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ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義
ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義
岡真理/大和書房
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総合評価

155件)
4.4
75
43
15
2
0
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    何を見てもよくわからない今のガザのことを、理解するための一冊。 パレスチナ難民・ハマス・ユダヤ国家・シオニズム・インティファーダ……。 島国小国の1(いち)アジア人である私の永年の?がスッキリとした。報道が偏っており、積極的に知ろうとしなかったことが原因かもしれない。 「私たちに何ができるのか。というよりも、むしろ、今、私たちは何をしなければならないか だと思うんです。」 「まずは正しく知る。それから、周りの人にそれを知らせる。」 次の予約が入っているので、直ぐに図書館へ返しに行くことにする。多くの人に読んでもらわねば。

    10
    投稿日: 2025.11.02
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    ガザで起きている紛争について、ニュースの表面的な表現ではなく、どのように民間人が被害にあったのかや苦しい状況まで表現されていて、悲惨な状況が伺える。 ガザの紛争について、歴史的背景を細かく述べている訳ではないが、今、起きている事についてどれだけ悲惨かという事、日本のメディアでそこまで報道していない中、日本に住む私たちがどのように意識して平和を考えるかを目的としていると思う。

    1
    投稿日: 2025.10.05
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    本当に何も知らない私にとってパレスチナ、ガザ、ハマス、イスラエルの関係性、さらにメディアや政治における偏った見方などについて非常に分かりやすく説明されていて、一気に理解&関心が高まった。 これ系の本でここまで分かりやすかったのは初めてかもしれない。 単に「憎しみの連鎖」という言葉で片付けてはならなく、いま起きていることの歴史的背景をきちんと理解した上で、出来ることから行動していきたい。

    2
    投稿日: 2025.10.01
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    イスラエルとパレスチナの関係性が知ることができ、ニュースで報道している内容が、いままでと違った視点で見えるようになりました

    1
    投稿日: 2025.09.21
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    ガザとはなにか とはつまり イスラエルとはなにか を正しく知ることと著者は言う 敬虔なユダヤ教徒の方達と仲良く過ごした時代があり、イスラエルの建国の歴史について少しは知っていたつもりだったけれど、かなり一方的な理解だったことを知る。対して ハマースに対する知識があまりにもなかった。 この本は淡々と史実を語るところから始まるのだけれど最後の方は胸が詰まって読み続けるのが苦しかった。一体わたしに何ができるのか?と言う問いに対しても具体的な方法もあり読んでよかったと思う。

    1
    投稿日: 2025.09.15
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    ニュースでよく聞くワードなのに何も知らな買ったので購入。 歴史的な背景と当時の社会情勢や大人の都合で、ここまで社会は適当なのかと思わせられるような内容でした。 改めて日本も含めて社会に目を向けるいい機会になったと思います

    0
    投稿日: 2025.09.12
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    連日報道されるイスラエルとガザの情勢。報道されている内容がイスラエル発信のものが多く、真実がねじ曲げられている可能性があると感じた。イスラエルがなぜここまで過激に対応するのか疑問に感じたのでもう少し勉強してみたいと思った。

    1
    投稿日: 2025.09.08
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    パレスチナ問題に造詣が深い(と思われる)、文学者であり思想家でもある岡真理氏による、23年末時点でのパレスチナの現状に関する講演内容をまとめた本。 イスラエルに関して詳しく書かれている本を読んだので、パレスチナのことももっと詳しく知りたくて手に取った。しかし、ガザの実情についてもっと体系的に情報整理して欲しかったのが正直な感想だ。この点、23年10月7日からの一連の事態を受けて、情報を素早く発信することに重きを置いた本であり、「緊急講義」と銘打たれていることを深く考えなかった私の責任だと思う。。 例えば、人口動態について、23年時点でガザ全人口の4割が14歳以下ということの背景が気になった。短い平均寿命だけでなく、高い出生率が影響していると思うが、生活環境が悪化したはずの2007年のガザ封鎖以降に生まれた人々が全人口の4割以上を占めるのは何故なんだろう。。 また、ガザの一般市民にとってハマスがどういう存在なのかも詳述して欲しかった。包含してるが完全一致ではないという意味で、「ユダヤ人>イスラエル」と同様に「パレスチナ>ハマス」だという点は、本問題を論じる上で非常に重要だと考える。一般的なガザ住民とハマスの日常での関わりや、「選挙で選ばれた」とは何を指すのか(立法評議会の多数派ということ?だとすれば、ハマスの議席は何割くらいで、どういう政治の仕組み?)等、その詳細を知りたかった。 本レビューを書いている25年9月時点で、ガザの状況は本書刊行時とは比較にならないほど悪化している。遠い国の複雑な問題に関心を持ち続けるのは容易ではないが、今この時にも生身の人間に降り注いでいる過酷な現実として、多様な情報源に触れ、本問題に注意を払い続けることが、最低限できることなのではと考える。

    4
    投稿日: 2025.09.06
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    読めば読むほど難しい。今、ガザで起こってることは悲惨で理不尽なことだ。 そこにどんな歴史的背景があろうとも、許されないことだと思う。けど、けども、じゃあどうしたらいいのか。できることはなんなのか、具体的に。 わかんない。知ることから、学ぶことから。知らないからわからないから、となにもしないのは、加担してるのと一緒。 頭の中はまだグルグル整理がつかない。もう少し、これに関連する本を読んでみようと思う。

    0
    投稿日: 2025.09.04
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    一方的な内容であり、自分の目で見て確かめたいところだが、そう思いながらもかなり衝撃的だった。イスラエルに正義がないのは知っていたつもりが、そんな生やさしい話ではなかった。 なぜパレスチナの声が無視されるのか、イスラエルが徹底的にやれるのか。金と軍事力に他ならないと思った。そして、軍事力も突き詰めれば金なのでは。世界が、人間が、豊かさを追い求めるあまりにおかしくなってしまったように感じる。 声をあげなければいけない。筆者がいうように、人間性…ヒューマニティ…を回復しなければ自分も何のための人生か分からなくなってしまうと思った。ガザの人々の痛みを無視せぬよう、日々を生き直さないといけない。

    0
    投稿日: 2025.09.02
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    なんとなくイスラエルが酷い。くらいの認識から、問題の成り立ちを知りたくて読んでみた。 ドイツ、ナチスヒトラーの本を読んだばかりだったので、ホロコーストの影響でイスラエルが出来たことも知らなかったので、やっぱりわかってないのにわかったような気になっていることは多いと知る。 イスラエルはなんとなく酷い。どころではなくて、成り立ちからして邪悪。ホロコーストで受けた苦しみを、なぜパレスチナの人に向けることができるのか。その行動に対する批判を、私たちはホロコーストの生き残りだ。私たちに批判的な人たちは反ユダヤだ。などと傘に着るのも邪悪。 イスラエル人全てがそうではないにしても、気分が悪い。 そして支援しないと大統領になりないから、上院議員になれないからという理由で支援するアメリカ。それに従う日本。 人間が嫌になる。

    3
    投稿日: 2025.08.17
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    ガザで今起きていることはパレスチナ人の問題ではなく、イスラエルとイスラエル国家を作ったヨーロッパの問題だと改めて認識した。 日本のメディアは2023年にハマスの襲撃が起点で語られるが、イスラエルによる侵略の背景が日本のメディアによって、イスラエル建国のその背景にある二千年も前のディアスポラからの生還の正当性が語られ、それが巷でまかり通る。自分たちが無知であることが情けない。 最後に本書で紹介されたパレスチナ人の1人であるジョマーナさんの言葉が強く印象に残ったので抜粋する。 パレスチナ人に対する占領、民族浄化、抑圧が75年間も続いているというのに、悲しいことに私たちはいまだに、世界の前に立って、自分たちが犠牲者であり、テロリストではないことを、他国を侵略しているわけではないことを、私たちは世界を脅かす存在では決してないことを、証明さなければならない、そのことに胸がつぶれる思いです。

    2
    投稿日: 2025.08.17
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    ニュースで繰り返されるイスラエルとパレスチナに関する報道、歴史的背景が全く分からず、手に取ってみた。ここまでの隠蔽された漸進的ジェノサイドが世の中でまかり通っていると思うと、ゾッとした。知らない事が暴力への加担である、とは正にその通りだと思う。贖罪のために欧州がユダヤ国家を作ろうと奮闘した結果、更なる迫害を生んだなんて何という皮肉だろうか。

    4
    投稿日: 2025.08.14
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    こちらでの評価が高かったので手に取りました。最近あまりニュースで見なくなったけど、今どうなってるんだろう?と気になったので。 そして、今起きているひどい現実にショックを受けました。現地で起きていること、もちろんそれ自身も酷い状況なのですが、それが隠されて、ないものにされようとしている状況。わたしもその1人です。申し訳ない思いです。 そもそも今までイスラエルという国の成り立ちからちゃんと理解してませんでした。第二次大戦のホロコーストのツケを最も関係のないパレスチナの人たちが負わされているというだけでも酷いのに、何十年も封鎖下で明日の命も保証のない民族浄化の下で生きている状況。巻末にも書いてありますが自分になにができるか考えてみたいと思います。 この本の評価は星とかつけていいものなのか悩ましいところでしたが、星が多いことで1人でも多くの人に目に留めてもらえたらと付けさせてもらいました。

    27
    投稿日: 2025.08.13
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    今までニュースを見ても大変だなぁと思うだけで、何も知ろうとせず生きてたことが恥ずかしくなった。 国際法違反の状態がそのままなのも知らなかったし、じゃあ国際法のある意味って何!?てどうしていいか分からなくなった。個人の力でできることってなんだろう……。 本の中にもあったとおり、正しい情報を取得していくのができることの一歩かな、と思う。自分のサーチ力に自信ないけど、でも真偽を判断できるようにしたい。

    1
    投稿日: 2025.08.11
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    子どもに「ガザって何?」「ハマスって何?」と聞かれたら恥ずかしいことに答えられる自信がなく本書を手に取りました。 私自身のためにも読んでよかったです。テレビやウェブから一方的に流されるニュースでは知りえない事実が多くありました。そして、それらのニュースを見聞きして得た認識には誤りがあることも分かりました。 多くのメディアで繰り返し使われる「暴力の連鎖」「憎しみの連鎖」という言葉に私もすっかり惑わされて、ニュースを見て胸を痛めることはあっても頭のどこかで他人事だと思ってしまっていたと思います。情けなく、恐ろしいことです。 この本が出版されたのは2年近く前ですが、残念ながら2025年の夏も何ら解決の兆しは見えていません。 つい先日、ガザ地区で生後五か月の赤ちゃんが餓死したというニュースがありました。イスラエルが今年10月7日をパレスチナ人の退避期限とし地上侵攻を本格化させる方針であることが発表されました。 この本を読むと、これらのニュースが意味する理不尽さ・不可解さがよく分かります。すると、では何故アメリカはイスラエルを支援するのだろうかという疑問が生じます。その理由を調べていくとまた次々と疑問が現れてくることとなります。読み進めながら、スマホのAIに数多くの質問をしました。経緯は省きますが第二次世界大戦での日本についても調べました。 全てが繋がっているのは岡さんの仰る通り、これが政治問題だからです。これまで、そして今日本がパレスチナ問題にどう対応しているのか、その主導は誰がしているのか、それについて国民として支持するのかどうか。 そのためには私たちはもっとよく知らなくてはいけないのだと思います。 一方で岡さんはパレスチナ視点に立っている方なので、相対する視点を持った方の考えも読む必要があると現時点では考えています。 最後に最も印象に残った箇所を以下に抜粋します。 「もちろん、今生きていくためにはそうした人道支援は不可欠です。でも、封鎖や占領という政治的問題に取り組まずに、パレスチナ人が違法な占領や封鎖のもとでなんとか死なずに生きていけるように人道支援をするというのは、それは封鎖や占領と共犯することです」

