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ここは退屈迎えに来て
ここは退屈迎えに来て
山内マリコ/幻冬舎
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総合評価

177件)
3.8
30
74
39
9
1
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    このレビューはネタバレを含みます。

    リア充は地方でも退屈しない 地方にいて日常に退屈を求める女の子たちの話 都会にいて仕事していたら 日本じゃないどこかの国にいきたくなったりするのと同じなのかなあ

    0
    投稿日: 2025.10.09
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    8話の短編で各話主人公は違うが、同じ世界で登場人物達が繋がっている。1話進むごとに少しずつ過去に戻る構成が面白い。 地方で育ち、都会に憧れて出ていった私には他人事と思えない話が多かった。 「田舎が嫌いだけど、都会にも馴染めなかった」 この人たちの居場所ってどこなんだろう。自分もどこかで諦めて地元に戻っていたらこうなっていたのかな?と考えさせられた。 だけど、Uターンすることなく都会で暮らし続ける私からすれば「迎えに来て」と受け身な考えをする人は絶対都会には合わない。そんなモヤモヤがこの作品の面白さだったのかもしれない。 地方都市で暮らす人達の心情がすごくリアルで刺さった。山内マリコさんの他の作品も読んでみたい。

    17
    投稿日: 2025.09.23
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    山内さん、あなたは何人分の人生を生きているの… 細かい設定が本当にその人生を生きてきた証みたいだ。 女の子ってやっぱり心のどこかで王子様を待っているのかな。自分を迎えにきてくれるだけでなく、面白い場所に連れて行ってくれる王子様。 女の子達の渇望感は都会に住む私にとって感じたことのない思いだった。

    1
    投稿日: 2025.09.01
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    読みながら、なんでこの本に惹かれているのかなあって思った。好きなタイプのものでもないけど、読み進める手は止まらない。解説を読んで納得した。『居場所や役割を実感しきれずに「ここではないどこか」を夢見たくなる人』あぁ、わたしだなあ。って。夢から覚めた気分だった。

    1
    投稿日: 2025.06.22
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    27歳になり、田舎、地方都市に住んだからこそ、各話の主人公達の気持ちがわかる気がする。  どの話にも出てくる椎名君は、話を追うごとに若返っていくが変わらない。しかし、その年代ごとの女性達の視点は結婚、恋愛、自立、セックスなど変わっているから椎名君と比べる事ができ面白い。  学生時代は自分と友達で忙しかった。同じ時女性が考えていた事を少し垣間見て、改めて男は子供だったんだと感じて面白かった。  解説でも書いてあったが、地方出身で地元を出た人、逆に東京大阪で、田舎に行ったことがある人は読むと面白い本だと思った。

    10
    投稿日: 2025.05.06
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    登場人物たちほどの田舎に住んでいる訳では無いけれど、神奈川の、閉塞感のある街でわたしは十九年間生きている。かつて浴びせられた暴言と行動を無かったことにできるほど強くはなれなくって、愛憎混じる感情を地元に向けて抱えている。そんなわたしに気付きもしない小・中学校の同級生たちは今日も楽しく地元の人間と遊んでいる。当たり前に、限界を知って、その絶望から来る地獄に落ちなければ、自分の住む町への憎悪というものは生まれない。きっとわたしにも悪いところはあった、でも、どうしてこんなにもつらい思いをしなきゃあいけないの?時折、本当の自分を許容してくれる世界に飛び込まないと、頭がどうにかなりそうなのは今も変わらない。登場人物たちと同じように、外に、東京に、夢を見ている、環境を変えるだけですべてが変わるなんて、そんなことあるわけないのに。今日も、そしてこの先数年間、わたしは地元を嫌だ嫌だと言いつつそこから逃げ出すことは無いだろう。完全に新しい場所に身を置く体力も精神力もわたしは持ち合わせていない。いいないいなの繰り返し。でもそれでいいのかとも思う。完全に自分の存在を肯定してくれる場所なんて夢の中だけの話で、本当には存在しない。ちょっとした東京への憧れを持っている現状こそ一番に幸せな状態なのだと、わたしはこの十九年間で何となく知った。こうしてひとつずつ諦めていって、わたしたちは大人になるのだ。憧れに諦めをつけて、映画を観たり本を読んだりして、わたしは自分の中だけの桃源郷を作る。「ここは退屈迎えに来て」と、声にならない声で叫び続けながら。

    1
    投稿日: 2025.03.30
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    うーん、途中読むのがしんどくなってきた。女性群の退屈さが伝わってくるが、なんだかなという感じの話があった。作中に出てくるかっこいい椎名が都会に行ってしまい、売れ残った男子と断るのが面倒だから性行為するとか、もう少しいい過ごし方ないのかと思ってしまった。

    2
    投稿日: 2025.03.15
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    山内マリコの短編はひととおり読んだが、どれもとりたてて私の心には残らなかった。しかし、彼女の観察眼とリアルな人物描写、日常の小さな痛みを拾い上げる力はすごい。

    1
    投稿日: 2025.02.02
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    地方出身というテーマが通底する短編集。 年代と地方出身なのが自分も一緒で、わかるわかるというとこが多かった。 一方自分は地方から出たままの身なので、地元に戻ったらこんな感じだよなというのも想像でだけどよくわかり。 自分にとって目新しいテーマで面白かった。「地方都市のタラ・リピンスキー」が好きだった。

    1
    投稿日: 2025.01.19
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    なんと素晴らしいタイトル! これだけで勝ち、だが、中身もなかなか面白かった。 「ファスト風土を生きる若者たちの……」とかまとめちゃうと魅力が伝わらないような気がする。どこに生きていても、だれと生きていても、青春時代は渇望しているし、疎外感を感じてる。それを生々しく思い出した。だんだんトガっていく著者のスタート地点かな。

    2
    投稿日: 2024.12.08
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    ドキュメンタリーぽさもあり良かった 今はベッドタウンや地方も魅力的だと思うけど、若者から見たら一定数このように東京に憧れる人たちもいるんだろうなぁと思った。実際にありそうな人間関係や心情が描かれていてよかった。

    1
    投稿日: 2024.12.06
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    '24年10月12日、読了。山内マリコさんの作品、初体験でした。 うーんと…とても、魅力的な短編集でした。 なんだか、わかったような、わからなかったような…でも、僕にとって、トータルでは、魅力的な本、でした。 まるで、ちょっと曇ったダイヤモンドを集めたような…そんな本。 愛おしくもあり、切なくもあり…鬱陶しい感じもあり、の、女の子達の物語…。 題名が、本書の内容を良く表しているなぁ、と、感じました。バルト「彼自身によるロラン・バルト」の中の、「倦怠は、私のヒステリーなのかもしれない」という一文を、思い出しました。ホント、そういう8編の物語です。

    8
    投稿日: 2024.10.12
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    皆理想と現実のギャップに苦しみながらもなんとか 自分なりに折り合いをつけて生きているのかもしれない。

    0
    投稿日: 2024.09.30
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    都会に住む田舎出身者、都会に憧れる田舎者の感情がリアルに描かれていて、個人的に共感出来るポイントがかなりありました。特に、「都会の喧騒にごたまぜになれば、それなりに格好がついて見えた。」という一文には、自分と重なる部分がありました。パッとしない“自分”という存在を認めつつも、素直に認めきれない自分が確かにいて、そういうの全てひっくるめて、日々の満員電車や早歩きで行交う人々の中で、自分のちっぽけさ、惨めさが掻き消されていく感覚、それを思い出しました。

    1
    投稿日: 2024.09.16
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    椎名が象徴的。 圧倒的ロードサイド育ちにはかなり良かった。地元の友達にも読んで欲しいって思ったけど地元に友達いませんでしたわ^_^

    0
    投稿日: 2024.07.17
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    地方出身のワタシ 椎名君みたいな子いるよなあというのが1番の感想。そして、学生時代には当然椎名君的男子とは興味はあるくせに距離をとってたなあと苦笑いして読み終えた

    1
    投稿日: 2024.07.13
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    地方のロードサイドから「ここではないどこか」を夢見る女の子たちの物語。 東京で生まれ育ったわたしには想像でしかないけれど、会おうとしないと会えない学友なんてなかなか少なくて、みんなの近況はうっすら耳に入る距離感で。でもすれ違った時に○○じゃん!って気付いてもらえるほどの存在感を放って生き続けるのってきっとなかなか難しくて。みんな椎名になりたいけど、そんな椎名だって特筆した何かになれるわけでもなく、街を形成する一部に溶け込んでいく。ここではないどこかなんて、ほんとはどこにもないのね。思春期的な夢想と感じるかもしれないけれど、わたしはいまでも退屈なここから連れ出してくれる誰かを待ち望んでる。

    3
    投稿日: 2024.07.09
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    地方の閉塞感とエモさの加減が絶妙だ。 どの話にも登場する椎名くん、皆から人気ある陽キャなのに椎名くんの感情が全く伝わってこないのが面白かった。 結局椎名くんがどんな奴なのかよく分からない。

    0
    投稿日: 2024.06.10
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    山内マリコさんらしい本だなと感じた。 モラトリアムな時期にある?(と思われる)様々な女性の繊細な心の揺れ動きの描写が絶妙。皆多かれ少なかれ共感出来るところはあるのではないかな?

