
総合評価
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powered by ブクログただの製造業の改善ではなく完成車を目標、組織を自分と考えると個人単位でも応用できると思った 作者が言っているようにこれは大量生産の現場にはあっておらず、そもそも強力なトップダウン式があって可能になるものではないか?ベンチャーでは無理そう(偏見) ムダムラムリはバイト先がそうだから耳の痛い話
0投稿日: 2025.11.16
powered by ブクログ大野耐一さんのストイックさがよくわかる本 トヨタ生産方式を作った大野耐一さんですが、本を読んでいると日々の改善とトヨタ生産方式を作り上げるまでの苦労が書かれており、諦めずにやり切るストイックさがよくわかる一冊でした。
0投稿日: 2025.10.01
powered by ブクログ難解 アナログだったりわりと強情に推し進められてたりと現代との乖離を多少感じるが、今もなお根付いてるのはシンプルすごいと思う もう一度読み直す 2025.05.16
0投稿日: 2025.05.17
powered by ブクログ言いたいことは理解できました。しかし、これは言葉だけ受け取って利用されてしまうことで、トヨタ生産方式という強い根拠で他の違う理論も曲り通ってしまうんだなって思いました。 ムダを省く、原価を抑えろなど、センテンスや単語だけなく全体を通して読む必要があると思います。これに関しては、本全般に言えることですが
0投稿日: 2025.03.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
まさに基本の徹底。 仕事でもスポーツでも勉強でも基本が出来てないと応用が効かないということが勉強になりました。 ●七つの無駄(ディオみたいw) ●なぜ×5回 ●時間差は動作手順の差 ●少人数の方がかえって勝つ ●ブレーキの重要性
7投稿日: 2025.01.25
powered by ブクログ1978年の本であるが、製造業でなくてもトヨタ生産方式の考え方は大変参考になる。 トヨタ生産方式: 多種少量で安く作ることができる方法 徹底的な無駄の排除 1. ジャストインタイム: 後工程から必要な量を前工程に要求していく、前工程は引き取られた文を作るというやり方の追求。前工程への要求がカンバン(量、時期、方法、順序などを明示) 2. 自働化: 異常時に止まるようになっていて、不良品を量産しないし、異常時だけ入れば良い なぜを5回繰り返し本当の原因に辿り着く ムダの徹底的な摘出 1. 作りすぎの無駄: 仕事の進み過ぎによる在庫待ちの無駄に繋がり無駄として見えにくい 2. 手持ちの無駄 3. 運搬の無駄 4. 加工そのものの無駄 5. 在庫の無駄 6. 動作の無駄 7. 不良を作る無駄 ムダを見つけるために大切な現場作業の認識 作業とは 1. 付加価値のない作業: 移動や操作など、今の作業条件下ではやらないといけない、作業条件を減らさないと減らせない 2. 付加価値を高める賞味作業: 加工 2の比率を上げることが工数削減 標準作業表の3要素 1. サイクルタイム: 1個あたりの時間 2. 作業順序 3. 標準手持ち: これだけは必要という仕掛品 流れを作るのが基礎条件 ・生産をなるべく平準化する、ロットを小さくして同じ製品を続けて流さない ・かんばんは一気にできない、トヨタ工場内だけでも10年かかった ・違う車種が流れるとプレスがきついが、段取り替えを徹底的に効率化し、3時間からついには3分まで縮んだ ・100%の良品を作るために不良品を出した自動的に知らされて工程が痛みを感じるシステムにしておけば良い 変化への対応 ・流れてくる車のカンバンにより工程の作業が行われるため、微調整が効きやすく計画変更の柔軟性がある 余力 ・余力を使うことは原価増加にならない。判断のために余力がどのくらいあるかを正しく認識しておくことは大事
0投稿日: 2024.12.30
powered by ブクログトヨタ生産方式をちゃんと理解する1冊。 コンピュータ管理が主流ではない時代に最適化されてたんでしょうね。
0投稿日: 2024.12.20
powered by ブクログ製造業に関わる仕事をしているため、日本一の企業に興味を持つべきだろうと思い手に取った第一弾。 1970年代の書籍にも関わらず、技術が発展した現代に読んでも変わらない重要なことを言語化されている点はすごいなと感心させられた。 つくづく思うが、日本人は1→10にすることが得意なのだと思う。車業界においても、フォードやGEのあとを追い、効率化(カイゼン)して現在の地位を得ているのだと思う。 古い日本語表現のため、現代人には読みづらい点もあるが、時間があれば製造業に携わる関係者は読むべき本なのだと思う。 ↓刺さった言葉 ”私が思うに、例えば一企業の中で、よく売れる部門を持たされるよりも、なかなか売れないで弱っているところに取り組んだ方が、それだけ差し迫った改善のニーズがあるだけに、やりがいがあるのではないかと考えるが、現実はそうでもないらしい。”
0投稿日: 2024.09.23
powered by ブクログ豊田佐吉翁、喜一郎氏、そしてこの本の著者の大野さん。見習うべきところがたくさんあるし、彼らの哲学を是非とも吸収し自分のものにしたいと思う。思うのだが…。先見性とか、真因の探求とか、飽くなき改善とか、自分に真似できることだとは到底思えない。どこか別世界のことだと思ってしまう。そこまでの情熱は、自分の中のどこを探しても見当たらなかった。思うに、私は根っからのfollowerなのだろう。 技術者として大成したいと思いこの本を手にしたのだが、読後には私は技術者失格なのだと痛感することとなった。皮肉にも。
0投稿日: 2024.08.26
powered by ブクログ難しすぎて読むのがしんどかった。 トヨタ生産方式。 とにかくムダ、ムラ、ムリを省く。 余分な人時間を省くことで要所に生産性を生み出す。 何故を5回繰り返すと原因が見えてくる。
0投稿日: 2024.08.14
powered by ブクログ1978年に書かれた本が今でも読まれていることにびっくり。 トヨタ自動車はいろんなことが徹底されているなと感じた。 ムリ、ムダ、ムラを無くす取り組みだったりかんばん方式だったり。
0投稿日: 2023.08.12
powered by ブクログ量が減っても生産性を上げることが人間を目指す。 1978年当時にこのような考えを徹底していたことがすごい。 トヨタの底力を見せつけられました。
0投稿日: 2023.02.05
powered by ブクログ上司のお薦めで読む。 1978年に書かれたとは思えない! 今読んでもとても学ぶことが多い本でした。 ●設備投資の前に作業手順の見直しを 人がいないから雇う前に作業手順の見直し、標準化すべしと心得ました ●ムダの排除 作りすぎは在庫だけでなくその管理にもムダが生じる。ムダを徹底的に排除すべしと心得ました
0投稿日: 2022.09.04
powered by ブクログトヨタの生産方式である「ジャストインタイム」のための”かんばん方式”と「自働化」について理解。 大企業こそ反射神経良く、なぜを5回繰り返す(車は安全性を求められるので真因を突き止める)が大事。 大野さんのブレない芯と努力がすごいです。
0投稿日: 2022.06.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
知識創造企業と併読すると面白い。 知識〜は理論、トヨタ〜は実地。 トップダウンが案外必要。 かんばん=自律神経 計画だってある。計画があるから平準化できる。 つくりすぎのムダを戒める。 Jitと自働化は、スポーツでのチームワークと個人力、わかりやすい。 半分くらいの時点ではほぼjitについてのみ。自働化は後半で出てくるのだろうか? Jitは情報システムありきでない。トヨタ生産方式はフレキシビリティーが最大の強みなので、情報システム化すると良さが失われる恐れあり。 省人化ではなく少人化。 在庫をもって安心するより予防を注力。 設備導入より作業改善が先。改善を考え抜く。 豊田佐吉、豊田喜一郎だけでなく、ヘンリーフォードやアルフレッドPスローンjrへの言及が印象的。 とくに前者はとにかく考え抜く人。何故綿でなければならないか疑問に思い、亜麻を使うというのが面白い。 巻末にトヨタ生産方式の用語まとめ、年表があり読み返しにも適。
0投稿日: 2022.05.08
powered by ブクログ言わずと知れたトヨタ生産方式のおそらく原点の本。 メーカに勤めている人なら、トヨタを教科書に「カイゼン」「カンバン」などのキーワードは聞いたことあると思うが、 会社の研修でもやり方や概念は説明しても、なぜそれを思いついたのか。 そもそも、なぜそのような仕組みが要求される背景については思いのほか教えられることは無い。 それに対して本書は、なぜその仕組みを導入せざるを得なかったのか、そして導入しえたかについて、実際に発案・導入を指揮した著者の言葉が語られているので、頭に入ってくる。 特に重要だと思ったのは、一般的にトヨタ生産方式は良いとされているが、全工程実行まで漕ぎつけないと効果はないが背負うリスクは非常に大きく、やると決めることも厳しいということ。 だから、簡単にまねは出来ないが、それでも学ぶところは大であると思い、読み進めた。 時代が変わっても戦略的思考には普遍的な物があると感じられた。
0投稿日: 2022.05.02
powered by ブクログ古典的な教科書なんだと思います。 ベーシックな考え方が前半にあり、豊田佐吉・豊田喜一郎らの哲学、フォード、低成長な今後の社会を生き延びていくためにはと続きます。 正直、ベーシックな考え方は一発じゃ理解しきれんかったのでまた折を見て読み返そうと思います…
0投稿日: 2022.03.26
powered by ブクログリーンの基となったトヨタ生産方式を全く知らなかったので、リーンをより理解するために読んだ本。 トヨタ生産方式の実践本ではなくて、トヨタ生産方式の根本となる考え方について語られていて、全ての仕事に通ずる話だと感じた。 仕事をする上での根幹の考え方として叩き込みたい内容。 本の中で出てくるフォード1世についても知りたくなった
0投稿日: 2022.02.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
