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なぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略
なぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略
冨山和彦/PHP研究所
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総合評価

79件)
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    経営の専門家として多方面に渡って現在も活躍中の冨山和彦が、日本経済を立て直すにあたり、グローバル経済とローカル経済に分けて考えないと、国の政策から何まで見誤りますよいう警告を2014年の時点で発した本。

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    投稿日: 2024.04.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略 (PHP新書)2014/6/13 G経済圏とL経済圏それぞれで別の戦力を用意せよ 2015年4月15日記述 産業再生機構元トップの冨山和彦氏の著作。 本書では企業、産業がかつてに比べG(グローバル型)、L(ローカル型)とはっきりと分かれていてそれぞれに効果のある対策は異なるということを示している。 これまでも感覚的に思っていたことではあるけど、国際競争に耐えずさらされているメーカーとJR、バス会社などを同列に扱うことにそもそも無理があるのだ。 (国の産業政策だけではなく個人にとっても同様。MBAを取得や高レベルの英語力が日本人全員に必要かどうか等・・・) G型企業のこれから、ガバナンスがどうあるべきかは本書に加えてビックチャンスという著作に冨山氏がまとめているので参考にされたい。 L型については本書がよくまとまっている。 雇用にしてもGDPにしてもおよそ7割をしめているというのは意外だった。 L型では密度の経済性が効く。 L型経済圏に対して単純な規制緩和ではかえってブラック企業などが増えてしまう。 スマートレギュレーション(賢い規制)が必要である。 サービス業などは国境を越えることは出来ない。(バス、鉄道、観光・・) サービス業の最低賃金を上げ生産性の低い会社の退出を促す。 地域金融機関、保証協会のあり方の見直し。 特に信用保証協会からの代位弁済が毎年一兆円を超えている。 これを見直し生産性の低い企業へ緩やかな退出を促す。 個人保証でも贅沢品を除いた財産は取り上げず路用に迷わないように変える。 税制や補助金も生産性の高い会社に傾斜的に配分するべき。 失業対策も対企業ではなく直接個人に対して。 人手不足対策を真剣に行う(放置すれば人がいなくて過労死する場合も・・) 非高度人材の外国人を移民としていきなり受け入れると 劇的なショック反応が起こる可能性がある。 日本国内で少子化対策、生産性向上、女性と高齢者の更なる活用を徹底的に行う。 いきなり外国人労働者を入れることは最低賃金の引き下げとほぼ同じ効果を持つ。

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    投稿日: 2022.09.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これからの日本のいく末可能性について考えるべく読書。gとlの社会は構造が違うという話。改めて興味深い メモ ・製造業、it業はグローバルの経済特性。規模の経済・ネットワークの経済性が効きやすく、国際競争に巻き込まれやすい。 ・ローカル経済圏はコトの価値。分散的な経済構造、密度の経済が働くことが多い。 ・新陳代謝の不足 ・グローバル優良企業はトリプルテン(利益率・ROE・成長率) ・Gの世界の戦略 高株価・新陳代謝・成長産業・労働市場 ・銀行も通信もローカル産業。グローバルかどうかをみるには寡占度合い。  トップ10位でほとんどをしめていたらグローバルの産業 ・再生における問題の本質はBSでなくPL ・ローカル経済は緩やかな退出と寡占化を ・ローカルの場合、ベストプラクティスアプローチが有効。同一地域でなければ、競合とならない ・緩やかな退出を促進するためには資本市場や製品市場でなく、労働市場から。最低賃金をあげる。

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    投稿日: 2021.09.11
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    抜群だった。正直『シン・ニホン』よりも、いま読まれるべきはこちらではないかと思う。机上の仮説ではなく実戦の中で得た洞察なので、迫力が違う。 トレーダブルなグローバル経済の世界の極北にはPh.D.持ちCEOたちの世界観があり、熾烈な資本獲得競争が続く。なんちゃってガバナンスの「日本基準では一流企業」の文句を聞いている暇はなく、グローバル基準のオリンピック選手育成環境を整備する必要がある。 アントレーダブルなローカル経済の世界においては、規模の経済は幻想であり、元々PLさえ安定させられればディフェンスは強い。それに加えて労働人口不足という環境変化が重なり、ROEよりも労働生産性、資本市場よりも労働市場によるガバナンスがゲームのルールとなっている。この世界における本当の課題は、新しい企業を生むことよりも弱い企業・集落を整理・集約することにある。 注意すべきは、良くも悪くも現場視点であるからこそ、時間軸を飛ばした大胆な構想にはなっていないこと。20年30年先を考えると、地方の高齢者まで漏れなくAmazonやUberを使いこなし、GがLを侵食していくシナリオもありえるのではないかと思う。

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    投稿日: 2021.02.25
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    朝日新聞のインタビューを読み注目していた。みちのく交通の話などとようやく符号。人口減社会の中で、生産性を上げないといけないというストーリーには大変納得。林業の将来もこれで解けそうである。

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    投稿日: 2020.04.03
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    2020.03.21 予め、グローバルでオリンピックチャンピオンを目指す企業(Gの経済)とローカルでの勝利を目指すサービス業を中心にした企業(Lの経済)を分けて考えるという切り口はとてもおもしろく、同意すると同時に感心した。Lの経済における生産性の向上という考え方はとてもよく理解できる。どう進めるかを考えないと。

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    投稿日: 2020.03.21
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    ★2つの世界の切り分けに納得★目にする地方経済の現状と、国やメディアが騒ぎ立てる経済のグローバル化といった話の距離にずっと違和感を覚えていた。世界の距離が近づき日本の生産年齢人口が減っていけばこれまでと同じ処方箋では対処できない。世界を2つに分けて考えるべきだという指摘はすごく腑に落ちた。 「モノ」を中心に立地を問わず世界の(ニッチな分野でも)チャンピオンにならなければ生き残れないGの世界と、その場でしか成り立たたず人手のかかる「コト」のLの世界。かつての日本を支えていた加工組立の中小企業は、世界との距離が近づく中でGの世界でしか生き残れない。Lの世界は地方だけでなく流通・サービスにも当てはまり、いい意味でそこに地方のヤンキーが生き延びる余地もある。どちらがよいではなく、異なる世界が併存する。

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    投稿日: 2020.01.15
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    ローカルビジネスに興味があるのであれば、こういう本をちゃんと読まなきゃいけなかったよなと後悔。ただ、過去を悔やんでもしょうがないので、これからちゃんと勉強しよう。 日本全体が人口減少している中で、これまでと同様に地方の産業政策が「工業団地造成&企業誘致」では立ち行かなくなるだろうというか、すでに立ち行かなくなっていると実感しており、じゃあどうするかというと「質の高い産業だ」とロボット産業などの誘致になっているのだが、果たしてそれでいいのだろうかと思っていた。そういう意味では、この本で語られている、ローカルビジネスは密度の経済性が働いており、グローバルトップを目指す必要はなく、生産性の向上を図るための企業集約を図るべし、というのは腑に落ちた。ただ、それを行政政策に結び付けるのはなかなか難しい。転廃業の促進はできるかもしれないが、金融機関のデッドガバンス強化や、再編促進型の倒産法の導入といった解決策は、国や民間と協力しながらでなければ進められない。が、そういう視点を持つことが重要なんだろう。

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    投稿日: 2019.12.27
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    「地方消滅」のおさらい的に。人材と同様、グローバルの標準的なルール(オリンピック)で戦う会社と、ローカル経済で戦う会社のルールはおのずと異なるので、きちんと峻別して運用しましょう、という本。納得です。

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    投稿日: 2019.07.28
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    ローカルとグローバルの話が中心。労働生産人口、少子化、雇用問題、移民政策、サービス業の人出不足等、範囲が広くなってしまう内容。

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    投稿日: 2019.07.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    こういう方向には進んできてない。言ってることはすごく私の実感にあう。でも。たぶんこうはなかなかいかない。なんだろう。

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    投稿日: 2019.02.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    経済学的には、好景気だから人手不足、不景気だから人余り、なのに景気停滞の今人手不足… 少子高齢化時代の今、従来と異なる経済環境を経験している。団塊の世代の大量退職から、あと20年間は続くであろう極端な少子高齢化とこの人手不足の問題にどう対処するか?まもなく日本と同じ少子高齢化問題を迎える他国のお手本となる対処法を構築できるか?日本の腕が試される。対処法の糸口として、大企業と中小企業ではなく、グローバル企業とローカル企業に分けて考えることを推奨した本。モノを生産するグローバル企業に見られるのは資本集約型であり、サービスを提供するローカル企業に見られるのは労働集約型であることを考えると、国の支援の仕方は後者を軸にしたほうが効果的だと思われる。国を支える労働力をサポートするには、ローカル企業が健全に経営できる環境を整えることが大切だと改めて思う。

