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いつか月夜
いつか月夜
寺地はるな/角川春樹事務所
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総合評価

171件)
3.7
28
62
62
10
0
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公のよく考えるところが好き。最後にウォーキング仲間がバラバラになるのはさみしい。根っこの部分では繋がっているんだろうけど、これからも関係を継続してほしいなーと思った。

    0
    投稿日: 2025.11.15
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    ただ生きていくことは、旅のように流れ移ろい行くのかもしれない。同じ闇を抱えているように見えたから、いっときだけ一緒に歩き、救われる人もいる。が、必ずしも、そのひとたちと一緒に生きていくのが正しいわけではない。 そして、人が変わっていくことに、何か大きなきっかけが必要なのではないと思った。だから変わりたい時に大きなきっかけを求めなくてもいい。そんな気がした。

    1
    投稿日: 2025.11.05
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    何か大きな出来事があるわけではなく、誰にでも起こりうる日常を描いた作品なんだなと思った。 主人公で語り手の實成は、人に流されず、自分の気持ち、考え、抱いた違和感など、機微を大切にしていて、そして言葉も選んで会話ができる人で素敵だなと思った。 塩田さんとの最後のシーンは、2人の会話がとても素敵で、互いのことを深く理解しあっていることが伝わってきて感動した。 ただ「もっちゃん」はそこまで作中で触れられてなかったので、最後いきなり話が飛んだような、少し気持ちがついていけなかった。 そして真面目で大人しい人だと思ってた伊吹さんはいろいろ大変だった……實成への嫌がらせはさすがに酷いと思った。

    12
    投稿日: 2025.10.31
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    久しぶりの寺地はるなの小説。登場する人物も等身大のどこにでもいそうな人たちで、いろんなことを抱えて他人を思いやりながら生きている。相手から求められることと、自分が与えられることのギャップに思い悩みながらも、自分自身であることをやめられない悩ましさ。煮詰まった関係に嫌気が差して、離れたいと望みながらも、求められることの安寧から抜け出ることができないもどかしさ。自分の気持ちを理解してもらおうとどんなに言葉を尽くしても、受け止めてもらえない絶望。特に大きな事件が起きるわけではない日常を淡々と描くなかで、複雑で難しい人間関係の機微を言語化して気づかせてくれる、最初から最後まで、なめらかで味わい深い日本語表現が心地よい、こころに滲みる小説だった。

    12
    投稿日: 2025.10.21
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    納得できないなら誰かの親切をありがたく受け取る必要はない、違和感を感じているなら距離をとってもいい、皆に合わせようとして無理する自分を嫌いになることなんてない。時には誰かの手を借りつつ、誰より一番近くにいる自分の声を聞いてあげようと思います。

    2
    投稿日: 2025.10.18
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    人は誰もが不安(モヤヤン)を持っている。 それに流されたり、流されてそれに合わせることが居場所に思えたり、気づかないフリをしたり、人に押し付けたり、人のそれに土足で踏み込んだり‥ それを振り払う手はあるし、差し伸べてくれる手もあるけど、最後に踏み出すのは自分。踏み出せば変わっていく。そして差し伸べるよりも、側にいて存在や生き方を認めることこそが、周りの人の役目かもしれない‥ ほんわり暖かい登場人物の、ほんわかな話だけど、ゆるく優しい中に、ものすごく強い芯が胸に残る話でした。 「いつも月夜に米の飯」深いなぁ。

    34
    投稿日: 2025.10.13
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    自分が違和感を感じる時、深く考えず、スルーしてその場に合うことを言ってしまう。 だけど、そんな時、どうして違和感を感じるのか?ってところを掘り下げてみると、モヤヤンが居なくなるんだと思う。 積み重なったモヤモヤは、いつかこんな形で現れるんだよね。

    5
    投稿日: 2025.10.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんとなく話が進んで なんとなく落とし所に落ち着いた感じで よく分からなかった。 伊吹さんだけDV男の所に戻って救われない。

    1
    投稿日: 2025.09.24
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    みんなみんな1人で、でも繋がっている。 寺地はるな先生が紡ぐ夜は、 ほんのりあたたかくて心地いい。 夜っていいな、1人じゃないっていいな… じんわり染み入る、ひととひととの物語。 實成冬至には、父が亡くなってから「モヤヤン」という何かにつきまとわれている。そいつから逃げるように、實成は夜を歩く。そこで出会う様々な人もみな、何かを抱えている。複雑な家庭環境だったり、上手く恋愛できなかったり…そんな何か引っかかる気持ちを、ただただ夜が、一緒に歩くメンバーたちが、軽く柔らかくしていく。 最後にみんなが選ぶ未来や冬至が導く答えは、リアルで決してキレイなものじゃないかもしれない。それでもそのリアルさが、現実世界を生きる私にはとても染みた。キレイじゃなくても、登場人物たちみたいに遠回りして悩んで足掻きながら…1歩を踏み出していきたいと強く思えた。 寺地はるな先生が描く夜がリアルでとても好きだ。そこには暗闇だけじゃなくて、ちゃんと夜明けが待っているという確信がある。「明けない夜はないよ」って伝えてくれているような先生の作品をこれからも愛読していきたいと思う。

    11
    投稿日: 2025.09.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初めて寺地はるなさんの作品を読みました。書店で、表紙と帯のコメントに惹かれて手に取った一冊です。 タイトルが、「いつか月夜」ですが、「いつか」月夜であって良いけど、「いつも」月夜であってはいけないという意味が込められていると感じました。 月夜のように、何かに照らされて、その明かりを頼りに生きるときがたまにはあっても良いかもしれないけれど、その心地良さに甘んじてはいけない。何に照らされなくても、自分の意思で歩かなければいけないときもあるということです。 話の内容としては、様々な事情を抱えた登場人物が、主人公と共に散歩会をするのですが、その抱えている事情や複雑な人間関係がだんだんと分かってきて、読んでいて先が気になるストーリーでした。 他の作品も読んでみようと思います。

    2
    投稿日: 2025.09.15
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    不思議な話だった タイトルの通り眠れない夜に読むとホッとするようなそんな小説だと感じた 冬至は色々なことに気づきひっかかる そして深いことを考えてる なんだかじわじわと心をあっためてくれる作品でした 夜のウォーキングもう少し涼しくなったら私もやってみようかな

    1
    投稿日: 2025.09.14
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    夜に散歩する人たち。わだかまりや譲れないものを抱えて歩き続ける。でも最後には離れていく。いつも月夜ばかりではないし、月がなくても歩ける、あなたは別の人と歩くべきという塩田さんのラストの言葉が良かったなあ〜。一時、とても心地良い仲間のようになったけど、この散歩を通して変わっていった彼、彼女たち。変わらないものなんてないんだな。

    1
    投稿日: 2025.09.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公と散歩仲間たちとの交流が描かれている。それぞれが抱えてる問題が少しずつほぐれていくのが心地よい。 伊吹はちょっと性格悪いなと思った。