オペレーションの予習として読了。 終戦後にトヨタを3年間でアメリカを超える会社にする、という目標のもとに掲げられたジャストインタイム方式は、アメリカ大量生産方式によって生まれたムダや余裕を、必要なときに必要な分量を作って製造する。後工程から前工程に部品を取りに行くことで、省人化、一人あたりの担当範囲拡大(⇔アメリカの技能組合)、無理、ムダ、余裕をなくして作りすぎないという方法により、原価低減を生み出した。 後半は前半の繰り返しの印象を受けたため、今度しっかりと読みたいと思う。
1投稿日: 2022.01.07
powered by ブクログ「かんばん方式」が知りたくて買いました。小学生にもわかるように買いてあったので、文系の自分でも概要を掴むことは出来ました。 その他にも、「なぜ」を5回繰り返してみる、ビジネスはチームワークだ、など例え話を加えて論じられており、読み物としても大変面白かったです。 名著と言えるのではないでしょうか。就活生には、強く一読をお勧めしたいです。
0投稿日: 2021.12.22
powered by ブクログカンバン、ジャストインタイム、5 whys…そういったトヨタ生産方式のエッセンスについては平易に解説された書籍が数多発刊されている。 しかし大野耐一氏の情熱がこめられ、血の通った文章で綴られる本書はいつか読むべき一冊。社内でいかに変化を伝播させていくか、という奮闘記は泥臭く、同じようにチェンジエージェントとして変革を目論む向きの背中を押してくれる。 文中に何度もオイルショックが出てきたり、「スーパーマーケット」というものを特殊なものとしてあつかっていたりと時代を感じさせる部分は多々ある。であるがゆえに古びない本質が浮かび上がってきている。
1投稿日: 2021.09.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
トヨタ本、本当に沢山の種類が出版されています。 『なぜ』を五回繰り返せとか、カンバン方式とか、トヨタ独特のカルチャーや方式については社会人が良く耳にすることと思います。また、トヨタのうわさについても、滅茶苦茶厳しいコストカットをするとか、とにかくケチとか、まあ色々聞くものです。 実状はどうであれ、その品質を維持した上での効率追求は、良く人口に膾炙するところだと思います。 この効率化の技術を自分の業務にもうまいこと適用できないかと企み書店へ行きましたが、数えきれないくらいの種類が平積みにされており、どれを読めばいいのかよくわからない。仕方がないので以前読んだ本で言及されていた本書を購入しました。 ・・・ 結論から言うと、この本の中に、これはすぐに生かせるぞ!という内容はあまり見つけられませんでした。 とは言え、戦後日本の復興のため、決死の覚悟で生産改善に取り組んだ様子はドラマを見ているかのようでした。ある意味トヨタの生産現場の歴史物語・ドキュメンタリーのようでした。有名なカンバン方式やジャスト・イン・タイムをコツコツと試行錯誤して行い、本社工場や協力会社にまで広げて行く様子がよく描かれています。 また、元副社長にまで上り詰めた生産現場のリーダーであった大野氏が、米国流の大量生産から学び、更に一歩進めて、日本にままある多品種少量生産という効率化とは真逆の生産方式を”効率よく”行うための苦労が表現されます。 もしここから学ぶとすれば、考えること、でしょうか。多品種生産をより効率化する際に、品種を少なくするという誰でも分かるような効率化をせず、難しそうな状況にどうすれば相反することを並立させるのかをチャレンジする様は非常にインスパイアリングでした。 その他、『現状の能力=仕事+ムダ』と定義し、無駄を徹底的に排除する様子とか、とにかくそのストイックさには単純にすげえな、と思えました。 それから、本書にはいわゆる生産管理についての話が多く出てきます。IEとか段取り替えとか、お勤めの企業が製造業でなかったり事務職だったりするときっとちんぷんかんぷんかと思います。そうした、生産現場に遠い方で中小企業診断士を勉強される方にはよい参考書になるかもしれないと感じました。 ・・・ ということで、私のように現金にも仕事にすぐに生かしたいという輩にはあまり向きません。しかし、トヨタの考えを良く学びたい方や生産管理について概要を知りたいという方については、平易な本書は入門書として最適であると感じました。何しろトヨタイズムの親玉のような人の著作ですので、間違いないと思います。
0投稿日: 2021.06.05
powered by ブクログトヨタ生産方式の2本柱 ・ジャストインタイム ・にんべんの付いた自動化(自働化) がいかに誕生したのか、 トヨタ生産方式の目指すべき終着点等が 分かりやすく大野耐一氏によって記載されている。 カンバン方式等が先行して知られがちであるトヨタ生産方式だがカンバン方式はあくまで目的達成の手段であり運用によっては毒にも薬にもなる事が説かれている。 オートメーション目覚ましい今だからこそ本当の『ムダ』は何なのか考えさせられる一冊! エンジニア必読です!
0投稿日: 2021.05.09
powered by ブクログ以前読んだザ・ゴールに近い内容(こちらの方が古い)。トヨタ生産方式とは何ぞやが根本の考え方や系譜、具体的なオペレーションまで幅広く書いてある。血の通ったチームワークを大切にしつつ、本当の能率アップのためにどう動くべきか、わかりやすい。
0投稿日: 2021.05.08
powered by ブクログトヨタのカンバン(JIT)は、無駄な製品在庫、仕掛品、材料を持たないが原則 ・工業簿記と連動して考えれば理解がはやい ・B/Sの製品、仕掛品、材料を出荷予定、製造予定、ライン上の在庫のみに割り当てることにより小さくする ・すると、資金や、在庫を小さくすることができるので、P/L上の支払利息、倉庫費用や、給料等の労務費用等を小さくできる。 ・結果ムダがなくなるので、資本等の回転率や、資金の回収率、回収サイクルが高くなるので、C/Fを含めて、経営の安全性を高めることができる。 ・ただし、在庫を小さくすると、背反事象である、発注回数が多くなるので、購買の発注回数に応じて、システムを大きくする必要がある。 ・QCDを管理するためには、各工程等の状況を把握(見える化)するため、多くの項目を、ロットや単品管理を行う必要がでてくるため、精緻な生産管理システムが必要となる。
2投稿日: 2021.04.01
powered by ブクログ真の生産性とは?世界のTOYOTAがTOPになる為に拘り抜いた生産方式。ムダとは何かを0から考える。
0投稿日: 2021.03.15
powered by ブクログソフトウェア開発に従事しています。 上司のすすめで読むことにしました。 トヨタ生産方式の知見はソフトウェア開発のシーンに置き換えて適用可能であり、そして効果的でした。
0投稿日: 2021.03.15
powered by ブクログ『リーン・スタートアップ』から興味を持って読み繋いだ。 「3年でアメリカに追い付け」を本気で追求したからこそのコペルニクス的偉業。大野氏の偉大さはもちろんだが、絶妙なゴールを設定した豊田喜一郎氏の凄みも伝わってくる。
0投稿日: 2021.02.02
powered by ブクログもう少し早く読めばよかった。ものづくりに直接関わらなくとも、トヨタ生産方式は理解する価値がある。今まで営業の現場で時折感じた事達を論理的に繋げてくれような本。先に読んでおけば、もっと効率よく提案できたかな。
1投稿日: 2021.01.19
powered by ブクログ「徹底した無駄の排除」を志向し生まれた世界に誇るオペレーション・エクセレンス。 「かんばん」などはその代表的手法でよく知られるが、小手先のハウツーに意味などなく、重要なのは組織であり、思想であり、文化であることがわかる。 特に「流れをつくる」という独特の言語と、また無駄の排除が従業員の「働きがい」につながるという思想が痺れた。大して新しい概念でもないし、当り前のことなんだけど、ハウツーから行き当たっているからこそ、大事なのはハウツーじゃねえよと、ビンタを喰らったようなハッとした心地になりました。
0投稿日: 2020.12.29
powered by ブクログ【星:5.0】 トヨタ生産方式の基礎を築いたといわれる本人が、トヨタ生産方式の何たるかを著述した本。 40年以上も前に書かれた本であるが、ムダの排除、生産性向上などなどその考え方は、変化の極めて速い現在においても十分に通用するものであると感じる。 40年以上も前に、現在まで通用するような普遍的な考え方にたどり着き、その考えを常に実践し続けるトヨタという会社のすごさを感じる学びの多い1冊であった。 トヨタが日本の中でも別格の企業力を持つ理由がよく分かった。
1投稿日: 2020.11.22
powered by ブクログhttps://twitter.com/itakac/status/1327210921807159296?s=21
0投稿日: 2020.11.14
powered by ブクログ1978年の本書で述べられるトヨタ生産方式について。 量とスピードを追求するあまり、いたずらにロスを生み出すマスプロダクションとマスセールスへのアンチテーゼは、2020年における情報化社会に最適化を追求して、幸福度を犠牲にするビジネスパーソンにも考え直させる機会を与えてくれる。 ムダとは何か。効率とは何か。 産業化の真意とは、人々に幸福をもたらすこと。 と言った視点を与えてくれる オリジナルを追求したトヨタの原点の話は、生産性向上が課題である現代日本が考えるべきことを教えてくれる
0投稿日: 2020.10.18
powered by ブクログ会社の上司にも勧められて手に取った。 少量在庫の中ロットを小さく設定し、最少人数で日々生産することでムダが削がれて原価が抑えられる。これを保つために現場では様々か予防策がうたれている。 常に糸が張りつめているような現場であり、日本人の勤勉さがなせる体制なのかなと感じた。 ロットを小さくするというのを 手持ち6体のポケモンを同時並行で育てていく と置き換えて理解した自分に拍手笑 (厳密に正しいかは分かりませんが…) 世界中で色んな型式の製品が同時に買われているところから逆算して考えれば、小ロットで多種類を同時並行で生産するというのも当たり前ではあるのかな。それを可能にする生産体制を構築するのは相当難しいことであると思うが。 自働化=エクセルや機械に「自律神経」を通す この表現にはとてもしっくり来た! 工場実習の経験と本書の内容を照らし合わせることができたのも◎
0投稿日: 2020.08.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
