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とりかえ風花伝 1巻
とりかえ風花伝 1巻
柳原望/白泉社
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総合評価

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  • 「お伽もよう綾にしき」と対比すると面白い

    「高杉さんちのおべんとう」で人気の柳原望が角川移籍前に書いていた作品。 戦国初期を扱った少女漫画は珍しいのではないだろうか? あらすじを書くと、、、  戦国初期、尾張乾山城主の娘・風花は隣の宇留摩との戦に出た父を助けるべく、「戦に味方したものは必ず勝つ」と言われる白鬼丸を探しに出る。噂では「耳まで裂けた口で」などと伝えられていた白鬼丸は白髪赤眼ではあったが若く美しい若者であった。白鬼丸は助けを求めた風花の申し出を断るが、もみ合う拍子に崖から転落すると風花と白鬼丸の体が入れ替わってしまい、、、 と言う話。 時代背景は「お伽もよう綾にしき」に細川政元の名前が出ていることから考えてほぼ同じと考えて良いと思う。 違いは「お伽もよう」が国も人物も戦国初期という以外ほぼ架空で、メインとなっているのも修験道・法力を中心としたファンタジー・アクションであるのに対し、「とりかえ」が史実5割フィクション5割になっている点。2つを対比して読むと面白いと思う。  好き嫌いはあるであろうが、作品の作り方にはやはり「お伽もよう」に一日の長があるように思える。大きく異なる点はおおざっぱに戦国という史実を入れているほかはほぼ自由な設定の「お伽もよう」に対し、史実に引っ張られてやや身動きが取れなくなった部分がある、やや消化し切れていない「とりかえ」という感じがする。  そのせいなのか、本作はLaLaDX連載中に打ち切り(多分)となっている。もっとも作品の出来は「お伽もよう」と比べて「若干落ちるかな、少し読みにくいかな」と思わせるものの、十分楽しめる出来なので買って損は無い。  点数は「お伽もよう」に★5をつけるとやむを得ず、で★4とした(もしあれば4.5としたい)。  本作はLaLaDXで打ち切りの後、同人誌で完結編が書かれている。完結編もReaderで配信されているのでそちらも合せて読むとよい。

    4
    投稿日: 2014.11.03