
総合評価
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powered by ブクログいろいろ気にはなるけどとにかく良いこの表紙に、いつもの高野節を期待して「めっちゃ面白そう」と手に取りました。印象ちょっと違いますね。 ケシの栽培に密着するためミャンマーの山岳地帯・ワ州に乗り込んだ高野さん。 歴史的にも政治的にも複雑。反政府ゲリラの支配区であるワ州の小さな村は、武器の調達・食糧の自給のためにアヘンの生産が公認されている状態。 そこで、ケシの種まきから収穫までの7カ月間を村人と共に過ごします。 「アイ・ラオ」という村人ネームを授かった高野さん。言語や文化の壁はありながらもとことん郷に従い、ケシ畑で奮闘し、村人と打ち解けていきます。 時には険悪になったり怒られたり、全く「お客さん」感のないその溶け込みっぷりはさすが高野さん。 ケシの収穫が終わり村を出る頃には、ちゃんと(?)アヘン中毒にもなっていて、その様子は生々しく面白い。笑い事じゃないけど。 帰国後ワ州を取り巻く状況は一変、村に潜入できたのはまさに奇跡のタイミング。 村人は兵士であり、のどかな農村に穏やかではない空気も漂う中での滞在。あの村人たちやケシ畑、そして「モルヒネ化計画」はどうなったかなぁ。表紙の見え方も変わってくるなぁ。
11投稿日: 2025.12.05
powered by ブクログ普通、ミャンマーの山中にある世界最大のアヘン生産地に半年も行かないよ。 政治的に意図的に隔離されていて、そこには私たちと変わらない気持ちで泣いて笑って生活する人たちがいる。 全文はブログで www.akapannotes.com
0投稿日: 2025.08.04
powered by ブクログ高野氏の著作に関しては飲酒に目覚めた後の少しおちゃらけた文章に慣れていたので、本書の真面目で鋭い語り口には度肝を抜かれた。一般的には知られていないであろう、少数民族を無数に抱えたビルマという国が英国に好き放題にされた後独立国家として目覚め、その統治の難しさから軍事独裁政権に踏み切った実情をしっかりと語り、中国共産党の息のかかったビルマ共産党に侵略され、そこから独立したにも関わらず中国的官僚制度や文化から抜け出すことができず、麻薬に関係した場合は死刑になるという厳罰で持ってこの植物に臨む中国に対してヘロインを密輸する奇妙で矛盾に満ちたワ州という反軍事政権の暗部を日の元にさらけ出し、この汚いビジネスに加担する中国の公安を掻い潜りワ州の上層部を説き伏せて実際にアヘン栽培を行う村に潜入するという、多くのジャーナリストでも忌避するであろう道を突き進んでいく著者の行動は、刊行された当時多くの人の胸を打ったであろう。発売当初にこの書物を知らなかったことが悔やまれる。 それにしてもアヘンの効果とは恐ろしいものである。悪性腫瘍からくるものも含むどんな体の不調ですら一時的に緩和し、本人が自覚症状を感じる間もなく中毒症状へ誘っていく。多くの孤立した軍事政権が薬物売買によって戦費を稼ぐ理由がよくわかる。しかしその収入は本書で記されているように薬物の密輸ルートを維持し幹部の私腹を肥やすために使われ、末端で栽培する人々にはまったく還元されない。我々の知らない場所でこのようなえげつない行為が行われることを、本書は改めて思い起こさせてくれるのである。
10投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログ凄い本ですね。 あとがきに書いてある「善悪の彼岸」、説明は出来ないけどなんとなく分かる気がします。本当に誰もやらない事をする。 でも出版社に持っていくと「それ日本人に関係ある?」だって! 関係無いから面白いんよ!と思ってしまった。次の本が楽しみ。
1投稿日: 2025.07.16
powered by ブクログ高野さんの本はどれも、読むだけで現地に行ったかのような感覚になるのだけれども、この本も濃厚に現地の空気を感じることができた。 なんというか中世と現代がいきなり接続している感じがあって、原始共産制を共産党が破壊したという説明は非常に興味深い。うっかり嗜好品としてアヘンを消費してしまうあたりに人間の業の深さを感じるとともに、高野さんが此岸に戻ってきて本当によかったと胸を撫で下ろした。
0投稿日: 2025.06.12
powered by ブクログ牧歌的な農村と官僚主義・強権的な軍事組織が、アヘンの栽培を基底として共存している。ゴールデントライアングルのワ州はその構造自体も奇妙な三角形だ。 ただ本書でわかるのは個々に名前があり、そこに実際に生きている人々のリアルな暮らしぶりで、その生活は意外に普通、ただアヘンを育てていて軍の支配下にあるという奇妙なバランスを保っている。 高野秀行は相手を下に見たり、過剰に気を遣ったりしない。あらゆる人にがっぷり四つで対するから、自然な反応が現れる。大いに喜ぶし、泣くし、怒るし、笑う。世界のどんなところにも普通の人間が住んでいるということを思い出させてくれる。
7投稿日: 2025.05.31
powered by ブクログ世にゴールデントライアングルと呼ばれるアヘンを栽培する無法地帯(と考えられている場所)に、ケシの栽培、種まきから収穫まで全ての工程に従事するために単身乗り込んだ筆者の体験記。理想?のアヘン栽培をしている村にたどり着くまでの苦労やその村に住み、住人達と交流し、ケシ栽培(と言う名のメイン草取り)をひたすらこなし、アヘンを手に入れ、そして中毒にまでなって…、と、とにかく全てにおいて驚かされる内容で、でもそこに住む人達は当たり前だけど普通の、懸命に生活している人達で…。色々と”当たり前”を考えさせられました。
5投稿日: 2025.03.20
powered by ブクログビルマのワ州に潜入し、ケシの種まきから収穫までを体験し、アヘン中毒になるという体験は高野さんの中でも最も辺境ポイントの高い作品だろう。 その奇抜さ故に学術的価値も生じているのだが、あまりにも辺境すぎる。 言語の壁だけでなく文明の壁があまりにも高く、訳の分からないことが起こりすぎていて、高野作品にしては楽しさが劣る。 他の作品では高野さんと現地人がもっと深いところで通じ合っていて爆笑を掻っ攫うシーンも多いのだが、ワ人との間ではそういう場面が少なかった。(アヘン中毒者同士の奇妙な心の通じ方も興味深くはあるのだが) あとがきに「ワ州と日本の間に接点がなさすぎる」という理由で出版に苦労したとあったが、皮肉にもリアルタイムではオンライン詐欺犯罪で注目されている事態だ。 ミャンマー北部が世界規模の犯罪が蔓延る地帯であり、そこには政府から抑圧を受ける少数民族がいることを頭に入れておこう。
0投稿日: 2025.02.23
powered by ブクログ語りが面白く、飽きない。中国と隣接するミャンマーのワ州。「ワの人間に軍事、政治に関して立ち入った質問をしてはいけない。とくにヘロインについてはけっしてか聞いてはいけない。」 種まきからアヘンの収穫まで、ケシ栽培の全行程を体験しようとしたルポ。
0投稿日: 2025.02.01
powered by ブクログなかなかアヘンを吸わない。歴史である。まずは歴史の話しである。ビルマの、あるいはミャンマーの、ワ州の。そしてそれは必要な話しだった。 村に入る、住む、暮らす。そしてアヘン(ケシ)の種をまく。 あとは草むしり、来る日も来る日も。 早くアヘンを吸え、そう思うがまだ吸わない。 村人たちが登場するのだ。それは普通の人たちで普通の暮らしをしている。 それが日本人からは妙で、近づきがたいが近づけばファニーで、温かく、受け入れられる。 この村人たちとの会話や、エピソードが楽しく、ときに物悲しく。 前半に説明された、このワ州をとりまく戦争の歴史が背景にあるのが、ここできいてくる。 著者がようやくアヘンを吸う頃には村人の一員になっており、村人たちとの関係も密だ。 村人との別れがクライマックスかも。 今は、今のミャンマーが、この村人たちが、気になってしょうがない。
0投稿日: 2025.01.18
powered by ブクログ衣食住を共にし、家族同然に暮らす事でしか得られない情報の深さ。 最終的にアヘン中毒になる筆者は、まさにミイラ取りがミイラになる、を体現している。 ビルマ、ワ州の転換点を仔細に記載したルポ。
0投稿日: 2024.12.08
powered by ブクログミャンマー北部、反政府ゲリラの支配区・ワ州。1995年、アヘンを持つ者が力を握る無法地帯ともいわれるその地に単身7カ月、播種から収穫までケシ栽培に従事した著者が見た麻薬生産。それは農業なのか犯罪なのか。小さな村の暖かい人間模様、経済、教育。実際のアヘン中毒とはどういうことか。「そこまでやるか」と常に読者を驚かせてきた著者の伝説のルポルタージュ
0投稿日: 2024.11.13
powered by ブクログ最高に面白かった! 丹念な調査と情報収集だけでなく、自ら体を張って真実を体験しに行くバイタリティ、見事な文章の構成とユーモア、ただの体験日記にとどまらないメッセージ性。 他の本も読んでみようと思った。
0投稿日: 2024.10.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
イラク水滸伝みたく面白い冒険譚みたいなのかなって思って読むと、確かにそうなのだけれど、最後、あとがきまで読むとしっとりとした気持ちになる。
0投稿日: 2024.09.18
powered by ブクログ高野さん、テレビで拝見したことはあるが著書は初めて読んだ。 30年ほど前のミャンマーの辺境の地の滞在記。 今となれば貴重な資料になりますね。
0投稿日: 2024.07.17