トヨタ生産方式の3冊目。これが原書?なのか? 感想。とってもわかり易い。わかり易い入門書を読んだ後だからなおさら腹に落ちる。なぜニンベンある自働化が大事なのか、とか解説が非常にわかり易い。これを最後に読んで良かった。 備忘録。 ・トヨタ生産方式が注目されたのはオイルショックがきっかけ。低成長経済のなかで、たくさん作れば作っただけ売れて、1台当たりの原価が下がるという経済から、作り過ぎの無駄が大ダメージになる環境に代わったので。 ・トヨタ生産方式の基本思想は「徹底したムダの排除」。そのための2本の柱は「ジャストインタイム」と「自働化」。 ・ジャストインタイム=後工程が前工程に必要なものを取りくる。その為、生産計画を指示する対象は、最終工程のみ。これを機能させるために「かんばん」が機能。 ・各工程に個別の生産計画を指示すると、生産計画の変更やミス、不良の発生等により、無駄がどんどん広がる。 ・ニンベンのある自働機械とは、自動停止装置付き機械を指す。これがないと、機械に異常が発生した時に備えて人がそばで見ていないといけない。これだと省人化にならない。 ・多数台持ち、多工程持ちが作り過ぎ等の無駄を削除し、ジャストインタイムを成し遂げるのに有効。但し、多工程持ちには、職人・労働者の啓蒙が大変で、時間がかかる。 ・これは作業の平準化にも機能する。繁忙期と閑散期が偏らない様にするために上手く均す、その為にはセダンばっかりつくらず、クーぺもつくる。一日の内に、午前はセダン、午後はクーぺとか出来る様にする。その為には多能工である必要がある。すると無駄な作り過ぎがなくなる。 ・「時間は動作の影」(…この言葉はあまりしっくりこないが)。「遅い」というのは、段取りや動作、作業手順に原因があるのがほとんど。手順や急所をしっかり教えればすぐにパフォーマンスは向上する(これはしっくりくる)。 ・一つの課題に対して、解決策案は無数にあがる。それぞれの一つ一つ検討して、最善の策を選びたい。製造現場においては、とりあえずやってみよう、金がかかり過ぎる。 ・「38度線は全体に引いてはいかん」。社内でお互いの仕事分野ごとの線引き、村意識、これらはあってはいかん。
0投稿日: 2020.04.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2020/3/1 トヨタ生産方式の要は自働化とジャストインシステム。多種大量、低成長時代に対応するためには、その車種の生産量に応じて人員を柔軟に変更できる体制を目指した。作りすぎない、在庫を持たない、柔軟に生産計画を変更できる、真の原価低減を目指す。トップダウンで作りすぎないように調整するのは不可能、自律神経によるボトムアップが必要 ・【プロセス】標準作業を定義し、他工程を理解した上での流れができる ・【プロセス】段取り替えを前提にしたラインを作り、数分での段取り替えを実現 ・【プロセス】リレーの際にバトンタッチがあることでチーム全体が早くなるよう、前後で遅れている工程がある場合は助けてあげる助け合い活動 ・【プロセス】不良品を検知するバカよけの導入 ・【コミュニケーション】上流から下流へ製造指示、運搬指示であるカンバンを順次流していく ・【コミュニケーション】アンドンによって以上検知時にライン全体を調整、停止する
0投稿日: 2020.03.01
powered by ブクログアメリカとの生産性の差(8~9倍)を埋めるための必死の改革。低成長時代にいかに利益を出すか。無駄の徹底的な排除。正確さと信頼性に支えられる効率。 「なぜを5回繰り返す」の原典 なぜを繰り返すことで,因果関係や暗黙の前提に気づく⇒科学的態度 付録の用語事典には「5W1Hを自らに問え!」と表現。なぜだけではない。内省を繰り返す。1度内省するだけでは不足する。 現象について問い続けることで真因が見えてくる⇒研究も似ているなぁ
1投稿日: 2019.12.13
powered by ブクログ・ジャストインタイムとは... 最終工程のみ計画を立てる カンバンで必要量だけ生産を要請する ムリムダムラを省く 少品種大量生産でなく、多品種大量生産を実現した。 会社の自律神経を整備するという感覚. ・人員を割く,ということについて 0.1人は1人 作り過ぎの無駄をなくす!高性能な機械で大量に作ることが、生産性が高いわけではない。 省人化→少人化 ・原価について 原価低減には、必要数をきちんと作れるものが必要 可動率と稼働率 可動率は100%が理想。稼働率は、そうは言えない。必要生産量だけ稼働するのが理想。 ・まとめ トヨタ式生産工程は、ムダを徹底的に排除し、原価低減を実現するものであり、低成長期、高成長期に関わらず企業活動に有効なものである。
1投稿日: 2019.12.10
powered by ブクログアジャイル・リーンの入門書を何冊読むよりも原点にもっと早く当たるべきだった。実務者で現場主義の著者らしく無駄な説明やわかりにくい冗長な言い回しもなく重要な事項がすっと頭に入ってきた。 これが1978年に発行された本だとは信じられないほどに内容が色あせていない。
2投稿日: 2019.09.16
powered by ブクログもちろんトヨタ生産方式のやり方考え方について参考になったが、著者である大野さんの組織を良くしていこうとしている熱意と貫き通す信念を感じられた本だった。
1投稿日: 2019.08.28
powered by ブクログ”やはり考案者・実践者の言葉は強い。かんばん、自働化などの言葉に込められた哲学がふんだんに語られている。 --- P:トヨタのカイゼン本家本元の「なぜなぜ5回」の定義・やり方を知る --- <読書メモ> ・日本の経済風土にあったオリジナルな方法をという考えから、他社、特に先進国に簡単にわからないように、さらに、イメージさえ生じがたいようにと思って「かんばん」であるとか、「ニンベンのある自働化」とかを実践し、強調していったのですから、わかりにくいのは当然かもしれません。(まえがき i) #そうだったのか! ・トヨタ生産方式の基本思想は「徹底したムダの排除」である。しかも、つぎのようなそれを貫く二本の柱がある。 (1)ジャスト・イン・タイム (2)自働化 (p.9) ・「ニンベンのある自動機械」の意味は、トヨタでは「自動停止装置付の機械」をいう。 (略)たとえば、「定位置停止方式」とか、「フルワーク・システム」とか、「バカヨケ」その他、もろもろの安全装置が付加されている。機械に人間の知恵が付けられてあるのだ。(p.15) ★「なぜ」を五回繰り返すことができるか (p.33-35) (略) 五回の「なぜ」を自問することによって、ものごとの因果関係とか、その裏にひそむ本当の原因を突きとめることができる。 「なぜトヨタ自工では機械を一人で一台しか持てないのか」 →この問を発することによって、たとえば「機械が加工完了で止まるような仕組みになっていないから」という答が得られ、ここから、「自働化」の発想を導き出すことができる。 「なぜジャスト・イン・タイムにものがつくれないのか」の問に対しては、たとえば「前工程が早くものをつくり過ぎる。一個何分でつくるかがわかっていない」という答を得ることができる。その結果として、「平準化」の発想を導き出すことができる。 「なぜつくり過ぎのムダが出るのか」に対して「つくり過ぎを押えるはたらきがない」という第一の答を展開することによって、「目で見る管理」から、さらに「かんばん」の発想へと連なっていけるであろう。 #なぜなぜはこういうゴールを目指してやる、という例 ・ほんとうに必要なものだけを仕事と考え、それ以外をムダと考えるならば、つぎの関係式が成り立つ。 現状の能力=仕事+ムダ (作業=働き+ムダ) (p.37) ★ムダの徹底的な摘出(p.38) (1)つくりすぎのムダ (2)手待ちのムダ (3)運搬のムダ (4)加工そのもののムダ (5)在庫のムダ (6)動作のムダ (7)不良をつくるムダ ・バトンタッチの妙(p.47-48) お互いの仕事の分野に三十八度線を引いてはいかん(略)陸上競技のリレーのように仕事の分野を考えたろどうだろう(略)後の工程の人がもたついて遅れた場合には、その人の持ち分と思われる機械の取り外しをやってやりなさい。そうして、その人が正常の配置に戻ってきたら、すぐバトンを渡して自分のところに戻りなさい。 ・何がムダであるかも「かんばん」の運用によってすぐに表面化される。それに対する創意工夫、改善提案が活発になる。(p.55) ・大野という奴はとんでもないことをやり始めた。やめさせてほしいという声があったらしいが、私にやめろといわなかった。トップは、一面では困ったことだと思ったにちがいないが、当時から信じてくれていたのかもしれない。これには感謝している。(p.66) #信じて任せ、とことんやらせるトップの度量! ・つくり過ぎのムダ(p.105) 本来、手待ちにならなければいけない時間なのに、つぎの作業をやってしまうので、手待ちがかくれてしまうのである。 ・真の能率、みかけの能率(p.108) 能率向上と原価低減、必ずしもイコールにあらず #必要数、生産量と人数 ★省人化より少人化(p.122) 「省人化」とは、人間を省いていくということから、響きそのものはよくない。省人化とは、従来10人でやっていた仕事を8人でやるようにして二人省くということである。一方の少人化とは、生産量に対応して五人でも三人でもやれるようにすることで、定員化しないやり方である。 ・「算術の経営ではいけない。忍術の経営でやるべきだ」(p.125) (略) 私のいう「忍術の経営」とは訓練によって経営の術を身につけることを意味する。いまの時代は、あまりにも訓練ということを忘れていはしないかと訴えたいのである。 ・「術」という字 この字をよく見ると、「行」の間に「求」がはいっている。「行動」が要求されているのが、「術」なのではあるまいか(p.126) ★豊田佐吉の負けじ魂(p.145-146) 現に白人は(中略)日本人に何の発明がある、日本人は只模倣の国民である、と評して居るではない乎。 それで日本人は非常に大なる覚悟を以て是に対抗せなければならぬ。(中略)自己の智能の優秀なることを証拠立てて、自ら此の人間としての大恥辱を雪がねばならぬと言うのじゃ。 (中略) 今度は全く白人と関係なしに、日本人の絶対の力のみを以て一大発明を遂げようと言うのじゃ。 ・一個流しの同期化生産(p.176) フォード式は同じ物をまとめてつくってしまおうという考え方なのに対して、トヨタ式は「最終の市場では、お客さんが一人、一人、違った車を一台ずつ買うのであるから、生産の場においても一台、一台つくる。