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占星術殺人事件 改訂完全版
占星術殺人事件 改訂完全版
島田荘司/講談社
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総合評価

365件)
3.8
83
151
97
15
5
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「読者への挑戦」と目次にあったので頑張って推理しながら読もう!と意気込んでいたのですが、冒頭の手記の時点で情報量が多すぎてギブアップしました。 手記が終わってからは二人の会話が主になり読みやすくはなったものの、途中で今どちらが喋っているのかがわからなくなってしまう始末。 それでも中だるみすることなくラストまでしっかり楽しむ事が出来ました。某お孫さんの事件簿の件は知っていたのですが、運良く失念していました。しかし420ページあたりで何故かふわっと思い出してしまい衝撃は薄れてしまいましたが、それでも面白かったです。

    0
    投稿日: 2022.02.16
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    これは面白い。 始まりは挫折しそうですが、それを越えたら一気読み間違いなしです。 ミステリーファン必読ですわ!

    2
    投稿日: 2022.02.12
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    とりあえず最初の手記さえ読み終われば、あとは一気に読めますので、あきらめないでください! 手記も後々いろんなことが隠されていたと思い知らされますが、苦手な人はじっくり読まず読みにくいところは読み飛ばすくらいの気持ちで読んでもいいのかなと思いました。(後でちゃんと御手洗先生が説明してくれます。) 謎が解けず狂ってしまいそうになっている御手洗先生に、最後の最後に最大のヒントを知らず知らずのうちに与えてしまう石岡くん。 最高のコンビでした! 2人のやりとりがクスッと笑えてトリック意外も非常に読み応えのある一冊でした。

    1
    投稿日: 2022.02.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    約一年ぶりに再読。自分がミステリにハマったきっかけの作品。 これを超えるトリックには未だ出会っていないし、古今東西未来永劫存在しないのではないだろうか。 文字通り死者が甦るのだ。これを”占星術のマジック”と呼ばず何と呼ぼう。 まさに唯一無二。これと似ているトリックといえばオマージュ作品の『六枚のとんかつ』ぐらいしかない。 今回再読して、まだ出会ってからあまり経っていない御手洗や石岡のやりとりを楽しんだのはもちろんなのだが、トリックに関しても細部まで色々工夫がされているなぁと感じた。 例えば埋める深さでも、隣同士は避けたり、白骨化していない状態で母親に見せるのは避けたりと様々な工夫がなされている。一枝の事件によってそのかなりの重労働が犯人の負担になっていないのも重要なポイントだろう。(この事件に関してもなぜか血痕が拭き取られた花瓶、犯された後になぜか整えられた着物など伏線がしっかり張られている) この作品に出会えて良かった、心からそう思える。世界中で読まれる日本が生んだ至宝が、もっともっと読まれることを願ってやまない。 紛れもなく、最高の推理小説である。

    6
    投稿日: 2022.02.03
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    今、2022年からすると40年も前にこの作品をつくりあげることがどれだけ困難であっただろうか。その一点だけでも評価に値する。

    0
    投稿日: 2022.01.30
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    叙述トリックやらなんやらは詳しくないので分からないが、正々堂々推理の材料は最初から配られており、読者への挑戦もある。40年経っても解かれない謎だけあって大胆かつ繊細なトリック。あらゆる推理の可能性、疑問点の解消が丁寧に行われており、圧倒的な読後感。御手洗と石岡のやり取りも小気味いい。

    6
    投稿日: 2022.01.27
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    「無限チョコレート」を思い出した。。 御手洗さんが謎が解けたらハイ終わり、ではなく、意外と思いやりのある人で魅力的だった。 2作目の斜め屋敷の犯罪も読んでみたい。

    2
    投稿日: 2022.01.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「もしかして、こういうトリックなんじゃ?」ってなんとなく察しがつき始めたところで盛大にミスリードを誘う偽ヒントが混ざり始めて、自分の最初の思いつきを否定しかけてたところで改めて「それ正解だったよ」って言われるような……そんな感じでした。 ぱっと見すごく重要そうなキーワードの半分くらいが伏線でもなんでもなくただのミスリード誘いのための目眩ましだったみたいなの、普段あんまり読まないからまんまと騙された! トリックをパクった金田一のほうは読んでないしドラマ版も全然記憶に残ってなかったんだけど…… このグロいトリックを土曜日21時のドラマで放映したの?マジで??

    6
    投稿日: 2022.01.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    探偵御手洗潔の魅力だけでなく占星術殺人事件のトリックがこの本の素晴らしさを物語っていると思います。 何故、平吉生存説が出ているのに、殺された娘6人の生存が、囁かれなかったのか。死体は6体ではなく5体という凄いトリックにより出来上がった迷宮入りしたミステリー。 お札の介して説明しているシーンを読んでもわかるようにこんなにも簡単で日常に潜んでいる不思議な事を事件と上手く関わらせたのは島田荘司さんの技量の賜物だと思います

    1
    投稿日: 2022.01.17
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    古典ミステリぐらいの認識で、手を出せていなかった御手洗潔シリーズを初めて読了 前半の手記部分がまだるっこしくて、あまり気が乗らずに読み進めていた 御手洗が出てきてからは、彼の捻くれた発言とかを楽しんでました。最近はロバート版やベネ版のホームズが出てきて印象づいている人も多い気がするするけども、当時は斬新な切り口でホームズを変人と言及していたりね 内容の途中で、「ここまでが出題編。さぁ、皆さんこの謎が解けるかな?by作者」みたいなページがあって、聞いたことはあるけども実物は初めて読んだ気がしてます。元祖なのかな? その頃には誰が犯人かは特定できたけど、登場人物名までは覚えきれなかったので家系図もどきを見直しました…… 生まれる前のミステリだからか、甘く見ていたところもあったけれども面白かったので他の作品も読んでみたいと思いました

    2
    投稿日: 2022.01.15
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    昔読んだ本の読み返しです。 結末を知っていても面白く読めました。 終盤の展開のスピード感は気持ち良くすらあります。 本格ミステリーにハマったきっかけとなる一冊なので思い入れも含めて五つ星です。

    2
    投稿日: 2022.01.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ストーリー3 キャラ2 トリック4 文体2 メイントリックを知ってしまっているのが痛い。盗作扱いされてるけど、あちらは当時存分に楽しめたので、個人的には感謝。 本書から入っていたら、序文でリタイアしていたかも。 せっかくの推理旅行でホームズ役&ワトソン役が別行動なのは意味があるのか?ワトソンの行程がお札ヒント以外完全無駄足なのが読めてしまい、経緯度の説明や第二の関係者グループの話と相まって、退屈に感じてしまった。 メイントリックは本当に凄いけど、感心したのは第二の殺人のシンプルトリック。簡単なのに思いつかなかったなあ。雪上の足跡の謎解きはあんまり。トリックは論理をこねくり回すタイプが苦手かもしれない。文体によるかな?(城平京とかは好きだし) ミステリ好きとしては必修な気がしていたので今回読めてよかった。

    0
    投稿日: 2022.01.10
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    最初の手記は読みにくいがそこを過ぎれば一気読み。トリックが多く一つの本にここまで詰め込んでいいの!?といった感想。 500ページもある本作を読ませる読みやすさはさすが。

    1
    投稿日: 2022.01.09
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    これは作者と読者の謎解き対決なのだろうか。 殺人をゲームの題材とする事に違和感を感じるが、書き手の上手さには驚かされる。 全ての情報が、とても丁寧に描写されている。そして、さあどうぞ推理して下さい、と言われる。 でも全く分からない。謎を解けない。作者の仕掛けにまんまとハマってしまう。 作者からしたら、してやったりなのだろうと思う。解けない悔しさは全く無い。ただ作者の凄さに脱帽する。

    0
    投稿日: 2021.12.31
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    なんて絵が浮かぶ描写だろう。 昭和、べた塗りの黒が多めの白黒漫画の怖い暗い世界に 浸っていたいときにまた戻ってこよう。