    5
    投稿日: 2024.04.08
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    車、椎名くん、東京…どれも記憶にあるようなないような、ないような。という話ばかりで私にとってはすごく興味深い。 私自身がずっと神奈川で生まれ育ち(とはいってもちょっと行けば畑や田んぼがあるような微妙なところだけど)で小さい時から仕事で東京にずっと通ってたから、"都会に出てくる"ってことのイメージはぼんやりとしかないからかもしれない。 ちょうど今同時進行で読んでいる「羊飼いの暮らし」という本も、その土地で暮らし続ける人々の話だから、この本の内容とちょっとリンクしているように感じたり。

    1
    投稿日: 2024.04.07
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    地方都市に住む、「ここではないどこか」を夢見る少女たちの短編集。 スクールカースト的に恐らく中か中の下くらいの子たちが出てきて、若さゆえの痛々しさとかが共感性羞恥心働いて辛い笑 そして、本編全部に登場する、スクールカースト上位に君臨するイケてる男、椎名一樹。椎名という名字がもうオシャレ感でてる。

    1
    投稿日: 2024.01.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「ここで楽しくやってたら最初からどこにも行ってねーよバーカ だから俺にラーメン食わせろ!今すぐ俺にラーメン食わせろ!」 リア充はサブカルチャーを必要としないって、極端だけど一理ある。常に今いる場所と環境で居場所を見つけられる椎名のような人には必要のない世界な気がする。自分も地方出身だったら退屈から抜け出させてくれるアイデンティティを求めて東京に行っただろうな

    1
    投稿日: 2024.01.07
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    映画の予告編で知った原作。地方生活者データのレポートでも紹介されていて、気になって原作を購入。買ってから半年が経ち、ようやく読めた。 手元についてから読まなかったのは、自分も「この作品を読むのが怖かった」(解説より)から。自分は東京から電車で1時間くらいのニュータウンで生まれ育ち、東京で働いていたが、疲れて地方に引っ込んだ身分。それでもやっぱり東京の文化的環境の豊かさには今でも感謝をしていて、たまに東京に帰るたびにその凄さを再確認し、そしてあくまで東京をホームタウンだと思うようにしている。そして、「地方のダレた空気や、ヤンキーとファンシーが幅を利かす郊外文化を忌み嫌って」いる点では、カメラマンの須賀さんと近いのか。 直視したくない自分の感情を見せつけられる感覚はやはり思った通りで、あまり気分の良いものではないなと感じたり、あきらめの中で落ち着くべきところに落ち着いていく出演者たちに哀れみのような気持ちを持ったり、なんとも鬱屈した感覚で読み進んだ。それでも最後まで読み進められたのは、端々に描写される、平成前期のティーンエイジャーたちのファッションやテレビの話題が、まさに自分が通ってきたものだから。自分の思い出のイメージを投影し、まさに映画のように読むことができ、当時の確かに楽しかった思い出も同時に蘇えらせられたことで、不思議と嫌な感覚ではなかった。青春時代の思い出は、布団の中で叫びたくなるような恥ずかしいものも多い。その過去を呼び戻させられるのも、読む前は怖かったんだと思う。 そう言った恥ずかしいもの、思い出したくないことを含めて、今の自分だと思えば、やっぱり退屈なのは田舎だからではなくて、これまでの自分が退屈なだけだ、ということなのかも。

    1
    投稿日: 2024.01.01
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     読み始める前、軽く書評を読み、失礼ながら、あまり期待をせずに読みましたが、想像以上に面白く、スルスル読めました。  田舎育ち若者特有のコンプレックス、話題、不便さ… あぁ、分かる分かる!と懐かしさを感じました。  男性や都会育ちの方には共感は得られにくいかな。  短編集で各話なんとも言えない終わり方をする。それもまた良かったです。  期待値を上げたり下げたりすると、読んだ時の印象は変わりますが、何も情報を入れず、本を購入する事も勇気がいるので、どうしたものかなぁ…。

    11
    投稿日: 2023.12.20
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    自分が好きそうだな〜って結構前から気になってた本!やっと読めたけど微妙だった、、 あまり共感できる部分がなかったしわかりやすく今風な感じの言い回しを使ってる感が鼻についた 8個の短編集 で全てに色んな形で田舎で人気者の椎名がでてくる 田舎で自分の立場になんとなく満足してない主人公たちと人気者の椎名 題材は面白そうなのにどれも面白くなかったな 特に最後の16歳で初体験をしようって決める女の子2人の話とか全く共感する部分なくて男が考える幻想の中のJKの会話みたいだなと思いながら読んだ

    0
    投稿日: 2023.12.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    途中で、 あれ、これってもしかしてとんでもないクズ男の話? と思ったり、 山下南っていったい全体どんなステキな女性なんだ? と思ったり、 最終的には、 中学高校時代、どんなに憧れていた人も 年を取れば普通のおじさんになっちゃうってことだな〜と 女の子の夢は夢でしかないんだなぁなんて思ったり、、 おもしろい 連作小説ってこーいうこと?! 2節目から止まらなくなって、どんどんシーナに興味が湧いて 読み進めました ひとりの人を、別々の時期に別々の視点から切り取ったお話 いろんな女の子に読んでもらって、感想を言い合いたい! 大人になって家族もできたシーナの、目を逸らさなきゃいけないほど胸を締め付けられるような切ない姿ってなんだったんだろう

    1
    投稿日: 2023.10.21
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    タイトルと表紙買い。 地方出身の女の子たちの話で、あまり人には知られたくない後ろめたい共感性がある。タイトルのセンスが良い。

    2
    投稿日: 2023.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ◾️record memo 女の子同士の友情は、スパークするようにひとときの蜜月を迎え、静かにフェードアウトしていく。 誰にも頼らないで生きていこう。誰にもっていうか、男に。行きたいところに自力で行って、したいことをする。誰にも貸し借りはなしで、後腐れもなく。 別の時代、別の場所、別の人生に、わたしは果てしなく憧れる。 ここぞというときにはシャネルを選ぶ、そういう女になっている。 クラスに休み時間を一緒に過ごす友だちはいても、映画や音楽を共有できる相手はいなかった。

    1
    投稿日: 2023.10.05
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    山内マリコさんの小説は『あのこは貴族』で初めて読んだ。山内さんは主人公の心理描写が上手い。主人公と私では境遇がまったく違うのに、私自身も同じ経験をしたことがあるかのような錯覚に陥る。1話では上京し田舎に出戻りした女の子の話で、私にそんな経験はないが、なんとも言えない「わかる」感覚がある。どの話にも登場する「椎名」、私の過去にもそんな人がいた。 そして、ここまで書いたところで解説を読み、ハッとする。ロードサイドの「リア充」と「退屈」、私がこの短編の主人公たちにどこか共感してしまうのは、私自身が後者にカテゴライズされる学生だったからだ。

    3
    投稿日: 2023.09.03
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    女って自己中 女が嫌い でも女が好き 汚いけど綺麗 薄っぺらいけど深い 単純に見えて複雑と思いきや単純

    6
    投稿日: 2023.08.10
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    田舎特有の閉鎖感がものすごくリアルに書かれてて自分が昔田舎に住んでた頃を思い出し、重ねながら読み進めていました。田舎は比べるものが少ないから他の人と比べて嫉妬したり安心するけど東京は比べるものがありすぎて自分という存在が埋もれて何もなし得ない自己嫌悪に陥ってしまうんだよな〜とか。ついつい自分の生活と比較してしまうような一冊でした。 椎名くんが憎めない人していて個人的に好きでした。