部品をつくる段階においても、一個、一個つくっていく。つまり『一個流しの同期化生産』という考え方に徹する」やり方である。 ★ヘンリー・フォード一世の本当の意図(p.182-185) 産業の終着点は、人々が頭脳を必要としない、標準化され、自動化された世界ではない。その終着点は、人によって頭脳を働かす機械が豊富に存在する世界である。(中略) 産業は、働く人々をも含めて公衆に、サービスを行うために存在する。産業の真の目的は、この世の中をよくできた、しかも安価な生産物で満たして、人間の精神と肉体を、生存のための苦役から解放することにある。その生産物がどこまで標準化されるかは、国家の問題ではなく、個々の製造業者の問題である。 ・ヘンリー・フォード一世の著作『今日、そして明日』より(p.199) あの「効率」ということばが憎まれるのは、効率ではないことまでが、効率という仮面をかぶってきたからである。効率とは、まずい方法をやめて、われわれが知り得るかぎりでの最もよい方法で仕事をするという簡単なことである。 ・トヨタ生産方式の特徴として「ロットを小さく、段取り替えをすみやかに」ということを説明したが、じつはこの考え方の基本には、生産の流れをつくることによって、どっしりと根を下した「より早く、よりたくさん」の既成概念を変革していく意図がある。(p.200) ・「量が減ってもなおかつ生産性をあげることのできる人間は、世界中にそうおらんだろう。これができる人間が一人でも多くおれば、その企業の体質はそれだけ強くなるんだ」(p.211) ・私はいまの情報化時代に生きるには、表面を流れる情報の渦に巻き込まれることなく、とうとうと底流を流れる情報の本質に迫ることが大事なのだと思う。(p.214) ★5W1Hを自らに問え!(p.219) 5Wは5つのWHYである。「なぜ」を5回くり返せば、本当の要因がわかり、どうすればよいか(How)もわかってくる。 ・厳しい低成長時代にも人間の努力と工夫によって、コスト・ダウンを達成できるものであるという、一つの見本をここに示したかったのです。(p.231)”
0投稿日: 2019.08.15
powered by ブクログ自分の業務の改善に役立ちそうな知識や知恵を学ぶため、トヨタの精神を学ぶために購入しましたが、予想以上に得るところが多く、非常に勉強になりました。 ただ、著者が述べている通り、自分の仕事や職場で改善を行うには現場にいる自分が自分の頭で考えて、行動しなければならないという点は確かにおっしゃるとおりと思います。 座右の書として、これから何度も読み返す一冊と思います。
1投稿日: 2019.08.10
powered by ブクログ時代を経ても全く色褪せない トヨタ生産方式のバイブル 非常に簡潔かつ明晰な記述でスッと頭に 入ってきました。 良き羅針盤との出会いに感謝です。 日々の実践と反省によって血肉としたいです。
1投稿日: 2019.06.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この時代から多品種少量生産ということを見て、それに基づいた生産方式を作っていたことには驚くほかない。当時はアメリカと比して台数が少なすぎるからこそ出てきた知恵だろうが、期せずして現代の状況ともまだまだマッチしている。 今後のさらなる拡大として多品種大量生産を目指すのだろうが、ほとんどのメーカーは適応できないであろうと想定できる。3Dプリンターというワードは出てくるものの、それをどう運用の中に落とし込んでいくのか、まったく見えない。結果コストがあがってしまっては元も子もない。 また、かんばんや平準化はジャスト・イン・タイムを実現するための方法論であり、それらをトヨタ生産方式で取り回す。こんなに現実に根付いた活動への導入を想像すると、身震いすらしてしまう。生焼きで手を出すべきではない。
1投稿日: 2019.05.06
powered by ブクログトヨタ生産方式には二本の柱があり、 それは、「ジャスト・イン・タイム」と、「自働化」である。等々が、書かれている。 ただ、そういった言葉よりも、 物事を考え抜き、自分の考えとして消化した人の言葉の深み、本質的な考えを知るいい本に出会えたと感じた。 というのも、本書が書かれたのが、今から40以上前であり、 また引き合いに出されているフォード社の繁栄については90年ほど前。 ただ、その中身を見ていくと、全く古さの感じない、内容ばかりが書かれている。 本質的とは何か、に立ち返る時に振り返りたい一冊。
1投稿日: 2019.05.04
powered by ブクログスクラムを調べていた流れで古典とされているこの本を読んでみた。古い本だし、図書館から借りてきた本だからつまらなかったらすぐ返せばよいと思って読み始めたが、結果は・・・さすがに「古典」と呼ばれるだけあって名著。トヨタ生産方式やカンバンがただの「生産方式」ではなく、深い考察と強い信念のもと、多年に渡る実践と改善によって生まれた、思想を伴った仕組みであることがわかった。 この本を読むと、日頃会社で見聞きする方針や施策、業務プロセスがいかに表面的で無思慮なものかを痛感する。もちろん、その中に自分も含まれてしまっているのだが(反省)。 ある意味、世の中も会社もロクにものを考えていない場当たり的な規則や言説だらけで、最初はアホらしいとか、ヤレヤレとか思っていても次第に感覚がマヒしてきて、しまいには自分もそうした言動をするようになる。これは一種の洗脳で、ときどき意識的にリセットしないとバカになってしまう。 閑話休題。 トヨタ生産方式は「ムダの徹底的な排除」を基本思想としているのだが、「ムダとはなにか」について徹底的に考え抜いているのがすごいところ。 たとえば、10人で100個作っていたのが同じ人数で120個作れるようになったから生産性向上、のような話があってもそれで終わらない。20個余計に作って売れないで在庫になるならムダ。むしろ8人で100個作るようにすべき、となる。それも最新設備を導入して実現するのではなく、古い設備のまま保守や作業の段取りを工夫したほうがよい。設備の価値は減価償却上の残存価値で決まるのではなく、稼ぐ価値を有しているかどうかで決まる。それを無視して何の工夫もなく設備を更新するのは、根本的なムダ(作業の段取りの問題)を残存させることになる、とこんな具合だ。 この本のさらにすごいところは、生産現場と原価計算だけ見ているのではなく、チームワークやトレーニングまで含めて考えている点。たとえば以下。 「十分な訓練もしないで、達成できる目標など、どんな小さな目標でも存在しないのではないか。」 「離れ小島をつくるな」(※一人だけポツンと仕事をさせず、何人か集めてチームワークが取れるようにすること) タイトルこそ「トヨタ生産方式」だが、生産とか製造とかにかかわらず、チームで仕事をしていて思うようなアウトプットや生産性が上がらないで解決策を求めている人なら誰でも得るところのある本。そういう普遍性を感じさせるところが「古典」と呼ばれる所以と思われる。
2投稿日: 2019.04.07
powered by ブクログジャストインタイムやらカンバンやら、断片的には聞いたことのあったトヨタ式の生産方式、一度まとまった本が読みたいと思い手に取りました。 トヨタの歴史もそれはそれで面白かったですが、自働化の話や一人で複数の工程を見る職工の話がいまの時代だとむしろ事務職にも当てはまるように思え参考になりました(それはそれで職務分掌を抑える必要があるわけですが)
1投稿日: 2019.02.18
powered by ブクログ前に居たプロジェクトの卒業記念としてプレゼントしてもらった。 実は読んだことがなかったので、いいトリガーになった。 さすが歴史の評価をくぐり抜けてきた著だな、というのが読了後の感想。 本当に30年前に書かれたのかとちょっと疑ったけど、よく考えたらソフト開発業の話ではないんだった。 つまり、最近のソフト開発業で問題とされている点と本質的に酷似した問題を扱っているってことだな。
0投稿日: 2019.01.20
powered by ブクログ1978年初版の古典。 トヨタ生産方式は、製造業のスタンダードとなったばかりではなく、ドラッカーにも多大な影響を与え、現代的マネジメントスタイルの基礎ともなっている。 2000年代から台頭してきたソフトウェア開発スタイルである、「アジャイル」、「リーン」も、トヨタ生産方式を源流としていおり、ここ数年で再度注目されている。 トヨタ生産方式の本は膨大な量が出版されているが、著者の大野耐一さんは、その基礎を開発された方。 初版は1978年となるが、そのオリジナルは社内向けのマニュアルであり、そこから考えると、おそらく40年以上前に執筆されたものになる。 とても印象的なのは、40年も前の記述とは思えないぐらい、文体は瑞々しく、読む人に訴えかける内容となっている事だ。 面白い事に、この書籍をわかりやすく解説しようとしている多くの解説書では、かえってノイズが多く、分かりづらい内容だった。 ・自分達の問題を、自分達で解決しようとして導き出した知恵である事。 ・トヨタ生産方式自体が、コミュニケーションを重視している事 そこから、長い年月をかけて洗練された「思想」であるからだと思う。 現場の人に伺うと、トヨタ生産方式を「一種の宗教」だと言う。 日本では宗教という言葉がネガティブイメージになるのだけど、「宗教」という形容がとてもマッチしているのは、トヨタ生産方式が、 「方式」ではなく「考え方」 であるからだ。 本当にソリッドに煮詰めた思想は、時代の変化で陳腐化しない。 その思想の源流は、面白い事に、次の言葉にたどり着く。 " 産業の真の目的は、一つの型に人間をまめこむことではない。 また働く人々を見かけ上の最高の地位にまで昇進させる事でもない。 産業は働く人々をも含めて公衆に、サービスを行う為に存在する。 産業の真の目的は、この世の中をよくできた、しかも安価な生産物で満たして、人間の精神と肉体を、 生存のための苦役から開放する事である。 " ヘンリー・フォード1世 チャップリンのモダンタイムズに代表されるように、工業の効率化は、働く人間の人間性を奪い、機会に隷属させる事によって行われる、というイメージがある。 トヨタ生産方式の根底にあるのは、現場の自律判断と自己組織化であり、根本に、自動織機を発明した豊田佐吉さんの 「素晴らしい判断力を持つ人間を、判断のできない機会の番人にするなんて罪悪だ」 という思想がある。 純粋に読み物として面白く、全ての人に示唆するものがある書籍だと思います。
0投稿日: 2019.01.17