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    投稿日: 2019.01.02
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    日本の現在の状況と、将来的な予想について述べている本。 以下、気づき。 ○ 「既得権」っていう言葉をあちこちで目にするけど、つまり、変わることを恐れて次のステージに行けない人が、今持っているものにしがみつくことを言っているのね。 「変わらずにいる権利」っていうのもあるけど、生き物としては、環境の変化に対応できなきゃ死ぬだけだよね。 自分の持っているもので、何が本当に譲れないもので、それを持ち続けたいならどんな戦略が必要なのか考えないで、誰かに守ってもらおうとするだけじゃダメじゃないかと。 でも 、変わるためにはエネルギーが必要で、エネルギーを蓄えることができて、失敗してもホームレスにならなくていい社会が無いと、当然リスクの高いことには挑戦できないっていうことか…。 ○「昔からある」っていう理由で使われる「昔からある」の理由を考えないで踏襲するのは、ただの思考停止なんだなぁ…。 ○少子化時代には、企業と同じように大学も外国籍の学生にとっても魅力になっていく必要があるということなのか。 その方向で成功した大学に入るということは、大学時代から外国籍の人との関わりが増えるということだ。 北海道にいると感じないけど、外国籍の人は国内に徐々に増えている。そういうことも生徒に伝えないと。 ○少子化による人手不足は、もしかしたらブラック企業の撲滅に繋がるのか? 「お前が辞めても代わりはいくらでもいる」なんて言えない時代になるんじゃないのか? バス会社がすでにその道を歩んでいるよね。 ○人手不足になるということは、今の中学生が大人になる頃は就職難なんて無くなってるんだ。むしろ、外国籍の人を雇うより日本人の方がいいと思うような企業は、囲い込みを始めてるということか。 外国籍の人を雇った方がいいと思われるような業種には就職できなくなるっていうことは、たまに生徒に伝えていたけど、もしかしたら、日本政府はそこまで外国籍の人に魅力ある条件を提示できないかもしれない? つまり、私が予想していたような、外国籍の人に囲まれた生活じゃなくて、本当に人が減って過疎化するのかも…。 札幌市の図書館で借りた本。

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    投稿日: 2018.12.24
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    vol.289 成長戦略は本当に機能するのか?日本の未来の行く末が書かれた書。 http://www.shirayu.com/letter/2015/000585.html

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    投稿日: 2018.12.20
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    日本の経済力という面を考えるとき、グローバルな企業の競争力ばかりに目が行くが、実際にGDPと雇用の多くを占めるのは、地域に根差したローカルな企業である。グローバル経済とローカル経済とではそこに働く力学が大きく異なるため、それぞれについて正しい見方をする必要がある、というのが本書の骨子だ。二つの経済の大きな違いは、「規模の経済性」が効くグローバルと「密度の経済性」が大きな意味を持つローカル、ということができる。 グローバルで競争する企業は、グローバルで「規模の経済性」を得るため激しいシェア争いを勝ち抜くことが必要であり、そのために経営者は正しく経営資源を競争優位性を持つ事業に集中させることが必要となる。電機メーカーをはじめとする日本企業はこの選択と集中ができずに不採算事業とともに沈んでいった企業が多かったと指摘する。日本政府のこのフィールドでの役割は、そういったグローバル企業が競争しやすくするための規制緩和を徹底的に行うことである。 課題となるのは優秀な人材の育成や誘致である。著者は、グローバル企業が活動する理想の場としてシリコンバレーを念頭においている。グローバルな競争においても起業が重要で、その数を増やすために、優秀で高い意欲を持つ人にとって起業することが有利となるような社会になるべきだと考えている。著者はよい傾向にはなっているとして、「東大を出て日本の安泰な企業に行きたがるのは、東大の中では二線級の人たちだと言われるようになった」という。こういった人材がいったん外資系コンサルファームに行き、その後若いうちに起業するものも多くなっているという。著者は自らの成功体験を背景にした高いエリート意識を隠さないが、優秀なトップクラスの人間はグローバルで勝負をするべき、という発想がある。 一方で、これからの日本はローカルをどのようにしていくのかが国家としてはもっとも重要な事項となる。これをグローバル企業の競争モデルと混同してはいけない、というのがこの本が他の類書とは異なる主張をしているポイントだろう。ローカルにおいては集約化と穏やかな退出を可能にするための規制作りが重要事項となる。グローバル企業の最重要KPIは資本効率性で、ローカル企業の最重要KPIは労働生産性であるという指摘がそのことをよく表している。 バス運航事業などのローカルの事業体では、競争事業者は実質上存在しない。グローバルな事業とは異なり、営業地域が異なるバス会社同士は、同じ事業を行うにも関わらず、互いに競争関係にはない。そういったローカル企業の例としては、他にいくつも挙げることができる。例えば、地方のケーブルテレビも同様である。そのようなローカル企業の場合、経営の良し悪しはオペレーションの効率性に依存する。しかし、ローカルにおいては競争がないから効率性が悪い企業もブラック企業として生き残れてしまう。それは国家にとっても地域社会にとってもよくないことである。この解決策として、サービス業の最低賃金を上げることで、効率性の悪い企業が音を上げて効率性のよい企業や経営者に任せるところまでいかせるべきだという。同時にそのときは、ソフトランディングが可能なような規制を整えることが必要であるという。地域交通機関、医療介護、保育といった公共サービスにこそこの考えが当てはまる。補足として、信用保証制度による過大な債務規模が、これまで一生懸命に中小企業をつぶすまいとしてきた結果であり、つぶれるべき企業が生き残っている状況が作り出されている証拠でもある。 著者は、地方ではコンパクトシティ化を進めることを説くが、これは集約化であるとともに限界集落からの退出をどうやって穏やかに進めるのかという話である。鉄道の駅と主要バスターミナルの駅に駅前商店街を復活させることで、モビリティの問題なども解消する(バス会社も効率的になる)。冨山氏は、みちのりホールディングスという東北・北関東地方を中心としたバス運営会社の経営者でもある。地方では雇用はなくなっていくのではというイメージがあるが、実際には地方から先に人材不足が始まっているという。実際に、みちのりホールディングでも常にバス運転士の不足に泣かされているという。その上で、人手不足対策を「労働生産性の向上」「女性と高齢者の活用」「外国人の雇用」の順番で考えることが重要であると指摘する。日本社会のシステムは移民に対しては脆弱であるため、むやみに外国人の受け入れを進めるべきではないのだという。 著者は多くの企業再生に携わったが、旅館街の再生の話など印象深いものがいくつもある。カネボウやJALのリストラでは、人員整理に手を付けることに対して躊躇はなく、実際に多くの社員が再就職できたという(実際にリストラに会った人はこれを読んでどう思うかというのは気になるが)。一方、ローカル企業においては、地域に根ざすその人の人生が破綻しないようにものすごく気を遣うことになったという(この時点ではまだ地方でも人余りの問題があった)。また、日本の大企業の企業再生に関わった著者の指摘する日本企業の問題点としてダイバーシティの欠如を挙げていることが印象的である。「地頭が良い、地頭が悪い、知識がある、知識がないということで、意思決定を間違える企業はほとんどない。ガバナンス上の大きな過誤は、ほとんどが人間の性から生まれている」というのは、グループシンクや過度の忖度などが大企業の中で生じがちなことから示唆的である。 この本を読んで気が付いたことのひとつは、通信事業者というのが極めてローカルの世界のビジネスであるということだ。技術がグローバルになり、端末も世界で売られているものと同じものとなり、インターネットというグローバルな世界との接続を担うことからグローバルの世界のビジネスをしているのかと無意識には思っていた。しかし、競争環境という点を見ても、Verizonやチャイナテレコムと直接競争するわけではないということからもわかる。そうやって見ると、違ったふうに見えることもあるかもしれない。その意味でも役に立ちそうな本である。

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    投稿日: 2018.10.28
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    アメリカ大統領選で、トランプ氏が勝利し、いろいろと考えているときに、著者の冨山和彦氏のコメントが非常に参考になったので、本を読んでみました。 これもkindle版で読み上げさせています。 結構経済系の話は好きで、経済学系の本を読んだもしたし、新聞は日経新聞で、The Economistを定期購読していたこともありました。 しかし、今まで読んでいた本は全てGlobalな展開を目指す経済で、日本のGDPの7割を占めているLocalな経済のことなんて、まるで考えたことがありませんでした。 なんて片手落ちだったんでしょう。 イギリスのEU離脱、アメリカの大統領選など、自分の常識と異なる結果が出たことに驚いた人には目からウロコのお勧めの1冊です!

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    投稿日: 2018.10.20
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    ローカル(L)の世界とグローバル(G)の世界に分けて政策提言.グローバルとローカルは格差ではなく選択の問題,そこに序列はないという考え方には納得.ただ両方を見て選択できる人は限りがあるのではとも感じた.里山資本主義と合わせて読むと理解が進む.

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    投稿日: 2018.10.09
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    「GとLの経済成長戦略」というサブタイトルを持つ本書では、二つの経済はそもそも別のものであるとした上で、それぞれに応じた具体的な成長戦略を説く。 グローバル経済と地方の経済は分けて考えた方がいいというのは、そのとおりだろうし、個々の成長戦略の説明も説得力があるように思える。 ただ、ふたつの経済の関係性が、まったくないというのは、本当にそうなんだろうか。 そこのところが最後まで釈然としなかった。

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    投稿日: 2017.09.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・同質的な集団は、必ず意思決定能力が低下する。その場の「空気」でものが決まるから。ムラの空気の調和を保つためには、絶対に勝てないとわかっていても戦いを始めてしまう。 ・社外取締役の導入義務化は、事実上どの国も実施している。 ・多くのグローバル企業は、内輪で意思決定を行う「ムラ社会型」の経営から休息に脱却しつつある ・女性役員と合わせ、多くの企業がダイバーシティを持ったコーポレートガバナンスが必要不可欠であると気づき始めている。 ・ダイバーシティが欠けると、本質的に大事な意思決定を間違えたり、先送りしてしまったりすることがある。自頭が悪い、知識がある、知識がないという事で意思決定を間違える企業はほとんどない。 ・経営者が個人連帯保証を入れている場合は、自己破産する事が債務免除の条件になってしまう信用保証協会融資が入ってる企業の再生処理は、取り組みそのものを半ば諦めなければならなかった。 ・産業別・規模別の労働生産性比較 中央値で見ると、商業・サービス業のほうが製造業よりも労働生産性がやや低い。また、労働生産性の格差は、大規模事業者よりも小規模事業者の方が、また製造業よりも商業・サービス業の方が、顕著に大きい ・財務省「平成23年度法人企業統計年報」 1.労働生産性=付加価値額/従業員数 2.付加価値額=人件費+支払利息等+動産・不動産賃借料+租税公課+営業純益 3.従業員数=役員数+従業員数 4.倍率=上位10%の労働生産性/下位10%の労働生産性 ・世界各国と比較したわが国の生産性の状況 わが国は、生産性が高い部門の経済全体に占める割合は低く、生産性が低い部門の割合は高い 通商白書2013 ・資金調達における保証利用動向 抽象企業庁「財政制度等審議会財政投融資分科会参考資料」 ・人口減少問題研究会

