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SHOーTIME2.0 大谷翔平 世界一への挑戦
SHOーTIME2.0 大谷翔平 世界一への挑戦
ジェフ・フレッチャー、タカ大丸/徳間書店
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総合評価

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    1.0 を購入したので購入。エンゼルスからドジャースになるまでの2年間を当時の取材をもとに振り返るように書かれている。記憶がある分、思い出しやすく、読みやすかった。

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    投稿日: 2025.10.02
  • あの最も忘れがたい一日の顛末をめぐる物語

    例のトロント行きフライトをめぐる協奏曲は、誤情報やデマがSNSによっていかに拡散され、メディアをも巻き込む情報錯綜を引き起こし、それがファンの心理状態にいかに多大な影響を与えたかという、情報社会論や集団心理学の研究テーマになってもおかしくないほどの忘れがたいトピックだった。 そもそもの発端は、コロナウイルスに感染して眠れなくなったカナダ人政治記者による深夜のツイートから始まった。 フライトトラッキングが趣味で、たまたまアナハイムに近い空港から1機のプライベートジェットがトロントに向かって飛んでいることを知る。 ブルージェイズファンの彼がSNSにのせたフライト情報は一気に広まり、数時間のうちに100万人以上の人に拡散される。 同時並行で、トロントのスポーツラジオ局に寄せられた、菊池雄星がトロントにある寿司店を借り切ったとい噂も一人歩きする。 司会者はラジオの中でこの噂を根拠薄弱と指摘していたのだが、それをたまたま聞いていたカナダ人オペラ歌手がSNSに投稿し一気に広まることに。 そしてトドメをさしたのが、MLBネットワークのモロシ記者による「オオタニがいまトロントに向かっている」とのツイートだが、すべてが合わさって裏付けのない誤情報が、相互に確証を高め合う効果をもたらし信憑性を高めるにいたる。 こうしてID番号N616RHの3時間43分にわたるフライトトラッカーを、全世界の野球ファンが固唾を飲んで見守ることになったのだ。 あの日を「1日で怒り狂い、夢中になり、奇妙な展開になり、爆笑もので、かつ悲しさと感動を一気に味わった特別な日」と評したのは、FOXスポーツのジェイク・ミンツ記者だった。 この狂乱劇には噂を育む下地があった。 「大谷がブルージェイズ関係者と接触しているらしいぞ」と「最終決断が近いらしいぞ」というインサイド情報が、これらは事実であったのだが、ファンの間に点と点を結びつける状況証拠として作用していた。 もう一つの要因としては、大谷というミステリアスな存在も騒動に拍車をかける推進剤として作用した。 いっさいの交渉過程を秘密厳守とし、必要なこと以外は何も語らない頑なな姿勢。 単独の取材には応じず、すべて共同会見で、型通りのコメントしか発しない大谷。 こうした沈黙を貫くスタイルは、2023年シーズン終了前のケガの責任の所在をめぐる論争も引き起こす。 ファンは、大谷が痙攣や疲労に襲われていた段階で、何らかの対処をすべきだっのではないかとエンゼルスを批判した。 GMは、本人が試合に出たいと言い、痛みも報告してこなかったと反論する。 ファンはそれでも、何らかの疑わしい症状が出てるんだから、MRIを早めに受けさせていたら怪我は回避できたのではないかと食い下がる。 しかし専門家に言わせれば、仮にMRIを受けさせても、メジャーリーグの投手の90%の肘には問題があり、正常な靱帯から程遠く、しかも違和感を訴えていない段階で登板をやめさせることなんてできないと語っている。 こうしたことがあり、例のロッカー空っぽの騒動があったときも、大谷はひょっとしたらエンゼルスに怒りを溜め込んでいたのではないか、チームを見捨てたのではないかなど、いろいろな憶測を呼ぶことにつながった。 著者のように長年取材してきた番記者でさえ、空っぽのロッカーを見つめ狼狽え、記者団で一致して報道を自粛しようという紳士協定なんか結んでいる。 それくらい大谷の本心を掴めずにいた著者だが、エンゼルス残留の可能性は結構高いのではないかと考えていた。 なぜなら、エンゼルスがいかに大谷を特別扱いし、試合の起用法からインタビューの頻度に至るまで、自由と権限を与えているかを知っていたからだ。 このような干渉されない放任に近い環境を大谷も快適だと感じているはずだと信じていた。

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    投稿日: 2025.03.06
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    2024年のMLB開幕を前に、エンゼルスの地元紙記者ジェフ・フレッチャー氏が、大谷君の2022年のシーズンから2023年オフのドジャース移籍までを語ります。 氏は、大谷君の2018年から2021年を追った最初の著書で、大谷翔平の2021年シーズンを「野球史上最高のシーズン」と表現した。それなのに・・・、さらに進化した翌2022年シーズン、2023年WBCでは盟友トラウトと最高の場面で対決し大会優勝とMVPの活躍、迎えた2023年シーズンも想像を絶する活躍で満票MVP、ケガと2度目の右肘手術、そしてFA争奪戦からの7億ドルの契約と、後世に伝説として語り継がれるであろう史上最高の野球選手は話題が尽きない。これはもう1冊執筆するしかない。という本です。 エンゼルス時代の大谷君をおさらいして、これからのドジャースでの大谷君の活躍を楽しみましょう。 ちようどこの本を読んでいたタイミングの2024年MLB韓国開幕戦の裏で、大谷君の専属通訳が違法賭博で借金を作り大谷君の口座から勝手に6億円以上送金していたというスキャンダル発覚。本のレビューを書こうかと思ったところで、リアルタイムの報道を追うのとで混乱してます。

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    投稿日: 2024.03.30