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最貧困女子
最貧困女子
鈴木大介/幻冬舎
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総合評価

189件)
3.8
37
64
42
9
1
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    こんなにも過酷な環境で生きてる女性たちがいることに驚いた。自分も発達障害者であり、生きづらさを感じているが、本当に孤立してしまって心を閉ざしてしまう人たちもいるんだなと。

    0
    投稿日: 2025.10.08
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    「本当の弱者は救いたい形をしていない」 この言葉に尽きますね。 社会の中でも不可視になっている最貧困層の女性へのインタビュー、取材を通じてそのリアルな姿を描写しています。 なかなか読むのがハードな部分もありますが、こうした現実があるという事実を知っておくべきだと感じました。 彼女たちの多くは売春で生計を立てていますが、昨今の「パパ活」などによって売春のコモディティ化がさらに進んでおり、本書が上梓された頃よりさらに状況が悪化していると考えられます。 解決策のようなものも後半少し触れられていましたが、正直厳しいと思いました。

    7
    投稿日: 2025.09.30
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    『最貧困女子』に描かれる虐待の連鎖に、「人間である限りこれはなくならないのでは」と絶望的な気持ちになった。これらの問題は本人のやる気ではなく、生き抜くためのOSが違うのだと。安易な自己責任論がいかに無力で残酷かを痛感する。 ただ魚を与えるのでもなく、一方的に釣りを教えるのでもない。その人が尊厳を失わずに輝ける環境をどうデザインするか。本当の支援とは何かを、深く問い直すきっかけをくれた一冊。

    0
    投稿日: 2025.07.21
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    「真の弱者は救いたい形をしていない」とはどういう事かの詳細解説みたいな本。 本文にもあったが、知性や精神に重い障害を持つ人と関わった事の無い層には到底信じられない世界だしにわかには受け入れ難い難い内容だと思う。 知的ボーダーや精神疾患持ちの方と深く関わった事がありそれなりに理解がある方だと自負している私は「分かるー!」の気持ち良さと、あまりの深淵の深さに「ぇえ…」の困惑の連続で感情の交互浴が凄かった。 特に、 『彼女らは本当に、救いようがないほどに、面倒くさくて可愛らしくないのだ』 の部分は、あまりに実感として“理解る(わかる)”ので唸ってしまった。 この本がシンドくて読みきれない方は、「みぃちゃんと山田さん」という漫画から入るのが良いと思います。 知的障害の行動様式がしっかり描かれているし、「まだぜんぜんマシ」な部類の地獄なので覗きやすいです。

    0
    投稿日: 2025.07.09
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    私は子供の頃から「日本に生まれただけで幸せ」と言われてきた。 それは疑いもなく事実だと思う。 しかしながら、その幸福が誰にでも平等に享受できるものではないのだと、強く全ての日本人に理解してもらいたい。 多くの人がセックスワーク(性風俗や違法の売春まで)を行う人を、「楽して稼ごうとしている」とか「自分を安売りしている」などと忌避するだろう。 たしかに、本書でもそう言った気軽な思いで参入する一般女性も描かれる。 しかし、彼らは「貧困」でさえない。 「貧乏」と「貧困」は異なるのだ。 さらには本書で定義する「最貧困」とは、存在さえ不可視化され、ほぼ全ての日本人が知りもしない、想像もできないほどの、目を背けたくなるような絶望を生きている。 援デリ(非合法売春の業態の一つ)の少女たちは何歳からいるかわかるだろうか。 代々先輩が後輩を売る中学校があるなど、想像できるだろうか。 彼らの単価は? なぜ彼らが部分麻酔を持ち歩くのか? なぜ彼らは普通のバイトやせめて夜職をしないのか? ある少女は「じゃんけんでチョキ出されたら負けますね」と笑う。親に折られて、拳を握れないのだ。 2人の子供と一緒にいたい母親は、公的書類が読めず、福祉支援が申請できない。 カップル援デリをする少女は、会話もままならず、「あ、はい」程度しか回答できない。 ある買春少女は長い会話に集中できず、ちょっとした事で相手を殴ってしまう。 彼らに自己責任だと言えるだろうか。 誰にでも煩わしい行政手続きや面談を経て、生活保護等福祉保護を受けられるだろうか。 彼らは公的医療保険制度も理解していない。 私自身、人に理解しづらい病気で休んだことがある。 1人で抱えてはいけないそうだ。 ならば、どうしたらいい? 日本に生まれて幸せ。 そう言えると言うことで、やっと幸せなのだ。

    4
    投稿日: 2025.06.16
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    大学生の時に読もうとしたが、その時の自分には内容が重すぎて脱落。10年経ったいまなら読めるかも?というのと、貧困と脳を読む前に読んでおきたいと思って再読。今度は最後まで読めました。 10年以上前と比較すると今の方がもっと深刻化しているのでは、、、??自分に何かできることってないのかなあ、ちょっと考えていきたいと思いました。

    0
    投稿日: 2025.06.16
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    半分ほど読んだがあまりの救いようのなさに本を閉じてしまった。 「貧乏で幸せな人間はいるが、貧困で幸せな人間はいない」という言葉が心に残った

    6
    投稿日: 2025.05.24
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    まえがき ・人は低所得に加えて「三つ無縁」「三つの障害」から貧困に陥ると考えている 「家族の無縁・地域の無縁・制度の無縁」「精神障害・発達障害・知的障害」 ・世の中には、こうした分類・分析・論証や議論から外れたところで、目も当てられないような貧困の地獄の中でもがいている女性、そして未成年の女性達がいる。セックスワーク(売春や性風俗産業)の中に埋没する「最貧困女子」。それが僕が見てきた最も悲惨な風景だった。 ・彼女らは貧困問題の議論から除外されてきたとしか思えないばかりか、常に差別と無理解と糾弾の対象だった。 なぜなら彼女らの貧困、抱えた苦しみや痛みは、「可視化されていない」のだ。 ・見えづらい、分かりづらい、面倒くさい、そんな「最貧困女子」を、忘れないでほしい。見捨てないでほしい。 彼女らの抱えた不可視の痛みと苦しみを、この本では可視化してみたいと思う。 第一章貧困女子とプア充女子 第二章貧困女子と最貧困女子の違い 第三章最貧困女子と売春ワーク 第四章最貧困少女の可視化 第五章彼女らの求めるもの 総括 ・女性の低所得層が増えるほどに、低所得と貧困の境界が分かりづらくなり、その中でも特にセックスワークの中にある貧困女性が一層不可視状態に陥ってしまう「最貧困女子・少女」にとって、セックスワークには吸引力がある。 セックスワーカーを「ワーク系」「サバイブ系」「財布系」で分類することを提案し、生きるためにセックスワークに就かざるを得ない多くが合法的でない違法な売春ワーク周辺に偏在する傾向を描いた。 簡単な解決策など示しようがないが、まず小学生時代の居場所ケアによって、「売春ワークへ吸引する地域の縁」を絶つこと、家で状態の少女らには親和性の高いシェルターづくりの必要性がある。18歳以上の最貧困女子については、セックスワークそのものに正常化・社会化が必要だと提言した。 格差社会の中でセックスワークに一般の女性が参入する機会が増えている。様々なステージで議論を始めてほしいのだ。 まず第一歩は、それがどれほど直視に耐えないようなものであっても、彼女らの置かれた現実を知ることからだ。 最も救わなければならない女性が、差別や批判の対象となるような、そんな残酷な連鎖だけはもう断ち切ってほしい。そう願ってやまない。 あとがき 世の中で、最も残酷なことはなんだろうか? それは、大きな痛みや苦しみを抱えた人間に対して、誰も振り返らず誰も助けないことだと思う。 道端で倒れて七転八倒している女性がいれば、、多くの人が手を差し伸べるだろう。 だが、その女性が脂汗を拭きながらも平然を装っていたら?声をかけても「大丈夫ですから」と遮ってきたら? 助けてくださいと言える人と言えない人、助けたくなるような見た目の人とそうでない人、抱えている痛みは同じでも、後者の痛みは放置される。これが、最大の残酷だと僕は思う。 現代の日本ではこうした最悪の残酷が広がりつつある。格差社会、特に貧困が単身世帯の女性や、ひとり親(シングルマザー)に集中しているという報道は、だがそんな中、その貧困や抱えた痛みが「不可視化」され、それどころか差別や批判の対象とすらなってしまう女性や未成年の少女らがいること、それがセックスワーク(売春・性風俗)周辺に集中していることを本書では描いた。 本音を言えば僕の心情は、もう限界だ。 あれ?これ放っておいたらまずいんじゃない?そんなことを少しでも思ってくださる読者が入れば幸甚だ。 心情面だけではなく、実際問題は深刻だ。 ひとつだけ言えるのは、男は子供を産めないということだ。今日本は少子高齢化の中、圧倒的な生産人口不足・労働力不足の時代を眼前に控えている。にも関わらず、福祉といえば高齢者の介護福祉。子供や女性への福祉は軽視されたままだ。 生産人口の減少は、国力の衰退にほかならない。むしろ日本の男性は頭を下げて女性に「産んでくださいお願いします」とお願いするような状況にあるのに、そもそものその貧困状態が可視化されていないことに、大きな危機感を抱きはしないだろうか? 本書を読むことはとても重苦しいですし、本書からさらに想像していくことは神経が持たないです。 セックスワーカーはAV出演者も含めて、すっかりと日本女性のごく普通の当たり前になっているようです。 日本人AVは世界中でとても人気があり、日本人女性たちはとても性的に卑猥な尊厳のない軽い女性として世界中で定着し見られているようです。 しかも昔とは違い映像で日本人女性の卑猥な姿が、世界中の人々達に今後何千年間も晒し者にされることになってしまうのにも関わらず。 そうした規模とかを考えれば、こんなにも女性が卑猥で軽くて情けがなくなってしまった国、民族は地球の歴史上どこを探しても過去に遡ってみたとしても、現代の日本以外では他には例がないはずです。 とても深刻な取り返しがつかないのではないのかと思ってしまいます。 日本人女性たちのことをそうやって晒し者にさせて平気でいる日本人のことは世界中ですっかりと蔑みと笑い者になっています。

