につかなくなり、その人のすべての動作を思い出してしまうほどの暇と孤独に苛まれる感覚も、とてもわかる。それほどに好きになってしまうのだよね。 好きって感情について生々しく描かれていて、すごく描写が丁寧で好きだった。 私は主人公のような種類の恋をしていて、好きな人がいて、それを関係性に名前をつけないような、うじうじした恋愛をしているのだ。聖は強い。そんな風になりたいし、私も安住して綺麗な子ぶってるのではなくて関係を前進させるようなリスクを負うべきなのかな、と思った。何ページも写真を撮っている。 主人公の曲がった性体験がかわいそう。私と寝たいと思ったことはありますか、と三束さんに聞けてしまったこと。誕生日の夜中に1人で散歩をすること。来てくれなかったことと、嘘をついていた三束(みつつか)さん。愛おしい。 強いようで弱かった聖。すごい良い服着てそうなバリキャリの女性で海外にもめっちゃ行ってそうって感じが文章だけでした。大人になると関係性が曖昧になって、その方が寛容になれるというのもすごくわかってしまう。なにもかもが腑に落ちる作品だった。

    2
    投稿日: 2025.08.17
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    大人の恋愛小説って感じ。「好き」を簡単には伝えられないこと、臆病になってしまうこと、、。 大人になってたくさんのことを考慮して動けなくなってしまう。 特に感情移入はしなかったけどスラスラ読みすすめました。

    1
    投稿日: 2025.08.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    聖さんと仲良くなった経緯まで読んだ。聖さんは主人公をいじめていた人たちと似たような人種なのに、主人公が彼女に憧れているところが謎だった。聖さんが主人公を面白い人だと評価していることにもちょっといらいらした。いらいらしたのは聖さんに主人公をいじめてほしいと思っているから。このあと主人公は痛い目を見ると聞いたから、それを楽しみに頑張って読んでみる。文章がとても美しい!

    0
    投稿日: 2025.08.16
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    ん~あんまり来なかったかな? 特に主人公に共感ポイントないし他に登場人物が好きというところもなく…話も淡々とアル中な女性の話をしていて… 面白いポイントはよくわからず終わってた…

    0
    投稿日: 2025.08.15
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    静かでほのか。 可愛らしいけど大人な恋愛小説。 ?なところは正直あるけど、プロットを楽しむというよりは世界観や雰囲気、登場人物の愛おしいまでの純朴さを愛でる作品。 若い頃は「大人になったら恋愛ってもっと簡単になるのかなー」なんて思ってたなー

    0
    投稿日: 2025.08.12
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    川上未映子節が随所に見られた良作。 特に何気ない日常を言語化する能力が長けている為、人間描写についても非常に魅力的な表現をしてくれる稀有な作家である。 冒頭数ページから漂う名作雰囲気を味わせてくれる。

    6
    投稿日: 2025.08.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初はお酒をあまり飲めないようだった主人公が、いつの間にかアルコール依存症みたいになっていて、なんで?きっかけは?と困惑したけれど、気が付かないうちになっていたのかな、そんなものなのかもしれない。 小説としては単純に好みではなかった。 性描写とか。 ラストはスッキリしていてよかった。 冬子が誕生日以外にも散歩するようになったり、淡々と生活したり、自分の言葉をノートに記したり。アルコールとの関わり方がどうなったかは気になるけれど、少しだけ救われた。 三束さん側のストーリーが気になる。

    1
    投稿日: 2025.08.10
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    なんとなく、そうではないかと感じていた。 でも、そうではないように念じていたのだ。 なぜか、最後は、救われたような、 そんなのが最後で良いのか? と思えるような。

    0
    投稿日: 2025.08.05
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    曖昧な感じ。スッキリはしないけどひとりの生活に対する感情が読めておもしろかった アルコール入れないと生活できない冬子の描写とか最後の聖と冬子の会話とか印象的だった

    0
    投稿日: 2025.08.03
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    派手な展開はない。 けれど、心にじんわり染みてくる。 校閲の仕事をしている34歳の冬子と、カルチーセンターで出会った三束さん。 静かに、でも確かに、ふたりの距離が近づいていく。 夜の空気、都会の静けさ、心の奥のさびしさ。 すべてがやさしく、でも鋭く描かれていて、読み終わったあとも余韻が残る一冊。 わたしは冬子にイライラしながら読んでた、ごめんなさい。

    5
    投稿日: 2025.08.02
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    1番知りたい展開が書かれていないことが多くてスルッと時間が飛ばされる感覚があった。 でもこのはっきりしない感じが人生ぽいなとも思った。 ただ終わりがあまりにも突然であっけなくて、人との出会いに「次」があるなんて当たり前なんかじゃないと思った。 よく耳にする本だったのもあって少し期待外れかも。

