
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
青春に魅力があるとしたら、その魅力の秘密は、なんでもできるというところにではなく、なんでもできると思えるというところにあるのかもしれません。持てる力を、他に使いようがないまま無駄遣いしてしまう、そこにこそ青春の魅力が潜んでいるのかもしれません。だれもが自分のことを浪費家だと本気で思いこみ、「ああ、時間を無駄につぶさなかったら、どれほどすごいことができただろう!」と本気で考える、そこにこそ潜んでいるのかもしれません。
0投稿日: 2025.10.31
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主人公の別荘の隣に越してきた貧しい公爵夫人一家の娘のジナイーダに一目惚れし、失恋する物語。 ジナイーダの周りには常に男がおり、常連として軍人、伯爵、医者、詩人を侍らせ、夜毎にくだらないどんちゃん騒ぎをしていた。主人公もその常連に加わるのだが、次第にジナイーダが恋をしている人物がいることに気付く。その相手が自分の父であることをひょんなことから知り、理解できないながらも本当の恋や愛に触れたように思う。でも、それが元で父は身を滅ぼし、ジナイーダにもすれ違いから再会せずに相手の死を知る。知らぬ老婆を看取りながら物語は幕を閉じる。 個々の描写が素晴らしく、心情に沿った自然描写や瑞々しい初恋の機微を映す心理描写が好きだった。特に、自然描写では、「そういうときは、自室に引きこもるか、庭のつきあたりまで行って廃墟になっている温室によじのぼるかしました。石造りの高い温室の一部が壊れずに残っていたのです。道に面しているほうの壁に足をぶらさげてすわり、何時間もそのまま何も目に入らず、ただただぼんやりしていたものです。そばでは、埃をかぶったイラクサの上をモンシロチョウが数匹けだるそうに飛び、威勢のいいスズメが壊れかけた赤レンガにとまって、いらだたしげにチュンチュン鳴きながら尾をいっぱいに広げ、体をあっちに向けたりこっちに向けたりしています。相変わらず疑り深いカラスは、はるか高く、葉の落ちた白樺の梢にとまって、ときどきカアカア鳴きかわしています。白樺の枝はまばらで、そのあいだを太陽と風が静かにたわむれ、ときおり聞こえてくるドンスコイ修道院の鐘の音は穏やかでわびしげでした。じっとすわったきり、眺めるともなくぼんやり前を見て耳をすましていると、なんとも言いようのない気持ちがこみあげてきました。悲しみも、喜びも、未来への予感も、希望も、生に対する恐怖も、すべて含んでいるような気持ちです。(中略)この複雑な気持ちをたった一言であらわそうとしたかもしれません──「ジナイーダ」という一言で。」というシーンが好きだった。心理描写では「『ジュリアス・シーザーは武芸に秀でていた』という箇所をつづけざまに十回も読んだのにまったく理解できない」というシーンが好きだった。 シンプルな筋立てでありながら、人物の関係性や立場が細かい構造のシンメトリーや皮肉めいていたものになっていることを、解説を読んで知り舌を巻いた。この物語が時代を超えて残っていることにも納得感があった。 あまり欠点らしいものはなかったが、私にはそこまで刺さる物語ではなかったため、4.4。
11投稿日: 2025.10.10
powered by ブクログ海外古典文学は敷居が高いイメージがあったが、サクサク読めた。 源氏物語然り、恋愛というのはいつの時代も万国共通変わらないものなんだと改めて勉強させられた。 ジョジョ好きなら是非読んでほしい!
0投稿日: 2025.05.12
powered by ブクログこんなませてて小悪魔な女の子おるかいな…と思いつつ、読んでる側も彼女に振り回されて魅了されてしまう。 翻訳の言葉の言い回しが慣れなかった。 女の子に振り回されるおっさん達を想像すると笑える。
1投稿日: 2024.09.02
powered by ブクログ語り口が好きでした。主人公の心情がうんうん分かる分かると痛々しくも分かってしまう。ヒロインが小悪魔的な美女で想像が膨らむ。弄ばれたい衝動に駆られる。読んですぐに再読したくなる。そんな作品でした!
2投稿日: 2023.12.13
powered by ブクログジナイーダが自分のタイプじゃなくて、主人公に全然共感出来なかった。 ただ好きな女の子を父親に寝盗られるって展開は、源氏物語みたいで面白かった。マイダーノフとかに取られるよりはマシなのかな?主人公もそんなに悔しくなかったって言ってたし。 全体的に綺麗で、特に最後の青春に関する一節は好きだった。 青春に魅力があるとしたら、その魅力の秘訣は、なんにでも出来ると言うとこやろではなく、なんでも出来ると思えるというところにあるのかもしれません。 自分はまだ大学生だけど、こんな感じの初恋してみたかったなあ。 あと主人公の厨二病全開妄想シーンも好き。 相手の男と戦闘をし、血まみれになる主人公。心配してるジナイーダに向かって、格好つけながら「何にも」と答える。
0投稿日: 2023.04.24
powered by ブクログ(Mixiより, 2009年) 16歳の少年が、隣に引っ越してきた年上の女性に恋をする、という、今となっては非常にベタなストーリーの作品。古典をとやかく言うのもあれだが、海外の小説を読んでてたまにあるのが、ラストに登場人物が死んでしまうことの不自然さ。日本語に訳してるからなのかもしれないが、その死があまりにも唐突で、あっさりしていて、 なんともいえない読後感になる(「車輪の下」しかり)。ただ死んでしまう、という描写だけで、ドラマチックに伝わっていたのでしょうか。「初恋」の共通認識を、存分に味わう事が出来る中盤は、瑞々しくて良い。
0投稿日: 2022.10.28
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5つ年上の女性ジナイーダに恋をしてしまった16歳ウラジミールの恋物語。私も読みながら、ジナイーダに弄ばれて、それでも心躍ってしまった。また、1番好きなシーンは、ウラジミールが父からザセーキン家のことを聞かれるシーン。父は、聞いているのか聞いていないのかよく分からないのに、絶妙なタイミングで話し手の気持ちを煽るような合いの手を入れてくる。それが目に浮かんで、ジナイーダとは別の意味で翻弄された。
0投稿日: 2022.09.06
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ここ数年で読んで古典の中で一番素晴らしいと思った。最後数ページの主人公の心境の吐露は感動的ですらあった。「初恋」というタイトルのイメージからくる清涼感、ほろ苦い思い出、とはよほどかけ離れた衝撃を受けた。 「青春に魅力があるとしたら、その魅力の秘密は、なんでもできるというところにではなく、なんでもできると思えるというところにあるのかもしれません。持てる力を、他に使いようがないまま無駄遣いしてしまう、そこにこそ青春の魅力が潜んでいるのかもしれません。だれもが自分のことを浪費家だと本気で思い込み、「ああ、時間をつぶさなかったら、どれほどすごいことができただろう!」と本気で考える、そこにこそ潜んでいるのかもしれません。」
0投稿日: 2022.06.11
powered by ブクログ冒頭から何か思い出すことがあり、話が分かってしまって読み進めたが、、、もしかして別訳(とすると岩波か)で昔読んだことあったかな。 でもはっきりと思い出せない。「父」に記憶が引っかかるけど、別の作品か?