    27
    投稿日: 2025.08.11
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    ガザって説明できない、、、そんな動機で読んだ。読み進めるほど、向き合わなければいけない、知らなければいけない、という気持ちになった。しかし、読むと気持ちが沈んでしんどくなる為、出来るだけ、朝や帰宅中の電車の短時間で読み進めた.もう一度ちゃんと読み直したい。朝起きてご飯を食べれてふかふかの布団で寝れる事、仕事できる事、安心して生きてられることに感謝すると共に、世界の平和を願ってやまない。

    2
    投稿日: 2025.08.03
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    『ガザとは何か』──僕たちは,どこまで「無知という暴力」に加担してきたのか イスラエル・パレスチナ問題――この言葉を聞いて,「知っているつもり」になっていた人は,僕を含めて多いだろう.でも,本書『ガザとは何か』を読み終えた今,僕は痛感している.それは「知っていたつもり」ではなく,「知らなければいけないのに知ろうとしてこなかった」だけのことだったのだと. ホロコーストの歴史を引き合いに出しつつ,イスラエルの振る舞いを“理解”しようとしていた僕の視点は,まさに暴力的なまでにナイーブで無責任だった.知るということは,加担からの離脱だ.読まずにいたら,僕は今も「生ぬるい批判」という名の猫パンチで加害構造の維持に手を貸していただろう. ヨーロッパにおける反ユダヤ主義,シオニズム運動,イスラエル建国,そしてパレスチナの蹂躙――それらの歴史は,本書によって初めて一本の線としてつながった.そこに浮かび上がるのは,紛争ではない.支配と排除,奪取と沈黙によって成り立つ構造的暴力の姿だった. この構図は,他人事ではない.資本主義社会においても,同じように“誰かの犠牲”を踏み台にして「特権」が築かれていく.収奪と支配のメカニズムは,政治・経済・福祉・・・全領域に浸透している. だからこそ僕は,「どっちもどっちだ」と曖昧な中立を装う論調に,はっきりと「No」と言いたい.前提が歪んでいる設問に対しては,「設問自体がおかしい」と指摘する勇気が必要だ.対等な立場に見せかけた暴力的なフレーミングに,僕たちはもう加担してはいけない. 問題は,そうした欺瞞を利用して支持を広げようとする政治家や政党が,今まさにボウフラのように湧き上がってきていることだ.時の政権与党に所属する国会議員までもが,差別を煽動し,排除の言説を武器にポピュリズムを展開している現実に,僕は強い危機感を抱いている.これは,かつてのドイツと酷似した地滑りだ. だが,それに“抗おうとする側”の惨状も見逃せない.「地べたに這いつくばる人々」の実感や痛みに寄り添えないエリート的リベラルの理屈は,空虚な理念として響くばかりだ.共感力を欠いた正義は,誰にも届かない.そして届かない正義は,ますます嘲笑され,利用され,見捨てられていく.その現実に,僕は深い絶望を覚える. 本書は,ただガザを知るための一冊ではない.「僕たちは何に目を背けてきたのか」「どこまで無知であることを許してきたのか」を突きつける書でもある.そしてこれは,日本の社会にとっても,同じ構造の鏡だ.在日朝鮮人,クルド人,生活保護受給者,精神疾患のある人たち,シングルマザー,子どもたち――その一人ひとりの声がかき消されていく構造は,ここにも確かに存在している. 「知ること」は,特権の側にいる自分を自覚する第一歩だ.「声を上げること」は,暴力の循環から降りる最初の選択だ.本書は,その両方を僕に突きつけてきた.

    12
    投稿日: 2025.07.27
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    ニュースなどでは知れない、歴史的文脈的を踏まえた経過と現状を教わった読書時間でした。 ただ、このパレスチナとイスラエルの問題を自分が知っても役に立てることがない気がして暗い気持ちにもなった。ガザや西岸地区を思うと苦しくなる。 そしてこの地域で起こっていることは日本も無関係ではない事実を知りショックでした。 いままで、なんとなく目についたらニュースを追うだけであった問題でしたが、これからはもっと真剣に見れるようになったと思う。 平和的に、早急に解決されることを切に願う。

    20
    投稿日: 2025.07.25
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     イスラエルはどのように建国され、ガザやその内部でどのようなことが起きているのか、イスラエルはどのような国なのかをよく知ることができた。  メディアによるニュースで知る内容とはかけ離れた事実がガザで起きていた。  読み終わり、パレスチナのことを誰かに伝えたい、伝えるべきだと思った。  少しでも関心をもっているのならば、読むべき、一冊だと思います。

    2
    投稿日: 2025.07.21
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    テレビで報道される情報が偏ったものであると知ることができた。世界で起きていることを適切に知るためには、多角的な視点で起こっている事象を捉えることが大事だなと。自分には関係ないと目を逸らすのではなく、興味を持ち調べるってことを少しずつでもいいから始めてみたいと感じた。

    14
    投稿日: 2025.07.20
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    ニュースからは絶対に知り得ない、問題の本質に触れた本。ガザでの出来事を受け開催された緊急講演2本を、緊急で書籍下した本。1人でも多くの人に読んで知ってほしい。 特に印象的だったこと ・問題を知るためにはそもそもイスラエルが何かを知る必要がある ・イスラエルによる長い年月をかけた漸進的ジェノサイド ・イスラエルが人為的に「人道的危機」状況をつくりあげることで、本来政治的問題であるところを人道問題にすり替えている ・国際法を適用してしかるべき措置をする、という当然のことがずっとなされてこなかった ・イスラエル=全ユダヤ人ではない(イスラエルの卑劣な行いを批判するユダヤ人もいる)

    2
    投稿日: 2025.07.13
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    岡真理さんの「ガザとは何か 〜パレスチナを知るための緊急講義」を読みました。 2023年10月7日に、ハマスがイスラエルに奇襲を仕掛けた。そして、イスラエルは「テロ組織」である「ハマス」を掃討するために、という名目で、現在(2025.07)までガザへの攻撃を続けている。 この本は、2023年の10月20日に大学で行われた緊急講義をもとに作成された本、とのこと。 この戦闘が始まったとき、びっくりしました。え、どういうこと?と。私には、ハマスのしたこと、イスラエルのしていること、どちらも意味がわからなかった。なので、それを知るために、と、池上彰さんの書籍や、YouTubeでの解説や、ニュース番組や、ジョー・サッコさんの「パレスチナ」などを読んで、なんとなくの輪郭を掴んだ、と思っていました。 けれど、この本を読んで、私が、わかった、と思っていたことも、全体のほんの一部であること、そもそも私たちが「ニュース番組」で見聞きする情報にかなりのバイアスがかかっていること、人道問題だと言われているけれど、本当は「政治」の話なんだということ、いろいろな気づきを得ることができました。 第二次世界大戦の後、ヨーロッパの国々とアメリカは、ユダヤ人達の国を作ることに決めた。そこにはアラブ人達が住んでいるのに。 ユダヤ人は「帰還」が許されるのに、アラブ人(パレスチナ人)は自分の家・土地への「帰還」は許されない。パレスチナ人達が家を追われたナクバ(大災厄)が起こった年に採択された世界人権宣言では、人はすべて「自国に帰る権利を有する」と謳われているのに。 ガザの封鎖は、国際法違反であり、アパルトヘイトなのに、世界は動かない。占領下にあるものたちが、占領からの解放のために,占領軍に対して武力を行使することは国際法上正当な抵抗権の行使なのに、なぜか「テロ」と報道されている。 「ハマスとは何か」(テロ集団なのか?)と問われがちだが、むしろ問うべきは「イスラエルとは何か?」なのではないか。 イスラエルがパレスチナに対して行っていることが、国際法違反でありアパルトヘイトであることは、みんなうすうすわかっている。けれど、なぜか世界は動かない。イスラエルの力、ユダヤ人の力への配慮?選挙に勝つため?アメリカの軍事力の傘のしたにいるからアメリカには逆らえない?そうして、見て見ぬふりをしているんだ、私たちは…。 「忘却が、次の虐殺を準備する」 気がついても、小さい力では何もできない。政治に流される。そして、いつの間にか、別のニュースに目移りする。そうやって世界が忘れている間に、虐殺は次の段階に進んでいく…。 どうすれば…。 少しでも、多くの人に読んでほしい、と思える本でした。 あぁ、どうすれば…。

    15
    投稿日: 2025.07.03
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    ガザ出身の医師の本を読んで、ガザについて、そしてパレスチナについて、もっと知りたくなり読みました。ガザ出身の医師の本もそうですが、パレスチナ側からの主張を初めて知って、世の中に対する見方が少し変わりました。もう少し学びたいと思います。

    1
    投稿日: 2025.06.28
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    本書はパレスチナ側から書いた書物だ。祖国解放のために戦ったと。ただそれは、長い目で見るとイスラエルも同じことだ。そもそもガザはユダヤ人の土地だと言っているのだから。 イスラエルがしていることを肯定するわけではないが、あまりにもパレスチナ側の主張のため、それはそれで本当にそうなの?って疑ってしまう ハマース主導によるガザの戦士たちによる今回の越境奇襲攻撃というものが、そこに国際法上の戦争犯罪があったことを否定するものではないですが、イスラエルが喧伝しているような、血に飢えたテロリストによる残忍な民間人を狙った殺などではない、もっと別の姿として見えてくると思います。と筆者は書く。だが、国際法上の戦争犯罪があったということは紛れもない事実なのだから、それが許されるわけでもなく、イスラエルのそれとは違うと声高に言ってもダメだと思う。それを言えば、イスラエルにもイスラエルなりの正義があるということで、平行線なのだから。 ハマスとパレスチナ人は違うということももっと伝えるべきなのではないか。ハマスがしていることも、イスラエルがしていることも、戦争犯罪には変わりがない。だとすると、パレスチナ人はハマスと決別すべきなのではないか。そうしたうえで、しっかりと自分たちは、戦争犯罪はしない、ただ自由を得たいと言っていかなければならないのではないかと思う 著者の言っていることもわからなくはない。だけど、イスラエルの言い分も載せたうえで判断させて欲しい。忘却が次の虐殺を準備する。恐ろしい言葉だ。胸に刻みつけないといけない。そのためには、パレスチナのことをよく知っている著者だからこそ、イスラエルにも目を向けて、それを活字に著すことをして欲しい 非暴力で訴えても世界が耳を貸さないのだとしたら、銃を取る以外に、ガザの人たちに他にどのような方法があったのか。これは、我々も考えていかなければならない。永遠の課題といって逃げずに。 本書はガザとは何かではない。パレスチナにおけるガザとは何かである。ガザという紀元前からのなりたち、ユダヤ教の人々のガザへの思い、その後のイスラエルとパレスチナのなりたち、そういうふうに書いてもらえないかなあと思った 著者は言う、 占領下にある者たちが、占領からの解放のために、占領軍に対して武力を用いて抵抗することは、国際法上、正当な抵抗権の行使です。しかし、この時には守るべきルールがあります。民間人に対する攻撃や、民間人を人質に取ることは、国際人道法違反であり、戦争犯罪です。占領からの解放を目指す武装抵抗が正当なものであるとしても、戦争犯罪に当たるこうした行為は許されるべきものではありません。国際法に則って、戦争犯罪としてきちんと裁かれるべきことです。だからといって、占領下のパレスチナ人が、イスラエルによる占領からの解放を求めて戦うということ、それ自体が違法化されるわけではありません。間違った戦術を取ったことによって、解放を求める彼らの戦い、その要求自体が全否定されるものではないと思います。目的が正しいからといって、そこで取られる手段のすべてが正当化されるわけではありません。逆に、手段を誤ったからといって、そもそも正しいとされている目的が全否定されるわけでもありません。と。 そうだと思う。それはそうだ。そうなんだよ。 でも、もう少しパレスチナのことを勉強してみよう。そうするしかない

    1
    投稿日: 2025.06.05
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    解像度の低いところであったので、少しだけ解像度が上がったかな? 関連年表は1894年から書かれているが、実際はもっと過去から問題があったのだろう。 戦争が起こってしまうと、法はあまりにも無力だ。 人間の残虐さには限りがないのだろうか?