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    投稿日: 2017.04.16
  • 「GかLか」ではなく「GもLも」

    著者の経歴から説明すると、経営共創基盤(IGPI)代表取締役CEO、オムロン社外取締役、ぴあ社外取締役などを現在務め、カネボウ、ダイエーなどの企業再生を行ってきた人物である。 現在、どの企業もグローバル化を掲げ、企業の生きる道はグローバルしかないという考えが多くの人にあるがそうではない。 日常で利用するサービス(交通機関や飲食、小売りなど)の多くがグローバルとは関係のない(国内でほぼ完結している)世界で動いている。 このようにグローバル(G)とローカル(L)で経済圏を分け、現代の問題点や課題、解決策を見ていくという内容である。 Gの世界(グローバル経済圏)での企業はその分野のトップ(オリンピックメダリスト)を目指さなくては勝てない。 これは、競争の激しい産業領域のため、トップ以外は淘汰されるためである。 日本の企業がトップを維持できるようにするためには規制を緩和し、「ガラパゴス化」せずに世界展開できるようにする必要がある。 Lの世界(ローカル経済圏)での企業はトップを目指す必要はなく、県大会上位を目指すイメージで生産性を高める必要がある。 なぜなら、日本の非製造業の生産性は先進国でも低いからである(製造業に関しては世界でもトップレベルである)。 これは、競争の激しくない非製造業では淘汰が起こりにくく、生産性の低い会社も生き残ってしまっているからだ。 本書では図が多く載っており、その図を見るだけで何が問題なのかすぐにわかる。 データの出所も書かれているので自分で確認し、それに付随する情報を得ることもできる。 筆者は「GかLか」の二者択一ではなくGはGとして、LはLとして、それぞれ最適な政策があり、それは別々に成長することができる どちらしか生きる道はないということではないことを言っている。 また、GとLには優越はなく、完全にGとLで分けられるものではないので、GとLをそれぞれ使いこなし、選択することが大切である。

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    投稿日: 2017.04.08
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    経済政策を考える上で、過去にとらわれて実態に合っていないという指摘を読み、個人的には非常にすっきりした思いです。 マスコミで流れる企業のイメージはあまりに画一化しすぎていて、どうも実態と合っていないのでは、というのは何となく思っていましたが、理論的にとても整理されていました。 経済の考え方として、グローバルとローカルを分けて考える必要があります。 ・Gの世界:製造業やIT産業が中心になる世界  基本的に「モノ」(製造業なら車などの有形物、ITんら情報などの無形物)を扱い、規模の経済性が効く、資本の集約性 ・Lの世界:非製造業が中心、本質的に「コト」の価値(観るコト、運ぶコトなど)を顧客に提供、分散的な経済構造、対面サービス、同時性・同場性のある経済圏、密度の経済性、不完全な競争、労働集約性 これまでの加工貿易立国時代から時代が移り、両者の経済的な関連性は良くも悪くも薄くなってきているため、両者の考え方、政策も分けて考える必要があります。 一方のみを意識した政策を行っても、関連性がないためトリクルダウンも起きない。 だからこそ、政策を分けて考える必要があります。 「GかLか」の二者択一ではなく、両者は良くも悪くもあまり連関していないので、GはGとして、LはLとして、それぞれに最適な政策を選択・遂行しても、あまり矛盾は起きないのではないか という指摘を踏まえ、今後の政策の推移を見守っていきたいと思っています。 <この本で得られた気づきとアクション> ・ローカル経済でできる方向性が見えた。それにふさわしい支援はできているか ・製造業の中でもグローバルを目指すものとそうでないものの区別はできるか、どの段階でどのような支援をできるのか。 <目次> 第1章 グローバル(G)とローカル(L)という二つの世界 第2章 グローバル経済圏で勝ち抜くために 第3章 ローカル経済圏のリアル 第4章 ローカル経済圏は穏やかな退出と集約化で寡占的安定へ 第5章 集約の先にあるローカル経済圏のあるべき姿 第6章 GとLの成長戦略で日本の経済・賃金・雇用は再生する

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    投稿日: 2017.01.29
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    グローバルと昨今叫ばれているが、実態経済はローカルでなりたっているということを説明した本。20170101

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    投稿日: 2017.01.08
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    グローバル経済に注目しがちだが、実際はグローバル企業は例外的で、分散型のローカル企業が多く占める。 グローバル経済への対抗としては、里山資本主義は面白いがそのような条件がそろう事例は限定的だ。 ローカル企業が地域に還元することでローカル経済は循環する。 少子高齢化が進むなか、ローカル経済は人手不足状態だ。ローカル企業の労働生産性を向上させる。 ローカル企業を選別し、みこみのない企業には退出してもらう。 ローカル企業が効率化、集中することでローカル経済は活性化するとしている。 退出のめやすのひとつとして担保中心の融資から、銀行員の目利きに基づく融資に戻すという提案には非常に納得できた。

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    投稿日: 2017.01.03
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    グローバルシティとローカルタウンは、異なる原理で動いている別々のシステムだ。良くも悪くもリンクしていない。大富豪が増えてもトリクルダウンは起きない。金持ちを貧乏にしても、貧乏人は金持ちにならない。都会でエグゼクティブウーマンが増えても、99%の女性の働きやすさは向上しない。 「Gの世界」と「Lの世界」は交わらないパラレルワールドだ。Brexitやトランプ現象を経たいまだからこそ、改めて注目されるべき本。GとLの両極化は世界的現象なのだから。

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    投稿日: 2016.12.23
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    トランプ大統領就任含めて、色々最近と起こっていることが点でばらばらにあったが、線で繋がったような印象を受けた。近いうちに再読したい。

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    投稿日: 2016.11.25
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    ・雇用過剰の時代の終焉。日本の経済社会問題における巨大なパラダイムシフト。人類史上初の状況。高度経済成長期に急激に需要が増え、供給を増やそうとして人出が足りなくなった世界と、バブル崩壊で急激に需要が落ち込み、供給を調整する過程で人出が余った世界という「2つの世界観」に縛られている。課題先進国と呼ばれる日本に続いて、いずれ多くの国も人余りの状況くら劇的に人が足りなくなる状況に必ず移行する。現在は急激に成長を続ける中国でも、おそらくあと30年もすると日本のようなことが起こる。日本は、この問題にどう対峙するのか、世界からの注目が集まっている。 ・人類史上初の少子高齢化起因による人手不足は地方経済から始まった。中央より地方のほうが生産労働人口の減少が先に起こっているからだ。少なくとも生産労働人口が減少しているローカル経済圏において、今後ますますサービス産業のセクターは構造的な供給力不足、つまり人手不足に陥る。このことを前提に物事を組み立て直さないと、ローカル経済圏で暮らす圧倒的多数の人々を幸せにすることはできない。 ・ローカル経済圏の経済性は密度の経済性が強く効いてしまうこと。そこにいること自体が比較優位になる。地域に密着していて、地域で密度をつくっていることが優位になるので、もとものそこにいるローカルプレイヤーのほうが絶対有利になる。 ・以前の典型的な家族のモデルは家族を支える年収700万を夫一人が稼ぎ妻は専業主婦で子どもが2人いるというもの。しかし今どきのローカル経済圏の現実的な家族モデルは、夫婦共働きで夫と妻2人で合わせて年収600万〜800万を稼ぎ、子どもは1人ないし2人いるというモデル。昔からの家族モデルの設定が変わってきているのである。夫婦共働き型への変化は、じつは日本人にとって斬新な家族モデルへの進化ではなく、むしろ江戸時代以前に戻っただけ。 ・「県大会」上位を目指すローカル経済圏で必要なのはカリスマ経営者ではない。一定の資質の人材に経営者としてしかるべき訓練さえしていれば、優秀な経営者は十分に排出できる。 ・グローバルの世界に生きる企業の最重要KPI(主要業績指標)は資本(物的・人的)効率性。ローカルの世界に生きる企業の最重要KPI(主要業績指標)は労働生産性。コンパクトシティ化により生活圏の集積度が高まることは、運行効率を大幅に高めるし、都道府県レベルにおいて地域連携型の動きが進むと、広域経営がやりやすくなる(ex.みちのりホールディングス)。ローカルの世界のキーワードは集約化。 ・女性の就労参加のリアリティは、普通の職場で子育てをしながら女性が働きやすくなることら、その上で、夫と2人でおおむね800万程度の世帯収入があり、無理なく子どもが育てられる状況をつくってあげるほうがはるかに有効。このモデルは巨大都市圏よりも地元の地方都市のほうがはるかに成立しやすいしら実質的な生活水準も高レベルになる。これからの平均的な日本の家庭モデルはローカルの世界を軸にた構想していくべき。 ・グローバルとローカルの間に序列などない。サッカーと野球、テニスとゴルフの間に序列がないのと同じで単に違うメカニズム、経済ルールで動いているというだけの話。どちらかの世界で給料を稼ぐかは、究極的には個人の選択の問題。自分の資質や人生観によりフィットする世界を選択していくことのほうが、幸福な職業人生にとっては重要だ。