    0
    投稿日: 2021.12.23
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    事件結果や犯人は、最後、そうだったのかーと、謎解きされてスッキリして面白かったが、 途中が細かすぎて、読むのが萎えてしまった時があった。占星術が難しかった。

    0
    投稿日: 2021.12.12
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    序盤の文章がどうにも合わなくて、読み進まなかったのと、御手洗氏の鬱状態の描写に、これ必要??と読み飛ばしたい気持ちと戦いながら読んだ。 トリックは図があって、非常にわかりやすく理解できたな。 読み終えれば、海外の本格ミステリの読後感に近い。

    0
    投稿日: 2021.11.28
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    「新本格」が到来する嚆矢となった、いわばレジェンド的作品ということで、トリックやその発想、そして人物描写なども未だに色褪せない内容だった。 何より主人公で探偵(占星術師)・御手洗潔の”人間らしさ”に感動。 この本が発行されたのが80年代初頭ということにも驚いた。名作は廃れない。

    0
    投稿日: 2021.11.15
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    トリックが有名な島田荘司の代表作。 まぁなんとも序盤が読みにくすぎて挫折しそうになった。 トリックに関しては『おぉ!』とはなったが、完璧に理解は出来ていない、、。 とりあえず、昔の名作ミステリーを読めたので満足。

    0
    投稿日: 2021.11.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    3.7 設定もストーリーも面白い。初めて御手洗のシリーズを読んだけれど、若い探偵だからかなんだか好きになった。トリックを明かされたらスッキリする作品。

    0
    投稿日: 2021.11.08
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    あまりにも有名なのでとりあえず読んでみた。 昔の作品なので、最近の小説に比べると冗長に感じられる描写が多いと感じた。 会話のテンポが悪く、一人のターンが長いのもあり、読むのが疲れた。 トリックは面白かったし、なるほど!となったのだが、散々引っ張られた割にはという印象だった。 40年前の事件の謎を解くというストーリー上、緊張感が薄めだったのもマイナスポイント。

    0
    投稿日: 2021.10.04
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    序盤の手記は読みづらくてこの文体のまま謎解きだとしんどいなと思っていたら、その後、会話に入りすらすら読めるようになり、進めていると、ある人物の手紙から事態は急展開を迎える。 ここからは読み応えがあって本当に面白かった!! 後半になっても怪しい人物が多すぎて的を絞り切れないハラハラ感が続き、最後まで楽しめた作品でした。序盤の穴だらけな殺人計画の手記もしっかりと回収されているので、積読の人には是非とも最後まで読んでほしい作品です。

    2
    投稿日: 2021.10.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    正直トリックを知ったとき、「なんで気づけなかったんだ!?」とショックを受けたくらい。似たようなトリックは読んだことあるのに。この作品のすごいところはトリックが単純でも最初の手記でどうしようもなくミスリードされてしまうところ。だってアゾート見たいじゃん。 星座とかめっちゃメモったのにまじで意味なかった笑

    0
    投稿日: 2021.10.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初の数十頁はあれ?間違えて細木和子の本を買ってしまったのかな?と思うほど何を言ってるのか意味不明でした笑 さらに途中緯度軽度が何ちゃらという話も出てきましたが、正直読んでいるだけで多分理解はできてなかったと思います笑 そんなこともあり序盤は読むのにかなり苦労しましたが、2人が京都に行くあたりからはすらすらと読むことができました。 トリックも5つの死体を6つに偽装するというびっくりな結末でした。 このトリックは金田一の事件簿で似たようなのがあったような気がしました。(金田一の方が真似したんですかね?) 個人的に御手洗があまり好きになれなかったです。 どちらかと言うと石岡の方が好感持てました。

    1
    投稿日: 2021.09.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    終始御手洗と石岡のやりとりを楽しく読んでいた。 絶賛されていた肝心のトリックに関しては、読む前からハードルが上がりすぎたということもあって、そこまで感動はしなかった。ただ、ニセ札を生み出す方法は初めて知ったので、そこは興味深かった。 細部のトリック云々はさておき、四十数年前の事件を、現場の捜査もできず容疑者の話も聞けない現在に、頭を動かして解決を目指す話の構造が非常に面白かった。話の落とし所もとても良い。最後の時子の遺書にはグッとさせられた。 終盤、公園のベンチで御手洗が急に走り出して石岡が困惑する場面はかなり笑えた。

    0
    投稿日: 2021.09.07
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    お正月にトランプ遊びをしようとて、物置の遊び道具を放り込んであるダンボールを覗いたら、羽子板、かるた、オセロやチェス版に続いて、なつかしや「ルービック・キューブ」が出てきた。一時はやったよね。「カチャカチャ」ぐるぐる。頭が混乱、いらいらしたものだ。 そんな風になった、この「占星術殺人事件」。占星術というものを知らない私はまず最初の「梅沢平吉」さんの残した文章であっけにとられ、殺人の多さにもびっくり、目くらめいた。 でも、占星術師「御手洗潔」さんののんびりしたキャラクターと、友人のミステリー好き理詰めの「石岡和己」さんのコンビがほっとさせる、救われた。なるほど、名コンビ、デビュー作である。 しかも、ネタがばれるといけないのであまり多くはいえないが、一個ピンがはずれるとガラガラと動いていくなんてすごいトリック。 話は変わって、私はシャーロック・ホームズと松本清張を好み、暗記するほど読んだのにもう古くて誰も話題にしないのかい、と思って落ち込んでいたが、どうしてどうして登場するんだなーこの本に。やっぱり、ミステリー作者は読んでいるんだよ、と嬉しくなった。 清張の「東経百三十九度線」の驚きそのもだった感激が、御手洗さんの話に出て面白かったし、ホームズにいたってはものすごく揶揄して、それが笑ってしまった。 ホームズものではとても好きで傑作と私も思っていた「まだらの紐」をくさすこと、くさすこと。でもそれが的を射てるのよね。私も最近読み返して、何でこんなものあんなに有難がったのかしらと思ったものね。ネタバレになるから具体的にはいえないけどね、少年、少女だった頃に読んで今読むとねぇ~。 と、こんな具合に楽しく浸ったのであった。

    1
    投稿日: 2021.08.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    数々のミステリーに新本格ミステリとして作中に出てきたので読んだ。 火付け役とのことで、当時は革新的な内容だったのかもしれないが、自分の読解力の低さ、占星術という難しさが相まって理解が追いつかないまま読み進んだ。 後出しジャンケンのようで多少の狡さがあるかもしれないが何となく犯人の予想はついた。 トリックや動機についてはさっぱりだったが。 そのため驚きが少なく、名作と呼ばれる作品が自分の好みの1位にはならないのだと感じた。 ただし、自分の好きな作家たちがこぞって名作と評する点を鑑みて、おそらく自分の読解力、想像力の欠如があるのだと感じた。 御手洗と石岡のやりとりは読みやすく、面白い作品であったことは間違いない。 もっともっとミステリーを読み続け、忘れたころに再挑戦したいと思う。

    0
    投稿日: 2021.08.14
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    おどろおどろしい雰囲気と細かい設定が多く読みづらかった。が、そういった部分も含めてこの作品のトリックなんだと思う。ミステリー好きとして読んでおきたい作品。衝撃を受けました。 こんなの絶対解けない!と読んでるときは思ったけど、最後まで読むと私も頑張れば解けたかもーと悔しい気持ちでいっぱいです。解けないことはないから頑張れと励ましてくれる人が近くにいればよかった!