powered by ブクログ1.この本を一言で表すと? ・製造業の体質強化法 2.よかった点を3〜5つ ・要するに経営者も中間管理職も、生産現場のフォアマンも、また作業者一人ひとりがみんなもっと頭を働かせて仕事に取り組もうと声を大にして言いたいのである(p212) →一部のエリートだけでなく、社員全員が考える人になろうという考え方が素晴らしいと思う。 ・「認識」とは…その意味は非常に厳格なもの、対象物に対して積極的に迫り、本質をつかみ取る意味である(p102) →常に問題がないか、という意識が自分は足りないので意識を持ち続けたい。 ・トヨタ生産方式はまだ完成の途上にあって、全従業員から発案される膨大な量の改善提案によって、日々新たに前進している。私自身、日々新たなる決意を持って、固くなりがちの頭に創造のムチを当てつつ、今日も生産現場を歩くつもりでいる(p214) →どこまでも改善。現状に満足せずに成長し続ける基本姿勢としてよかった。 2.参考にならなかった所(つっこみ所) ・ジャストインタイムはどこかに在庫のしわ寄せがいっているのではないか?(孫請けとかさらにその先) ・アメリカなどの店頭販売方式の場合、この方式はどうやって成り立つのか? ・アパレル業界など、ある程度予測で生産しないといけないような業界などには向かない? ・工場の使命は原価低減にしかないように聞こえるが労働者からの視点が足りないのでは? ・「必要数」=「売れ行き」(p111)とあるが、年間計画、月度生産計画(p87)はどうやって立てるのか? ・1人の労働者が多数の工程を掛け持ちする「多能工」化すると、専門性が高くなり代替がきかなくなるのでは? 3.実践してみようとおもうこと ・現状に問題点がないか常に意識を持つこと。 4.みんなで議論したいこと ・製造業ではトヨタ生産方式は今後も有効な手段なのか? ・他の業界への応用は可能か? ・トヨタ生産方式は時代の遺物となってしまうのか? 5.全体の感想 ・執筆時の世界情勢は現代と非常に似ていると感じた。そのせいか、内容に古さを感じさせない。 ・「なぜを5回繰り返す」、平準化、ムダ取り、工数削減などは私の会社で日常的に言われているので新鮮さはなかったが重要性を再認識できた。
0投稿日: 2018.12.30
powered by ブクログ大野耐一さんが、TPSの思想である、規模を追わない生産方式「JIT 」を語り、人間尊重の組織によってそれを成し遂げた。経営システムとしてのTPSの思想が散りばめられた本。 以下感想 リーダーの仕事は、あるべき姿を考え、思想を具体化し、示していく事なのだと気付いた。そして、それを実現する方法として組織のあるべき論があり、それも具体化した仕掛けにしていく事で、思想が実現できるのだと思う。 人間尊重とは、人は個を生かし、知恵を使い、手柄を上げ、喜びを得る事だと解釈した。 経営論として普遍的な部分が多く、これから繰り返し読んでいきたいと感じた
2投稿日: 2018.11.22
powered by ブクログ著者の大野耐一さんは、トヨタの生産方式を一から作り上げた人。だから、この本は、カンバン方式や、ジャストインタイムの解説書かと思いきや、経営のあり方、ものの作り方等にたいする実に思慮深い考察が解説されていて、とても感心した。さすが1兆円以上の利益を出す企業の製造プロセスを創った人だけあります。割と古い本(多分20年前くらいに出版されている)ですが、現在迷走する製造業を救うための知恵が満載されています。製造、設計、開発の各責任者はとくに読むべし。
0投稿日: 2018.10.23
powered by ブクログリーン開発のベースがトヨタ生産方式になっている、ということでトヨタ生産方式の大元である本書を読んでみた。 トヨタ生産方式の根源となっているのは、消費者に価値のあるものを提供する→そのためにかかった原価をそのまま乗せることはできない→そのために原価を如何にして下げるか→ムダの徹底排除、という考え方である。これを実現するための核になっている考え方として「ジャスト・イン・タイム」と「自働化」の2つがある。 ジャスト・イン・タイムでムダを徹底的に無くし、自働化で異常状態をあぶりだしカイゼンを進めていくことができる、というのが基本的な考え方である。この考え方を洗練させていくことで、変化に強い体質ができていくのである。 このあたり、リーンやアジャイルに強い影響を与えていることがよくわかる。 また、本書ではトヨタ生産方式における様々な考え方が、大野さんの経験や豊田喜一郎氏、豊田佐吉氏の思想を通じて読み取れ、なぜこのような考えに至ったかが非常によくわかる。 後半はこのあたりの思想に大部分が割かれているが、現代に十分通じる普遍的な思想で非常に刺激になる。 同時にヘンリー・フォードの著書も気になった。
0投稿日: 2018.10.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
冒頭がオイルショックに関しての話題であり、さすが40年前の本だと思ったが、その内容は現在にも通じる、噂通りの名著であった。 トヨタの有名なJIT(ジャスト・イン・タイム)、かんばん、なぜを5回繰り返す、といった有名な方式を体系化させた著者なだけに、言葉が重い。 前半は前述のトヨタの生産方式の内容と、それがいかに優れているか、という点が語られる。そして後半は経営視点で、この方式について語っている。 著者は入社数年で世界大恐慌、のちの大戦を経験している。 現在の日本の歴史は「戦前」と「戦後」で区切られてしまっているが、著者は、まさにその時代を横断している。このことは非常に意味が深いように思える。高度成長に対して、疑問を持っているということが、JITを生み出した。それが、副題にある「脱規模」の経営である。大量生産ではなく多種少量を実現しながら競争に打ち勝つにはどうすればよいか。 松下幸之助の著書を読んでも感じるが、この時代における経営者は「日本をどうしていくか」を常に考え、そして「現場を誰よりも知り」、ドラスティックに信念を持ってやり遂げる強みがある。著者、大野氏はJITを体系化させるには、20年の歳月をかけたのだ。 TOCと読み比べても面白い ●メモ ・トヨタ生産方式の基本思想は徹底したムダの排除 ・ものごとをひっくり返してみる。すると新しい発想が生まれる ・日本人は「臭いものにふたをする」傾向にある。問題を可視化しなければ改善はされない。そのため、異常があればすぐにラインを止めるようにした ・目標があると、人間は行動が活発化する 当時の目標は『アメリカに追いつけ』であった (戦後の時点でアメリカの生産性は日本の8、9倍) ・ニーズとは待っていて生まれない。つかみ取るもの 自分自身を追い込む必要がある ・生産の現場では「データ」も重要だが、「事実」を重視している。原因の突き止め方が不十分であると、対策もピント外れになる ・時間は行動の影。遅いのは、ほとんどの場合、動作、手順が違うことによって生じる。「三日で一人前にせよ」→そのためには手順、動作は標準化していなければならない ・大量の情報が経済的、か。不用品は無駄なように情報も過多になると混乱をもたらす ・計画は変わる。ものごとを決めた通りになにがなんでも動かすのは計画経済(社会主義)である ・生産現場にとって重要なのは作業手順を色々変えて、人間の働きが流れの上に反映できるようなレイアウトを考えること ・生産性が高い=スピードが速い、は誤りである スピードをあげても稼働率、寿命、必要工数などを考えて判断がいる ・「治療」よりも「防止」である ・買い替え前提ではなく、十分な保全をまずは考える ・高度成長時代に売上10%あげるのではなく、5%にして、肝心の利益をあげる。それにより自己資金で設備を増やす、借金を返す。それが経営にとって望ましい環境に身を置くことである ・トヨタは織機技術を外国企業に売り、その後、アメリカを視察して車社会になると考えて、資金をその研究に投じた ・フォード一世の先見性 物の無駄、人間の無駄。物質は管理者の手中になってこそ、初めて値打ちが出てくる 標準とは現場の人間が作り出すもの。そして、それは企業トップの概念としなければならない 標準は諸刃。標準に満足しては人間の能力は鈍くなる 産業の終点は人が頭脳を必要としない、自働かされた社会ではない。産業は世界をよくし、それを安価に実現し、人間を生存の苦役から解放すること
1投稿日: 2018.05.13
powered by ブクログプロジェクトで使ってた「かんばん」の源流をたどるべく。長い年月たゆまぬ改善の結果なのがよくわかった。しかしこの本、なんと購入から3年も寝かせてしまった。
1投稿日: 2018.02.16
powered by ブクログやっと読んだこの名作。前職の時になぜこれを熟読しなかったかと後悔。 どんな分野のモノづくりに対してもこちらの本の中にヒントが隠されていると思う。
1投稿日: 2017.11.16
powered by ブクログザ・ゴールと同じようなことを言っているが、元祖はこちらか。ジャスト・イン・タイムの発想とそれを実現した数々の努力と手法はもちろん、時代は進歩しても根本的なことは変わらないのだとつくづく思う。
2投稿日: 2017.09.20
powered by ブクログscrumの起源との噂のカンバン、ジャストインタイムについて知りたいと思い読む。それらは手法なのではなく思想、ポリシーなのだと言うのがわかった
0投稿日: 2017.06.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
トヨタの生産方式についてなんとなく理解していたつもりだったが、この本を読んだことで理解が格段に上がった。課題はずばり「多種少量生産でどうしたら原価が安くなる方法を開発できるか」である。そして豊田喜一郎が発送したジャストインタイムを大野耐一が実行した。これはフォード式の大量生産とは全く逆の発想で、物の流れを「前工程が後工程へ供給する」のではなく「後工程が前工程に引き取りに行く」とし、「前工程は引き取られた分だけつくる」という方法。これは「作りすぎの無駄」は最愛のムダとし、仕様が変わろうとも在庫のない平準化生産をめざそうというもの。そしてこれを実現するために、現場の工夫やアイデア発想が行われ、単なる自動化ではない独特の進化となったと推測している。「自働化」もそのひとつで、高速性能の機械が不良をつくらないよう機会に人間の知恵をつけよ(自動装置付きの機械)というもの。逆転の発想を本気で遂行し、会社の価値や文化となっていることに、それを提案実行した人と許容した経営層に脱帽である。いつかトヨタの実際の現場でどのようにジャストインタイムが実現されているのか見てみたい。最後の”低成長時代に生産性を上げるには”はこれからの示唆となるので忘備録を残しておく。自働化・省力化・ロボット化などオートメーション設備の導入で工数さえ減らせば原価低減ができると思っている人が多いが、結果を見るとむしろ原価は上がっていることが多い。自働化による「省力化」の考え方自体が問題なのである。そこでトヨタが取り組んだのは”少人化”であるが、これは「変化に対応できる現場づくり」のことである。機械だけでなく人にも適用できるもの、すなわち人が一人休んでも量はその分減るが生産性は変わらない、という工程の実現である。「少人化」というのは、一人でも二人でも何人でもやれる生産ラインや機械←元々は定員制の考え方を否定するところからスタートしている。これは売れなくなってきて数量が減っても逆に生産性をあげようという試みである。トヨタ生産方式は経営革新に通じ、従業員の意識変革に繋がるのである。