    0
    投稿日: 2025.08.02
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    今回のレビューは、『校閲』の”お仕事”をされていらっしゃる方の体験談をまずお聞きしましょう。  『図書館へは調べものがあるのでかなり頻繁に行くのだけれど、書店にはよほどのことがないかぎり、行かなくなってしまった』。 さて、どうしてでしょうか?そこにはどんな違いがあるのでしょうか?全く理由が思いつきませんのでその理由をお聞きしたいと思います。  『以前、何気なく入った書店に自分が校閲をした小説が積まれてあるのをみて、あの小説はこんな装丁になったのかとうれしい気持ちで手にとってひらいてみたのだけれど、ひらいたそこに誤植をみつけてしまって以来、まだ記憶に新しいタイトルのついた新刊に触れることがなんだかこわくなってしまった』。 なるほど。そんな風に理由をお聞きするとその心情が痛いほどよくわかります。人間はミスをする生き物です。どんなに気をつけていても仕事にミスはつきものです。あなたにも真っ青な思いをした経験が一度や二度ならずあると思います。そう考えれば『新刊』として書店に並ぶ『小説』にも『誤植』が全くないということもないのでしょう。 さてここに、『校閲』を”お仕事”にする一人の女性が主人公となる物語があります。『校閲』の世界のあんなことこんなことを描くこの作品。そんな物語に『光』が象徴的に描かれていくこの作品。そしてそれは、”恋愛の究極を投げかける”川上未映子さんの美しい文章に魅せられていく物語です。  『段ボール着いた?』と、『午前中のぶんの仕事を終えて、昼食』の準備をしているところに石川聖からの電話を受けたのは主人公の入江冬子。『まだあけれてないんだけど』と答える冬子に『いいよ、まだあけなくて…しめきりはまだけっこう先だけど、今度こそいやにならないでね』と言う聖。そんな聖に『だいじょうぶ。さすがに慣れてるよ』、『調べなきゃいけない本がこうして1ヵ所にまとまってるなんて、夢みたいだもの』と冬子は答えます。『フリーランスの校閲者』として働く冬子は『三年前の四月の終わり』に『大学を卒業してはじめて働いた会社を辞め』ました。『小さな出版社で』『校閲者』として働いていた冬子でしたが、『小さなころから』『人とでかけたり、付きあったりすることはもちろん、言葉を交わしたりふつうに会話することさえうまくでき』ない中に生きてきたこともあり『小さな会社にある独特の雰囲気に最後まで慣れることができ』ないでいました。そんな中に、かつてその会社で働いていた恭子から『仕事を受けてくれる余裕はないかしら?』と照会を受けます。『遅くても八時には家に着いて、簡単な食事をと』ると『ほかにはすることなんて何もなかった』という日々を送っていた冬子は『大丈夫だと、思います』と仕事を受けることにします。そして、『大手出版社』の『校閲局に所属』する石川聖という女性を紹介され、仕事をスタートしました。『聖とわたしはおなじ年で』、『おなじ長野県の出身』ということもあって親しく接していきます。やがて、『一年が過ぎたころ』、『会社はどうなの、と聖がきいてきました。『じつは居心地はそんなによくはない…』と話す冬子に『だったらフリーランスでやるのもありかもしれないよね』と説明をはじめた聖。『会社を辞めるなんて』『ただの一度も考えたことがなかった』冬子でしたが、『二十年以上、それでやってる人もいるし』等説明される中にさまざまな思いが込み上げます。そして、『会社を辞めて、フリーランスの校閲者になることを決めた』冬子。 場面は変わり、『フリーランスの校閲者』としての日々を送りはじめた冬子ですが、アルコールを手に取るようになり『缶ビールならゆっくり時間をかけて一本、日本酒なら一合を飲むだけで、それだけで、わたしはいつものわたしではなくなることができるようにな』ります。『どことなく、愉快な気持ちがして』『仕事が終わって眠るまでに時間があるときに』『お酒を飲むようになった』冬子。そんな冬子はある日、『ある企業と大学が主催しているおおきなカルチャーセンターの総合案内誌』を目にします。『外国語、社会参加、芸術…』と、『十数件もの講座が存在している』ことを知った冬子は『新宿の一角のある建物』で開かれていることを知ると早速でかけることにしました。そして、『ものすごい数の講座のチラシ』から五枚を抜き取り『いやになったら、いつだってやめればいい』と思いつつ、『トイレへ行って』持ってきた『魔法瓶をとりだして日本酒をがぶりとあおり』ます。そして、窓口で整理券を取り、ソファで待っていると、『胃のあたりなのか…気持ち悪さが渦巻き』だし、トイレへ走るも入口で吐いてしまいます。そんなところに『男性用トイレから勢いよくでてきた人にぶつかってしまった』冬子。その後、個室トイレに入って落ち着いた冬子は再び受付前へと戻ります。そんな中に『はす向かいのソファに座った男の人がさっきからこちらをちらちらみているのに気がつ』きます。もしやさっきトイレでぶつかった人かもと思う冬子は謝りに行きます。『五十代半ばくらいにみえた』男の人に『だいじょうぶだったんですか』と逆に心配される冬子。そして翌週、再び『カルチャーセンター』へと赴いた冬子は、『先週の、あの男性』と再び目があいます。『軽くほほえ』む男性は、『受講ですか』と『にこやかな表情で』話しかけてきます。そんな男性・三束(みつつか)との出会いをきっかけに冬子の日常が変化していく様が描かれていきます。 “入江冬子(フユコ)、34歳のフリー校閲者。人づきあいが苦手な彼女の唯一の趣味は、誕生日に真夜中の街を散歩すること。友人といえるのは、仕事で付き合いのある出版社の校閲社員、石川聖(ヒジリ)のみ。ひっそりと静かに生きていた彼女は、ある日カルチャーセンターで58歳の男性、三束(ミツツカ)さんと出会う”と内容紹介にうたわれるこの作品。2011年9月号の雑誌「群像」に掲載され、2023年2月に、全米批評家協会賞の小説部門最終候補に日本人作家として初めてノミネートされてもいます。文庫本360ページというこの作品ですがその魅力を3つの視点から見て行きましょう。 まず一つ目は、この作品の主人公である入江冬子の”お仕事”小説的側面です。物語中、冬子は『大学を卒業してはじめて働いた会社を辞め』『フリーランス』として働き始めたことが描かれていますが、その”お仕事”が『校閲』です。その”お仕事”はこんな風に説明されています。  『一冊の本になるまえのさまざまな文章を何度も何度もくりかえし読んで、誤字脱字や言葉のつかわれかたや内容に事実誤認があるかどうかを調べる ー つまり朝から夜までただひたすら「間違い」を探す』。 はい、私が『校閲』という”お仕事”にイメージするのもこのような感じですので違和感はありません。しかし、そんな立場の人の物の見方というのは私にはもちろんわかりません。この作品ではこんな風に興味深く吐露されていきます。  『この仕事をするようになってから、画面のしたに流れるテロップの間違いが気になってそれが直せないのが苦痛になり、自然にテレビはみられなくなってしまった』。 “お仕事”を離れてもさまざまな場面で自然と『校閲』を意識されてしまうのですね。テレビを見ているとその場面の後で、先ほどの『テロップ』に誤りがありました…と訂正が入る時がありますから、間違いを見つけるという”お仕事”の大切さがよくわかります。また、『校閲』作業における心構えのようなことも説明されます。  『校閲の仕事を始めて最初に教えられるのは、その、そこに書かれてある物語を読んではいけないということなんです。…なんというか、小説でもなんでも、読んじゃだめなんです』。 “お仕事”によって、発売前の小説が読めてしまうというのは、少し羨ましいと感じる部分がありましたがそうなんですね。発売前の『小説』が手元にあるのに読んではいけない…でも、どうしてなのでしょうか?  『わたしたちは物語をどれだけ読まずに…とにかく、感情のようなものをいっさい動かさないようにして、…ただ、そこに隠れてある間違いを探すことだけに、集中しなくちゃいけないんです』。 確かに、物語を読んで感動して涙を流してなんていたら、『間違い』を見逃す確率は高まると思います。あくまで”お仕事”として、『間違いを探すことだけに、集中』するという『校閲』の”お仕事”。物語では、『フリーランス』となった冬子の生活込みでその舞台裏が描かれていきますが、間違いなく、”お仕事小説”的な楽しみ方が味わえると思います。 次に二つ目は、予想外な楽しみ方です。物語には三束という男性が登場しますが、彼の設定は高校の『物理の先生』です。物語では、三束の語りの中に『物理』の豆知識がさまざまに顔を出します。  ・『宇宙のなかでいちばん小さな物質といわれているものが、もしかしたら粒のかたちをしているわけではなくて、ひものかたちをしているのかもしれない』  ・『物がみえるのはそれに光が当たっているからで、何にもないようにみえるところ、たとえば大気中にも分子がありますから、まあ簡単に言うとそれに反射しているものを、いまわれわれは光としてみているということになるわけです』  ・『ほとんどの光は物に吸収されて、消えてしまいます…反射したり、すり抜けたりする光もあることはあるんですけど、けれどもいつかはなんらかの物にあたるでしょうから、そこで吸収されてしまって、最後にはやっぱり消えてしまいます』 確かに『物理』っぽいです。物語ではこのような形で『物理』についての知識を語る三束にさまざまな質問をする冬子の姿が描かれていきます。こんな風に説明されていくと科目名だけで毛嫌いしていた『物理』にも興味が沸いてきそうです。 そして最後に三つ目は、『物理』の話題にも登場した『光』についてです。この作品には上記した通りさまざまな読みどころがありますが、作者の川上未映子さんはこの『光』こそがこの作品のモチーフであり、人生のあり方にとても似ているとおっしゃいます。  “光はいつか消えてしまう、だけど今あることは信じられる。それは私たちの人生にも通じることで、私たちは必ずいつかいなくなる、だけど今確かにここにいる。光だけではなく、世の中にある色んなものがすごく似ているんだけど、その1つ1つを説明するのではなく、主人公である冬子の静かな日常を通じて、色んな光が点在して響き合うような世界観を作りたいと思ってたんです” 『光』というものをとても大切に捉えられていらっしゃることがよくわかります。この作品では『光』という言葉が実に96回も登場しますが、印象的に綴られた表現を三つほど見てみましょう。  ・『そこにあるはずの無数の光のことを思い、仕事をし、そうしているうちに薄暮がおとずれ、毎日は何度でも夜になった』  ・『夜の光だけが、わたしの誕生日をひそかに祝ってくれているような、そんな気がしたのだ』  ・『なんでもない光のなかを、あの夜とおなじような気持ちで歩くようになっていた』 96回も登場する『光』の中から3ヶ所を抜き出してみました。もちろんこれだけではこれがどのような場面でどのようなことを意味しているかはわからないと思いますが、『光』という言葉が主人公の人生の中で大きな意味を持っていることはわかると思います。特に意識せずとも強く印象に残る『光』が描かれていくこの作品。『光』という言葉が美しく、さまざまに形容されていく物語に是非ご期待ください。 そんなこの作品は、『フリーランスの校閲者』としての日常を送る入江冬子の物語が描かれていきます。  『人とでかけたり、付きあったりすることはもちろん、言葉を交わしたりふつうに会話することさえうまくできず、小さなころからそういったことに自信のなかったわたし』、『一緒に食事をしたり、電話をかけて長話をするような友達もいない』 そんな風に自らのことを認識する冬子は働いていた会社にも馴染めず『フリーランス』の道を選択します。そんな選択の理由となったのが『大手出版社』の『校閲局に所属』する石川聖の存在でした。  『頭の回転がはやくて、その場の雰囲気をさっと見極め、ときには気の利いた冗談を言って相手を笑わせたりもできる、わたしには想像もつかないような能力をいくつも持った女性』 そんな印象を聖に抱く冬子は、日常に関係する唯一の友人という位置付けで仕事以外の話もするなど彼女に心を許していきます。同い年でおなじ長野県出身という聖の存在は間違いなく冬子の人生に大きな影響を与えていきます。しかし、そんな冬子の感情に未だ経験したことのない大きさをもって位置付けられていく人物が現れます。それこそが、『新宿のカルチャーセンター』で偶然に出会った三束でした。東京生まれの五十八歳という三束は、三十四歳の冬子からすれば父親といっても良い年齢差の存在です。そんな三束とさまざまに会話する冬子の中に一つの感情が湧き上がってきます。  『なぜわたしは、こんなに苦しい気持ちでいるのだろう。仕事も、そのほかのことも、何をする気にもなれず、なぜこんなにもどうしようもない気持ちでいるのだろう。これはいったいなんなのだろう』。 物語ではそんな冬子がさまざまに思いを深めてもいく様が描かれていきます。冬子の戸惑いの感情の中にもどかしさが募る展開は、文字にはならない冬子の思いを読者の心の中に紡ぎあげてもいきます。そんな物語を川上未映子さんの美しい表現の数々が、昇華させてもいきます。極めて純度の高い物語が見せるその結末、そこには『光』を象徴的に描いてきたからこそ見える、次に続いていく冬子の未来を予感させる物語が描かれていました。  『真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う。     それは、きっと、真夜中には世界が半分になるからですよと、いつか三束さんが言ったことを、わたしはこの真夜中を歩きながら思いだしている』。 そんな風に作品冒頭を綴る川上未映子さんの表現の美しさに魅了されるこの作品。そこには、主人公・冬子の心の機微を具に見る物語が描かれていました。『校閲者』の”お仕事小説”が描かれていくこの作品。『光』という言葉が物語を象徴的に演出していくこの作品。 全編に散りばめられた印象深い言葉の数々にも魅了される、とても静かで穏やかな『光』を感じる作品でした。