    0
    投稿日: 2021.08.13
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    前から気になっていた作品についに手を出してみました。たしかに最初の物語の根底となる部分の章は少し難しかったけど、そこからの事件の概要説明・解決へ向けての捜査・事件の真相解明はスラスラ読めました。 作者の方が謎解きに必要な要素は全て読書にも提示してくれている上で、「分かりそうだけど分からない」絶妙な難しさがモヤモヤを引き立て「早く真相を知ってスッキリしたい」という思いでページをひたすらにめくり続けました。 現在進行形の事件ではなく、すでに完結している事件の解明という点も新鮮でよかった。

    0
    投稿日: 2021.08.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すっかり御手洗シリーズのファンになった。 グロテスクな描写が多いが、キャラクターが楽しいので面白く読める。 死体のパズルトリックには仰天。 犯人の過去回想が切なかったです。

    1
    投稿日: 2021.07.10
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    新本格の旗手島田荘司の代表作。ここから続く「斜め屋敷の犯罪」「異邦の騎士」の3部作はとにかく素晴らしいと薦められて読む。 本格推理小説らしく、トリックを解くことに重点を置いた構成。読者にフェアに全ての手がかりが提示され、そしてお約束の謎解きへの挑戦状。古臭いけど懐かしい。昨今の人物重視、心情重視のミステリとは一線を画すレトロな作りにワクワクする。 だけど、冒頭からの占星術の詳細や、緯度、経度のくだりでなかなか難渋。図解がふんだんに含まれているのは改訂完全版ならではの親切さだけどそれでも十分苦労した。 肝心の犯人はなんとなくわかったものの、種明かしの部分で「そうか!」と全てがスッキリすることもなく終わる。 昔の事件ゆえ、科学捜査がどこまで進んでいたのかよくわからないが、血痕や体液、足跡などそんなやり方でバレない?的な疑問がつきまとう。やはり、時代が進みすぎたのかな〜。 残りの2作もしっかり読むけどね。

    0
    投稿日: 2021.07.03
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    ツイッターで「とにかく素晴らしいトリック」とおススメいただいて、それならば読んでみようと手にした本。 島田荘司というミステリ界の大御所の名前は存じていたものの、これまで一冊も読んだことがなかったのでこの機会に、と。 結果ーー ごめんなさい、私はダメでした。 本書はいわゆる<本格モノ>です。 そして、昔の私は知恵比べともいえるトリックがはられている本格モノが大好きでした。ちょっとでも目を見張るトリックがあると嬉々として読んだものです。 そのころの私なら楽しめたのかもしれません。 でも時代が変わってハードボイルドやクライムミステリなども幅広く読み始めると、人間を描けていないもの、人間の描写が薄っぺらいものは受け付けなくなっていきました。 本書では心に響くセリフや描写が私にとってはないに等しかったです。 それゆえ読むのが苦痛でした。 でも、まあ、それはそうなんですよね。 <本格モノ>なんだから、読む人たちの最大の関心事は「犯人はだれ」「トリックはどういうもの?」ということにあるわけです。 世間から大絶賛されているこのトリックが明かされる最後の大団円で読者が「どうだ、まいったか~」「まいりました~」となる瞬間のためだけに、この物語の中盤までのすべてがあるわけです。 だから犯人も殺される人たちも謎解きパズルの一片として配置されています。 そこには心に響くセリフや描写は必要ないのでしょう。 一応最後に犯人の独白手記があるんですが、うーん、これでは後付けが過ぎると感じてしまいました。 現在の私は、どうしてそういう犯罪に手を染めなくてはならなくなってしまったのか、その人間ドラマのほうに感じ入りたいと思っています。 たとえば『白夜行』では、どうしてあの二人はああいう生き方をせざるをえなかったのか、それがわかった最後では、守ってあげたい、いや、大人こそが守ってやらなくてはならなかったのに…と、それこそ心が震えて涙が止まりませんでした。 以上、あくまでも現在の私個人の観点から好き勝手なことを述べました。 お気を悪くされた方がいらっしゃいましたら、平にご容赦ください。 ただし、これだけは断言できますね。 本書は「日本の本格モノはこの作品からはじまった」的な位置づけの作品なので、本格モノ好きを自認している方は”必読”の一冊です。 この本を知らずして「自分は本格モノ好きだ」というのは、そうですねえ、「鬼滅の刃」を知らずして「私はアニメの大ファンだ」といっている感じでしょうか。 いえね、「鬼滅の刃」にあなたがどういう感想を持つかはどうでもいいんです。でもその分野の「大ファン」と公言するからには、個人の感想は置いておいて、これだけ世間の注目が高まった作品には目を通しておくのは筋なんじゃないかなあと思いますので…。 ただし、本書を読むおそらくほとんどの方がものすごい忍耐を要するのではないかと思われます。 事件解決には直接関係のない描写が延々とこれでもかと続くことや(それも物語のキャラクターを生かす方向に行けば読めるんですけど、本書ではそういう方向にいっていませんので)、また現在では回復すべき時代錯誤感のある作者自身の思想を登場人物に語らせたりと、とにかく冗長なのは否めないので。 まあ、私はそういう部分も全部ひっくるめて、この作品がこの時代の一つの金字塔、このジャンルを切り開いていった一つの形なんだと解釈しております。 ======データベース===== 密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。 彼の死後、六人の若い女性が行方不明となり肉体の一部を切り取られた姿で日本各地で発見される。 事件から四十数年、未だ解かれていない猟奇殺人のトリックとは!?  名探偵・御手洗潔を生んだ衝撃のデビュー作、完全版!  二〇一一年十一月刊行の週刊文春臨時増刊「東西ミステリーベスト一〇〇」では、日本部門第三位選出。

    0
    投稿日: 2021.06.11
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    シンプルな謎に様々なフィルターを複雑に重ね合わせたトリック。 本当に素晴らしい小説。 もっと早くに気付けていたな、と悔しくなりました。 登場人物の設定やキャラクターもそうですが、 とにかく素晴らしい設定と構成力。 最初の部分や、所々読むのが大変だと感じる部分もあるが、 そこを超えさえすれば、苦労しただけの感動があります。 読者に公平にヒントを出しながら、 ミスリードへ誘う巧妙さがまた秀逸。 堂々と読者へ挑戦するというくだりがあります。 未挑戦の方は是非。

    1
    投稿日: 2021.06.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なにも知らない状態で読めば、もっと楽しめた気がするのですが、この本のトリックを盗用した金田一少年の事件簿の話を若い頃に読んでしまっていたので、楽しみ半減になってしまった感が強いです; 金田一少年シリーズは好きだったのですが、ちょっと嫌いになりそうです… 現在発売されている金田一少年の本には、この本のトリックを使用している注意書きが書いてあるらしいのですが、自分は当時問題になる前にコミックで読んでしまっていました。 そして、盗用のことなど現在まで一切知らずに、おすすめのミステリー小説として紹介されたこの本を手にとったのです。 途中で「あれ?これ金田一に出てきた話に似てるな…?」と思い、悪い予感がしてネットで検索したところ、盗用のことを知りました…。 この本一番の驚きどころであるメイントリックがわかってしまったので、序盤も序盤で犯人が特定できてしまった。それが一番の問題でした。 中盤にて京都へ行ったりいろんな人に話を聞きに行く部分があります。 この部分で犯人とその犯行内容がすでにわかってしまっていると「あ、ここ関係ない。ミスリード部分だな」ってわかってしまって、自然と流し読みになってしまってました…。物語の大事な部分、捨てていい情報の区別がついてしまい、半分くらいの内容が冗長に見え、つまらなくなってしまったのです。 知らなければ、新しい情報に胸が踊り、考察を進め、でも行き詰まり…と楽しめたのでしょうが…。 初見で何も知らずに読めば、その冗長に感じた部分もあとからくる衝撃で吹き飛び、なんと自分が踊らされたことか!となったことでしょう。 そのため、★3評価になってしまいました。 金田一少年、ほんと恨みます…。