    0
    投稿日: 2025.09.08
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    月夜に食べる米の飯。 善き人。 言葉の表現がよかった。 勉強になりました。 みんなで協力したり共感したり。 私にもこんな友達が欲しいと思わせる 作品でした。

    4
    投稿日: 2025.09.07
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    2024年出版。とても地味で普通、のようでいて、ジンワリ自分とは違う人々・関係性を間接体験する作品だった。非日常を強調するような部分は見当たらず。下手をすれば退屈と感じる読者も多いかも知れないな、と思いつつ、意外と興味深く読み切ってしまった。とても丁寧に、人の気持ちや心を大切にする・したい人達が中心的に出て来る。反するタイプの人達が対比的に描かれる。妙に文学的だったり、小難しく押し付けがましく含意の描写は無い、ように読んだ。なんか、ほの暖かい気持ちで読み終えられました。

    1
    投稿日: 2025.09.07
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    ふわっとしてるんだけど、ちゃんと人に対しての感情を整理してつきあえる實成は信頼できるし好きだなと思った。

    2
    投稿日: 2025.09.04
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    ものすごくリアルに人の葛藤が描かれている気がする。そんなモヤヤンを抱えた人たちの夜の散歩シーンはうらやましい。一人増え二人増え…少しずつみんなが前に進み、一人減り二人減り…、最後一人になってしまうかと思う主人公の前にモヤヤンの名付け親が現れてくれてほんとに良かった。

    1
    投稿日: 2025.08.29
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    淡々と市井に流れる時間が印象的。不器用乍も生きていくということか。エンディングが少し安易だが一方で救いを見た。

    1
    投稿日: 2025.08.25
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    實成は、無関心なようで周りの人のことを考えた行動ができ、とても優しい人でいいなと思った。 いろんな人と関わったり離れたりすることで、自分自身で問題を解決していく、やっぱり人との関わりって大事だと思った。 すごく心に染みて、今読んでよかった。 塩田さん、とても素敵な人でした。

    1
    投稿日: 2025.08.24
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    静かに、淡々と、夜のように進んでいく物語。「どこにも移動せずに旅をする人もいる」ってすごく良いなと思った。善く生きようとする實成の性格や考え方も良い。無関心なようで、たくさんたくさん考えてる。外に出すわけではないから一緒にいても気づけないかもしれないけど、私はすごく好きだなと思った。 夜の時間って、不思議と落ち着けたり、深い思考になったり、朝昼とは違う独特な時間だよね。ハッキリした理由なんかないんだけど、深夜に散歩したこと、自分にもあったなぁなんて思い出した。

    12
    投稿日: 2025.08.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    良い小説だと思うんだけど、寺地はるなブランドってのが先に立って、ちょっと期待ほど盛り上がらなかった。 なんとなく、津村記久子の小説に似ているテイストやけど、津村作品ほど振り切ってないというか…。 得体の知れない不安感(モヤヤン)にとらわれないように忙しくする、それでもとらわれたら散歩に出る。なるほど、俺も時々焦燥感とか自己嫌悪が突然噴き出してきて、どうにも身動きとれなくなりそうになるんやけど、そういう時は走ってる。大声で叫びたいけど、街中では下手すると通訪モンやしねぇ。 伊吹って女が気に入らんかったなぁ。クズ男に惚れて身を崩すのは本人の自由やけど、自分が不幸なのを免罪符に元カレ騙し打ちにするような行動はサイテイ。

    0
    投稿日: 2025.08.19
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    得体のしれない不安、モモヤンに取り囲まれ、心細い夜に歩いていたみなりくんは徐々によるに一緒に歩くメンバーが増えていく。 各々心に見えた事情や思いを抱えて不安で眠れない夜を歩くという行為で共有したことで、少しずつ解き放たれていく。 しずかでやさしい物語。

    0
    投稿日: 2025.08.18
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    散歩しながらそれぞれが訥々と話す物語。 慣れる必要が無い事に慣れてはいけない。 善き人が必ずしも正しいわけではないし いつも善き人ではいられないけど、ふと立ち止まったり、迷ったりしながら生きていく。

    21
    投稿日: 2025.08.17
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    2024年21冊目 『いつか月夜』寺地はるな 読了。 本当に素敵な作品。読みやすいなと読み進めてきたクライマックスの言葉。 タイトルの意味も全て綺麗にハマり、伝えたいことの意味がわかった気がする。 辻村さんのゼロハチゼロナナ以来の快感かもしれない。 あれは光だったよ、と続けて、塩田さんはすこし笑う。 「月ではなかった。星でもなかった。なんだろうな、街灯かな。それか、よそのお家からもれてる灯りとか、自動販売機の光。暗い道歩いてる時って、そういう光ってるものが見えるとほ っとするじゃない」 相槌を打つので精いっぱいだった。それ以上長く喋ったら泣いてしまいそうな気がする。 「いつも月夜なんてありえないけど、月夜じゃなくても歩けるんだよ。わたしもあなたも。他 の人たちも、みんな」 「わかってるよ ペットボトルを三本抱えた熊が駆け戻ってくるのを見つめながら、實成は黙って頷いた。 「あの時、おれに「いつもちょっと悲しそう」って言ったの、覚えてますか」 「嬉しかったです、あの時。周りの人に悩みなさそう、って言われるたびに、「なかったこと にされてる」気がしてたから。でも塩田さんはおれの悲しみを見つけて、ちゃんとそこにある よねって言ってくれた。それだけでよかったんです。塩田さんにどうかしてもらおうとか、そんなふうに思ったことはなかった」 「なんだか、長い旅をした人の顔をしてるね、實成くん」 「どこにも行ってないよ」 あれ、實成くん知らないの、ともっちゃんはぐっと上体を反らした。背の低いもっちゃんは、 そういう体勢を取らなければ實成と視線が合わない。 「どこにも移動せずに、旅をする人もいるんだよ」 ほんの数か月のあいだに、いろいろなことがあった。さまざまな人と出会い、いっとき近く 聞きたい。 なり、また離れていった。それはたしかに、旅のようなものだったかもしれない。 旅のようだった今日までのことを話したい。もっちゃんにぜんぶ聞いてほしい。同じだけ、 もっちゃんの話を 自分ともっちゃんのような人生を歩む速度が違う人間が共に生きていくのは、とても難しい #読書記録2024

    3
    投稿日: 2025.08.13
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    淡々とした文体で季節感の表現もなく、實成を苗字と思わなくて、亜子の年齢も全然わからないし、読みづらかった。生きづらさを表現するため、敢えて登場人物を徐々にぼんやりと見えてくるように描いているのだろうかと、悶々としながら読み進める感じ。 最後まで亜子の年齢はわからず、突然のもっちゃんのラストに一体どんなメッセージを送ったんだろうと気になったが、冬至の真っ直ぐな真面目さが伝わったんだろうと推測するしかない。 誰もが生きづらさを抱えながらも、前を向いて生きていくしかないということは、共感できる。 一番好きなところは、冬至の母が言った『わたしのさびしさは、わたしのもんや』。凄く良い。