    302
    投稿日: 2025.08.02
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    自ら選択することを避ける冬子と似たものを感じることがある。 自分で選択すること、選択した結果生じる責任を負うことを厭うことは多くの人にあるだろう。 それはそれで楽なのだろうが得られるものはそう多くない。 冬子も自分の意思を伝えたから三束ともご飯に行けたように何かを得たいのであれば勇気を持って自分で選択、行動することが大切だと感じた。 日常的なありとあるゆることへの選択を避けてきた冬子をはじめ、恋愛となると深い関係を築こうとしない聖も好きな人の前で見栄を張ってしまった三束も同じように自らの意思で選択して深い関係を築くことが怖いのではないかと感じた。

    0
    投稿日: 2025.08.01
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    あまり好みでなく、読むのに時間がかかってしまったが近くにいそうな登場人物の表現だけはすごいと思った。絶妙な嫌さ。

    0
    投稿日: 2025.07.31
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    この小説だけではなく各文学で恋愛感情を示す「好き」という言葉のなんとも微笑ましいことか。さらに本書のような良質な心理描写の中で綴られる「好き」は一入である。好きという単語の配置のタイミングは恋愛小説の評価の多寡を分ける。本書はだいぶん後半に入ってくるが。 私がそこまで「好き」という表現を好むのは他の曖昧模糊になりがちな恋愛感情の表現より明らかな直接性があり覚悟がいる表現であることであるからだ。この言葉を繰り出すシチュエーションを思い浮かべるが良い。好きな対象に自分の制裁与奪を委ねてるのが普通に理解できる。他者に表明することで自分の尊厳を委ねかねない、この大事な言葉を気安く発することが出来るのは心の底から対象を思っているか、よっぽど玄人で軽んじた者でありそいつの信用に欠格がつく。この言葉を表明することの覚悟を持つ資格がある市井の若もの達の青春に羨望する。ただ本書において重大な注釈がある。ここに出てくる登場人物はそれなりに多少、歳を経過している。まぁそんなことどうでもいいが 最後に少し憎たらしい指摘になりうるが三束が 小説のキーパーソンとして肯定的に君臨するのは間違っているのではないか?。冬子はまんまと三束の三文芝居に乗せられてしまうが、ちょっとした沈思をすると三束のデタラメに容易に気づくはずである、三束はまだ若さの残る冬子に誠意をもって居たからいいものの、この推しの弱い冬子に三束的存在が悪手を伸ばす恐れは十分あるはずである。

    0
    投稿日: 2025.07.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後まで読んだけど、一言で言えば微妙だった。 冬子の妄想シーンと、冬子のたどたどしい会話のシーンは、読み進めるのが苦痛だった。 冬子が日本酒を持ち歩いてべろべろになってカルチャーセンターに行くところなんて、何がしたいのこの人?という感想しか感じなかった。 そのほか、高校時代、水野くんとかいう陰キャにレイプまがいのことをされたという描写も、その場の雰囲気に流されやすく自分の意見を持たないという冬子のキャラクターを読者に認識させるためだったのかもしれないけど、この描写必要だった?ってなった。 聖が冬子との電話や食事の時にたびたび展開する自分語りは、この年代にありがちな痛い女ムーブだなと胸焼けがした。しかも一度展開すると長い。そこまでページを割く必要あったか? その点は恭子さんが聖の悪口を言うシーンでスッキリしたけど… 三束さんとの恋が成就しなかったのは切なかった。 もう少し三束さんのキャラクターを掘り下げて欲しかった。

    0
    投稿日: 2025.07.27
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    う〜ん、とにかく読んでてしんどかった。 気付かないふりをしながら読み続けてたが限界を迎えた。 これ、つまらない。とはっきり気付いてしまったのだ。 とにかく誰にも感情移入ができなかった。 とても暴力的に言えば、 ディスコミュニケーション気味な主人公の冬子がアル中となり、 偶然出会った初老の男性・三束さんに歪んだ恋心を募らせていく。 それだけのお話。 これを純愛と呼ぶ人がいるかもしれない。 出てくる周囲の人々もとにかく意識高い系ばかり。 自分を保つための説教がとにかくしんどかった。 冬子というフィルターを通して、自信を保つ。 確かにこれもコミュニケーションなのかもしれない。 とにかく読んでてしんどい小説は久々であった。

    1
    投稿日: 2025.07.27
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    冬子と同じ歳に読んだのもあってもらいゲロ吐きそうでした わたし自身が周囲から感じ取らざるを得なかった無言の脅迫めいた圧(キャリア、結婚、出産など)、 そしてその沼にハマっていた苦しさをどうにも感じ言語化できなく さらにハマっていく そんな状況にも少し腹落ちができ、気づいたら今まで流したことのない種類の涙が流れていて 文字通り、しくしく、と泣いていました

    0
    投稿日: 2025.07.23
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    仄暗い雰囲気に気持ちが落ちそうになってしまった… 主人公は引っ込み思案で思ったことを口に言えない人 周りからも煙たがれたりする そしてそういうところを見て胸がぎゅーっとなると同時に似たような部分がある私自身反省してしまった 同族嫌悪に近い感情かもしれない 川上未映子、装丁の可愛さに惹かれてそれなりに色々読んだけどなかなかハマれないな…

    10
    投稿日: 2025.07.23
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    生々しくて苦しい 私には聖みたいなところも、冬子みたいなところもある みんなそうだよね 読んでよかった

