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地層捜査
地層捜査
佐々木譲/文藝春秋
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総合評価

52件)
3.5
2
22
19
3
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    人情派の退職刑事とドライな現役刑事の、 リアル時効警察。 解決だけが正義じゃないのかもしれない ◝(๑꒪່౪̮꒪່๑)◜

    0
    投稿日: 2025.07.27
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     時効事件を再捜査する「特命捜査対策室」シリーズ第一作。  今回の舞台は荒木町。非常に狭い地域で起きた殺人事件の再捜査。被疑者が全く浮かんでいない中の捜査ということもあり、最初から難航する。地上げ絡みか、はたまた怨恨か。いろいろな可能性が考えられる中、当時は見えていなかった人間関係も見えてくる。様変わりしたから、かえって見えてくるものもある。そうしたことに気付かされる作品。

    0
    投稿日: 2025.06.17
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    警視庁特命刑事⭐️二人2 2025.4.15 BSテレ東 警察小説の巨匠の放つ新シリーズ、開幕! 時効撤廃を受けて設立された「特命捜査対策室」。たった一人の捜査員・水戸部は退職刑事を相棒に未解決事件の深層へ切り込んでゆく。

    5
    投稿日: 2025.04.15
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    シリーズ第1作。 無能なキャリア管理官を侮辱したせいで受けた謹慎処分が解け、迷宮入り事件を担当する特命捜査対策室に異動となった警視庁水戸部刑事。 今はなき四谷三丁目付近の花街荒木町で1995年に起きた老女殺害事件の再捜査を、定年退職した老刑事とともに命じられる。 現場は南北を外苑東通りと新宿通り、東西を車力門通りと杉大門通りに囲まれ、狭い路地や坂道が入り組む小さな街区。 捜査を進めるにつれて古の生業や人間関係、家並み、賑わいなどが眼前によみがえってくる。 薄皮を一枚一枚剥ぐように進む捜査。 当初地上げ関連かと思われた事件の真相には特に意外感がないが、警察小説としてはむしろ妥当。 グーグルマップと首っ引きだが、現代(作品執筆時)と過去の荒木町を存分に疑似体験できる。

    0
    投稿日: 2025.04.07
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    佐々木譲さん、刑事ものの新シリーズ。所謂、コールドケースもの。時効がなくなった日本でかつて発生した老女殺人事件の真相を追う、というそれだけの話ながら流石に読ませる。東京の荒木町の風土や事件が起こった時の時代背景や登場人物の掘り下げ方などベテランでなければ書けないように丹念に描いていく。佐々木さんは事件と発生した土地との関連性を結びつけるのが上手いように思う。あっさりとした中にも深い余韻が感じられバーで飲んでいるような読書体験が楽しめる。

    5
    投稿日: 2025.01.18
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    コールドケース物の小説。やり手の刑事と退職した元刑事がバディを組んで過去の未解決事件を追う。かつて栄えた夜の街の描写が鮮やかで、そこに生きて来た人々の歴史を思い浮かべる。地味なのに堂場人物全てが主役の様な味わいをもつ。読んで良かった。

    10
    投稿日: 2024.11.23
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    ⚫︎サクッと読める警察小説の金字塔 ⚫︎どう読んでも文章に素人感がない。本当かは別にして、非常に現実感がある。上手い。 ⚫︎サラッと聞くとなんでもない話が、目線を変えると浮かび上がってくる面白い仕掛け。 ⚫︎癖のある町内の真相に迫っていく過程が非常に興味深い。 ⚫︎あまりにも町内の描写が細かくて驚いた。実際の街に一部フェイクでも入れているのか… ⚫︎狭いが故にみんな知り合いだし、何かを、誰かは見ている、知っているというのが鍵になる。

    1
    投稿日: 2024.07.06
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    地層捜査という題名につい惹かれて読んでみた。地層の様に時が重なり、その重なりに埋もれてしまった事件が露わになっていく‥‥昭和の混沌とした夜の街を浮かび上がらせなんともいえない。定年後の相談員の想いと現役捜査員の想いがたまらなく哀愁を感じる。

    0
    投稿日: 2024.02.25
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    久しぶりに佐々木譲氏の警察小説を読了。佐々木氏の作品らしく、淡々と流れる時間、雰囲気を感じました 時代背景も伺えて渋い内容でした!