0投稿日: 2022.04.22
powered by ブクログジナイーダはの行為は自己本位で気まぐれで、どうしようもない程に他者を求めているように感じた。容姿は美しくても、内面が正されていなければ、自己の破滅につながってしまう。主人公も哀れでならなかった。
0投稿日: 2022.02.22
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衝撃的な小説だった。 おじさん3人で初恋について語り合う、ノスタルジーを感じる設定。 主役であるウラジーミルの初恋相手ジナイーダは、美しく気品に溢れ、天真爛漫な女性。モテモテのジナイーダは、男達を魅力し、翻弄する。小悪魔、いや、悪魔的である。 ジナイーダに陶酔し、どんな要求でも喜んで叶える男達と、彼らを手のひらで転がし楽しんでいるジナイーダ。その奇妙な関係は、まるで見てはいけないものを見ているよう。 さらに奇妙なのは、ウラジーミルの父親である。 ジナイーダと密かに交際するのだ。奥さんは健在である。その上、ウラジーミルがジナイーダの虜なのは明白なのにも関わらず。 ジナイーダと父親は一目見た時から惹かれ合っていた。 ジナイーダを取り囲む男達が、1人、また1人と交際関係に気づく中、ウラジーミルただ1人が何も見えていない。 ジナイーダは誰かに恋をしているようだ、一体誰に恋をしているんだろう、と悩むばかり。 ウラジーミルがいつ父親の裏切りに気付くのか、ハラハラしながら読み進めた。こんな状況に追いやられる彼が可哀想で仕方がない。 小説の中で最も奇妙なシーンは、終盤に訪れる。 父親がジナイーダの白い腕を鞭で打ち、赤く晴れた腕にジナイーダがそっとキスをする。 それを見たウラジーミルは、「これが本当の恋なんだ!本当に愛しているなら、ぶたれても受け入れられるんだ!」と大興奮。この世の心理を発見したかのようだ。 わたしは思わず、え???いやいやいや、ちがうちがう。ただのDVやん。ウラジーミルよ、これ本当の愛ちゃうで。と本に向かって話しかけた。 しかしウラジーミルの勢いは止まらず、物語も濁流のように展開する。父親がジナイーダに裏切られショックで死亡。ジナイーダ、結婚相手との子どもを生み死亡。ウラジーミル、2人が安らかな気持ちでいられることを祈る。爽やかな雰囲気で物語が完結。 これが作者トゥルゲーネフの実際の経験だと言うのだから、ますます衝撃的。 事実は小説より奇なり。これはイギリスの詩人バイロンの名言だ。本小説「初恋」の中にバイロンの名が一度出てくる。トゥルゲーネフは、バイロンの名言を誰よりも噛みしめていたに違いない。 最後に、お気に入りの一文を紹介する。 「詩人や作家はたいていそうですが、マイダーノフもかなり冷たい人間でした。」 ジナイーダの取り巻きの1人、詩人マイダーノフの紹介文である。作家であるトゥルゲーネフが、詩人や作家は冷たい人間とこき下ろす言葉。眉間に深いシワを刻んだトゥルゲーネフによる、皮肉たっぷりのこの一文に、ユーモアと人間らしさを感じずにはいられない。
0投稿日: 2021.09.09
powered by ブクログ好きな曲の原典で気になった事がきっかけです。 主人公にとってのこの初恋は、あまりにも鮮烈である意味で大恋愛なものでした。 私は誰かを好きになった事がないので、自分を変えられてしまうような恋愛が羨ましいですが、当人からしてみればそんな生優しいものではないのでしょう。 寝ても覚めても頭から離れない、自分でも理解できない行動をとってしまったり、感情の制御ができなかったり……強制的に自分を変えられてしまう主人公の戸惑いや恐怖を、何度も目にしました。 初恋というタイトルではありますが、ロマンスというよりジナイーダが誰を恋い焦がれているかを見つけるミステリーのようで、先が気になりました。 お話自体が短い事もありさらっと読めた印象です。 この小説はトゥルゲーネフさんの半自伝だそうで、当たり前といえば当たり前なのですが、恋で頭がいっぱいになる気持ちはロシアでも同じなんだな、と思いました。 決してこのお話をなぞりたくはありませんが、自分を変えてしまうほどの恋を、自分もしてみたくなりました。
0投稿日: 2021.01.14
powered by ブクログんあ~結構好きだな~! 言い回しとか表現が好みだったんだけど、それは訳者さんのおかげかな? 初恋のエピソードとかは目新しいのではないし、特に惹かれるものはないけれど(雰囲気はとても好き)、最後の章が良かったなぁ。そう、改めて考えるとこれって年をとってから自分の初恋を振り返ってるんだけど、何で思い出して書いたんだろう...。まだ自分の初恋に終止符を打てていないのかなぁ。うーん、もうちょっと読み込みたい!し、ツルゲーネフの他の作品読んでみたいなぁ!