    2
    投稿日: 2023.06.28
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    都会、外国、片思い、、、今ここにない理想に憧れを抱く若者が、それぞれの理想と現実のギャップに折り合いをつけていく群像劇。 登場人物の心情が丁寧に描かれていて、細かいところまで共感して、世界に入り込むことができた。入り込むことができる分、都会で現実を思い知るような話も多いので、田舎から都会に出てきた身としては気分が引っ張られてしまう。「がんばるぞ!」という気分よりも、少し都会での生活に疲れているときに読む方が心に染みます。

    0
    投稿日: 2023.06.17
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    読書でしか味わえない体験を得られる3章が特に素晴らしい。映画化されているが、3章はどうやって映像化したのか気になる。 地方在住の自分が特別だと思いがちな女の子、何か痛いけど共感できてもぞがゆいきもちになった。

    1
    投稿日: 2023.06.16
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    田舎に住んでくすぶっている感じがリアルだった。 世代的に近いところがあってより身近だったからおもしろかったかな。 ときたまキュンとするところがあって甘酸っぱい気持ちになった。

    0
    投稿日: 2023.06.13
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    自分が育って住んでいる所はこの物語よりももっと田舎だけど、国道沿いの景色も、この街から中々抜け出せないことから強まる都会への憧れも、30歳間近の仕事や結婚に対する焦りも、処女を捨てたかった学生時代も、手に取るように共感できた。未だに自分の中にも「ここではないどこか」へ行きたい気持ちがまだ捨てきれていなかったんだと気付かされた。 そしてやっぱり何処にも「椎名くん」みたいなポジションの人っているんだなぁと思った。

    2
    投稿日: 2023.06.09
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    地方ガール小説。刺さる。刺さる人にめっちゃ刺さる。読むみんな心の中に、それぞれの「椎名」がいるはず。 映画版を昔みてすごく刺さったんだけど、原作は映画と設定やエピソードがちょっとずつ違ってて、これはこれでとても良かった。山内マリコは固有名詞がたくさん出てきて楽しい。その作品を楽しんでるその人の性格が何となく伝わってくる。 そしてすべての短編のタイトル良すぎて死ぬ。本題の「ここは退屈迎えに来て」も良すぎる。地方都市は本当に退屈なのか、東京は退屈じゃないのか?よくある、結局それぞれの生き方考え方だよなってメッセージとかじゃない。退屈だけどそのまま何となくくすぶってたり、退屈じゃないはずなのに退屈だって頑なに感じてたり、退屈だって認めたくない人だったり。「退屈」にもいろいろあるんだな。テーマパークのように見えた「東京」で今生活してる私にとっての「退屈」は何だろう。 中・高生の時の恋愛ってなぜこんなにも神格化されるんだろう。その人もただの人間で、たまにダサくてたまに失敗もしてその人なりにみじめな経験だってしてるだろうに、大人になっても思い出される記憶はキラキラしてた時のやつなんだよな。その誰にでもある何となくの体験を、ここまで文章化できてストーリーに組み込めることにとても感動した。 「そうそう、そうなのだ。中学のときに好きだった男子って、ちょっと特別なのだ。彼らはあたしたちが潔白だったころの象徴、目が合っただけでもときめきで死んでしまいそうな、眩しすぎる青春スター。彼らは手の届かない情景の結晶体として、心の神棚に祀ってあった。」そうなのだ。 東京、二十歳。がとても良かった。椎名の妹の朝子の上京物語。彼女の人生は始まったばかり。田舎になんか、帰らない。 若さ溢れる。それでもこの先また田舎に帰るかもしれないけど。この若さが沁みる。 君がどこにも行けないのは車持ってないから、は映画版でもあったエピソード。椎名にとっての私は、私にとっての遠藤なのかな?この言葉の心理に打ちのめされる。そしてそんな椎名は、知らないとこで知らない人とヒョッと結婚したりして。人生そんなもんだなって。

    3
    投稿日: 2023.04.13
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    アズミ・ハルコは行方不明に次いで2冊目の山内マリコ作品。ある郊外の街、というかその街で生まれ育った「憧れの椎名君」の周りの人物が主人公の話。「あーあ、なんでこんなことになっちゃったんだろうな」っていう登場人物たちが現状を肯定できるようになるまでの話が多い。椎名は『桐島、部活やめるってよ』の桐島のような周りに影響を与えてキラキラさせてくれる存在なんだけど、桐島が神様のような概念に近い存在なのに対して、普通に歳とって郊外の街に順応してる。でも登場人物たちは椎名の神様だった部分に縋って生きてるから、それを認めると自分がつまらない存在と認めてしまうようでつらい葛藤がある。それでも背中を押す何かを自分で見つけて一歩踏み出す。後半の話になるにつれてとっつきづらくなるけど、どんどん面白くなる。最後の2篇がとてもよい。知る由もなかった世界を見せてくれる。

    1
    投稿日: 2023.03.21
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    これ、読む人によってきっと思い浮かべる"椎名"がいるよなあ。特別優しいとかじゃなく、同性から告白された日には俺ホモじゃないからなんて言っちゃう彼だけど、そんな素直さが仕方ないなあって愛されちゃう、憎めないキャラクター。その椎名を当時ちょっと離れてみていた側の視点で話が展開されてくのが面白かった。というか椎名と特別仲が良かったわけじゃないからこそ、生々しいエピソードがなしに、理想化された青春時代の象徴みたいな椎名が出来上がるんだよね。多分、迎えにきて欲しいのは今の椎名じゃなく、当時の椎名だ。そしてそれは無理なことももちろんわかっているわけで。当時思い描いていた未来とは程遠い今に、なんとなくここではないどこかへ行きたいと願う彼女等だけど、多分本当に彼が迎えにきてくれたとしても、彼女等は結局その手を取らないんじゃないかと思った。

    3
    投稿日: 2023.02.21
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    ファスト風土化した地方で退屈をもてあます女たちのありふれた日常が描かれている。全8編。 派手な事件も悲劇も起こらないけれど、それが地方の退屈さをよりリアルにしている。 どの話にも椎名という1人の男子がちょこちょこ絡んでくるのだけど、これは田舎特有の世界の狭さを象徴しているのかもしれない。 ✏若い女だけが持つ、恋愛に向けるべき豊富なエネルギーが空焚きされ、時間だけが無為に過ぎていく。

    2
    投稿日: 2023.02.21
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     YouTubeチャンネル「ほんタメ」で(ヨビノリ)たくみ&あかりん絶賛の紹介作品として読了。  ファスト風土化した地方都市を舞台に、何でもあるけど何にもない土地から、本当に何でもある都会に憧れ、流行に憧れ、情報に憧れる。  そんな話が、薄めのページ数の中に8編収録されている。  共通する人物は登場するが、まったく独立した別々の物語で、どれもテーマはそんな感じ…。  地方都市の、日常を切り取り、特別小説にするような事件も起こらなければ、当然解決もしない…そんな何もない描写が迎えを待つ退屈を表しているのか。

    0
    投稿日: 2023.02.17
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    何回も読んでる。 はじめて読んだとき、わたしも「最悪の田舎」から出てきた人間で、椎名くんは当時の好きだった人によく似ていたから、誰よりわかり合える分身に出会えた気がして救われた本。 自分の考えているモヤモヤが言語化されるというのは、絡まっていた糸が解けるようだと思う。その瞬間を待ちわびて、いつも本を読んでいる。気がする。

    1
    投稿日: 2023.01.21
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    山内マリコさん2冊目。 ここに出てくる女の子達と、環境は違うんだけど懐かしい様な、妙に共感出来ちゃう様な、短編集。 椎名くんがあっちにもこっちにも出てくるから、うちの学校で言ったらあの人な感じだなとか思いながら楽しめた。 結局どこに住んでてもみんな同じ様な悩みを抱えてるんじゃないかな。

    7
    投稿日: 2023.01.10
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    これほど共感した本は未だかつてない。 東京に憧れる地方出身(結婚適齢期)の私の思いを、そのまま代弁してくれている本。