powered by ブクログ高野秀行(1966年~)氏は、早大第一文学部仏文科卒。早大で探検部に所属し、大学在学中に探検部での活動をまとめた『幻の怪獣・ムベンベを追え』で作家デビュー。その後も多数のノンフィクション作品を執筆し、2013年に『謎の独立国ソマリランド』で講談社ノンフィクション賞、2024年に植村直己冒険賞を受賞(探検家・山田高司と共同)。 私はノンフィクション物を好み、冒険家・探検家が自らの体験を記録したノンフィクション作品もしばしば読む。具体的には、古くはスコットの南極探検を描いたガラードの『世界最悪の旅』から、植村直己、角幡雄介、石川直樹等の著書までだが、高野秀行に関しては、気にはなっていながら、著書を読んだのは今回が初めてである。 本書は、1995~6年に7ヶ月間、世界最大のアヘン生産地と言われる、ミャンマー、タイ、ラオスに跨る「ゴールデン・トライアングル」の中でも、その中心地であるミャンマーの中国国境地帯にあるワ州に、高野氏が単身滞在した記録である。ワ州は、反政府ゲリラ・ワ州連合軍が支配し、100を超える少数民族が存在して「東南アジアのユーゴスラビア」とも呼ばれるミャンマーの中でも、ヤンゴンの中央政府の権力が全く及んでいない地域で、無法地帯とも言われているという。(近年は状況が変わっているらしい) 本書を手に取るとき、普通の人であれば、まず、「何故、こんな場所に7ヶ月も滞在したのか(そして、それを本にしたのか)」が気になるものだが、それは、高野氏が、「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」ことをポリシーとする中で、20世紀も終盤になって、それに値する“地理的な”未知の土地は地球上にほぼなくなってしまい、残るは“政治的な”或いは“精神的な”秘境しかないと考え、その象徴がゴールデン・トライアングルだったからなのだという。そういう意味で、高野氏は本書を自らの「背骨」になる仕事と言っているのだが、一方で、そのハードさのあまり、当初はなかなか評価されなかったとも語っている。(現在では高野氏の代表作の一つと認識されていると思うし、それ故に私は手に取ったのだが) この、高野氏のポリシーは、いわゆる「冒険ノンフィクション」を書く作家に共通するものであるが、同様に、現代においては地球上に地理的な未知の土地はなくなったという事実も共通の認識で、角幡氏なども、「冒険とは何か?」、「ノンフィクションとは何か?」と自らに問い、それに関する著書も出している(『新・冒険論』等)。そういう観点では、高野氏と角幡氏の対談集『地図のない場所で眠りたい』もぜひ読んでみたいものである。 読後に強く印象に残ったのは、反政府ゲリラが支配する麻薬地帯という、極めて物騒なイメージとは裏腹に、ここには(にも)普通の人びとの普通の生活が存在するという、当たり前のことであった。そして、もう一つは、民族というものの考え方の難しさで、ほぼ単一民族である日本人には実感が湧きにくいが、これは、世界各地で止まらない国家・民族・宗教間の対立の最大の原因の一つである。 また、本書のアプローチについては、高野氏は、自分の好奇心はジャーナリズム的な関心と重なるところがあり、一時期そちらに傾倒したが、多くのジャーナリズムは上空から森を眺めているのであり、自分は「一本一本の木を触って樹皮の手ざわりを感じ、花の匂いや枝葉がつくる日陰の心地よさを知りたかった」ので、結局、対象により近く、より長く接するような手法を取るようになったという。今般のワ州滞在が長期に及んだ(普通のジャーナリストならせいぜい4~5日。現地人からは、外国人が7ヶ月も滞在するのはギネス記録だと言われたそうだ)のは、そうした背景があってのことだ。私はジャーナリストが書いたものを好んで読むし、それは今後も変わらないが、高野氏のようなアプローチだからこそ書けるもの、そして、面白いものがあることを改めて感じた。 (2024年5月了)
5投稿日: 2024.05.10
powered by ブクログ筆者が7ヶ月間の内に体験した、ケシの種子まき→収穫→アヘン中毒→離脱症状をお話の軸として、なにゆえアヘン栽培地域となったのか?現地の人々はどのような人達なのか?などまとめてあります。読み終えて奇跡として表現しても差し支えない期間に入国できたんだなと思いました。
0投稿日: 2024.05.07
powered by ブクログ旅行記としても政治学的資料としても、あるいは単におもしろい読み物としても、この本は超オススメである(デイリー・ヨミウリ紙) 文庫版あとがきより ーーーーー 本当にその通りだと思う。 絶対に自分には真似の出来ない行動をしてくれて伝えてくれてる。 そんな場所があって、そんな生き方をしている人たちがいるのね。知れて良かったありがとう。 世界は広く、おもしろい。 なんてくらいの稚拙な感想しか言えないことが口惜しい。 高野秀行氏の著書はこれが初めてなのだけど、他もいろいろ読んでみよう。
3投稿日: 2024.04.29
powered by ブクログ記念すべき私の初めて読んだ高野秀行作品。浮世離れしたワ州と著者の行動力に圧倒された。これを読んで以来、著者の他作品を読むようになった。
5投稿日: 2024.04.24
powered by ブクログすごくニッチなジャンルのお話でしたが、臨場感溢れる文章。人間味溢れる行動。どれをとっても惹き付けられてしまう内容でした。自分がこれから生きていても恐らく体験出来ないであろう世界に少しでも触れることができた良い機会になりました。 ありがとうございました!
11投稿日: 2024.04.17
powered by ブクログイラン水滸伝から高野秀行作品を読むようになって、今ではすっかり高野秀行ファンになっている。 自分にはいろんな意味(モチベーション、勇気、体力、時間、お金)で経験できないことを、高野さんは経験し、それを本という形で表現してくれる。まさに本の醍醐味である。この作品は現実の世界での実際の体験記なのだが、今自分が生活している世界からかけ離れすぎていて非常にシュールなのである。日本人がこれまで行ったことのない、ミャンマーのワ州僻地にあるアヘンを栽培している村に長期間滞在して、自分もアヘン中毒になってしまう。現実は小説より奇なりであるが、ノンフィクションは現実より奇なりである。著者はどうなってしまうんだろうとワクワクドキドキさせるエンターテイメントであり、世界にはこんなところもあるんだとか、ミャンマーの歴史ってそうだったのかなど勉強にもなる作品である。
11投稿日: 2024.04.04
powered by ブクログ何ともすごい行動力。アヘンを栽培している村と聞くととても恐ろしい所を想像する。7ヶ月間村の人と寝食を共にし、文明度は低いが、礼節、敬虔さ、勤勉さを備えた人たちと知る。マラリアやシラミに脅かされ自らアヘン中毒にまでなりながら…。30年近くが経とうとしているけど、一緒に暮らした方々が元気にされている事を願うばかり。
11投稿日: 2024.03.30
powered by ブクログ日本が世界に誇る、と言っても過言ではないと個人的には思っているノンフィクション・ライターの高野秀行がその初期に記して高い評価を得たルポルタージュ。 なんと言ってもミャンマー北部、アヘンの密生地として知られる”ゴールデン・トライアングル”に潜入するという本書の面白さは、やはりその旅の中でのあまりにもスリリングな出来事の連続と、そんな中でも魅力的な現地の人々との邂逅にある。 かなりの作品数がありながらも、高野秀行の作品に駄作はなく、常に読者を驚かせてワクワクさせるような作品ばかりだが、本書もご多分に漏れず、次に何が起きるのかとワクワクしながらページを繰り続けた。
3投稿日: 2024.02.25
powered by ブクログ湿地を行く。水芭蕉が咲いている。のっぺり気分で、細い板の上をどこまでも・・・ここでそれを吸うのはご法度。善悪の彼岸には渡れない。体験できないことを読書で味わう。アヘン作りは草むしり。人の手がないと育たない”人間依存植物”。ミャンマーの東のワ州。ゴールデントライアングル。島国日本。国の形は当たり前にある。多くの民族が雑多に暮らす大陸。多数のビルマ族が少数民族をまとめてはたした独立。自治を貫きたいワ族。経済を担うアヘン。早々にはなくせない。滞在は1995年。世界は複雑。この地域の事情も相当変わっているだろう。
1投稿日: 2023.11.17
powered by ブクログ高野さんの本は、自分の知らない土地に実際に行ったような感覚になれるところが魅力だと思う。それもただの取材というような表面的な滞在ではなく、高野さん自身が興味ある事をとことんやり尽くしているからこそ、ライブ感があるのだと思う。
2投稿日: 2023.10.30
powered by ブクログ読みやすく、そしてめちゃくちゃ面白い。 アヘンを一度吸ってからは、村を出るまでずっと吸っていて笑った。 高野さんの別の著作もすぐに読みたくなった。
2投稿日: 2023.09.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
おもしろすぎるな。正直政治的な背景とかは、複雑なことが多くてあまり頭に入らなかったし、人の名前が馴染まなすぎて困惑しながら読むところもあった。でも高野さんがジャーナリズム的な社会を変えたい、とか、そういう気持ちで潜入しているのではなく、ただ単に好奇心とか個人的な気持ちだけで飛び込んでるのがおもしろい。そういうところが伝わって村にも馴染んでいけたんだとおもう。結局アヘンにハマったりしちゃってるの非常に人間的で良いし、タイに悪気なくアヘンを持ち帰っちゃうのも完全に沼にハマってたのが表れていて面白い。極悪に思える地域でも結局そこには暮らしがあるだけなんだよね。 タイの山岳民族支援のNPOを見にいかせてもらった時に、ゴールデントライアングルになってるところ?を見たり、それこそアヘンに関するミュージアムに行ったりした。そのときこういう背景知ってれば良かったな
3投稿日: 2023.07.25
powered by ブクログアヘン生産国ワ州に潜入し、ケシの栽培から収穫までを追いかけるノンフィクション。 過程で自身もアヘンにハマり、アヘン中毒になる展開までを赤裸々に告白。 リアルすぎる生活や人間模様が、非常に面白く、紙数はまあまあ多いけどさっと読めてしまう。
1投稿日: 2023.05.21
powered by ブクログ世界にはこんな暮らしをしている人たちが本当にいるのか、とわくわくする気持ちになった。いかに自分の世界観が窮屈になっているのか思い起こされた作品
1投稿日: 2023.05.07
powered by ブクログノンフィクションでこんなおもろい作品作っちゃダメだよ。この世のフィクションが全て意味なくなっちゃうって。
1投稿日: 2023.03.28
powered by ブクログすごい話だな〜!麻薬を作ってる人は善良そのもので友情がちゃんと成立する。北朝鮮の人とかとも、当たり前だけど善良な人がほとんどなはずで、そういうことに気付かせてくれる。麻薬の何たるかも学べる良書!