    1
    投稿日: 2023.09.09
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    とても地味な捜査ではある。 そこをとても丁寧に調べ上げていく水戸部刑事。 相談員の加納はかなり怪しく、何かを隠しているのかと思っていたら… 派手さはないですが、とても良かったです。

    0
    投稿日: 2023.04.22
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    殺人事件の時効が撤廃されたことに関連して、法改正以前であれば既に時効が成立していた15年以上前の殺人事件についての再捜査を描いた作品。 神楽坂界隈が舞台になっているのですが、嘗ての花街の光と影を振り返るような話になっていますね。いまも神楽坂は、人気のある街ですが、いまの神楽坂と嘗ての神楽坂は全然違う感じですね。 変わらないのが、そこに住んでいる人たち。それの悲しい人間関係が、浮き彫りにされたような気がします。

    0
    投稿日: 2023.03.30
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    謹慎処分を受けていた刑事水戸部は、退職刑事の加納と組んで、15年前の未解決事件の再捜査を始める。 年月を経ての聞き込みでその当時には聞こえてこなかった事も耳に入る。 30年前の事件が絡んでいたと分かる。 犯人のめぼしも付いたのだが、最後に結果は書かれていないので想像するしかない。

    1
    投稿日: 2022.11.20
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    警視庁、時効切れ事件が法改正で再浮上。それこそ、地層の化石発掘ならぬ事件掘り起しの展開。 四ッ谷、20世紀終わりごろと言えば地上げ屋、札束で頬を殴る的な世情の中で「失踪」の語の下に消えた人もいたろうなと思わせる臭気。遡ること25年、清張が書いた黒革の手帖程の生臭さがなく、すっきり佐々木節は鮮やか。 戦後、生き残った「最後」の芸妓やおかま、旦那など世相がじっくりページに浮かび上がって来た。 水戸部と組んだ男、加納は捜査員、一歩退いた立ち位置ながら清張にも出てきたような【臭い何か】をかぎ取る人物。 「代官山コールドケース」の味わいを思い出させてくれた。 とは言うものの、持ち込んだ渡辺という男。勲章を貰えていないと言うだけの根拠で捜査って始まるかなとは思ったかったるさが残る。

    0
    投稿日: 2021.12.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『火刑都市』みたいなのを読みたいなーと思っていて。 いつだったか、これのドラマを見て意外によかったのを思い出したのがきっかけ。 読み終わってみると、これはドラマの方がよかったかもなーと。 ドラマを見たのはずいぶん前だから、うろ覚えのところもあるんだけど、原作よりも小鈴や国枝、そして鈴佳の人となりが描かれていたように思う。 また、原作には出てこない鈴佳の妹も出てきて、登場人物たちの愛憎や淡い夢、哀しさに味があった。 一方、原作は場所の匂いこそ濃厚なものの、そこにあった小鈴をめぐる事件がうまくからんでないって言ったらいいのかなー。 それが過去のことだけに、欲や愛憎のどろどろさが妙にさらっとしすぎちゃった気がする。 そのため、ただでさえ地味な話が、地味、地味、地味、地味、地味ぃ~とエピソードでつながって。 最後に、瓢箪から駒ならぬ、その地味からまたまた地味ぃ~駒が見つかって。 ま、それは登場人物たちからすると、ちょっと湧くことなんだけど、でもストーリー的には全然湧かない、みたいな(^^ゞ 最後の最後の真相(?)も、やっぱり地味ぃ~に語られて、その辺りと鈴佳の淡い夢の対比を前面に出したドラマの方がお話としては上手かったなーなんて思った。 もっとも、それを、2時間ドラマにありがちな話に落とし込んじゃっただけ、と言ってしまうならその通りなんだろうけどさw ストーリーはともかく、鈴佳が昭和29年に荒木町の花街に12歳で売られてきたという境遇にどきりとした。 主人公の刑事は、それを聞いて「戦後のことですよね」と聞き返す。 それを言ったスナックのマスター(ママか?w)は、「まさか、もう当時は人身売買なんてあるわけない、と言うんじゃないでしょうね」と言う。 それに対して主人公が「いえ」と短く答える、その展開。 それって、たぶん著者が読者に“戦後に人身売買がなかったなんて思ってないよね?」と問いかけているんだろうなって思うのだ。 いや、著者だって、たぶんこの本を読もうと思う読者なら、ちょっと前まで人身売買があったことを漠然と知っているはずだと思っているのだろう。 だから、スナックのマスター(ママ?w)の口を通して、「そんなこと、忘れちゃった?」と読者に問うているんだと思う。 貧困とか、格差とかって、今の日本ではよく聞くけど。でも、ついこの間まで日本(人)は貧乏だったということって、意外と忘れられているor知らないような気がするんだけど、どうなんだろう? あと、最後の方で、主人公に協力している元刑事の加納が言う、「殺しの理由は、男と女の間のしょうもない結末、バブルの頃の、相続遺産をめぐっての身内の殺し。 わずか8万円の借金のことで人を殺した一件もあったな。人の馬鹿さ加減とかあさましさの、最後の後始末をやっているのが自分のような気もした」というのも、思わず「うーん…」と言っちゃうというか……。 それは、例の京王線の事件が、まさに加納の言う“人の馬鹿さ加減とかあさましさ”の“しょうもない結末”だったように感じるからなんだけど。 いや、殺人事件なんて、いつの時代も“人の馬鹿さ加減とかあさましさ”だと思うのだ。 現に、“自殺は怖いから死刑になりたくて人を殺した”なんて事件、ぱっと思い浮かべてもいくつか思いつくわけだ。 ただ、それにしても、“人の馬鹿さ加減とかあさましさ”の“しょうもない結末”が、どんどんエスカレートしているような気がする。