    9
    投稿日: 2025.04.03
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    大切に保護されて過ごすべき子供時代に命に係わる暴力と虐待を受け続け、何も与えられず、適切な教育も受けられず、容姿にも恵まれず、孤独と苦痛を感じている彼女たちは、社会からゴミを見るような目で見られている。 許せん!と、消費期限3分の義憤が沸いてすぐ消えた。恐ろしいことに気が付いたから。 人は見た目が9割というけれど、ただ容姿に恵まれないだけでなく、たくさんの厄介ごとと疫病神に憑りつかれて凄まじい負のオーラを放つ彼女たちは誰もが最悪の第一印象を抱くと思う。そして粗暴なふるまいや極端なルーズさ、品のない言動を目の当たりにし、 おそらく、いや間違いなく、僕はゴミを見る目で彼女たちを見る。 そして自分の世界から切り捨てるだろうと思う。あまりに異質すぎて理解不能。サバンナの動物が過酷な自然でも生きていけてるように彼女たちも独自のコミュニティを持ちその中で生きてるのだろうと勝手に想像して終わり。記憶から消える。 ルポライターってすごいなー、この恐ろしい世界の内側をよくこれだけ取材できるもんだ。 この本読んで、大きく考えが変わったわけじゃない。だけど、一つ決めたことがある。 書いてしまうと安くなりそうなので書かないけど、僕は決めた。

    6
    投稿日: 2025.02.24
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    日本の貧困層でも底辺レベルの女性を取材し、その生活や特徴を描き、類型化して可視化させて社会問題をなんとかしたいというルポ 救いようの無さを痛感させられる。環境も個人も社会システムも。 まずは知ることから。将来的に解決できる見込みが全く立たなそうだけど。

    0
    投稿日: 2025.02.24
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    https://www.youtube.com/watch?v=qKwUx7QbX2k 岡田斗司夫

    0
    投稿日: 2025.01.21
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    容姿がいいがちょっとした小遣い稼ぎで週に一度風俗で働いている女性が、最貧困女子の話を聞いた上で解答が忘れられない。 人間社会の縮図は結局これなんだなって感じざるおえない内容だった。

    1
    投稿日: 2024.10.29
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    文字通り、貧困女子について書いた一冊。 多くは不遇な家庭環境に育ち、そこから性産業に従事するtぽいう実態がよくわかった。 その中で『貧乏と貧困は違う』というのがとても印象に残った。

    3
    投稿日: 2024.10.19
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    この手の本は大変貴重だと感じます。 国内統計でも性産業に関するデータは基本的にありませんし、データ取得そのものにプライバシー権が及びますので、標本が少なくてもこのようなルポから学ぶことは重要です。 風俗業、とりわけ性産業女性たちそのものにももちろん課題は山積みですし、一定の自己責任は伴うでしょうが、層別に考える良いきっかけになりました。 売れっ子キャバ嬢やav女優、私たちが表層的に判断するのはこのような目立つ方々ですから、お金を持ってる、整形をする、華やかな人たちを前提にしています。 しかし、本書では、もっと身近でミクロな領域について言及しており、これが大多数のセックスワーカーの真理に近いのかと感じました。

    9
    投稿日: 2024.09.18
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    お金があっても保護があっても、それを理解して救いを求めることができない人たちがいることにショックを受けた。貧しい人たちがより貧しい人たちを食い物にして生きていく姿は食物連鎖を想起させる。

    0
    投稿日: 2024.08.03
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    これは完全にタイトル惚れ。2014年刊行で多少情報が古い可能性はあるが、その当時としても驚くべき現状をルポしており、正直たまげた。手に取った物は第9刷となっており、かなり注目を集めた内容であると思われる。 まさにタイトル通り、貧困層にいる少女たちにインタビューを行っている。想像の斜め上を行く、現実が描き出されている。その現状と過去を洗いだし、背景を分析して問題点を抽出し体系化することで、援助交際という一言で括られていたステレオタイプを打ち破り、経済軸と生存軸から彼女らを細分化することで、どのようにして社会が彼女らを守っていくことができるか?社会制度として救う事ができないかまで提案している。 これは「貧困の連鎖」という、大きな社会問題に繋がっていく。そのスタート地点にいる少女(少年もだが)をセーフティネットで守ることで、貧困の連鎖が断ち切れるのではないだろうか。 社会に大きな一石を投じる、書籍である。

    0
    投稿日: 2024.07.26
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    社会構造の話というよりは、実体験に基づく具体的な事例を挙げている。貧乏と貧困の違い明確にし、特に貧困について実例を紹介している。 何となく知っていたつもりだったが、実情は想像を超えた世界だった。地域や福祉の輪を考えるきっかけにしたいと思う。

    0
    投稿日: 2024.06.24
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    貧富の格差とマッチングアプリの隆盛によって、当時より困窮している女性が増えたと思う 彼女たちに自分の責任だろと非難するのは容易であるが、現実はそうでもない 可視化されていたとしても、自分にできることは何もない

    0
    投稿日: 2024.04.29
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    7〜8年前くらいの本だけど今はもっと貧困は拡大していると思う。出会い系アプリでは生活に困っているシングルマザーが自ら売春を働いていたり、Twitterでは「今晩泊めてください」のような呟きもたまに見る。なぜ家出少女や路上生活者は売春や風俗に従事する傾向があるのか。それは彼女たちはお金も住む場所も健康保険証すら持っていない中で補導に怯えながら路上を彷徨っている。そこで風俗のスカウトなどの支援者が宿を提供し、身分証や携帯電話を貸与する代わりに、風俗店で働かせる。外見が良くなかったり、障害を持っている女性はお店では働けず、違法の売春で日銭を稼いでいる。 筆者が取材した売春少女たちのエピソードは本当にここは現代の日本なのかと思うくらい、地獄で文字情報だけでも、目を覆いたくなるほど、酷かった。幼少期は親からの虐待やネグレクトに遭い、愛されずに育ち、過酷な状況から打開しようと家出を試みるも、性産業に吸い込まれてしまう。 家族・地域・制度の3つの無縁と身体・知的・発達障害の3つの障害を持っていると、このような再貧困女子になりやすいらしい。逆に売春少女と同じくらいの低収入でも困った時に頼れる親がいたり、地元の友人と助け合える環境があれば、貧乏ではあるけど、ある程度は幸せに生きていける。俗に言うマイルドヤンキー。ただこれらの人は貧困とも紙一重かなとも思っていて、突然3つの縁から切り離されてたら、売春少女のような、貧困に一気に落ちると思う。 なるほど、だから田舎のマイルドヤンキーたちは地元の輪から外れないように、団結を高めて、仲間意識が強いのかなと思った。自分も今、地元から離れて一人暮らししているけど、低収入だし頼れる人も近くにいないから、貯金を崩しながら、本当にギリギリの所にいるから、3つの縁の大事さは身に染みて感じた。同じ低収入でも近くに親がいるだけで生活の楽さは全然違う。地元で暮らしやすい理由って、この3つの縁があるからなんだな。 売春少女が抱える痛みは見えづらい所か、売春や性産業は差別されたり、誹謗中傷されやすく感じる。大変なのはわかるけど自己責任だろ、みたいな言葉を投げかけられたり。まずは彼女たちの苦痛を社会に知ってもらうことが、彼女らを救うのに大事だと思う。 あと、この本を読み終えたあと、教育って生きる上で凄く大事なんだなと感じた。少女たちは中学校もろくに通っていないから、契約書とか色々な手続きをする時に出てくる長文や難しい言葉が理解出来ず、住民票の異動すら出来ない。路上生活をしている時も、法や支援制度を知らないから、全部自分でなんとかしようとする。仮に貧困を一時的に抜け出せたとしても、どこかでつまずくと思う。彼女たちを助けるためには教育が最重要なのかもしれないな。

    1
    投稿日: 2024.03.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    貧困のさらに下層である最貧困女子の現状を記したルポ。人は低所得に加えて「三つの無縁」「三つの障害」から最貧困へと陥る。本来支援されるべき方々が世間に可視化されていないので、支援が難しい現状がある。 「第一章 貧困女子とプア充女子」を通して、例え月10万くらいの低所得でも周りの友達の支援やシェア文化が整っていたら、上手くQOLを保ちながら生きていけると改めて感じた。地方は低所得でも地域の支えを受けやすいので、その点地方出身者は強いなと。 元々家庭環境が良くなくて教育も十分に受けていないので、そもそも思考力が欠如していて努力するベースがないから、貧困は自己責任では片付けられないと感じました。 ちゃんと学校に行っていたら最低限自分でネットや本から情報を得る術は身につくし、何がいいのか悪いのかの判断もつく。だが学校で学力をしっかり身につけることができなかったので、努力だけでは解決できないだろう。 自分は何不自由なく生きてきて貧困とは無縁の生活をしてきたから正直日本で本書のような方々がいることにびっくりした。 だからといって何が出来るかといえば難しいが、でも現状このような人たちがいることを知り、現状を理解することはできる。 思考停止で自己責任で片付けることなく、リアルを今後も知っていきたいと思いました。