    1
    投稿日: 2023.01.05
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    生まれながら田舎に住んでいて、狭い世界で窮屈で退屈な人生を送っている女性の短編集。自分はどちらかというと都会に住んでいるので、田舎の車事情や就職するタイミングでの上京等を、全く経験してこなかった。読む中で自分と全く異なる人生を体験している感覚があっておもしろかった。

    3
    投稿日: 2022.12.23
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    やがて哀しい女の子が1番好きだった。少女から大人になるまでの2人の女性の心の機微が表現されていて、少し切ないけどそれが自然な形なんだな、と感じた。

    0
    投稿日: 2022.09.19
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    閉塞感漂う地方の高校生や卒業してからの若者たち。 彼ら彼女らの思い出の中にいる椎名君。 その宝物のような想いが有るからショボい現実に向き合える、みたいな。 作品紹介・あらすじ そばにいても離れていても、私の心はいつも君を呼んでいる-。都会からUターンした30歳、結婚相談所に駆け込む親友同士、売れ残りの男子としぶしぶ寝る23歳、処女喪失に奔走する女子高生…ありふれた地方都市で、どこまでも続く日常を生きる8人の女の子。居場所を求める繊細な心模様を、クールな筆致で鮮やかに描いた心潤う連作小説。

    17
    投稿日: 2022.09.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    富山県出身で地元では有名な作家の方。 5年ほど前は、いろんなところで姿を見たような気もするが、一時期よりは少し落ち着いたかな。 この本が出たのが10年前なので、ずいぶん経ってから読んだことになる。 最近、山内マリコさんの文章を見ることがあって、ジェンダーに関する意見も多い。 そんなこともあり、この本をこの前、古本市で見つけたので読んでみた。 8つの話が組み合わさった短編集。 どの話も基本的には主人公が地方都市で暮らす女性だ。 で、読み進めるとある人物が共通で出てくることに気づく。 そして、最後まで読んでやっと気付いたが、時間軸としては、過去に戻っていく流れになっている。 私が気付いたのは二つだが、同じエピソードが別の話で出てくる。 もっとちゃんと読めばさらに出てくるかもしれない。 内容は、完全に富山をモデルにしたと思える描写がいくつも出てくる。 雪の降る感じ、ロシア人が歩いているとか、明らかに当時の時代背景を表している。 よくこの本の解説で地方の閉塞感みたいなことが書かれているが、そういうことは自分が住んでいるからか、そこまでは思わなかった。 ただ刺激が少ない、知った顔が周りに多い、と言ったところで、皆都会に憧れるのだという現実がひたすら描かれている。 終わりに行くにつれて、より性的な話題が濃くなってくるが、最初に世間の注目を集めたのは一番最後の短編のようだ。 それがあって、実際にはそこから時を進めたのではないかとも思える。 他の作品も読んでみたくなった。

    0
    投稿日: 2022.08.01
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    山内マリコさんのエッセイは読んだことあったけど、小説は初めて。 地方に住む女の子たち(男子も時々)が、なんにもない地元の田舎で、つまんなそうに生きている、というか、どこかに向かいたくて、自分の意思で歩きたくてしょうがないのに、どうしたらいいのかわからん!とイライラ、モンモンしてる様子が描かれている。一見退屈そうな話なのに、私も地元のビミョーに田舎に住んでるので、光景が目に浮かんでくるし、著者の山内マリコさんと同世代でもあるので、登場人物たちの時代をまさに生きてきた!こともあり、過去との邂逅では?(そんな大層なことはないけど)と思うくらい懐かしく感じた。 話が現代?から過去にさかのぼっていく展開も面白くて、同じ田舎の町に住む主人公たち(短編の集まりだけど)がそれぞれの視点から見ている様子がより本の中に存在する田舎町をリアルに立体的に浮かび上がらせる。 なんやろ、退屈なんやけど、読んでて楽しかった。 ちなみに、地方の田舎町というと、家の周りは田んぼや山ばっかりを想像されるけど、道路沿いには、マクドナルドもケンタッキーもモスバーガーもあるし、ニトリやゲオやユニクロもあるし、洋服の青山もあれば、ヤマダ電機やジョーシンがあって、、、生活するには困らないくらいお店はある。ただし車がないと不便なことこの上ない! 若い頃は、「こんな田舎~」と思っていたけど、今はこの田舎でのびのび生きることができている、それが幸せだ。

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    投稿日: 2022.06.26
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    『あのこは貴族』でひりついた気持ちを引きずって、手に取った一冊。ロードサイドのまちの中で生きる少女や、かつての少女たち。やっぱり、どことなく身に覚えのある感傷にいたたまれなくなってしまった。 あてもなく都会に期待する気持ち、自分のことかと思った。椎名と、多分私は世代も近しい。当時のリアルが手にとるように分かる。どこにも行けないけど、連れ出してほしい。それぞれ違うキャラクターなはずなのに、彼女たちひとりひとりの思考に感情移入できてしまった。 全編を通して共通の存在である椎名、こういう人いたなあと思いを馳せる。輝かしい10代のきらめきと、くすぶって、普通の人に落ち着いてしまった現在と。色々な角度で切り取られ表現されていて、この作品群の偶像であったような気がした。 一人称だったり、三人称だったりと視点が変わるのも楽しい。でも、どんな角度で映し出したとしても、「ロードサイドの少女のアンニュイ」は共通していて。やはり分かる、と大きく頷いてしまう、そんな一冊だった。

    3
    投稿日: 2022.06.25
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    30歳、26歳、23歳…それぞれの歳の、ファミレスで通り過ぎた人は知り合いか確かめる視線、ゲーセンや教習所やスタバくらいしかなく実家で暮らす田舎の閉塞感と孤独。一見バラバラだけど「椎名」という中学生くらいはちょっと人気者だった(でも今はおじさん)男の子が各短編を結んでいることで、だんだん時代が遡ってることがわかります。でも同じ田舎の閉塞感でも、18歳の女子高生よりも30歳の(都内から)出戻りの女性の方が、「ここは退屈迎えに来て」の息がつまりそうなぬるま湯の閉塞感が強くて読んでて辛い。結局白馬の王子様は来ないから、ずっとこのままなんだろうなと思いました。 「成就しなかった過去の片想いを引っ張り出し、昔のときめきをちびちび舐めて命をつないでいる。若い女の子だけが持つ、恋愛に向けるべき豊富なエネルギーが空焚きされ、時間だけが無為に過ぎていく。」

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    投稿日: 2022.04.13
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    すらすらと一気に読むことができました。 ファスト風土という言葉、初めて知った。 完全な共感ではなかったですが、作中での田舎のリアリティを身近に感じました。 私自身、生まれも育ちも田舎ですが、あまり似た感情を抱いた覚えがない、、。東京にも地元にも全然執着がない笑 東京へは通えるから、地元に戻ってきたところで都落ちしたという感覚はないし、実家から都内通ってる人が多いからかもしれない 地元で大学や就職先を選ぶのは作中の椎名くん的存在の人(地元に満足している人)でもしないと思う。どちらかというと大学や、仕事内容を見て東京に出ているような感じ。 作品からはずれてるけど、自分軸があるかないか、だけで都会にしろ田舎にしろ見え方は全然違うと思った。 でも、そういった選択肢や価値観がが狭まってしまうのが田舎なのかな そういえば 田舎の高校に通ってた時は、なんでこの学校にしたの?(笑)って同じ学校を選んだ子の中でよく話題が出てたけど 都内の大学いった時はその大学を選んだことを誰も疑わなかったなあ、、 あれなんだったんだろう メモ ・やりたくない仕事を続けてると、自分がなりたくなかったような人間に本当になっちゃうよ  人間なんてあっという間に環境に染まるから(p.101) ・いくらでも遠藤につっかかって、痴話喧嘩みたいな言い合いをすることもできる。  ーーー もしこれが椎名だったら、些細な誤解やすれ違いを、必死になって埋めようと言葉を尽くす。けど、遠藤にはそんな気もおきない。どうだっていい人に、分かってもらおうとは思わない。  

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    投稿日: 2022.04.12
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    なんとなくそうなっていくんだろうな、と分かっていながらも普段は目を逸らしている部分が限り無く地に足のついた状態でリアルに見せられる。 夢見心地のところに水を刺された感じがするのに、読了後悲観的にはならず、「ともあれ『ここは退屈迎えに来て』よ」と思えるのがこの本のすごさだなと思った。