1投稿日: 2020.03.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ブクログのTLを見て、気になって読んだ本。ツルゲーネフは初めて。 最初は初々しさとかジタバタする主人公にニヤニヤしたりもしたけれど、だんだんと話が進んでいくうちに「どうしてそうなっちゃったんだ!」て絶望すらしてしまった。 ジナイーダは男たちを囲んで遊ばせて、まるで毒女だなとか正直思ったりしたけど、貧乏だけど曲がりなりにも貴族として生活がしたい、人をこき使うような令嬢になりたいと思ってああなったとしたら、拗らせすぎてるのかも……。まあ、あの母親なら、そんなふうに現実逃避もしたくなるのかな。 後半あたりから父親かなとは思ってたけど、そうであってほしくなかったなー。従僕とか言っておいて、父親の代わりとして考えてたとこもあって、それに嫌気がさしたりしたんじゃないかなー。。。それでも、ウラジーミルとの甘い記憶はどうかそのままの気持ちであってほしい。
1投稿日: 2020.03.10
powered by ブクログ2020.2.12 12 オーディオブックで聞く。良かった。もっと若い頃に読んでたら中々衝撃的だと思った。切ない。
0投稿日: 2020.02.13
powered by ブクログネジ読書会の課題本でした。16の初恋の甘く切なすぎるときめき。40になった主人公の人に読ませるための日記の形で綴られる。ネタバレしないで読んだ方がいいと、言われていたにもかかわらず、あらすじをつい読んでしまった。 初恋は、他のどの作品よりも作者自身に愛された幸福な小説であるという。彼の人生そのものであり身をもって体験したものだそう。 語り手ウラジーミル・ペトローヴィチの父と初恋相手21歳の、公爵令嬢ジナイーダがとりたてて美化されている。 人生は短くどうしようもなく人間は悲しく惨めで、美しいと思えた。 どういう立場であれ一瞬のときめきがあるから人は生きていけるのかも。 後ろのほうで、青春の魅力について語り手が語ってるのがほんとにそうだなぁと共感した。 以外引用。 青春に魅力があるとしたら、その魅力の秘密はなんでもできるというところにあるのかもしれません。持てる力を他に使いようのないまま無駄つかいしてしまう。そこにこそ青春の魅力が潜んでいるのかもしれません。だれもが自分のことを浪費家だと本気で思いこみ、『あぁ、時間を無駄につぶさなかったら、どれほどすごいことができただろう!』と本気でかんがえる、そこにこそ潜んでいるのかもしれません。
1投稿日: 2020.02.09
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ジナイーダが父に恋をしているとわかった時、嫉妬のあまり殺そうとしていたほどの激情に流されることなく引き返したのは、ウラジーミルも「父に相手にしてほしい」という一種の父への恋慕があったから?と思ってしまった。 ウラジーミルは、恋の甘さと苦しさをすごいはやさで経験して、成長してしまったのだなと。でもこういう変化って本当に一瞬で、唐突に起こる。自分の初恋を思い返してみても、その前と後でずいぶん変わったなと思う。そしてそういう境はいつも唐突。 とりまきを弄んでいるジナイーダに最初同じ女としてまったく好感が持てなかったが、ウラジーミル父に鞭で打たれた痕にキスをするシーンを読んで、「ジナイーダ、貴女も恋する女の子だよ…。」と同情してしまった。 ウラジーミルの主観的な描写でしか父のことは語られていないので何とも言えないけれど、女性はウラジーミル父みたいな人好きでしょ。こんな読み方をしていいのかわからないけれど、正直惹かれた。あとルーシンも…。
0投稿日: 2020.01.16
powered by ブクログ豊富な語彙を用いた表現ではないが、テンポよく、主人公が自らの心の内を偽りなく純粋に、私たちに語りかけてくれている感じがした。主人公の内面や行動の描写が適切かつ雄弁で、ありありと伝わってくる。 初恋の、どうしても陥ってしまう無限ループ的な感じ、高揚感、全能感、幸福感、絶望感、それらに振り回されに振り回される主人公。共感しつつも、子供だなぁって思って楽しく気楽に読めた。あの幸せは子供だからこそ存分に味わえるものであると思うし、特別で大切なものだと思う。その感情を抱かなくなったり、抱きそうになっても振り回されないようにと思ってブレーキをかけてしまうようになった自分を、大人になったのかなと思いつつも、心が老いたなぁと少し切なくなった。 主人公が恋している相手や主人公の父親をみて、魅力とは何か考え直そうと思った。人格者と、人間的に魅力的な人は違う。また、人間的に魅力的な人と、女性や男性として魅力的な人は違う。(登場人物と直接的な関係はないが)個人的にはそう思った。 印象に残った文 青春に魅力があるとしたら、その魅力の秘密は、なんでもできるというところにではなく、なんでもできると思えるというところにあるのかもしれない。
1投稿日: 2020.01.15
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世の中に「初恋」を題材にした作品は多いが、その多くが「純粋」「淡い」「儚い」といった形容詞で語ることができると思う。なので本作もそのような内容ではないかと勝手に想像していたのだが、一味違っていた。たしかに先に挙げたように表現することもできるかもしれないが、しかしそもそもからして、ウラジーミルとジナイーダの2人の関係性は歪んでいる。告白を受け入れてデートを重ねて、というわけではなく、あくまでも一方的で、ウラジーミルは最後まで弄ばれ続ける。しかし、シチュエーションはともかくとして、こういった非対称的な構造のほうがむしろリアリティを感じるし、かえって今日でもじゅうぶんに通用するような内容になっている。巻末解説によれば、じっさいに著者の経験が如実に反映されているようである。そして、結末もまた印象的。ふたたび冒頭の記述に戻るが、主人公の初恋が実らなかった理由として、相手と実父が繫がっていたからとなる作品は、いったいどれだけあるのだろうか。そういう意味では、この悲劇的で独特な結末こそがなによりも純粋で新しく、いつまでも陳腐さを感じさせない瑞瑞しいものであり、著者にそういう意図はなかっただろうが、こうした状態もまた「初恋」と呼べるかもしれない。
0投稿日: 2019.11.09
powered by ブクログ文章表現が巧みで、じっくり読んで場面を想像する楽しさを感じられた本でした。初恋の恋心の気もちをいろんな言葉で表していてすばらしかったです。ジナイーダが恋をしている相手がまさかの人で、小説後半は目を見開くほど衝撃的な場面が繰り広げられていました。