    1
    投稿日: 2025.07.20
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    朝のつよい光がやってくれば隠れてしまうが、心細そうにけどたしかに灯る夜の光のように、朧げでどこか切ない物語だった。 冬子とは正反対の性格の聖は、よくしゃべる人だなぁと思いつつ、はっきりとした態度で少しとげのある物言いは、心の奥のやわらかいところを精一杯守るための強さといった印象を受けた。 聖の影響か冬子はだんだんお酒にはまっていき、その一連の描写が面白くて一緒に笑った。 飲酒で緊張がゆるんでいくのはよく分かるが、さすがに人と会うたびに微量とは言えないお酒を飲み続けている様には、まだ飲んでるんかいって思わずツッコミを入れてしまった。 思ったことは、恋とは写し鏡のようなものだということ。相手を見ているようで、相手を通して自分を見ている、相手とつながりを深めていくようでいて、実は自分のうちへうちへと入り込んでいく。 そんな独りよがりな時間であっても、後で思い返すと恥ずかしくてみていられないようなことであっても、人生の歩みを進める上ではとても貴重な経験となる。 それは、自分には縁のないことだ、と思い込むまでもなく過ごしていたとしても、ひょんなことからはじまることがある。 時に深く傷ついたとしてもどうしたって月日が経てば薄れていく、幻のような束の間の永遠が何も残さないとしても、少しでも胸のうちで動き出すものがあればきっと、それは大きな意味があることなのだと思う。 そういや冬子は結局、三束さんのしたの名を知ることができたのだろうか。それはどんな名前だったのだろう。

    6
    投稿日: 2025.07.18
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    冬子と聖の関係がとても印象に残った。 自分の恋愛経験が少ないからか、三束さんとのことは「なんでそうなるの?」「どうしてそう思ったの?」となっていた。いつか自分にも、あの感情が少しずつわかるようになるのかな。 「嫌われる必要もないけど、無理に好かれる必要もない」とか、「環境は自分で作らなきゃ」って言葉に、聖の強さを感じた。嫌なことはちゃんと「嫌だ」と伝えられる聖は、自分とは逆で、正直うらやましかった。でも、その強さが、ときに誰かを傷つけ、関係を壊してしまう脆さにもつながるんだな、と思った。 自分はなかなか言葉が出てこなくて、うまく言い返せないことが多い。だから、 「大事なものは、人それぞれ違うでしょう…、それに、なぜあなたに、頑張ったって言ってもらわなきゃいけないの」 「みんながみんな、あなたの常識で動いてるって思わないでほしい」 ってあの冬子がいえた時は、読んでいてスカッとした。 でも、同時に、自分も誰かを自分の「常識」でジャッジしてしまっているかもしれない、とハッとした。言葉にしていなくても、態度や表情に出てしまっていることがあるだろうな。冬子もそうだったように。 心をぶつけ合う2人のやりとりから、お互いを大事に思う気持ちが伝わってきて、読んでいるうちに一緒に泣いてしまった。

    1
    投稿日: 2025.07.15
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    ううーん…世の中、いろいろな人がいるから。 聖みたいな人も、職場にいるなあ、とか、冬子みたいに一般企業に勤めるのは、向いてない人もいるよな、とか。 デートで背伸びしない!っていうのは大事かも。気後れしちゃうしね。

    0
    投稿日: 2025.07.13
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    自分ももともと人と話すことが苦手だった。会話ができなかった。ある日自己改革をして人の真似をして、自分のコンプレックスを改善したいからか半ば無理やり営業職を選んでいる。この生き方で合ってるのか?あのままの私ならどんな人生だったのか?感じたくて読んだ。 結果、、主人公よりはだいぶ話せるようになったなと思った。やっぱ無理してるけど話せるようにした自分を褒めたい。 人を下にみることは良くないなと思った。相手、他人をフラットに尊重して生きたい。

    0
    投稿日: 2025.07.13
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    なんかモヤモヤした! 「あなたが私の人生の登場人物ではもうないからなんでも話せる」ってところが忘れられない。 みんなそれぞれ色んなものを抱えていて綺麗な部分だけじゃないって考えさせられた! さもしいとか喧騒とか厭とか言葉遣いすきだなーって思った

    1
    投稿日: 2025.07.05
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    小説はその長短を問わず一気読みするのが私の習慣だが、本作は読んでいる間、ずっと目が滑ってしまい、時折訪れる睡魔に困り、何度か中断しながら日を変えて読了を迎えた。私は学生だから、社会人である主人公を理解できないのか、ずっと入江冬子という人物が分からず終いである。所々、登場キャラクターたちの台詞には共感したり刺さったりする部分はあるのだが。おそらく良作ではあるはずなので、また時が経って再読を試みる、つもりでいる。

    1
    投稿日: 2025.06.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    苦しいよー。 主人公がまるでわたし。と言ってしまうと、えらい未熟者なんですねと思われてしまうけど、実際ほんとうにわたしはこのくらい未熟で、共感ばかりしてしまって苦しかった。酒に溺れていくところでややドン引きで、何やってんだって思っていたけど、読み進めるごとに冬子への感情は共感に変わっていった。 この物語に似たような環境にあったことがある。 だから、この物語のわたしみたいなわたしじゃないひとは、わたしが望んでいたような展開の上で生きているなと、中盤まで思って読んでた。でも結局わたしみたいなわたしも、わたしと同じような結末を見ているなあ。とても個人的で抽象的な話ですが。 たしかに痛かったはずのものが、時がたつにつれて痛みが遠のいてしまうことが悲しい。悲しかったはずのことが、それほど悲しく感じなくなってしまうことが悲しい。いや、悲しく感じるんだけど、生活のなかの悲しさが薄まるというか。遠くからそのときのことをみているような感覚で。身近な場所に当時の痛みや悲しさがないことを、さみしく思う。んだよね、冬子さん。わかるよー。 終盤の聖のことばは、ほんとうに全部正しかったと思う。けど、主人公と似たような感覚のわたしは、違う、違うんだよーと苦しくなって、冬子みたいに喉が締め付けられたような心地になった。でも、意固地になってしまう聖の気持ちも少し共感できて憎めない。ふたりが仲良しでよかった。 川上未映子はどうにも、魅力的で、謎めいたひとを描くのが巧みだなあと思う。『愛の夢とか』の最初のお話「アイスクリーム熱」に出てきた男性もすごく魅力的だったけど、三束さんも負けず劣らず魅力的だ。なんでこういうひとたちって、どこかへ消えてしまうんだ。消えてしまいそうな空気に、わたしたちは惹かれるのかな。 なんだか、わたしにとって読むべき本だったかも。 読むべくして出会えたかも。よかった。 主人公の冬子という名前も、あこがれの名前だったので、なんか特別な気持ち。 最後のタイトル回収はよくわからなかったので、いらないと思ってしまった、、、