1投稿日: 2022.11.23
powered by ブクログすごい本だった。 内容もさることながら、出版された後の社会的影響も高野さんの著作の中では群を抜いている。 日本語で出版される前に英訳版が出版され、それが回り回ってビルマ語版が出版されるまでになる。しかも、政府要人たっての要請で。 それだけ、本書の内容がディープで希少性があったということだ。 前半はいつもの感じで、飄々とした筆致によって現地の人々との面白おかしいやり取りが描かれる。が、後半は怒涛の展開。特に、ラスト数十頁は圧巻。体調不良から収穫したアヘンを吸引することになり、あっという間に中毒になっていく様や、平気でアヘンをリュックに入れたまま国境を越えてしまう様子に、高野さん言うところの「善悪の彼岸」へ足を踏み入れた人の頭の中を垣間見る思いだった。そして、アヘンビジネスを巡る国際的な動きの怪しさが、誇張されることなく淡々と暴き出されていく。ワ州がアヘン=ヘロイン生産のゴールデン・ランドたる背後に中国の存在があること、さらに、アヘン生産量を不自然なまでに誇張して喧伝することで麻薬取締の予算をせしめようとするアメリカの思惑。こうした諸々が、ワ州で素朴な暮らしを営む人々の姿とコントラストを成す。 「善悪の彼岸」には、当たり前の暮らしが存在し、そこに暮らす人々は「此岸」に暮らす我々と何ら変わりのない生活感情を抱いて暮らしている。彼らを「彼岸」の人間にし、色眼鏡をかけて眺めているのは、あくまでも「此岸」の都合に過ぎない。アヘンビジネスという闇の構造は、その他に数多ある様々な差別や貧困の構造と同じだと感じる。 これが書かれたのは90年代半ば。高野さんがミャンマーを出た後にアヘンビジネスには様々な動きがあったようだが、現在、民主化を巡るゴタゴタは悪化の一途を辿っている様子。が、それも所詮は大手メディアが伝えることに過ぎず、大手故の利害関係が背後で蠢いているはず。今、高野さんがミャンマーに入ることができたら、一体、何を見、何を描いてくれるのだろう?
8投稿日: 2022.06.23
powered by ブクログミャンマーのワ州における、アヘンにまつわるドキュメンタリー。いろんな国に潜入し、どっぷりその国にはまってみる…という高野秀行さんのバイタリティー、すごい!!Σ( ̄□ ̄;)
9投稿日: 2022.02.13
powered by ブクログアヘン王国=黄金の三角地帯=ブラックラグーンで武装メイドが米軍特殊部隊の紳士とハイなタンゴを踊った場所と理解だぞ弱虫ども♪ そんなクレイジージャーニーでも立入不能な悪の巣窟に単身潜入長期滞在した驚異のルポ。 なのに、驚くほどゆる〜く居着きのんびりマッタリな僻地生活を堪能し、地元軍閥司令官=麻薬マフィアのボスともなんとなくお話してる。 ボク等から見れば暗黒地帯の闇の奥な麻薬マフィアの支配地域でも、住民にとっては日常生活の場で、主要作物がケシの実=アヘンってだけで、やってる事は農業で、農民で村人って、世界観の転倒が心地よく染みる。 おそらくは唯一無二で、界隈では伝説的なルポルタージュなはずだが、緊張感がねぇ(^_^;)
1投稿日: 2021.12.05
powered by ブクログ現地ゲリラと共にゴールデントライアングルに潜入。 アヘンの種蒔きから収穫まで、現地の農民と共に生活し記した迫真のルポルタージュ。 2番煎じは今後もあり得ないであろう、唯一無二のルポルタージュ。 中国国境に近いその地は、生活も文化も中国の影響を受けている。日本という島国からは想像できない少数民族の歴史から、ケシの栽培に適した地域だからが魔の三角地帯が生まれた理由でなかった事を知った。 TV番組クレイジージャーニーに著者高野秀行が出演。本書が取り上げられました。
2投稿日: 2021.11.07
powered by ブクログ登場人物の名前が似ていて覚えにくく、ところどころ誰か分からないまま読んだが、とても充実した内容だった。 アヘンべったりの内容かと思っていたが、住民との関わりや情勢などそれ以外のことも多く書かれていて、実際ムイレ村に住んでいる人々もアヘンべったりの生活ではないのだなと思った。 著者自身もうワ州に入ることが出来なさそうだけど、村の人々がどうなっているか気になる
1投稿日: 2021.10.14
powered by ブクログ麻薬アヘンを生産する地域、そこに悪人はおらず、控えめで純朴な方々が暮らしていたそう。 物事の理解には、教書による体系的・理論的な知識に加え、現場の肌感覚が必要と思うが、本書では、立ち入りが極めて困難な地域の現場感を立体的に伝えてくれる類稀な力作と感じました。 ミャンマーは山岳地域が多い。往来が困難なので、各地域ごとに孤立し独立しやすい。ミャンマーでは自治州民が人口の1/3ほどを占める。多数はビルマ民。 筆者が滞在した村は30人ほど。準共産制で村民は協力して暮らす。仕事をノルマ的でなく、個人の良心や村内の空気に従い、毎日仕事をしている。小学校のクラス掃除に近いと感じた。近代前の日本もこんな風だったのだろうか。 国や場所が変わっても、人の暮らしに大差はない。冗談で笑い、怠惰や怒りは敬遠され、お酒が好き。筆者は現地の言葉や食事を拒絶せず、進んで溶け込みに行っている。本当にすごい。
2投稿日: 2021.07.18
powered by ブクログ村人との別れのシーンは何故か感動した。体当たりのルポルタージュ。面白かった。 欲望の器はどんどん大きくなり、同じ刺激では満足できなくなる。 一方で筆者の摂取体験においては、欲望の器を小さくすることによって充足感を得た、とのことだった。
1投稿日: 2021.05.21
powered by ブクログ赤裸々な体験記で面白かった!このような生き方はわたしにはできないな〜と思いながら読んだ。アヘンを吸うとどうなるのか、アヘン中毒とはどのような状態なのか、体験談を読むことはなかなかないので興味深かった。もう今は失われてしまった姿であるというけれど、世界には私の知らない生き方をしている人たちがいるのだと改めて気づかせてくれる本。
2投稿日: 2021.05.19
powered by ブクログミャンマーの奥地にあるアヘンの生産地で実際にアヘンを栽培し、収穫した筆者によるドキュメンタリーで非常に興味深く面白かった。 心に残った部分を1つ。 人間の欲望は器のような物であり、満たされる度に欲望の器はどんどん大きくなっていく。 アヘンの効能はその欲望の器を小さくする事にある。器を小さくすれば、中身の不足は簡単に補える。ネガティブな「満足」だ。
1投稿日: 2021.04.05
powered by ブクログミャンマーの反政府勢力が支配するアヘン栽培地帯に入り、現地の少数民族と共にアヘンを栽培した日本人の体験談。 こういうと非常に危険でスリリングな印象だが、実際書かれているのは、寒村でアヘン栽培という農作業を行う素朴な人々との淡々とした生活だった。 現在この地域はアヘンにかわって覚醒剤密造がさかんらしいが、彼らの生活はどうなっているのだろう…農作業のように覚醒剤を作っているのだろうか。
1投稿日: 2021.04.03
powered by ブクログアヘン生産地に行き、そこで実際に半年以上も生活し、村人と一緒にアヘンを作り、そして実際にアヘンを吸って…この人しかできないし、それをこうやって活字にして世に出すのもこの人しかできないだろう。 「誰も行かないところに行き、誰もやらないことをやり、それをおもしろく書く」という高野さんの真骨頂だと思う。 他の作品(ソマリアランド)も読んだが、その体験の凄さと反比例して内容はその国・地域の日常やジョーク、下ネが多く含まれていて、ほっこりすることも多い。外から見て調べるルポではなく、実際に現地に溶け込むスタイルにしか書けない内容だと思う。
2投稿日: 2021.02.15