0投稿日: 2019.08.29
powered by ブクログ青年時代の大人の女性への憧れと失恋、その恋敵が衝撃的で、この時代ではかなりセンセーショナルな感じもします。 序章での老人3人が語るところと、それに繋がる最終章の終盤の、青春を振り返る切なき思いが響きます。 新約でとても読みやすいです。階級を露骨に描くところは時代を感じさせますね。
0投稿日: 2019.07.01
powered by ブクログ図書館本。読みやすそうと薄さから判断して借りたくらいなのでやすやすと期待を越えるトゥルゲーネフおじさんであった。 150年前のロシアが舞台なのに時代を超えて感じられる若さ。過剰に人を観察するところ(小説なので普通にナラティブの一環でもあると思いますが)、好きな人に一喜一憂させられるところとか、若いな。青いな。 「おとなの事情」に触れつつ、踏み込み過ぎないところが主人公の成長段階を感じさせてよかったなぁ。
0投稿日: 2019.01.18
powered by ブクログロシア文学って人間の内面に入り込んでいくことを得意としているイメージがあるので、積極的に読んでいきたいと思っている。 初恋っていうと、衝動ばかりが前に出てしまっておかしな言動をとってしまうような、くすぐったいものを想像する。この本も読みながら身悶えすることを期待して読んだ。 しかし、この作品は物語が進むほど精神的に追い込まれていくのでしんどかった。 けれど、こんなのも悪くはない。
0投稿日: 2018.08.29
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初恋とはこういうものだと思う。 ちょっとしたことで、動揺する。 そのせいで気付かないことも多い。 16歳故か、鈍感すぎるウラジーミルくん。 疑わしい材料は目の前にたくさんあったのになかなか気付かない! まだ気付かんか!…おばさんは何回もそう思いました。 そして、ジナイーダさん。 見た目は美しいのしょうが、それだけかと。この中から得られる情報からはとてもオススメできないわ。 ウラジーミルが理解した時、明石家サンタの鐘が鳴ったよ。
0投稿日: 2018.01.27
powered by ブクログこれはもう読んでみてくださいとしかいいようのないみずみずしい物語。 ウラジミールのジナイーダへの初恋と失恋の物語。 ウラジミール 16歳 ジナイーダ 21歳 ジナイーダの彼氏 40歳代。 年齢構成的にも申し分ない。 ウラジミールに勝ち目があるはずがないですね。 これも、いまぐらいの年になると、落ち着いて読めるなあ。
0投稿日: 2017.12.09
powered by ブクログ古い作品だと侮っていたことが大間違いだった。この時代の、さらに日本人ではない国の人々が初恋と言う様々な作家が描くことを試みた永遠のテーマをどのように描いているのかということに興味を持って読み始めた。しかしそこに文化的、時代的違いによって分断されるような異なりはなく、自分も全く似たようなことを考えたり行っていたりしたと恥ずかしい記憶を思い起こさせるような記述が多くあった。相手を好きと思うことをただ「好きだと感じた」などと記述するのではなく、その気持ちをどのような行動に置き換え消費しているのかを細かく記していたことが、その共通点を生む大きな由来だと考える。少年の恥ずかしい、しかし楽しいそして苦しい大切な相手を思う気持ちと行動は、当時の自分を見ているかのようでとても応援したくなった。その分その後に起こる悲劇を見たときは、半分ほどあらすじを見ていた時点で分かっていたものの、胸を貫かれる思いであった。さらに注目すべき点は、残り数ページ辺りで描かれるこの作者の青春の定義である。ただロマンスを描くのではなく、青春とは一体何なのかを描くことによって、物語の少年、そして読者が追体験したあの出来事は過ぎ去った人生におけるもっとも素晴らしい、そしてもう戻ることのできない過去の事であると認識できだのであった。同時に、人生におけるもっとも愚鈍になりしかし素晴らしい全能感を味わい行動に移す気力や体力のある青春時代とはなんてかないものなのかと哀しくなった。
0投稿日: 2017.07.02新訳で読んでみた
初めて読んだのは16でした。正に主人公と同じ年齢です、それだからジナイーダの言動やピョートルの台詞と振る舞いが理解できませんでした謎だらけで不思議なものでした。それでも要所要所で涙がこぼれました。今回、新しい女性の翻訳を見つけて即購入!あとがきに書かれていたように読んでみてその通りだと納得しました。翻訳家別に3冊持っていますが、沼野恭子訳が気に入りました。
0投稿日: 2016.09.05古典とは思えないみずみずしい一冊
初恋という題名のとおり、直球な内容でありながら、直球であるがゆえに古典を読むという肩ひじ張った気分なしに読むことができます。物語は、主人公のウラジーミルが、隣家に引っ越してきたジナイーダに一目惚れするところからはじまります。彼女を見かけた瞬間から、周りの風景が輝きだす始末。わかりやすいぞ、ウラジーミル少年(笑)。 ジナイーダの一挙手一投足というより存在そのものに、心を躍らせ、気をもみ、落ち込み、不安に駆られ、幸せの絶頂を味わい、時には絶望し・・と、さんざん振り回されなからも、この説明をつけられない気持ちに名前を付けるならばそれはジナイーダだ、とおっしゃるウラジーミル君。彼の気持ちに同調したならば、一気に読み終えてしまうはずです。 終盤の、鞭でぴしっと叩かれた跡にキスをするシーンなんかは、理屈を越えたものを感じて、いまでも背筋がぞくっとします。あー、私のこと好きならそこから飛び降りてごらんなさいと言われて、ほんとに飛び降りてしまうところも好きだなあ。ジナイーダもびっくりしたことでしょう(笑)。 もし、ウラジーミルが16歳でジナイーダが21歳と、歳の差がなければどうだっただろうと考えてしまったり。いろんな楽しみ方のできる、古典とは思えないみずみずしい一冊だと思います。新約も、ですます調と女性訳者ならではのやわらかさがあり、読みやすいです。
2投稿日: 2016.08.28
powered by ブクログ今読んでもなお古びないのは普遍的な人間の性を描いているからでしょうね。 ネットが発達しようが100年前と同じように恋に苦しむのです。って本当に最近は苦しむのか?苦しむのが面倒だから恋愛しないという話も聞くけど・・・ それにしても、42歳でこんな瑞々しくも身勝手な恋心を描けるトゥルゲーネフ、凄い! ロシア語には愛と恋は別の単語としてあるのだろうか?