    10
    投稿日: 2025.06.01
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    パレスチナ・イスラエル問題は歴史的背景が難しいからと言い訳して、知ろうともしなかった自分に反省。 ひとまずこの本を多くの人に読んで欲しい。 難しいことなんてない。 この本を読んでから、ガザのニュースを見るたびに苦しくなる。 私にできることは微々たるものかもしれないけど、少しでも多くの人に現状を知って欲しい。

    8
    投稿日: 2025.05.25
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    まずは知ることから。ニュースで少し聞く程度で詳しく知らなかったし知ろうともしなかった。 ほぼ知識ゼロでも読めるこの本は説明がわかりやすく、そして怒りに満ちている。手にとって良かったと思った。 あまりにもむごく、悲惨。

    0
    投稿日: 2025.05.20
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    たまたま手にして読んだ本が衝撃的すぎた。 内容が難しすぎて1/10も理解できてないけど、読み終わって深く深く反省しました。「ガザ」について何も知らなかったこと、知ろうとしなかったことを恥ずかしいとも思いました。 正直パレスチナとイスラエルの問題って、テレビのニュースでしか見聞きしたことがなくて、そもそも場所もよく知らず、ただなんとなく「パレスチナのハマスというテロ組織がイスラエルを攻撃して民間人がたくさん死んだ」「ハマス、悪〜」くらいの認識でした。(全く間違ってた) そもそもはイスラエルが国際法に違反しながらパレスチナを占領し続けていて、今現在起きていることはジェノサイド(大量殺戮)だということ。 日本のメディアは、ガザで、パレスチナで本当は何が起きているのか報じないどころか、イスラエル寄り。つまりジェノサイドに加担している、ということ。(ちなみにアメリカはイスラエルという国を支え、経済援助をしています) 文面から長年ガザ地区を見続けてきた著者が日本のメディアの偏向報道のひどさに怒りと悲しみをつのらせていることがひしひしと伝わってきました。 で、この長きにわたる戦争はお互い様でも、どっちもどっちでもなく、明らかにイスラエルの戦争犯罪だということを知った。 事実を知っていくと見えてくるものがある。 ウクライナ問題ではロシアを批判するのに、なぜイスラエルのことは批判しないのか。 バンクシーのことは話題にするくせにパレスチナの悲劇はなぜスルーするのか。(私が知らないだけかもだけど) 実際この数年、いろんな出来事についてテレビの報道は信用できないな、と感じているし、「オールドメディア」という言葉も一般的になってるからテレビは話半分、って思ってるけどね。 イスラエル人もパレスチナ人もほんとは殺し合いなんてしたくないし、1日も早く戦争を終わらせたいと思ってるはず。 戦争は人じゃなくて政治。 政治家の権力欲(ということは「人」か、、むむむ難しいっ) 世の中にはどうしようもないクソみたいな人がいるんだよね。犯罪はなくならないし、戦争もなくならない。 最後の方に質疑応答があって、 「ガザに対して、パレスチナに対して今私たちにできることは何でしょうか。という問いに著者は 「この戦争をやめさせることです。イスラエルにこの攻撃をやめさせるために、できる限りのことをすること。そのための声をあげること〜(中略)お前たちがやっていることを私たちは許さないんだという意思を示すこと。」と書かれています。 私が今できること。 デモに参加する勇気はないけれど 意思表示すること、 もっと知ろうとすること、はできる。 だからやる! ちょっと、いや、かなり熱くなっちゃったけど、これは他人事じゃない。 人間の問題。

    0
    投稿日: 2025.05.20
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    ニュースで聞いたことあるぐらいの知識でも読めた。イスラエルとパレスチナの歴史が分かりやすかった。 ネットが発達した事によっての弊害がこんなにも影響を与えているのかと思った。 ほぼ内容がパレスチナ側の意見なのでイスラエル側の意見も読んでみたいと思った。

    0
    投稿日: 2025.05.20
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    イスラエルで起きている大量の死について、全く知らなかった視点がたくさん知れた。あまりに既知の情報と違ったので、イスラエル側の論理、パレスチナ側、アメリカ側、それぞれの本も読みたいと思った。

    0
    投稿日: 2025.05.18
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    最近観た映画「シビル・ウォー アメリカ最後の日」に出てきた、内戦の渦中に居るのに我関せずの若者、こういう人が諸悪の根源でもあるんだぞというメッセージに身をつまされる思いをした。結構グサっときたので、知らないことの多いガザについて知っておこうと思い立ち手にとってみた。 そしたらパレスチナ人が長きに渡ってゾッとするくらいに非人道的な仕打ちを受けていること、封鎖されることで劣悪な生活環境を強いられていること、何より国際社会が見て見ぬふりをしていること、これが映画に出てきた我関せずの若者と重なって度々反省した。 例えば「ゴールデンカムイ」を読んで、今まで知らなかったアイヌ文化への理解が深まったなぁ、でもいいんだけど、もう一歩踏み込んで現在進行形の解決していない民族問題にも目を向けてみるべきだとはっきり気持ちが固まった。もう一歩踏み込むためのきっかけとして、我々が何をすべきかもしっかり教えてくれるとても良い本だった。みんな読んで!

    0
    投稿日: 2025.05.10
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    あまりにも酷い。むごい事が起きている。その事実を知りませんでした。大きく取り上げられているニュースで分からないなりに調べることはできたのに。私は今日までイスラエル人がどういった人達なのか、ガザ地区がどういった場所なのか、人なのか、何も知ろうとしてきませんでした。この本を読むと無関心の悪の性質に本当に反省します。ぜひたくさんの人に知ってほしい本です。

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    投稿日: 2025.05.10
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    ▼東京外国語大学附属図書館の所蔵状況(TUFS Library OPAC) https://www-lib.tufs.ac.jp/opac/recordID/catalog.bib/BD05134542

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    投稿日: 2025.04.18
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    図書館にて借りる、第689弾。 (京都市図書館にて借りる、第154弾。) パレスチナとイスラエルの今起こっている問題についての講義。 愛聴する「アトロク」で宇多丸師匠がオススメしているのを聴き、読む。 パレスチナが悪、イスラエルが正義のようなぼんやりとして認識が全く間違っていたこと、報道がいかに偏重報道であるかがよく分かる。 基礎知識ゼロでも読めるので、少しでも興味があれば読むことをオススメしたい。 星は3つだが、非常に勉強になった。3.7としたい。

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    投稿日: 2025.04.10
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    冒頭から、ジェノサイド、アパルトヘイト、戦争犯罪、国際法違反などの言葉に衝撃を受けました。 遠くの国で起こっている民族間対立なのかなと漠然と思っていた問題が、実はとても根が深い政治的問題だったことに、驚きを隠せません。 イスラエルはどのように建国され、どのような国なのか。パレスチナ人が難民となったのは何故か。現在パレスチナ人が置かれている状況とは。分かりやすく、とても強い言葉で語られています。 ジェノサイドを見過ごすことは、次のジェノサイドを生み出す。私たちにできることは、事実を知ることから始まるのかもしれません。無知、無関心、忘却、思い込み。それらと対峙することが求められているような気がします。

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    投稿日: 2025.04.03
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    “ガザ、それは巨大な実験場です〟 衝撃的な一文から “そして、分かったこと—世界は何もしない〟 辛いけど最後まで一気に読んだ。 何となくわかっていたつもりだったけど、全然わかっていなかった。 知らなかった事が恥ずかしいとは思わなかった。 関心あるフリをしていた。 それが恥ずかしかった。 もっと知らなきゃいけないと思った。 自分の無知と中立な姿勢が怖かった。 そしてただ辛かった。 この本を読んだからといって“わかった〟なんて思っちゃいけない。

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    投稿日: 2025.04.02
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    マンガ「ミステリと言う勿れ」の中で 整くんが言ってました。 “真実は人の数だけあるんですよ。でも事実はひとつです。”って。 わたしはこの本を読んでその言葉を強く思った。 ニュースで流れるその国の出来事を額面通り受け取り 事実だと認識していたけど、 もしかして違ってたのかも。 歪められた真実のうちの一つだったのかも、と思うと ちまたで流れる報道や、うわさの類いまで、 いったいそれをどこまで信じていいんだろう?と憤ってしまう。 知識のないわたしにとって ガザとは、パレスチナとは、イスラエルとは? そしてそれよりもっと昔に起きた歴史の中の事実まで、いろいろ知ることができたのは良かった。 ここで知ることのできたことはまだまだほんの一部で 語られていないこともきっとたくさんあるんだと思う。 だからこっちが悪でこっちが正義!とはまだ言い切れないし、事実に辿り着くには時間がかかるだろう。 でも、これからも興味を持ったことに対して 「知りたい!」と思う気持ちを大事にして、世の中を見ていきたいと思う。

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    投稿日: 2025.03.30
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    ガザの歪な地理には歪な背景があった。一面的なニュースの印象が、問題の本質を捉えることを妨げていることに意識的にならないといけない。

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    投稿日: 2025.03.26
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    イスラエル建国の歴史を振り返りながら、ガザの人々の現状を伝えています。アメリカやロシアなど資本と軍が強い国が好き放題できるようなこの世の中を変えない以上、ガザで起きている惨状は変わることがないでしょう。それでも、我々一般人には知る必要があるし、できること(不買など)をしていく必要があると感じました。 また、イスラエルの侵攻を批判するユダヤ人もいるということも知れてよかったです。

    9
    投稿日: 2025.03.25
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    ガザや世界で何が起きてるか知ることはとても重要なことであると感じた。日本から遠く離れたガザの政治的な出来事だからと無関心でいることは加担していることと同じだとこの本が教えてくれている。そしてここに書かれていることだけを真実だと思わずに、他の書物も読むなどあらゆる方面から考察する必要もある。 それほど本書が取り上げたテーマは深く大きい。

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    投稿日: 2025.03.16
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    世界中のジェノサイドや不条理な出来事を知ることは精神衛生上辛い事だけれど、何も知らないままでもいたくないと思った。 日本の衰退にスポットが当たっているけど、とは言えある程度の安心の中で衣食住の不自由なく暮らせる生活がある。当たり前であって欲しいけれど、世界を見渡せば残念ながら当たり前ではない。 自分たちが今日受けている恩恵が、苦しむ人達の上に成り立っていると可能性があると言う事、深く真実を知ろうとしなければ、誤った解釈のままになってしまう可能性がある事を、色々な場面で想像できるようになった。

    1
    投稿日: 2025.03.13
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    ガザで起きていることの背景をよく知らなかったので読む ドレフェス時間、ホロコーストあたりからの歴史的な流れを追うと起きている問題の原因や現状の構造が理解できた。アメリカをはじめとする諸外国は、パレスチナ分割により難民問題に蓋をして、その後は国際的な協調路線の裏でそれとはかけ離れた国際法違反が繰り返されているがそれを容認しているということ(?)。ガザの状況が日々悪化しており、それが想像を超えるものであることを知らなかった これらの発端であるホロコーストについてもっと知る必要があると感じた 池上彰の世界の問題15と一緒に読むと分かりやすい