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    投稿日: 2022.04.05
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    同郷の作家が、都会から見た田舎について描いていると知り読んでみた。 田舎の閉塞感のリアリティがよかった印象。 同作者の他の作品も読んでみたい。

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    投稿日: 2022.03.15
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    登場する女性たちと同じような経験をしたわけでは無いが、彼女たちの退屈が身近なものに感じられた。山内マリコさんの他の本もとても読みたくなった。

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    投稿日: 2022.03.04
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    タイトルはどこかで聞いたことあるけど、そういえば読んだことないと思って購入。 せまい田舎の描写がリアルで就職前に読みたかった作品。もう少し人生の選択が拡がったかもしれない。

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    投稿日: 2022.02.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    東京から田舎に出戻ったり、上京したり、田舎で退屈していたり、、、 田舎の女性の「退屈」が描かれた短編集。 時系列では逆になっていることが途中で分かったので読み終わったら遡りたくなった。 椎名くんというモテ男が出てくるけど 彼もまた田舎の退屈の中に埋没していく感じが 実際にありそうでリアル 実写の椎名くんが成田凌とのことで 映画もみたくなった

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    投稿日: 2022.01.31
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    表紙に惹かれて。 大阪に生まれた私は大阪から出たいと思ったことはない。なので東京に憧れる気持ちはわからないけど、一度や二度、ここではないどこかへ、なんて願ったことはもちろんある。そんな私を癒してくれる一冊でした。 椎名みたいな学生時代イケイケで大人になってからパッとしないのはあるあるだなーと懐かしいお顔が浮かんだり。 短編なのでさらっと読めて楽しめました。

    12
    投稿日: 2022.01.29
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    ある田舎町とそこに暮らす「椎名」を中心にした連続短編集。 田舎町から出ていくことや東京や大阪に憧れたあの頃が刹那的にかつ、少し尖った目線で描かれていることが心地よい。 一気に読んでしまった。

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    投稿日: 2022.01.24
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    女の子達のどこか満たされない心境がリアルに伝わってくる。彼女たちが感じているフラストレーションに共感して暗い気持ちになった。 「アメリカ人とリセエンヌ」がクスッと笑えて好き。

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    投稿日: 2021.10.05
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    前の彼女に勧められた作品。もうタイトルこのままな作品。地方出身で、ひねくれて根暗な自分にめちゃくちゃ刺さった。大好きな作品になりました。

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    投稿日: 2021.08.02
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    夕方のバイパス、ロードサイドに立ち並ぶチェーン店の看板たち。こういう景色を「ファスト風土」と呼ぶらしい。 廃れた地方の街で、いつか自分も何者かになれると漠然と思っている女の子たち。 地元のモテ男、椎名を巡って繋がる短編集。 田舎の息の詰まるような空気の描写がリアル。 「君がどこにも行けないのは車持ってないから」のファミレスの描写が秀逸だったな。 “フロアの通路を歩くときは毎回、品定めするような尖った視線を浴びる。知ってる奴じゃないかチェックしてるのだ。みんな誰かに会いたくて、何かが起こるのを期待してるんだと思う。あたしだってそう。” あと「東京、二十歳。」の、上京して渋谷のミニシアターに映画を観に行くシーン。 自分だけが特別なアンテナを持っていると思って観にいった映画は満員御礼で、次の回のチケットしか取れなかった。 各話に共通して登場する、地元のモテ男、椎名。一番初めのお話で、椎名の現在が描かれていたのが逆によかったな。 あの時あんなにキラキラしていた椎名は、ちゃんとお父さんになっていて、なんにもこじらせてない普通のひとだった。

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    投稿日: 2021.06.23
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    山内マリコさん作品記録6 椎名くんと女子たちの8つの話。 一言でまとめるとこうなのに、 なんでこんなにも センチメンタルな気持ちになるのだろうか…。 登場する女子と 同じような経験をした訳でもないし、 椎名くんみたいな男子もいたような気もするし いなかったような気もするのに どうしてか分からないけれど 自分の日記を読み返しているような どこか切ない気持ちになる。 やはり山内マリコさんは無敵。

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    投稿日: 2021.05.27
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    現代こそSNSや通販などの発展で田舎でも都会で暮らす人々と遜色ない生活ができるようになっているけど、ひと昔前はそうではなかった 自分がリアルタイムでそんな時代を生きていないからそんな世界観のストーリーに新鮮味を感じられたけど、現代においても田舎特有の退屈感、息苦しさを感じることもあるから少し共感もあった。

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    投稿日: 2021.05.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    それぞれ語り手が変わっていくけど、それぞれの物語に必ず椎名が登場する。 最初のスタートが30間近の椎名だが、すでに魅力が衰えていっている。椎名はけして主人公のようには描かれていないが、語り手が変わるたびに彼はどうなっているんだろうと気になる。 どの女の子の話も面白かった。 最初の物語で1番面白かったのはラーメン屋さんとの最後、ポエム?の返し。思わず笑った。 女子は若ければ性に敏感で どんどん歳をとるにつれて、結婚に執着を変える。 よくある物語のようだけど 読んでいて飽きないし、年齢がどんどん下がっていく感じが斬新で面白かった。

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    投稿日: 2021.05.16
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    10代から20代にかけての都会への憧れや若い時の無敵なエネルギー。恋人がいない退屈な時期。同性の友達とばっかつるんで無駄な時間を費やしつつも感じる将来への漠然とした焦り。 でもいずれは自分も周りも結婚してそれなりに暮らしていく… 主人公は女性ですが、男の自分でも彼女たちの気持ちや痛みが伝わってくる小説です。

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    投稿日: 2021.05.06
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    地方都市に暮らすことのモヤモヤ。 あぁ、なんてよく分かる。 東京からUターンした若者、東京へ憧れる女子たち、地元に馴染めないニート。 地元大好きでもなく、かと言って都会派にも成りきれない。B系、マイルドヤンキーじゃない人々。 そんなニッチな人々に焦点を当てた短編集。 テーマが新鮮だった。 特に前半3編はよい。 後半になるに従い尻すぼみ感は感じるが、それでも独特の感性が光っているように思える。

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    投稿日: 2021.04.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    解説やレビューを読むと、田舎(といっても郊外)から誰かに連れ出してもらうことを夢見る女性や少女達の物語、と書かれています。 確かに、それが主軸だと思いますが、私は椎名の物語だと思いました。 どの話にも必ず彼が登場する。話が進むごとに年齢が下がり、輪郭も曖昧になっていく。どの時代も、人を惹きつけてやまない人物のようです。 爽やかなスポーツマン時代は納得ですが、結構嫌なやつ、頭の悪いやつ、としても描かれているので、その時代もなの?とは思います。でも、訳もなく人を魅了する人はいますよね。 後ろの話から読んで、彼の変化を追っていくのも面白いだろうなと思いました。 結婚して、娘までいるなんて。南さんとの娘だから日南多ちゃん。グッときます。 「私たちがすごかった栄光の話」疎遠になっていた友達との再会。椎名は教習所の教官に。駐車場の練習。ラーメン屋、名言(迷言)とラップ。 「やがて哀しき女の子」カリスマモデルのその後、婚活。椎名、南と出会う。 「地方都市のタラ・リピンスキー」ゲーセンでの再会。ゆうこと名乗る雄大。椎名に教習所を勧める。 「君がどこにも行けないのは車持ってないから」椎名とつるんでいた遠藤を便利屋と扱ううちに、自分も椎名にとってそんな存在だったと気づく。免許とって車乗り回そう。ロシア人。 「アメリカ人とリセエンヌ」留学生との交友。日本人は恥じらうもの。別れが悲しいのか、妄想が素晴らしすぎるのか。 「東京、二十歳。」椎名の実家はなかなかみすぼらしかった。家庭教師のお姉さんの生活に憧れて上京した妹。それなりに楽しくやれるけど、誰かとじゃないと出かけられない。でも、頑張ってみせる。 「ローファー娘は体なんか売らない」援助交際(?)。脂ぎった男性を慈しむ真面目な女の子。椎名くんがこの惨めな思いから救ってくれる、そんなはずはないと知っている。 「十六歳はセックスの齢」初体験は16歳で。そう夢見る少女と、口ではそう言いながら恐怖を感じる少女と。眠り続けて16歳を無いものにしてしまえば、乗り越えられる。椎名くんは初恋のまま。