1投稿日: 2017.06.06
powered by ブクログ大野耐一『トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして』ダイヤモンド社。 今からおよそ40年前に執筆された生産管理のバイブルと言える名著。初心忘れるべからず、という思いから再読。 豊田佐吉により産み出された『自働化』と豊田喜一郎により産み出された『ジャスト・イン・タイム』を二本柱とし、大野耐一により体系化されたトヨタ生産方式の源流と原理原則を理解する上では最良の書。但し、トヨタ生産方式の概念や思想、考え方が中心なので、トヨタ生産方式を実践する上では自分自身で具現化するための方策を検討するか、具現化手法の解説書に頼らざるを得ない。 今や年間1兆円という、とんでもない利益を創出する巨大企業に成長したトヨタ自動車であるが、先人たちの努力と決してぶれない強い意思があってこそのものだと思う。 従って、社長交替の都度、経営の方向性が変わるような電気メーカーがトヨタ生産方式を採用したところで、単なる模倣に過ぎず、根本的な収益力の改善にはならない。
7投稿日: 2017.06.06
powered by ブクログ【きっかけ】 日経ビジネスで、もう一年以上連載されている ノンフイクション連載 「トヨタ生産方式を作った男たち」 野地秩嘉 2/27号に 「トヨタ生産方式」の紹介 1978年(昭和53年)発刊 【内容】 9/?ジヤストインタイムと?自働化 11/後工程が前工程に,必要なものを必要な時に、必要なだけ取りに行く。 ←スーパーマーケット 前工程は、なくなった分だけ補充製造する。 14/「ニンベンのある自働化」 →「自動停止装置付きの機械」 15/異常があれば機械を止めるということは、問題を明らかにすること 19/人間の能力を十分に引き出し、働き甲斐を高め、徹底的にムダを排除された仕事をするという当たり前 25/月末追い込み生産からの脱却 26/現場にいかにニーズを感じさせるか、これが全体の改善を大きく進める鍵 29/農耕民族は、在庫を抱えてないと心配。買いだめ心理 狩猟民族は、必要な時に必要なだけ調達する勇気を持つ。 ←意識改革が必要。 37/現状の能力 = 仕事 + ムダ 38/トヨタ生産方式では、必要数だけしか作ってはいけない。 42/標準作業で、肝要なのは、効率的な生産を遂行するための諸条件を考慮して、 物と機械と人の働きを最も有効な組み合わせにすること。 70/ロットを小さくして、なるべく同じものを続けて流さない「平準化」の考え方。 75/不良の意味を「不良部品」に限らず、「不良作業」まで広げて考える。 不良作業の標準化、合理化が十分行われていないと、作業方法、作業時間に ムダ、ムラ、ムリか生ずる。 216/主要用語辞典
0投稿日: 2017.05.30
powered by ブクログ1978年に初版発行の本書。繰り返し2回読んだ。 トヨタ生産方式の2本の柱となる自動化とジャスト・イン・タイムについて後者をトヨタ社内で具体的に計画、普及させていった張本人の言葉で書かれているので非常に参考になる。 どのように扱うかという方法や事例よりも、どちらかというと豊田喜一郎氏の発言から着想を得たこの生産の在り方を、大野氏がどのようにして社内で実現していったか、その辺りの過程が詳細に書かれている。 量の関数意識(まとめてたくさん作るほど安くなる)や、生産工程は前から順番に後に流していくといったそれまでの常識に反したことを実現、定着させるのはトヨタ社内だけでもいかに苦労を伴うものであったかがよく分かった。トヨタはある時期いきなりこの手法に切り替えたのではなく、大野氏の職位が上がるに連れ、少しずつ適用範囲を広げていったことが時間は要したけれども成功の要因になった、ということも学んだ。 そのほか、個人的に興味を持ったのは下記の2点。 (1)豊田喜一郎氏の引用で、自動車製造事業立ち上げに至る3年間に何をしていたかの部分 (2)後半の自動車王ヘンリー・フォードの引用と大野氏の考察
2投稿日: 2017.05.19
powered by ブクログ・長い…。 ・最後のまとめだけは、シンプルにまとまっていてよかった。 ・今はやっている生産性の概念を、高度成長の浮き足たった時代で既に意識できていた先見の明はすごい。
0投稿日: 2016.12.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
古い本だが、 現在のシステム開発にも通じる部分の多い 本質をついた考え方が多く参考になった トヨタ生産方式の二本柱 ・ジャストインタイム →流れ作業で組み立てていく過程で、組み付けに必要な部品が、必要な時に、そのつど、必要なだけ、生産ラインのわきに到着すること ・自働化 自動化ではない。 →機会に良し悪しの判断をさせる装置を、ビルドインしてある →→フェールセーフのことかな? 人は正常に機会が動いてる時にいらない →異常でストップした時にいけばよい 「つくりすぎのムダ」は最悪のムダ。高速性能の機械が不良品を作らないよう、自動停止装置付きの機械にせよ。機械に人間の知恵を付けよ。 現状の能力=仕事+ムダ ・作りすぎのムダ ・手待ちのムダ ・運搬のムダ ・加工そのもののムダ ・在庫のムダ ・動作のムダ ・不良を作るムダ 現場の人間は自分で標準作業表を書けなくてはいけない →やるべきことを人に教えるレベルで把握していなければならない 標準作業の3要素 1.サイクルタイム・・・1個、1台を何分で作らなければいけないかという時間 2.作業順序 3.標準手持ち・・・作業をしていく中でこれだけは必要だという、仕掛品のこと(機械についている物も含め) 「時間は動作の影」 遅いというのは、大抵の場合、動作・手順が違う →監督者の腕の見せどころ →トヨタでは「3日で一人前にしなさい」と言う →手を取って教え込むことで、監督者に対する信頼感が生まれる スポーツも仕事も 同じレベルのチカラでやるのが望ましいが、 個人差があるため、助け合わなければ勝てない 一番大事なのは、練習に練習を重ね、訓練に訓練を重ねること。 理論を頭で理解するというのは問題ではなく、頭で覚え込むこと →それに耐えうる根性を持つことが、勝負に勝つ道。 カンバン方式 後工程が前工程に必要なものを、必要な時に、必要なだけ取りに行く 「不良」の意味を単に、「不良部品」に限らず、 「不良作業」に広げて考える。 →不良作業の標準化・合理化が充分行われているか 企業の場では過剰な情報は抑制されなければならない →トヨタでは作られるものに情報を持たせる 生産余力があれば、経済的有利性の判断が違ってくる →作業が発生しても、遊んでいる機械、遊んでいる人を使うから費用は発生しない。 生産能力を上げ余力を生み出せば、 新たに発生する費用を考える必要はない。 現場作業を「認識」する・・・非常に厳格なもの、対象物に迫り、本質をつかみとること 1.ムダ(手待ちなど) 2.作業 1)付加価値のない作業 2)付加価値を高める正味作業(加工など) 生産現場の作業者の「動き」を「働き」にしなければならない 必要数が変わらない能率向上は、見かけの生産アップである 設備の価値は、使用した年数、型式の古さで決まるものではなく、 どれだけ稼ぐ力を維持しているかで決まるのである 省人化ではなく少人化 →人を省かず、少人数でやること 「離れ小島を作るな」 →一人だけの仕事があるなら、そういうのを5、6つあつめて チームワークを発揮できるようにしろ →ここまでして「少人化」も本物 量が増えることによって生産性や能率を上げられる人間はたくさんいる しかし、量が減ってもなおかつ生産性を上げることのできる人間はそういない。
1投稿日: 2016.02.02
powered by ブクログ欧米の大量生産に対抗する、多種少量生産という制約から生まれた 全ては原価低減に繋がっていないといけない。原価低減はどちらが有利かという判断問題とどれが一番経済的に有利かという選択問題の2つがある。 増産体制を整えるときは同時に減産体制への移行も可能なシステムを用意しておく
0投稿日: 2016.01.24
powered by ブクログ「方式」とタイトルにありますが、How to本ではなく、その背後にある考え方を理解する為の本だと思います。何が本質的なゴールなのかを明確にし(トヨタの場合は、安定してキャッシュを生む生産)、その為のコンセプトを明確にし(トヨタの場合は、ジャストインタイムと自働化)、従来の枠組みに捉われずにコンセプトに沿った仕組みを徹底的に考え(トヨタの場合は、何故を5回繰り返す)、粘り強く現場に落とし込む、この考え方に大いに学ぶところがありました。 これで読むのは4度目になりますが、これからも傍に置いて何度も読むことになると思います。
1投稿日: 2015.11.02
powered by ブクログ所在:展示架 請求番号:509.6 O67 資料ID:11500475 担当者:うめた 生産技術のトップをいく、トヨタ生産方式。 そのプロデューサの経営思想とは…。
0投稿日: 2015.07.27
powered by ブクログ昭和30年代後半ですでにザ・ゴールのようなことをトヨタではやはりやっていた。 トヨタ生産方式はあなどれない。 ただ読み物としての面白さに欠ける。
0投稿日: 2015.03.31
powered by ブクログ大分前に読んだ本。 ザ・ゴールと同じようなことを言っていて、みんな思いつくことは同じようなことなんだなと思う反面、その内容をクローズにしようとするあたりも、ザ・ゴールに似ていると思った。 話としてはこの人の話(1を10にする)より、先代の人がどう自動車産業を興そうとしたか(0から1を生む)の方が面白かった。