    3
    投稿日: 2021.11.13
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    未解決事件の再捜査。過去の資料を紐解きながら現場を這う。それはまさに地層を掘り返していくかのような、執念の推理と捜査劇。 見えてきた一筋の光をこじ開けながら、少しずつ少しずつと真実に近づいていく緊迫感、臨場感は申し分ない。水戸部と加納の絶妙なコンビ。

    0
    投稿日: 2021.10.03
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    こういうタイプの警察小説は嫌いじゃないです 古い町で色んな人が絡んだ事件は面白いで、私は好きです。しかしながら このタイプは所詮コールドケースの二番煎じです。古い事件だからどうしても複雑な内容になる。前半ダラダラ 最後はさっと 難しいでしょうが そんな物語を作って欲しい。

    0
    投稿日: 2021.07.14
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    事件の真相は、半分くらい読んだとろろでもうヨメてしまった。でも、何回かしか行ったことはないけれど四谷荒木町はとても雰囲気のある印象的な町だったので、その町の歴史や住人たちの記憶・人生が絡まりあって展開するストーリーを、最後まで興味を失わずに読めた。花街があったというのはなんとなく知っていたけれど、花街があった時代を自分だけで想像することは難しいので、こんな時代があの町に…と思うと、とても面白かった。 解説者が「都市小説」という言葉を後書きで使っていて、警察小説というより、その方がしっくりくるなと思った。その町に降り積もった時間の地層を少し掘り起こして見せてもらったよう。また四谷荒木町を訪ねてみたくなった。

    1
    投稿日: 2019.12.29
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    事件の本当の姿が明るみになっていく物語は引き込まれながら読んだが、この事件を再捜査しようという動機部分はなんだか弱い感じがした。そこだけはどうしても共感できない部分。

    1
    投稿日: 2019.10.07
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    代官山コールドケースやユニットがよくて佐々木譲さんのファンになったが、これは私にはなんだか地味すぎていまいちでした。

    0
    投稿日: 2019.03.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昭和50年代の荒木町の人間模様に起因した殺人事件の話です。 当初は当時の時代背景から地上げ屋絡みの事件と絞り込まれていた。ただ、再捜査の結果、時代だけではなく、花街という特殊な地域背景が見出され、事件の解決に至る。 時代による人の感情の変化。現代人と当時の人。 なかなか、そういう観点で面白かったですね。

    1
    投稿日: 2018.08.13
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    無能なキャリアに歯向かって謹慎となった若き刑事・水戸部は迷宮入り事件を担当する「特命捜査対策室」に配属された。15年前の四谷荒木町の殺しを再捜査せよ。専従捜査員は水戸部ただ一人。退職刑事を相棒に、水戸部は町の底に埋もれた秘密と嘘に肉薄してゆく。

    1
    投稿日: 2018.06.17
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    地図に弱い私は最初冒頭の周辺地図を何度も見ながら読んでいたが、だんだんどうでもよくなり自分なりのイメージで読めた。さて、最終的にに水戸部はどういう結論を出したかなと気になるところです。第2作目も期待したい。