    6
    投稿日: 2025.03.12
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    中立であることが加担することにつながる。 知らないということが人を傷つけることにつながることがある。 自分に届いている情報を無批判にうのみにすることの怖さを感じた。 パレスチナ問題に対する上べだけの断片的な知識でログアウトすることが毎日繰り返されていた。 この問題だけではなく、世界で起きている非人道的問題に対して。 きっとそれは対岸の火事で自分にとっては遠い国の出来事だと思っていたから。 ブクログを通してこの本を知って、この本を読んで、著者の訴えをひしひしと感じた。 シオニズムが人気なかったこと。 ガザの農業も漁業もイスラエルによって衰退させられ経済的基盤が崩れ、そして水質汚染がすすみ、病気が蔓延している。電気も制限されているから、病気を治せない。それが「世界最大の野外監獄」という封鎖の実態。 ジェノサイドが今も進行している。 歴史をきちんと学び、ガザとは何か、パレスチナとは何か、イスラエルとは何かをしっかりと捉えないで目を閉じ続けてはいけない。 日本政府がどんな立場をとっているのかその根拠も少し見えてきた。

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    投稿日: 2025.03.03
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    分かりやすかった。読んで良かった一冊。ただこの本に書かれていることも真実かもしれないしそうじゃいかもしれないので、色んな本をもっと読んでみたくなった。その上で自分には何ができるか考えたい。

    23
    投稿日: 2025.03.03
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     1年前の10月頃だったと思うが、京都市役所前で、「ガザの人々の解放を!」というようなデモを見た。その時、私の感想は本当に本当に失礼だったのだが、「どうしてそんな遠い国の問題についてここでデモしてるのだろう」だった。日本の国の中の問題や外国にしても例えばウクライナのことについてなら報道でよく知っているつもりだった。でも中東のことというと物理的な距離だけではなく、心の距離が遠いのだ。  そして、更に更に申し訳なかったのだが、イスラエルやパレスチナやイラン、イラク辺りのこととなると、私が物心ついた頃から「いつも戦争している」「血の気が多い民族なのかもしれない」「よく分からないが、多分どっちも悪いのだろう」と実は思っていた。  「無関心」が招いたことだったと思う。だけど、この本を読んで私のような日本人は実は政治、報道によってそういうふうに意識が向けられるように仕組まれていたと分かった。  皆さんは、第二次世界大戦中にナチスよって行われたユダヤ人に対する「ホロコースト」についてはご存知だと思う。ヒットラーの「アーリア人至上主義」による民族浄化作戦のためにドイツやポーランド在住のユダヤ人が強制収容所に送られ、虐殺されたあの事件。  そして、その後、生き残ったヨーロッパのユダヤ人たちはどうなったか?行く宛、帰るあてがなくなり難民となった25万人のユダヤ人をどうしたら良いかという問題を解決するために国際連合が多数決で下した決議が「パレスチナを分轄し、そこにヨーロッパのユダヤ人の国を作る」だったのだ。 何故、昔からパレスチナ人が暮らしていた土地にユダヤ人の国を作るという発想になったのか。それには19世紀にヨーロッパで生まれた「ユダヤ人によるユダヤ人のための国家を聖地エルサレムに作る」という「シオニズム」という思想があった。どこにいても信仰を変えても「ユダヤ人の血を引いている」というだけで差別されるから、自分たちの国を作るしかないという発想だった。しかし、この「シオニズム」は実はユダヤ人の中でも人気がなかった。敬虔なユダヤ教徒にとってはどの国でもマイノリティで様々な試練に会うのは神が与えた試練であり、その試練を甘受しながらユダヤ教徒として神の教えに従って生きていれば、いつか神はメシア(救世主)を使わして自分達をパレスチナに帰してくれるというのがユダヤ教の教義であり、神がメシアを使わしてもいないのに自分達の手で帝国の軍事力を利用して、神が与えた試練に終止符を打つというのはユダヤ教自体の否定であると考えていた。  このようにシオニズムには人気がなく、この「パレスチナ分轄案」が出た時にも「ユダヤ人難民問題をホロコーストと関係のないパレスチナ人に代償を支払わせるのは国連憲章違反である」とアドホック委員会で結論が出たにも関わらず、国連総会でアメリカとソ連の多数派工作によって可決されてしまった。  そして、分轄されたパレスチナの「ユダヤ人」の部分の住人の40パーセントがパレスチナ人だった。このことについてイスラエルの初代首相は「たとえユダヤ国家が出来たとしてもユダヤ人の人口が六割では安定的かつ強力なユダヤ国家にならない」と言った。つまり「民族浄化」を教唆したのである。そして、国連総会がパレスチナ分轄を決議した1947年11月から、パレスチナ各地でイスラエルによるパレスチナ人に対する集団虐殺が行われ、この虐殺から逃れるために逃げ、国境を越えてしまった者は、75年経ち、孫、曾孫の代になっても故郷に帰れない。  ガザ地区には国連の難民キャンプがあり、非常に人口過密な状態になった。  2006年、パレスチナで民主的な選挙が行われ、ハマース政権が誕生したが、アメリカの画策でクーデターが起き、しかしハマースが勝利した。アメリカが仕掛けた内戦でパレスチナは分裂し、アメリカやイスラエルが「テロ組織」とみなす(実は違う)ハマースを政権与党に選んだパレスチナに対する懲罰として、ガザに対する完全封鎖が始まった。それは、人間の出入域、物資の搬入、搬出、全てはイスラエルが管理するというものだった。  集団懲罰は国際法違反であり、ハマースというのは報道とは裏腹に占領された祖国の解放を目指す民族解放の運動組織であり、占領軍のイスラエル軍に対し、国際法上認められている「抵抗権」を行使しているのである。イスラエルやアメリカは都合の悪い報道はせず、あたかもハマースが血に飢えたテロリストのように報道し、日本も本当のことを「報じない」ことにより、アメリカ、イスラエルに加担しているのである。  封鎖されたガザはどうなっているか。基幹産業は漁業だが、イスラエルにより漁師たちは殺されたり、連行されたりするので、沖合に漁に出ることは出来ない。農産物もガザの外に出荷することが出来ない。汚水処理施設が稼働していないので、生活排水が未浄化のまま海に流され、水道水も飲料水として不適だが、生きるためには飲まざるを得ない。食べるものもなく、住民の八割が国際機関の人道援助に依存しているが、良質なタンパク質でカロリーを賄うことができないので、配給される安い小麦粉や油や砂糖を大量に摂取することによってなんとか生命維持のためのカロリーを賄っている。そしてそのことは糖尿病などの生活習慣病を招く。電気も一日数時間しか供給されないので、人工透析などの医療を行うこともできない。まとまった雨が降ると燃料不足のため排水ポンプも稼働しないので、すぐに洪水になる。ガザの人々は「生きながらの死」の状態である。  そして、さらにイスラエル軍はこの「封鎖」した、ガザにミサイルや白リン弾など最新兵器を使って空から海から陸から何度も攻撃を行ってきた。攻撃するターゲットの規模と全く釣り合いの取れない、原爆こそ使わなくも広島の原爆に相当する大量殺戮を行ってきた。このような不均衡な攻撃は国際法違反である。  「完全封鎖」したガザのパレスチナ人に対し大量虐殺を行うのは、第二次世界大戦時にガス室に閉じ込めたユダヤ人をナチスが集団虐殺したホロコーストと同じ原理であり、その時「虐められた」ユダヤ人は矛先を関係のないパレスチナ人に向けて、75年にも渡ってジェノサイドを行っているのである。  アメリカや国際連合もパレスチナの難民に毛布や食糧を送っているけれども、政治的な問題は解決しないどころか、イスラエルに武器を送ったりするなどしてイスラエルを後押ししている。そして、日本も「真実を報じない」ことによって、アメリカやイスラエルに加担しているのである。  この本を読んで、何も知ろうとしなかった自分を恥じると共に、「報道」というものが信じられなくなった。よく難民の映像が放送され「救いの手を」などといったキャンペーンまで、本当の問題から目を逸らさせるための策略ではないかという気がしてきた。 そしてもう一つ。 報道されるように「ハマース=テロ組織」などではないのと同じく、「ユダヤ人=イスラエル」ではない。他人の土地を「占領」して、勝手に自分達の国を作ることは決して「ユダヤ人」共通の悲願などではなかった。良識のあるユダヤ人が世界には多くいる。 パレスチナとイスラエルの問題は宗教の問題ではなく、政治の問題であり、その「政治」には第三者の国の利害が深く関わっているのだ。 報道を信じてはいけない。本は読まなければならない。

    89
    投稿日: 2025.02.24
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    やっと図書館で借りられました。 まさに歴史は繰り返すといったところ。 植民地主義や南アフリカのアパルトヘイトとやっていることは変わらない。 第2次トランプ政権が発足した今、今後の動きに注視したい。

    2
    投稿日: 2025.02.19
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    パレスチナ問題について精通した著者が、ガザ地区の歴史や実態、ハマスの真の姿、イスラエルが伝えない側面などを講義の形で語る。著者の熱意とメッセージ性が強く伝わり、単に勉強になったではすまない、知らなければいけない、認識を改めなければならないという気持ちにさせられる。 強く認識しなければならないと感じたことを列挙しておく。 ①ガザで起きていることはイスラエルによるジェノサイド      ②イスラエルは植民地国家であり、パレスチナ人に対するアパルトヘイト国家である。         ③イスラエルはパレスチナに対して偽の対抗情報を流す。      ④1947年11月の国連決議でヨーロッパのユダヤ人難民問題解決のため、パレスチナを分割してユダヤ人の国を創ることが可決された。⑤19世紀の終わりにヨーロッパのユダヤ人の間で「シオニズム」と呼ばれるパレスチナにユダヤ国家を建設する政治的プロジェクトが誕生した。⑥1948年、イスラエルはパレスチナ人に対して意図的な組織的かつ計画的な民族浄化を行った。(「ナクバ」という)   ⑦ハマスはイスラム主義を掲げる民族解放組織であり、内戦時に民主的な選挙で政権与党になっており、決してテロ団体ではない。 ⑧2007年、ガザに対する完全封鎖が始まる。物質の搬入•搬出の制限、経済基盤の破壊、貧困、不衛生な環境、栄養失調が生じている。特に水道水の97%が飲料に不適、失業率が46%、一日数時間しか電気が供給されない。この状態は国際法違反である。 ⑨イスラエル軍は若い人たちを射殺するのではなく、脚を狙って榴散弾を撃ち、両脚切断で一生障害を負わせ追い込む。  ⑩70年以上経っても実現しない難民の帰還の要求もメディアは報じない⑪ガザは実験場。8割の世帯が食糧援助に頼り、国連や国際支援機関が配送する小麦粉や油や砂糖などを大量に摂取するため、糖尿病が風土病になっている。

    2
    投稿日: 2025.02.16
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    多くの方が読まれいて、真実が知りたく図書館にて。 読み始めて、まず数年前に見た、 映像の世紀バタフライエフェクト、古来パレスチナは、アラブ人とユダヤ人が共存して暮らす場所だった。そこに対立の火種を持ち込んだのは、イギリスだった。情報将校ロレンスは、第一次世界大戦中にオスマン帝国に潜入、アラブ民族独立をあおり、オスマン帝国打倒をもちかけた。しかし一方でイギリスはユダヤ人にも同じ約束をしていた。百年前のひとりの英雄の裏切りから始まる、憎しみの連鎖の物語。 思い出した。100年前の出来事が今も〜と、当時ショックだったのと無知だったのとで複雑な気持ちになった。 今のパレスチナ問題は、これとは違うと思いますが、真実を知らなければと思いました。 こちらの書を読んで自分は、どのくらい理解出来ているのか?ですが、もっと知らなければと感じました。

