
総合評価
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powered by ブクログ内気なお嬢様と貧乏少年が新聞配達の時間を通じて、少しずつ心を通わせていく話。お互いが相手の幸せを思う様は健気で切ない。「初恋」の絵、素敵だった。ひと夏という短い期間のふれあいだったけど、また二人が会えるといいなあと思う。
0投稿日: 2022.01.07
powered by ブクログ1巻読み切り。 純愛ライトノベルの名品。 二人の世界がとても辛くて、でも、互いに相手の幸せを祈っている描写が好きです。お薦めライトノベル。
0投稿日: 2018.01.29
powered by ブクログ【あらすじ】 両親の離婚話に立ちすくむ千星。明るく笑ってみせることで、壊れそうな家の空気を辛うじて保ってきた。けれど本当は、三人で一緒にいたいと、素直に泣ければよかったのだろうか…。新聞配達のアルバイトを続ける陸。母は家を空けたまま帰らず、生活のために必要だった。ただ絵を描いていたい、そんな願いも叶わない。それを恨んでも憎んでもいないけれど、今まで自分は笑ったことなどあったのだろうか―。そんな二人が、出会う。切なく繊細な一夏の物語。 【感想】
0投稿日: 2018.01.09恋と呼ぶには儚い、一夏の思い出を描いた良作です。
恋と呼ぶには儚い、一夏の思い出を描いたのが本作です。家庭的な温もりに恵まれない二人が出会い、しかしはっきりと言葉を交わすでもなく、お互いのことが気になって入るけれど一歩踏み出すことができない。いや、それでもかまわないとあきらめていた部分もあったが、いよいよ別れが現実のものとなった時…? お互いの気遣いや想像がほんのりと暖かく、切ない余韻を味わうことができました。ただ、あとがきでも触れられているのですが、内容はかなり地味です(笑)。僕も、野村さんの「文学少女」シリーズを読んでいなかったら手に取らなかったでしょう。それだけに、ヒットを飛ばした後の作家さんの 持つ経験やゆとりといったものがプラスされているように感じます。 読んでよかったなと思える良作ではありますが、ライトノベルって感じではないです。あえて言うなら、野村さんのファン向け短編というのが一番近いかもしれません。
2投稿日: 2016.12.25
powered by ブクログ平凡な話である。地味な話、と言い換えてもよい。 だが、私は、この物語を心底愛している。 この話は、砂浜を歩きながら、可愛らしい貝がらや、水にぬれてきらきら光る海ガラスを拾い集めているような話だと思う。もしくは、春の田舎道を歩きながら、そこここに割く小花を詰んでいくような話だ。 ささいな、小さな、気づこうとしなければ見逃してしまうような美しいものを、ひとつずつ見つけていくような、そんな話だ。 壮大な物語ではないけれど、優しい気持ちになれる。そういう物語である。
0投稿日: 2016.04.11
powered by ブクログ文学少女シリーズをきっかけに野村さんを知りました。 野村さんの描く世界や言葉はいつも優しくて淡くて、竹岡美穂さんの絵と融合して穏やかな気持ちになります。 避暑地の別荘にいるお金持ちのお嬢様と、貧乏な新聞配達の少年が出会うというシンプルなストーリーの中に2人の家族関係や美しい自然描写などが丁寧に描かれていてあっという間に読めました。 もう少し先まで続きがよみたかったというのが正直な感想ですが(笑)
0投稿日: 2015.11.28
powered by ブクログ別荘のお嬢様と新聞配達の少年のひと夏の淡い恋。お互いに想いあっているのにね…もどかしい。確かに少女漫画っぽい感じ。「一番素敵なメモリー」で、作品のタイトル…区切りをつけてしまってるのかな。
0投稿日: 2015.03.22
powered by ブクログ大きなことが起きるお話ではありません。 一夏、ただ毎朝出逢うだけの少女と少年の、淡い恋のお話。 読んでいて悲しくて、胸が痛くて。何度も本を置きました。 終りが来ると分かっていて、 どうしてそれでも惹かれていくのでしょう。 絵を描くことで自分を支えている少年、陸。 彼は最後に、初恋の少女を画布に写し、賞を取ります。 彼はきっと孤独の中で自立して、名のある画家になるかも しれません。 その受賞と、彼の想いを受け取る千星も、今のまま ひとりで日常を丁寧に生きて、多分進学し、いずれ 静かな家庭を持つでしょう。 いつか届けば。 