1投稿日: 2016.03.12
powered by ブクログとんでもない話です。 10代半ばかな?今で言うと中学生かな?みたいな男の子が、20代前半くらいの女性に惚れちゃうわけです。 それでまあ、別段エッチなことがあるわけではなくて、精神的に振り回されたりもてあそばれたりするんですが。 実はその娘さんは、男の子のお父さんと不倫の関係でした。どっとはらい。 という話なんです。 それが、男の子目線から、実に繊細と言えば繊細に。 理屈抜きで、とにかくキレイなお姉さんにのぼせちゃってる。 もう、身もだえするほどに恥ずかしくて、自殺したいくらいみっともない。 そんな10代のアホな恋ごころが、恥ずかしくて恥ずかしくてもう、たまりません。 1860年に発表された小説です。 つまりこれ、江戸時代(笑)。すごいですねえ。 日本では、坂本竜馬とか新選組がうんぬんしてた時代ですよ。 そんな頃に書かれた小説が、今読んでも面白い。 19世紀の西欧の世の中が、貴族や王様という時代から、資本主義で経済でという時代へと変わっていく。 商品としての小説が生まれる。 この頃に書かれた小説は、21世紀の今も、読めるものだなあ、と。改めて。 語り口がやや時代めいていたり、全体が中年になった主人公の回想ということになっていたり、 そういう枠組みに関しては、無論の事19世紀ぽいなあとは思います。 それに、当然ながら物語の中の固有名詞とか習慣とかモラルとかで、「?」というところも、たまにあります。 光文社の古典新訳シリーズは、そういうつまづきの小石をなるたけ排除してくれている気がして、読み易い(と、僕は思います)。 こういう「思春期初恋、苦く終わりぬ」的な小説は山ほどあると思いますが、その原点みたいな小説。 オリジンに特有の、堂々たるその恥ずかしさ。素材剥き出し、ゴロンって、転がした感じの手ざわり。 止まらず読めちゃう面白さでした。
0投稿日: 2016.02.16
powered by ブクログ中編ということで、分量的に読みやすかったです。もちろん新訳ということで訳文も。なんというかキラキラしながら狂おしく、切ない余韻。楽しく読みました。
0投稿日: 2015.12.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公の初恋に関する回想をノートで綴る形式で描かれた作品。 お隣に引っ越してきた年上の令嬢ジナイーダに恋をした16歳のウラジミール。清く淡い気持ちから、徐々に嫉妬や憎しみといった感情を読みやすい文体で描かれている。 と同時に恋を知り愛を知り、少年が大人へと成長していく物語でもある。 古典的な恋愛話の割には、古くささをまったく感じなかった。 というのも、出てくる人物が一癖も二癖もあるものばかりだからだろうか。 また結末を考えると発売当時は、かなりセンセーショナルだったのではないだろうかとも思った。
0投稿日: 2015.11.30
powered by ブクログひさしぶりに読んださ。高校生以来だわ。 すごい読みやすくなっててびっくりした。 初恋って、すごい一方通行の恋。 お父さんの「人間に自由を与えてくれるもの~」のセリフ素敵よね。
0投稿日: 2015.05.13
powered by ブクログ読後、私より先に読み終えた父から「カルピスみたいな味やと思ったやろう、どぶろくやで。」と名言を頂いた。
4投稿日: 2015.01.04
powered by ブクログ(2006/10/5) 書店で新訳が出ているのを発見して,衝動的に買ってよんでみた. なんか,ドラマ「マイボスマイヒーロー」の中で主人公が読んでいて,気になったのだ. ドストエフスキーとか,いわゆる名作古典ものって実は僕あんまりよんでいません. 訳者に凄く依存するので,なんか結果的にちょっとストレートじゃない文章になるのが微妙で~. あと地理的,文化的,時代背景を共有できなくてわかんなかったり. 本作は,まさにタイトルそのまんまってかんじなんですが, 主人公が恋して夢中になってる描写がなかなかリアル.しかし,途中から相手の女の子が誰か別の人を好きになるんで「相手はだれだ??」って感じになるんですが,バレバレで,はっきりいって序盤でオチがわかってしまうという・・・. まあ,そのへんが古典たるゆえんなんでしょうか. 久しぶりに文学をよみました.
0投稿日: 2014.12.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
16歳の少年ウラジーミルは、年上の公爵令嬢ジナイーダに、一目で魅せられる。初めての恋にとまどいながらも、思いは燃え上がる。しかしある日、彼女が恋に落ちたことを知る。だが、いったい誰に?初恋の甘く切ないときめきが、主人公の回想で綴られる。作者自身がもっとも愛した傑作。 わりかしドロドロしているなぁと思う。 ロシア人名はなかなか頭に定着してこないのは自分だけだろうか。それでも恋心を抱く健気なウラジーミルを見ていると自分もこんなにも純粋に恋をしていた時があったのかなと自分を振り返ってしまう。 読んでいて懐かしく感じる感覚は自分自身とダブらせている所を探しているのかもしれない。 それでもジナイーダみたいな娘には恋をしないと思う。 ジナイーダは美しいは正義と当たり前に言ってのけてしまいそう。 話の展開が読めてしまった事には少々残念。
0投稿日: 2014.11.13
powered by ブクログロシア留学前、何か読んでおこうと手にとったのが本書。初恋だったらテーマ的に学生でもわかりやすいし、何より短い。苦笑 沼野先生の訳文にうっとり。
0投稿日: 2014.09.30
powered by ブクログにゃんく作『果てしなく暗い闇と黄金にかがやく満月の物語』、『プロトタイプ』の電子出版を記念しまして、どちらかの作品をご購入いただくと(どちらも150円)、最大で図書カード5000円分などがあたるかもしれないという、キャンペーンを現在実施しております! ○1等 図書カード(5000円分)……1名様 ○2等 図書カード(1000円分)……3名様 ○3等 図書カード(500円分)……10名様 応募者は9/15日現在、0名! いま応募すれば、当たる可能性大ですよ!(応募期限は2015年3月31日まで!) 手続きは簡単です! こちらのページをご覧ください! どちらの作品もおもしろいですよ! http://p.booklog.jp/users/nyanku ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 『プロトタイプ』より 2113年、早川那津子が老衰で亡くなった。その日から、未來雄はコアラ型のミニロボットのラウとともに、当局の追跡を逃れながら暮らしはじめる。 未來雄は自身の正体を周囲のにんげんに悟られてはならない。それは彼の破滅を意味する。 そしてはじめての恋。未來雄は愛する女性を捨て身でまもろうとする。しかし彼にはその体に、逃れようのない詛いのような刻印がきざまれているのだった……。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 『初恋』トゥルゲーネフ 侯爵令嬢ジナイーダ(21歳)の自由奔放なかわいらしさ。 十六歳の主人公ウラジーミルは、ジナイーダに首ったけ。彼女の命令なら4mの高さの塀からも飛び降ります(たとえ火のなか水のなか)。 しかしジナイーダは恋をしていた。そのお相手は……。 文章が詩的でうつくしく、名作といわれるのも頷けます。 …が、現代小説を読み慣れた読者からすると、物足りない感があるかもしれません。 古典文学のかおりに触れてみたいときに読む一冊でしょうか。