    16
    投稿日: 2025.02.14
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    2023年10月に始まったイスラエル→ガザへの虐殺が民族浄化を目的にした、苛烈な軍事作戦であること。 その背景と歴史的経緯と情報操作されて伝わっていない重要事項が書かれており、大変読みやすく編集された本です。 イスラエルはそもそも建国された時にこうなることは予見されており、中止されるべきで、元々住んでいたパレスチナ人には何の責任もなかった「ユダヤ人ホロコースト」後の「ユダヤ人の国」を作るために追いやられ、民族浄化を実行されてきた。 国連はこれを見過ごして、自国から逃げ出すしかなかったパレスチナ人を難民キャンプに受け入れながらもイスラエルの一方的な植民地化を止める事も土地を返却させるための運動も一切してこなかった。 それ故にアラブ人である彼らがテロ行為と誹りを受けようとも自ら戦って自国を取り戻すための抵抗をするようになった経緯をよくよく知る必要がある。ハマス→イスラエル(侵略行為)への反攻はテロではなく自国防衛権の行使。 植民地化への抵抗は、国際法で保障されている。 国際法を適用されないイスラエルに、適用されるだけでいいというパレスチナ人たち。それほどにイスラエルの戦争犯罪は見過ごされてきた。 日本人は日本国に責任がある。日本国がイスラエルを批難する決議から降りたこと、イスラエルを止めずに協力体制できたことには日本人みなに責任がある。 知らないでは済まされない、日本人として正しい歴史的経緯を知ること、イスラエルの情報統制に惑わされない見識が必要と深く反省しました。 イギリス領とされたパレスチナ、それを返却しておきながら実際はアメリカがイスラエルという国を作り、お金持ちのユダヤ人がアラブ人を一掃して自分たちの国を作る。これを批難できない世界、国際社会は間違っています。 ちなみに冒頭でユダヤ人とは、ユダヤ教を信じる人たちのことで血筋で決まるものではないとの明確な注釈がある。ユダヤ人とはユダヤ教における十戒を守り教義に従って信仰する人々を指し、土地に由来する民族でもなければ血統から示される民族へのこしょうではないという。現に熱心なユダヤ教徒からは今のイスラエルのやり方に抵抗を示す人もいる。 ユダヤ教の教えを守る人ならイスラエルのやり口は教義に反するから、イスラエルはユダヤ人の国ではないという告発。 当初シオニズムは人気がなかった。既に米国や欧州で成功していた人たちが多く、米国を去らなくてはならなくなるのは迷惑だったから。 だとすると、イスラエルは植民地主義の人類汚点国家で、この国と取引するなり恩恵を受けるのは恥であり許されないこと、という認識を広めるのが鍵になりはしないだろうか。 ハマスは単なるテロ組織ではなく、パレスチナ人に支持されているイスラエルへの抵抗組織、というのが目から鱗でした。 イスラエルの植民地国家ぶり、イスラエル軍の旁若無人ぶりも知っていたのに、今回の音楽祭へのテロ行為と人質確保〜イスラエルの戦争行為は何が起きているのか分からなくなってしまっていたところをものすごく分かりやすく説明して頂き感謝です。 今も停戦と言いながら一方的に西岸を攻撃しているイスラエルを止め、パレスチナ人が安全かつ安定して暮らせる自国、誰にも脅かされない自国に帰れることを切に願います。

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    投稿日: 2025.02.08
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    三宅香帆さんがYouTubeでお勧めしていたので読んでみた。 自分は世界情勢にあまり興味を持っておらず、ガザについても単語は聞いたことあったが、何が起こっているのかを知ろうともしなかった。 今回この本をきっかけにイスラエルのこと、ガザの現状を知ることができてよかった。 イスラエルが行なっていることは明らかな国際法違反で、残酷なことである。

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    投稿日: 2025.01.30
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    ガザの現状とイスラエルの攻撃、ガザの人道的危機、ハマースとガザの政治状況やガザの水質汚染、健康問題、経済崩壊、失業率など。 イスラエルは、パレスチナに対してありとあらゆる暴力を、自分たちがユダヤ人であること、ホロコーストの犠牲者であることをもって正当化して、「反ユダヤ主義」だと主張している。イスラエルは1948年から75年間、パレスチナの土地を奪い入植し続けている。 ガザに関連する様々な問題がレクチャーされていて、この本、一冊でパレスチナの理解を深めることができると言ってもいい。

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    投稿日: 2025.01.29
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    返却期限1日遅れで読むのやめようかと思ったけど読了。読み終わってネットを見て2025年1月19日が停戦と知る。 私の中での宗教の疑問になぜ神は殺人を禁止にしなかったのか。自分を殺すのはだめで人を殺すのが禁じられてない理由が分からない 地獄とは人々が苦しんでいるところのことではない。人が苦しんでいるのを誰も見ようとしないところのことだ。 マンスール・アル=ハッラージュ

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    投稿日: 2025.01.19
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    講演から出版までのスピード感に、編集者と著者の熱意を感じる。講演を元にしているからかかなり感情的だけれども、それだけ切羽詰まった状況なのだなと思わざるをえない。みんな読んでほしいよ。 問題の根源は植民地主義にあるとして、日本もそれを認められない位置にいるということにハッとした。でも、軍事力の弱い隣国を暴力的に搾取・合併せずにい続けるなんて、そんなことが現実的に可能なんだろうか。わたしたちはそもそも他の文化や価値観を持った他人と共存できる生き物なんだろうか。

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    投稿日: 2025.01.07
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    2023年のハマス越境攻撃。その数日後に行われた緊急講演を、緊急出版。そのスピードから、イスラエルへの怒り、警鐘が伝わってくる。75年に及ぶ、イスラエルのパレスチナに対する民族浄化。さらに封鎖されたガザでの想像を絶する暮らし。知らなかったことが恥ずかしい。いま起きていることは“紛争”ではない。イスラエルによるジェノサイドである。著者が鳴らす警鐘は、知らなかった人へ、そして表面のみをさらって真実を伝えようとしないメディアに対して。この愚行に世界が何をしても耳をかそうとしないのなら、銃を持つ以外に他に手立てがあるのか。純粋な疑問として教えてほしい。そんな言葉に旨を打たれた。ぼくたちは知らなくてはいけない。想像しなくてはいけない。

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    投稿日: 2024.12.18
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    「ガザ地区の問題は、私たちにもあるのではないか。」 国内や世界の報道では、パレスチナのハマースがイスラエルへの攻撃を仕掛けているかのような印象操作が数多く行われている。しかし、実際にハマースが本当に加害者なのか。イスラエルは単なる猛獣をガザや西岸地区に捉えているだけなのか。 我々がメディアで得る情報は氷山の一角に過ぎない。10年、100年以上前から始まっている人種/宗教差別に始まり、ヨーロッパ諸国/アメリカといった世界政府が、パレスチナという平和な国に、自らが迫害をし続けたユダヤ人に一方的な植民地化を許可したことが全ての始まりである。本当の正義とは悪とは何なのか。 目に見えるものが真実とは限らない。という言葉をガザ地区の問題によって突きつけられました。ただし、パレスチナ視点で記述のため、イスラエル視点でも確からしさを検証する必要はありそうです。

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    投稿日: 2024.12.16
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    読書記録89. #ガザとは何か TV報道やニュースで見ていたものはなんだったのかと こちら側から見たもの、見せられていたもの 自分から求めて掴んでいかなければ真実は見えてこない 今もそこで起きている悲しみと怒り、狂気と正義は宗教と地政、歴史の理解をさらに深めなければ簡単に語れない

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    投稿日: 2024.12.11
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    知りたいと思った内容なのでその一部が知れてよかったです。ただあまりにも一方的でもっとイスラエルのことを知らないと評価するのを躊躇らいます。時間かかりそうですが、歴史からもっと調べたいです。

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    投稿日: 2024.11.30
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    「よく分かった」なんて言葉はできるだけ言いたくないけど、いかに自分がこの問題の事を理解できていなかったと実感した。岡真理さんも最初はシオニズムの視点でこの問題を見てしまっていたということが分かって安心した。誰もが最初は無知から始まる。

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    投稿日: 2024.11.29
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    母はこの著者があまり好きじゃないらしい。 なんとなく同感。 割と感情的な文章が多くて少し薄く聞こえる。あと講義録だから仕方ないけど、書いてることがどのページも似てる気が…特に後半。

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    投稿日: 2024.11.23
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    知ることの導入として。 本当に恐ろしい出来事が、この平凡な日常を送っている我々と同じ世界で起こっていることを認識しないといけない。岡真里氏の言うように、あらゆる差別や迫害に反対することとパレスチナの虐殺に抗うことは繋がっていると信じて私たちは行動しないといけない。 ホロコースト、ジェノサイドを見逃し続けている我々人類の態度は恥なのだと自覚することから。

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    投稿日: 2024.11.17
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    パレスチナ問題においては「イスラエルとは何か?」を考える事が大事であると筆者は主張している。 その上で、イスラエルはユダヤ人のための国家であるとするときのユダヤ人とは何か?を考えることが重要に思えた。 ユダヤ教徒はユダヤ人となるのに、キリスト教徒はキリスト人とならず、イスラームはイスラーム人とならない、仏教徒も仏人とはならない。 フランスで起きたドレフュス事件をきっかけに生まれたシオニズムはユダヤ教徒という信仰の選択の結果である問題をユダヤ人という血の問題にすり替える事になった。それはユダヤ教徒側からだけでなく、ユダヤ教徒を差別的に取り扱ってきたヨーロッパのキリスト教社会の圧力にもよる事だった。 ユダヤ教徒の子孫であるだけでは本来改宗によってキリスト教徒にもイスラームにもなれるにも関わらず、「ユダヤ人」という血を引き継いでいるという新たなアイデンティティが人間の自由意志で選択できない血や民族として近代以降に「発見」された。「ユダヤ人」がシオニズムの中心として国家建設を行っていることは、極めて近代的なナショナリズムな運動であるし、第二次世界大戦以前の先進諸国が辿った道と同じである。 近代化の過程で単一の民族による「国民」を「発見」するというのがナショナリズムであり、自国の「国民」の範囲に入らない人々に対して植民地主義は強引な国境の確定と占領をしてきた。 イスラエルは第二次世界大戦後に第二次世界大戦以前の先進諸国の行動を再現しているというのが今のパレスチナ自治区、特にガザ地区に端的に現れている、それは植民地主義の再現であり、植民地主義の反省のもとに立つ国連憲章に当然反する行為を再生産していると思える。

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    投稿日: 2024.11.14
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    何も知らなかったことを実感。 もちろんニュースなどでも目にしていたのに、片方の視点もしくは中立を保った報道しか見る機会がなくそれが真実だと表面しか見ようとせず深掘りしなかったことを反省した。 講義を書き起こした物なので表現もわかりやすく、《イスラエルとは何か》ということに関心を持つきっかけになる1冊だと思う。

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    投稿日: 2024.11.10
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    イスラエル問題に関しては「あーあれはイギリスの二枚舌外交が悪いんでしょ」と言ったゴシップ的な知識しかなく、歴史上の話と思っていた。 現在の、特にパレスチナ人の生活を考察することなどほとんどなかった。 「ガザの人道危機は、十月七日のハマース主導の奇襲攻撃によって突然生まれたわけではない」と言う指摘は非常に重い。 パレスチナ問題について新たな視点を得ることが出来ました。