    1
    投稿日: 2023.08.27
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    貧困とは、三つの無縁、三つの障害から、貧困に陥るという。 そして、三つの障害は見た目では分からないが故にセーフティネットの網から引っかからないのだという。 本書を読んで、貧困の一端を垣間見れたわけだが、この本が、当事者の方を救う一助になるのを心から願うとともに、自分自身でも何か出来る事がないかこれからの人生で考えていきたい。

    1
    投稿日: 2023.07.24
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    鈴木大介さん、最貧困女子の声を届けてくださりありがとうございます。 女子の貧困が深刻化する中で可視化されない部分や「自分から買われたのだから」という心無い誤解や偏見は私の周りでも散見されます。 大人から裏切られ続けてきた少女は居場所を見つけても自ら手放すような行動に出てしまう。そんな彼女たちとどう向き合えば良いのか、、、先ずは知ること。最貧困女子本人にも、第三者にも、それぞれに考えられることはあると思いました。

    1
    投稿日: 2023.05.09
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    風俗や売春などのセックスワーカーとして生計を立てざるを得ない人たち。遊ぶ金欲しさではなく、育児放棄や虐待など育ってきた家庭環境に問題が多く、普通の仕事には就き辛い人が多いという現実。特に最底辺の激安風俗やハード系AVなどは知的や精神に障害を持った方が多いとの現実に衝撃。

    1
    投稿日: 2023.05.07
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    ★★★★ 今月10冊目 これは非常に難しい問題。貧困の最下層にいるのは、親などに頼れない、親からの虐待、メンタルやられてる、精神疾患、知的障害がベースにある。行き着くところはセックスワーク。  これは出会う人種ではないかもしれないがこの手の人達がいるって衝撃

    0
    投稿日: 2023.03.20
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    本当に日本で起きていることなのだろうかと、信じられない気持ちになった。 女性の貧困については昨今社会的にも問題になっており、所謂パパ活と呼ばれるようなものがあることも知ったが、本書に書かれている最貧困女子が取り込まれる援デリなどは全く一括りにできるものではないと思った。著者が取材対象に本当に真摯に向き合い話を聞いたであろうことがよく分かりました...。ご自身でも言われていた通り一般人なら発狂したでしょう。ルポを出してくださったことに感謝。 衝撃を受け、考えるきっかけにはなったが、やはりどうしたらいいのかは本当に難しい。

    2
    投稿日: 2023.03.15
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     これって,日本の話なのか?と思うほど,ビックリする貧困女子の現実がある。  以前,『神が棄てた裸体』という本を読んだときも,少女売春に向かわざるを得ない状況に驚いたが,それと同じようなことが日本でも普通に起きていることにビックリである。  そして残念ながら,その解決策からはほど遠いと思わざるを得ない。自分が受けたことを,また自分の子どもに再生産していくなんてことを見せられると,ほんとにいたたまれない。  著者は,そういう裏社会の若者たちと本音で向きあい本ルポを書いていく。まずは,現実を見て貰うこと,知ってもらうことに意義があるということだろう。  解決策があるとすれば,まず,子どもの時にちゃんと気づいてあげることだ。学校の教師,近所の人たち,福祉関係の人たち…いろんな人が,子どものようすの変化を見てあげることからしか進めないんだろうな。

    1
    投稿日: 2022.12.04
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    若い女の子が多数の事情を抱えて売春に走る実態をひたすら取材した本。 この著者には是非とも西原理恵子先生にお会いしてほしいものだ。 確かに、生い立ちにしても家庭環境にしてもひどかった子もいるようだけど、、、、そうでもない子もいたりで。。。 そもそも売春で稼げる子は可愛くて、なんだか守りたくなるような子であって、最貧困女子の最底辺におられる方は、一様に可愛くないし、面倒くさい女の子らしい、、、 それ、わかる気がするなぁ、、、、、 それを救済っていうのは。なんか難しそうだよなぁ、、、、世の中の面倒くせー女はたくさんいるけど、ひとまず、面倒くさくないように装ったり、可愛く見えそうにしたりするしかないよね。 せっかく若さ!っていう武器があるわけだし! 売春しても稼げないなら他の方が良さそうだし。。 売春ってたって、可愛いさは絶対必要だよね。 なんでもいいわけないんだからさ。

    0
    投稿日: 2022.11.15
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    福祉の勉強の一環として講読。 彼女たちが貧困に至ってしまう背景に、3つの無縁(家族、地域、制度の無縁)と3つの障害(精神、発達、知的障害)があるとする見立ては、長い期間、彼女たちに関わり続けた筆者だからこそ、見いだせたものと思う。記載された最貧困の事例はあまりにも生生しく、キツく胸が締め付けられました。

    0
    投稿日: 2022.10.22
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     社会の最下層の若い女性たち、劣悪な環境で風俗産業に従事する人々を取材して執筆している。この筆者は今までに同様に問題を取り上げた本を何冊も書いてきたようで、この本の中では具体的な取材内容よりも、それらの人々を分類して、どのような方法で解決しようというのがいいのかという持論の展開にページの多くを割いている。同様の本をたくさん読んできて、最後に読むのにはよかったのだろうが、最初に読むなら、もっと実例を多く取り上げた本のほうがいいように思った。

    0
    投稿日: 2022.10.07
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    どうすれば解決できるんだろうと思いながら読んだけど、負の連鎖が続きすぎてどこから手を入れたらいいのか全く考えられなかった 明日生活するお金がない、日々そんな暮らしを想像したらそれは精神も不安定になるよと思ってしまう

    0
    投稿日: 2022.03.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    可視化されていない問題が山積みの社会問題。 どこから手を付けていいかわからなくなる。 筆者の主観が多く、もっと彼女たちの声が読みたかった。(様々な打開案を提示されていたがそれについてどう考えるかなど) これらの問題は他者が問題だと気付かない為、可視化されずらい。そのため当事者がどれだけの問題意識があるかというところが重要だが、何が問題か見えていない人が多い。そして、他者がどれだけ手を差し伸べても当事者がその手を握らなければ全て無意味。 生活保護が本当のセーフティネットではないのかもしれない。

    0
    投稿日: 2022.03.19
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    ○本書内容より 「身体が売れなくなったら死ぬ時だ」 その週で客がつかなかったら「肝臓を売れるところを教えてください」幼い娘を残して死んでしまったシングルマザーの話など、自分が過ごしいてる世界では考えられないような事実がたくさん記されている。  この本を読んだ感想は一つ。残酷の蔓延。著者と同じように日本社会は本当に残酷だと感じた。数年前、風俗業に従事する人々に給付金を出すか否かという議論が出たことを覚えているだろうか。この本を読めば、それを議論の対象に持ってくることじたいが差別であり、残酷な社会へと押し進めていることに加担することとなると痛感する。その残酷さに気づいている人がどれだけいるのだろう。  今の日本は弱者を叩き、票を得ようとする政治家も多い。その流れに扇動されてしまわないよう、まずは知ること、学ぶことが大切だと感じさせる一冊だった。

    0
    投稿日: 2022.01.22
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    あまりに衝撃的な内容だった。。彼女らが直面する困難はあまりにも困難であり、福祉制度が全く機能しない現状を打破するのは不可能にさえ思える。。彼女たちが持つ制度に対する斥力はとりわけ大きく、補導されたらアウトという状況下で、彼女たちがこのような道を選んでしまうことに対して仕方なさすら感じた。著者のあとがきにある、限界という言葉は、切実に限界なのだろうと感じざるを得なかった。 風俗業(また売春の)自己責任論はお門違いだと理解したし、自分がいかに制度内で生活をしてきたのかを理解した。

    0
    投稿日: 2022.01.20
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    最貧困女子 2014/11/7 小学生時代に救いの手を差し伸べれるように 2016年2月27日記述 鈴木大介氏による著作。 冒頭で登場する貧困女子である小島さんのケースだけでも十分にこたえた・・ しかしそれ以上に困窮している女性たち・・ プア充女子且つマイルドヤンキーの永崎さんのケースは地方で収入に苦労があるとは言え十分に人生を謳歌していると思える。 永崎さんのケース以外はやはり悲惨である。 著者が指摘するセックスワークの底辺にいるという最貧困女子。 清原佳奈さん(仮名)の例をあげているが厳しい。 両親や親族との縁、地元との縁を失っていること。 メンタルを病んでいたり教育を十分に受けていない為、安定した職につきにくい。 また手続き系の物事が苦手な場合が多い。 女性の集団が苦手、女性集団から排除されがちなパーソナリティ。 あげればきりは無い。 このような条件下では誰でも最貧困化するというものだ。 とは言えプア充女子のように周りと協力できるからそれで良しとは思えない。 何らかの条件次第で悪化する恐れがある。 福祉行政のあり方の提言を著者は後半している。 解決法は示せていない。 しかし耳を傾けるべきであろう。 学童保育などにもう少し利用しやすい形を取り入れる。 家出少女たちが行政や福祉から切り離された状態を解消する為に良い彼氏と結婚できるようにする。 セックスワークを正当な仕事として確立する。 その最低賃金も設定する。 家出少女にとって単純に親元(かなり問題ある場合多し)に戻せばOKではないこと。 小学生時代に救いの手を差し伸べれるように。 居場所ケアの観点を持った対応を行う。