    0
    投稿日: 2021.06.08
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    読み応え抜群。本当にこれがデビュー作なの? 本格ミステリで、作者が読者に挑戦してくる描写があって面白い。 先ず冒頭から硬い文章で、これがこのまま続いたら読み続けられる自信がない!と思った辺りで探偵役が登場して一安心。 この探偵、御手洗潔のマイペースさと身勝手さが良い。ワトソン役の石岡君の空回りも良い。 事件が起こった時代設定が昔なので、今同じ事件が起こったら色々トリックが破綻しそうだけど、作者の着眼点はすごいよね。 正し、これ長いです。石岡君の奮闘シーン必要だったのかしら? 御手洗氏がホームズの悪口言うのも笑えた。多分著者は好きなんだろうな、ホームズシリーズ。 やっと叙述トリックを使ってない本格ミステリに出会えて嬉しい。

    1
    投稿日: 2021.06.02
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    密室で殺された画家の手記、処女の娘6人の身体のパーツをつなぎあわせて、完璧なアゾートを作る計画。手記通り、全国各地の鉱山に埋められていた遺体。40年越しの謎、未だ見つからないアゾート。脅迫により遺体を埋めに回った元警察官の手記を元に再調査。 40年多くの人が挑んでも解けなかったということ、当時の科学捜査のレベル、というのもトリックの一環なんですね。

    0
    投稿日: 2021.05.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初が意味不明で厨二病ワードばかりで????? 犯人候補も多いわりにエピソードが薄くて頭に残らず。そのわり後々名前が出てきて濃厚になってきて困る。 御手洗くんは失敗せず解く天才感が強いので、そんなワクワクしない。

    0
    投稿日: 2021.05.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    既に40年ほど前に発表された作品。初めて読んだが、古びていない。 その時代から、さらに40年ほど前が事件の舞台。御手洗と石岡は東京で起きた事件を解くため、京都に向かう。 犯人の登場は突然。これほど印象的なシーンはミステリーで珍しいのではないだろうか。 ラストは複雑な設定がシンプルに解き明かされる。

    0
    投稿日: 2021.05.08
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    過去の未解決事件を解決するために御手洗潔が調査に乗り出す話だけれども、最初の方は過去の事件の説明が長くてちょっと読むのに苦労した。 それが終わると会話文なども入り、読みやすくなったので良かった。 探偵役の御手洗のキャラが個性的で、ワトソン役の石岡とのコンビを見てると何となくポアロシリーズを思い出しちゃった。 この猟奇殺人犯は頭がおかしいか、あるいは何か暗示的な意味があるのか… そして事件から40年もの歳月が経ってから(しかも短時間で)解決するとかできるのかと、ドキドキして読んだ。 このトリックを考えたのは凄い。 また他の御手洗シリーズも読んでみたいな。

    9
    投稿日: 2021.05.04
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    御手洗シリーズの一作目。 出だしで不安になるが、石岡さんが登場してからは自分も推理に参加したような気分でページがどんどん進みます。

    3
    投稿日: 2021.04.30
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    衝撃の御手洗潔デビュー作。1人の画家が密室で殺された。遺書には6人の処女の肉体の一部を切り取り星座に合わせて人体を合成する…と。そして若い6人の女性が行方不明。独創的なプロローグ、息も付かせぬ見事な展開。詭弁だらけの御手洗の推理も楽しく納得できる。そして無駄のない文章。日本のミステリを代表する腕前につくづく感心する

    2
    投稿日: 2021.04.29
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    前半はなんだか説明くさい間延びした感じがして読みづらかったが物語が解決に向かうとテンポ良く読めて面白かった。 トリックは今となってはそれほどでもないが当時としては斬新だったのかなぁ。なによりも御手洗のキャラが良かった。 ただ最後の時子の手記は読んでいて切なかった。

    1
    投稿日: 2021.04.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    女性の遺体をつぎはぎして制作するアート作品"アゾート"や人形作りを趣味とするおじいさん等が怪奇なディティールが印象に残った。読者への挑戦には勝てなかったけど、1箇所だけ予想通りだったところがあってその作りも楽しい。あとがきで作者が子供の頃給食の時間にみんなに創作話を聞かせていたのが原風景で、デビュー作である本書はそれと地続きだとする話がとてもエモくてよかった。

    1
    投稿日: 2021.04.22
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    面白かった!!! 元々トリックも知らなかったので幸運でした。ただ一つの後悔は異邦の騎士を先に読んでしまったこと…。 占星術の神話めいた感じが厨二病ぽさもあるけど、嫌いじゃない、むしろ好きなので冒頭も順調に読めた。こんな狂人の連続殺人鬼を日本人で考えつく人がいるなんて…という一種の感動。 改訂版で加筆したみたいだけど、松本清張の作品や歴史上の出来事が引き合いに出されていて、作者の知識の広さ・深さを感じた。 あとがきに書いてあったことだけど、江戸川乱歩は多くの作家に影響を与えているんだなあ。 大昔、小学生の時に図書館で借りて読んだことがあるけど、内容も全然覚えてないし、今また読んでみたいと思う。

    1
    投稿日: 2021.04.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    トリックが素晴らしい。最初にこれを思いつくというのは並大抵のことではなかろう。 しかしながら、登場人物に魅力を感じられず、 また読者に対して謎解きに必要な要素は全て明らかになっているとしてあるものの 犯人の動機描写が随分と弱いように思え、いまいち納得できなかった。 実際の犯人による種明かしの部分でも、仲が良くないのに一緒に旅行してみたり 女一人で死体を移動させたり、それで母親が幸せになれると思ったり した理由がよくわからないと思ってしまう。 恐らく出版当時に読んでいれば楽しめていたのだろうと思うところは多かった。

    1
    投稿日: 2021.04.12
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    今でもとても有名なミステリー。やっと読了できた。なるほど!と唸るトリックだった。 いろいろヒントは出ていたのに、まったく見当がつかなかった…。 御手洗潔って面白いキャラだなぁ。 聞き取り捜査を、石岡君と一緒にしている気分になっていた。シリーズ1作目ということで引き続き読んでいきたい。【御手洗潔シリーズ①】

    0
    投稿日: 2021.03.08
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    エンバーミングしていない遺体を繋ぎ合わせても、すぐに変色と腐敗が進んでアゾートと呼ぶような神秘的一品にはならない。 と、いらない事を考えてしまいました。

    0
    投稿日: 2021.03.01
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    やっと読み終えた感じ。 情報が多くて、私の固い頭に入ってこない! 早く御手洗さん、ささっと解決して下さい。という気分になります。 しかし、トリックは全くわからなかった。ミステリなことは詳しくないけれど、きっとすごい作品に違いない!

    1
    投稿日: 2021.02.27
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    星籠の海が映画化された頃に買ったまま、積読になっていました。理由はメイントリックを既に他所で知っていたから・・・。 実際に読んでみると、流石にどのミステリーランキングにも上位に挙げられているだけあって、じんわりと余韻が残るような味わい深い作品でした。 トリックも本当に凄いとしか言えません。 だからこそトリックを知らずに読みたかった。 追いかけたい探偵がまた一人増えました。今更ながら御手洗潔シリーズに嵌まりそうです。 やっぱり自分には、昭和のミステリーは大好物ですね。

    11
    投稿日: 2021.02.22
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    【始】プロローグ これは私の知る限り、最も不思議な事件だ。 【終】 あなた様の今後のご活躍を、陰ながら、いつまでもいつまでもお祈り申し上げております。 四月十三日 金曜  時子 文章量も論理的考察も多かったので読み応えはかなりあったが、それ以上に事件も推理も複雑過ぎて前書いてあったことを忘れる。 あと途中のパートがすべて無駄だと判明するのが、嫌いじゃないけど好きじゃない。

    1
    投稿日: 2021.02.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    某少年探偵マンガでなんとなくのトリックを朧げに記憶してしまっていたために、謎解きの面白さは味わえなかったものの、このトリックを思いついた作者には唸らされるばかりである。 この話をきっかけに、御手洗潔という探偵の物語をさらに読んでみたくなった。

    1
    投稿日: 2021.02.02
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    鮮烈なトリック、これに尽きる。 この本以外にはありえない衝撃のトリック。 文体はやや難解、完全版で分量も多いですが、それを凌駕する鮮やかで美しいトリックは、生涯に一度は味わうべし。 新本格ミステリの新風を起こした、巨星的作品。