    1
    投稿日: 2025.08.03
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    サイン本。夜は不安や悩みが膨らんでモヤヤンになったり、急に走り出したくなる気持ちが痛いくらいわかる。實成が夜に歩くのを好きなように色んな気持ちや事情を抱えた人たちが寄り集まって夜歩く。話しながら、無言でも、ただ歩く。そしてまた1人、1人と去っていく。それだけなのにそれだけじゃなくて、すごくしっとり心に入ってくる。ただ、伊吹の依存性には危うさと怖さを感じて少し嫌悪感。彼女が手放せて良かった。「わたしのさびしさは、わたしのもんや」と笑って言い切る實成の母の言葉があまりに格好良くその強さがすてきで憧れてしまう。

    8
    投稿日: 2025.07.29
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    大津出身、大阪で印刷会社に勤める實成冬至は4人兄弟の末っ子。父を亡くしてから家族の様子も少し変わり、自分の不安のようなものを紛らすように夜の散歩に出かける。かつての交際相手、そのアパートの管理人、後任の会社の女性とその同居の少女、と再会あるいは出会い、徐々に夜の散歩仲間が増えていく。謎の隣の部屋の住人、ほのかに恋心を抱く幼馴染などとの交流とその中から感じる社会の違和感などを、細やかに綴っている。 静かに流れていく物語が心地よく、共感することの多い小説だった。

    1
    投稿日: 2025.07.26
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    みんなそれぞれ 悩みや不安や問題を抱えてる人たち。淡々と とりとめもなく 物語は進んで行く感じでしたが 自分自身で不安や問題を解決し それぞれの道を進む為に 離れて行く。 「月夜じゃなくても みんな歩ける」 彩夏には頑張ってほしいな バラバラになるのは 淋しい感じだったけど ラストで あー良かったなぁって感じでした。 月夜の散歩 あれば是非参加したくなりました。

    12
    投稿日: 2025.07.20
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    淡々と過ぎていくようで実はまったく淡々としていない日々。誰かと近づいたり、離れたり。そんな小さな揺れを繰り返しながら、人は生きているのだと感じた。 劇的な出来事があるわけではないけれど、登場人物たちがグラデーションのように少しずつ変化していく様子がリアル。 まるで散歩の帰り道、気づけば自然に家に着いていた。そんな感覚で、最後のページまでたどり着いた。 ひとつひとつの言葉に、共感したり、ハッとさせられたり。心に残るセリフがいくつもあった。 「可能性が少ないって、もう何者にもならなくていいって、自由だね」 この言葉は、胸の奥にしまっておきたい。

    37
    投稿日: 2025.07.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    たんたんとしながらもとても真っ直ぐで優しい實成を主人公に、たんたんと物語が進んでいく。 近所を一緒に深夜の散歩することになったメンバーとの心の交流で實成くんの人柄が少しずつわかっていく。 最後は深夜の散歩が自然と解散となってしまい、寂しささえ感じてしまう。 もっちゃん、あまり登場していなかったのに、ラストでいきなり出てきても心が付いていけないわ。(T_T)

    6
    投稿日: 2025.07.17
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    職場図書室の新刊入荷のところにあったんだったかな。 まず「月」と入っていると手に取りたくなる。 帯には 父を亡くした後に得体の知れない不安(モヤヤン)にとり憑かれるようになった實成は、夜やってくるそれを遠ざるように、夜道を歩くようになる。 そのうち、その散歩?仲間?が増えていく。 というようなことが書かれていた。 それだけで、みな、何か抱えているように思えるじゃない? 私の不安感やらは、もしかしたら同じように父が亡くなる前あたりからはじまっていたのかも。 私も共感できるかも、って。 読後 共感というか、いろいろな悩みやらを抱えながら、それでも生きている人がけっこういるんだろうな、と。あたりまえなことを今さらながら。 周りの人は華やかで楽しそうだから。(若い頃の自分はそうだった) 人と関わりながら、自分で、自分の力で生き続けていくんだな、やっぱり。 そして 上の娘に寄り添う気力が少し足された。

    2
    投稿日: 2025.07.05
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     様々な理由で月夜の散歩に集うようになった5人の群像劇。様々な過去と将来への展望をお仕事小説ならではの寺地はるな氏が、社会問題を含めて織りなしていく。父を亡くして以降、社会人で安定して仕事をしているが、不安の元「モヤヤン」なるものに支配され、夜の散歩での出来事を通じて、自己意識を持ち、本当の恋を確信していく青年。職場の同僚で、重複婚姻歴のある女性と一緒に歩く女子中学生の過去の辛い体験と将来どの保護者と同居するのかを自宅軟禁からの脱走を通じて、自分の道を探ろうとする女性と少女。主人公の元カノで希死念慮のある男性から逃れられず、男性に支配されてしまうDV支配からの卒業。年配の男性は、同性婚をしている事をカミングアウトしも、動じない散歩仲間。日常の中の本のわずかな事でも、きっと大切な事が秘められている、「いつか月夜で良いことが」と思わせる、ハラハラドキドキの展開に国際線の深夜の機内で一気読み(疲)。

    1
    投稿日: 2025.07.04
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    寛成の淡々としているようでまわりをよくみて動く優しいところが素敵だと思いました。 いろんな人との繋がりが増えていったかと思えば離れていく、、でもどの出会いも無駄ではなかったのだろうなと思いました。

    62
    投稿日: 2025.07.02
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    深夜の散歩をする不思議な関係の人たち。彼らのいろいろな生き方を描いた物語。 ときどき深夜の散歩に出ていた男性に、彼の職場の女性、彼女と一緒に住む女子中学生、男の元カノ、元カノのマンションの管理人、という謎のメンバーで構成される散歩仲間。なんとなく微妙な距離感で、近すぎないのが心地良い感じ。 物語が進むにつれ、けっこう踏み込む場面もあるけれど、それもある程度の節度は守るというか。もどかしいところもあるんだけど。 實成くんはかなりぼーっと生きているところがあるし。ラストシーンを経て、少し積極的に生きられるだろうか。 「モヤヤン」だけ、ちょっともやっとする。 名前なんてつけて、かなりの存在感かと思いきや、すぐに出てこなくなって、最後に取ってつけたように、いつの間にか、って言われても。実は寺地さんも本当に忘れていたんじゃ。なんて。 「みけねこ洋菓子店」は、ファンタジーっぽい存在で、なかなか素敵だった。

    9
    投稿日: 2025.06.24
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    夜に歩く。物語としては単純なのにそれぞれの思いを丁寧に描かれてる。いい人もちょっとブラックな部分も繊細に。『「誰それの幸せのために行動する」と「誰それが幸せになったら、自分もうれしい」は。そうだね、混ぜるな危険ってやつかな』っていうところすんんんんんごく共感!

