
総合評価
(3件)| 0 | ||
| 1 | ||
| 1 | ||
| 0 | ||
| 0 |
powered by ブクログ1987年下期の直木賞受賞作品。1933年(昭和8年)生まれの作家による青春期の回顧録‥‥と聞いて、興味を持った方だけ読むのが最良の選択なのかもしれない。倫理観が目まぐるしく変化した混沌の時代の証言書としての価値は充分にあると思うが、ほとんど増版を重ねていない事実は踏まえておく必要があるかもしれない。
3投稿日: 2023.01.26人生の黄昏が見えだした頃に読んでください。ジワッとしみ入ります
調べてみると作者が54歳の頃に出版されています。ちょうど私が今その年代です。もうどうあがいたって、今より悪くなることはあっても、今後の人生において、ドラマチックでハッピーな展開は、期待できそうもありません。そんな年代の人には、きっと共感できるモノがあると思います。 自殺した同級生の葬儀に出席するため、久方ぶりに故郷に帰るところから物語は始まります。その風景、友との語らいを通じ、己の少年時代、青春時代の思い出がフラッシュバックのように蘇ってきます。何はともあれ野球だったこと、父親との確執、自分の弱さとの葛藤、それが現実の時間と交錯して、主人公の心の中によぎります。 人はいつか必ず死を迎えます。その終楽章が見え始めた時、誰しも生涯を振り返りたくなります。これでホントに良かったのか?でも、これよりほか無理だったしなぁ。だけどもし、あの時に…。こんな想いに、先に逝ってしまったアイツは、どう決着をつけたんだろうか?タイトルの「それぞれ」とは、登場人物のみならず、読み手も含めたものなのでしょう。そんな黄昏を迎えつつある年代の者には、心にしみます。 また、話の構成は、時代が現代と過去を行ったり来たりするので、少々煩わしい部分もありますが、時々びっくりするような表現にも出会います。たとえば、50過ぎの男について、「心の底はみんな少年なんです。世渡りの必要上、大人みたいな顔をしている。なにかあると、仮面がはがされてしまうんです。」とか、「賛美歌」について、「はっかをたべたときのように、のどの奥が透き通った感じになる。」等々。こんな表現、どこかで使えそうじゃありませんか?
1投稿日: 2014.12.13
powered by ブクログ書き慣れた人のしっかりした小説だなぁという印象です。書かれている内容は好きではありませんが。お父さんが東京帝国大学卒とかなんですが、こういうの読むと「けっ」って思ってしまうほうです。その後のお父さんの落ちぶれっぷりもすごいのですが、やっぱり「けっ」って思っちゃうんだよなー(東京帝国大学卒の方にたいして全て発動するわけじゃないから、ようするに書き方なんだろうと思うんだけど) それはともかく、中年男性が振り返る青春とか友情とか、そんな感じのお話で、よい小説なのだろうとは思いました。書かれている内容はあまり好きではないのですが、スタイル(文体)も構成も、この手のものは好きですから、読み切れました。ただし、小説家である主人公が故郷へ戻って云々という部分はすんごいこの手のものは苦手なんだよなと思いました。苦手なものと好みのものの間で「うーん」と思いながら読んでた感じでしょうか。
0投稿日: 2013.02.04