    0
    投稿日: 2020.12.10
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    余韻に浸る程の面白さでした! 本格ミステリで「読者への挑戦」があり、本を閉じ自作メモを見ながら考えたのですが、私には解けませんでした。。。 画家の梅沢平吉の手記から始まるのですが、自分は悪魔憑きで、理想の女(アゾート)を作るのが夢であるという。 自分の娘達を占星術で占い、理想の星座の身体の部位を寄せ集め、アゾートを作り出すという、エログロ要素満載の出だし。 事件は2・26事件と同時に起こったのですが、平吉本人が密室で殺害されてしまうというもの。 そこから終戦後40年もの間、謎が解明されず時効へ。 娘達の複雑な家庭環境、手記の内容、占星術の示す星座と運命、死体安置の軽度や緯度、狂人の思想の巧妙さ。 すごく面白かったです。

    18
    投稿日: 2020.12.07
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    ずっと読んでみたかった作品でしたが、やっと読むことができました。 皆さんが記載されているように序盤の読みづらさを乗り越えてしまうと、あとは犯人とトリックが気になってしまい、どんどん読み進めてしまいました。残念ながらトリックにも犯人にも全く気付かずでしたが…。 好みが分かれそうな印象はありますが、もう少し御手洗潔シリーズを読んでみたくなりました。

    1
    投稿日: 2020.11.24
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    たったひとつの単純なトリック。 気づいた瞬間が最高です。 京都旅行で渡月橋に行った時、感慨深くて暫く眺めていました。トリックとは関係ありませんが。 大事なのは、物事の本質を見ること、ですね。

    1
    投稿日: 2020.10.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    散々言われていることではあるが、展開も少なく陳述のような前半が読みづらく、3ページ読むごとに眠気が襲ってきて読破に時間がかかった。 刑事が事務所に乗り込んでくるところから急に読みやすくなり、すらすら読めた。 トリックはありそうでなかった、という感じ。 40年前、戦前の事件とした理由はこれに尽きるのだろうなと思った。 筆者の方がホームズが好きなことがすごく伝わる。

    1
    投稿日: 2020.10.16
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    久々に夢中で読んだミステリ。知らなかっけど、かなり有名な作品なのね。 最初は「黒死館かよ」と思うくらい次から次へと謎と手がかりが提供され、その後は「じゃあ解決してみて」という構成の流れは少々読みにくかった。なんせ情報が多すぎる。とはいえ、著者からの挑戦まで添えてあるのでは頭を悩ませないわけにはいかない、無い脳絞ってひたすら考えた。 かなり面白い作品だと感じた。(ミステリなら当然だけど)時代背景に留意する必要があるけど、手がかり・トリック・動機のパズルが最後に完成する手際はとても鮮やかだった。

    1
    投稿日: 2020.10.08
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    数年前に図書館で借りて 返却期限の手前で読み 最初の章で「なんだこりゃ!?」と ワケがわからなすぎて、そのまま期限が来たので返してしまった。 SNSで好きな本が「占星術殺人事件」 という方を見かけると「あの難解な文章をこの人達は読んだのか…」と尊敬してました。 あれから数年 目次も特に読まなかったので よくわかってなかったが、最初の章を「占星術にのめり込み女性を殺して、その部位を集めて完璧な人間を作ろうとした"狂人の手記"」として認識し… ようやく読むことができた。 (アレはまともに読んでたら頭がおかしくなる…) その狂人にまつわる四十年前の殺人事件の謎を解明しようと奮闘する話 ようやく、主人公の御手洗くんの登場 第一声で「手記」を読み終えた読者の気持ちを代弁してくれている。 四十年前の事件を追うため、解決したところで意味があるのか?という疑問を持ったまま進む。 「これはどうだろう」という予想は次のページくらいでどんどん却下されていく。 登場人物の一覧を紙に書いて、それぞれの状況を整理しないと追えない… (改訂版でようやく図が足されたらしい、これなかったらキツかったなぁ) 本作のワトソン役である 石岡くんの敬愛するシャーロック・ホームズを探偵として、ボッコボコにけなした後から話が動き出す。 上記の疑問も解決し、事件の真相を追わなければならなくなった御手洗達 どちらかというと男としてというか 「探偵」としての勝負に出て突っ走る そして暴走、疾走 鬱と躁のバランスの中で狂人の謎に、狂人が挑む。 ワトソンはホームズになろうとして独自の捜査を進める。 石岡くん疲れるだろうけどいい関係性だなぁ… ルールがあり、ヒントをすべて出した上での「読者への挑戦状」の ページは、少し震えました。 (全然わからなかったけど) 事件に絡む人々の「感情」の部分は、どうしても真相が解明してからになるだろうと、あえて気にせず読み「謎」を解く姿を追い続けました。 やはりこの手の本格推理小説は 「探偵」が「謎」に挑む姿を 一種のスポーツのように観戦するような感覚で読んでます。 「トリック(謎)」に重点がくるため、好き嫌いが分かれそうなジャンルですが… 「紅蓮館の殺人」以降どハマりしています。

    27
    投稿日: 2020.09.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんとなく犯人の目星はついていたところもあり、オチまでめちゃくちゃ長く、その間の思わせぶりな謎は全て飾りでなんの意味もなく疲れてしまいました…。

    1
    投稿日: 2020.05.30
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    初っ端の平吉の手記のところで心が折れそうになりましたが、そこを乗り越えると楽しく読めました。 御手洗潔のような変人タイプなキャラクターが好きというのもあります。 トリックも幸い、オマージュされた作品などに触れたことがなかったため既視感もを感じず、純粋にこの時代にこんなに練られたものを作り出したことが凄いなと思いました。 コミカルな描写もあり、御手洗が人様の家でコートを着たまま食事をしていて...というシーンがあるのですが、そこが個人的に面白かったです。

    2
    投稿日: 2020.05.23
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    密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。 彼の死後、六人の若い女性が行方不明となり肉体の一部を切り取られた姿で日本各地で発見される。 事件から四十数年、未だ解かれていない猟奇殺人のトリックとは!? (アマゾンより引用) いや、これ40年の間には誰かが絶対気づく。 絶対に気付く‼️

    0
    投稿日: 2020.05.11
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    出だし部分は本当に読み難い。難しいというより・・・ちょっとつまらない。でも、事件の真相に迫ってくるとだんだん面白くなってきてページをめくるスピードが上がってきます。御手洗さんシリーズですが、すべては理解しがたい内容で面白い部分とつまらない部分の差が激しいと感じました。

    8
    投稿日: 2020.04.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    40年前に日本中を騒がせた、女の体を繋げてアゾートを作るという未解決の猟奇殺人に挑む。 他の著者のミステリー小説でも触れられるほど有名なのでいつか読んでみたいと思っていてやっと読めた作品。 前半なかなか読み進まなかったけど、真相に近づく後半は面白かった! 切断遺体のトリックは金田一少年でも似たのがあったので予想はついてしまったけど(金田一少年がこれをモチーフにしたのかな?)発見の順番をも操作してしまう遺棄の仕方は本当にすごい。とにかく綿密なトリックですごく読みごたえがあった。 もっと早く読んでいればよかった…!