powered by ブクログ図らずもビルマ(ミャンマー)での軍部によるクーデターが発生したタイミングで読んでいた。(2021/2/4現在) 国際的な報道では、民主化or軍政の観点からの記事が主を占める中、背景にあるビルマの歴史や民族について知った上でそれらのニュースに触れる事が出来ているのはラッキーだったと思う。 本著に描かれた時期から時間も経ち、ワ州を取り巻く状況や、アヘンにまつわる実態も変わっていることも多いとは思うが、ビルマの民主化がいかに複雑なバランスで成り立っていたのか推察できたし、軍部の力が衰えない背景もこの本に描かれている現実が大きく関わっているのだろう。 高野秀行さんの体当たりルポ。 そこに行った人だけが語る事ができる、当事者たちの営みや不条理。 本物の情報だと思う。 表紙とタイトルのパンチが強すぎて、久しぶりにブックカバーをかけて読んだ笑
4投稿日: 2021.02.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ワ州という未開の地や政治的立場について詳細な分析がされていた。おそらくある種の真実なのでであろうが、個人取材の限界というか取材対象の問題か、多角性に乏しく、結論もよくわからない。 以前読んだ作者の冒険記もののほうが楽しく、筆者の性格にも合っているのじゃないかなと感じた。
1投稿日: 2020.11.24
powered by ブクログ親から聞いた昔の沖縄とそんなに変わらないのでは?と思いながら読んだ 村は先祖を敬う儒教のようだし、女性一人では生きるのに厳しいところとか、ケシ栽培がサトウキビ畑に変われば昔の沖縄なんだと思う ワ軍はアメリカ軍と考えたらさらにそうかも 世界地図のミャンマーの場所すらちゃんと知らないのに共通点があっておもしろい
5投稿日: 2020.10.09
powered by ブクログ未知が詰め込まれてる本。好奇心に誘われてどんどん読めてしまった。 アヘン栽培を生業とする辺境の国に長期滞在して実際にケシの種まきからアヘンの収穫までやってしまいました。という本。滞在の中での現地の人との交流や気づき、発見などなど。 地に足がついた、俯瞰ではなく現地目線でのレポート、ハードな現地の生活に溶け込む筆者の強さ、現地の人々と絆を育んだり、アヘン中毒になってしまった時に見せる人間臭さ。とても面白かった。
4投稿日: 2020.09.26
powered by ブクログタイトルの通りたしかにアヘン王国に入ります。 種まきから採取までやりたいという熱意をもってビルマへ行き、理想の村を探した結果ワ州の村に滞在することになります。 そこでの村人との関わりや、仲介者、軍部との関わりを通じて段々とワ州、ビルマを取り巻く軍事、政治、国交の状況が見えてきます。 またワ州の村での原始的で閉鎖的な生活や周辺の文化を日本と比較して新たな発見や気づきが見えてきます。 デジタルな生活、グローバルな社会に慣れた現代人が失った大切な何かも見つかるかもしれません。
2投稿日: 2020.08.23
powered by ブクログ1998年出版の本を文庫化したもの。高野さんは語学の天才だから、すぐ現地の言葉ができるようになる。そしてすぐ現地の人と友達になれる。頭が良くて文章が上手い。 これは比較的初期の著作なので、のちの著作よりちょっと文章が硬いが、若々しさを感じる。 それにしても、アヘンを栽培している地域で、現地の人の目線で考えたいと言っても、普通の日本人はこんなに長期に滞在はできない。他の本で書いていたが、毎日食べるモイックという、水加減適当に炊いた、菜っ葉(水が少ない地域なので洗わない)の入ったご飯が大変不味い、ということが最大のネック。普通の外国人なら、自分だけ持参した食糧を食べるところだろうが、高野さんは現地の人と同じ生活をすることが信条なので、この不味いモイックを毎日食べる。冠婚葬祭の時は肉が入るが、ほとんど丸ごと動物を投げ入れただけみたいで、普通のモイックよりもっと不味そうである。最後に出てきた、水を半分、牛の血を半分で炊いたモイックはことのほか不味そうで、ちょっと食べられそうにない。そんな食事を7ヶ月も。 しかし、現地の人は、これがご馳走様なんだから、不味くて食べられないなんてのが分かったら、とても仲間と認めてはくれないだろう。この食事とシラミ、風呂にも入れない(水が少ないから)生活を耐えられる日本人なんてそうはいないい。その上に現地語ができて、面白い文章が書ける、そんな人はさらにレアである。 まあ、正直、アヘン中毒はなりたくてなったみたいなところがあり、大丈夫か?とは思うが、大丈夫であって欲しい。 たくさんの少数民族がミャンマーの人口の3分の1、居住地域の半分を占めることはあまり知られておらず、というかこの本で知ったのだが(P229)、だとすればミャンマー政府のロヒンギャへの対応も、意外な事ではなく、もとからそういうこと(差別的扱い)を少数民族に対して行っていたということだろう。ノーベル賞を受賞したので、アウンサンスーチーは凄く人徳のある人のイメージだが、ビルマ人の民主化や地位向上には熱心だが、少数民族にも同じ権利を認めるかは別と考えているのかもしれない。 アヘンを作らなければ生きていけず、作っても軍に巻き上げられ収入にはほとんどならない。多くの人々が政府軍との争いで死んでいく。教育もなく、娯楽もなく、情報もなく、医療もないこういう村が今も世界にあり、それでも何らかの楽しみを見出しながら生活し、死んでいく人々がいる、ということを、時々思い出したいと思う。
3投稿日: 2020.08.03
powered by ブクログ「アヘンを種から育てて収穫したい」一心で入国難易度がベリーハードであろう当時ビルマのワ州に行ってしまった人のお話。写真のくだりとかは若干リアル異世界転生モノっぽい。 歴史や文化に詳しくない、またそこまで興味がない人間が読んでも読み物として面白い。 効力があるがゆえに使われ方が悪いだけで、それを育てている人やアヘン自体は悪いわけではないんだよな、という認識になった。 筆者のコミュ力と鋼の精神力には脱帽しかないが、しっかり筆者がアヘン中毒になっているところも期待を裏切らなくて?よい。
1投稿日: 2020.08.03
powered by ブクログ僻地への冒険を追体験しておくことで、異世界があるという自覚が芽生え、自分の経験からは何か分からないことに出会くわしたとしても臨機応変に対応できる強さを得られると思った。 自分自身のアフリカでの体験を思い出すシーンがいくつもあって面白かった
2投稿日: 2020.05.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1995年ミャンマーのワ州に滞在し、村人たちの仕事であるケシ栽培の種まきから収穫まで参加し、生産者の暮らしを間近で見て体験した7ヶ月のルポルタージュ。 ドラッグから連想される社会とは大きくかけ離れた、のどかで過酷な自然そのものの集落での暮らし。当然だが知らないことだらけで読み応えがあった。 村人たちはその後どうなったのか、大丈夫だろうかと心配してしまう。
0投稿日: 2020.04.26
powered by ブクログ勧められて読んだ、、、こういうの読むのは初めて。現実とは思えない非現実の小説を読んでるような感じ。アヘンやってみたい
1投稿日: 2020.04.10
powered by ブクログミャンマー国ワ州というアヘン栽培の拠点がいかにも古き良き村落共同体といった感じで大変興味深かった。ギャップがすごい。 辺境の村に分け入った著者が長期の滞在で村人に受け入れられていく様が愛おしい。 村人との素朴な交流の背後に時折垣間見えるワ州の政治的背景が、ラストで覆されるのはスリリング。そして著者のワ州との縁が切れてしまいワ州に入れなくなるのがとても切ない。村人たちとの涙の別れの後に書かれているために、落差にびびる。 アヘンを栽培する農家への密着という企画の趣旨からしておりこうさんなグローバルスタンダードへのアンチテーゼであることだなあ。
4投稿日: 2019.11.29