0投稿日: 2014.12.21
powered by ブクログおよそ40年前の本ながら得る物がたくさんある。 製造業とは縁遠いキャリアを積んでいるので、本書に書かれている事、考え方は非常に新鮮に感じた。 もちろん今のトヨタは当時の数十倍の「かいぜん」が重ねられ10兆もの売り上げを作り出していることと思うが、本書にかかれていることが礎となっていることに違いはないと思う。
0投稿日: 2014.08.10
powered by ブクログビジネス書というより、もはや歴史書。この本の知識を直接的に私の仕事に使うことはないかもしれない。太鼓判的な役割。「情報化時代においては、表面的な情報よりも情報の本質に迫ることが大事」「非常識」「逆常識」。ペラペラめくると、なんか使えそうな本質的な概念が出てくるのが、この本を捨てるのをためらわせる。「省力化→省人化→小人化」「原因より真因」「動きを働きに変える」など。
0投稿日: 2014.07.13
powered by ブクログこれまでトヨタ生産方式はカンバンとか、JITなどと表面的には知っていましたが、いかなる時代背景でどんなことを目ざして生まれてきたのか、この本を読んでわかりました。古い時代のことが書かれていますが、大野氏がいかに情熱をそそいできたかが伝わってきて、感銘を受けました。 米国フォード流の少種大量生産方式に対して、日本にあった多種少量生産に適したやり方を試行錯誤で企業風土を含めて大野氏が地道に作り上げてきたということが伝わってきました。米国流に振り回されて何でもオートメーションしてしまい、無駄なものまで作ってしまっては意味がない。またカンバン方式という表面的な部分だけ真似したところで、うまくいくわけではなく、生産の平準化や、ロットは小さく、段取り替えを素早くなどの意識が現場に定着していなければまったく機能しないコンセプトだということも改めてわかりました。
1投稿日: 2014.05.31
powered by ブクログアジャイル系のプロセスで「カンバン方式」などが活用されていたり、リーンソフトウェア開発で引用されたりと、ソフトウェアの業界でもいろいろな所で引用されているので気になっていた。 内容はトヨタやフォードで行われてきた自動車の生産性を上げる工夫に関することだが、ソフトウェア開発にも共通する部分が多い。例えば、情報もジャストインタイムで届かないと、五月雨式に届く情報に振り回されて、せっかくの設計が無駄になってしまう。 能率の向上は原価低減に結びついて初めて意味があると言うような、厳しい指摘もあるが、限り有る資源、時間を無駄なく使い、よりよい社会を築くことが今を生きる我々の使命、企業としての使命ではないかとの指摘には共感する。 生産性の向上というとちょっと息苦しいものを感じてしまう方が読んでみると、ヒントが得られるとともに、ちょっと別の視点での効率化の意義を見いだせて一粒で二度美味しい書籍になるのではないかと思う。
0投稿日: 2014.02.12
powered by ブクログ米国フォードの大量生産方式を、少量多種の日本の市場に合わせるため、「ジャスト・イン・タイム」や「かんばん」など、独自の生産方式を確立していったトヨタ生産方式についての著。 著者はその生産方式を体系化した大野耐一氏。 ブレない、一貫した思想が背景にあることがよく分かる。 まだ途上国だったころの日本の状況も考えると、当時の熱い思いに感化されるものを感じます。
0投稿日: 2014.02.04
powered by ブクログトヨタグループに関わるものとして読んでおかねばならない、と思い読了。 自分が理解してきたトヨタ生産方式が概ね間違っていないことを確認できた。 改めて「現場」の重要性を感じた。 第二章の平準化については、自社での実現に限界があるのではないかと思う。というのも、自社はトヨタが平準化した「余り」の部分を生産している。即ち、トヨタが平準化を諦めた領域が主たる生産物である。トヨタが提唱するトヨタ生産方式をそのままなぞらえるだけでは会社の問題解決にならないのではないかと考えさせられた
0投稿日: 2014.01.04
powered by ブクログトヨタが本当に苦しかった時代に、知恵と勇気を振り絞って、会社を存続させて、かつ、その後の会社の発展の基盤を造った大野さんの努力のストーリー。何度読んでも新しい発見があります。
0投稿日: 2013.12.05
powered by ブクログ豊田英二さんも亡くなったし、偶然安くなったしで読む。POSシステムも当たり前の現代からすると、だが、コロンブスの卵なのだろなあ。本田宗一郎も戦時中の見込み生産からの脱却はかなり大きなテーマにしていたし。ただ、繰り返しが多かったようなのは残念。あと、平準化のメリットは今ひとつぴんとこなかった。プレス機にしても、早く取り替えられたとしても取り替えない方がメリットは大きいのではなかろうか?在庫が出るとはいえ、それは程度問題かなあ、と。
0投稿日: 2013.10.07価値を生み出す仕事に従事している方は必読
製造業に携わる方は、職務内容に関わらず全員必読ですね。書かれたのは昭和の時代ですが、今でも十分に通用するどころか、今やモノづくりの基本となっています。 他の業態でも、何か価値を生み出す仕事に従事している方は是非読んでおくことをお勧めします。このムダを徹底排除する考え方は様々な分野に応用されています。まずはこれを読む!!それがスタート!
1投稿日: 2013.10.04
powered by ブクログトヨタ生産方式や、かんばんというのはソフトウェア産業界に身を置いていてもよく耳にするキーワードであるので読んでみた。 トヨタ生産方式がその当時の他の生産方式と決定的に違ったのは、 ニーズを起点とし、常識に囚われず常識を疑い、ムダを省きコストを削減させていく方針。 そしてそのためであれば、社内や社外も変化させていく事である。(もちろん反発も受ける) フォード創業者の著書にも触れられているが、 そちらでもやはり、多くの「しきたり」に従ってきたことが ムダであったり、最良ではなかった事であったり事例があげられている。 ソフトウェアの製造では、生産ではなく設計が殆どであるが、 ニーズから逆算したジャストインタイムな作業の流れや、「標準」への考え方、フールプルーフな設計は、 アジャイル開発として今まさに産業として成熟に向かっているのだと思われる。 自働化は今のトレンド的な技術になっているが、たまたまリソース的にマッチしてきただけであって 常々必要とされてきていたものだろう。 変化は苦痛を伴う事が多いし、全てがうまくいくわけではないけれど、 トヨタ生産方式の歩みをみても少しずつの変化の積み重ねが結果としてトヨタ生産方式でありトヨタの強みになっている。 「しきたり」や「標準」を疑って、本当に必要な事に注力していく事はいつまでも続けなければならない。
0投稿日: 2013.08.14
powered by ブクログトヨタのトヨタたる所以がよく分かった。 この本に書かれていることは社員のDNAに刻み込まれており、息をするように実践されているのであろう。カイゼンを怠ることなく。 強いわけだ。
0投稿日: 2013.06.21
powered by ブクログ「かんばん」や「あんどん」 なぜなぜ5回、ポカよけ 自「働」化、「少」力化、平準化、標準化、多能工・・・ おそろしく感じました。これを読んで表層だけの認識だと失敗をやらかします。 下手な経営者には読ませたくないです。
0投稿日: 2013.06.12
powered by ブクログ個人的には、サボるのが好きな人間なんで全然合いませんが、、 人類の宝と言っても過言では無いシステムだと思います。JITとかパーツではなく、それら全体の思想を、しかも生みの親が分かりやすく説明してくれていますので、読まない手はないでしょう。
0投稿日: 2013.05.11
powered by ブクログわかりやすく、また読みやすく記載されている。 一方で同じ内容を繰り返し記載されているため、1,2章を読めば仕組みは理解できる。 4章には著者が影響を受けた先人の言葉があり、それも理解を深める上役に立つ。
0投稿日: 2013.04.30
powered by ブクログトヨタで採用される生産方式について書かれた本。 生産管理について学びたかったから、友達に借りた。 自分がもやもやと考えていた、【価格を安くするために、必要以上に大量生産を行って、在庫で保管するのは正しいのか?】という問いに対して、真正面の回答があったのと(必要な品物を、必要なときに、必要な量だけを生産)、それを実際に証明する方法としてのトヨタ生産方式。 以下、参考になった点をピックアップ。 ■ジャスト・イン・タイム 必要な品物を、必要なとき、必要な量だけを手に入れることが出来れば、生産現場のムダ・ムラ・ムリをなくし、生産効率を向上することができる。 ■自働化 機械に人間の知恵を付加すること。例えば、異常が生じた場合、ストップするような機械など。 不良品の発生を防止、つくり過ぎをおさえることができ、生産現場の異常を自動的に発見する事ができる。 ■5W1Hを自らに問え。 問題点を発見する為には、「なぜ」を5回反復してみよ。「なぜ」を五回繰り返せば、本当の要因(真因)がわかり、どうすればよいか(HOW)も分かってくる。 ■「省力化」⇒「省人化」⇒「少人化」 ■「動き」を「働き」にする。 「働く」とは工程が進み、仕事ができ上がることで、ムダが少なく効率の高いことである。 ■現状の能力=仕事(作業)+ムダ
0投稿日: 2013.01.28
powered by ブクログ【概要】 トヨタのモノづくり、ひいては日本のモノづくりの本質。 現場の一人一人が「知恵」を使って前進することが、いいもの作りの本質。自分で考えて、動ける現場がトヨタの武器。 沢山作れば(使えば)原価はやすくなるという「規模の経済」を脱出した、多種少量生産で世界のニーズに応えるトヨタのモノづくり。それを支える哲学として「可能な限りの無駄の除去」という哲学。哲学を実現するこ行動として「自働化」「ジャストインタイム」。行動を効率的に行うための「かんばん方式」。すべての行動は人間の「知恵」の上に為る 【問題提起】 生産管理に従事する人は「絶対」に読まなきゃいけない本だと思います。読んだ上で、この本に書かれている内容について自分の頭で考えてもらいたい、比べてもらいたい。たとえば、アップルをはじめとする「自分の工場をもたない製造は現場を強くする必要はない」「アイフォンのように限りなく種類を絞った規模の経済に全体重を乗せたもの作り」どちらも妥当でしょ?