そう願いながら、きっと彼女たちは 名実ともに大人になっても、思い出の夏にしかなりえない。 けれど…。 なんてきれいな夏。 清冽で、淡くて。おとぎばなしはいつもかなしいと 決まっているなら、これもまた。 荒れた言葉は出てこずに、食事や小物や、風景や 全てが綺麗です。 ただ、世界を握りつぶす大人たちの存在だけが どうにもならない闇の色を しています。 文学少女やヒカルより、こちらのお話が野村さんの本質 だと思います。どうかお手にとってみてください。 せつなく。悲しいお話ですが。 ラムネの瓶を陽に透かすような、薄青のおはなしです。 私はどうして あなたに出会ったのかしら。 いつかお別れの時が来るなら 何も知らずにいたら良かったかしら。 だけれど、あなたと見たあの空は ひかりは。 いまも目を閉じれば。 揺れる白いスカートの裾 空に舞った麦わら帽子 あなたのそばには どんなひとがいるのかしら。 あなたの手はもう触れないのに 私は あなたをいまも。
3投稿日: 2015.03.08
powered by ブクログ爽やかな恋愛小説かと思って読み始めたら ちょっと違った。 陸と、千星、それぞれの抱えるものが お互い見えないながらも相手が幸せであるといいと想いをはせ、 それぞれが居てくれることが心の支えになっている。 いつ壊れてもおかしくないような関係だけど 綺麗なものに感じられました。 千星の泣けない、笑わなきゃ、弱みを見せても 嫌われるだけだ、って思いは自分も感じることがあるので 胸が苦しくなる思いでした。 この話のあとの展開が二人にとって幸せなものであるといいなぁと思いました。
0投稿日: 2014.12.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
夏休み、別荘へやってきた女の子とその近くの村で新聞配達をする男の子の話。 互いが互いの身を思う姿に心を打たれた。 展開的にくっつくのかな?と思ってたらそのまま二人は離れるのだけど、最終章で見せた男の子の行動とその結果を読んで、ああこの作品はこういう終え方のほうがいいんだなっていうのを深く実感した。 くっつききらない、ということもありなんだなとひしひし。
0投稿日: 2014.10.31
powered by ブクログ野村先生の久々の読み切り作品。 ずっと温めておられた、というかなかなか日の目を 浴びさせてあげられなかった作品だそうですが、 良い意味で納得しました。 これは良い意味でラノベでなくていいというか ジュブナイルです。狙った要素やあざとさも何もなく (強いて言えば昔の少女漫画の読み切り風) ファミ通文庫より「青い鳥文庫」などが似合いそうな 作風です。 安易に甘口にせず、余韻を残す終わり方もとても素敵です。 一見時代錯誤にも見えるアナログなお話ですが、 今の時代だからこそ、 「相手を知ろうとしないと勿体ない」と思わせてくれました。 意外とこれはデジタル化した今の時代のほうが 少なくなっている気がしますから。 あと「自分の尺度だけで計っていていてはいけない」 かな。 ヒロイン・千星ちゃんのあの姿はこっちのほうがいいと 思った方が多いかと。 意外と自分の目と他人の目にはそれくらいの違いがあるかも。
0投稿日: 2014.07.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2014 7/2読了。Amazonで購入。 野村美月が昔から構想は持っていたという、一巻完結の青春もの。 別荘を訪れている、両親が離婚調停中の少女と、男を作っては家を長期間留守にする母を持つ母子家庭の苦学生(絵を描くことが好き)のお話。 ほとんど直接的なコミュニケーションはせず、お互いにお互いをきっと幸せなんだろうと勝手に空想しながらなんとなく心を通わせていく話。
0投稿日: 2014.07.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
girl meets boy. 一目惚れして遠くから少年を見つめる、引っ込み思案な女の子。少年もシャイで、バリバリ好意をもってるのに、少女にはぶっきらぼうな対応。でも、お互いの行動の一つ一つに思いをめぐらし、妄想する。うん、初恋ですね。 昭和の頃の少女マンガを読んでるような、懐かしさ、甘酸っぱさ感じる、懐かしい小説でした。読後感も爽やか。 売れっ子作家の自己満足な小説でしたが、私のようなファンにはたまらない一冊となりました。
0投稿日: 2014.07.05