    1
    投稿日: 2018.06.07
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    奇しくも、過去の事件を捜査する小説が続いてしまった。 新宿荒木町で、15年前に起きた殺人事件。 この迷宮入り事件を、時効が廃止されたことにより担当することになった若き刑事。 退職刑事と相棒を組み、事件現場周辺を渉猟する。 荒木町の詳細な叙述は、まるでガイドブックのようで、思わず区分地図の該当ページを取り出し見比べながら、読み進んだ。事件そのものよりも、かつての荒木町の雰囲気が印象に残る読後。

    3
    投稿日: 2018.02.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2017.12.2 読了  昔は花街だった四谷荒木町の風俗変遷を絡めた作品。手堅いストーリー展開は健在。

    1
    投稿日: 2017.11.27
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    街の歴史、時代の空気を味わいながら楽しめる警察小説。女性は大抵水商売、ヤクザがらみ、パソコン弱い感がわかる描写が、佐々木譲氏の小説に出てくると自分はいつもながらグッとくる。

    2
    投稿日: 2017.11.26
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    謹慎中だった刑事の水戸部に、殺人事件の時効廃止に伴い15年前の事件の再捜査が振り分けられた。 相棒は当時の捜査本部にも参加していた退職刑事の加納が相談員として当てられた。 当時は花街として芸者たちもいて賑やかだったというが、その中に埋もれていた事件と秘密。 突き止めた真実は、長い年月の経過と共に意味を変えていた。 2017.11.5

    2
    投稿日: 2017.11.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    四ッ谷荒木町が舞台。何度か訪れたことがあるけれど、お屋敷町だった 程度の知識しかなかった。事件を通して語られる過去の情景がリアルで入り込めた。 事件の筋を変える水戸部の視点に無理を感じさせなかったのは、当時の情景、背景がリアルだったからだろう

    2
    投稿日: 2017.11.01
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    新宿荒木町の変遷と戦後花街の盛衰など、勉強になった(笑)。 最後、主人公の選んだ選択はどちらだったのか?シリーズものらしいので、続巻でそれとなく示してくれると嬉しいかな。 ★3つ、7ポイント半。 2017.10.01.古。 主人公の過去・・・・人間の屑のようなキャリア警官との経緯が気になるため、続巻も追うことになる予感。 道警シリーズの新刊も、早く読みたいな。

    4
    投稿日: 2017.10.02
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    法改正によって、これまでの事件に対する時効はすべてなくなった。 上司の命令により15年前の未解決事件(荒木町老女殺人事件)の再捜査をすることになった水戸部。 事件当時とは街の様相も変わり、関係者もみな一様に年を重ね、中にはすでに死亡している者もいる。 タイトルの「地層捜査」とは、地層に埋もれた遺物を発掘して歴史を探っていくように、時間の経過とともに埋もれてしまった事件を掘り起こしひとつずつ洗い直していく・・・といった意味だろう。 すでに引退し捜査協力員として再捜査に加わった加納がいい。 古き時代の刑事像そのままのスタイルで捜査していく姿と、水戸部のいまふうの捜査の違いが面白かった。 もしも本当に法改正が実施され、すべての時効がなくなったとしたら・・・。 諸手を挙げて賛成する人たちと、反対する人たちに分かれることは目に見えている。 加納が言うように、被害者側のひとつの区切りとして時効が果たしている役割はあるようにも思う。 時間とともに薄れていく記憶、風化していく事件。 変わらないのは関わった人たちの中に眠る様々な感情だけなのかもしれない。 張り巡らされた伏線がひとつになり、思いがけない真実にたどり着いく。 まったく違った視点からの捜査も、ときには必要なときもある。

    2
    投稿日: 2017.02.24
  • 実際の地名が面白い

    実際に、東京にある地理がでてくる。新宿とかそんなんじゃなく細かい通りの名前である。その辺を通ったときにここは花街だったのかと思うと感慨深い。 本の内容だが、15年前の殺人を再調査するという内容。あからさまに、よくわからない動きをする相棒の退職警官と過去ゆえに手がかりがうすい話。殺害された女性の性格とかが徐々に明かされていき、そこからの違和感からの推移は素晴らしいと思った。

    0
    投稿日: 2016.08.13
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    最初なかなかストーリーに入り込めなかった。 やっとおもしろくなってきたかなーって思ってたら、たいして盛り上がりがないまま終わってた。 佐々木サンにしてはイマイチ。 シリーズ化されてるみたいだけど、うーん。。