powered by ブクログ取材のため現地に住み込む高野さんの行動力には毎度驚かされる。だから内容も信頼できる。 アヘン中毒になるあたりが面白かった。アヘンを吸うため嘘を重ね、アレコレと画策するところがなんとも人間らしくニヤニヤしてしまう。 そして最後の大宴会、恩人の死、親友との涙の別れ… これは地上波では放送できない世界ウルルン滞在記。
2投稿日: 2019.04.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
現地に住んでアヘン作ってアヘン中毒になるという、もう最初から最後まで意味不明な体験記。人のやらないことをやるという、この人にしか歩めない人生を歩んでいる著者が羨ましい。
0投稿日: 2018.10.23
powered by ブクログ誰も行かないところに行き、誰もやらないことをやり、それをおもしろく書く。 と、文庫本あとがきに記されていたが、まさにそのとおりの本。
0投稿日: 2018.09.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
地理的な探検は、著者が探検をしだした頃には、あらかた済まされており、残っているのは落穂ひろい的な探検しかない情況であったが、それについても、メディア等が寄ってたかってはやしたて、本当に何も心踊るものがないような情況だったという。そんな中、外部の人間が滅多に足を踏み入れることのない、麻薬という世界には、まだ秘境と言うものが残されていると思ったのだ。そしてそれが著者の冒険の原動力となり、その未知の世界へ飛び込んでいく。 アヘン王国に潜入し、ケシの栽培が、現地の人は悪と思っておらず、それが生活のためだということで、栽培しているのだが、それを現地取材へ、というのが著者の目的だったと思う。ただ、その目的のため、現地に向った結果、どうだったのかが、あまり明確にされておらず、ただの現地生活の日記みたいになっているのが、少し、残念だ。 誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白く書く、というのが、著者のスタンスだという。確かに、身の危険を感じることは度々あったと思うし、誰も行かないところだと思うが、もう少し、人間的な、精神的な何かに踏み込んだ記述を多く欲しかった。申し訳ないが、これを読んだ後に、何も残らなかった。 あと、ワセダ三畳、ムベンベと続き、著者の3作目を読んでみたが、次はないな、というのが正直なところ。というのも、ムベンベの書評にも書いたが、著者の記述に残念な箇所が多いからだ。愛情が感じられない、人間的に、その表現はどうなのか、という箇所が随所にでてくるからだ。あと、アヘン中毒になるって、どうよ。話としては面白いのかもしれないけど、でも人間的にどうよ。 私が本を読むのは、それが自分では出来ない疑似体験を得られるからだが、それが自分自身の人間的な成長に結びつかないと意味が無いと思っている。著者の作品では、それが出来そうにないから、次はないかな~。
0投稿日: 2018.07.04
powered by ブクログ◆ミャンマー奥地の陸の孤島は、アヘン原料のケシ栽培の中核地。そこに単身、長期間乗り込んだ著者による世界的にも稀有な参与観察ルポ。隔絶社会の牧歌性と、ケシ栽培・ヘロイン販売のギャップに惑乱させられる◆ 2007年(底本1998年)刊行。 現在、現地潜入報告あるいは参与観察型ルポの雄と言えば、石井光太か著者くらいしか想起できないが、本書の舞台は、ミャンマー(ビルマ)山岳地帯、中国との国境沿いで、ケシ栽培のゴールデントライアングルの中核たるワ州。 ここはケシ栽培、つまり阿片、モルヒネ・ヘロインの原料の巨大生産地であり、ヘロインの密輸出国の核である他、かつては中国共産党に影響を受けたビルマ共産党の根拠(人民元が流通貨幣)。ビルマ政府(軍事政権)から自立している(反軍事政権ゲリラ解放区)地域だ。 そして、ワ人自体、ビルマの少数民族であり、同国の少数民族問題を体現している他、周辺の少数民族との抗争が絶えない地域でもある。 著者は、本書を執筆するにあたり、約半年に渡り、同地に滞在し、住民らと交歓し、生活をともにした。そこから見えてくるのは、戦争・内乱による寡婦の多さ、通信・交通途絶で他と隔絶した地域性。 あるいは、唯一の換金作物ケシの重要性と共に、ヘロイン栽培で私腹を肥やすワ軍幹部と大量の現物ケシを貢納させられる農民。 さらにはそんな農民間では、一見原始共産主義経済のように見えるものの、実は、阿片販売の時間的投機性に鋭い嗅覚を持った人々がいる等、一筋縄ではいかない模様に言葉もないところだ。 そんな現地で、著者はケシ栽培に参画(といっても草取りが殆ど)するだけでなく、収穫したケシから作ったアヘンを吸引し、吸引を止めた途端に禁断症状に見舞われるといった中毒状態にまで至ったというのは、流石に引く。 娑婆でアヘン塊を自慢した際の、それを見る周囲と自身の認識とのギャップに著者が驚いてしまう件も…。 もっとも本書の叙述内容を概括すると、日常生活、生活習慣、村内の人間関係や収入の源といったミクロから、かかる反政府ゲリラ集団が生まれた歴史的機縁、アヘン史といった分野にも及び、これまた余人になしうるものではないところ。 その他、ビルマとミャンマーの呼称の差。つまり、前者において、英国からの独立時、少数民族込みでの新規な国家像を反映させたとの指摘、軍事政権が行ったミャンマーという呼称変更に慌てて追随する無意味さに言及した件が印象的。 ところで、著者は少数民族側からビルマ情勢を見ていることから、国際社会、あるいは報道機関がビルマ問題を検討する視点を、ラングーン中心主義として批判的に見ている。 所謂ロヒンギャ難民問題になかなか理解が付いていかなかった(=私)のも、そのラングーン中心主義によるのだろう。あのアウン・サウン・スーチー(ビルマ独立の祖の娘)もまた、ラングーン中心主義を体現した存在でしかなく、少数民族問題と軍政批判とは次元を異にする(当然、スーチー女史下でもロヒンギャ問題は必然)旨の指摘には、感嘆する他はない。 さらに補足として、本書底本は彼方此方の出版社への持ち込み原稿で刊行を目指したが、良い顔はされず、草思社が拾ってくれて刊行に漕ぎつけたという。 刊行後も、邦文においては、書評に上ることなく、行間からも左程売れなかったと推察されるところだ。 しかしながら、英字出版後、海外では状況が激変する。すなわち、東南アジア系(香港・豪州を含む)の色々な媒体で「スクープ」「旅行記…政治学的史料としても…おすすめ」等と評された他、カリフォルニア麻薬管理協会の推薦図書になり、さらに、BBCやニューズ・ウィークの記者にも、本書及び著者が公知されるなど、彼我の差は歴然。 これはただ単に関心の違いで済まされるものではないような気がする。否、出版文化の層の厚薄を雄弁に語る挿話の気がしてならない。
0投稿日: 2018.05.18
powered by ブクログ最高に面白かった。ただの無計画突撃系ではなく、現地のレポートが生々しく書かれていて現地調査報告書だった。行きたいとは思わないが、読み応えがある本だった。
0投稿日: 2018.03.09
powered by ブクログAmazon Kindleで購入 高野本は放っておいても明日はくるだけ読んでいたが、これまでしまったなー、これから高野本いこう、どんどんいこう ちなみにこの前に異国トーキョー漂流記も呼んでこれがひきこまれ下準備になっていたな
0投稿日: 2018.02.05
powered by ブクログよく文化人類学の本棚に収められているが、もったいない!学問云々より、ふつうに読み物として面白いのに、といつも思う。この本も面白かった。特に淡々と高野さんがアヘン中毒になっていく様子。あと、ワ語のくだり。 「ワ語で、日本のことをホー・ローム(ホーは中国、ロームは水)つまり、水中国である。ワ語では、大陸の中国を「赤中国」、台湾を「白中国」と呼び、なんだか赤ワイン、白ワインみたいだな、「ロゼ中国」はないのかな。いや、近年、大陸は「赤い資本主義」と呼ばれているくらいだから「赤」というよりは「ロゼ」に近いのかもしれない…」(本文より) 何回読み返してもこの話面白い!