    12
    投稿日: 2024.11.03
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    パレスチナ問題について、これまで一つも知らなかったし知ろうともしていなかった。そんな私や、私のような人たちにとって、パレスチナで起きている出来事を知り、関心を持ち、自分事として考えなくてはいけないと意識を転換させてくれる本だと思う。 読むべきだし、知るべき。読んでよかったと思う。 パレスチナで今起きていることがとても鮮やかに表現されており、すごく心が痛んだし、イスラエルがしていることが間違っていることは間違いないと思った。 そして、まず自分に出来ることは自分の考えを持ち、個人レベルでもそれを主張することだと思った。 ただ国際政治的に、日本がアメリカに強く出られないことや、ニュースがパレスチナ側に立った報道をしにくいことは理解できるし、そもそもどうすればこの問題は解決するのか。ガザを解放したとして、その後は?イスラエルとパレスチナが同じ土地に仲良く共存できる訳がないのでは? 少し読みにくかった部分もあり。イスラエルによるガザの侵攻が進んでいる最中での講義を収録したものであるため、著者の怒りや悲しみが強く表れており、一方的な立場からの主義主張と捉えられるのではと思われる部分や、さすがに過大表現ではと思ってしまう部分が一部含まれていると感じた。 最近読んだ「夜と霧」の終章の中に、ホロコーストから生き延びた人は「今度は自分が力と自由を意のままに、とことんためらいもなく行使していいのだと履き違える」ことがしばしばあった、と書かれているが、それはとても悲しいし、間違っている。世界から暴力が消えることはないのか。。心が痛い。。

    3
    投稿日: 2024.11.01
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    イスラエル建国からガザの悲劇は続いている。 これを読むといかにイスラエルがパレスチナに蛮行な行為を行なっているかがわかる。 これに無関心な日本人も痛烈に批判している。 ハマスが紳士的というのは少し疑問❓に思うが、 中東に関心を持つきっかけになる本だと思う。 ちなみにこれはYouTube でフリーアナの宇垣美里さんの紹介で手に取った一冊。

    40
    投稿日: 2024.11.01
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    ガザとは何か →ヨーロッパのユダヤ人がユダヤ人至上主義の国家(イスラエル)を創ったために祖国を追われたアラブ人(パレスチナ人)が逃げた先 →現在は天井のない監獄 何故このようなことが起きたのか →19世紀末のヨーロッパで、ユダヤ人差別・反ユダヤ主義からユダヤ人が解放されるためにはユダヤ人がマジョリティを占めるユダヤ国家を創るしかないという考えが生まれ、パレスチナにユダヤ人国家を建設する政治的プロジェクト「シオニズム」が登場した。第二次世界大戦後、ホロコーストを生き延びた行く当てのないユダヤ人難民の対処に困っていた国際連合がそれを利用し、パレスチナ分割案が提唱された。その後、ユダヤ人のパレスチナへの入植は進み、アラブ人(パレスチナ人)を迫害する民族浄化へとつながった。

    1
    投稿日: 2024.10.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    200pくらいしかないうえに講義形式ですごくわかりやすかった!  最後の質疑応答でウトロ地区の話を挙げて、「私たちが私たちの闘いをしっかりと闘うことも、パレスチナと連帯することにつながります。」と仰ってたのがすごく心にきた。 だからって日本の政治ばかりに関心を寄せてパレスチナのことは二の次というわけにもいかないとわたしは思うんだけど、心理的ハードルが下がったというか、自分がしっかり政治に関心を寄せることでパレスチナへの連帯にも繋がるんだという意識を持つことができた。

    0
    投稿日: 2024.10.30
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    ミシマ社の「パレスチナ」の本で、あゝ自分はしっかりと知ろうとしてなかったと思い、本書でもっと勉強しようと手にした。 イスラエル建国が一見人道的に見える西欧の政治的判断で進められ、パレスチナの人々を抑圧していることは知っていたし、イスラエル政府のやり方に反感は感じていた。 歴史を辿ってみると「抑圧」どころではなく、パレスチナ人を殲滅することが目的になっていることがわかり胸が痛む。映画「シンドラーのリスト」などでナチの所業に腹の底から怒りを感じたものだが、ジェノサイドの被害者であるユダヤ人が加害者になってしまっている。 植民政策でパレスチナ人を殺し、ガザという牢獄に閉じ込めて殺し、銃撃、砲撃、空爆で殺す。 どうしてこんなことができるのか。 日本が加担していることも許せることではない。

    8
    投稿日: 2024.10.28
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    なぜパレスチナ問題が起こったのか、今何が起きているのか、知ることができた。 ただ、著者が書いていることがすべて正しいのか。偏った情報になっていないか。 他の本や情報にもあたって、確かめたいと思った。

    3
    投稿日: 2024.10.26
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     イスラエル、パレスチナ問題を勉強しようと読んだ1冊目。  パレスチナ側に立った本。  イスラエルはジェノサイド国家で、ハマスは紳士的なパレスチナ解放機構と主張する本。  著者は色々自説の根拠を述べているが、確かめようが無いのでなんとも。  もっと勉強しなきゃ。(自分が)

    6
    投稿日: 2024.10.25
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    怒りが込み上げてくる。今日までのイスラエルの行動を見て、中立の立場をとることはあり得ない。 平和を掲げる国際機関はなんのために存在しているんだろう。 メディアはなんのために存在しているんだろう。 私たちは何のために歴史を勉強してきたんだろう。 パレスチナの存在を否定することは、私たち人間自身の存在の否定になると思う。 また入管の問題も、沖縄の問題も、アパルトヘイトと植民地主義の延長であること。 この世の不条理全てにNOを突きつけたい。 この曲を全人類に聴いてほしい。 https://open.spotify.com/track/77BOEFqrLR4GorhMHwUYoG?si=0fWbABHOSVGwzLJpRP82Yg

    5
    投稿日: 2024.10.24
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    2023.10.7. ハマース手動のガザのパレスチナ人戦闘員による越境奇襲攻撃に対して イスラエルによるジェノサイド攻撃が始まる わずか2週間で ガザのパレスチナ人の死者は4,000人を越えた 017 ガザの住民の7割は 1948年、イスラエルの建国に伴う民族浄化により 暴力的に故郷を追われ、難民となった者たちと子孫 ガザの住民たちの多くは難民 045 19世紀の終わりに ヨーロッパのユダヤ人の間でシオニズム パレスチナにユダヤ国家を建設するという政治的プロジェクトが誕生した きっかけは 1894年 フランスで起きたドレフェス事件 ユダヤ人でも、フランス国民に同化して軍人にまでなったのに 冤罪を着せられ終身刑になる カトリックに改宗しても、ユダヤ人は差別された 1896年 テオドール・ヘルツル 我々ユダヤ人が解放されるためには ユダヤ国家を作るしかないと考え 『ユダヤ人国家』を書く ここに、政治的シオニズム運動が誕生する 064 ガザは人口過密 PFLP パレスチナ解放人民戦線 DFLP パレスチナ解放民主戦線     マルクス・レーニン主義 ハマースは、イスラーム抵抗運動 082 ガザは封鎖されている 16年以上にわたる完全封鎖 230万人の人間が占領者に服従させられる 088 大量の失業者 ドラッグ依存症も拡大 096 ガザで拡大する自殺 インティファーダ(〈アラビア〉Intifada) 《蜂起の意》 ガザで起こった、 イスラエルの占領に対するパレスチナ人の民衆蜂起。 特に、1987年に起こり、 1993年、パレスチナ暫定自治協定の調印を受けて沈静化したものをさす。 [補説] のち、2000年にも起こったので、 1987年に起こったものを第一次インティファーダ、 2000年に起こったものを第二次インティファーダ ともいう。 129 平和的デモへの攻撃 2018年 ガザでは帰還の大行進が行われた 当時アメリカはトランプ政権 トランプが国際法を踏みにじって、大使館を占領下のエルサレムに移転することを決めた それに対する抗議 イスラエルは意図的に若い人を狙う 国際法上使用を禁止されている残虐な武器を使う 191 イスラエルを支え経済援助しているのはアメリカ合衆国だ 昔は、これほどではなかたt. イスラエル・ロビーがアメリカの国内政治において非常に大きな力を持つようになったから 192 オバマ大統領が民主党で大統領候補に選出された時 第一声が 「私はイスラエルの生存権を支持します」でした。 親イスラエル、親シオニズムの団体から多額の献金があるから

    3
    投稿日: 2024.10.20
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    忘却が、次の虐殺を準備する。 悲劇の大きさを表すに足りる言葉がない。 正しく知ることの重要性を強く感じる。

    1
    投稿日: 2024.10.20
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    大変勉強になった。講義録であるにもかかわらず、著者の熱が非常に伝わる、魂のこもった1冊。2つの講義を扱っているので後半は重複した内容も多いが、それを考慮しても素晴らしい。メディアや国際社会のあり方、一人ひとりの態度についても、きちんと批判されている。ただし、客観的事実に基づいているが、扱われている事例の選択やその解釈には、パレスチナに同情的な著者の気持ちが大いに入っている可能性があると思う。この1冊で全てを知った気にならず、別の角度から書いた本も読んでみようと思う。

    2
    投稿日: 2024.10.18
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    すぐ読み切れるしぜひ読んだ方がいいとお勧めできる本。 日本のメディアは情報制限しているところも多いからこうして専門家が簡潔に事実を整理してくれているのは助かる。 忘却が次のガザを産む、というフレーズが印象に残った。 自分ができることは少ないかもしれないけど、関心を持ち続けること、小さい範囲でも発信することが大事だと感じた。