0投稿日: 2014.09.15
powered by ブクログ題名そのまま、甘酸っぱい初恋物語でした。こういうのを全力で面白いと思える人は、心が豊かなんでしょうね。私には正直ちょっと物足りなかったです。まあ、面白かったけど…、すごく綺麗で、瑞々しくて、心が洗われるような気がしました。
0投稿日: 2014.09.07
powered by ブクログ少年ウラジーミルは隣に引越してきた年上の美しい女性ジナイーダに恋心を抱く。しかし彼女は自身に好意を寄せる何人もの男たちを家に集めては、いいようにあしらい楽しんでいた。そんな彼女の型破りな言動に驚きつつもウラジーミルの想いは募る一方。しかし、ある日を境に彼女の様子が一変する。ツルゲーネフの半自伝的恋愛小説。 恋は盲目というように、好きという気持ちが湧いてしまうと許されない恋だとしても止まらない。辛くても苦しくても、会えるその一瞬に幸せを感じる。そんな切ない恋を経験する者と、目の当たりにする者。好きになった相手だからこそ、微妙な変化には良くも悪くも敏感に気付いてしまう苦さがよく描かれている。
0投稿日: 2014.07.15
powered by ブクログ貴女に恋をした日のことを、僕はずっと忘れない。 甘酸っぱい。まさに、初恋。宝塚で舞台するというから読んでみたけれど、なんというかもう恋するウラジーミルのトキメキがむずむずする。お父さんもかっこいいし。ジナイーダも、奔放で勝手ですが魅力的。 過去を振り返っている、という設定がまた憎い。これが現在進行形の話だったら、若造め! となりそうだけど、主人公と一緒に振り返るから、若い頃の甘美な思い出として、あの若かった頃は、と共感できる。
2投稿日: 2014.06.13
powered by ブクログ決してなにかこう小説的に優れているかと言われれば、そうでもないと思う。なにやら高尚らしい終わりかたも取ってつけたようだと思うし。 表現をうんぬんとかってより、筆がひとりでに滑ってるみたいな勢い、熱を感じられる。思えば冒頭の2人の紳士のためにノートに書きつづってるんだものなあ、律儀としか言いようがない。 隣に引っ越してきた侯爵夫人。その娘のジナイーダは医者だの詩人だの騎兵だのといった男の一大コレクションといったものを従えて、彼らと蓮っ葉な遊びに興じる。男たちは皆彼女に熱っぽい気持ちを抱いているが、この恋愛ゲームにおいて彼女は常に女王様なのだ。 16歳のウラジーミルも当然のように彼女に熱を上げるが、この「初恋」はまだ子供である彼にとっては甚だ高くつく…。 けど「初恋」とは誰にとっても常に高くつくものなのだ。たぶん。 ウラジミールにとってはこの蓮っ葉な女王様が、誰がために自己を犠牲にするような献身を持っていようとは夢にも思わない。 (初々しいウラジミールの心の動きといったら!) 彼女の意中の人は誰なのか…これは冒頭で既に予想がつく。だけでなく、それにより「この物語がどんな話なのか」という全体像もある程度つかめてしまう。たぶんもっとうまく隠せただろう。 でも逆にその「洗練されなさ」がいみじくもリアルっぽい。うん。どこにでもいるような紳士が昔の印象的な初恋物語をしている…そんな感じだ。 そしてやっぱりあの鞭を振るう場面。あれは頭のなかに残り続けるんだろうと思う。あの場面にまつわる数多の謎も、そのまま。 あれがウラジミールの子供時代の最後の光景になったんじゃなかろうか、と考えてみる。 うん、ビルディングロマンスとしても素敵だと思う。ウラジミールが大人になることで風景が変わっていく……特に、はじめ彼に嘲笑をなげかけたルージンが実はもっとも分別と思いやりを持った大人であることがわかるというような…あーうん、爽やかだな!
0投稿日: 2013.12.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本当に初恋は儚くて、切なくて脆いもの。 特にそれが望むべきものではないときには なおさらだと思います。 多感な時期に一人の年上の女性に恋をし 惚れてしまった一人の青年。 だけれども彼女の心理はなかなか 「見えない」 ようやくつながったように思えても 嫉妬ゆえにそれは遠回りになってしまう。 そして… 私は残念ながら このような恋をしたことはないです。 だけれども、多感な時期だからこその 心理描写は共感できるものがあります。
0投稿日: 2013.09.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初々しく揺れる感性。 抑えることのできない感情。 身が引き裂かれるような苦悩。 まさに《初恋》である。 16歳の少年ウラジーミルが 年上の公爵令嬢ジナイーダに抱いた若い恋心は、 トゥルゲーネフの豊かな感性によって巧みに描写されている。 しかし、『初恋』は、単に微笑ましいだけの物語ではない。 ジナイーダはウラジーミルの想いを知りながらも彼を弟のように扱い、 さらにはその父親と恋に落ちるという悲劇的展開をもたらす。 これは本来、 容易に表現することのできない悲劇だが、 その悲劇性を重篤に感じさせない文体には、 どこか甘美さすら漂っているように思える。 ここに一つの違和感が生じる。 ドストエフスキーは『悪霊』のなかで、 旧弊なる知識人の象徴として文士カルマジーノフを登場させ、 そのモデルをトゥルゲーネフとした。 つまり、トゥルゲーネフをある種の枠から出ることのできない、 旧態依然とした作家として批判したのである。 『初恋』を読む限りでは、 その論拠たるのはここにみられる透徹した甘美性、 そこへ留まってしまうことの停滞性にあるのではないかと思われる。 たとえ本作が悲劇だけに主軸を据えたものではないにしても、 悲劇は十二分に悲劇たりえてこそ、 それに関わるテーマをより屹立したものへと昇華させる。 ここにみる《初恋》は、 余りある悲劇性を抜きにした、 ロマンティシズム中心のストーリーとして 語ることのできるものではないだろう。 私個人がペシミストであることを差し引いても、 いささかの不満を拭い去ることは困難であるように思われる。
0投稿日: 2013.04.01
powered by ブクログ言文一致運動を語る上で、欠かせない人物、二葉亭に関する文章で、必ずツルゲーネフが出てくるので、読んでみました。 明治において、どのような感情が行き交っていたのか、理解が及びませんが…これを読んで、二葉亭四迷がキャアキャアしていたのかと思うと、少し微笑ましい。 文体だけで興奮していたわけではないだろう。 燃ゆる愛!切ない恋!