0投稿日: 2017.12.07
powered by ブクログほんとこういう辺境だとかゲリラだとかそういうの興味ないのにこんなにおもしろく書かれたら読んじゃうよね。
0投稿日: 2017.11.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
マラリアによる高熱、それを癒すためのアヘン吸引…作者さん想像以上に身体張ってます!笑 まるで、同じ時代の同じアジアの話とは思えないかとばかりでした。2017年現在この国はどんな感じに変わっているのでしょうか気になります。
0投稿日: 2017.11.01
powered by ブクログ民族問題が報道されている中で、ビルマのことをもっと知りたいと思い、この本を読んでみたのですが、高野さんが面白すぎます!後半のアヘン中毒には、やっぱりな…と。理由はどうであれ栽培したら試したくなるのが人間の性。ソマリア然り、地球上には想像を絶する地域があり、国が簡単には統治できないところもあるのだなと改めて考えさせられました。
0投稿日: 2017.10.26
powered by ブクログ信じられない。ミャンマーで仕事する身から見れば、1995年にビザなしで、ワ州に、アヘン栽培なんて、どう考えても不可能なことだ。しかし、筆者の文章からはそんなことを感じさせず、読み手をうまく引き込み、何ならアヘン栽培をやってみたいなんて気持ちにしてしまう。
1投稿日: 2017.10.25
powered by ブクログ高野秀行の代表作。ゴールデントライアングルの真っ只中の村で過ごし、芥子の栽培収穫からアヘン作りまでを行った記録。 ゴールデントライアングルの中の村の牧歌的なアヘン栽培の日々。
0投稿日: 2017.09.08
powered by ブクログ自動小銃を肩にしたワ人のカバーとは裏腹に、ゲリラや軍事色の薄いレポートなのだが、著者のサラリーマン・ジャーナリストとは一線を画した長期滞在レポートは説得力がある。そして阿片戦争やビルマ・ミャンマーの呼称に関する考察など、体験談にとどまらない筆致に好感を抱いた。ワ州という耳慣れない辺境の集落での暮らしが手に取るように伝わり、コンゴ(幻獣ムベンベを追え)でも罹患しなかったマラリアで死にはぐったり、実に濃い7か月だったろう。政治的に立ち入ることが困難なワ州になった著者の気持ちを思うと悲しみはひとしおだ。
0投稿日: 2017.08.24
powered by ブクログ「ゴールデントライアングル」と呼ばれる、アヘン生産の一大拠点に暮してみる、というルポ。 世の中には色々な世界がある・・・。 著者が滞在した地域の人々は、我々の考えている「世界」よりもずっと狭い「世界」で生きていて、全く違う常識のなかで生活している。 それでも、人間は生きていける。 著者自身がアヘン中毒に陥った話が書かれている。 貴重な話だが、(色々と)大丈夫だったんだろうか?
0投稿日: 2017.05.27
powered by ブクログビルマ、シャン州の奥地で、現地の人と共にアヘンを栽培した著者のルポ。 ワ州のことを「文明度は低いが文化度は決して低くない」(p361) と記していた。発展途上国は文化も発展していないと思われがちである。
0投稿日: 2016.11.22
powered by ブクログソマリランドの本を読んで以降、すっかり高野氏のファンとなった私は、第2弾として黄金のトライアングルを半年に渡って、現地取材というか、ケシの栽培をしてきたというドキュメンタリーの本書を選択。今回も高野氏の鋭い観察眼による体験記は、その文章のうまさと絡み合って、これまた大傑作でした。驚いたのは、書き終わった後に、どの出版社からも出版を断られたという逸話。こんなに興味深い題材に、どっぷり読者を浸らせるこのテクニシャンの著作が「なぜ」という感じです。まだまだ保守的ですね。
0投稿日: 2016.10.13
powered by ブクログゴールデン・トライアングルへ行き、ケシの種まきから栽培、収穫に至るまで現地に滞在し経験した高野さんの体験記。現地でケシの栽培をしている人々は貧しい農民で、栽培しているものがアヘンにならなければ、発展途上国での農業留学みたいだ。まだ3作した読んでないけど、高野さんの『誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それをおもしろく書く』というポリシーは素敵だ。マラリアにも、シラミにも、アヘン中毒にも負けず、今回も面白かったです。素晴らしい語学力と深い知識があるからこそできるんでしょうね。
0投稿日: 2016.09.10
powered by ブクログ20年前に高野氏がビルマ(ミャンマー)のアヘン生産の本場(変な言い方ですが)ワ州という辺境の地で数ヶ月アヘンを共に作りながら一緒に生活をするというありえない体験をした記録です。どの本も抜群に面白いですが、これは結構ハードで読み応え満点でした。村人たちと友人になり、諍いや喜び悲しみ分かち合い。そして自分がアヘン中毒になってしまうという体たらく。しかしそれがいい!この村はただ単にアヘンを作物として栽培しているだけなので基本的に気のいい農村部の人々でしかなく、次第に彼らが愛おしく思えてきます。高野氏でしか書けない貴重な一冊だと思います。
0投稿日: 2016.07.13
powered by ブクログ2016.4.5 アヘンと人は実は相互に依存しているという考察が面白かった。 ルポ。面白い。命懸けの潜伏期を800円で共感できるのは素晴らしい。
0投稿日: 2016.04.08世界的スクープといっていい探検記
驚き、まあいつも筆者はそうだが、の紀行文だ。 半年の潜入記となるとそうはチャレンジする作家はいないだろう。 そして常に辺境に住む人たちへの眼差しは 愛情に満ちている。
2投稿日: 2016.02.21
powered by ブクログ一面のケシ畑で自動小銃を抱えて白い歯をみせるワ州の男性3人。驚きなのはこれは小説の表紙絵ではなく、ノンフィクションでしかも写真であるということ!アヘンの産地に潜入し、現地の人と半年過ごし、種まきから収穫までして、アヘン中毒にもなっちゃう高野さん。高野さんの本はそれぞれ面白いし、どれが1番とも言い難いけど、やはりこれ。高野さんといえば『アヘン王国潜入記』でおなじみの、となるだろう。なってるのだろうか。なってほしい。なんで、こんなに面白い作家の本が知られてないんだろうという感じ。ミャンマーのニュースも世間を賑わせていることだし、ぜひに。さらには、解説が高野さんの先輩で、本年お亡くなりになられた船戸与一さん。思わぬ文体との再会に熱くなる。
2投稿日: 2015.11.22
powered by ブクログさすが高野秀行の本にハズレはない。笑わせるし考えさせる。ここまで体を張り、さらにそこに住む人々に共感して視点が同じくできる人はなかなかいないのでは。
0投稿日: 2015.11.15
powered by ブクログ図書館で予約して読んだのだが、偶然、時を同じくして、ミャンマー政権移譲約束とのニュースが報じられている。 ここで「偶然」というあたりが、私の国際感覚の貧しさを示しているのだが・・・。 今、この本に出てきた人達、その末裔たちは、どこでどのような暮らしをしているのだろうか。まるで、私たちのご先祖様のように、生きて、畑に出て、宴会を開いて、先祖に祈り、そして死んでいく、文明度は低いかもしれないけど、文化度は低くはない人達。
0投稿日: 2015.11.13微笑みの国ミャンマー
各地で出会うバックパッカーが口々に「ミャンマーはいい、絶対に行け」というので、航空券とビザを用意するついでに購入した本の中の一冊です。単行本、文庫本、電子書籍と合計三冊も購入したのですが、著者のミャンマー愛が伝わってきて何度でも読み返してしまいます。 他に買った本は軍事政権を批判する日本の学者、イギリスの研究者、亡命ミャンマー人なので、ミャンマーの魅力は全く伝えようという気がないのですが、この本は違います。他の本だけなら私のミャンマー旅行は疑心暗鬼に満ちていたでしょうが、実際のミャンマー人は恥ずかしがりだけど親切で笑顔の素敵な人達でした。 ありがとう、高野さん。
1投稿日: 2015.09.27
powered by ブクログアヘン栽培を生業とするミャンマーのワ州へ著者が赴き実際に村で生活してその実態を記した作品。最初はワ軍の事情や大量の人名のせいでなかなか読み進められなかったが、ムイレ村での生活を始めた辺りからぐいぐい高野節が炸裂して、村人とのエピソードなどは最高に面白かった。著者自身がアヘン中毒になってしまう所など笑いなくしては読めない…。 ミャンマーのアヘン事情についてほとんど知識がなかったためこの本を読んで多少なりともイメージが湧けた。
0投稿日: 2015.07.21
powered by ブクログ“読書”の醍醐味の一つである、「未知の世界を体感できる」点を見事に堪能できる一冊。 文字通り現場に溶け込んでの体験記は、気負いが無いだけに非常に読みやすく、まさに自分がその場にいるかのように身近に感じられました。
0投稿日: 2015.02.22