    0
    投稿日: 2021.12.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    3つの無縁 家族・地域・制度 3つの障害 精神障害・発達障害・知的障害 セックスワーカーの分類 サバイブ系 ワーク系 財布系 etc...抱擁系、自己実現系 これらは一緒くたにして語れない 福祉の正の側面と負の側面 ・福祉がマイナスに働くパターン 虐待→家出→補導されたくない→相性のいい業界に流入 一人っ子、共働きという現代の風潮も、寂しさからコミュニティに入ってしまう可能性を示唆 性風俗が反社会的と見做され、前向きな議論がスポイルされる まとめ 女性の貧困が拡大→ゼックスワーク参入者増加→参入障壁上昇→サバイブ層が売春へ  

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    投稿日: 2021.12.16
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    久しぶりに本しっかり通しで全部読んだ えぐい、、、 こんな不自由のない恵まれた環境に生まれ育って、文句言ってた自分。申し訳ない。彼女らは何も悪いことはしていない。ただ生まれ育った環境が悪いせいで大変な人生を歩んでいる。自己責任論はやめてほしい。そんなこと言ってる人は彼女らの境遇を"知らない"。物事全部自己責任かもしれないけど、境遇が悪いとそもそもの"自己"も確立できていない。 セックスワーカーの上層(容姿とか努力できる人)と最貧困女子をごったにしないこと。 セックスわーの最下層は可視化されない。 小遣い稼ぎの援交と生きるための援交ごったにしない。 女性は恋愛・結婚を強く求める。それはある種、結婚で人生が変わる、今の状況を脱せるという価値観から。なぜそんな価値観が生まれるのか、女性の社会的立場が弱いから。 加害者と被害者って表裏一体だよね。 あとがきより 最も残酷なことは何か。助けてくださいといえる人そうでない人、助けたくなるような見た目の人そうでない人、抱えてる痛みは同じでも後者の痛みは放置される。

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    投稿日: 2021.12.12
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    最貧困女子を取材した記録。 こういう本見ると自分はまだ幸せな立場にいるんだなって思った。 最貧困女子を救うような制度の改革が進むことを願うばかりです。

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    投稿日: 2021.12.11
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     深刻化する貧困を一刻も早く改善しなければいけないことは分かっているが、著者が「公平」や「平等」な社会すべく理想論を語っているように感じ、冷めてしまった。  貧困女子はまさしく親ガチャに失敗した人達だったが、本当に助けを求めることは出来なかったのか。福祉や教育の体制を問題視するだけでなく、彼女達がまともな教養や常識を身につけようとしなかったことも問題だと思う(手役所に行かない、知らないこと・出来ないことを放置する等)。  結局、彼女達はその場しのぎの生活を送る為に生きているのであって、高みを目指そうとする志を持たないせいで一生貧困が続くのではないか。未来へ繋がるような努力や勉強をなぜしようとしないのか不思議に感じた。  裕福な家庭に生まれ、親から沢山の愛情を受けて育った私には色々と考えさせられる話だった。

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    投稿日: 2021.11.21
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    確かに、このような可視化は大事なのだろう。深刻な問題は誰も彼も目をそむけて逃げる。 ただ一つ、過去からの取り組みで改善したのどうかも可視化してほしかった。 著者はあくまで現在、今目に見えてる問題しか扱ってないが、ありとあらゆる人が改善しようとしてきた歴史があるはずで、それがどのようの効果を発揮してるかも気になる。 そして、著者もいってるがこれといった解決策はないのだから、できることから一歩ずつ改善していくしかないのだろうな・・・

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    投稿日: 2021.11.20
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    最貧困とは何か、細部まで描写されており、この世界にはこういった人たちがいるということを強く感じた ただ筆者の意見による文章も多く、また引き込まれる文章ではなかったので、途中で断念。

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    投稿日: 2021.11.07
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    セックスワーカーにも階級があり、その中で下層にいる人の苦しみは無視されている。気が滅入る話がいっぱい。

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    投稿日: 2021.10.05
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    未成年や成人女性のリアルな貧困、セックスワークに堕ちて行くまでのお話 常に貧困とセックスワークは隣同士にあるものなのだと感じた。 未成年の家出少女達の居場所になれる場所、そういった福祉をもっと作るべきだとは思う。

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    投稿日: 2021.09.03
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    自分の職業はセックスワーカーや家出少女と最も接する仕事だから、色々と勉強になる 普通に大学にいってそれなりに就職してそれなりの生活ができてるのは家庭環境など周りのおかげが大きい、いつぞやの東大の祝辞でもありましたね 併せて“最貧困シングルマザー”も読むといい、こちらも売春やDVなどテーマにされていて彼女たちのリアルを知れる

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    投稿日: 2021.07.25
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    あまりに救えない、最貧困層に位置するセックスワーカー達のルポ。 貧困が生む貧困。一見恵まれ豊かに見える日本において、見えづらくなっている最も救われない人たちを書いている。 大学教授が書いた本ではないので、机上の論ではなく実際に足を使って集められた情報が並ぶ。彼女達の言葉をそのまま使用している部分が多いのは、現実を理解するうえで貴重だ。 虚しさと、汚い大人への憤りが残る書である。 残酷すぎる世界を知ったうえで、後世に誇れる国にしていけるだろうか。

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    投稿日: 2021.05.05
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    嘘のような本当の話がいくつか載っている。 本人がどう頑張っても、その本人の力次第ではどうにもならない貧困があることを知った。 本当は、この本を読んで、知らなかった世界を知って、自分にできることは何かと考え実行するまでがセットでないといけないと思う。 だけど自分は、好奇心でこの本を手に取り、「自分はこうでなくてよかった」と思うことで自分の幸せを再確認した。 自分の低俗さと性格の悪さを改めて感じることにもなった。

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    投稿日: 2021.03.09
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    虐待などで家出をしたり、メンタル弱かったりで売春とか性風俗に身をやつした、極限な生活をしている女性達についての本。 風俗の面接でも「整形して痩せてから出直せ!」とか言われたりして、落ちたりと社会の厳しさが満載。ルックスやコミュニケーション能力が生死に関わるリアルな現実。なんとも恐ろしい。 映画『東京難民』にも通じる、社会の、そして人間の「闇」の部分について綴られた、恐ろしくも興味深い本でした。

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    投稿日: 2020.12.21
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    働く世代の単身女性の3人に1人、特に10~20代に集中している「貧困女性」への密着取材を通して、彼女らとそれを取り巻く社会の問題をあぶり出す。親からの虐待によって10代にして家出や独立という道を選び、勢いで結婚するも夫の暴力に耐えかねてシングルマザーとなった女性たちに対して、なぜか同情よりも「わがまま」・「自己責任」と批判の声を浴びせる社会の風潮こそ危険と断じる。「マイルドヤンキー」「プア充」などと自称し、陽気にたくましく生きる女性も多い一方で、援助交際やデリヘルなどの性風俗で日銭を稼ぐしか方法のない「最貧困女子」の苦しみや、社会資本(家族や友人)に加えて金融資本(お金)が無いという理由により人的資本(仕事)まで失って、社会の底辺にまで堕ちてしまう女性たちの苦悩と驚くべき「生きざま」をレポートする。著者であるルポライターの鈴木氏は本書の出版直後に41歳で突然の脳梗塞に襲われるが、懸命なリハビリと家族の支えによって復帰し、その体験を元に「脳が壊れた」を出版している。

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    投稿日: 2020.12.12
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    自分が知らない(接点のない)世界のルポタージュは学びが多い。 読書の効能の一つに、「世界の成り立ちを知る」というのがあるけど、社会の底辺を知ることは有用である。社会の矛盾や問題は底辺に滞留するのだから。

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    投稿日: 2020.08.10
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    貧困に絡めとられて暮らす女性の様子が淡々と描かれている。解決策の提言も少し。ルポルタージュならではのリアルさかある。

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    投稿日: 2020.02.28
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    ニュースや政治の中では取り上げてもらえられないが、これ本当に深刻な問題。 ここまで現場や該当者に寄り添ったルポライターには頭が下がる思いです。 格差が広がる現代、無縁社会、孤立して貧困で、女のカラダを売ってでしか生きていけないという最貧困層の人が、案外身近に存在している、という事実を知るべき。 また、貧困になくても、金銭取得目的の安易なセックスワークに頼る女性がいるという事にも驚きです。もっと世間が目を向けるべきー

