Reader Store
Nの逸脱
Nの逸脱
夏木志朋、からんころん/ポプラ社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

105件)
3.3
4
34
50
10
1
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    続きが気になる!という感じで一気読み。場違いな客が一番どうなるのーってドキドキしたけど、スタンドプレイも占い師Bも面白かった!ふとした瞬間に逸脱してしまう。私もここまでではないけど思い当たる節がちょいちょいあり、明日は我が身と感じた。ストレス溜めないようにしよ(ちがう?

    1
    投稿日: 2025.02.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    デビュー作『二木先生』がスマッシュヒットを飛ばした著者の新作。間違っている、いや明確に罪を犯した人が主人公の短編が3本。勝手にドツボにハマっていく人の話とも言えるか。読んでいてどことなく居心地が悪いし、破綻気味な人の話だから先が読めなくて面白い。二転三転した末の大オチまで含めて『場違いな客』が一番好きかな。

    0
    投稿日: 2025.02.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    前作『二木先生』にハマりまくって 新刊出ると知り予約購入するくらい心待ちにしていた今作。 『場違いな客』『スタンドプレイ』『占い師B』の3つの中篇作品集。 タイトルの「N」はノーマルのことかな。 3つの話はそれぞれ独立した話で、みんな社会にイマイチうまく適合できてない人たち。彼らがほんの些細なきっかけでじわじわと日常から逸脱していく。 でも、「ふつう」とは何か、っていう話では全然ない。 殺人事件とかじゃないし、グロテスクな描写もそれほどではない。ただジワジワとヤバい場所へ逸脱していく展開にゾワゾワした。 自分までそっちの世界に連れて行かれそうな。 三つの話はそれぞれ独立してるんだけど、最後ほんの少し繋がり持たせるところも秀逸。 どんでん返しの繰り返しで頭混乱しつつ、ところどころクスッと笑えるところやスカッとするところもあって、やっぱクセになる作家さんだ。 ただ最後までわからなかったのが 表紙のイラストカバーにある数字 XII(12)の意味。 IX(9)ならわかるんだけどな。 気になる〜

    5
    投稿日: 2025.02.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    二木先生からファンになった夏木志朋さんの新作。夏木さんは、綺麗事ではない人間の本質を描ける作家さんだと感じている。本作でも、人間の汚い部分や負の部分が描かれている。しかし嫌な気持ちでは終わらない。自分の汚い部分を自覚し、受け入れ、前に進んでいく主人公達。ハッピーエンドかバッドエンドか、そんなことはどうでも良い。そもそも人生には、ハッピーエンドもバッドエンドもない。主人公達が、あるがままの自分をどう受け止め、どう思い、どう生きていくか。それを感じられることに意味がある短編集だった。

    3
    投稿日: 2025.02.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ストーリーテラーとして絶大な信頼を寄せている桐野夏生さんと黒川博行さんの2人が帯で絶賛していたのを書店で見て、著者も知らなかったし評判も何も前情報は一切なかったがこれは面白い物語に違いないと購入。これがまんまと図に当たって久しぶりに一気読みの面白さだった。3編の短編集のいずれも主人公がとある相手に出会ったことで、それまでの日常が急展開<逸脱>していくという、言ってしまえばありふれた設定なのだが、先が読めないストーリーとキャラクターの魅力で「この人どうなる?どうなる?」と読むのが止められない。逸脱する行為もそれほど派手な事件性があるわけでないし、シュールな世界観とも無縁、キャラクターも奇矯というほどでもない。なのにこれだけ面白いというのは、物語がとにかく独創的であることと、キャラクターの心理状況の描写が適時的確で、キャラクターへ好き嫌いで共感はできなくとも没入感はとても高くなるからだと思う。本書の収録では2番目だが初出は1番目の「スタンドプレイ」が逸脱というテーマにもっとも近しく、かつサスペンス要素が高く完成度も高いと思うが、展開の予測不可能さとキャラクターの強さは3作目の「占い師B」が圧巻の出来。

    12
    投稿日: 2025.01.26