0投稿日: 2013.01.01
powered by ブクログトヨタ生産システムを作り上げた思想を教えてくれる。 単純な見た目だけを真似しても仕方なく、その本質は考え抜くことだろう。 そういう意味では、これは最適な方法では無く、あくまでも理想を実現するための手法に過ぎないということが分かる。
0投稿日: 2012.12.28
powered by ブクログリーンスタートアップ読んだからには元祖も読まなきゃなと思って読んだ。トヨタ生産方式がマスプロダクションへのアンチテーゼとか、低成長時代の方法とか、それまでのイメージと正反対で目からうろこだった。
0投稿日: 2012.12.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
リーン生産方式やリーンソフトウェア開発の起源を読む事ができた。 ここから上記を生み出したポッペンディークは素晴らしい。感謝。 省力化と省人化をする際に、ムダな作業をなくし、その目的をしっかりと把握した上で実行しないと、それは、新たなムダを生み出してしまう。 自動化よりも人が考えて行動する自働化が大事であること、日々新たに改善を行い、満足することのない精神は、松下幸之助と通じるところである。この時代に生きた人たちの知恵と魂の結晶なんだろう。 自分は少しでも学ぶことができたのであろうか。そうである事を願う。
0投稿日: 2012.12.24
powered by ブクログ【トヨタ生産方式を作った本人が説明】 トヨタ生産方式を創造した張本人が、その背景とシステムを説明する。 全社を巻き込んだこの構造改革は、内容を知れば知るほど、よくやれたな〜と感心しないではいられない。熟練工の反対や大幅な投資にも関わらず、それを諦めず、そして大野耐一氏を含めたトヨタ生産方式を考えているチームを信じたことに、驚きを隠せない。 Just In Timeシステムは、いまや世界に知られてはいるが、導入がされている企業はどれだけいるのだろうか。先日、台湾の自転車メーカーが導入しているというのを聞いたが、言うは易く行なうは難しであると感じた。
0投稿日: 2012.11.23
powered by ブクログ30年以上前に書かれた本ですが、とても読みやすい本です。内容も今でも充分に通用する物となっており、様々な分野でTPSに取り組む際の指針となる内容でした。 巻末の用語集はそれだけで本書の内容の要約となっていました。
0投稿日: 2012.10.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
トヨタ生産方式(TPS)を基礎から学ぼうと思い、本書を手に取りました。 TPSといえば「かんばん」に代表される「ジャストインタイム」や「自働化」が有名ですが、本書を読むとTPSが目指す最終的な目的やTPSが生まれた時代的背景が良く理解できます。 同時に、自分の職場の状況を顧みると、いかに「ムダ」が多いかを痛感させられます。。。
0投稿日: 2012.09.22
powered by ブクログ生産工学のバイブル。らしい。 ぼくは会社の経理研修の参考書として読みました。たしかに大野さんはすばらしい技術者であり経営管理者ではあると思います。ここで書かれていることも概念としては重要なのでありましょうが、正直この本だけで何かに使えるかというと、??でした。 実験室レベル・町工場レベルではカンバン方式というのはWIN-WIN-WINなのでしょうが、大きくなればなるほど、どこで変動在庫を持つのかーという話になり、営業台数を必達する営業部隊がKFSになり、盲目的な賞賛は危険でありましょう。それであればまだゴールドラットのザ・ゴールの方が実際に教科書として使えるように思います。 トヨタの強さはカンバン方式ではない、とは言いますが、そこまでいってしまったら、もう本からはイメージしか読み取れないですしね。まぁ歴史古典ということで。ビジネス本ではないです。
0投稿日: 2012.05.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「なぜ」を繰り返すという科学的アプローチの態度がトヨタ生産方式が生まれた肝であろう。 科学的態度こそ、戦闘農耕民族トヨタマンの真髄だろう。 そして現場主義。 この本に書かれているようなアイデアは、現地にいて現物を観察しなければ、得られないものである。 トヨタ生産方式とはムダを徹底的に排除する「しくみ」である。 作業員が頑張ったって効率は上がらない。 しくみを考えだすことが大切なのだ。 生産現場を分析し、生産効率を極限に高めるしくみを生み出した態度は、工業製品の生産以外でも通用する態度である。 引用されていたヘンリー・フォードの言葉が印象に残った。 『もし人が何も使わないとしたら、ムダは生じないであろう。』 『もしわれわれが何一つ使わないとしたら、すべてがムダではないのか。』 『天然資源を利用しないで保存することは、社会へのサービスではない。それは、物は人よりも重要であるという、あの旧式の理論に執着することにほかならないのである。』
0投稿日: 2012.03.07
powered by ブクログ大野耐一さんの手による、紛うことなき名著である。 ムダの排除、少量多品種生産を軸にした理路整然とした考え方であり、目から鱗。 本書を読んだ後に、「弱い現場」に足を運んだら、宝の山に見えるだろう。 ただ、理解は非常に難しい。 現場で叩き上げられた考え方であり、現場に立ち続けないとその全貌は理解できないだろう。 だからこそ、トヨタ(およびトヨタのサプライチェーン)の競争力の源泉となりうるわけだが。 実を言うと、トヨタ生産方式については以前より勉強をしているので新情報はなかったが、 大野さんの紹介によるヘンリー・フォードの言葉が非常に興味深く、心に残したい。 「産業の終着点は、人々が頭脳を必要としない、標準化され、自動化された世界ではない。 その終着点は、人によって頭脳を働かす機械が豊富に存在する世界である。 (中略)産業の真の目的は、この世の中をよくできた、しかも安価な生産物で満たして、 人間の精神と肉体を、生存のための苦役から解放することである」 「あの『効率』ということばが憎まれるのは、効率でないことまでが、効率という仮面を かぶってきたらからである。効率とは、まずい方法をやめて、われわれが知り得るかぎりでの 最もよい方法で仕事をするという簡単なことである」 ……生存のための苦役からの解放! 僕は思わず頷いた。 フォードの本旨は、肉体労働からの解放だと思うが、現代社会への示唆も多い。 車が、家電が、インターネットが人々の生活を豊かにするというけれど、 それがために常に切羽詰った労働を強いられる現代の労働者。 少なくともフォードの時代から事情は同じだったのである。 一方でムダを排除した仕事をして、余った時間でムダを享受するなんて、 全くなんてムダな行いなんだろうか。僕の疑問はシンプルにここにある。 そうではなく、人が「必要に応じて」「より上手に」機械を使えば、必ず生活は豊かになる。 が、与えられたから無目的に使うだけでは、却って新たな苦役を被ることになる。 この点は、今後もよくよく考えていきたい。 話は逸れたが、本書に学ぶべき点はもう一つ。日本人が日本人のために考えたシステムだということ。 このシステムがトヨタを支え、日本の国際競争力の源泉の一つとなっている。 これを、あくまで労働集約型産業、特に少量多品種生産の垂直統合型産業に当てはまるシステムだと 言い切ってしまうことは間違いではないと思う。 車が家電化すると言われる現代で、どれだけの有効性を保てるのか。 トヨタは設計に、営業に、調達に、つまり事務作業の「現場」にこのシステムのエッセンスを 取り入れるべく、現在改善を重ねている。 例えば、標準作業の定義ができる処理作業には是非適用すべきだと思う。 ただ、急速な変化を取り込めるだけの弾力性があるかには、疑問が残る。 自動車産業の根本の特性が変化していく現在、既存のシステムに甘えるのではなく、 先人の知恵を取り入れながら、もう一度、日本人の手で新たなシステムを確立したい。 それが本書に対する真面目な受け止め方だと思うのである。
0投稿日: 2012.01.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
トヨタ生産方式について、解りやすく説明している。トヨタ生産方式の教科書と呼べる本である。 「脱規模の経営をめざして」というのは、大企業病に罹らないための方策かもしれません。 なぜを5回繰り返すという話題があります。 なぜを5回繰り返せば、より本質的な問題に辿りつくか、より幅広い問題に辿り着くかもしれません。
0投稿日: 2011.12.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
野中郁次郎『経営は哲学なり』では、トヨタの現場改善、ジャストインタイムを生み出した豊田喜一郎の哲学に遡る!
0投稿日: 2011.12.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
TPSは米自動車メーカに対抗するために、ムダ、ムリ、ムラを徹底的に排除することで、原価低減による多品種少量生産に対応する方法である。 【ムダ、ムリ、ムラの主な排除方法】 ①ジャストインタイム 顧客のニーズを考えて必要なモノを必要なだけ作る。そのため、後工程から順番に生産数を考えねばならず、各工程の生産情報をつなげることが必要となり媒体として「カンバン」を採用した生産方法となる。 ②自働化 作業工程中の3Mを徹底的に排除するため、標準作業による管理を行なっている。 具体的には、効率的な生産を行うための諸条件を考慮して、モノと機械と人の動きの最も有効な組み合わせを考える。人間の働きが流れの上に反映できるようなレイアウトをデザインする。 ◆ポイント◆ 流れ作業において、ジャストインタイムを目指したとしても、各工程で少しずつ手持ちををしてしまう、「作りすぎの無駄」というものがある。ラインの後や中間に在庫がたまってしまうと、その在庫を移動させたり、積み直したりという動きが仕事とみなされてしまうと、無駄の作業が見つけにくいため、注意が必要。
0投稿日: 2011.11.12
powered by ブクログにんべんのついた自働化、とよく表現されますが、やはり元祖は分かりやすさなんて気にしない!哲学を情熱で表現された、やはり名著です。
0投稿日: 2011.10.05
powered by ブクログ名著。TPSは単なる生産方式ではなく、経営のあり方を変えてしまう強力なシステムだ。 製造業に限らず、サービス業にTPSを適用してみたら? 自分の実生活にTPSを適用してみたら? 考えたら尽きることがない。非常に面白い。
0投稿日: 2011.09.09
powered by ブクログトヨタ生産方式とは、日本人による日本人のための生産方式なのだな。 自分はソフトウェアの業界で、生産ってのは分野が違うけど、この考え方、精神は絶対に役に立つと感じた。 良い本です。
0投稿日: 2011.05.27