    0
    投稿日: 2025.06.19
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    高校生の時に買って読んで、しばらく本棚に仕舞いっぱなしだった。 数年後社会人になった私はまた手を取って文字を追った。 アルコールの力が泣ければ、スムーズなコミュニケーションを取ることが難しい。今はそれが痛いほどわかった。 正気じゃない私でないと、あの人との私でいられない。 露骨な表現と登場人物たちの飾らない容姿だとかの描写が、まるで自分のことであるかの様に手に取る様に感じた。 恋とはなんと、なんと不思議なものだろう。

    1
    投稿日: 2025.06.19
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    この人はこういう性質が背景にあるからこうなんだよ、と勝手に分析して説明することで、上に立つ現象きらい 解釈者の優位性幻想、と指摘することでブーメランになる大ジレンマ 自分の思想や感情すらも他人のものを引用しているんじゃないかという感覚には大いに共感

    1
    投稿日: 2025.06.02
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    タイトルに惹かれて買ったから、ラストの終わり方が心地良かった。心の中をここまで言語化出来ると、良い意味で読んでてつらい

    10
    投稿日: 2025.05.29
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    わたしは息を止めた。 これ以上それがわたしのなかに なだれこんでこないようにぎゅっと目を閉じ、 この曲をきくのはこれで最後なんだと思うと 何度でも胸が痛んだ。 でもそれはもう、遠くにある痛みだった。 一日ごとに薄まり、忘れ、やがて 消えてしまう記憶のなかにある痛みだった。 ひとつひとつ音を指さきで抱きしめるように、 時間と記憶にしるしをつけるように、 わたしは目をつむった。 夢のようなきらめきの連なりを辿り、 最後の一音が去ってしまうと、 わたしはゆっくりと目をあけた。

    2
    投稿日: 2025.05.20
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    共感する言葉がたくさんあった。私も自分の発言は誰かのもので自分が感じた感情なのかわからなくなることがよくある。

    1
    投稿日: 2025.05.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初の白いページをひらいたそこに、すべて真夜中の恋人たち、と書いた。 それはただ、どこかに浮かんだ言葉だった──。 さてさて、やわつむりさんのYouTubeチャンネルで紹介されてた本作。 しばらくの間積読したままだったので、これをきっかけに手に取ってみました。 文体はやはりすごく綺麗。色んな方の感想にも語られている通り、特に冬子が紡ぐ言葉たちには、不器用さ故の儚さや脆さが繊細に描かれているのが印象的でした。 そして、物語のもつ引力やそこから得られる没入感は、終盤に向けて加速度的に増していきました。それもきっとストーリーテリングは勿論ですが、冬子が持つキャラクター性が物語へどんどん引き込んでくれるのだろうなと。 うん、この物語はやはり真夜中にそっと読み進めるのがいいのかもしれないな。それがきっと、この物語を一番美しく引き立たせてくれるんだろう。 ・ ・ ・ ・ ・ 全米批評家協会賞 小説部門 最終候補ノミネート! 「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。 わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々のなかで三束さんにであった──。 芥川賞作家が描く究極の恋愛は、心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。渾身の長編小説。

    2
    投稿日: 2025.05.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すべて真夜中の恋人たち/川上未映子 読了 2025.03.19 Youtubeの小説紹介で知り、タイトルに惹かれて購入。あんまり思ってた感じの本ではなかった。 タイトルからして、短編集とか、そうでなくても色んな人たちの恋を描いた作品かと思ってた。そうじゃなかった。 主人公には自分がない、自己主張がない、やりたい事がない。飲めなかったお酒にのめり込んで、いつしか飲まないと生活できないほどどっぷりハマってしまう。そんな時に出会った紳士的な男性に恋をしていく。でも、その人のことを、冬子はあんまり知らない。なんでなのかは、最後にわかる。結ばれるんだと思ってたなぁ。 仕事の上司や同僚、同級生。出てくる女の人はみんな思想が強い。主人公の冬子以外、自分が正義と思ってるような節がある。話し始めると長いんだよ。その内容が、語り口が、あんまりハマらなかった。仕事の付き合いはあるけどあの人のこと嫌いなんだよね、あなたにここまで話せたのはあなたは今後私の人生の登場人物じゃないから、あなたのそういうところ前からいらいらするのよ、なんて、平気で主人公にぶつけてくる。こんな人ばっかりだったら、そりゃ主人公も生きてくの難しいよなぁ。 ところどころに綺麗な文がある。一人葛藤する冬子の考えてることに、共感できるところがたくさんある。でも話の内容や展開(酒に溺れるところや話の最後)は、あんまり好きじゃない。タイトル回収も納得いかない。一冊を通して読み返したいとは、今のところは思わない。

    1
    投稿日: 2025.05.17
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    主人公の思考が全く自分と違いずっとモヤモヤしたまま進んでいたが、読み進めていくにつれ少しずつ魅力が深まっていった。ラストで一気に引き込まれた

    1
    投稿日: 2025.05.14
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    ‘真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろう’というフレーズに惹かれて読みましたが、想像していた内容とは少し違いました。 暗くて、気持ちが沈んでいくような内容で、読むには少し早かったかもしれません。 もうちょっと心が成長したら、30代になったら、もう一度読んでみようかな。