    5
    投稿日: 2020.03.08
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    最初読み辛か感じたけど、御手洗さんが出てきてからはすいすい読めた。経緯度の話は漢数字出てきすぎで頭こんがらがる。

    0
    投稿日: 2020.01.08
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    昔からタイトルは知っていたが読んだことなかった。読んでみたら凄く面白かった!時代を感じさせず、最後まで一気に読めた

    0
    投稿日: 2019.11.11
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    学生の時以来の再読。といっても当時読んだのは改訂完全版になる前の物だけれど。当時読んだ時はミステリ初心者なうえにネタバレも全く知らなかったので純粋な気持ちで読んで滅茶苦茶驚愕した覚えがある。思えば私にとって「ミステリとはこういう作品なのか!」という指標となった作品だった。再読した今でも犯人も動機もトリックも全て覚えていて我ながらビックリ。昔読んだ時は犯行の手口にばかり感心したけれど今ではその動機の方に興味を覚えるのは年を取ったからか。

    1
    投稿日: 2019.10.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ネタバレあり。 足跡のくだりや、誰の知り合いの誰を訪ねてとかがくどくて読みにくかった。。 この事件の肝は6死体のトリックだけど、私のような金田一少年世代からすると、これもしや六角館では?とはじめのほうから想像がついてしまう。 もうちょっとコンパクトにまとまってて会話もくどくなくスマートにすすむと読みやすい話なんだけどな。

    0
    投稿日: 2019.09.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分は、いわゆる「新本格」といわれるジャンルは好きではない。 つまり、以下はそういう人の感想w 前に読んだ、同じ著者の『暗闇坂の人喰いの木』は、スコットランド行以降明かされる新本格ファンタジー(?)な真相wはともかく、物語としては面白かったように思う。 石岡、御手洗はもちろん、レオナ(だっけ?)もキャラクターとして魅力的だったし。 何より、読者を物語に引き込む、謎、謎、謎…と出していく展開には、「新本格」が人気あるのはその奇抜なトリックもさりながら、作者のこういった読ませる努力があればこそなんだろうなーと感心させられた。 ただ、これはうーん……、かなぁ…w 確かに、そのアゾートなるものは何だったのか?という真相(わかりやすく慣用句で言うと、トリックw)には感心させられた。 とはいえ、お札のエピソードはない方がよかったような気がするかなぁ…。 自分はミステリー小説を、あくまで「物語」として楽しみたい方なんで。 読みながら、犯人はコイツかな?とか、真相はこういうことなんじゃないかなと“思う”ことはあっても、“考える(推理する)”ことはまずしない。 だから、犯人はわからなかったが、でも推理することを楽しむミステリー小説ファンだったら、お札のエピソードでアゾートの真相はもちろんのこと、スルっと犯人までわかっちゃわない?って思ったんだけど……!? それはともかく。 読んでいて、これはうーん…と最初に感じたのは、『暗闇坂の人喰いの木』であんなに魅力的だった石岡と御手洗に全然魅力を感じなかったことだった。 二人の会話がとにかくつまらない。 もっとも、(確か)40年くらい前の小説だから、会話のテンポやノリが微妙に異なるというのはあるのかもしれないが。 ただ、前半よりは後半の方がいいように感じたので、そう考えると、書いていて著者の筆がのってきたということなんじゃないだろうか? 読者というのは、読んだ小説を良いにしろ悪いにしろ、批評する側なので(逆に言えば作家は批評される側だと思うので)、ぶっちゃけ書いてしまうが、著者のような人気作家も最初はこんなたどたどしかったんだなーと、(失礼ながら)ちょっと驚いた。 というよりは、その後の成長(進化)ぶりを褒めたたえるべきなのだろう。 (ていうか、たどたどしいのはともかく、たどたどしいながらも自分の好きな要素でここまで書いた、その一念こそ、褒め称えるべきなのかもしれないw) さらにこれも本当にぶっちゃけちゃうけど、『暗闇坂の人喰いの木』を読んだ後、この著者は、ドラマは描けても、メロドラマが描けないのが難点だと思ったが、このデビュー作の時点ではまだドラマすら描けてないように思うw 著者や本格ミステリーファンからすると、この話の肝はアゾートの真相なのかもしれない。でも、物語としてミステリーを読む自分からすると、犯人が犯行を思い立った生い立ちこそが物語の肝なのだ。 いや、だからって、そこを話のメインにもってくるなんて言っているわけではない。それは、もちろんあくまで脇のエピソードだ。 ただ、自分としては、事件の根本であるその脇のエピソードがしっかり描かれることで、アゾートという読者をあっと言わせる真相の奇抜さが生きてくるように思うのだ。 ま、そこをあえて描かないのが、この著者の持ち味で。自分は、そこが合わないだけなのかもしれないがw というのも、自分が読んでいて一番楽しめたのが、石岡が京都の市電の駅で思い立って、一人であちこち行動する、あの場面だったからだw そんなわけで、★は『暗闇坂の人喰いの木』と同じ二つだが、自分の評価はそっちの方が全然上だ。 そうそう。 自分は長い小説が好きなこともあって、これを“長い”とは思わなかった。ただ、最初の(つまんない)密室の部分は省いて、物語の核心部であるアゾートの方だけにした方がスッキリ楽しめたように思った。 それはともかく、ファンの方に「つまんないなら読むな」と怒られちゃいそうだけど、『アトポス』は読んでみたい(笑)

    0
    投稿日: 2019.08.31
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    久しぶりにミステリー小説を読んだが、推理をしながらページをめくるのはとても刺激的で面白かった。 これからもミステリー小説を読んでいこうと思う。 しかし事件の種明かし自体はとても単純でなぜ読み進めていて気づかなかったのだろうと疑問に思うくらいだった。 内容も良くできていて、御手洗と石岡のキャラがよかった!

    0
    投稿日: 2019.07.31
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    金田一少年の事件簿が、この小説のトリックをパクったとネットで読んだので、どんな内容かの確認の気持ちもあって読んで見ました。 犯人の身の上が悲しすぎる。

    0
    投稿日: 2019.07.30
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    良く考えられたトリックと、端から端まで濃密なミステリーが楽しめる一作。 ただ一方で、読みやすい作品と言えないのも事実。

    0
    投稿日: 2019.07.25
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    手記でだいぶ心が折れそうだったけど、そこさえ超えれば最後までいける 確かに最初の部分ですべての情報が開示されてるんだけど恥ずかしながらまったく分からなかった 御手洗こいつなんなん…?てなるけど異邦の騎士を読んだ今となっては今日の御手洗躁鬱激しいな(笑) くらいで済ませられるね トリックは爽快で、凄く納得させられたし面白かった! 読むか悩む前に読め、とりあえず異邦の騎士まで読んでみよう、な、そうしよう。

    0
    投稿日: 2019.07.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    細かく書く必要もないだろう… 結局偽札の話が出るまではっきりとした犯人もトリックもわからなかったのが悔しいかなぁ…

    0
    投稿日: 2019.07.04
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    「手記」が長くてダレたけど、そこを過ぎれば一気読み。それにしても、このトリックをパクった「金田一少年の事件簿」酷くない?

    0
    投稿日: 2019.06.09
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     故人の私小説とも言える手記から、この作品は始まる。冒頭からの情報量で終始この調子かと身を構えたが、47ページ目に遂に我らが『御手洗潔』君の登場だ。正直、ほっとした。  私は『異邦の騎士 改訂完全版』が島田荘司作品の初体験であり、御手洗君と初めて出会ったのだ。『異邦の騎士』では影の主人公だと感じた御手洗君だが、島田氏のデビュー作から存在していたことを知る。  この作品は冒頭からロジカルかつ、挑戦的だ。実際に、読者は作者から二度三度と挑戦状を提示される。「すべての手がかりはあからさまなかたちで示される」と。しかし、私は最後まで解けなかった。だが、御手洗君はさすがだ。ただ平伏するしかない。  改訂完全版を出すにあたって書かれた作者のあとがきから、私はひとつのメッセージを受け取った。それは、読者に対し「あなたの内部に、あなた自身も知らない、巨大な能力が潜んでいるかもしれないから、ちょっとは物語を書くということも考えて欲しい」ということ。いつか何かの作品のあとがきでこのことに触れられていたら、もしかしたらそれは私の作品かもしれない。

    0
    投稿日: 2019.05.27
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    口コミがすこぶる良かったので読破 普通に面白かった、本作がデビュー作ということが驚き 全ての情報が公開されているフェアな小説、途中で作者からの挑戦状も斬新で良かった 探偵の御手洗が魅力的な人物で好きになった