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    投稿日: 2016.08.26
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    全体的には、地域経済活性化、地方創生を考える上で、新しい視点を提供しており、書籍的価値は大きいと思いました。特に、市場をG(Global)の経済圏とL(Local)の経済圏に分け、やるべきことは違う点を指摘しているところは秀逸だと思いました。 タイトルは、「なぜローカル経済から日本は甦るのか」となっており、主題はローカル経済についてであったが、氏の述べる部分に少し賛同できないところもある。それは、企業の集約化による寡占的独占を目指す部分である。 氏の主張の基本的な部分は、企業の「集約化」にある。なぜかというと、日本は人口減少局面に位置しており、需要が減るとともに生産年齢人口は減っていくことによる労働力不足を解消しなければならないからである。しかし、現在のローカル経済圏では第3次産業のサービス業が大部分を占めているが、労働生産性がとても低いため、労働力不足を解決するために、労働生産性を上げるべきだと述べている。そのためにも、企業の穏やかな退出をはかり、企業の集約化を進めていくことで、全体的な労働生産性を上げていくことがポイントであると述べている。 これは一面的な発想ではないだろうか。たしかに、「地域経済」を数字のみで見ていけばそのような発想になるだろうが、大事なのは「実生活も含めた経済のあり方」だと考える。なので、逆に自営業をどれだけ増やせるかどうかがポイントだと考えている。働くこと=従業員というのは、都市部で働くことと何ら変わらない。地方の戦いは、氏の言うように、「県大会上位を目指す」ことであり、グローバルで戦うことは「オリンピッックチャンピオンを目指す」となると、どうしてもビジネスマンには都市部に行ってしまう。これから地方が魅力的な場所になりえるには、生活も豊かにその地域で価値をだせるひとを呼び込めるかどうかにかかっていると思うのである。

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    投稿日: 2016.08.14
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    グローバルとローカルそれぞれに最適な戦略がある。一部のグローバルエリートを除き、ローカルに身をおく人が多数を占める中で、ローカル経済のこれからの処方箋を提案している。キーとなるのは、集約と労働生産性向上。この先地方へ戻る私は、地方の将来について漠然とした不安を抱え続けているが、地方のこれからについてひとつの方向性を示してくれている。  これから供給不足が常態となるであろう日本は、リスクをとってチャレンジするには良い環境になるかもしれない。

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    投稿日: 2016.07.17
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    GとLの考え方捉え方の違いについて分かりやすかった。ただ、Gの住民に対してきちんと「公共にお金を払わせる」という意識が少ないように感じた。

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    投稿日: 2016.07.06
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    ゾンビ企業は延命するよりも市場から退場させたほうが地方の労働生産性はあがる。基本的にこの意見に賛成です。市場に企業が数多く存在すれば新陳代謝がすすむかもしれないけど、絶対数が少ない地方ではゾンビ企業が退場したらそれっきりということにはならないのかしらん。

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    投稿日: 2016.05.01
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    ともすれば、すべての企業がグローバル経済で生き残るため、 そして成功するための経営が求められているように感じられるものです。 本書では、グローバル経済圏とローカル経済圏を、 それぞれGのものとLのものとして区別し、 GとLは連関の薄いものだという前提で論を進めていきます。 つまり、どれだけグローバル企業ががんばって儲けても、 いわゆるトリクルダウンと呼ばれる、 グローバル企業からほかのサービス業の人びと、 もっと言えば、格差の下のところにいる人々への潤いは ほとんどもたらされないものだという見抜きがあるんです。 よって、グローバル企業はグローバル企業で、 ローカル企業はローカル企業で、 というフィールドと性格の違いを しっかり考えていくのがこの本のねらいです。 ちなみに、あまりスポットライトのあたらない、 サービス業(医療、介護、飲食、交通など)に従事する 労働人口は、総労働人口の7~8割だそうです。 そして、この分野では、グローバル企業のひとのように、 「自分を変革して、世界に飛躍していこう」 という世界観、人生観で労働者を語るのには無理がある。 別個の、質の違う世界観があるということです。 たとえば、看護師や介護士のような職に就くひとたちに、 どんどんキャリアアップして儲けていこうと説くのは、 一部のひとには共鳴をうむかもしれませんが、 多くのひとたちはそんなことよりも、 誇りだとか社会的な意味合いのほうを重視して働いている。 そして、そのような、生きがいの持ち方が、 サービス業、ひいてはローカル経済圏でのやり方のゴールになると、 著者は述べていました。 一方で、 グローバル企業のほうでは、 弱者は切り捨てていくという厳しい世界にしなきゃいけない、 ということです。 弱者の救済なんてやってると余計なコストがかかるという考え方。 どんどん、世界でやっていけない企業は退場していってくださいという 考え方なんですね。 また、さっきのトリクルダウンがおこらない説明になりますが、 グローバルな製造業にぶらさがる中小企業はいまや少なく、 サービス業中心の世の中なために、 グローバル企業から利潤が下のほうへ流れないのだそうな。 格差が縮まらないのはそのためだと。 連関が薄いのです。 ローカルな経済圏のサービス業などは、 平均的な能力をもってされるもので、 高度な仕事は与えられない労働になっているとされるけれども、 そのぶん賃金の上昇は鈍い。 ただ、サービス業では、 生産性の低い会社も高い会社もごちゃまぜになっていて、 生産性の低い会社がのうのうとやっていることが、 生産性の高い会社の足を引っ張る構図にもなっているようです。 日本は特にそうだと。 サービス業の最低賃金をあげていって、 それで苦しくなるような生産性の低い会社は淘汰されるべき、と。 考え方として、最低賃金を上げていって、 労働者の労働の質も上げていくのが理想のようです。 3人でやっていた仕事を、2人でこなせるようにしていく。 そうやると、賃金が50%上がってもいいくらい。 そういうふうに、個人の仕事の効率性をあげていくのが 今後、ローカル経済圏では大事になるということでした。 ローカルにも、高級品の製造や生産があり、 それらがグローバルで戦えるものだったりもします。 混ざり合っているわけですね、グローバル経済圏とローカル経済圏は。 それらを峻別して考えてみて、やり方の違いを理解して、 かつ、それぞれの選び方も考えていくのが大事になっていく。 それでいて、それぞれの行き来についても 考えていくのが必要なのではないかと思いました。 どうですか、7~8割のひとびとが、 グローバルで戦うための啓蒙的言説とは関係がないのです。 そういうところをはっきりさせてくれたのは、 本書の大きな手柄のひとつでしょう。 いまって、労働者の7~8割という多くのひとたちに 陽があたっていないように感じました。 とはいえ、グローバルに活躍する企業が経済を引っ張るのは確かです。 こちらが下火になるようではいけないですし、 いつの世にも、そんな世界でやっていこうとする気概のひとや、 ばしばしやっていける能力をもつひとがいるものです。 そういうスター性のあるひとはグローバル経済圏でやっていってほしい。 と、まあ、こんな調子の本なのです。 こうなっていくのも、グローバル化、少子高齢化、 団塊の世代の大量退職、などの背景があるからです。 きっちりと、自分がいるポジションがどういう経済圏か、 という把握ができていると、 いまよりも戦略が立てやすくなるかもしれないです。 コンパクトシティについての言及も数ページにわたっていて、 このあたりのイメージを深めるものでもありました。 ぼくがここで書いたことよりも、もっと詳しく広いことが 本書には書いてありました。 ちょっと雑だなと思った箇所もありましたが(第六次産業の扱いなど)、 それでもそういうところは行間を拾うように読むと、 内容の深さが増します。 予備知識が必要なところもありますが、 ネットで調べながら読めば大丈夫だと思います。 今の日本の経済のありかたの大局をつかむのに役立つ本でした。

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    投稿日: 2016.04.15
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    (しばらく経ってからレビュー書いてます…) 極めて納得感のある日本経済に関する書籍です。「グローバル経済とローカル経済の課題と解決策は全然違うものだよね」という視点というか、景色を感覚としてつかんでおくことは極めて重要で、その大前提を持たないと机上の空論になってしまう危険性が高いなと思います。話としてはさくっと読めるので、皆さんも是非(2016.3月のいつか読了)

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    投稿日: 2016.03.27
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    興味深い記述箇所もあるのだけれども、どうもストンと腹落ちしなかった一冊。 たとえば「メガベンチャーの担い手はストリートファイターとは根本的に次元が異なる。基本的には、東京大学か京都大学くらい、片目をつぶっていてでも入れるようなレベルの人でなければならない。凡人が予測も出来ないことを考え出し、それを実現してもらうのだから、標準的な頭の出来の人ではとても無理である」とか、 「人口減と生産年齢人口の減少によって、これからの日本はマイナス成長に陥る危険がある。万が一そうなっても、生産性を高めることが出来れば、一人当たりGDPは上昇させられる。人間の幸福は一人当たりGDPが維持できるかどうかで決まる。」とか。 生産性やら効率性などといったものさしで全ての経済活動を図ろうとする考え方で、人口減と労動力減という未知の世界に適応できるのだろうか?