0投稿日: 2013.01.09
powered by ブクログ願わくは、そんな感情は二度と経験したくありませんが、でも、もし一生に一度も経験できないとしたら、それはそれで自分のことを不幸だと思うに違いありません。確かに。
0投稿日: 2012.08.03
powered by ブクログ報われなかった初恋を純化して美化して回想するというのは、男の性なのだとも思う。痛々しいが甘美な小説であった。
0投稿日: 2012.07.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
途中でジナイーダの想い人に気づいた。 話が始まる前の、「初恋なんてありませんでした」 「はなから第二の恋でした」が好き。
0投稿日: 2012.05.01
powered by ブクログ今年17冊目。初めてロシア文学を読んだ。まぁロシア文学的な要素がなんなのかわからないけどね。内容はまぁありそうな話っちゃ話。文体も特に気になるようなものはなかった。気になったのはあとがきと解説。すっごいほめちぎっていました。あとがきを読んでいて思ったのは、俺は文学としてではなくて小説として読んでいたので、感じ方や観点が違って当然か、ということです。まぁこの2つの種類をどのように分類しているかは僕自身なんとなくですがね。文学は学問っぽくて、小説って言うと娯楽っぽい。前者は何かを分析するけど、後者は、面白いかそうじゃないかっていうのが主眼。けどこの小説はまぁまぁ面白いです。ただ自分的には最後の30頁くらいはいらないかなって思いました。
0投稿日: 2012.02.17
powered by ブクログ初恋はその喜びも興奮も、不安も悲しみも全て美しい。優しい自然の描写も相まって、切ない気持ちを掻き立てる。主人公だけでなく、道ならぬ恋に悩む少女の痛みもよく伝わってくる。 伏線の張り方も巧い。
0投稿日: 2012.02.06
powered by ブクログ「それなのにジナイーダは、猫がネズミをなぶるように、私のことをもてあそぶのです。媚びるような素振りをして私を燃えあがらせ、とろけさせるかと思えば、急にすげなく突っぱねて自分に近づくことも顔を見ることもままならなくするのでした。」
0投稿日: 2011.12.18
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狂ってる。そう唾棄すべき恋だと決めつける人も多いだろう。それは多くの人間がまだ恋を知らないだけなのかもしれない。しかし、これが伝記小説家である作者の『初恋』なのだ!
0投稿日: 2011.11.01
powered by ブクログ主人公が、かなり偉大。精神的に著しく成長している。彼らが求めた愛は、共にいる生きた時間の中での恋で、かなり素直な恋だったかもしれない。父に向けられる少年の目がさみしい。
0投稿日: 2011.10.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
展開は予想通りでした。まあ冒頭の説明がきっちりしすぎてるあたり、意味深だわな。あとジナイーダの好みに当てはまる男がひとりしかいない(笑) まあ謎解きじゃないんでそれは置いておいて、恋の痛手を早くからプラス吸収している主人公は素直ですね。もっと頭でっかちな子だと、子ども扱いだとかやむにやまれぬ理由での失恋で自我をいためつけられてるように感じて、傷口が膿むような展開になりそう。私の読書方向がそっちに偏ってるからか、ちょっと不思議な感じがしました。 最初のキラキラ感はかなり好き。若者の心情描写が巧い文章は瑞々しくて、受容するのが楽しい。心にも(体表における五感のような)感覚器官があるとしたら、鈍ってたそいつを刺激して、少しの冷たさやら痛さや気持ちよさを敏感に拾えるようにしてくれるというか。自分がいかに普段にぶーく生きているかよくわかります(苦笑)
0投稿日: 2011.10.22
powered by ブクログとても読みやすく面白い。 主人公である少年ウラジーミルが、年上の公爵令嬢ジナイーダに恋をするが、単純に事は終わらない。ジナイーダに恋をしている男たちは何人もいたのである。ジナイーダの”お嬢様”的な振る舞いに弄ばれる男たちの姿は滑稽である一方で、理解できるものだった。 そして、複雑な人間関係の果てに主人公が恋とは何かという部分で成長していくのも、この作品の魅力の一つであろう。 また、小説に添えられた解説も面白い。多様な読み方が出来る一冊であると実感した。長い本ではないので、ぜひ一度自分で読んでみてほしい。 最後に気に入った一節を引用する。 「これこそ恋というものなんだ!だれかに打たれたら、それがだれであろうと、どんなに愛しい相手であろうと、頭にきて、我慢できないだろうと思っていたが、本当に相手を愛していれば、我慢できるんだ。それを僕は……僕は勘違いしていた」
0投稿日: 2011.10.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『初恋』/ツルゲーネフ/★★★☆☆/16歳の少年が21歳の女性に恋をする物語。初恋のほろにがさ、恋の辛さの叙述が非常にうまい(視点は16歳の主人公だが、女性の恋の辛さをも描いている)。特に片思いをしてる女の子が誰かに恋をしていると知った時の男の気持ちがめっちゃよくわかる!