    0
    投稿日: 2019.05.06
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    いつか読みたいと思っていたあまりにも有名な作品。本格ミステリーの先駆けとして傑作であるのが分かり大変おもしろかった。作中の関係者の手記が中々独特の雰囲気を持っていて、読んでいると舞台演劇を見ている気分になって引き込まれたが人によってはこれがハードル上げてる可能性あるかもしれない

    1
    投稿日: 2019.03.19
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    如何に毎週のようにテレビの番組欄に溢れるミステリが言わば量産向けか、といった一読者に過ぎないのに驕った気持ちになる。そんなページめくりの旅路。 それはそれとして、やはり面白いキャラクターだと思う

    0
    投稿日: 2019.02.10
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    この前読んだ島田さんが面白かったからデビュー作読んだ。面白かった。発想力もすごいし、キャラの付け方も好き。

    0
    投稿日: 2019.02.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    島田荘司のデビュー作。序盤は少しページを進めにくい気がしたが、中盤以降ぐいぐいと引き寄せられた。 御手洗潔のキャラクターの強さ、トリックの強さ、「読者への挑戦状」など、本格ミステリ好きにはたまらない。 悲しかったのは『金田一少年の事件簿』が、本書のトリックをほぼそのまま流用していたこと。『金田一少年』を先に読んでいたので、解決編の衝撃も半減。なんとも言えないやるせない気持ち。

    0
    投稿日: 2019.01.12
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    話が長い。こんなに長く書く必要もなかったんじゃないかってくらい長い。トリックはまあよく出来てると思う。色々突っ込みたいところはあるけどそれは置いておく。とにかく物語が長いのがこの小説のネック。

    0
    投稿日: 2019.01.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    言われてみると以前「じっちゃんの名にかけて」で読んだような気もします。最後の犯人から主人公への手紙が、犯人の希望と絶望を表して、奇怪な殺人事件の読後感を爽やかなものにしていました。

    0
    投稿日: 2018.08.26
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    長くて辛い道のりだった。探偵の御手洗と助手が、何十年も前から未解決となっている事件に挑むもの。6姉妹+父母が何者かに殺され、その6姉妹の身体の一部ずつを切り取り、アゾートを創り上げるといったものである。 まず、会話文が非常に多い。8、9割を占めているのではないだろうか。また、登場人物の特徴や会話文へ入る前の説明がないため、誰が話している内容なのか、さっぱりわからなくなるときがある。あまりの会話文の多さ、読み辛さに辟易し、まったく楽しめなかった。途中、男性や女性が一人称で自分語りを行うときは読みやすいのだが、これは問題である。ページをめくる手がなかなか進まず、何日もかかってしまった。その割りに、読了後にたいした感想は残らなかった。

    0
    投稿日: 2018.05.26
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    前半、読むのに時間がかかった。雪の日の平吉殺しは途中どうでもよくなってきた。途中、会話で御手洗と石岡どっちが喋ってるのかわからなくなったりも。アゾートの謎は、御手洗と同様お札の話でひらめいた。犯人の動機とその後の人生が切ない。御手洗のキャラは気に入ったのでまた作品を読んでみよう。

    0
    投稿日: 2018.05.25
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    著者デビュー作です。40年前の事件を解決に導く話なのですが、手記→説明・推理・討論→手記→説明・推理・討論の順で繰り広げられます。昔の文献を読み上げて推理、というまるで講義を聞いているだけの様で、正直退屈でした。事件には必要のないような事も所々あり、飛ばして読みました。40年前の事件も一緒体験出来る様な話の流れが欲しかったです。死体の数もちょっと不明。替わりを用意していたのに減ったの?う~ん。

    0
    投稿日: 2018.05.09
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     かつて読んだことのあるはずの名作。そして後陣に受け継がれる圧倒のトリック。初読かな?と読み進めるうちにトリックを思い出すが、そのトリックよりも語り口の絶妙さに驚く。狂言まわしとはこのことだ!  そしてもちろん、このトリック怖い。犯人がこのトリックを思いつき、そして実行に至る経緯が怖い。

    1
    投稿日: 2018.04.03
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    言わずと知れた名作である。 本作の登場は、当時社会派が主流だったミステリー業界に一石を投じ、のちのミステリー作家に多大な影響を及ぼした。 その奇想天外で驚愕のトリックはいまなお語り継がれている。なんとか一探偵の事件簿にも出てきたため、そのトリックだけが一人歩きしたことでも有名である。 ミステリーがお好きな方は必読の一冊であるが、いまからお買い求めになるのであれば、新装改訂版をお勧めする。 特に物語の冒頭であるとある登場人物の独白パートがあるのだが、偏った心情による専門用語と知識の羅列文は読むのがなかなか辛い。 それについて、新装版では文字数が大きくなっていたり、表現が現在向けになっていたりとの配慮がなされており、読み易くなっている。 それでも最初は戸惑ってしまうことだろう。しかし、そこをぐっと堪えて読み進めてほしい。後半はスイスイ引き込まれていくはずだから。 本作は御手洗シリーズの記念すべき一作目でもある。この御手洗探偵の性格がなかなか偏っており、本作のワトソン役との掛け合いは痛烈で面白い。 是非とも今後読んでいきたいシリーズであった。

    0
    投稿日: 2018.01.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

     遡ること四十数年前、梅沢家の6人娘の遺体が日本各地から点々と発見された。その遺体は、父親である平吉の手記に記された通り、体の一部が切り取られていたのであるが、驚くべきことに平吉は、娘たちが殺害される約1か月前に何者かによって殺害されていたのである。また、その他の容疑者たちには、全員アリバイが成立しており、死んだ平吉以外にこのような殺人を行うことはできないとされた。すなわち、登場人物の誰にも犯行は当然に不可能であり、迷宮入りとなったのである。  ある日、占星術師である御手洗潔のもとにある女性がやって来て、父親がその事件に関わっており、まだ誰の目にも触れていない証拠資料を差し出して解決を依頼してきた。そうして、御手洗は、助手?の石岡とともに四十年間以上数多の警察官・探偵を悩ませた事件の解決に挑むことになった。御手洗の事務所での議論やある参考人が住んでいる京都への遠征を通じても全く手がかりのつかめない彼らであったが、石岡の「テープで貼りつけたお札」という何気ない一言に、超人的な知能を有する御手洗は、事件解決の糸口を見つけ、見事に真実を詳らかにする。  御手洗によれば、犯人は、占星術に従って、6人の女を頭、胸、腹、腰、太腿、下足部の6か所に切り取り、完璧な女「アゾート」を創り出すとみせかけて、頭のない死体になるはずの自分が生き残り、他の5人の死体をずらして組替えて6人の死体に偽装するというトリックを使ったという。それゆえ、犯行が可能であったのは、頭のない死体である時子だけであって、平吉の手記は時子が作成したものである(よく読むと平吉が書いたのでは辻褄の合わない点があるようである)。  この占星術殺人事件は、1930年代の捜査能力が大前提にあるため、使用されているトリックは現代においては通用しないものの、被害者とされた者の中にいる犯人をいかに隠し、読者を悩ますかについて巧妙な手法を用いた作品である。自分も、最初に記された平吉の手記から、死体は6つあるという先入観に捕らわれ、内部に潜む犯人について全く見当がつかなかった。被害者(になると思われる者)の中に犯人がいるという点では、綾辻行人の『十角館の殺人』と同じであるが、本作では、犯人がすでに遺体となって発見されたかのように記述されていることで異なり、それゆえに、真犯人に辿り着くのは甚だ難解であろう。  なお、全体としては、本書を通じて度肝を抜かれるトリックを身に染みて感じられたという点で為になったといえるが、最初の平吉の手記に登場する占星術についての記述が堅苦しくかつ難解で、脱落してしまう読者もいそうであること、巻き込まれた警察官竹本のシーンが犯人にとって都合が良すぎることなどを最後に付言しておく。

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    投稿日: 2018.01.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    至極単純な、無理のない、極めてロジカルなトリック。素晴らしい。この本を読んだ衝撃はもう一生忘れることはないだろう。手記の記述が細かく、なかなか興味深く読んでいたせいで、簡単な"謎解き"ができなかったのが悔しい。御手洗のキャラクターもとても面白い(石岡は好きになれないが)。敬遠していた斜め屋敷も近いうちに読みたい。

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    投稿日: 2017.10.23
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    最初は読みにくさを感じたが、後はスラスラ読めた。 一緒に考えて推理していく感じが面白い。トリックも驚きでした!