    0
    投稿日: 2025.06.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あらすじ 会社員、實成。父親が亡くなって一年。複数いる兄弟の末っ子。高卒で入った会社で付き合っていた彼女がいたが別れた。時々もやもやして夜に散歩していたが、ある日職場の先輩塩田さんと出くわす。彼女は元恋人の娘を預かっていた。娘は名前を言いたがらず、熊と呼ぶことにする。そのうち實成の元彼女伊吹さん、伊吹さんのマンションの管理人松江さんも加わる。伊吹さんは元彼の束縛から抜け出せずにいた。 寺地作品の中では窮屈な状況にいる人が多かったな。實成の男性が多い職場。会話が成り立たない熊親子。束縛のきつい彼に依存する伊吹。その中で淡々と生きていく實成ってメンタル強めなのかな。いや、やはりここは1番芯が強いということだろう。

    2
    投稿日: 2025.06.19
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    三人きょうだいの末っ子で一人暮らしの会社員が主人公。夜、突然、不安に襲われるようになり夜道を散歩するようになった。偶然、知り合いと会ったりして、ままならない人生を語り合ったりする。そうやって1日1日リセットして次の日を迎えて自分を守っていければいいな。

    0
    投稿日: 2025.06.19
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    夜中に散歩する仲間 というのを本の紹介で読んで、 読みたい!! となった。 寺地はるなさんの本はすごく悲しいとか辛い表現が出てこない、いたって現実世界に近い話でとても入り込みやすく、でもなんとも言えない読了感に浸れる、、

    1
    投稿日: 2025.06.15
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    今読んでよかった。 それぞれの流れを侵害しない居心地の良い、 というか読み心地のいい一冊だった。 最後の1ページが私にはとても深く沁みて、 少し背筋の伸びる思いで本を閉じた。

    5
    投稿日: 2025.06.15
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    自分にも他人にも深く突き詰めていくのは・・・とても難しい。 そんな微妙ともいえることをこんな風に・・・ やはり読書は好き…となる。

    36
    投稿日: 2025.06.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    何故か最近、道に歩いてる人を見かける度にそれぞれに生活、悩みがあると思うことが多くなった時期にこの本を読みました。 伊吹さんと行った、猫のお店のお話、印象的でした。 モヤヤンも最初と最後くらいしか登場しなかったのが、實成さんがモヤヤンの存在を忘れられるくらい、様々な出会い、出来事が起こっていたのだと読み取れました。  實成さんのようにあれこれ考えながら、自分も生きていこうと思います。思考がしっかりと描かれていて共感ばかりでした。 實成さん、もっちゃん二人の関係が好きでした。二人に幸あれ。大切な一冊になりました。

    2
    投稿日: 2025.06.11
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    帯の「人と歩調を合わせて生きていくことの煩わしさ、難しさ、喜び、幸せ」 というフレーズにハッとした。精神的に不安定な今の自分にぴったりな本だと直感で購入。 読み終えるまでに時間がかかってしまったけど 一人ひとりの心情がリアルでした。

    5
    投稿日: 2025.06.10
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    ちょっと解釈が難しかった。 文章で書かれていないけど主人公には隠された過去がありそうで人と人との距離感って難しいと思った。

    1
    投稿日: 2025.06.06
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    とても静かな話だったが、ちょっとイラッとする人が登場する。そのイラっと具合がちょうどいい。 悪気なくデリカシーのない人。 そのイラっとさせられ具合にぐっとくる変な感じ。 そして一方で、若い人を見て羨ましいと言いながら、年をとって可能性が少なくなるって、何者にもならなくていいから自由だよね、とか、そんな言葉にもぐっとくる。

    9
    投稿日: 2025.06.02
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    思っていても言わない、気になっていても聞かないというストップをかけることができる人たち。 不必要に踏み込まなくても影響し合える、お互いが夜の散歩の月のような存在でいられる道標のようで、登場人物の距離感が心地よい作品でした。

    0
    投稿日: 2025.06.02
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    とても読みやすく楽しめるお話でした。ちょっとしたきっかけから夜に街中を歩くようになった主人公の實成。歩いている途中で出会った知り合いと出会う機会を経て数人で一緒に歩くようになるんですが、伏線の日々の生活や現在と過去の職場や実家にいた頃の話など…ある意味登場人物それぞれの抱える独特な感覚なども交えながら淡々と描かれているのにところどころ共感を感じたり、考えさせられる部分もあったりして最後まで黙々と読み込める素敵な作品だったと思います。文庫化したら買って手元において読み返したいと思えるお話でした。(^_^)b

    11
    投稿日: 2025.06.01
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    このくらいのリアルな心情描写がすき。 私が日頃思っていたけどわざわざ他の人に言わないようなことをはっきりと言ってくれてすっきりした。

    0
    投稿日: 2025.06.01
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    /_/ 感想 _/_/_/_/_/_/    読み始めで、冬至と、寛成は、同一人物?なんなんだ?と言う感覚になり、ネットで調べてスタート。 主人公は、寛成冬至という氏名でした。わかりにくい… 物語はたんたんと進んでいく感じです。 なんだろうな。 その重く、じわりとした空気感を味わっていくような感じですかね。 心に響いた言葉は、「善く生きたいからです、」という寛成の言葉。私は、自由に欲望のままに生きているような人間ですが、この言葉にはとても強烈に惹かれました。 それから、「慣れる必要のないものに慣れてはいけないのだ、」という寛成の言葉。 これも、響いた!ほんと、そうだ。そんなのに慣れちゃいけないって、瞬間が多々あります。 頑張らないとな。 /_/ あらすじ _/_/_/_/_/ 寛成がいろんな人と出会っていきます。 そして、その、出会った人たちとウォーキングをするんですが、その中で、いろいろな変化があり、そして、各々が自分の道を見つけていく、そんな感じ。 /_/ 主な登場人物 _/_/_/   寛成冬至 みなりとうじ、次男、4人の子どもの一番末っ子 春香 1番目の姉、餃子好き 秋穂 2番目の姉  亜子 秋穂の娘 夏生 兄 【ホリゾンタル印刷】 伊吹 総務部、寛成元彼女 塩田有希子 近所に住んでる 長瀬 50代後半、チョコ配る  【その他】 望月ゆうな もっちゃん 檜原 塩田と付き合っていた、熊父 ザベ子 檜原の娘、中学生 【ウォーキングチーム】 伊吹 松江 60代、男性 塩田 熊  あやか

    22
    投稿日: 2025.05.29
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    いい塩梅の人の優しさを噛み締められる作品。 いい距離を保って程よく生きられたらいいな、と思うから、このテイストは好き。 散歩仲間で繋がった人たち。いい距離感。お互い踏み込みすぎない。 それでもそこらかしこに、何かしら芯が感じられるからなお良き。 2025.5.27 111

    8
    投稿日: 2025.05.27
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    装丁に惹かれて購入。 夜は寝ずに歩いたっていい。 誰かの当たり前に合わせて生きなくてもいい。 誰もが抱える生きづらさを優しく、ささやかに書いた作品でした。 必要な時に必要な人と出会うを体現した、出会いの尊さを感じるストーリー。 社会に合わせることに疲弊した人が歩調を合わせて一緒に歩くことへの皮肉も感じた。 結局、誰かと繋がらずに生きていくことはできないよね。