powered by ブクログ感想:ビルマのワ州に7ヶ月潜り込んでアヘンの生産について調査をした高野さんの本。誰もやったことがないことをやって書くっていうこの人のスタンスはやっばり面白い。 前に読んだ本から比べるとちょっと背景が難しかったり、登場人物が多かったりでわかりにくいところもあるけど、全く知らない世界を知れるのはこの人が書く本の魅力の一つ。
0投稿日: 2015.01.05
powered by ブクログ文庫版のあとがきでこの本のことを「「自分はあれを書いたのだ」と心の支えになるような仕事」、つまり「背骨」と呼ぶべき仕事だと自己評価する。「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それをおもしろおかしく書く」という著者の一貫したスタンスをハードに貫いたのが本書、ということだ。(この「背骨」とスタンスは後にさらなる傑作『ソマリランド』にも結実する) ミャンマーと中国・タイとの国境に位置するアヘン生産の「ゴールデントライアングル」に行って、現地の人と一緒にアヘン栽培を種まきから体験すること、それが著者の目的だ。ジャーナリスティックな意図も多少はあっただろうが、それよりもまずは誰もやらないこと、にとことんこだわる。そのためには滞在する村も可能な限り舞台となるワ州でもありふれた農村であることにこだわる。そして、その村の人間に徹底してとけ込む。あまりにもとけ込みすぎて、ほとんどアヘン中毒になるし、信州土産を東京に持って帰るくらいの気持ちでアヘンの塊をポケットに入れてタイに再入国したりする。面白くて、そしてぐっとくる。 村で滞在の対価というわけではないが、学校を開いて授業をする経験を通して、「学校」とはそもそもが「管理」であることを改めて発見し、文字を教える過程で標準語を「標準語」として教えるようになるところは社会学的観点からも面白い。 著者がワ州で過ごしたのは、1995年から1996年にかけて。その後にも状況は一変してワ軍の立場もまずいものになっていった。1997年に、TV制作クルーを連れて再入国をしようとするもできなかったという。著者が面倒を見てもらったワ軍のスポークスマンも暗殺された。日本統治からの解放、ビルマ共産党の支配からクーデターによる軍政への移行、小さな農村は、その流れから取り残されているように見えつつも、大きな流れに翻弄されている。 ミャンマーは長く続いた軍政のため、現在携帯普及率が10数%にとどまる。携帯最後の未開の地とも呼ばれている。著者でなくても今ゴールデントライアングルがどうなっているのか知りたくなる。
0投稿日: 2014.12.29
powered by ブクログ高野さんの著作の中で最も強烈なタイトルと表紙を持った代表作。アヘン製造の世界的中心地、ミャンマーはワ州の村での7ヶ月間の滞在記です。アヘン王国の実態やミャンマー反政府ゲリラの関係も面白いのですが、本書一番の読みどころは滞在したムイレ村の秘境っぷりでしょう。 以前、私がボリビアを旅行した際に、田舎に行くほどアスファルトがなくなり、携帯電波がなくなり、電気がなくなっていく様子にちょっと感動したのですが、ムイレ村の秘境っぷりは、ただ事ではないですね。 文字がない、学校がない、病院がない(呪い師はいる)、上水も下水もない、当然トイレも風呂もない、電気も電波もないからテレビもラジオもない、主食はあっても野菜がない(野草はある)、驚くべきことに炭もない。(これでもまだ、原始共産制ではないというのだから、ポルポトという人は本当にハードコアだぜ。。。) 著者はそんな村の中で、村人の結婚、葬式、喧嘩に立ち会い、喜怒哀楽を観察します。日本と違って超閉鎖的かつ、あっさり人が死ぬ社会なので、人類学者でなくても興味深い描写になっています。 タイトルに負けない、すごく面白い本で、実際にかなり有名な本です。この本が日本語で出版されたことを喜びましょう。
1投稿日: 2014.09.23
powered by ブクログミャンマーの北部、反政府ゲリラの支配区であるワ州。そんな地域のとある村で、著者が半年間村の人々と一緒にアヘンを作りながら生活するお話。 歴史や文化などについて人類学者かと思うくらいきちんと書いてあるので、勉強になるルポです。 そしてそこで起こる出来事がほんとうに奇抜で著者の書く文章も面白い!引き込まれます。 高野さんの勇気、行動力、頭の良さ、言語能力の高さ、人づきあいのうまさにびっくりです!尊敬!!
0投稿日: 2014.09.05
powered by ブクログミャンマー奥地のワ州で村人と共にくらし、アヘン栽培を手伝って最終的に自分がアヘン中毒になってしまう衝撃の潜入ルポです。世界は広い!そして辺境は面白く、深い世界です。TIMEでも紹介された傑作です。
0投稿日: 2014.09.03
powered by ブクログ筆者が阿片栽培して、しっかり中毒になるのが素敵です。 突飛で支離滅裂な潜入ルポに見えますが著者はあり得ないくらい真面目。知りたいものはしょうがないんだし、やりたいんだからしょうがない。 大仰な思想はなく、ジャーナリズム的な目的意識もない。ただ、知りたいという衝動。だから本書は告発でなく、現地の人たちのありのままの暮らしと、そのミクロな視点の徹底。そこからワの社会全体の仕組みを見ていく。それだけで、世界で最も困難な秘境に行く。だから読みやすい。名著になるのでしょう。 ワの宗教文化的にすごく面白いのが、死にそうな人に対して、こいつは死にたがっている、死んでしまえと叱咤して、逆に生きる気力を鼓舞する声かけ。
0投稿日: 2014.08.07異文化体験!
高野秀行の本の中でも、最も気合いの入った本でしょう。 少しちゃらいところはありますが、そういうところは読み飛ばせば、1級品の探検記です。 アヘンには興味のきょの字もありませんが、楽しめました。
1投稿日: 2014.05.27
powered by ブクログ著者の最高傑作ではないかと思う。正直云って、UMA物なんかは読んでいて面白いけれど、ただ面白いだけのものなのだが、本書はミャンマーのワ州の政治的状況とその実態を知るうえでの貴重な資料としても価値もあると思う。実際には様々な危険も伴ったと推測され、ルポルタージュとしての価値も高いと思う。
1投稿日: 2014.05.19
powered by ブクログ高野秀行2冊目。これまた面白い。気負わずFW、は研究者の端くれとしては目指したい姿である。 黄金三角地帯のど真ん中に入った外国人って、ほとんどいないのではないだろうか。そういった意味で貴重な資料でもある。しかも面白い。 題材がいいのもあるけど、語り口がいい。 いずれにせよ、ミャンマーにこんなアヘン産地があるとは知らなかった。今もあるのだろうか。
0投稿日: 2014.05.07
powered by ブクログルポとして秀逸。ただの読み物としても十分面白い。 アヘンが麻薬であることはもちろんだが、同時に農作物である事を理解した。
0投稿日: 2013.12.20
powered by ブクログ誰も行かないであろう土地に行くという発想が面白い。 あとがきを読んで時代は常に変化しているのだと感じた。 そういう意味でも価値のある取材であったと思う。
0投稿日: 2013.10.02
powered by ブクログ高野氏の著書は初めてだけど、面白かった。ミャンマーにあるケシ栽培ゴールデントライアングルに潜入したルポ。ミャンマーって複雑すぎて読んでもよくわからない部分はあったけど、興味が持てた。
0投稿日: 2013.09.27
powered by ブクログ高野秀行4冊目。 しばらく本が読めなかったけど、リハビリにはちょうどいい簡単さでした。 読みかけの本たちはもう少し待っててね。 この人が行く辺境にはだいたい世話焼きの優しい人がいるけど、 そうじゃない人々がいる場所で、文明は発展していくんだなぁと思う。 報酬を求めない、須く平等っていうのは、共産主義なのか。 商売以外では、その精神でいいのではと思うのだけど、何事も商売になり得るのだから、そうはいかないのがわたしの暮らす資本主義なんだなぁ。 いつかまた筆者がワ州に行って懐かしい人に会えたらいいなと思う。 ワ州の現在については気になるのでゆっくり調べてみよう。
1投稿日: 2013.09.03