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    投稿日: 2016.02.08
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    会社を大企業、中小企業ではなく、戦う市場の違いとして、グローバル(G)とローカル(L)で分け、それぞれが全く違った特性で、それぞれから日本は復活していくという内容。 製造業の大企業を中心としたGの話は、よく聞くが、実は、労働人口の65%が非製造業の中小企業であること、近年起きているサービス業での人手不足から、Lの重要性と可能性を語っている。 L領域での経営の戦略としては、地域との密着度・占領率と、生産性の向上だという。アメリカに比べて製造業は生産性が120%だが、非勢製造業は50%とかなりの改善の余地があるという話は初めて知った。生産性については、地域が分かれれば競合にならないため、地域横断での企業グループの場合、ナレッジの共有がもっと効くというのもうなづける。 Lの市場で、需要も低下するが、それよりも供給がさらに低下するため、ビジネスとしてのニーズは高まるという話だが、生産性を上げて、低下した需要でもコンパクトに収益を上げられるようになるかどうかがポイントと感じた。 今まで、地域でのローカル事業ということを考えたことがなかったので、非常に発見が多い1冊でした。

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    投稿日: 2015.12.29
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    内容について、100%の理解はおそらく出来ていないと思うが 新しい気づきや発見がいくつか得られたという意味で 少なくとも読んで損はしない本だった。

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    投稿日: 2015.12.02
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    とても難しい本だった。 専門用語が、頻繁に出てくる。 GもLも両方頑張るという話であり、特にLは労働生産性を上げることが大切であるとといた本である。 そのためには、賃金を上げ、女性や高齢者の参画を上げることが大切である。 そして、難しい政策ではあるが、緩やかな退出が必要である。 労働生産性までは理解できたが、緩やかな退出を促すことで地方が輝けるかが腹落ちしなかった。 示唆深い本であると感じた。

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    投稿日: 2015.11.29
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    世界経済は、G(グローバル)とL(ローカル)とで出来ている。一見、何の目新しさもなさそうな主張だが、その一見は大間違い。 無意識にごちゃ混ぜにしてしまっている様々な事象を、明快に分類し、解いていく鮮やかさは圧巻。 冨山さんお得意の、規模の経済・密度の経済といった話も、G/L視点で、しっかり描かれている。

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    投稿日: 2015.10.25
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    GとLの異なる実情を分けて検討することの有用性。 GとLの分断は実情としてそのとおりであるが、それを促進させることに未来があるか。 G ・規制緩和、ガバナンス強化とセットで法人税引き下げ ・現場力を活かす本社力の強化 →思い切り手を抜くところ 例 本社システムの作り込み →意思決定の多様化(内部人材と外部人材の得手不得手) ・グローバルルールの適用 ☆ 率先か後追いか ・公的けんきゅうきかん、大学の役割の増大 ・国内産業への波及を考えた国際化 例 和食普及と日本食材、酒類の輸出の連関 L ・雇用の実態を正確に把握する →経済センサス活動調査 非製造業割合 企業数88.9%、従業員数80.6% 社会福祉サービス(医療、介護、保育)、教育、公共交通 ・地方の労働力不足 ☆エビデンス? ・規制緩和ではなくスマートレギュレーション 例 主体規制からこういし規制 ・デッドガバナンスの変更 ・限界集落はいつ頃できたか? ・集約後? →ライブ・エンターテインメント →インバウンド グローバルからローカルに移行すべきと主張しているように記載されている藻谷氏著書に対する分析は、ローカル経済をグローバル経済のサブシステムとして提案していることを無視している。

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    投稿日: 2015.08.15
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    セントラル(グローバル)とローカルの切り口で、整理して成長戦略を二つに分けて立てると上手くいくのではという主張の本。ローカル経済の方は、先進国、発展途上国関係なく地域に根ざした経済があって、その経済に向けた政治や企業活動をすべきというのは、非常に説得力がある。マスコミ含め、ついつい眼が行きがちなグローバルの視点ばかりで成長戦略や企業経営を何でもかんでも当てはめめてしまうとおかしくなるとうのはまさにその通り。著者は実際に双方を経営支援している中で生まれてきた発想である点、現実に根ざした内容になっており、なるほどそういうことか?と思える内容も多い。一読すべき本です。

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    投稿日: 2015.07.15
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    GとLで何かと話題の冨山氏の新書。 なるほど、世界の現状と今後とるべき経済成長戦略がGとLとで明確になった。 読む前は、GかLかの二者択一論かと思っていたが、「GとLをそれぞれに使いこなし、選択していけばいい(p265)」とのこと。 それならば、国立大学も個別大学でGかLかでなく学生が選択できる方が良い。それが大学らしいし、地域のダイバーシティを考えた上でも望ましい。

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    投稿日: 2015.07.04
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    プロローグを読んだときは、「??」と思うところが所々にあったが、具体的な処方箋に入ると、非常に説得力があり、かつ実践的。 Lの世界では緩やかな退出を促す政策、事業をたたむときに個人の人生が壊滅的な状態にならないような政策が必要。 大企業・中小企業、上場一部、二部ではなくGとLで区分する(求められる情報開示やCGが異なる)。 大部分では、スティーブジョブスが必要なのではなく、県大会で勝負できる起業家が必要

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    投稿日: 2015.06.09
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    20150528 これからの日本の方向性を示しているのだと思うが。田舎に戻ろうとか地方の再生とか考える場合参考になる。自分に置き換えて考えて見ることが大事。

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    投稿日: 2015.05.29
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    本書では企業をGとLという経済圏の視点で分類しているが、この考え方は企業内の業務にも適用できるなと思いながら読み進めた。 (最近社内でもグローバル、グローバルと本社の基準を適用しようという動きになっているが、実際のところ個々の業務は殆どLなんだよなと) 本書については、現場経験が豊富な著者だけに、主張が具体的で、かつ熱い気持ちが込められている。 今さら私が言うことでもないが、経営者や政策策定に関わる人達にこそ読んでもらいたい。

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    投稿日: 2015.05.03
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    どこもかしこも、グローバル、グローバルと言ってるけど、日本の産業の7割は非グローバル、つまりローカル密着型の産業であると。日本経済の成長戦略を描くにも、グローバルとローカルを一緒くたに考えてはうまくいくはずがないというのには、確かに目から鱗でした。 私の仕事は、グローバルに属します。でも、売る相手が海外ユーザーだとしても、その先の用途・ユーザーがローカルなのかグローバルなのか、ということも念頭に置いて仕事をすべきだなと本書を読んで感じました。

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    投稿日: 2015.05.01
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    机上でものごとを考える経済学者の処方箋では、日本も日本人も幸せになれない。 東京大学法学部を卒業し、司法試験にも受かりながら、アメリカのコンサルティング会社の就職した後、若くして会社を立ち上げ、産業再生現場で辣腕を振るった筆者だからの発想が綴られた著作である。 アベノミクスで経済が活性化し、人手が足らなくなったというのは、従来の経済学の思考だ。 高齢化し疲弊する地方での人手不足は、アベノミクスとの関連はない。 グローバル企業、ローカル企業と両者の立て直しに知見を有する筆者の処方箋、読めば読むほど納得だ。 産業再生時に知り合った優秀な経済官僚との会話から双発された考え方。 30歳前半の息子に読ますため、Amazonでコンビニに送ってやりました(笑)。

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    投稿日: 2015.03.17
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    斜め読み。 県大会一位を目指すか、世界チャンピオンを目指すか。 別にどっちでもいいけど、闘うフィールドを分けたらいいというのは、確かに納得。 地方経済圏は集約化がポイント。 生産性低く、質が悪くても生き残れる現状。 集約し、生産性を上げる。 キーワードはコンパクトシティ化。 工場誘致ではなく、生活圏の集約化。 高齢化社会で、車を使えない人たちが徒歩で暮らせる社会。←これイイね!

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    投稿日: 2015.03.16
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    日本の経済圏はGとLという2つのことなる枠組みで捉えられる。 Gは大企業が中心。GDPは30%〜40%。知識集約型。高賃金な人材。モノ・情報であり持ち運び可能。生産拠点の立地選択不要。貿易収支の稼ぎ頭であり、トップレベルの競争力の実現・維持が必要。製薬・IT,電機。 Lは中堅・中小。60〜70%。コト(イベント)・サービスを中心。不完全競争。その場で消費。労働力不足が変化。経済収支は赤字のため、生産性向上が重要。交通・飲食・福祉サービス。 Gはビジネスのオリンピックをめざし、世界トップを目指すべき。人的・物的資本効率性の上昇をめざし、ROEで10%程度を保つ。Lは新陳代謝の同時促進、安定雇用と賃金の上昇をめざすべき。GがもうかってもLには関係がないのでトリクルダウンはおこならない。穏やかな退出による集約化が重要である。そのさい必要なのは賢い規制緩和スマートレギュレーションである。退出のきーは地方金融のデットガバナンスで集約化をすすめ、労働生産性を高めるべき。Lの世界では子供や老人が多くなるので何らかの使命感・矜持が必要。矜持をもち、使命感をもって安定した収入に自分なりの幸福感があればLの世界のゴールになる。 GとLの選択を自由にできる社会をこれからは追求すべき。

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    投稿日: 2015.02.23
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    白木さんに勧められた本2。 グローバルとローカルの違う原理で動いている社会について、一元的な経済政策では難しいと理解出来た。 新聞等でも日本の経常収支において円安による輸出が鈍化しているとあり、所得収支が増加しているとあった。

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    投稿日: 2015.02.22
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    グローバルとローカルを分ける考えに賛成。 政策も2つに分けて行う方が良いと思う。 ローカルの代謝は必要だと思うが、他人から見ると何でこんな会社をやっているのかと思う会社も、それぞれの考えや思いがあって続けているのだろうし、何でこんな不便な場所に住んでいるんだろうと思える人も同じだろうから、合理的に考える以外の方法で、上手く代謝させる方法はどんなやり方があるのか考えている。