    0
    投稿日: 2021.04.18
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    椎名くんみたいな人って本当にいるんだよな、、、 誰から見ても輝いてて人気者で憧れの対象なんだけど、なんとなく人間味がなくて実際なに考えてるのか1番分からなくて危うくてすこし怖い感じがすごいうまーく表現されてた そういう人って奥の奥が分からないから、この物語にも椎名くん目線のストーリーが無くて納得した とか言いつつ、生まれ変わったら椎名くんみたいな分類の男の子になって小中高で無双したい

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    投稿日: 2021.04.12
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    地方で楽しんでる人は、いつもクラスの真ん中に陣取り、リア充だったひと。友達にも恋人にも恵まれ、地元に満足しているひとにとっては、東京は観光地でしかない。あとがきが、ぶっ刺さったな。 私は間違いなく、リア充ではないし、ここではないどこか、に一生憧れてて、常にふらふらしちゃってるので、そうか生まれた環境が退屈でない人もいるのねと思った。 4話目の「君がどこにも行けないのは車持ってないから」っていうフレーズよかったな。わたしも、車を持ったり、家具を買い揃えてひとりぐらしたりしよう。誰にも頼らずに、迎えも待たずに、自分の行きたいとこに軽やかに行こ。

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    投稿日: 2021.04.03
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    12. 山内マリコさんの小説 アラサー独身女にぶっ刺さる わかるしかなくて痛い 読んだ後すぐに映画も観た 原作が良すぎた 「君がどこにも行けないのは車持ってないから」 っていうフレーズ、かなりくる ----メモ---- P35 ウータン・クランはちょっとファンタジーの世界に生きてんだよね。仲間内で今日からここは少林寺なって設定作って、勝手にいい感じの世界に転換して生きてんの。本当の日常はクソなのに、自分たちはその脳内設定で世界を見てるから、どれだけ最悪でも耐えられるっていう。 P194 母性のわくチャーミングな欠点

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    投稿日: 2021.02.24
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    「椎名」という縦軸が通った連作形式の短編。 地方都市に暮らす、様々な年代の女子達のあまりに繊細でリアル(なんだろうと思われる)な描写。 作品全体に漂っているのは「ぼんやりトボケた地方のユルさの、なんとも言えない侘しさや切実な寂しさ」(p16)言葉にすればこういう事なのだろう。 3話目にはすっかり引っかかりました。 1刷 2021.1.20

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    投稿日: 2021.01.20
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    女の子、女性側の気持ちがしっかり女性目線によって描かれる。それがいかほど重要か。椎名が好かれるというのもリアル。

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    投稿日: 2020.12.10
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    地方生まれの青春と現在。 椎名くんを巡るオムニバス。 桐島部活やめるってよを少し思い出した。 好きな形式です。 みんな、心の中に椎名くんがいるのかな。 自分の過去にいる美化された 椎名くんを引き出して、ほんのり切ない。 椎名くんの栄枯盛衰も、 それを評価されてしまうかつてのヒーローも、 登場人物それぞれの不器用なまっすぐさも、 「車」があれば解決したのかな。 今はカーシェアの時代といわれたり、 車はいらないって思ったりもしていたけれど、 地方にとっての「車」は 「自由への切符」みたいだった。 その象徴的な描かれ方が新鮮だった。

    0
    投稿日: 2020.11.18
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    東京で一人暮らしを始めて、やっと自分がものすごく狭い場所で苦しんでいたことに気付いた。その時の気持ちを思い出した。 それと同時に、東京の喧騒の中で自分の薄っぺらさを誤魔化していた恥ずかしさも。

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    投稿日: 2020.09.08
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    面白かった。 こういう本結局大好きです。 でもこれの面白さわかる人って負け組って自重してるようなもんですかね?笑 地方都市へのコンプレックスに共感できちゃう私のような。笑 地方ならではの悩みみたいなのありますよね。 私はまさにそれ。 共感できすぎました。 若い子たちって本当に感情のままに生きてるよなー! でも私は変に冷静で全くそんなことなかったから、 そんな彼ら彼女らに憧れはあるものの、当時も今もどこか滑稽に思ってしまいます。 学生の時にこの本を読まなくて良かったと思うほど 刺激が強い本です。 というかこれを出版したことに拍手。 若い子が読んだら価値観が変わるんじゃないですか。 だから読まないで欲しい。笑 地方都市の象徴、 イオン、マック、フードコート、ゲーセン、深夜のファミレス、とかとか。 ああ。わかる。わかりすぎる。 でもほんとに私はそこから脱却したかった。 そして、この春、それを果たした。 この本を渋谷のスクランブル交差点のスタバで読んだのも感慨深かった。 全国一若者が集まる子たちを見ながら どこから来たんだろうとか、 どんな趣味があるんだろうとか、 どういう生活をしているんだろうとか、 なにしに渋谷にしたんだろうとか、 考えて、若いって未熟だけどこれからに楽しみがある明るさを感じとても素敵だなと思いました。 自分より若い子見て、羨ましいとは思うけれど戻りたくはないと思うのは、23歳の自由さとあの頃なかったものが手に入れられているからでしょう。 多分、今が人生のピークでは、、?? もっと楽しまなくちゃ。 私は縁あって田舎から脱出し東京に住めています。 これに慣れず、最高に楽しみたい。 でも間違った道に行くのは惨めだとこれを読んで改めて冷静にもなれました。 私は東京が大好きです。 東京にはいろんな人がいるしなんでもあるし便利だしどこへも行きやすいしおしゃれだし。 地元への思い入れは正直全くないです。 地元ラブ、みたいな人たちは学生時代謳歌できた陽キャだと思います。 できなかった人ほど、上京したいって思うのではないでしょうか。 下克上してやるぞとばかりに。 変にプライド高い人間になるんですね。 やっぱり健全な学生生活を送ることの重要さを痛感します。 この本についてはほんとにもっともっと語れる!! それくらい、わたしにはドストライクのテーマでした。  

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    投稿日: 2020.08.17
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    主人公の女の子たち(男の子もいたけど)にそれぞれ少しずつ共感できるところがあったから、自分の昔のいろんなことを思い出したわ。普段は絶対に思い出したりしない、無かったことにしてある恥ずかしいことや嫌なこととか。 おもしろかった。とくに「アメリカ人とリセエンヌ」。 椎名くんみたいな子っていたなあ。今ごろどんなおじさんになってるんだか気になるけど、いや、知らない方がいいのかもね。

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    投稿日: 2020.08.13
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    あ~、思春期こじらせちゃってる痛さとか、世間知らずの生意気さ、若者特有の根拠のない自信とかがビンビン刺さる。 昔の自分を思い出して赤面するような。 タイトルが秀逸だなぁ。 どこにいたって退屈で、他人を当てにするだけの痛さ。

    1
    投稿日: 2020.08.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    友人におすすめされ、映画を観て、 めちゃくちゃ面白くて友人に御礼を言ったら 小説をおすすめしていたということが発覚し、 読みました。 が、ぶっちゃけ映画の方が5倍は良かったです。 申し訳ない。 良かった点としては、やはり椎名というキャラ。 この人物の内実を書かない点で、読者に爽快感を与える。この椎名を除いた全登場人物が都会を夢見る(夢見た)、田舎に絶望的な考えなので、その気持ちは分かるが、それならもっと深く心情描写をして欲しかった。閉塞感も足りず、ただただ沼に片足埋まってる考えばかり。 その中で椎名は、過去と現在の対比として描写されているが、すべての登場人物と椎名を対比するこたが本質かと。過去を思い返さず、生きる。この体現はできていたかと。 ただ、文章があまり上手ではなく、読み進めるのがしんどくなる部分も。雰囲気作りとかは凄かったので、だからこそ映像だと映えるのか。 ぜひ映画も観てください。

    0
    投稿日: 2020.07.31
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    田舎と言うほどでもない地方都市で、冴えない日々を送る女子たちの話。 ここではないどこかでもっと楽しいことが待っているはずという期待を抱く彼女たち。 東京の人はませてると聞かされたものだけど、案外地方の方がどんな出来事も均質化されていて一線を踏み越えるのに抵抗がない危うさを持っているのかも。 自分も地元を脱出したかった組で、紆余曲折を経ていまは海外暮らしで、個人的には自分の人生大成功だと思っているのだけれど、多感な時期を過ごし田舎を出た直後ごろまでの、刺激がない日々ゆえ妄想にコントロールが効かなかった時期は、思い出すと痛々しくやり直したいと思う。 そんな後悔を浄化してくれる本だった。