    2
    投稿日: 2025.05.23
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    寺地はるな作品では今のところ一番好きなものです。 何かしら生きにくさを持つ人たちが、なんとなく夜歩き、なんとなく距離感を保ちながら、なんとなくつながってゆく。 どこまでも淡々としていて劇的な場面もあまりないけれど、常に穏やかで押し付けない相手との距離感とか、相手の負担にならないあるべき寄り添いといったものを感じさせて、読んでて終始心地よい作品でした。

    1
    投稿日: 2025.05.21
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    自分のこころや他人の気持ちにしっかり向き合えて、向き合えるからこそいわゆる「世間」での居心地が悪い人たちが、夜中にあてもなくウォーキングする。 日常の些細な場面であぶりだされる、今の社会での居心地の悪さやザラッとした違和感のリアリティはさすが。 でも今作は、わたしがいつも寺地さん作品で感じる「さりげなさ」のようなものをあまり感じず、逆に「寺地さん味」のようなものをとても強く感じてしまい。 あくまで好みの問題。

    0
    投稿日: 2025.05.20
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    モヤヤンとかひたすら夜歩くみたいなあらすじだったから、もっと不思議なことが起きるかと思ったら違った。なんとなく小野寺史宜作品に出てきそうな主人公。

    0
    投稿日: 2025.05.18
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    夜の散歩は気持ちよさそう。知り合いやそうでない人と歩くというのは気分転換になって良さげ。でも、いつまでもそれが続くわけじゃない。一人、またひとりと卒業していく感じだな。

    0
    投稿日: 2025.05.15
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     父親が亡くなった後、夜に時折得体の知れない不安に取り付かれるようになった主人公實成。そういう時は夜道をひたすら歩くことにしている。そんなある日、会社の上司の塩田さんに出会し、一緒に歩くようになり、そのうち元恋人伊吹さん、その恋人が住むマンションの管理人さんとメンバーが増えていく。  みんな何かを抱えながら生きている。それが少しずつ解決されていく。その描写が静かな筆致で書かれている。伊吹さんには少々もどかしさを感じるけれど、塩田さんは清々しい。ぶれないものを持っているからだろう。    独身の塩田さんは会社で男性の社員と話しているとからかわれることがある。だから、實成が会社では話しかけないようにします、と言うと、「わたしがおかしなやつに合わせて行動を制限しなきゃならないの、どう考えてもおかしい」と言う。おかしいほうに合わせたほうが気が楽かもしれないけれども。  自分の本心をごまかして、よくある流れについつい合わせてしまいそうになったり、合わせてしまったりすることってある。投げやりになってしまいそうになったり、なってしまったり。そういう時に「どう考えてもおかしい」と分かったなら、軌道修正できる者でありたいと思った。

    2
    投稿日: 2025.05.11
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    自分のことを大切にするのも、自分が好きな人を大切にするのも難しい。けれど思いやりを持って、自分と他人を分離して伝えるべきことを伝えれば物事は良い方向に進んでいくのかもしれない。 熊さん、塩田さん、寳成さん、松江さん、登場人物の今後がどうか明るく、いつも月夜でありますように。

    1
    投稿日: 2025.05.10
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    いろんな立場の人たちが深夜の散歩をきっかけにお互いの人生に少しだけ関わっていくお話。 最後もきれいにおさまって、じんわり良き物語だったー。

    1
    投稿日: 2025.05.07
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    年齢も性別も立場もばらばらだけど、距離感が似てるのは大事。 相手の言葉を待つのが苦手な自分はこの夜の散歩メンバーには入れないなぁ(^^;; それでもゆっくりゆっくり関わりを深めて、そしてラストはそれぞれの居場所へ帰って行く。 奥本くんの物語を読んでみたい

    0
    投稿日: 2025.05.07
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    父親を亡くした事で心にモヤモヤとしたものを抱えている主人公と、不登校になった少女。元恋人…悩みや葛藤をそれぞれに抱え、月夜を散歩する事でお互い寄り添い解決していく。 それぞれに踏み込み過ぎず、他人の位置で見守る。優しいような寂しいような。また次の1歩を踏み出す事でその場から離れ散歩グループは解散。みんなそれぞれに旅立っていく。寂しいような呆気ないような。昨日まで集まっていたのが夢のよう。

    3
    投稿日: 2025.05.06
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    寺地さん本の魅力は… 読後の安心感(それ以上の適する言葉が見つからないのだけれど) 読みたくなる時は、自分の心がモヤモヤザワついて、スッキリしない時が多かった。 人物に共感しながら読んでいるうちに、自分の尖りも減ってざらつきが薄れ、スベスベとまではいかないまでも、するっとする感じが心地いく、静かに沈んで落ち着いている。 私が寺地作品が好きな理由は、これだ、と気づいた。 其々の関係性の中で、近いけれど、踏み込まない心の距離の冷静さは優しさと同じであったり裏表だったり。 分析しすぎる、飲み込む言葉が多すぎる。でも、慣れる必要のないものに慣れる事はない!と振り切れるのも實成さん。 いつも月夜ではない夜を手探りにこれからも歩いて行く、 全ての人にエール!!

    10
    投稿日: 2025.05.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    月夜じゃなくても歩けるんだよ。 塩田さんの言葉に優しさとか思いやりとかいろんな思いが込められているようでグッときた。 優しい世界だった。

    0
    投稿日: 2025.05.02
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    父親が亡くなった後、正体不明の『モヤヤン』というモヤのような何かにとりつかれる感覚がしばしば起こり、それを振り払うため、夜に散歩を始める實成(みなり)。 散歩を重ねるうちに、職場の年上の同僚塩田さん、塩田さんのところに居候している通称「熊」、以前付き合っていた同僚伊吹さん、伊吹さんのマンションの管理人松江さんとそれぞれ偶然会い、散歩に加わる。 この小説にはたくさんの理不尽、噂、偏見、親切の押し売り、ジェンダー等々、出てくるのだが、ドキッとし、ついつい自分の言動、考えも振り返ってしまった。 自分も知らず知らずのうちに、誰かにこのような言動を行い、傷つけていないだろうか、と反省し、そして自分も、誰かにそういった言動や慣習というひとくくりのもので、自分の考えや行動を制限されているような気がした。 これらにとらわれ、縛られ、生きにくく感じている人は世の中にたくさんいるだろう。 職場や、散歩中で繰り広げられる会話の端々に、そういったことがたくさん出てくるので、それが言語化されていることで、自分や身の回りに置き換えて、違和感の正体に気づき、また、顧みることができた。 父親の「善く生きよ」という言葉が實成の心の中にとどまり、それが基軸となって生活が進んでいくのだが、誰かを傷つけず、誰かのことを決めつけず、安易な言葉がけをせず、そういった姿勢、自分は取れるだろうか。 思ったことを一旦とどまらせて、精査して発するかどうかを決める。これを瞬時にできる實成はすごい。 一見、どうということはない、物語に大きな起伏のないような話だが、私には、その中でいろいろな問題提起のような、わが身を顧みる箇所が随所にあった。