    9
    投稿日: 2024.10.16
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    【before】この本を読む前の私は、これらを知りませんでした。 ・イスラエル(以)は莫大な国家予算を投入、専門機関が世界規模のパブリックディプロマシー(自国益に利する、フェイク含む多情報を流す)を行っている。情報戦ではカウンターインフォメーション(対抗情報)を流すのが常套。 ・「双方言い分は食い違うが自分にはジャッジ不可能。だから何も言わない。間違ったことは言いたくない」となる。以はそれで良い。パレスチナ側に立つ発言をさせなければ成功。中立に立とうとした時点で向こうの勝ち。 ・抑圧されている者がいるとき、抑圧者と被抑圧者に関して「中立である」などということは有り得ない。 ・「以は植民地主義的侵略によって作られたアパルトヘイト国家」という歴史的事実を報道しないことで、主流メディアは問題の根源を隠蔽している。 ・出来事を報道しながら、それによってむしろ真実を歪曲・隠蔽する。イスラーム報道の典型→「カバリングイスラーム」 ・以による数々の戦争犯罪、国際法違反、安保理決議違反は国際社会から一度もきちんと裁かれていない。不処罰、不問に付す伝統が形成されている。 ・この長きにわたる国際社会の二重基準がジェノサイドを可能にしている。 ・ジェノサイド条約(抜粋)締約国は、集団殺害が平時か戦時かを問わず国際法上の犯罪であることを確認し、これを防止し処罰することを約束する。 ・ガザ 白リン弾 Gaza White phosphorus で検索すると、写真が出てくる。 ・1947年より前、国連のアドホック委員会は「パレスチナ分割案は国連憲章違反、公的に違法」と結論、経済的にアラブ国家は持続不可能になると指摘した。さらに「ユダヤ人難民問題は関係当事国が解決すべき。ホロコーストと関わりないパレスチナ人の土地にユダヤ人国家を作り彼らに代償を払わせるのは政治的に不正。こんな分割案は採択されたとしても機能しない」と断言した。 ・しかし分割案は特別委員会&総会でも米ソの多数派工作により可決された。 ・「こんなことは機能しない」とアドホック委員会が断言した通りになった。 ・世界人権宣言採択の翌日、国連総会は「以建国により難民となったパレスチナ人は、即刻自分たちの故郷に帰る権利がある。帰還を希望しない難民に以は、彼らが失った財産を補償するように」と決議した。 ・2005年、ガザから以の全入植地及び以軍が撤退。結果、ガザを封鎖し「全土を無差別に爆撃する」が可能になった。 ・ガザを撤退した入植者たちは、ヨルダン川西岸に新たに入植した。 ・米以がテロ組織とみなすハマースを政権与党に選んだパレスチナ人に対する集団懲罰(国際法違反)として、2007年にガザの完全封鎖が始まった。 ・「ハマース主導によりガザのパレスチナ人戦闘員が行った奇襲攻撃」は、以軍(占領軍)に対する抵抗として国際法上認められている抵抗権の行使。 ・ガザの状況→スペイシオサイド、空間の扼殺(やくさつ)人間らしく生きられる条件をことごとく圧殺し、そこで人間らしく生きることを不可能に。 ・バタフライ・バレット→着弾の衝撃で銃弾の先が羽のように開き、血管や神経をズタズタにする。被弾すると足を切断するしかない。以軍はパレスチナ人の若者の足を積極的に狙い「彼らを障害者に」という戦略をとっている。 ・とにかくパレスチナに国際法を適用してほしい、それだけでいい。 ・なぜパレスチナ人が難民となったのか。以はどのように建国され、どのような国なのか。ガザが16年以上置かれている封鎖の暴力性。これらを押さえれば「ハマース主導によるガザの戦士たちの越境奇襲攻撃」の実態が見えてくる。 ・「70年後も実現しない難民帰還の要求」も「違法な封鎖の解除要求」もメディアは報じない。正当な主張を行う平和デモへの攻撃で膨大な死傷者が出た。 ・非暴力で訴えても世界が耳を貸さないのだとしたら、銃を取る以外にガザの人たちに他にどのような方法があったのか? ・ユダヤ人入植者は、やりたい放題の暴力を軍に守られながら行っている。 ・以が国際法上「占領を行っている」のは客観的事実。被占領者が占領と戦うのは、武装闘争も含め国際法的に正当な抵抗権の行使。主流メディアはこれを論じない。 ・イスラエルは、アラブ人やムスリムに対する欧州人のレイシズムに基づく植民地主義的な侵略と、暴力的な民族浄化によって作られた。 ・以政府はパレスチナにある6つの人権団体をテロ組織と認定している。以の人権侵害を告発する者たちは、以にとってテロリストである。以が言うテロリストが一体何なのか、これで理解できる。 ・根源の「以による占領・封鎖・アパルトヘイト・難民の帰還」は全て政治的問題。植民地支配下からの独立が政治的解決を要する政治的問題なのと同じ。 ・BDS →以に対するボイコット・投資引き上げ(ダイベストメント)経済制裁(サンクションズ)のこと。南アのアパルトヘイト廃絶運動がモデル。 ・毎日10人以上の子供が片足か両足を失っている。 【気づき】この本を読んで、これらについて気づきを得ました。 ・当時の欧州白人の対アラブ・アジア人へのレイシズム&西洋白人が軍事力を行使して自国を建国する植民地主義の精神を、シオニストたちも当然共有。 ・「歴史的ユダヤ人差別&反ユダヤ主義の結果のホロコースト」の責任を負う西洋諸国は、その責任を「パレスチナ人を犠牲にすること」であがなった。 ・封鎖とは構造的暴力。戦争による直接的暴力と同じく致命的。完全封鎖されたガザは「世界最大の野外監獄」と呼ばれたが、もはや絶滅収容所である。 ・ハマースは「封鎖解除のない停戦は受け入れられず」といって無条件停戦案を拒否した。日本や国際社会の報道はハマースを非難「せっかく以が停戦を提案したのに、停戦を蹴ったため空爆が継続、ガザのパレスチナ人が殺されている」と。ガザのパレスチナ人を殺しているのはイスラエルなのに。 ・ガザの人道危機とは、以がパレスチナ人の政治的な主体性を抹殺し、祖国の解放だとか独立国家だとか、難民の故郷帰還といった政治的な声を上げさせないようにするために、意図的かつ人為的に作り出したもの。 ・パレスチナ人に対する占領、民族浄化、抑圧が75年間も続いているのに、パレスチナ人が被害者であることを未だに自身で証明する必要がある。 ・パレスチナ人の自由なくして、私たちの自由は不完全。ネルソン・マンデラ ・以はガザに外国の報道機関が入るのも妨げている。彼らはパレスチナ人が世界に発信できないよう、インターネットを遮断する。 ・ガザとは何か?それは以の最新式兵器の性能を実演する巨大な実験場。大規模攻撃を仕掛ければ世界がそれを放映してくれる。ガザは兵器のショーケース。新兵器の開発で用済みになる古い兵器の在庫も一掃できる便利な場所。 ・100万人以上の難民たちを閉じ込めて50年以上占領下に置き、さらに16年以上完全封鎖して食料も水も医薬品も「かろうじて生きるのに精一杯」程度しか与えないでいたら人間はどうなる?その社会は?何が起こる?という実験。 ・そして分かったこと。「世界は何もしない」ガザでパレスチナ人が生きようが死のうが、世界は何の痛痒も感じない。 ・ハマースと名付けた者たちを非人間化する言葉が氾濫する中「パレスチナ人が人間である」を私たちが理解するため、私たちは文学の言葉を必要としている。文学は人間にヒューマニティーを取り戻させる。誤解してはいけない、文学によって人間性を取り戻すのはパレスチナ人ではなく、私たちである。 ・他者の人間性の否定、それこそがヒューマニティの喪失であり、人間であることを自ら手放すこと。 ・人文学は英語で「ヒューマニティーズ」という。 ・以がパレスチナ人に対して行っていることは「他者の人間性の否定」という点においてナチスがユダヤ人に対して行ったことと等しい。 ・「暴力の連鎖、憎しみの連鎖」という言葉でパレスチナ・イスラエルで起きていることを語るのは誤り。事実の歪曲・隠蔽である。 ・クウェートが7ヶ月でイラク侵攻から解放されたのとは何という違いか。 ・以は、ハマースを IS(イスラム国)になぞらえることで、自分たちの攻撃をテロに対する自衛の戦いのように見せかけている。 ・「ホロコーストの犠牲者である」をもって正当化し、自分たちに対する批判の一切合切を反ユダヤ主義だと主張してきた。 ・独代表が「以を南アのアパルトヘイトになぞらえることはできない」と唱えたのに対し、ANC 議長のバレカ・ムベテは「以が行っていることは南アのアパルトヘイトと比較できるだけでなく、はるかにひどい」と反論した。 ・以は人為的にガザに大規模な人道的危機を作り出すことによって、本来は政治的問題のはずのものを人道問題にすり替えている。 ・政治的な解決を放っておいて、破壊されるたびに復興支援や人道援助だけをしてもまた次の攻撃で破壊される。 ・ネット上には理性的でバランスのとれた記事もあるが「ニュートラルである」とは違う。この状況で「中立である」とは虐殺する側への加担である。 ・人間とは本来、政治的な存在・主体である。 ・日本でいえば入管の収容施設にいる外国人も、正規の滞在資格を持たないことで法の裂け目に落ちた、国家によって守られない存在である。以の占領下で、守ってくれる国がないパレスチナ人の現状と全く同じ。 ・この問題が何から生じ、本質は何か? そこをあえて語ろうとしない。問題は、「テロが起点」という語りによって歴史的文脈を消し去ること。 ・「どっちもどっち、しょうがない」は距離を取り、単に思考停止しているだけ。対比的なのが行動・参加・連帯、対話。 ・自分一人が何かして世界が平和に(スーパーマン症候群)などあり得ない。 ・パレスチナの人々は、ガザの状況に対してよりも、世界、私たちに対して絶望している。彼らにとっての希望とは、やはり私たちだと思う。 ・歴史とは確かにそうやって声を上げて行動した、行動してきた者たちが大勢いたからこそ、それによって世界は少しずつ変わっていった。 【TODO】今後、これらを実行していこうと思います。 ・ジェノサイドが進行中の今、即時停戦をあらん限りの声で訴える。 ・以による人道に対する罪・戦争犯罪を正しく処罰し、アパルトヘイトに世界市民の手で終止符を打つ。 ・人間の側に踏みとどまる。 ・イスラエルに、この攻撃を止めさせるためにできる限りのことをする。そのための声を上げる。 ・「お前たちがやっていることを私たちは許さないんだ」という意思を示す。 ・まずは正しく知る、それから周りの人にそれを知らせる。 ・不正義に対して私たちは怒らなくてはいけない。不正義に対して声をあげないでいることは、むしろその不正義に加担していることになる。 ・人々と一緒に何かを試み続ける、言葉を探し続ける。 ・対話を通し、他者の力を借りて自分の頭を動かす。思考停止させない。 ・「自分なんか」って思っていないで、ぜひ一緒に集まって探す。 ・「声を上げ行動しなければ絶対に変わらない」は確実。だから声を上げる。 ・映画などでパレスチナの人々の物語に触れる。

    1
    投稿日: 2024.10.16
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    リアルタイムで多くの情報が手に入るようになったのに。たくさんの情報を目にするようになったのに。 知らなければ目につかず、知ろうとしなければ正しいことにもたどり着けない。 ずっと知りたかったこと。疑問に感じていたことを知れた。心が傷んでも考えないといけない、なにかをしたいと思えた。

    1
    投稿日: 2024.10.14
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    ニュースでチラッとも見ることがなく 今まで知らなかったことが恥ずかしい。 宇多丸分室で聞いて初めて知った。 ちゃんと知って行動してる人がこんなにたくさんいるのがすごい。 今と地続きだから、この本を読んで終わりではないのが辛い。 岡真理さんや他にもたくさんの人たちがYouTubeや色んな媒体で発信しているのを追いかけたい。

    55
    投稿日: 2024.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み進めるのがとにかく辛い。 悍ましい現状に心がすり減る。 自分がどのようにニュースに触れているのか、または触れるべきなのかを考え直すきっかけには少なくともなったとは思う。「憎しみの連鎖」などと現状を無理くり収斂させる言葉を安易に使うべきでないと思うし、なぜ抗議デモを行なっているのか・なぜ国際法違反なのかを深掘りしないと見えてこない話もあるだろうし。何をもって「知ること」ができたと言えるのか今一度問い直したい。 ====  日本のメディアは、五月十四日のアメリカ大使館のエルサレム移転の式典を報じる、その報道の刺身のツマのように、移転に反対するパレスチナ人が、ガザで大規模な抗議デモを行っています、そこで死傷者が出ています、ということを伝えただけでした。  イスラエルは軍事占領した東エルサレムを併合し、そこを首都としている。これ自体が国際法違反です。そのエルサレムにアメリカ大使館を移転する、これも国際法違反です。この事実を、きちんと報道する主流のメディアはありませんでした。(p.132)

    2
    投稿日: 2024.10.12
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    ラジオでRHYMESTERの宇多丸さんが初心者にも分かりやすいとお勧めしていたと本ツイで宇垣美里さんが言っていて、たしかにニュースでよく聞くのにスルーしてるなと思い興味本位で読み始め。 その圧倒的な国際的イジメの世界に唖然とした。 もちろん双方言い分があっての片方しか見てないのだから何とも言えないところだけど、最後の質疑応答含めイスラエルの状況が非常によく伝わった。 子供にロシアウクライナの戦争についてしどろもどろに答えたりしていたが、ガザ問題についてはキチンと答えられそうだ。

    2
    投稿日: 2024.10.12
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    自分が何も知らなかったのだと、衝撃だった。 知ろうとする努力を怠っていた。 事態はより緊迫してきている。 今、必要な本だと思った。

    2
    投稿日: 2024.10.11
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    ニュースで見てるはずなのに全くもって知らなかった事実。 ・・・むしろ日本で報道されてるニュースしか見てないからこその無知だったのかもしれない。 衝撃だった。 もちろんイスラエル側の意見も聞いた上での判断が正しいのだろうが、実際に現場で起こってる事実から目を背けてはならない。 皆に読んでほしい。そして周知してほしい一冊。 ただ・・誰もイスラエル(ユダヤ人)を止められない、注意出来ないという 結局、金持ってる奴が支配してるこの世界に絶望するよね。 はたして自分に何が出来るだろうか・・・?