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    投稿日: 2019.11.28
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    ★福祉では救えない★湯浅誠によると、貧乏は低所得で、貧困はその上で人間関係を失った状態だという。それを受けて著者は貧困の追加定義として3つの無縁・3つの障害を挙げる。家族・地域・制度の無縁と、精神・発達・知的の障害だという。制度に頼ることを知らない(避けたい)し、手続きを踏めないのはある種の障害のためかもしれない。さらにその先、セックスワークに埋もれて世の中から見えなくなっている最貧困層の女性がいるという。  風俗店で「きちんと」働けるのは容姿や対人スキルに恵まれた層で、分かりづらく面倒くさく恋愛体質な女性は家出少女として風俗業を取り巻く路上のセーフティーネットの中で最低限度の状態にいる。ルポは極めて生々しい。これだけの取材をするのはきついだろう。  彼女たちが求めるのは福祉ではない。著者も悩んでいるように対策が難しく、小学生が自由に逃げ込めるスペースを設けたりセックスワークを孤立させないために正当な仕事と認めるのは、理屈としては分かるが簡単ではない。おそらくコミュニケーション能力がある人はプア充としても生きていけるので、発達障害的な人を拾い上げる工夫をどうするか。昔は地縁だったのだろうが。  

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    投稿日: 2019.10.06
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    レポートのために読み始めたが、内容が重すぎて途中から読む気にならずレポートも手が止まってしまった。 他人事とは思えず、でも私たちがどうしようもできない問題、現代の闇だと感じた。興味本位で読んだ自分を後悔した。でもこの世の中には性でしかお金を稼ぐことが出来ない人もいるんだと言うことを知るいい機会だったし、知ることが出来て少しでも考えることが出来てよかったとは思う。

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    投稿日: 2019.09.01
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    貧困とはお金がなく、かつ精神的にも困窮状態にあることを言い、その背景には三つの無縁と三つの障害が存在する。 貧困は自己責任、という論調があるが、幼い頃から極限状態で生きてきて、教育を十分に受けていなかったり、努力が報われる成功体験をしてきていない人たちは、そもそも頑張り方がわからないケースが多くある。 その結果、頑張るベクトルが間違っていたり、結果としてより悪い方向に作用してしまったりするため、自己責任と片付けることは難しい。 まずはそのような状況にある人たちを可視化し、制度にアクセスできるようにサポートし、そこでやっと「自分で頑張る」というフェーズに入れるのではないか。 私も「自分の人生は自己責任」と思っていたけれど、それは十分な準備をしてスタートラインに送り出してもらえたときの話で、何も与えられず、スタートがどこなのかもわからないまま逃げるように走り出した人々は、そもそも頑張り方がわからないんだ、というのが大きな気づきだった。 だからと言っていまなにか自分にできるわけではないのだけど、でも、関係ないこと、で片付けるのではなく、この問題は社会全体で受け止めるべきこと、だと思って、知ることを諦めたくはないと思った。

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    投稿日: 2019.07.28
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    著者の渾身のレポートであるが、何か違和感を感じる。問題の本質は?パレートの法則のごとく、下層の2割は常に存在するのか?自己責任とは?親の責任?国家の責任?考えさせられる。

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    投稿日: 2019.06.27
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    著者である記者の自論が多分に盛り込まれてはいるが最貧困女子として落ちてしまうと何も見えなくなり負のスパイラルになってしまうことはよくわかる。誰がどう手をさしのべるか重要性な問題ではある。しかs、親の役割って良くも悪くも相当影響を受けることが感じられる一冊

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    投稿日: 2019.06.12
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    「最貧困女子」鈴木大介著 読了。「出会い系…」の取材メモも出てきて再び胃が重くなる。新書フォーマットのためか提言も書かれていたが、正直無理じゃないかなぁ。可視化を望むのは同意。

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    投稿日: 2019.05.21
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    よく調べて書いてくれた。 こういう状況が明るみに出ること自体意義があると思うし、著者の提示する方向性も頷ける。少しずつでも事態が良くなる方向に進むといいと思う。 最後に著者が炎上覚悟の爆弾として投げた「恋愛自爆率の高さ」の話は、一見チープに見えるかもしれないけれども、自分の実感としても結構一致する。

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    投稿日: 2019.05.08
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    普通に生活していては知らずに人生を終えていたかも知れないと思える事実が盛り沢山に紹介されていた1冊。(そこに"盛り"が含まれないのならば) 熱心な取材をもとに熱くアツく語る筆者の思いは、うん、分かる。 そういう"貧困"が世には(実はわりとすぐ近くに)あるということを知れたのが、この本を読んでの収穫かな。 後半……は、ちょっと、辟易。 あれこれ色々と語り始めては、"詳しい議論は専門家に預ける"の連発・・・結局逃げてる? "俺ならこうする"と挙げられたプランは……、夢見る少女か中二病か。。。 読んで損は無かったが、、、"が"が着く感じかな。 本書の取材事実部分と、虐待児童生徒への福祉のアプローチの問題点については、確かにもっと広く世間に知られ、議論されるべきではあるとは思うが。 ★3つ、6ポイント半。 2019.03.26.古。

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    投稿日: 2019.03.27
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    ネット記事で紹介されていて読んだ。 ノンフィクションなのがキツくて、途中からじっくり読むことが出来なかった。。 正直、想像力を働かせることができなかった。目を背けてしまうというか。

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    投稿日: 2019.02.22
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    面白かった。 この作者に興味をもって他のも読んでるが この作者は単純に目の前の事を分析したり、書くんじゃなくて 実際に感情移入して書いている、そんな気がする それがいいかわるいかはまだわからない 少なくとも今はそれが私にとっては不快じゃないし、 いい方向にでてる ただ、油断すると作者の憶測とかに知らない間に犯されそうだから 注意しないと

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    投稿日: 2019.02.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    社会の最底辺にいる女性たちを可視化する試み。 読む方が辛くなってくる要素満載だし、実態の紹介は一つ大きな柱であると思うのだが、それよりもさらに鈴木さんの分析力・洞察力に圧倒されて、とにかくすごい読書体験だった(圧倒されると「すごい」としか言えなくなる、あの状態です)。 問題意識に導かれたルポはややもすれば感情的になり迷走しがちのではないだろうか。本書は鈴木さんの意見や感じたこともふんだんに書かれているが、見てきた実態を分類し、どこに問題があるかを明確に指摘している点でとても意義がある。 面白かった点 ・セックスワーカーの階層の可視化:セックスワークの上層が可視化され何かとつけて話題になるが、中のヒエラルキーは見えにくい。 ・女性の貧困層内での分化 ・性産業がセーフティーネット(そして公のセーフティーネットがザル) ・「三つの無縁と三つの障害」 惜しかった点 ・最後の提言パートは最貧困層にターゲットを絞ったサポートというわけではなく、セックスワーカーおおよそ全般に当てはまることでは? ・恋活についてだが、さすがにちょっと奇をてらっている感じがした。フェミニズムの観点以前に色々指摘できる。(指摘部分長すぎて中略) このように若干批判もあるが、全体的にすごかった(!)ので星五つ。 マクロな観点からは絶対見えないだろう底辺層の可視化。ルポの力を感じた。

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    投稿日: 2019.02.09
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    女性の貧困についてのルポ。 特に提案や主張はほとんど無く、淡々と、貧困女性の状況について取材した事実を述べている。 貧困の種類や、性産業との関わりについてとてもわかりやすく整理されて書いてあった。 この本にあるような状況に近いところにいる生徒には、いままでよりも更に強く、他者とのつながりの大切さを伝えていきたい。

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    投稿日: 2018.12.24
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    ここの書かれている事例は、絶望的で救いようがないものばかりだ。格差が昨今、社会的議論な議論を呼ぶ中で、こうした社会の底辺にいる人達については、自己責任という言葉を持って切り捨てる空気が存在するが、著者は取材を通じて酷い現実に直面し、そうした空気が間違っている事を主張している。 こうした最底辺でなんとか食いつないでいる女性達は、3つの縁が断絶しているという。家族との縁、教育機会との縁、そして社会保証との縁だという。多くの場合、そもそも家庭環境に問題をかかえ、親から虐待を受け、まともな愛情を受けた経験が無く、また最近問題が表出化する事が多い育児放棄の状態で成長したため、思考力や理解力も人並み以下となって貧困へと落ちていくのである。 更には、知的障害や発達障害、精神障害を抱えた女性も同じく、貧困に吸い込まれ二度とそこから脱出することが出来ない。こうした女性達が行き着く先は、例外なく風俗である。しかし、その風俗産業とて、格差が存在し、容姿に恵まれていない、もしくはコミュニケーション能力がなければ、必然的にさらに愚劣な環境の元で、風俗産業というよりは、売春で食いつなぐだけのその日暮らしの毎日を送る事となる。彼女たちは生きるための売春をしているのである。 この問題に解決策があるかというと、かなり悲観的にならざるを得ない。結果的に風俗や売春が貧困を支えるインフラのような形となることで、公的なセーフティーネットによっても捉えきれないこうした層が生きながらえているというのが現状であろう。 貧困は親から子の世代へ連鎖し、その禍根を断ち切る事が重要だろう。しかし、それは簡単ではなく、これをすれば解決できるという類の問題ではない。

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    投稿日: 2018.10.08
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    家出して セックスワークしてネカフェを渡り歩く そんな彼女たちをある程度 本人の自由だ と思う気持ちは この本を読むと吹き飛んでしまいました 生きるために 性しか使えないというのはなんとも恐ろしい 女郎屋や赤線みたいな自分の体を道具として酷使する話は まだちゃんと現実としてあるんだとショックを受けた本でした

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    投稿日: 2018.07.09
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    鈴木大介 著「最貧困女子」、2014.9発行です。働く単身女性の三分の一が114万円以下、中でも10~20代女性を貧困女子と呼んでるとか。更に、3つの無縁(家、友、社会制度)と3つの障害(精神、発達、知的障害)で売春や性風俗で稼ぐしかない女子を最貧困女子と呼んでるそうです。非行少女から始まり、家出、そして最貧困女子に。著者は、なぜ非行に走ったのか、その原点に視点を置き、その実態に迫らんとしています。入口を探れども出口の見えにくい難しい問題に思えます。読んでて辛くなります。