    1
    投稿日: 2020.06.20
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    田舎に住む高校生の頃読んで、勝手にあ〜わかるなあって共感した。当時、山内マリコさんの本があまり置いてなくて司書さんにこの本が好きだと話した記憶がある。上京しても尚わたしの魂は、田舎のイオンモール、実家にある漫画本、高校時代に過ごしたファミレスにあるのだと思ってしまった。

    0
    投稿日: 2020.06.19
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    自分の地元も田舎とも都会とも言えないようなところだったから、東京のような都会に憧れることはしょっちゅうあった。東京だけじゃなくて、それが海外だったり洋楽などの音楽だったりもしたわけだが、自分の居場所、自分のいるべき場所がここではない感じがしているという小説内の登場人物の描写に強く共感した。 今では私は地元を離れたわけだが、それがいい結果となっているのかどうかはまだ分からない。地元にUターンして就職することを考えると少し恐ろしい気もする。 しかしこの小説を読んで境遇は違えど、同じような気持ちを抱いている人々を見て救われたような感じがした。

    1
    投稿日: 2020.06.19
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    『ここは退屈迎えに来て』読了。 地方都市を舞台に8人の「退屈な」女の子がリア充の象徴、椎名と交わりながらも理想と現実を行き来する感じの短編集でした。 ここでない場所でなりたい自分になることを夢みる彼女たちはそれが幻想でしかないことに気がついてからの急転直下が痛々しくも潔かった。 すごーく健気なの。だから敏感なんだと思う。 世の中の生き急いでる感じが彼女たちを焦らしている感じ。 そんなに焦らなくていいのにって読んでいる方が心配になるくらい。 最後の章は世間から目を背けるかのように延々と眠り続ける女の子の話だったんだけど。わかる気がするよ…延々の眠りにつきたい。 あと地方出身の呪縛みたいなのが重なってしまったなぁ…私もルーツは東京だけど結果的には地方出身の身でしかないよなぁ…って読んでて思った。 だけどそれでも人生を如何に豊かにできるかは自分でしかないんだなと問われた気がする。周囲の人らにやんや言われても私は私と強く思える自信が欲しいなぁ… 2020.6.9(1回目)

    9
    投稿日: 2020.06.09
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    結局は自分の人生自分で何とかするしかないんだよ、行動起こさなきゃ、〇〇歳らしさに自分を当てはめる必要は無いんだよ、と思わされた。

    1
    投稿日: 2020.05.16
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    田舎に住む椎名という男性を介した様々な人生や思いを綴った短編集。田舎から出て都会に住んだら今のこの停滞感はなくなるのではと期待する人。都会に出たけど何も変わらず結局戻ってきて喪失感を抱えて生きる人。もし私が外国人だったなら人生は輝いていただろうにと信じる人。 誰しもがこうなるはずじゃなかった感や、私だけ取り残されてる感をどこかしらで抱えている。隣の芝生は青いのか、あるいは、あそこに住んでたら、あの時こうしてれば、人生は違っていたのにと言い続けることで行動を起こさない自分を守っているのか。 同じ状況にいなくても、登場人物のどこかしらに少しずつ共感できる。ここは退屈だから迎えに来て、と、誰にでもある他人よがりな変化願望の心を集めた短編集。

    0
    投稿日: 2020.05.14
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    すべて同じ地域で、椎名くんの周りにいるいろんな女子視点で描かれていて、読み終わるとその地域と椎名くんが浮かんでくるみたい。田舎ってこんな感じなんだなあ。私が住むところは、田舎というほど田舎じゃないけど感覚わかる、面白い。東京に出てみてよかったと思う。 タイトル通り、「ここは退屈迎えに来て」な田舎で、みんな椎名くんを待っている。そしてなんと椎名くんを射止めるのは毒舌女で、その頃には椎名くんの輝きは薄れてきている。 椎名くんは一貫して、昔すごくモテて一度は都市に出たけど、結局帰ってきて落ち着いちゃう男、というアイコンとして描かれている。女子の記憶に残る男子ってきっと椎名くんみたいな人なんだよなって思った、きっと1人の人が多くの人の記憶に残っている。記憶に残りにくい人だっている。そう考えたらなんかちょっと悲しい。 多くの女子は椎名くんみたいな人を待ってる。だけどみんな椎名くんはいないとどこかでは理解して、強く進む。女子の心の奥底にはそうやって思ってる部分あるよね、というのを一貫して描く。 ちょっと切ない感じが残るお話が多い。終わりが少し切ないけどブレンダの話好き。 地方でリア充になれない奴が、地方を退屈と感じる。退屈と感じるのはリア充になる能力がないから?反対に椎名は、文化人ではないが、コミュニケーションに長けモテる。

    0
    投稿日: 2020.05.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    東京から田舎に来た人間にはなかなか響くものがあった セックスを断るのはセックスをする以上に消耗するから はめっちゃ解る。

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    投稿日: 2020.03.18
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    山内マリコさんの本は『あのこは貴族』以来2冊目。相変わらず地方と東京の対比を書くのが上手な方。結婚して東京から地方にやってきた自分は、物語の中の彼女たちとは進行方向は逆だけれど、東京に行けば(帰れば)何者かになれるように思う気持ちは同じで、とても共感する。と同時に、別に自分自身は東京にいた頃「何者」でもなかったのにな、とも思う。精神科医の方が書かれた解説の、「"リア充"だったら地方から東京に行きたいとは思わない」という言葉には、納得。

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    投稿日: 2020.02.16
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    本の雑誌ランキングから。それぞれにクセのある別々の女性たちを主人公にした短編集で、通底するのは、男・椎名とのゆるい関係性。皆が現状に不満(いわゆる”退屈”)を抱えつつ、椎名に対する憧憬的心情を吐露する、といった体裁。すげーな、椎名。

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    投稿日: 2020.02.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    イイね! 現代の作家では一番気に入った作品かも。 ロードサイド小説、と名付けられた、イマドキ(でも、大震災前後の近過去かな) の若者の思いと生活実感が溢れる短編集。 SNSやツタヤやファミレスやスタバ文化に彩られた私たちの時代と気分をこんなに軽やかに描いているなんて出色である。 平凡でダサくて寒々しくて、貧相で、頭悪くてカッコ悪い人生。フラれる、若さしか取り柄がない、若さすらなくなってしまった、凡庸な世間と価値観から逃れられない私たち。 トホホな人生が、軽やかでエッジの効いた会話や比喩でポンポン蓮っ葉に語られていく。でもそのツイッターもどきな断片感が、また今っぽい。 田舎の暮らしをくさしているけれど、都会にいたっておなじこと。都会へのコンプレックスでこじれないだけ軽症かもしれないけど。 イイぞー! 次作も、待ってるぞ。

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    投稿日: 2020.01.10
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    とっても面白かった… 結局地元から出られなかったわたしを遠くから見てるよう。 人生って難しい。 思いがけない出会いで思いがけず人生って変わるなぁって思う。

    0
    投稿日: 2019.09.05
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    ひたすら都会に憧れる田舎者の話。なぜかこの本のことを恋愛小説だと思い込んでたので、タイトルの洒落た響きに反してなんとなく庶民臭い感じのストーリーが残念だと思ってしまった。

    1
    投稿日: 2019.09.02
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    地方都市にゆかりの女性たちの物語。10代から30代にかけての様々な女性が、ある人は地方都市にどっぷり嵌って生活し、ある人は広い世界を夢見て上京し、ある人は夢破れて帰郷し…皆それぞれ、もやもやとしつつ、いらだちつつも生きている、そんな情景を描いた短編集。 小説がオモロくないわけではないが、こういう連中とかこういう生活、好みと違うなぁ。ウダウダ言うてるけど、結局ヌルマ湯からよー脱出せん連中。読んでるだけでちょっとイライラしてくる。この本は、そういうイライラを味わう本なんだろうけども。 共通の登場人物、椎名ってヤツが一番人生を楽しんでると思うで。少なくともウダウダは言うてない。おる場所で咲こうとし、花の色はともかくも咲いているじゃないか!