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    投稿日: 2015.02.22
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    経済がグローバル=G/ローカル=Lに分かれていて、L向けの経済対策が足りないというのは鋭い指摘ですが、タイトルの蘇る具体策が見えないのと地方消滅論に賛意を示す方向性には違和感。 それにしても、水野和夫さんといい地方政治の位置づけがまったく見えないのは、それだけ無力なのか不要なのかとがっかりしてしまいます。

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    投稿日: 2015.01.31
  • 日本経済を考えるためのGとLというフレームワーク

    本書は、これからの日本経済を考えるためのフレームワークを提示した本です。 そのフレームワークは、GとL。 Gはグローバル経済圏を意味し、例えば自動車や電機産業など、グローバルな市場で活動する経済のことを指します。 一方、Lはローカル経済圏を意味し、例えば公共交通機関や飲食店、宿泊業等のサービス業などの、ローカルな市場で活動する経済を指します。 本書では、GとLは別の経済特性を持ったものだと認識し、それぞれに合った経済政策や戦略を考えることが重要だとし、Gの世界では資本生産性を上げる施策、Lの世界では労働生産性を上げる施策を提案しています。 GとLの考えに至る著者の問題意識は、それまでの日本の経済政策の論争が、競争を重視した新自由主義か、平等を重視した社会民主主義かの二項対立が、 『現実の経済社会で起こっている姿をまったく無視した、抽象化されたベースで議論しているだけではないのか』 というところにあります。 経済は競争も重要だけど、その結果格差が生まれては問題なので、その意味で平等も重要、ということをどう整理して考えればいいのかと思っていたので、GとLという視点の整理は、非常に分かりやすく理解の助けになりました。 今後の日本経済を考えるために有用なフレームワークだと思います。 以下は余談ですが、私が本書を読もうと思ったのは、2014年10月7日の文部科学省の有識者会議(※1)での冨山和彦氏の報告(※2)に興味をもったからです。 その報告では、これからの大学では、例えば、シェークスピアや経済理論ではなく、説明力や会計ソフトの使い方を教えるなど、「学問」よりも「実践力」を教えることが重要とされていました。 この主張に、非常に違和感を持ったのですが、本書を読んでその背景と主張の意図が理解出来ました。 ※1「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議」 ※2「我が国の産業構造と労働市場のパラダイムシフトから見る高等教育機関の今後の方向性」

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    投稿日: 2015.01.24
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    経済圏をグローバルとローカルの二つに分けて、それぞれは、全く異なる経済生態系である、という発想は非常に分かり易く、現在の経済環境がうまく説明できる。それぞれの経済圏の特性が異なる以上、それぞれ独立に評価し経済振興策を打つべしという説明は納得できる。 特に、ローカル経済圏への対策は、従来経済政策として考えられている内容とは、ほぼ逆の政策が必要になるという指摘は重要である。 ローカル経済圏の中小企業対策に対して、貴重な示唆を得ることが出来た。

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    投稿日: 2015.01.18
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    昨日のNHKクローズアップ現代で島根県海士町岩手県紫波町の取り組みを取り上げていました。「街を潤す”にぎわい革命”」と題されたその特集からは本書の密度の経済の成功例を見せられたような気がしました。規模と密度を敢えて別々に捉えるGの経済・Lの経済という視点が本書の提案です。Lはローカルの頭文字であると同時にロングのイニシャルでもあって、海士町にもあった20年というタイムラインを地道に回していけるか?という愚直さが意味を持つことになります。それを選びうるのは追い込れた極小の自治体であってミクロこそサクセスのキーかもと思いました。まだ東京が目に入っている地域は厳しいかも。

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    投稿日: 2015.01.06
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    グローバル競争のGの世界とローカルだけの競争で密度の経済性が働きやすいLの世界は全く違う経済特性に動かされ、それぞれに処方箋が異なるという切り口から論旨を展開。 GからLへのトリクルダウン(富の波及効果のようなもの)は極めて限定的であるため、1社あたりの企業規模が大きく目立ちやすいGだけではなく、企業数、従業員数、GDP等においてマジョリティーを占め、中小企業を中心としたLを回復させることが日本経済には必要という主張はシンプルかつ力強く、一貫性もあるので納得感が高い。著者の述べるように、Lの回復のためには労働生産性の低いL企業には退出していただくための制度設計が重要かつ最も困難が伴う点に合意。 全体を通してある程度の経済的知識を前提としていて、かつ文章表現に上から目線を感じてしまったのが残念。

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    投稿日: 2015.01.04
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    グローバルとローカルに企業を分けて分析している切り口がとてもわかりやすい。人口減少に伴い労働市場も地方から縮小していく、している部分は示唆を与えてくれる。

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    投稿日: 2014.12.31
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    星5つ!ローカルとグローバルをごっちゃに考えそうな過ちをただす。グローバル経済と同じ素養ではを身の回りの実情と指針を見誤る。是非、一読をお勧めします。藻谷浩介デフレの正体以来、日本のおかれている状況を紐解いてくれました。二人の見解が同じというわけではありません。健全な異なる見解の間に学ぶべきものがたくさんあります。

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    投稿日: 2014.12.29
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    冨山さん、同感です。企業はグローバル(Gモード)と、ローカル(Lモード)を明確に分けるべき。グローバルに出て行くと、中国や韓国と競争して、トップ3しか生き残れない。スマホや半導体は典型的なGモード事業。ローカルで利益がでていれば、グローバルに出て行かないほうがいいし、無理にGに打って出ても、成功したためしはない。競争環境が違いすぎるのです。

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    投稿日: 2014.12.28
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    「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議」の提出資料で話題になった、冨山氏の書籍。あのおもしろ資料の前提となるGとLのお話。 簡単に言ってしまえば、日本経済を支えるのは労働集約的でスケールしない内需型産業なんだから、その産業特性に合わせた施策を打っていきましょう。というごくごくスタンダードかつ穏当な内容で、それ自体では目新しくはない。 では本書の特徴的なところは何かといえば、やはりG(Global)とL(Local)という補助線を引いたこと。この補助線を引いてあげることで、グローバル戦う産業と地域密着の産業との議論の切り分けができ、見通しがぐっと良くなる。このあたりの整理はさすが。 ……はずなのだが、このGとLという補助線こそが本書最大のくせものでもある。 このGとL、一見とてもわかりやすいのだが、実際よく読んでみると幾つかの概念がごっちゃになってるのが見て取れる。知識集約的でスケールする産業と労働集約的でスケールしない産業という産業特性での区分で議論を進めているかと思えば、地方の経済と都市部の経済という地理的区分で議論していたり。確かにそれぞれの概念は相互に重なり合い密接に関係しているものの、必ずしも同一ではないし、それらの問題が同根であるとするには議論があまりに不足している。それにも関わらず、複数の概念が入り乱れとっちらかって、それらがまるっとGとLという用語でくくられている。 だから、GとLの議論をしていることは一貫しているが、その内実からは一貫性が失われている。初めは産業特性の議論だったのに、後半にいくに従ってどんどん地理的な議論、地方をどうするかという議論に横滑りしていく。そうかと思えば、また産業特性の議論に逆戻りする。GとLできれいに整理されているように見えて、実はかなり混乱している。 その混乱の結果として、提示される処方箋も、個々の企業の戦略から、地域単位の対応、国家レベルの施策までが混在する形となり、それらは相互に相容れない帰結さえも生みうる。個々の企業にとって望ましい戦略が経済全体にとって望ましいとは限らないしその逆もまた然り。 おそらく、著者自身あまり整理ができていない。もしかすると有識者会議の前に出すのを急いだという事情があるのかもしれない。初歩的な誤字や誤りが散見されるあたりも、十分な時間をかけて書かれたものでないことをうかがわせる。 さらに、より大きな問題として、こうしたとっちらかりが読み手にも多大な影響を与えてしまう。定義としてはとっちらかって曖昧であるにも関わらず、一見して明快でキャッチーな二分法であるがゆえ、読み手は各自が各自なりのGとLとを読み取ってしまう。これよって、読み手の数だけ「ぼくのかんがえたさいきょうののGとL」が出現し、議論のとっちらかりが助長される。本来、見通しが良くなるはずの補助線が、かえって混乱を助長している。 そんなわけで、本書に問題の整理や適切な処方箋を期待することはできない。とはいえ、だからと言って本書がまったく無意味というわけでもない。本書の限界を理解したうえでなら、議論を誘発し出発点とする役割を果たすことはできる。審議会のおもしろ資料だって、そのためのものだとすれば納得感ある(本気で提言してたらまじやばい)。こうした議論を喚起する機能にこそ、本書の意義であると思う。 でも、何度も言うけど大型特殊二種免許だけは絶対におかしいからね!