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    投稿日: 2018.05.16
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    どう救えばよいのかわからない人がいることに愕然としました。普段そのような人と接する機会がないだけで、同じ市や町に住んでいる。読んでいて苦しくなるのですが、現実を知っておいた方が良いと思いました。 ■メモしたい言葉 ・「貧困と貧乏は違う」:貧乏とは単に低所得であること。低所得であっても、家族や地域との関係性が良好であれば決して不幸せではない。一方で貧困は低所得は当然として、あらゆる人間関係を失い、もう一歩も府みなせないほど精神的に困窮している状態。

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    投稿日: 2018.05.04
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    この本に書かれてあるような女性を働く意思がないから、立ち上がろうとしないその人せいだと思っていた。でもいろんな要因で選択肢が狭まっているのだと知った。心も体も疲れきっていたら何かを考える気力も起きないだろう。自分のものさしはすごく小さくて狭いと思い知った。

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    投稿日: 2018.02.19
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    日本は若者の自殺率が高い。イジメが原因とか色々と言われてるけど、もしかしたらこの本にあるような貧困が原因なのではないかと思った。心を支配する闇は深く、不可解。しかも著者が何度も使っているように、きっと本当に面倒くさい 性格なんだろう。 その愛しにくさゆえに、さらに貧困にハマっていく。著者の言う恋愛だけが彼女たちを救える気がする。

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    投稿日: 2018.02.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ネットニュースのコラムから興味を持った本。 納得する部分が、私には多かった。 気になった部分 ・『人は低所得に加えて、「三つの無縁」「三つの障害」から貧困に陥ると考えている。』 ・『「貧困と貧乏は違う」』 ・『「おにぎりとコスメ」がある。』 ・『彼女らの異様に高い「恋愛自爆率」だ。 彼女らは恋愛に救いを求め、恋愛でつまぅき、恋愛でひとたび抜け出した貧困の中に舞い戻る。』 ・『恋愛、失敗、孤独、貧困。繰り返すほどに傷は深まり、人生の選択肢は狭まっていく。』

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    投稿日: 2017.11.19
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    読んだ後の疲労感と脱力感、そして無力感がすごい。これがこの世の現実なのかと。 著者も言う通り、自分にはほとんど何もできないし、この状況がすぐに変わるわけでもないと思う。それでも、まずは知ることから始めたい。なぜなら最貧困層は今まで見向きもされてこなかったのだから・・・ 可視化してくれた著者に感謝の星5つ。

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    投稿日: 2017.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最貧困の状態にある様々な女性を紹介し、問題提起、とにかく可視化することに注力された本。セックスワークの社会化(売春ワークは違法)、公的民営的に救いの手を差し伸べる社会にすること、が書かれています。 個人的な意見感想です。読んでもウシジマくん的な世界で想像できない。色んな環境の人がいるし、そこからどうなるかも人それぞれだから、一方的な感想も持てない。それしか方法がなかったのかと思うのもあれば、甘えだと思うこともあった。いわゆる普通の人でも色々抱えて踏ん張ってるのは同じだという気持ちもある。 自分が女故にセックスワークがそもそも合法化されていることもわからない(わからないことが恵まれていると言われるとそれこそどうしようもない)し、それがなくなって需要供給両側に困る人がいるのも事実。 あらゆる方面から考えなければいけない問題で、本では全く触れられていないが、救済が必要とされる被害者が加害者に変わり、その二世三世と続くことを避けることも同時に考えなければいけないと思う。言葉が適切でないのは承知しているが、育てられないようであれば、子を持ってはいけない人も確実にいる。やっぱり子供に罪はない。 どんな環境であっても、自分でいつか道を選べるよう、教育が大事で、貧しくとも、住むところがあること、食べ物があること、教育を受けられること、これはやはり国が保障しないといけない。それ以外というと冷たいかもしれないが、待ってるだけではなく、求める努力もしなければならない。 その子供たちが大人になる時、自分の知恵で道を選べるように、少しでもそうなればいいと思います。 一番ショックだったのは、障害を持っていて、セックスワークにしか身を置けない人たちもいるということ。これはちょっと上記の意見には当てはまらないな。 読むべき本!とは言えないけど、知らないことも罪な気もしました。

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    投稿日: 2017.10.12
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    橘玲氏の幸福の資本論からこの本の紹介があったので読んでみました。 3つの障害と3つの無縁によって、彼らは追い詰められ、貧困に陥り、セックスワークに捕捉される。 その状況に対して、世間一般は本人がだらしない等の表面的な批判だけを浴びせるが、本当に彼ら彼女らだけが悪いのか?という主張が数々のケースとともに紹介されます。 何事にせよ、できる人間はできることが当然で、できない人はさぼっているだけ、みたいな考え方をしてしまいがちですが、本人にはどうしようもない障害だったり状況もある、そして社会にはそれが見えにくい、という点で考えさせられました。

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    投稿日: 2017.09.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

     少年版の『ギャングース・ファイル』が素晴らしかったので女子版も読んでみたところ、あまりに悲惨で引くレベルであった。少年版のように、悲惨な現実に直面しながらもキャラを愉快に描くというようなレベルでなく、ただただ気の毒になる。女子が、バカでだらしない女子に対して極めて厳しい目線を投げかけているところが興味深かった。女子は同性に常に厳しい感じがする。

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    投稿日: 2017.09.06
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     この一年で古代から中世、江戸、明治、戦前戦後あたりまでの女性の権利、性風俗というものを追ってきたのだが、ついにここまで来た。  女性の権利だけでなく被差別階級なんかにも興味を持ってあれこれ文献を読み漁ってきて、過去の(感覚的には自分の生まれる頃くらいまで)の話であれば純粋に興味本位で眺めていられるのだけれども、現代の話となるとなかなかそうもいかない。正直気が進まないのである。  なぜかといえば、現在いまそこに困っている誰かがいるとなれば、それに対する態度というものが求められる。もちろん困っているならば助けたい、そうは思っても、じゃあ自分に手出しができるかと言うと、どうにもためらわざるを得ない。  本書を読んで、改めてそう思う。詳細については初めて知ったことも多いけれども、概要としてはここで書かれているような「最底辺のセックスワーカー」については、なんとなくは知っていた。生本番一回5000円、車内で口コキのみなら3000円みたいな世界だ。そこには高級店で看板を飾れるような容姿もなく、キャバクラで客を呼べるほどの愛嬌や会話術もない、病的に太った子持ちの女性や、知的障害を抱える女性が生きている。村上春樹の小説に出てくる高級コールガールとは別世界である。たぶん内田春菊にも出てこない。どちらかといえば「闇金ウシジマくん」や「ナニワ金融道」の世界である。  私自身はそんな世界に接点はなかったし、おそらくこれから関わることも当面はないだろう(でもまあたとえば10年後のことは誰にもわからない)。一生知らないままでいる人だっているだろう。  著者は「可視化」を訴える。最底辺に暮らすセックスワーカーに日の光を当て、救いの手を差しのべるべきだと。私も気持ち的には賛同したい。個人的には無理でも、行政が救済する制度は作れないのかと。  だがその一方で、具体的にどのような「手」を差しのべたらいいのかと思考実験してみると、そこで止まる。わからない。彼女達は何を求めているのだろう。  本書にも書かれているが、福祉施設などで彼女達を受け入れたとしても、しばらく経つとふいといなくなってしまうことが多いのだという。性風俗以外で働けるよう職業訓練をしたら、その日のうちに逃亡してしまったこともある。一度売春を覚えてしまったら、他の仕事に比べれば「楽」なのだ。たぶん。  彼女達は決しておとなしく援助を待ち、いかなる援助でもありがたく受け取るような可愛い存在ではない。少しでも押し付けがましいところを見せれば去っていく。そしてまた路上で、最底辺の風俗店で、一回数千円で春を売る。  まともな教育を受けておらず、自ら学ぶ気もなく、督促状は読まない、役所の申請もできない、借金すらできない。運よく受け入れてくれるパートナーに出会えたとして、過去の虐待や裏切りの経験から優しさを疑い、試すように自殺未遂をしたり、暴力を振るったりもする。そんな人に、どのような手を差しのべればよいのだろうか。  著者も行きがかり上いろいろとアドバイスはするが、根本的な改善を見た例はほとんどないように見えるし、そのことに苦悩している様子もうかがえる。  行政などの職業的支援者には限界があり、「恋愛」による救済に希望を見るが、仮にうまくいったとしても一人には一人しか救済できない。  戦後、進駐軍を迎えるために国が用意した慰安所RAAは、元々娼婦だった者を中心に集めたというが、復員者のために女性や子供、高齢者が大量に解雇された折、やむなく応募したものも少なくなかっただろう(事務職に応募したら定員は埋まったと言われ、仕方なく慰安婦になった者までいたという)。本書の中で取材したセックスワーク従事者は、親も同様に街娼などをやっていた者が少なからずいた。遡れば、或いはそうした戦後の混乱と窮乏の中で「醜業」に落ちた女性の子が、孫が、現代に至っても望まぬセックスワークの中にいるのかもしれない。  では路上や「最底辺」と呼ばれるような激安店に行かなければいいのか。どうなのか。上手い答えは浮かばない。

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    投稿日: 2017.08.24
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    私もどうにかしようとすればどうにかなるのにそれすらしようとしないなんてただの怠慢だと思っていたうちの1人。 でも自分でどうにもできないこともあるんだ...