0投稿日: 2011.08.13
powered by ブクログルーシンが好き とても好き 初恋をあの人に挫かれるとは不憫な。でもものすごいロマンを感じる…… とりあえずルーシンが好きです。
0投稿日: 2011.08.10
powered by ブクログ16歳の少年ウラジーミルは、年上の公爵令嬢ジナイーダに、一目で魅せられる。初めての恋にとまどいながらも、思いは燃え上がる。しかしある日、彼女が恋に落ちたことを知る。だが、いったい誰に?初恋の甘く切ないときめきが、主人公の回想で綴られる。作者自身がもっとも愛した傑作。 初恋さえまだな私には、共感なんてできなかったわけですが。 好きな人に思わせぶりな態度をされたら、調子に乗らないようにしなきゃと自制しつつも絶対に更に好きになってしまうし、その好きな人が自分の父と交際していたら間違いなくショックなのだろうと思います。ショック、なんて言葉で済むほど明瞭な感情かは分からないのですが。
0投稿日: 2011.05.08
powered by ブクログ少年の初恋の体験を平易な語り口で綴っていく。 内容は恋の経験がある者なら誰でも共感できるものになっており、ついつい主人公に感情移入してしまう。 物語は淡々と進んでいくが、意外な結末が待っている。
0投稿日: 2011.03.07
powered by ブクログ淡々と語り口で紡がれるある青年の初恋の物語。恋をしたときの舞い上がるような喜び、それと同時に感じる胸をしめつけられるような悩み、苦しみが丁寧に描写されています。この新訳は、古典特有のとっつきにくさをまったく感じさせません。作品のメッセージがすんなりと心に響いてきます。名作&名訳。
0投稿日: 2011.02.12
powered by ブクログ古典新訳文庫、とても読みやすいです。 他の作品にも手を出してみようかな。 恋の苦しさ、切なさ、楽しさがぐっときました。 憧れのあの人はこっちを見てくれない。そればかりか、 違う人ばかり見ている。 しかもそれが容姿端麗な父親となると、辛いだろうな。 辛くてもひどく甘い記憶となるのだから初恋とは不思議なものなのでしょう。 ジナイーダも苦しい気持ちを抱えていたはず。 妻子ある人と愛しあうこと、しかもその息子は自分を好いている。 鞭で打たれてもそこにキスするくらい好きなんて、相当だ。 恋と死はその気配を感じている間は怯え続けなければいけないけれど、 それが確かなものとなると安心できるもので、似ている。
0投稿日: 2011.01.25
powered by ブクログ古典だしカタイかな?と思いきや、凄く読みやすい。あっという間に読破できました。トゥルゲーネフにしては、社会状況の描写や主義理想もほとんど出てこないし。純粋に恋愛物語を楽しめる小説。 この小説は、まず中学高校時代に一度読んでおき、中年になって読み返すというのが、ベストな読み方ではなかろうか。大学生だと、もうこういう激情に駆られるような恋には縁遠くなるし、かといって愛情とは何ぞや という悟りもない微妙な状況だからなぁ。 内容に関してはとにかくもう、痛々しい初恋の心理が…「あなたしか見えない」的な盲目状態、誰の目にも明らかな熱情、あぁぁぁ痛い痛い痛いーーー読んでて自分の過去に重ねようものなら、もう、拷問だーーーー!! でもそういうふうに、夢中になれるっていうのが青春時代の強さなんだよね、っていうオチに泣いた。
0投稿日: 2011.01.23
powered by ブクログロシア文学って、とにかく話がながーいイメージがあったのだけど、これはさくっと読めるという意味でもおすすめ。 昔の恋(10代の時)の思い出を中年になってから振り返るというお話です。 主人公の少年のことも気になるけど、彼が好きになる女の子のことが気になる・・・ そんな小説です。主人公は少年だけど、女性のかたも感情移入できるのでは? これを読んでいたら、好きな相手に振り向いてもらえないもどかしさを感じました。。。
0投稿日: 2010.11.27
powered by ブクログ面白かった。著者の体験がかなり反映されてる、ということだったけれども、それが事実ならすさまじい。初恋の相手も、彼らを取り巻く人間関係も、どれをとっても、とりわけ16歳の少年にとっては壮絶だろうと思う。 全てが分かった後に冒頭部分を読むと、ウラジーミルが多感な時期に受けた衝撃の大きさが読み取れるような気がした。
0投稿日: 2010.10.09
powered by ブクログ主人公と同じ16歳のときに読んだ思い出の本。 当時は新潮文庫で読んでましたが、今回は新訳版で久々の再読。
0投稿日: 2010.08.01
powered by ブクログ旧訳版をよんだのだけれども 新訳版も読みたいと思う。。 いつの時代も初恋というものは 淡くせつないものなのだろうか・・・?
0投稿日: 2010.03.16
powered by ブクログ古典だから展開が相当最初の方でわかってしまうんだけど、でもとても読みやすかったし普通に面白かったなあ。散りばめられた社会風刺も良いです。「初恋」ならではの瑞々しさとか切なさとかは時代を超えて永遠ですね。
0投稿日: 2009.07.21
powered by ブクログhttp://coco6calcio.blog96.fc2.com/blog-entry-176.html
0投稿日: 2009.03.18
powered by ブクログ「初恋」という清廉な響きからはちょっと想像しない展開でしたが。でも、なんというか、トゥルゲーネフの若さへの憧憬のようなものが溢れている。彼が最後まで大事にしていた作品だというのがなんとなくわかるような気はする。個人的にはあんまり思い入れはできなかったけれども、もっと若い時に読んでいればまた違う感想を持ったかもしれない。(2008/Dec)
0投稿日: 2009.01.11
powered by ブクログ恋の描写はいきいきとしていて、良い。微笑ましい。 しかし展開は冒頭から想定内といった感じで、 ストーリーのうねりといった楽しみはあまり期待できない。
0投稿日: 2008.08.13
powered by ブクログツルゲーネフの代表作品。甘酸っぱさ100%です。すべての男性は少なくとも一度は同様の感情を得たと思いますね。
0投稿日: 2008.02.14
powered by ブクログ古典文学と身構えていたら大変読みやすかったです。訳者さんが良いんだね。しかし初恋の話にしてはひどすぎる結末。
0投稿日: 2006.12.24
powered by ブクログ新訳でより瑞々しく、読みやすくなった。気がしなくもない。かな? 新潮から出てるものとあまり差が分からなかったけど、何度読んでも良い話。鞭打ちのシーンとラスト、祈りのシーンは何度読んでも背中に振るえが走ります。乱痴気騒ぎの、しかしあの上品で生ぬるい空気もたまらない。
0投稿日: 2006.10.05
powered by ブクログ共感するかしないかよりも、作品の持つ空気を素直に感じてほしいです。主人公の感じた後ろめたさ、とまどいが、このうえなくまっすぐ描かれています。
0投稿日: 2006.09.23