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    投稿日: 2014.12.28
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    先日の衆院選の争点だったらしいナントカミクスの効果でトリクルダウンが起きてそのうちみんな潤う、という設定だそうだ。ホンマかいな、と僕も思うし、多くの人の実感だろう。 そう、起きないのだ。なぜか。グローバルとローカルの経済圏は、いまや直結していないから。 「年収は住むところで決まる」のように、グローバル企業の周辺サービス業はある程度潤う、ということはあるだろう。 けれど、昔のように、大手の周辺に下請けが集まっている、という時代ではない。グローバルに扱われるモノや情報は、ご近所ではなく、どこか遠くからやってくる。だからトリクルダウンは起きない。 アメリカで最も安定的に高収益をあげている金融機関はウェルズ・ファーゴという地銀で、地域の教育ローンや住宅ローンなど地味なものを、高密度かつ高効率に行っているという。グローバル市場には出て行かなくても儲かる。金融も本来はローカル経済圏のものである。 通信も、一見グローバル化しているようでいて、トラフィックのほとんどは国内のものが占めている。 かなりの割合のビジネスは、実のところローカルである、ということだ。政治やメディアは大手製造業を基準にしたものいいをすることが多いが、そんなのは極少数のスーパーエリートで、しかもトリクルダウンも起こらない。 と、トリクルダウン批判が楽しくてたくさん書いてしまったが、それだけをいう本ではない。 ローカルはローカルでやりますよ、という呑気な話ではなく、ローカル経済圏の生産性の低さやゾンビ企業の延命も斬りすてられてしまう。ローカル経済圏の効率をいかにあげるか。生産性向上のための多能化や集約化といったこともあげられる一方で、ローカルにはローカルのゴールがあり、矜持が示される。 問題は「新陳代謝」、とくに「新陳」ではなく「代謝(退出)」であろう、と。そうかもしれないなあ。 テンポよく読んで気分がよかった。ローカル視点の感想だけど、グローバル側の人も楽しいと思うよ。 反面、怖くもなった。頭切り替えよう。

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    投稿日: 2014.12.16
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    G(グローバル)とL(ローカル)を理解するための一冊。 両者は別物だと理解することから始まるわけです。 著者は学者ではなく、実際にGとL双方の企業経営に携わっていらっしゃいますので書かれていることの一つ一つに実体験に基づいた重みのようなものを感じることができる一冊です。 付箋は31枚付きました。

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    投稿日: 2014.12.13
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    目からウロコの本だった。 グローバル、グローバルと騒ぐけれども、確かに地方ではあまり関係のない話である。ローカルはローカル経済でそれなりにやっていければ良いものを、我々はついグローバルにあてはめて考えている。 無理に首都圏に出てこなくても、無理に英語を学ばなくても、地域に密着してローカル経済に貢献しながら暮らすという選択肢もあるのだ。オリンピック選手までいかない、「県大会」レベルの優秀な人達を地方で活躍させられるよう、国には制度等を整備してもらいたい。多分彼らもグローバルよりローカルのほうが力を発揮できて、幸せな人生をおくれるだろう。 地元の金融機関の存在は重要。そんなところで働く人生も悪くないと思った。

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    投稿日: 2014.12.10
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    世界でトップを争うグローバル経済と地域密着・公共サービスを中心としたローカル経済に分けて成長戦略を考えるべきだと主張する。当たり前に思えていたけど、実際の政策議論では「トヨタは国内生産を減らすな」「地域密着型企業の海外進出支援」などちぐはぐなものが多いことに気付かされる。 それ以上に、「Gの世界」と「Lの世界」のあり方、経済のまわり方の違いがここまで大きいものかとはっとさせられた。キャリアデザインの上でも参考になるのでは。

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    投稿日: 2014.12.07
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    この分類方法で、色々理解説明しやすくなりました。 これからの国内外経済を予測するのに、一つの道標になります。

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    投稿日: 2014.11.14
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    地方創生に興味があり読んだ。冨山氏の経済戦略提案。非常に示唆に富んでいて、様々なアイデアが浮かんでくる。冨山氏の慧眼のその先に、日本社会がどうなっていくのか、いやいや私自身はどう足掻こうか。とても良い一冊だった。

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    投稿日: 2014.11.12
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    加工貿易立国の時代 大企業、下請け、孫請けがあり、頂点が潤うと、下も潤う トリクルダウン 現在は大企業が生産拠点を海外に移した。水平分業化、モジュール化 トリクルダウンは起こらない 日本のグローバルプレイヤーが長期的に交代してきた本当の理由  日本企業の整理統合が進まない、多くお企業が過当競争、集約が進んだ海外起用に個別撃破される  利益率が10%を越える大企業は少ない ブリジストン、コマツ、信越化学、キャノンのい  事業環境や競争メカニズムの変化の中で、しかるべき事業と機能の新陳代謝を怠った small but global No1 ファナック、マニー、ナカニシ、ハーモニックドライブシステムズ、浜松ホトニクス、ヒロセ電機、旭ダイヤモンド工業、日本セラミック、マキタ、日本電産リード、HOYA、日本電産コパル電子、シマノ、MARUWA、堀場製作所、ディスコ、日本電産、日本ガイシ、第一精工、THK、村田製作所、ウシオ電機 グローバル経済域で生き残るには、高収益と高成長の両立 高度人材の外国人の受け入れため インターナショナルスクールの整備必要 医療 公共インフラ 日本の企業 つくりこみ、すり合わせが得意 対価が支払ってくれないところに作りこんでもだめ トップマネジメントの多様性に欠ける 社外取締役を増やす セブン-イレブン 地域ドミナント出店 対面型サービス産業 密度の経済性が強く効く 密度の経済性が効く業種では空洞化はおこらない 淘汰が起きにくいローカル経済圏ではゆるやかな退出による集約化がポイント 日本の非製造業の労働生産性が低いのは、生産性の低い企業の淘汰が驚くほど進んでいないからだ 地方ほど、高齢化が進み、生産人口人口が減少。若者は東京にでるという選択肢がある。生産人口はますます減少 生産性の低い企業には、ゆるやかに退出してもらい、事業と雇用を生産性の高い企業に滑らかに集約すべき 正社員、年功序列という日本型正規雇用は、メンバーシップ型雇用の日本型大型製造業にしかフィットしない。ジョブ型雇用のサービス産業にはフィットしないので、労働者が非正規雇用化していく 病院は典型的なローカル経済圏の特徴をもつ 全国的な水平統合よりも地域内における垂直統合の方が効率的 退出のキーは地方金融機関のデッドガバナンス 地方の組成は、集約によるコンパクトシティ化と駅前商店街の復活 グローバル経済圏における製造業の労働生産性は高い。ローカル経済権威おけるサービス業の労働生産性が、アメリカの半分しかない 積極的に行動人材の外国人の受け入れは推奨 サービス産業に入る外国人労働者は、低層労働者が中心。日本社会との軋轢が懸念 ショックがおこるかも

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    投稿日: 2014.11.07
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    最近の冨山さんの著作の中では最もメッセージ性が強いと思う。僕自身も2005年くらいに、ベンチャー企業の育成をグローバルとローカルに分けていかないと原理が違うと考えていたことがあって、まさにそれをしっかり分析してる内容。

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    投稿日: 2014.10.27
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    著者は日本企業を大企業と中小企業という区分ではなく製造業を中心とした国際競争を行うグローバル企業と国内のサービス業であるローカル企業に分けて考えよとし、前者にむけて政策的には法人税減税、国際会計基準の遵守、企業経営は選択と集中などグローバルな基準に準拠して戦えと言い放ち、ローカル企業は労働生産性を上げて賃金アップが必須であり、それができない企業は退出せよと説く。 地方というと仕事がないと思っていましたが、人手不足が深刻とのことで、今後益々それに拍車がかかるようです。そして、それはこれからの日本全体の姿でもあり、これからの日本を考えるとても示唆に富む一冊でした。

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    投稿日: 2014.10.19
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    世界の競合と戦うグローバル経済(主に貿易可能な製造業)と、地元住民を顧客とするローカル経済(主にサービス業)を分けて現状分析・今後の提言を行っている。グローバルとローカルをはっきり切り分けて、企業側・就業者側の視点で各々の進む方向性を示しているところが非常にわかりやすい。一方で「年収は住むところで決まる」で言及されたグローバル企業と地域(ローカル)の関係についてはあまり触れておらず、ローカルの人達はどこからお金を手に入れるのだろうという疑問はちょっと残った。

    0
    投稿日: 2014.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    日本は人類史上初の少子高齢化社会を迎えている。それにともない人手不足問題が地方経済において顕著に現れ始めている。2013年10月の推計では高齢化率は25%を超え、少子化もまったなしの状態で進行している今、生産年齢人口が増加に転じることは考えられない。この現象は一過性のものではなく、日本の人口動態に起因する構造的な問題として対処しなければならない。 現在の日本の政策の多くは、人に余裕があるという従来のパラダイムで構築されたものであり、現在迎えている社会情勢との間に大きなズレが存在している。アベノミクスにおいても再び日本経済を勃興させようという絵空事のもと効果的ではない政策であるのが現状だ。 しかし日本のGDPの7割、雇用の8割を占めるのは製造業ではなくサービス産業である。サービス産業の大半は世界で勝負するグローバル企業ではなく、国内の地域をマーケットとするローカル企業が大半だ。グローバル企業は国際経常収等には貢献するが、海外での売り上げは日本のGDPにカウントされず、また上位数パーセントの知識労働者のみを吸収するので日本に大量の雇用を生むことはない。対してローカル経済圏では、顧客との密着レベルが効率を決定する「密度の経済性」が効く労働集約型産業なので、比較的凡庸的・平均的人材が求められ、幅広い雇用吸収力をもつ。つまり日本の経済を支えているのは非製造業を中心とした公共交通・物流・飲食・小売・宿泊・医療・介護といった地域の対面サービスであるといえる。 2つの経済圏が従来のような垂直の下請け関係だった頃と異なり、グローバル化によるG企業の海外移転が進みトリクルダウンも引き起こさない。つまりGとLは大きく異なる経済圏をフィールドにしているため、双方がそれぞれの領域で別の戦略を用いて生産性を上げていく必要がある。 そのためにG経済圏においてはグローバルプレイヤーが戦える環境をいかに整えるかが大切である。厳しい競争の中を勝ち抜く企業を生むことは、L産業の創出を生んだり日本のイノベーションへの大きな貢献となり得る。 対するL経済の問題は中小企業問題とも言い換えることができる。人手、需要、供給が減少する中で大多数の人々を抱える中小がいかに変わるかが決め手である。先述したように日本の雇用の8割は地域密着のL経済なので、大半の産業は裏を返せば顧客との密度、繋がり「密度の経済性」が価値を生み競争が起こりづらい。人手不足が深刻化している中で、生産性の低い会社が生き残る事はL経済の足を引っ張る大きな要因である。L企業の新陳代謝をいかに活性化させ、退出と集約による経営改善をしていくかは賃金上昇による労働市場の活性化にも期待できるL経済圏の伸びしろといえるだろう。こういった構造的な改革に加えて、ICT導入等によるテクニカルな労働生産性の向上や、地域金融の役割、規制や退出条件の緩和、コンパクトシティ化など賢い集約をキーワードとしてL経済を考えねばならない。多様な地域において無理ない収入を確保して生きていくことができる人間をいかに地域に増やしていけるかという所がLのゴールといえる。 私たちは実際問題GとLが交錯する中で生きるわけで、2つの領域どちらかの二項対立的な話でない両領域を選択できる社会をつくりだしていくべきなのだろうと感じる。