    0
    投稿日: 2019.09.02
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    連作短編集の醍醐味は、章と章のいろんなつながりが作品によって違うこと。 2章にまた椎名くんを発見して、こういう意味での連作ね!と楽しくなった。 地方の街並みの描写がもう秀逸。手に取るようにわかる。

    0
    投稿日: 2019.08.20
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    まさにタイトル通りな内容だった。 劇的な何かが起こるわけでもなく、日常が描かれていて、スッキリしない、なんとも言えない気持ちになった。 こういう何となく窮屈な思いもあったかなぁ。

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    投稿日: 2019.08.13
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    何度家出を繰り返しただろう。 親に捨てられ児童養護施設で育った僕は 中学から親戚の家に預けられ、 『ここではないどこかへ』をいつも夢見ている子供だった。 16歳の夏、Bruce Springsteenの歴史的名盤『Born To Run 明日なき暴走』や 地方に暮らす10代の若者たちをコンセプトに作られた浜田省吾のブレイク前夜のアルバム『Down by the Mainstreet』を聴いて、 アルバイトで貯めた4万ほどを握りしめ、意気揚々と東京に向かった。 親戚の叔父さんに見つかり連れ戻されるまで歳をごまかし、 一ヶ月ほど旅館の住み込みで働いた。 その後も好きな女の子と駆け落ちしたり、 高校生の身でありながら、ふらりと旅に出たり、 とにかくこの町を出れば何かが変わると なんの根拠もなく、『ただ』思っていたのだ。 ここではないどこかを希求する人たちは 映画や物語の中にも沢山いた。 『真夜中のカーボーイ』のジョーとラッツォ、 『ギルバート・グレイプ』のギルバート、 『ヴァージン・スーサイズ』の五人姉妹、 『SOMEWHERE』の映画スターのジョニー、 『ロシュフォールの恋人たち』の美人姉妹、 『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の典道となずな、 『子猫をお願い』の夢見がちな少女テヒ、 『ミッドナイト・イン・パリ』の脚本家ギル、 『キッズ・リターン』の落ちこぼれ高校生のマサルとシンジ、 ドラマ化も映画化もされた角田光代原作の『紙の月』の梨花、 『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』のケンタとジュン、 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のフュリオサ、 そしてアニメでは記憶に新しい 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のオルガ・イツカ率いる鉄華団の若者たち。 そしてこの小説の主人公たちも同じく。 まず、『ここは退屈迎えに来て』 という、 吸引力に優れたタイトルが秀逸だ。 第1話、『私たちがすごかった栄光の話』の冒頭、 東京から都落ちした二人の会話を読んだだけで、  「ああ〜この小説、絶対好きなやつだ」  と感じた直感は見事に的中した。 (本当に好きな小説は自分がこの物語にハマっていくことが1ページ目から分かるのだ) ありふれた地方都市で、どこまでも続く日常を生きる8人の女の子。 自分の町を愛せずに『ここではないどこか』を夢見てもがき苦しみながら 大都会へ出て行くことに憧れと希望を抱いている。 ただそれだけの話なのに  どうしてこんなにもほろ苦く胸を打つのだろう。 それなりに彼女も友達もいた。 バンドを組んでライブハウスにも出ていた。 でも満たされない心があった。 誰とも分かち合えない趣味や夢。 はじめからマイナスの自分の境遇。 教室には本当の居場所なんてない。 何もかもがセンチメンタルな、ないない尽くしの青春の日々。 だからこそ、本が好きだった。映画や音楽に救われた。 『ここではない、どこか』を夢見たのだ。 そんな気持ちに共鳴する人たちには たまらない小説だと思う。 歯切れのいいリズミカルな文体で綴られていく 各話ごとに登場する女子たちが とにかくリアルで、 電車の中で知らない女子たちの相談事を盗み聞きしたような 気恥ずかしさと好奇心でページをめくる手が止められない。 そして、閉塞感で窒息しそうな、不器用な女子たちの うまく生きられない焦りが  同じような学生生活を送った自分の胸の深いところに  とにかく突き刺さって、どっぷり共感してしまう。  全話に唯一共通して登場する スポーツ万能、サッカー部のエースでコミュニケーション能力にも長けた『できすぎ君』、椎名の存在が生きていたし、 章が進むにしたがって、椎名がどんどん若返り煌めきを増していく仕掛けや、 地方都市から出ていき、何者かになりたい彼女たちと 地元に馴染み、そこになんの疑問も感じない椎名との対比が何より上手い。 読了後は誰もが自分にとっての椎名を思い出すことだろう。 (川上弘美の『ニシノユキヒコ』が思い浮かんだ) ここではないどこかを探し続ける旅も いつか終わりがくる。 そんな場所はもう存在しないことに気づいて 誰もがまた生まれた町に戻っていく。 だとしても、 家出して、飛び乗った電車の窓から見た  冷たく尖った夜の月を 僕は生涯忘れることはないだろう。 あの頃に戻りたいとは死んでも思わないけど、 忘れたくない記憶があるから 人は生きていけるのだ。 ここは退屈だと思っていた故郷が いつかかけがえのない場所だったと気づくその日まで、 はみ出し者たちの戦いは続く。 この小説もまた 諦めの悪い挑戦者たちに読み継がれていくのだ。 監督は『ヴァイブレータ』『さよなら歌舞伎町』の廣木隆一、 主演、橋本愛、門脇麦、成田凌で 2018年秋に全国公開される映画版も気になるところ。 ★映画『ここは退屈迎えに来て』予告編 ⬇ https://youtu.be/DBO20HCe10o

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    投稿日: 2019.03.04
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    映画化された本作。作者の作品を読むのは初めて。 時として女性の視線による表現に感心する。 この短編集のあちこちに登場してくる椎名くんが、上手く、そして話をつないでいる。 映画も観て観たくなった。

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    投稿日: 2019.02.07
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    最初読み始めた時、エッセイ集なのかと勘違いした。それくらい描かれている「地方都市」がやたら身近に感じられて笑った。

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    投稿日: 2019.02.05
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    地方の郊外都市を舞台とした8つの短編集。どの主人公たちも、「ここではないどこか」に憧れ、期待を寄せ、恋い焦がれる。でも現実はままならず、憧れは色褪せ、「期待外れ」に終わってしまう。 「ここではないどこか、なんて、ない」と気づいたとき、ひとはどうするのだろう。あるひとは、現実を受け入れ、そのなかに溶け込んでいく(それを肯定するか否定するかは、ともかく)。またあるひとは、その現実を受け入れずに、しぶとく生きていくことだってあるだろう。あるいは、そのどちらにもならず、あわいを歩むひともいるだろう。 「期待外れ」があっても、人生は続いていく。その歩みかたはひとそれぞれなのだと、感じさせてくれた一冊。

    0
    投稿日: 2019.01.23
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    すんなり馴染める小説にあまり巡り合えないけど、これは良かった。短編集だから一編読んで一息つけるのが良い。ひとつひとつの短編が有機的に繋がって読めるのも良かった。地方都市に住む女子の鬱屈にリアリティを感じる。 えっ?と思うようなところでLGBTネタ入れてきてその描写に唸ったし、喘ぎ方講座のビー・シャイ!モア・センシティブ!に笑った。男子高校生に負けないくらいバカな女子高生もおもしろかった。 幸か不幸か、生まれも育ちも住んでるのも東京だけど、地方都市に生まれ育ったらどうだったんだろう?自分の性格を考えると、鬱屈しつつも東京に出るエネルギーはなかったんじゃないかなと思う。東京に住んでいてうんざりする気持ちもあるけど、うっかり昔の誰かとすれ違ってしまう確率が低い、薄情な東京も悪くないと思えた。誰でもない自分でいられるのは大都市の特権だろう。とはいえ、東京は夢も金もないロンリーなおっさんの居場所じゃない。じゃあどこに居場所はあるのか?知るかボケ。 居場所があるのではない。居場所にするのである。なんてな。

    1
    投稿日: 2019.01.18
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    田舎。とそこで暮らす人々。 そこから離れた人、戻って来た人。 一話ずつが切り離されているようで、 実は共通の人物がいる。 読み進めるうちにタイトルが良いなと気づく。 もっと読みたい!と思うし、 時系列が秀逸 :)

    2
    投稿日: 2018.12.23