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    投稿日: 2017.10.18
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    島田荘司三冊目にしてデビュー作を読む。全然最後まで解らなかった。一気読み。最初手記を読むのがきつかったけど、もう中盤からめくる手が止まらない。 このトリックどこかで聞いたことある、どこだっただろうか。何かのアニメだったかな。 そして御手洗はこんな鬱々としたパーソナリティのスタートだったんだ。 それにしても一体ミステリー作家の頭の中はどうなっているのか。複雑怪奇。

    0
    投稿日: 2017.10.17
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    2017.10.15 読了 ずっと読みたい読みたいと思って読めてなかったシリーズ。 金田一世代としては、あ、これ、金田一‥と思ったりもしたが、こっちの方がだいぶ前だもんなぁ。 読みにくいと最初は思い書けたけど、御手洗さんと石岡くんのやり取り、すごい好きだなぁ。 続きも早速読んでいきます。

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    投稿日: 2017.10.16
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    文句無しの☆5つ。 初・島田荘司。 島田荘司読むなら最初にこの本と決めていたんだけど、なかなか手に入らない。『斜め屋敷の犯罪』と『異邦の騎士』を先に入手できてしまっても、積ん読にして頑として本作品を探し、結局見つからずAmazonで購入。 もう、しょっぱなから、これまで読んだことのないパターンで(とは言っても読書歴は浅い)、たちまちワクワク感が募る。 40年以上前の迷宮入り事件を解決するとか、型破りすぎるわ。当然現場は確認出来ないし、当事者にも話が聞けない。あるのは情報のみ。 これほど徹底した安楽椅子モノ、初めて読んだ。探偵(御手洗)は遂に最後まで行動しない(京都には行ったけど、あれは環境を変えただけ。動いてたのは石岡だけ)。もうブラボーですわ。 30年以上前の小説だけど、全く古臭くない(改訂完全版だから、全体が整えられてより洗練されてるに違いない)。 主人公の御手洗の天才狂人っぷりも好ましいし(明らかにホームズを踏まえてるけど)、相棒の石岡との絡みも楽しい(明らかに以下略)。 御手洗と石岡との関係はこの小説の前に何かあったみたいだけど、そのことを匂わすだけで語られないのも、流れてる二人の時間の途中に突如投げ込まれた感覚になって、心地好い。 で、何と言ってもトリックが秀逸だわ。占星術云々の信仰めいた手記が、本質を隠す目眩ましになってることは何となく察したけど、その肝心の本質が分からずに、まんまと作者の術中に嵌まっていく。でもそれが楽しい。 一応、読者への挑戦状形式を取っていたけど、躍起になって推理しようとせず、やられた!感を楽しんだ。 分かってしまえば、御手洗の台詞じゃないけど何で気づかなかったんだろう!としか思えない。 そうだよ…6人分の死体を少しずつ拝借してもう1体作れるなら、5人分の遺体を6人に見せるのだって可能だよな…。 きっと鋭い人は気づいただろう。でも気づけなかったからこそ物語を最後まで楽しめたので、全然OK。 御手洗の、地位も名声もいらない、謎を解くことが最も重要っていうスタンスに共感する。 人生結局、自分との勝負だよね…。 波紋を広げた一冊だったのも、充分頷ける会心の作品でした。

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    投稿日: 2017.10.12
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    【あらすじ】 怪事件は、ひとりの画家の遺書から始まった。その内容は、6人の処女から肉体各部をとり、星座に合わせて新しい人体を合成する、というもの。画家は密室で殺された。そして1ヵ月後には、6人の若い女性が行方不明!奇想天外の構想、トリックで名探偵御手洗潔(みたらいきよし)をデビューさせた、衝撃的傑作。 【感想】

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    投稿日: 2017.08.04
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    あまりにも荒唐無稽なため、逆に怖いとか気持ち悪いとかかんじずにパズルを解くように楽しめた。 刑事を誑かした女がニセモノであるのはわかったが、誰だかまではわからなかった。最初の変態親父の手記にヒントはあったんだな。

    0
    投稿日: 2017.06.27
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    著者のデビュー作であり、以降多数の作品に登場する探偵御手洗シリーズ第1弾。 40年以上前に起こった連続殺人事件。迷宮入りしている本事件の解決に当たる。 トリックは最初の段階で分かった。 それも、他の作品に似たトリックが使われているからであり、 それだけ本作品のインパクトが大きいからであろう。 500Pを超える大作ではあるが、それを苦と感じない、一気に読める名作ミステリー。

    0
    投稿日: 2017.06.27
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    まさにミステリー大作ですね!島田荘司渾身の作品と言えますが、なかなか見事なトリックで、すっかり騙されました! やはりミステリー作品というのは、目先のところに惑わされるのではなく、冷静に大局からの視点というのが解決には大事だということを改めて感じさせられたのでした。 ただ、あまりの長編で途中集中力がとぎれとぎれとなり、読者が解決するには根気のいる作品だと思います。

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    投稿日: 2017.06.26
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    よくできたトリックだなぁと感心した。 占星術に基づく要素が巧妙にトリックを隠している。 一般的な占星術の知識がないから、不自然なところもそういうもんかとスルーしてしまう。 よくこんなこと思いつくな。 御手洗のキャラクターも捻くれてて面白い。

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    投稿日: 2017.05.06
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    密室で殺された画家の手記に書かれた恐ろしい計画の通りに彼の娘が行方不明となり、一部を切り取られた惨殺遺体となって発見された。事件から四十数年、迷宮入りした猟奇殺人のトリックとは? 以前、本作者の著作”斜め屋敷の犯罪”を読んで、肌に合わない作家さんのように感じていたのですが、友人の薦めがあって本作を読んでみました。 ”読者への挑戦”が挿まれたミステリで、形としては安楽椅子ものとでも言うのか、ある事情から四十数年前の事件を解決していくというお話です。 序文となっている手記が読みにくいとか、解決までが長いといった感想もあるようです。実際に読み終えてみると、寄り道しているところもあって、確かに少しダレる部分もありますし、手記には占星術云々の話も出てきて読みにくいと感じる人もいそうです。 ただ、それでも流石に名作と言われるだけあって面白い作品です。読了後、推理していく上で気になったところを読み返してみたのですが、勝手に誤解してしまうように書かれていましたし、伏線やヒントも巧妙です。 聞くところによると、ある漫画作品で本作のトリックが使われたとかで、そちらを知っていた方は新鮮味を感じなかったとか、そうでなかったとか。 漫画を読んでいない私には、どのくらい似ていたのか分からないので、何ともいえないのですが、問題になるくらいなのだから相当似ていたのでしょうね。そうでもなければ、トリックの似た作品などいくらでもありそうですから。 トリックを知っていたら面白みがなくなるかというと、難しい問題ですけど、ミステリ好きで未読の方なら是非一度は読んでみることをお薦めします。 今の時代だと少々強引というか、運の要素もありそうなので、計画としては首を傾げてしまいそうですが、それも一興です。

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    投稿日: 2017.04.30
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     ラスト近くは一気に読んだけど、壮大なスケールと思わせて・・・でいい意味でも悪い意味でも、読後はなんか拍子抜け。タイトルの「占星術」って・・・?最後に少しつじつま合わせがあったけど・・・。  「あとがき」に無理な設定、動機は「本格」の王道みたいに開き直られてもなあ。でもつまんないわけではないから、賛否両論含めて「本格」の再隆盛のきっかけになったのかな。

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    投稿日: 2017.04.29