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    投稿日: 2014.10.02
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    日本にはローカル経済とグローバル経済の全く異なる2種類がある。ローカル経済圏では、少子化&若者の都市移住&団塊の世代の退職で、5年前から人手不足になっている。グローバル経済圏は人余り、グローバル競争、グローバル人材能力などが必要だが、日本経済全体の3割しかなく、さらに製造業の海外移転で減少傾向。一方、ローカル経済圏はグローバルレベルの優秀人材は必要ではなく、それなりにまともな経営者が数多く求められており、ローカル企業(メインは運輸、小売、医療、サービスなど)の利益率を上げるために、だめな企業には退出頂き、良い企業を増やす努力がかかせない。ローカル経済圏は、女性、高齢者などの活用がマスト、外国人も入れたいが田舎では歓迎されないと悲観的。

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    投稿日: 2014.09.09
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    ローカル経済圏の中核にあるサービス産業において、労働生産性を上げるためのアプローチは、「ベストプラクティスアプローチ」が望ましい。 別の企業や事業体が行う似たようなパフォーマンスを自社に取り入れ、労働生産性を上げることを意味する。 人手不足に陥ったローカル経済圏のマーケットで穏やかな体質を促進する鍵は、労働市場にある。 具体的には、サービス産業の最低賃金を上げることだ。 労働監督、安全監督を厳しくすることも有効だ。

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    投稿日: 2014.09.09
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    グローバル経済(G)とローカル経済(L)は完全に別個の経済体系でありその発展の仕方別々であることがはっきりわかる。 この考え方は分かっているようで、分かっていなかった。盲点であった。 そういう意味でとても新鮮で分かりやすく、具体例な図表を十分に使って飽きさせない工夫に富んだ新書で一気に読んでしまった。 そして最後に読者である消費者がこの2つの経済体系をどのように選び、利用していくかは各個人にゆだねられ、選択と多様性が与えられている点で、自分ならどうすべきか、選ぶにあたって何がその基準になるのか考えるきっかけを与えてくれたいい本でした。

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    投稿日: 2014.09.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    グローバル経済(G)とローカル経済(L)を区別し、それぞれの特徴と問題点、今後の成長戦略について説明している。 著者の主張としては、経済を考える際にGとLは区別して考えるべきであり、Gを目指す様な政策などをLに強要してもその殆どがナンセンスであるというもの。 グローバル経済においては世界標準の中で常に世界一番を目指さなければならず、その中で遅れをとらないよう日々切磋琢磨しなければならない。 日本でも国際競争が出来る様な地盤を作らなければならず、法人税減税などの法律の面や、競争優位な大学や研究施設の整備をする必要がある。 一方で、ローカル経済は現在はほぼグローバル経済から切り離された者であり、作用する経済原理もまったく異なっている。 そのため、ローカルはローカルなりの観点から政策や制度設計を考える必要があるというもの。 大手外資系コンサルより独立し、国の制度設計や各企業や団体のコンサルティングを行ってきた著者であるため、有意義な提案を知る事が出来た。 読むにあたっては、基本的な経済学?や簿記?の知識などが必要なのかなと。 それらがあればかなり理解が進むような気がした。

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    投稿日: 2014.09.03
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    本書では、経済をグローバル(G)とローカル(L)に分けた上で、この二つのモードを柔軟に選択できる社会を、これからの日本は追求すべきだと結論付けている。 本書を読んで、ここ最近の、ユニクロのパート・アルバイトの正社員化や、すき家の人手不足による開店休業などのニュースが、一連のものとして理解できた。 すき家は、特にその杜撰さが目立ってしまったため、そのビジネスモデルを第三者委員会により指摘されてしまうまでになった

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    投稿日: 2014.08.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    冨山和彦さんに本を頂いた。BCG、CDI、産業再生機構COO、JALの再生といったご経歴のイメージが強いけど、今経営されているコンサルティング会社IGPIは、被災地を含む東北各県のバス会社を束ねるみちのりホールディングスの100%株主。つまり超ローカルな路線バス会社の経営もされている。そこから、グローバルに戦わざるを得ない企業の世界(G)と、ローカル密着の企業の世界(L)はまったく原理が違う、起きている構造問題も違うこと、そして、日本は両方あるし、実はほとんどの産業は「L」なんだから、それぞれが、それぞれのやり方で良くなっていくことを考えようよ、という姿勢で書かれた本。 Lが労働人口減少という史上初めての環境変化に直面していることなど、ファクトに「おー!」とびっくりするものが複数。アイディアも、Lの成功基準は「県大会上位」レベル、カギは労働生産性と穏やかに退出を促し集約化を図る「スマートレギュレーション」。外国人投資家に褒められるようなガバナンスは不要で、「非営利ホールディングカンパニー」のような形のほうがいいかも、と。東証をGとLに分けるというアイディアなんかも面白かった。気仙沼や被災地に通って仕事をしているみなさん、地方で仕事してる皆さんの肌感覚、感想をききたいと思いました。 また、ビジネスメディア、ウェブメディアで見かける言説、何か違うと感じていたのが、少しすっきり。Gの論理でLの分析をしているケースや、Gの論理の理解が表面的なケースだったのね。自分がGワールド出身で、いまの仕事はLのほうだから、よけい感じたのかも。 Lの中核はサービス業で、この本では著者のバス会社経営経験に近い、地域インフラのタイプの話が中心だった。そういう「ニーズを満たす」もののほか「ウォンツにこたえる」サービス業、例えばライブ、美容、教育など、この本をきっかけに考えてみたい。

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    投稿日: 2014.08.17
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    グローバリズムに関する論争に日頃違和感を感じていた理由が明快に整理できた。著者のこのような整理がこれから一般的になってくるように思う。

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    投稿日: 2014.08.17
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    オリンピックチャンピオン目指して頑張るGの世界、足を引っ張らずに稼いでもらう仕組みを。8割のローカル密着中小企業の世界、穏やかな退出を可能にして、集約化を進め、労働生産性を上げ、公益意識を持って運営されるようにすべし。 『里山資本主義』を読んで残った違和感をすっきりと解消してくれた感じです。これでようやく明るい未来が見えてきたような。

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    投稿日: 2014.07.18
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    感じていた違和感に答えてくれる内容で良かった。 ・グローバル経済圏で戦う企業が伸びると本当に日本は潤うのか? ・ローカル企業はなぜ根強く勝ち残れるのか? 昔から、冨山さんが語っていた規模の経済と密度の経済の考え方を昇華させて、グローバルの世界とローカルな世界という別々の競争ルールを持つ世界観を語っている 国にとっては、ローカルな世界が雇用の大半であり、GDP貢献への大半である。そこを支援する意義・手法に主眼を置いた本。グローバルが注目される中で、あえてローカルに振るあたりも、メッセージが際立って見事 密度の経済が効き、規模の経済が効かないローカルの世界では競争は不完全になり、非効率企業も生き残るし、ブラックな企業も直ぐには淘汰されない それから、良くシリコンバレーは、あの生態系のつくり方だったり、エンジェル投資家だったりが注目されるが、基をたどると、インターネットだったり、GPSの軍事技術にあり、そこに莫大な投資をした国家戦略にあるという視点。これも中々面白い。なんかアメリカって国の関与が薄いイメージがあるけれど。 少し残った疑問としては、 ・日本のローカル企業≒サービス産業の労働生産性は諸外国に比べて低い ・その理由は、本来淘汰されるべき企業が上手く淘汰されないから ・上手く整理統合し、ベストな企業に集約していくと、労働生産性は高まり、経済は上向く 理屈としては分かるが、ローカルな世界において、労働生産性(付加価値 / 従業員数)を海外と比較するところの意味はどの程度あるのか? 貨幣価値が異なる中で、極端に言うと、アフリカと日本のサービス産業の生産性を比べたら圧倒的に日本が勝つわけで。 まぁ、先進国同士の比較なので、良いような気もするが。 これが、グローバルな世界であれば、みんな基軸通貨のドルベースで戦うはずなので、比較は意味あると思うが。

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    投稿日: 2014.06.28
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    グローバルとローカルの世界に産業を区分けして、それぞれでは異なる観点・対応が必要だ、という主張。 どちらか一部しか捉えていない政策論議が多い、というくだりには非常に納得感があった。 広く産業を見る新しい視点を感じた。

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    投稿日: 2014.06.16