
総合評価
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powered by ブクログ明治から大正時代の、今では文豪と言われる人々が、何者かになろうと模索しつつ温泉に浸かる話。たくさんの文士が登場してそれぞれがもちろん関連するので、そういう関係を見る楽しみもある。 へえ、と思ったのは、むしろ娘の幸田文かが語った姿しか見てないのでかつては風呂にも入っておらず垢だらけだった田舎者の幸田露伴とか、各国で女を探しているラフカディオ・ハーンとか(笑)。ハーンは東大で面白い講義をするのでかなりの人気があったそうで、それに負けていた漱石が人気ぶりを研究してやっと学生に振り向いてもらえたことなど。 漱石は英文学者なのでどうしても外国人教師から報酬が安い日本人教師に変わる端境期で、ハーンの後釜に漱石のパターンになるのよな。これは高校の頃から気になっていた。『坊っちゃん』の松山中学も熊本の旧制五高もそうだもんね。 ラスト近くは漱石の危機、修善寺危篤の話や葬儀の話などがあり、鴎外ももちろん登場する。やはりこのときの文壇シーンの背骨は、この二人だったのかなあ、と感じた。 彼らの退場と入れ替えに芥川や、川端康成が次世代の顔として登場するのが印象的。 それにしても鉄幹は姑息な奴だよな(笑)。 この作品、それぞれのエピソードが見てきたかのようにやたらと細かい。すごい資料調べたんだろうな、と感心しつつ読んだけれども、あとがきに伊藤整『日本文壇史』がとにかく参考になったとあり、積読なのでやはり読まないとと思った。買っておいてよかった。 わたしも温泉や銭湯に浸かりまくる人生送りたいなー(笑)。 これ、それぞれの文壇スターが目の前で生きているようだし、みんなキャラ立ってるし、とにかく楽しいので、みんな読むといいと思うよ。 ちなみに、タイトルの「ざぶん」はお風呂に入るときの水音だと思うけれども、「ザ・文豪(または文壇)」の略で、ダブルミーニングだと思うの。
0投稿日: 2025.10.19作家の創作の源泉としての温泉
作家といえば温泉、温泉といえば作家。というのは言い過ぎかもしれないけれど、どの温泉に言っても「小説家ゆかりの地」のような石碑や銅像が立っていたりしませんか? 夏目漱石の「坊っちゃん」に「明暗」、志賀直哉の「城の崎にて」や川端康成の「雪国」に「伊豆の踊り子」など、パッと浮かぶものだけでも、名作の誉れ高いものばかり。 この本では、本を出す度に温泉通いをしていたという温泉作家の先駆け幸田露伴を筆頭に、温泉大好き! な明治・大正の作家たちを取り上げています。尾崎紅葉や森鴎外、山田美妙、国木田独歩、樋口一葉、泉鏡花、田山花袋、島崎藤村、与謝野晶子、有島武郎、石川啄木、北原白秋、幸徳秋水、永井荷風、谷崎潤一郎、志賀直哉、そして『雪国』の川端康成まで。 お湯の効用から美しい自然、おいしいもの、色恋沙汰まで。教科書で習うような文学史では決して語られない温泉を通じた文士交遊録。
0投稿日: 2013.12.02
powered by ブクログタイトルもいいし、一話一話の情景の切り方も上手いものである。明治文学の雰囲気がつまらない文学史よりもはるかに鮮やかに伝わっている、さすがの力量。
0投稿日: 2012.04.01