powered by ブクログいつか別のレビューでも書いたが、探検物や旅行記など旅系の本が好きでよく読む。 旅系の本でも、いろいろな系統や分類に分けることができるが、高野秀行氏の作品はそんなカテゴライズさえ非常に難しい、強いて言えば辺境ジャーナリズム系、といったところだろうか。 本書の舞台は麻薬ヘロインの原料である、ケシの世界最大生産地ゴールデントライアングル。そのゴールデントラアングル地帯も3カ国にまたがっているのだが、中でもミャンマー国内の自治区である、ワ州への潜入取材を試みているのだ。 しかも取材といいながら、高野氏曰く「善悪の彼岸」に7ヶ月も滞在し、少数民族であるワ人たちと一緒に、ケシの種まきからアヘンの収穫までを行なっている。 ふつう旅系の本といえば街から街へ、または国境を越えての移動、そして行く先々での新しい出会い、なんかに興味を惹かれるものだ。 しかし、本書の場合ほぼ同じ村に長い間居座り、やっている事といえばケシ畑の草むしり、地元民との果てしない宴会、しまいには高野氏自身が軽くアヘン中毒になってしまうなど、失礼を承知で言わせてもらえればグータラの極みなのである。 まあ、でもそこが高野氏の魅力でもある。グータラと書いてしまったが、実は滞在中にアヘンからヘロインではなく、医療用モルヒネを作る事を思いつき、ワ州を統治しているワ州連合軍というゲリラの幹部に、「アヘン=モルヒネ化計画のすすめ」という提案書まで提出しているのだ。 もしこれが実現されていたらミャンマーの歴史、いや世界史は変わっていただろうと思う。 あとがきに書かれていたが、高野氏が帰国してからこの体験を原稿に起こし、出版各社へ持ち込んだ時の反応はあまり良いものではなかったそうだ。が、しかし国内での反応とは間逆で、海外ではかなりの反響を呼び、ある協会からは推薦図書に認定され、某誌のジャーナリストからは「古典になる」とまで賞賛されたようだ。まさに世界を舞台とする辺境ジャーナリストの面目躍如である。 最近は著者が滞在した1995年当時とは、ワ州を取り巻く環境も大きく変わり、ケシ栽培はほとんど行なわれておらず、同地域への立ち入りも難しいらしい。 決して肯定するワケではないが、現地で栽培を行なっていたワ人たちにとって、ケシはヘロインの原料という認識はなく、ただの農産物であり貴重な収入源だったのだ。そのことを考えると少し複雑な気持ちである、彼らにしてみれば彼岸も此岸も、遠い世界の話なのだ。 「文明度は低いが、文化度は決して低くない」という高野氏の言葉がとても印象に残った。 またいつか、高野氏があの村に訪れ、愉快な住民たちと再会できる日が来る事を心より願いたい。
0投稿日: 2013.08.07
powered by ブクログ古本で購入。 高野作品4冊目。これが読みたくてこの作家に手を出したんです。 東南アジアの麻薬遅滞「ゴールデントライアングル」。 その中心地ビルマ(作中に倣う)のワ州への潜入を記すルポルタージュ。 実際は「潜入」と言うか、「ホームステイ」に近い。 ワ州を実効支配する武装勢力ワ州連合軍(ワ軍)の保証の下、ケシ栽培を播種から収穫までやって来るってんだからすごい。 紆余曲折の果てに見つけ出した村で数ヶ月暮らす高野。 予想どおりと言うか何と言うか、滞在終盤でアヘンにハマって中毒者になってしまう。 アヘンのもたらす酩酊感や禁断症状時のつらさなど、「いったい何をルポしてるんだ」と思わんでもない。 症状自体は軽度だったらしく、潜入終了後にタイにいる間に抜けたそうな。 ケシ栽培とアヘン精製に対する是非、何ていう無駄な「正義感」を振り回さないのがいい。 高野が見た村でのアヘン栽培は「純粋な農業」に過ぎなかった。 それが村の人々の生活を支えているという事実を真正面から見据えてる。 あまりにもケシ栽培が普通のことすぎて、アヘンの小さな塊をタイに持ち出してワ軍との仲介者にこっぴどく叱られるほど。 思うに、この「潜入」の中で高野が一番危険な状況にあったのってこのときだな。 ゲリラでも何でもない、“普通の”農民による“普通の”農業。 そういうケシ栽培の風景と、日本の田舎にもいそうなおっさん・おばさんたちの人柄が妙にマッチしてる。 そこで起こるいろんな出来事も本当に普通。常に戦争と隣り合ってることを除けば。 高野自身が「自分の『背骨』と言える仕事がしたかった」というだけあって、これまで読んできた彼の作品にはない重さがある。 元の本が出版されたのがもう10年も前の98年。 この文庫版が出た約7ヶ月後に、ニュースにもなったが麻薬王クン・サ(高野の潜入後に政府に投降、財閥を築く)が死亡している。 ワ軍も(おそらくあまり良くない方に)変容している。 できることなら今のワ州をもう一度彼に歩いて見てもらいたい
0投稿日: 2013.07.27
powered by ブクログふと思いついて再読。私は高野作品ではどっちかというと「お笑い脱力系」のものが好きなのだが、探検系を好む人も多いだろう(もちろん後者にも十分脱力要素があるところが高野さんだけど)。話題の「ソマリランド」はその塩梅が絶妙なんだな、とこれを読んであらためて思ったのだった。 ところで、今日ブログを拝見したら、「ソマリランド」の思わぬ売れ行きと評判にとまどい、体調不良もそれが原因かとつづられていて、ちょっと笑ってしまった。いやいや高野さん、売れたからって体の具合が悪くならんでもよかろうに~。
0投稿日: 2013.04.30
powered by ブクログミャンマーに潜入して、アヘンを栽培してみました&中毒になりかけました本。天性の引きの良さや語学力等著者の凄さを挙げたらキリがないが、一番凄いのはやはり文章力だと思う。 おちゃらけた内容が多いのだが、どの本も共通して、読者を遠ざけるであろう紛争等の重い歴史の話が所々に入ってくる。だがこの人はそれをすんなりと読者に植え付けて行く。あくまでも軽くふわふわっとだ、だが決して表層的な話ではなく、深い本質まで抉っていく。実際にその土地を訪れ、実体験しているからこそ、巧く話を挿入出来るところもあるのかもしれないが、この能力は凄い。 完全に高野さんにはまっている自分がいる。。
0投稿日: 2013.03.04
powered by ブクログ著者の代表作。中国に接する山奥にある、ビルマのワ州の滞在記。当時この元人食い人種である少数民族のゲリラが支配する場所は、阿片の世界的産地であるゴールデン・トライアングルの一角だった。西側の人間が入ったことのない「国」で著者は七ヶ月生活した。これまで読んだ著者の本にしては笑いが少なめだ。未開の人々との生活の泣き笑いや阿片の種まきから収穫までを経験する著者の行動力に驚く。ついには阿片中毒にもなってしまう。阿片の効果の描写がある。話に聞いたことはあるがこれは日本では流行らないだろうと変な納得をした。
0投稿日: 2013.03.02
powered by ブクログ探検家とは こういう人のことを言うのだろう。 語学能力の吸収力がすごい。 それに、なんでも体験しようとするのが 著者のよさだ。 アヘンを取材して アヘン中毒者にまでなってしまうところが 真骨頂 というべきか。 (そこまでするか・・・というか。そこまでしたかったというべきか。 「ミイラ取りがミイラになる」という格言の実践者。 アヘンをとる花は ケシの花。 このアヘン王国潜入記は 1995年10月から1996年5月までの ビルマのワ州に 著者が滞在した ルポルタージュ である。 アヘンについて 現場で 実際に自分で作ってみて 考える 現場主義に徹していることが 大切なことなんですね。 高野秀行氏の潜入した ムイレ村の生活をみていると なにか 沖縄 を思い出した。 オトコはのんびりとして タバコを吸い 泡盛を飲み 三線をひいている。 女子たちが 畑仕事に精を出す・・。 作業の方法は 共同体的で 沖縄で言えば『ゆい』のようなあり方である。 17軒の家で 夫のいない家が多い。8軒が女子が戸主 戦争によるものが3人 病死によるものが3人。 9人の男子戸主のうち 7人が戦争経験者。 現在も5人が兵役についている。 平穏な村に 戦争の傷が かなり深くきざまれている・・・。 沖縄における 戦争の傷も深い・・・。 戦争によって心が癒されないヒトもいる。 農業自体は 高野秀行氏は焼き畑農業といっているが 2期作をしているようなので、焼き畑農業といえるのかな。 ケシは秋に種まきをして 春に収穫する。 土は 固くて十分に 耕されていないようだし 堆肥が入れられているわけでもない。 家には 豚が飼われていて 複合的である・・。 豚の糞を 畑に入れるということをしていないのだろうか? 『男が死ねば家が絶え 女が死ねば畑が絶える』というのが 貧しい農村の姿を現している。 ワ軍が ケシの収穫の20%をとるとしているが、 実際は 軍の幹部の個人的な裁量で 半分くらい収奪する。 ワ軍は 不安定なところに アヘンの収入によって・・・ 支えられている。幹部は それを背景に個人的な富を蓄積する。 しかし、あまりえらぶっていなくて 一般とヒトのような身なりをしている。
0投稿日: 2013.02.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1995年に、ミャンマー北部でアヘンをとるためのケシの生産が主産業の村で七ヶ月過ごした筆者のルポルタージュ。 日本では、麻薬としてアヘンの生産も使用も禁止されている。そのために、『アヘンを生産する村』というと、秘密厳守で人々が強制労働しているような蟹工船まがいのイメージが浮かぶかもしれない。だが、このルポを読めば、そのイメージはことごとく裏切られる。そこは一見すると、貧困の中にはあるものの、それなりに穏やかな農村である。 このルポを読むと、自分の常識の外にある世界が分かりやすく伝教えられる。また、なぜ村人がアヘンを作るのか(アヘン生産が当時の貴重な現金収入を得る手段であり、彼等にとって換金作物である点ではタバコやカカオと違いはないだろう)、軍と密接に関わるアヘン生産にまで想いを馳せれば、貧困や社会について改めて考えるきっかけとなりうる。 また、アヘンを実際に吸ってみて、気持ち良さを知って見事にアヘン中毒となってしまった様を詳細に書くなど、何よりエッセイとして読んでいて面白い。好奇心のままにどこまでもいく筆者の文は軽快で、読めば日頃の鬱蒼とした物思いが晴れたような清々しさを味わえる。 大変面白い内容だが、17年前のルポなので、現地の生産状況やアヘンを取り巻く世相がこの話と現在では大幅に違うことには注意が必要。
0投稿日: 2013.01.23