    1
    投稿日: 2016.07.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    文章自体はとても読みやすいが、 兎に角地形を知らないと 上手く読み進められない。 今回の舞台は東京。 大きな幹線道路とか・・ 知っているだけで 「あ~」と思えるのでは? 個人的には引退した元刑事が もう少し良い人だと良いなぁ~ 何というか、おじいちゃんの知恵袋のような。。。 人間的にトゲトゲしていて・・ 事件自体が15年前の 些細な事からやっちまった的な話なので 人間関係がホンワカしていた方が バランスが良い気がしたが・・・

    0
    投稿日: 2016.06.08
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    15年前の事件の再捜査は地道な聞き込みや昔の調書を読み直していくところから始まる。まったくドラマチックな展開もなくミステリー小説としてどうなんだろうと思うくらいで、なかなか読み進めなかった。残り4分の1になってもどうやってこの話は終わるのだろうと思っていたが、読み終わってのしみじみ感はどうなんだ。定年になった加納と若き水戸部のコンビはその後姿を思い浮かべたくなる。 しかしたぶん読み返すことはないだろう。もう一度この何も無いような道筋をたどりたいとも思えない。

    1
    投稿日: 2016.05.30
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    15年前の殺人事件の再捜査から、その原因となったさらに30年前の殺人事件に辿り着いた。 そして15年前に疑われていた理由とは異なる事件の本質が見えてきた。 四谷荒木町界隈の谷底に深く潜っていったような読後感。

    2
    投稿日: 2016.05.28
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    「代官山コールドケース」の前作。四谷荒木町そのものが主人公ともいえる作品。 無能なキャリアに歯向かって謹慎となった若き刑事・水戸部は迷宮入り事件を担当する「特命捜査対策室」に配属された。15年前の四谷荒木町の殺しを再捜査せよ。専従捜査員は水戸部ただ一人。退職刑事を相棒に、水戸部は町の底に埋もれた秘密と嘘に肉薄してゆく。静かな余韻を響かせる警察小説シリーズ第一作。 相棒の加納元刑事が魅力的。

    2
    投稿日: 2016.03.27
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    街の古いことや、事件当時の事情を知る加納と組み、水戸部は未解決案件に挑む…「事件の後の展開」が鍵なのか、「事件に至るまでの何か」が鍵なのか、様々な出来事が地層のようになっている。水戸部は順次それらを調べ上げ、事の真相に近付く… 非常に面白かった!!

    1
    投稿日: 2016.01.15
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    代官山コールドケースを先に読んで面白かったので、第1弾も読了。 場所柄なのか出てくる証言者のせいか、代官山〜のそれよりは少し地味め。 でも、代官山と同じく地道な聞き込み、その場所に足を何回も運ぶ事で見えてくるコールドケースの真相が面白かった。

    0
    投稿日: 2016.01.02
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    迷宮入りした事件を捜査する特命捜査対策室に謹慎明けで配属された刑事が15年前の事件を捜査する。まるで堂場氏の作品みたいだと思い、気になって調べてみたら本当にこんな部署があるんですね。なんでも小説から発想を得た組織だとか。 佐々木氏の警察ものというだけで安心感を感じますが、期待通りきっちり仕上がっています。

    0
    投稿日: 2015.12.21
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    私は佐々木譲さんの物語の綴り方がきっと好きなんだな。 裏表紙を見ずに、作者名だけで手に取った作品。最初の数ページを開いてみれば、そこには東京・四谷の地図が…。そいう、舞台は四谷。そして、解決すべき事件は、15年前の殺人事件。 捜査としてはとても地味。昔を知る人から話を聞く。言葉の中からつながる糸を探していく。派手さもスリルもないのに、なぜかどんどん引き込まれる。人間と、人間関係と、そしてその中にある人情と…。 新シリーズなんですね。主人公である30代の刑事・水戸部は謹慎を解かれたばかり。無能キャリアに歯向かって謹慎処分になったという秘めた熱さを持つ男。派手さはないけど実直な魅力あり。シリーズ第2弾も読みたくなった。

    0
    投稿日: 2015.04.24
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    キャリアの上司を批判してトバされた刑事と定年した元刑事の相談員が殺人事件の時効撤廃と言う法改正の下で、 15年前に四谷で起きた事件の再捜査を行うことになり、各々の正義を貫いて。