    0
    投稿日: 2025.05.13
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    今日はどっぷりと、休もうと思い 朝から、着替えもせず ゴロゴロ ゴロゴロゴロゴロ 読書、コーヒー、読書、甘物、コーヒー、読書、昼ごはん、コーヒー、読書、読書 傍にネコ、膝にネコ、お腹の上にネコ そんなドロドロにリラックスした至福の1日に 途中まで読んでいた、本作の後半を一気に読んだ 主人公の入江冬子の一人称で書かれた本書。 この冬子、なかなかの陰キャ。 感情を表現するのが苦手を通り越して、引きこもりに近いほど。 そんな主人公が心を開いていくが… 一歩踏み出す勇気が持てない。 一歩踏み出す人生じゃなくてもいいと言う諦め、その欲がなくなって、冷めてしまう人を深掘りした作品。 傷つくことを避けている主人公の葛藤が物語のほぼ全てを占めている。 心理描写は、秀逸。 ググッと引き込まれて、緊張するシーンがいくつかあり。そこは良かった。 ここまで拗らせている人が現実にいるかと思ってしまう部分が多分にあったけど、理解できる部分はあった。 残ったセリフ 「クラッシックなんて、ちゃんときいたことないので、わかりますかね」とわたしは言った。 「わかるも何も、音楽ですから、ただきくだけですよ」と言って三束さんはまた笑った。 * どんなことでも、自然に受け取るだけでいいんだよなぁと思わせるセリフで良かった。 何にでも、高い敷居なんてなくて、敷居を感じている自分がいるだけ。冬子は、ここが強すぎるんじゃないかな。相手の評価を勝手に想像して思い込む。 思ったことを丸裸に出す聖 思ったことをまるで出せない冬子 このバランスを考えさせられる作品でした。 どんな自分が生きやすく、充実するのだろう 光と陰… 物語としては、正直それほど面白い訳ではないかな。 それでも、なんかズッシリ感じるんだよなぁ。 この人の作品。 でも、未映子さん作品の中でも、ズッシリ具合も⭐︎3かな。 そんでも、そんでも やっぱり、 ググッと、クワっと、迫ってくるシーンが未映子さんの本を読む醍醐味。 存分に味わえました。

    32
    投稿日: 2025.05.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    文章がとても綺麗で、読んでいると風景や空気感が鮮やかに浮かび上がってくるようだった。入江冬子はあまりにも奥手で、自分の気持ちすらうまく言葉にできないところには、正直少しイライラしてしまった。一方で、友人(仕事仲間?)の聖は逆にあまりにもはっきりとものを言いすぎて、どこか大事なものが欠けているようにも感じた。冬子が三束さんへの気持ちに気付いてからもどかしく感じる場面が多かった。それでも、登場人物たちの不器用さや心の動きがとてもリアルで、人間らしくて、つい感情移入してしまう。 三束さんが、「教師も夏休みはおやすみ」と言っていて、え、違うよね、先生は夏休みも学校行くと思うけどって疑問に思ってたけど、職業嘘ついてたから知らずに答えていたんだ!!!スッキリした

    1
    投稿日: 2025.05.09
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    主人公にはずっとイライラさせられた。 人間関係の要領の悪さ、自分を見てるみたいだった 人任せでなにも考えない、飲酒での現実逃避、脈絡のない質問、勢いにまかせた突拍子もない行動、独りよがりな恋愛。 ただ、そのおかげで聖との口論で自分の意見を言ったとき真っ向から人とぶつかる瞬間が際立って見えた。 聖があなたのことをもっと知りたい、本当の友達になりたいと伝えるシーン、なぜがじーんときた。 相手のことを軽く見て下に見ているとき、相手も同じように見ているのかもしれない。 大人になってからできた知り合いと真っ向からぶつかることはないけど、ここまでタイプの違う相手をもっと知りたい、本当の友達になりたいと伝えるほどまっすぐぶつかるってなかなかないよなあ 価値観ずれそうだったら話題避けるか少しずつ疎遠になってしまう自分には新鮮だった

    3
    投稿日: 2025.05.01
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    2025/4/28再読。 はじめて読んだのは何年前か忘れてしまったけど徐々に内容を思い出した。意外と覚えているもんだなぁ。 意味わからなすぎておもしろかった部分。 「献血に協力してくれませんかとその小柄でたっぷりと肉のついた女性はにっこりと笑ってわたしに言った。その笑顔はなぜか真っぷたつに割ったキャベツを思い起こさせた。」 主人公、素面の自分に自信がなくて昼間から日本酒で酔っ払い、カルチャーセンターで粗相。そこで知り合った年の離れた男性と時々会うようになるが、、、 なんか、大丈夫?という感じの場面がたくさんある。学生時代も30代半ばの現在も、関わる人から"あなたをみているといらいらする"と言われてしまう主人公。私もちょっとイライラした。 「・・・・・・みんながみんな、あなたの常識で動いてるって思わないでほしい」「大事なものは、ひとそれぞれ違うでしょう・・・・・・」 物語の終盤で、このセリフがあってよかった。

    3
    投稿日: 2025.04.28
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    よくわからなかった、何だったんだろう、と言ってしまえばそれまでなんだろうけど、冬子と一緒になんだか私まで夢を見ていたような、そんな気持ちになる物語だった。 とてもきれいな言葉、美しいとみんな言うけど、本当にきれいだった。性的な描写も、変に作り出してるのではなく、生々しいと言ったわけでもなく、きれいだった。 冬子は控え目な人だけど、彼女がたまに発する言葉に、こんな言葉を使うんだ、こんなことも言えるんだ、と、まるで自分も隣で冬子と一緒にいる気持ちにさせられた。 現実的に、客観的に物を見ているような聖。悟ったような女の人たちを小馬鹿にしているけど、彼女もまたそっち側なんじゃない?ってことは最後に明らかになるというか。 冬子はいい年して恋愛で心を病んでしまうなんて、ちょっと馬鹿みたいと思いながら、でも恋愛って、恋っていつの歳になってもそんなものなのかもしれないな、とか。そこで聖との対比が面白い。 最後に聖が冬子と友達になりたいっていう切実な想い。きっと冬子は全て話したんじゃないかと思う。 三束さんはなぜ職業を偽っていたのだろうか。なぜ誕生日の夜に現れなかったのだろうか。 この本のテーマは光だけど、光が吸収されたところ、暗闇もまたテーマなのかもしれない。 「物が見えるというのはそれに光が当たっているからで、何もないようにみえるところ、たとえば大気中にも分子がありますから、まあ簡単に言うとそれに反射しているものを、いまわれわれは光として見ているということになるわけです。」 冬子のように影にいる見えないような彼女の存在も、誰かに光を当てるための分子となる。たとえばそれが聖だったり。そのことに聖は気づいていないような発言をするけれども、それを悪いとも思っている。 「みえてる色っていうのは、簡単に言ってしまうと残りの色。」 聖のように見えている側の人も実は残りの色なのかもしれない。悲しい人なのかもしれない。世界を作るのは、冬子のような見えない人たちかもしれない。冬子にもちゃんと感情があって、彼女の物語がある。 真夜中には真夜中にしかみえない光がある。だからこそきれいで美しい。真夜中には光が少ないから、より吸収されてしまいそう。その中でも残った色だけが目に見えるのだとしたら、その光は本当にキラキラと輝くような気がする。