    12
    投稿日: 2025.04.30
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    話題になってたので図書館で借りました なんか、不思議な話でした 皆で夜道を歩く、自分もいつか地元を ぼーっと歩けたら良いなと思いました テーマはあまり理解できなかったけど 程よい距離感ってのが特に良かった

    29
    投稿日: 2025.04.29
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    實成という青年はきっととってもいい人なんだろうなあ。 誰に対しても声を荒げることなんてなさそうだ。 それが彼のよさであり ちょっと物足りないところでもある。 父を亡くした後、得体のしれない不安に取りつかれ、それから逃れるためにひたすら夜道を歩くようになる。 ある日、会社の同僚の女性と、中学生ぐらいの女の子が歩いているのに出くわし、一緒に歩くことに。 そのうち、元彼女や、その彼女のマンションの管理人も一緒に歩くことになる。 みんな色々抱えて歩き続け、そしてひとりひとり、問題解決するために離脱していく。 實成の得体のしれない不安は「善く生きる」と言う父の言葉に取り憑かれているのかも。 母や兄弟との関係も善く生きることに縛られている感じ。 同僚の塩田さんが言った 「誰かに、他の誰かみたいに生きればいいのに、なんて、ひどい言いかたよ。あなたもわたしも、他人を変えることはできない」 と言う言葉、心に刺さった。

    2
    投稿日: 2025.04.24
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    久しぶりの寺地さんの作品。 うーん… オビに「寺地さんの作品の中で一番好きです」という原田ひ香さんの推薦文が書かれていたけど、私にとっては逆だなあ。

    6
    投稿日: 2025.04.12
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    つくづく、人間の本質、醜さ、正義、いろんな面からの表現が言葉になってスラスラ入ってくる。 社会の中の男女の立ち位置、“べきである”という悪しき慣習、それが混ぜ込まれていて、でもそれに抗うように生きている人々が眩しかった。 自分にとって嫌であることをする人に、自分が合わせて生きる必要なんてない、響きました… 鋭い言葉があったり、苦しくなる場面もあるけど、全部受け入れながら読むことで気づかせてくれることがたくさんあった。読めてよかったです。

    2
    投稿日: 2025.03.16
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    最初は、登場人物が整理できずに読みにくい感じだったけど、後半はスラスラ。なんでもないことをとらえてて、日ごろ考えていることとか頭に浮かび、逆に心の整理ができた感じ。みんなそれぞれいろいろ考えてる。言葉にする大切さ、言葉にしない大切さ、どっちもあるかな。 いつも、会えなくても、これからは会いたい時には連絡して会うみたいの感じの関係になるといいな。そういうの、心の支えになりそう。

    1
    投稿日: 2025.03.13
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    「善く生きる」って、いい考え方だな。概念レベルのすごく広い意味だけど、人生の目標としては縛られすぎなくていいなと思う。 生きるのがずば抜けて下手くそな伊吹さん、彼女みたいなタイプは難しいなと客観的には分かる。でも本人も苦しいんだろうし。私も似たようなものだから、読んでいて苦しくなった。 助けを求めるくせにその手を振り払い、うじうじと悩み、周りを巻き込む。 彼女こそ善く生きてほしい。

    3
    投稿日: 2025.03.08
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    感想が上手くまとまりません… モヤモヤして。 本質的なことを読み取りきれず、自分の読解力不足を感じさせられました。もう一度読めばもっと楽しめる気がする、まぁとりあえず今回はこれでいっかという感じです。 主人公は實成冬至くん。30歳独身。 身長が178cmもあって、エビマヨを作ったりと料理もできる。善く生きようと、酔っぱらいを介抱したり、借りた物はちゃんとアイロンをかけて返したり、助けてと訴える女の子を救いにいったり。僕の中では、完全にモテる人じゃないか!と思ったのだが、世間ではどうなのだろうか。 夜の街中を歩くコミュニティ。それぞれの人物は、色々な事情を抱えて必死に生きている。 最終的には、それぞれの道に向かって解散する。 『いつも月夜に米の飯』 満足のいく生活を手に入れるのはなかなか難しいかもしれませんが、それぞれが、 『いつか月夜』になれることを祈っています! 實成くんが言っていた、 シーフードヌードルに黒胡椒。 とても美味しそうだと思ったので、今度試してみます!

    15
    投稿日: 2025.03.02
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    大好きな寺地はるなさん。でも本書にはあまり感情移入できなくて途中で辞めかけたけど、後半から一気にのめり込んでいった。 主人公の呼び名が色々ありすぎてややこしいなあと思ったけれど、自分自身の呼び名も相手によって変わるし、その呼び名で呼ばれた時に見せる顔が少しずつ変わっていることに気づいて納得。 平凡な人生の中でも縁があって知り合えた人々。そこでのすれ違いやターニングポイントが自分にもあったなぁ…なんて。 読み終わってから、ここでの他の人の感想を読むことで、共感できたり違う考えに気付かされたりして読書が2倍にも3倍にも楽しくなる。 ありがとう!ブクログさん!!

    21
    投稿日: 2025.02.16
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    「善く生きる」というお父さんのことばや、家族との関係性から、もやもやしてる1成人男性が、夜に散歩し出会った人々との会話や関係で前を向く話。 「まじめ」が悪口になる世界は間違ってる、慣れる必要のないものには慣れてはいけない、など所々でささるフレーズがあった。 モヤモヤしたら読みたい1冊。

    3
    投稿日: 2025.02.14
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    歩いていると気が紛れると言うのよく分かる。もう少し暖かくなったら、私も歩こう。 そして、大きな何かが起こるわけではないけど、日々を悩みながら考えながら、善く生きようとしている姿が良かった。塩田さんの言葉にも刺さるものがあった。

    3
    投稿日: 2025.02.13
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    うーん。感想がうまくまとまらない…。 結局何が一番のテーマかよくわからなかった…。 色んな問題が押し込まれているわりに解決がふんわりなされて……。 読解力のなさにしょんぼりさせられる本でした。

    5
    投稿日: 2025.02.10
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    つかみどころのない物語。登場人物の誰にも感情移入できないぞ。冬至が夜道を歩くきっかけとなったモヤヤンが結局なんのこともない。日々を過ごす中のもやもやしたストレスで、それを解消するためのウォーキングなら、まあフツーに正しく多くの皆さんが営んでいらっしゃる。そんな夜行で出会う職場の先輩の塩田さんと彼女が囲ってる娘に関しては、ちょっした誘拐もどきに至るけど、なんだったんだろ、あれ。元彼女だった伊吹さんも、彼女につきまとう男もへたれだし。松江さんだって過去の隣人と関係ないのなら、なんの話だ。もっちゃんとお幸せに。

    1
    投稿日: 2025.02.10
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    心のモヤモヤで眠れない夜、散歩で紛らわしていた主人公。ある日、会社の同僚と出くわし散歩仲間になり、深夜の時間を共有する仲間が増えてゆく・・ 現代社会で生きることに不器用な人たちの物語。 「善く生きる」ことを目指して、クヨクヨしながら生きてゆく主人公。猫の店もしかりだが、この物語はすべてを回収して終わるわけではない。 抱えきれないモヤモヤは、言語化して解決するものではなく、みんなで寄り添い、分かち合うだけでいいのかもしれない。