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    投稿日: 2017.05.24
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    救済対象者の可愛げのなさ、面倒くささは、なんとなく想像ができる。馬鹿すぎて,徒労感がある、それゆえに誰も手をさしのべない。共産党すら目を背ける貧困の実態が述べられている。たとえ合理的であっても、今の人権感覚ではセックスワークの合法化は無理だろう。また、何やってもOKな24時間営業の学童保育も、納税者が許容しないだろう。このような人々は、昔ならば、お寺が収容し、面倒を見たのではないかと思う。

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    投稿日: 2017.05.10
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    日本に本当にこんな人たちがいるなんて…衝撃。防衛費をじゃんじゃん使う前にこういう人たちを救って欲しい…

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    投稿日: 2017.03.27
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    「見えづらいことを見えやすく」する、社会を見る目を養う可視化フィルターを作る一助になる本。「最も救わなければならない女性が、差別や批判の対象となるような、そんな残酷な連鎖だけは断ち切ってほしい」さすがライターさん真に迫る文体でした。

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    投稿日: 2017.03.17
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    自分より少し不幸な人の話は落ち着いて読める。でもコレはダメ。読むんじゃなかった。名もなく、貧しく、美しくもなく。おまけに頭悪いし、性格病んでます。救えなさすぎ。詰んでます、って。危なかった、久しぶりに泣くとこだった。でも何ができる? トイレのゴミ箱でへその緒がついたまま死んでた赤ん坊の話より落ち込む。読むな。

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    投稿日: 2017.02.18
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    なかなか難しいところ。 単純に道を作ればいいものでもないし、 昔からこういう人たちは一定数ずっといたし。 不妊治療にお金を費やしても子供ができない夫婦と、 若いうちに子供ぽこぽこできちゃって 結果身動きとれなくて貧困にあえぐ人と、 やっぱり一番大事なのはきちんとした教育だよなあ…と思う。 手を差しのべられるのを待つのはやはり難しいし、 例え完璧な施設があっても知らなければ助けを求められない。 卵子の老化もそうだったけど、知れば選択肢を持てる。 大人になってからでは間に合わないからこそ、いろんな啓蒙活動を通じて教育していかなければならないんじゃないかな。

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    投稿日: 2017.02.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読了。星は5にした。読むべき本と思う。 著者の力と思うが、悲惨な状況の事例が載っているが、気分が落ち込んで沈み込むことはなかった。著者がかなりのネガティブな気を浄化させて書いたものではと思った。自分に何ができるかと考えるようになる。風俗に勤める人の気持ちがわからなかった。嫌々やっているのだろうなとも思っていた。風俗事態、必要悪か仕方ないなとも思っていた。でも誰もそんなことは、したくないことは確信できるようになる。心が壊されるのだろう。自分ができることは、なんだろう? AV見ないこと、風俗行かないこと、社会が健全になるように、貧困を撲滅する政治家を選ぶこと、地域社会で困っている人を助けることだろう。 学童保育を充実するようにとあった。人の配置(働く場所)を変えることで、全ての人が笑える場所を作れるのではと思う。懸けなくていいところに金を使いすぎなのではと思った。 売春は、初めにその人の心を壊した大人が、男が、あったのだと思う。 壊した大人も被害者であったかもしれない。今も苦しんでいる人がいるなら、本当に助けていかなければいけないと考える。ほんとうに自分ができることはなんなのだろう? スタートレックネクストジェネレーションで、地球は、貧困を撲滅したと話すシーンがあった。アメリカ人は、凄い夢を持つのだなと思った。 本の中で、貧困と貧乏は違うとあった。貧困は撲滅できるのではと思ったりする。頭のなかで思うだけだが。

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    投稿日: 2017.01.01
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    たまたま見かけて気になってた本。鈴木大介さんの記事をネットでみたことがありました。 これは、私は幸運にも知らない世界で、知識として色んな人が知るべき世界ではないだろうか。売春ビジネス?の敷居の低さ?包容力?に驚き。自分では知り合えないであろう、こういった声を知ることが出来るのはすごい。鈴木さんの素晴らしいお仕事ぶりがうかがえます。

    0
    投稿日: 2016.12.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    性で日銭を稼ぐことでしか、その日を生き延びる手段のない女性達の実態。彼女達がかくも苛烈な環境に身を投じることになった経緯や著者なりの打開案が記されている。これほど気が滅入る本は滅多にない。 本書を読めば、彼女達を「自己責任」と斬り捨てることなど出来ない。だが、一方で社会的制度を以って彼女達を救うことの困難もまた理解できてしまう。 彼女達の典型例は、虐待(特に性的)を受けて家出、風俗関係者に拾われて一時的に持ち直すも、歪んだ環境による精神の歪みから再び放り出され、孤立無援のまま生き延びる、といったもののようだ。著者は、貧困は低所得に加え、3つ(家族、地域、制度)の無縁、3つ(精神、発達、知的)の障害から陥ると述べる。容姿に恵まれず、制度とも相性が抜群に悪く、おまけに面倒臭い性格の子が最貧困になる。彼女らを救うには、彼女達の精神状態を理解出来る者が制度や社会とのパイプ役を担ってくれることを期待する他にないように思う。私が差し当たって出来ることは、著者が誠実に可視化した彼女らの存在を広く認知してもらうことだ。

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    投稿日: 2016.11.28
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    最貧困女子。すごい言葉だなぁと気になって購入。仕事で支援にあたる中、三つの縁は本当に必要だと感じている。私にできることはなんだろう。これからも考え、できることをしていこう。

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    投稿日: 2016.11.14
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    まあ、鈴木さんの著作を読むのはこれで二冊目なんですけれども、一冊目の「最貧困シングルマザー」でしたっけ? あれと若干内容が被っているような気がするんですが…。 今作も風俗に従事する女性だったり、はたまた売春してしまったりする女性を取り扱っているんですけれども…内容が重複しているのでちょっとアレでしたね…。社畜死ね!! ヽ(・ω・)/ズコー まあ、なんつーか育ってきた環境がアレなせいで、こういった事態にまで転落してしまうんでしょうなぁ…ということがなんとなく窺えましたね。 どの女性もアレです、帰る家が居心地の良い空間ではない…むしろ命を脅かす空間かもしれないのです! 親が異常な感じですと…。 そんなわけであまり愛されずに育ってきたものだから他人にソレを望んでしまうんでしょうなぁ…人を疑うことを知らないと言いますか…そんなわけで結局また、生育されてきた環境に自分も陥ってしまうわけです。離婚とかして… ヽ(・ω・)/ズコー ↑この負の連鎖を断ち切るためにはどうすればいいのか!? 著者が必至こいて対策を提案していましたねぇ…。世知辛い世の中…けれども、彼女らには強く生きてってほしいですね! と他人事ながら本書を読み終えた今、そう思う僕でした…さようなら。 ヽ(・ω・)/ズコー

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    投稿日: 2016.11.01
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    興味深く、引き込まれる内容だった。ゴシップとして。 最終章だけがひどい。 セックスワーカーに興味はあっても、その周辺には本当に全く意識が向いていない。 虐待児に対する学童の充実。 その運用コストは、夜勤は誰が? 現状、教育・福祉に携わる人々だって、「貧困」にあえいでギリギリで生きている事実も知ってほしかった。 またセックスワーカーに対する雇用環境の改善。 著者も書いているように、プロ意識の高いワーク系や財布系を救えても、サバイブ系はそこから漏れて、より劣悪な労働環境に身を落としていくおそれが大きすぎる。 本書の中にあった、貸金業法の改正により、「消費者金融からの貸付を受けられなくなり、違法金利の闇金業に流入してきた」件と同じ轍を踏むことになりはしないか。(消費者金融難民の女性 より) 意識改革が進んでワーク系が認知されれば、負い目をなくした彼女たちはより自尊心を高め、サバイブ系への差別はより露骨になることだろう。 専門の支援団体といっても、実際にサポートを必要としているのは、障害を抱えていたりするサバイブ系のことを指しているはずだ。 障害を抱えるセックスワーカーについては、「婦人保護施設関係者」によって「彼女たちは継続的な支援をするのが難しい対象で、本当に生活や環境が困窮した瞬間のみ婦人保護施設を利用し、ふと居なくなってしまう」とある。 支援者たちも人間であり、知的障害者の作業所スタッフは「でも実習初日で逃亡……。働きたくないんだって。」となれば、支援団体がこれ以上にできることは被支援者を強制収容して管理下に置くしかない。それは誰も望んでいない。(福祉との接続が困難であることについて より) それから、福祉への接続となりうるスカウトなどの女衒にとっても、メリットがなければ利用はされない。「高所得な男に少女を紹介し」、「50万円を受けと」るほうが手間も少なく利ざやは多い。それ以上のメリットを行政が提供できるはずがない。 虐待児、恋愛依存体質でセックスワーカー、本能的な妊娠出産、産んでしまった子供がかわいいのも本能。そして子供への連鎖。子供の前で手首を切り、駆け寄ってくる子供を見て承認欲求を満たす母親から子供の精神が受ける影響とは? 私は妊娠しないことを決めたけれど、本能衝動的な妊娠出産を恐れてもいる。卵管を手術で取り除くことはおろか、縛ることさえも出産経験のない人間に施術すると違法になる。避妊器具の挿入(IUD)は出産経験がないと、「無理を言って入れてもらったけど痛すぎてすぐ外した」と聞いた。 不幸の連鎖を断ち切るために、出産経験のない人間に対する不妊手術を合法化してくれたら、とは思う。