    2
    投稿日: 2025.04.27
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    今の自分には全く刺さらなかったけど、昔読んでたら思う部分はすこーーーーーしはあったのかもしれなーい、けど最後らへんはよくわかんなかった、嘘もよくわからないし題名使ってるけど繋がってないしよーわからぬ、、

    1
    投稿日: 2025.04.19
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    光の描写、文章の並べ方がとても綺麗だった。しっとりとした恋愛小説でタイトルの真夜中がしっくりくる。真夜中のシーンとした時間に少しずつ読みたい、そんな作品でした。 聖は真正面から向き合って自分に対して意見と言うか、注意をしてくれる人が欲しかったのかなって思いました。なのでそのシーンが一番好きだし、印象に残りました。恋愛としてはハッピーエンドじゃないけど、何となく前向きになれる気分です。

    1
    投稿日: 2025.04.16
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    日常に疲れた時に読むのに調度良い温度感の作品だった。 但し、思想は結構強いので本当に何も考えたくないほど疲れている時には向いていない。 言葉選びが丁寧で表現自体も歯に衣を着せたものが多かったのが、主人公の極めて控えめで集団にうまく適合できない性格にぴったりだったと思う。 物語全体を通してぬるま湯のような温かさがある。 好みは分かれると思うが、オーガニックで丁寧な小説を読みたければお勧め。

    1
    投稿日: 2025.04.16
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    〈メモ〉 独身の控えめな女性が恋をする話。繊細。 静かな夜にずっといる感じ。切ない。 最後はハッピーエンドではなかったけど

    0
    投稿日: 2025.04.10
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    川上未映子2冊目。校閲だけを職業として生活している女の人というのは、極めて限られた人数しかいないと思う。それだけでも垣間見られる姿に女の人を私は知らないなと思う。孤独な日々を断ち切るように、愛していると真剣に告白して、見事に振られてしまうその展開も、女の人だから描ける世界だなと思う。主要な登場人物3人ほどの展開は凝縮されていてひきつけられる。

    0
    投稿日: 2025.04.06
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    個人的思い入れから読み終わりたくなくて何年も寝かせていた本を今なら読める気がしたので。一言一言が好きで「旅先で読みたかったな」という気持ちになりました。恋の始まりと終わりの描写も好き。

    1
    投稿日: 2025.03.31
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    ゆっくりゆっくり親密になっていく大人の男女の話ですが、ちょいちょいグッとくるシーンがあり、それがとても良い! 主人公の友人は苦手なタイプですが、頭もいいし核心をついてくるんですよねー。痛い痛い。 あまり恋愛小説は読んだことがないのですが、一気に読んでしまいました。若い頃の自分だったら早くいったれ!とヤキモキするんですが、このスローペースを楽しめるなんて自分も大人になったもんだと思います。

    7
    投稿日: 2025.03.29
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    光の表現が素敵だと思いました 真夜中の歩き方が変わるかな 話の内容は うーん、人間の傲慢さにモヤモヤ させられっぱなしでした

    9
    投稿日: 2025.03.23
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    主人公が中年の設定だからか、本に対して少し身構えてしまった。内容もノロノロと進み、後半まで山場もなかった。しかし、ラストシーンで「他人にはあまり関わらないで、自分だけが完結する方法が好きんでしょ、要するに我が身が可愛いんでしょ」というようなことを主人公が言われるのだが、自分もそのような節があり、この言葉に出会えただけでこの本を読んでよかったなと思った。

    3
    投稿日: 2025.03.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一人一人がもどかしく苦しい毎日を必死で生きてるんだと思い、現実世界もそうであるなら、冬子と聖みたいにお互いぶつけ合ってそれを理解すれば、もっと生きやすくなるのかな。それぞれの人生を愛おしく思える。あと表現が綺麗。こんな日本語使いたい。

    0
    投稿日: 2025.03.17
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    とても綺麗な言葉たちでした。 ひらがなの柔からさを、言葉のもつやさしい形と、控えめにかがやくきらめきがたくさんありました。 夜と光に対する言葉がとても綺麗でした。 ショパンの子守歌を聴いている様子が、とても綺麗でした。 手に取ればきらきら、ほろほろと指の間から零れ落ちていくような言葉たちでした。 この本を読み終えるのに、すごくすごく時間がかかってしまいました。 入江さんの様子がなかなか理解できず、読み進めることができずにいました。 なんだか繋がりのないようなぽつぽつとしたお話を読んでいる気持ちになりました。 最後の10数ページを読むとき、少しだけ呼吸が浅くなった気がしました。少しだけ胸が締め付けられたような気がしました。

    0
    投稿日: 2025.03.10
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    「何か温かいものでも飲みましょう」 こんなん言われたら好きになってまうって p284 恋する人が考えてること ドキドキしちゃう 相手のことが気になっちゃうんだよね ドキドキ小説 3時間ぶっとうしで集中で読めた 三束さんとの関係が深まるところから、入り込めた なんかが起こった!って感じではないけど 1人の女性の心の中で、生き方のベクトルが変わったような感じ 失恋は女を強くする

    1
    投稿日: 2025.03.06
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    ただ静かに胸の中に文字が刻まれていく恋愛小説でした。すきな人がいるときの気持ちを代弁してくれているようでした。また冬が来る時に読みたいです。

    2
    投稿日: 2025.03.04
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    しっとりとした恋愛小説 共感できないような部分も多いんだけど なぜかすらすら読めて、じんわりくる。 女の人間関係の複雑さや ちょっとした黒い部分も描かれていて、 これを1人の作家が書いてるのかと思うと いい意味で怖い。 川上さんの表現力があまりにも豊かすぎて 私の語彙力が一気に上がった気がする (多分気のせい)

    10
    投稿日: 2025.02.28