    19
    投稿日: 2025.02.03
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    父を亡くした後に得体の知れない不安に苛まれるようになった会社員・實成。 その不安を紛らわせるために夜道を歩き続ける實成は、同じように夜の散歩をする人々と出会っていく。 それぞれが抱える問題や悩み。 その内容は人それぞれ。 人が悩んでいるとき、 その悩みに何か言ってあげたり、心配する…というのは、優しいことかもしれないけど、 時に押し付けがましく、相手にとっては余計つらくなるかもしれない。 人に寄り添うというのは難しいな〜と感じた。 でも、見えない不安や寂しさは誰かと一緒にいることで、 いつのまにか消えることだってある。 それは親しい誰かじゃなくても 埋めてくれることもある。 それを實成が関わる人たちを通して教えてくれた。

    1
    投稿日: 2025.02.02
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    實成の描き方がとても丁寧。どちらかと言うと不器用な實成、物腰は柔らかそうだが、曲がった事を許せない。おべんちゃらや嘘を言わない。自分ではパッとしないと思ってるようだが、実は彼を信用している人は多い。一つ上の姉の秋穂、同級生の奥本くん…そんな實成と夜歩きをする癖のある人たち。登場する女性は皆、ちょっとズルい感じがするのは寺地さんが女性だからかも。

    2
    投稿日: 2025.02.01
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    「冗談だよ」のひと言でかわされる、悪意…の様なからかいの様なものがとても理不尽で不愉快なのに言い返せずにいた過去の自分が蘇ってきて苦しい。 主人公の母親が 「わたしのさびしさはわたしのもんや」と娘や息子がどうこうできるようなものでは無いときっぱり言い切った場面が1番好き

    5
    投稿日: 2025.01.31
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    もう大好きです寺地はるなさんんん! 特に何かが起こるってわけではないけれど 心に深く残る作品。 読む手が止まりませんでした。 人は1人では生きていけないことを 改めて感じました。 あと、干渉しないって大事。 いつだって自分を大切にして生きたいけど、 同じくらい周りの人も見失わず、大切にしたい。

    4
    投稿日: 2025.01.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごく好き❤️ 淡白な人生っていいなって思う。 いや、そんなに淡白じゃないかもしれないけど、 情熱的じゃないというか… ただ出会った会社の人と、夜歩く…とか、いいと思う。 一人ずつ増えて、そこはちょっと面白かった。 やばい人がちょっと出てきたけど、 全体的に、さらさらさらっと、そこまで深刻じゃなくて、すごく好きでした。

    11
    投稿日: 2025.01.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後はハッピーエンドで良かった。でも、もっちゃんとのやりとりが少ないので、心情的には偶然再開した伊吹さんとよりを戻すのが自然だったような。 成るようになったので良かった。

    1
    投稿日: 2025.01.22
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    2025.1.16 特に大きな事件はないのに、すごくよかった。 事情がある人たちが自然と集まって深夜の散歩グループができあがった。 みんな優しくて深入りしない空気感が良い。 これからは1人ずつ歩んでいくんだと思う。

    1
    投稿日: 2025.01.21
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    モラモヤとした得体の知れないものを感じ夜道ウォーキングを始めた そこで出会った会社の人 会社の人の昔の恋人の連れ子 昔の恋人 同級生 昔の恋人のマンションの管理人 それぞれが思い抱える問題 歩き話をすることでそれぞれが前に進み道を決めていく

    1
    投稿日: 2025.01.21
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    主人公の考え方に共感できるところがあり、読みやすかった。優しく人に寄り添うことができる、そういう人になりたいと思った。

    1
    投稿日: 2025.01.20
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    私も、いつか夜の散歩に行ってみたいな。 年齢や性別などいろいろ違う人達が、いい距離感で関われる、そんな空間が素敵でした。 人との出会いって、大切だなと思いました。

    24
    投稿日: 2025.01.15
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    善く生きるとは。を模索し続ける30歳独身男性の主人公。直近で父を亡くし、家族との付き合い方や自分の人生について考え悩んでいた。そんなとき夜散歩をしていたら出会った、年齢・立場・性別も全くことなる4人。各々見えているものを理解しようとし、話を重ねていく。相手を理解することなど不可能に近いという失望と共に、ただ関われる人が居てくれるありがたさを感じることができた。最後の各々が次のステージへ進んでいく、未来を覚悟していく展開は、派手さはないものの、自分自身に仄かな温かさをもたらしてくれる。 セリフ:「可能性が少ないって、もう何者にもならなくていいって、自由だね」

    2
    投稿日: 2025.01.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「なにを成し遂げても、なにをやらかしても、自分自身であることからは逃れられない」 「可能性が少ないって、もう何者にもならなくっていいって、自由だね」 「誰かに、他の誰かみたいに生きればいいのに、なんて、ひどいいいかたよ。あなたもわたしも、他人を変えることはできない」 「月ではなかった。星でもなかった。なんだろうな、街灯かな。それか、お家からもれてる灯りとか、自動販売機の光。暗い道歩いてる時って、そうゆう光ってるものが見えるとほっとするじゃない。」 「いつも月夜なんてありえないけど、月夜じゃなくても歩けるんだよ。わたしもあなたも。他の人たちも、みんな」 読み終わって、タイトルが自分の想像と違う形で使われてて…凄いなぁと、素直に思った。 寺地さんの作品は起承転結みたいにハッキリとはしてなくて、ゆっくり静かに話しが進んでいくイメージで、言葉が綺麗でそうだよなぁ、って素直に受け止められる感じがします。

    5
    投稿日: 2025.01.12
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    寺地さんの作品は何冊か読んだけど、男性主人公は初。何となく淡々とした文章で小野寺宣史さんの「ひと」のような印象。散歩仲間が増えて行きトラブルにも巻き込まれながら成長していく物語。 今回も人間関係の難しさのヒントような本でした。

    39
    投稿日: 2025.01.08
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    読書始めに大好きな寺地はるなさんを。 作中の始まりも、お正月スタートで嬉しい偶然。 心に留めておきたい一文がところどころに出てくる、付箋を貼りたくなる1冊でした。 「いつも月夜、、、」の諺、知りませんでしたが、タイトルに納得 できれば、いつも月夜でありますように。

    6
    投稿日: 2025.01.02
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    寺地はるなの柔らかいけど、ちゃんと心象描写が細かく考えられてるのが好き。 いい言葉もたくさん! 何より途中で出てくる「いつも月夜」の意味と、 最後に「いつか月夜」になるまでの過程が良い! 主人公個人的にとても松田龍平。笑