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    投稿日: 2016.10.30
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    貧困、いやそれ以下の言葉では表せない女子たちの現状がある。 「貧困と貧乏は違う」とここではただ単にお金のないだけの女子が出てくるのではない。 もしお金が手に入っても貧困から抜け出せない女子の今があった。知らない現実があった そして現状を語りつつ、葛藤する著者の思いがあった。 たぶん、著者も読者もそして有識者でも政治家でも彼女たちを救うのは困難だと俺は思う。救えるのは神だけだろうなぁ~ でもそんな彼女たちの現状を知ること、考えることはみんなにもできる。それだけでも一歩進んでると思う。 そして可視化されにくい現状を情報をして共有することが自体がこれから彼女たちやこれからそうなってしまいそうな子達を救う、一歩じゃないかと思った。

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    投稿日: 2016.09.19
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    世間の闇を垣間見た感覚 ニュースやドキュメンタリーでは知っていても その背景は凄まじい 虐待やネグレクトなどの著書を手にすることが 多いが、そこから逃げ出せたとしても メンタル的に「普通」になる事も難しいと感じているのに、状況的にも難しいとなれば 虐待、ネグレクトをした親などは もっと厳しく監視や処罰されるべきだと思う 読んでいて何も出来ない事を悔しく 悲しくなってしまう1冊でした

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    投稿日: 2016.08.25
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    2016/8/18 どうしたらいいの?どうなってるの? 今現代の日本に居る、最貧困女子。 家族、友達、社会制度に恵まれず、セックスワークで日銭を稼ぐ...。 読んでいてなんども「本当に?」と思ってしまう。それくらい酷くてつらい。 だけど、男性はどうなってるんだろう? 虐待され家出する男の人もいるよね?家もなく知恵もなく容姿にも恵まれていない少年はどう生き延びてるのかな?

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    投稿日: 2016.08.18
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    夏休みなので読書三昧、飽きればリオ五輪と高校野球を観戦するという至福の時間を過ごしています。 ただ、本書は、必要に迫られて読んだとは言い条、救いのない話ばかりで、読んでいて気が滅入りました。 書名の通り、深刻な貧困状態にある女性の事例を詳しく取り上げています。 彼女たちは劣悪な家庭環境で育ち、社会にほとんど丸裸で投げ出され、貧困にあえいでいます。 「丸裸」というのは、比喩ではありません。 むしろ、文字通りと言うべきでしょう。 なぜなら、彼女たちの多くが「セックスワーク」を収入源としているからです。 しかも、ここでも容姿などによってシビアに格付けされ、恵まれない女子たちは路上売春などセックスワークの最下層に固着されて身動きできない状態にあります。 罪深いのは、年端もいかない少女や、あるいは知的障害や発達障害など何らかの障害を抱えている女子たちまでもが、セックスワークに勤しまざるを得ない現実です。 こういう女子たちを、「自己責任」「努力不足」などと批判することはできません。 あまりにも劣悪な家庭で育ち、教育もまともに受けていないせいで、自身の行動に責任を持つとか、努力をするという、その「基盤」が形成されていないからです。 裕福な家庭(いや、中流家庭といってもいいでしょう)で生まれ育った人は、社会的に上昇していく自分をイメージできます。 しかし、貧困家庭に育った人は、そもそもそういうことをイメージするのに必要な教育を家庭でも、また学校でも受けて来ていないのです。 それは果たして本人の責任なのでしょうか。 著者は、ただ、深刻な貧困状態にある女子たちの事例を報告しているだけではありません。 長年、こうした女子たちを取材した経験を踏まえ、解決策として①未成年の最貧困少女は、まず小学生時代の居場所ケアによって、「売春ワークへ吸収する地域の縁」を断つ②家出状態に陥っている少女らに、親和性の高いシェルターを用意する③18歳以上の最貧困女子については、路上の私的セーフティーネットのレベルアップや支援者との断絶を解消するために、セックスワークそのものを正常化・社会化する―などを提言しています。 著者は「こんな稚拙な提言しかできない」と謙遜しますが、私は実態に沿った現実的な解決策だと思いながら読みました。 まずは、著者が何度も指摘する通り、彼女たちの存在を「可視化」することからでしょう。 そのためにも本書は好適と思われます。

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    投稿日: 2016.08.17
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    炎上覚悟の結論がそれか。確かに日本社会は男の稼ぎありきの社会だからな…。 途中まで私も条件当てはまってて他人事じゃない。結婚は親を見ていると連鎖を作るようにも思えてしまうからその結論がな…

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    投稿日: 2016.08.14
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    同じ低所得に該当する人でも、幸せに生活している人と、救済が必要な人が存在する。同じセックスワークに身を置く人にも大きな差がある。、家族の後ろ盾のないことや、無知、軽度知的障害などで貧困に身を置かざるを得ない場合もある。 自治体の救済をうける必要のある人が、このように溢れてしまっているということにショックをうけた。

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    投稿日: 2016.08.04
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    読んでいて読後感のいい本ではない。セックスワークが女性のセーフティーネットになっているという話は聞いたことがあった。しかし、そのセーフティーネットは、性産業周辺でしか生き残れない人しか救えないものであり、本当の最貧困層がセックスワーク(もはやワークとはいえない性産業)の最底辺にいるということはショッキングだった。

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    投稿日: 2016.06.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    家族、地域、制度という3つの縁から切り離されて、セックスワークで生計を立てる女性に関するルポ。最貧困女子(3つの縁なし)といわゆるマイルドヤンキー的な年収の低い人(家族や地域の縁がある)を比較すると、後者の方が年収が低い人も多いが、人生の満足度の高いという点が示唆的である。

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    投稿日: 2016.06.01
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    もう、完全に別世界の別次元の話なんだけど、実際にはスーパーで隣にいたりするのかなと思うと、いたたまれない。何が出来るんだろう。

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    投稿日: 2016.05.17
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    本書の96ページにこんな言葉があります。 ----- どれほど目を背けたくなることでも、信じたくないような残虐でも、これが虐待という言葉の「具体的な内容」であり、彼女らの身体に刻まれた「証拠」だ。家を飛び出したのは「本人の選択」として「もうちょっと我慢すれば」というような言葉を軽々しく吐くものは、同時に加害者と変わらないと僕は思っている。 ----- 本書には、コレダという解決策は示されていません。取材も20数名であり不足していると言われれば反論できない数でしょう。 でも、筆者は最貧困のリアルを「可視化」しようと(恐らく精神を病むほどに)あがいています。 私たちは道端に倒れて苦しそうにしている人がいたらそれが誰でも「大丈夫ですか?」と声を掛けるでしょう。 でも、最貧困女子は本人すら『自分たちが助けられる側なのかどうか』すら理解していないということがこの本を読んでわかりました。だからこその可視化であり、それが大切と思いました。 私はいま堀さんたちと「ソフトウェア病理学NEO」と題したプロジェクトでソフトウェア開発の「病気」をまとめています。 http://www.juse.jp/sqip/symposium/2015/detail/day1/#session_E2-2 今、原稿が半分くらい集まってきたところで、年内に出版できるかどうかというところです。 誤解を恐れず言えば、原稿(自分のを含め)を読んで「NEOでは大企業病しか書けていないなぁ」と思いました。 私の場合、孫請けの孫請けのような会社に行ったことがないので書きようがないのですが、そういうところも取材して対策までは書けなくても「病気」については書かないといけないんだろうなと思いました。

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    投稿日: 2016.05.08
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    家族、地域、制度という3つの縁から切り離されて、セックスワークで生計を立てる女性に関するルポ。「彼女たちを救うためには、制度として『恋活』を設けるべき」という著者の結論には「?」だけど、「彼女たちを可視化する」ということには成功しているのでは。ルポ部分興味深かった。

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    投稿日: 2016.05.01
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    他の方のレビューでは、こうした社会の影のような部分を、よく表に出してくれた、という評価をされる方もいる。 正直、どれくらいの大きさでこうした現実があるのか、掴めない。ただ、こうした現実は存在するのだろう。 後味がよくないので、星2つにした。良書か否かとか、社会的な意義とかではなく。 知ることは大事だと思う。 もう少し希望もみたい。

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    投稿日: 2016.04.29
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    最貧困の中でのセックスワーク。 下手すれば死とギリギリ隣りあわせである生活を送る若い女性達。 これが事実なら何とかして地獄のような惨状から抜け出す方法を考えなくてはならぬのだろうが、何故か彼女達からあまり危機感というものが伝わってこない。 子どもを育てながらその日を暮らすのに精一杯、泣く子どもの前でリストカットをしてしまう。 頑張ってはいるというものの生きるための選択法が根本的に間違っていることさえ気付いていないように思える。

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    投稿日: 2016.04.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんだか現実のこととして感じることができない。 きっとそれは自分が恵まれた環境で育ってきて、その環境にい続けることができているからなんだと思う。

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    投稿日: 2016.04.04