    1
    投稿日: 2015.02.12
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    面白かった。一気に読んでしまった。 ただひたすら周りの人に話を聞くだけで、ひたすら地味なんだけど、そこからの推理に引き込まれてぐいぐい読まされてしまった。

    0
    投稿日: 2014.12.30
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    未解決な事が時を経て違う視点と操作方法などで解決するという話ではあるが、いくら主人公が優秀であっても、現実には、ここまでスムーズに進むとは思えない。ただし、本作の様にリード役がいれば話は別だが、そのリード役が最初から分かっていて、その動機がわからないということではあるが、もうひとひねりあるかと思っていた内に終わってしまった。でも現実としてはそんなものだと思われる。

    0
    投稿日: 2014.12.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    佐々木譲さんの小説はハズレがありません~ ただ、場所の想像が、東京に疎くて 貧弱な想像力を一生懸命発揮して読みました このシリーズがドラマになるとしたら 水戸部は誰がやるかなぁ。 希望は、玉木宏さんとかどうだろう そんなことを考えながら読んでました

    0
    投稿日: 2014.11.16
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    友達から貰って読んだ本 多分 自分では買わないだろうって感じの装丁だし 題名なんだけど 読み始めたら 引き込まれて読み終えてしまった 友達に感謝 推理小説→人情もので締めくくる感じの物語で 犯人だれ??? って感じで黙々と読んでしまった おもしろかった

    0
    投稿日: 2014.11.02
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    時間という地層に埋れた事案を掘り起こすが如き・・・。 スピード感溢れる道警シリーズとは対照的だが引き込まれる事には違いなし(笑) 何事にも区切りは必要・・・真に正しい事とは何か? そんな事を考えさせられる結末・・・。

    0
    投稿日: 2014.10.08
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    久々の佐々木譲先生 いわくありげな新しい部署ですが ・・・うれしいことではないようです でも、時代小説にも一度闇に落ちた事件 を解決する話もありますので面白い

    0
    投稿日: 2014.09.28
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    15年前の老女殺人事件を、洗い直す刑事の謹慎明け刑事水戸部と、元刑事の加納が、コンビで、糾明して行く。 BSテレビのコールド・ケースのごときか?と読み進むが、昔の四ツ谷に、焦点が行き、なかなか真相に、進まない。 最後の、胃ガンで、ホスピスに入った男を逮捕を逮捕するか?法に従うか? 水戸部の選択はどうなるのか? 最後まで、書かないところがいい。

    0
    投稿日: 2014.09.20
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    【警察小説の巨匠の放つ新シリーズ、開幕!】時効撤廃を受けて設立された「特命捜査対策室」。たった一人の捜査員・水戸部は退職刑事を相棒に未解決事件の深層へ切り込んでゆく。

    0
    投稿日: 2014.09.09
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    若手刑事と定年退職した相談員(一般の会社でいう顧問)が主人公の推理小説。よく飲んだくれている四谷荒木町が舞台であり、引き込まれてワクワクしながら一気に読んだ。それにしても30代の刑事が河田町にフジテレビがあったことを知らなかったのに軽い驚き、昭和は遠くなりにけり。

    0
    投稿日: 2014.09.07
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    無能なキャリアに歯向かって謹慎となった若き刑事・水戸部は迷宮入り事件を担当する「特命捜査対策室」に配属された。15年前の四谷荒木町の殺しを再捜査せよ。専従捜査員は水戸部ただ一人。退職刑事を相棒に、水戸部は町の底に埋もれた秘密と嘘に肉薄してゆく。静かな余韻を響かせる警察小説シリーズ第一作。

    0
    投稿日: 2014.09.05
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    いまちょっと流行ってるのかな、コールドケース。なかなか真摯に対応する主人公に好感。キャリアの上司に嫌味?を言い放つようには見えなかったけど、、

    0
    投稿日: 2014.08.25
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    特命捜査対策室シリーズの第一弾。謹慎明けの水戸部が配属されたのは、特命捜査対策室。水戸部は、相棒の退職刑事・加納とともに15年前の殺人事件を再捜査する。 どこかノスタルジーを感じるような警察小説。道警シリーズと比べるとまどろっこしい感じもしたが、流石、佐々木譲といった作品だった。

    0
    投稿日: 2014.07.14