    3
    投稿日: 2024.12.31
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    寺地さんの本やっぱり好きだなぁ 自分らしく生きるって難しい 他人の目は気になるし曖昧に返事をして自分の気持ちに蓋をし、相手にあわせてしまう 散歩メンバー 世代も性別も育った環境も全く違う人達と話す楽さ わかる 昔人気者だった奥本くんも實成くんにはわからないモヤモヤがあった 小さな姪っ子にも どんな幸せそうに見える人でも何かしらの壁にぶつかりながらモヤモヤを抱えながら それをごまかしごまかし生きてる 明日からまた自分もちょっとだけ頑張ってみようと思える本だった しかし 「いつも月夜に米の飯」なんてことわざ初めてきいた… ほんとにあるんだ( °_° )

    1
    投稿日: 2024.12.28
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    いつも月夜ではなく、いつか月夜。題名も納得。 主人公の實成が行う「深夜の散歩」に同僚、連れの中学生の女の子、元カノ伊吹さん、伊吹さんの住むマンションの管理人の松江さんが参加していく。それぞれ事情を抱えている。他人と合わせて生きることの息苦しさ、難しさ、切なさを丁寧な表現で表していて、これが寺地さんの良さだなと感じた。最後、「深夜の散歩」メンバーがバラバラ(いい意味で)になっていくところが切ないが、生きるってそういうことだなと思った。心が軽くなる作品。 亡き父の「善く生きる」という言葉を時々、實成が振り返り考えるシーンは素敵だった。

    3
    投稿日: 2024.12.28
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     大阪の印刷会社への就職を機に出てきた實成冬至。半年前に「善く生きる」をモットーとしている父が他界し、その後得体の知れない不安「モヤヤン」に取りつかれるようになった…。夜になると「モヤヤン」が来るため、近くをひたすら歩くようにしていた…。そんな中、会社の同僚である塩田さんが、中学生くらいの女性と一緒に歩いており、なりゆきで一緒にあるくことに…。深夜の散歩のメンバーは、元カノの伊吹さん、伊吹さんの住むマンションの管理人松江さんも加わることに…。  なんか、最初は主人公の實成くんのはっきりしないところが気に触りました!なんか、頼りなさそうで…そう、いい人で終わっちゃう感じなんです!!でも寺地はるなさんの作品って好きなんです。この作品も表題の“月夜”のような、ぼんやり感が、すごく優しい雰囲気を醸し出してくれています。深夜の散歩メンバー、みんな幸せになってほしいです(*'▽')

    61
    投稿日: 2024.12.10
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    夜に近所の人たちとウォーキングを始める物語。何処となくモヤーっとしていて踏ん切りが悪い主人公をはじめ、同じ職場の年上女子に、不登校の女子中学生、それに元カノとそのマンションの管理人と次第にウォーキング仲間が増えていく。たわいもない会話に、黙々と歩いている時も心地よく過ぎていく有酸素運動が人間にとってちょうど良い距離感なのかなって感じる作品でした。 作中いろんな話が出てきますが、人のことに関心を示すことって意外と難しいし、お節介だったりもするわけだけど。自分の好きと人の求めてる好きとが一致することも微妙にズレてて難しい。 元カノの伊吹さんと2人で歩いてる時にたまたま見つけた夜の9時から翌朝の4時までが営業時間とゆう「みけねこ洋菓子店」ここがキモでした。マドレーヌやフィナンシェにバウンドケーキ、全部注文にて紅茶も飲んでみたい。小さな看板に釣られて細い路地を入り住宅地と個人商店が混在する所にあるらしいけど再び訪れてみると迷ってしまい行けなかったってお店がすごく気になりました。 この男、なんで伊吹さんと復縁しないのかモヤモヤしちゃうし、ダラダラ読んでたせいか、主人公の幼馴染だったって設定のもっちゃんって急に出てきて誰って感じになってしまいました。

    110
    投稿日: 2024.12.09
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    緩やかに進む物語なのに、気持ちがぐちゃぐちゃと彷徨ってしまいました。 空気が読める人は、その場ではとても良い人にうつることはありますが、ややもすればどうでもいい人にも成り下がる。 HSP気質の私自身も、どうでもいい人になる事が多く苦しんでいます。 時には自分を守るよりも必要な声かけがあったり、どっちつかずの居心地がいいところで落ち着かずに、変化を求めることも大切。 本当の自分の魅力に気付いてくれる人はきっといるし、自分自身も表面的な優しさや心地良さだけじゃない、魅力に気付ける人でありたいです。

    17
    投稿日: 2024.12.09
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    日中のウォーキングは、健康のためという感じがしますが、徐々に増えていった夜の散歩のメンバーが歩く理由は、第一に心を落ち着けるためだったと思います。 会社員の實成冬至が、父の死後、時たま襲われる不安や、塩田さんと女の子の気持ち、伊吹さんが抱えているもの、管理人の松江さんの事情、それがただ歩くことで、落ち着けるのは、なんだかわかる気がしました。 そして、この小説のなかには、私も同感する言葉が多かったです。まっとうなやさしさに甘えられないこともあるとか、まじめを悪口に使うのは間違っているとか、普段私が思うことを登場人物がズバズバ言ってくれていました。読書も夜の散歩に似たところがあると思いました。 この5人の夜の散歩の期間には、色々なことがありました。そのなかで、生き方はその人の数だけあり、自分のことを大切にするために、人を束縛したり支配したりするようなことは、間違っていると伝えているように思いました。 『いつか月夜』という日があれば、それでいいのかな。夜の散歩、こんな感じで5人くらいで、あまり束縛せず、ひたすら歩きたいな。そんな気持ちで読み終えました。

    48
    投稿日: 2024.12.06
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    淡白(というか色々気づいて引っかかっちゃうから淡白っぽくしてる主人公と、やっぱり温度低げなその周りの人たち)なんだけれどもちょっとだけ人と繋がっていたい5人の深夜の散歩 歩け歩け 一緒に歩くっていい

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    投稿日: 2024.12.05
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    あまり要領は良くないけれども、善く生きようと行動し、自分の気持ちにもまっすぐな主人公が良かった。幸せになって欲しい!もうすぐ月夜だ!

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    投稿日: 2024.12.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    得体のしれない不安をモヤヤンと名付けるの、いいかも。確かに名前を付けるとちょっと安心できる気がした。 私も不意にモヤモヤする時がある。何もすることがなくボーっとしている時なんか特に。妙に焦ってしまったり。 實成たちのように無心でひたすら歩き続けるのは効果ありそう。夜中を一人で歩くのはちょっと怖そうだけど、こんなウォーキング仲間がいたら心強い。 子供も大人も、みんなちょっとづつ無理をして、不自由な世の中をもがきながら生きている。 モヤヤンが追いかけて来ないように、自分の足を使って前に進んでいく。汗をかくと身体も心も温まって気分も晴れ晴れとしてくるはず。 「いつも月夜に米の飯」(一年中、月夜と米の飯が続けば申し分がない。飽きるということのない、気楽な生活をいう)のことわざは初めて知った。「いつも」より「いつか」と願っていた方が案外幸せかも。

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    投稿日: 2024.11.28
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    時間かけて読んだからか、あまり面白さが伝わってこなかった。 深夜の散歩メンバーと散歩したり、元カノといろいろあったりした話。 九月姫とウグイスの話がとても良かった

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    投稿日: 2024.11.26