    2
    投稿日: 2024.10.08
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    知らないままは恥ずかしいと言う事で購入 そもそもの構図と言うか成り立ちみたいなものすら理解できていなかった事が判明。 どうにもならないくらい複雑になってしまってるんですね。 この機会に色々な視点、根本にある問題をもう少し学んでみたいと思います。

    2
    投稿日: 2024.10.06
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    わかりやすく伝えたい、しかも早急に正しく伝えたい、という想い(というか訴えに近い)がヒシヒシと伝わってくるこの本は、昨年10月20日に京都大学、10月23日に早稲田大学で開催された緊急セミナーでの講演に加筆修正を加えたもの。誤りや偏りのあるメディアの情報に踊らされてしまうことへの忠告とも受け取れる。 地獄とは、人々が苦しんでいるところのことではない。 人が苦しんでいるのを誰も見ようとしないところのことだ。(P102) ガザとか何か、イスラエルとは何かをわかりやすく説いている本書の中で、文学を専門とする著者は、武器という言葉はこの場合ふさわしくないかもしれないと断った上であえて、こう言っている。 言葉とヒューマニティ、それが私たちの「武器」です。(P146) 人間に、ヒューマニティを取り戻させてくれる文学の力。人間として踏みとどまることができなければ、ヒューマニティを失ってしまう。そのことが世界のあらゆる紛争の原因の根幹であると思った。 知らなかったことも多かった。わかりやすく教えてくれた。これからも知らなくては。

    1
    投稿日: 2024.10.05
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    ハマスがイスラエルに侵攻すればネタニヤフ政権に壊滅に追い込まれるのは目に見えている。それが分かっていてのこの軍事作戦はあまりに無謀。自分らの存在の誇示のためとイランの意向を受けてに違いない、と思い込んでいたら、ガサの封鎖に対する抵抗の意もあったのね。 そんなことも知らないとなると、池上彰に笑われるな。

    1
    投稿日: 2024.09.16
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    現在ガザではイスラエルによるジェノサイドが行われています。女性や子どもを含む4万人以上のガザの人々がイスラエルによって殺されました。なぜこのような悲惨な出来事が起きているのか、そもそもガザとは何なのかなど、パレスチナ問題を知るための一冊です。一人でも多くの高校生の皆さんに手に取ってもらって、今起こっていることを少しでも知ってほしいと思います。

    2
    投稿日: 2024.09.09
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    語気が荒すぎる(攻撃性を感じる)が、内容自体は至って真面目で、2023年からのガザーイスラエルの攻撃をきっかけにパレスチナの問題に興味を持った人にとっては、入門書としてわかりやすいと思う。

    1
    投稿日: 2024.09.01
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    パレスチナ問題を知る際にまずはじめに読んでほしい本。講演を書籍化したものなので読みやすく、「現在」のガザを語る上で必要最小限な歴史的情報がまとまっているので要点を押さえやすくてよかった。 パレスチナ問題の難しさは当事者の多さだと思っている。パレスチナ国内がそもそも一枚岩じゃなかったり、エジプト、ヨルダンなどの周辺国やヒズボラなどの組織とか色々ややこしいので、ニュースを流し見しているだけだと情報がいまいちまとまらない。 この本はいったんイスラエル人とパレスチナ人だけに焦点を当てていて、かなり見やすくなっていた。 より深く知りたい人向けの参考文献も新しく豊富で、映画とかもあったので、ここから学ぶのにも最適だった。 他にもパレスチナ問題の本を読もうと思った。

    2
    投稿日: 2024.08.31
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    中東はなんとなく怖い。まさにメディアに誘導される思考になっていました。しかし、最近のイスラエルのニュースを見ていると何かおかしいと思い。この本を読みました。 何も知らなかった事を恥じていますが、今更ですが知れて良かった。 日本には知らない人がまだ大半だと思うが、まずは知っている人を増やすことで世界を変えないといけない。 なんでパレスチナが武装集団になるのか、 それにはならざる負えない事情があることを我々は知ったうえで判断をしなければいけない。

    6
    投稿日: 2024.08.18
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    レビューを見る限り分かりやすかったと書かれてあるが、ガザについて恥ずかしながら全く知識のない私にとっては10のうち5.5くらいしか理解できなかった。しかし、この本を読んでガザについてもっと知りたいという気持ちになったので、もう少し優しめの本を探して「ガザとか何か」をもう一度読もうと思う。イスラエル、パレスチナについて私たち日本人が認識している問題と実際問題にはかなりの乖離が生じているということは分かったので、これからその乖離の内容と原因、解決策を考えていきたい。

    4
    投稿日: 2024.08.11
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    2024.9 今年の始め頃に読んだ本 かなり読みやすく分かりやすいです P7 ジェノサイドが進行中の今、「即時停戦」をあらん限りの声で訴えることは絶対に必要です。でも、それだけでは、問題は何も解決しません。この人道に対する罪の責任者が、これまでもずっとそうであったように、戦争犯罪者として処罰されなかったら、同じことが再び繰り返されるでしょう。イスラエルによるこの人道に対する罪、戦争犯罪を正しく処罰し、そして、国際人権団体が「世界の責務」だと訴える、イスラエルのアパルトヘイトに私たち世界市民の手で終止符を打つこと、そのために私たちが今も、そしてこれからも行動すること、そうすることが絶対に必要なのだということを、本書をお読みになられた方にはご理解いただけると思います。 信じましょう。川から海までパレスチナは自由になると。ガザとは、人間の悲惨が凝縮する土地ではなく、私たちが虹色の未来を植える土地なのだと。 P123 私は、韓国のムンブシクさんの『失われた記憶を求めて』(現代企画室)という、1980年の光州事件の記憶を綴った本で引用されていた一節、「忘却が、次の虐殺を準備する」を何度も引用し、言いました。私たちは今<ガザ>の後にいるのではい。次の<ガザ>の前にいるのだと。今回ガザで起きた出来事を忘れたら、私たちはその忘却によって、次の<ガザ>への道を整えているのだと。 P135 ガザとは何か。ガザ、それは巨大な実験場です。イスラエルの最新式兵器の性能を、実戦で実験するところ。大規模攻撃を仕掛ければ、世界のニュースがそれを放映してくれる。ガザはその兵器の性能を実演して見せるショーケースです。新兵器の開発で用済みになってしまう古い兵器の在庫も一掃できる、ガザはそういう便利な場所です。

    3
    投稿日: 2024.07.29
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    不謹慎と言うか軽薄かもしれない。 この本を手に取ったきっかけは 子供に聞かれた時に何も答えられない問題だなという比較的軽い気持ちからだった。もちろん問題の重大さやその悲劇性は認識していたつもりだったが、読後には知らないということ、知ろうとしないこと。その罪深さを突きつけられたような重い一冊だった。 なんとなくマスコミの報道に合わせて「大変なことが起こってる」「戦争だ」「 テロだ」というボヤケた危機感しかなかった。しかしそれは本当に断片を切り取った表現でしかなかったと気づかされた。 ただそれは私だけではなく多くのマスコミで報じるニュースも似たような話です。問題の根本に切り込むことなく「攻撃があったこと」「 死者が出たこと」「抗議活動が起こったこと」などのような 事実しか伝えられていない。その中で一市民である我々は考える材料を得られていない、そしてそのことに気がついていない。 この書籍の中で語られていることを自分の浅はかな読解力でここに載せることは避けようと思います。とにかくこの問題がどういった原因でどういう期間行われどういった結果をもたらしているのかよくわかりました。もちろんこの本を読んで全てを知ったと思い込むことも危険だとは思いますが、少なくともガザ地区の実状についての記載を信じるならばこれは緩やかなジェノサイドというのも納得はできる。 もちろんジェノサイドに加担する側が悪という図式は間違いない。ただ歴史的な経緯などからその当事者の善悪の判断などというところは我々の視点からでは決められないような気がする。 確かなのは言うまでもなく戦争が、テロが、命が奪われるということ自体が 憎むべきことであるということ。世界を変える、戦争を終わらす、誰かを裁くなどの大きな理想でなくていい。自分たちと同じような守るべき家族がいて、帰るべきふるさとを持つ人々。 それを一方的に奪われる理不尽さ憤りの声を上げること。誰かと話すこと。無関心にならないこと。 本当に小さなことだけど、まずはそこから。それしかできない。

    5
    投稿日: 2024.07.28
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    パレスチナで起きていることを、素早く理解するためにとても役立った。イスラエルによるガザ地区の封鎖状態や昨年ハマースによる抵抗運動から激化したジェノサイドについて、ニュースや他文献から知ってはいたものの、根本となるシオニズムやイスラエルという国の興りについて不勉強だったと改めて自覚した。ウェブでの署名やボイコットなど個人的に続けていることはあるが、知ろうとしてこなかった私自身の罪について考えるきっかけにもなった。巻末の質疑応答ページで著者も述べているが、自分の暮らす国で起きている差別やヘイトの一刻も早い解消を目指すこともまた、パレスチナへの連帯となる。そのために声を上げること、学ぶことを続けていく。

    0
    投稿日: 2024.07.27
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    正しく知ることの責任と植民地主義の弊害を利害すること、そして日本もそれに加担していることを知る。 他の著作も読みたい

    1
    投稿日: 2024.07.19
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    ガザについて、緊急講演の内容をまとめている。日本にいると、民族とかは知識として知っているけど状況の理解はしていない。経緯はあるにせよ民族が違うだけでここまで迫害の対象になるのかということや、背景の事情等

    2
    投稿日: 2024.07.14
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    パレスチナ問題について、とても理解しやすかった。 ハマスについて、イスラエルについて、誤解していたな… もちろん、イスラエルにはイスラエルの言い分があるのだろうが、パレスチナ側の知識が全くなかったことに初めて気づいた。 せめて国際法は適用させようよ。アメリカが阻むのはなぜ、、?と思ったが最後に言及されていた。 イスラエルを支持するアメリカ内のユダヤ人が資産などを持っているから、国内の選挙戦のために支持しているのか… 世界中の多くの人がこの問題に関心を持ち、国際法の適用を望めばかわるのかな… その上で南アフリカにかつて行われていたようなBDSは確かに有用なのかもしれない。 イスラム原理主義についても以前読んだ『宗教対立がわかると世界史がかわる』で読んだが、パレスチナとイスラエルの争いに関しては、イスラム原理主義が由来でテロが起きている訳ではないことが多いとわかった。

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    投稿日: 2024.07.08
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    昨年秋に早稲田大学、京都大学で開催された緊急セミナーに加筆した本。 ウクライナ紛争に続く形で始まったガザの虐殺。 この背景、真相を、非常に分かりやすく説明した内容になっている。 ハマスが先に手を出した、と、イスラエルは言う。 それだけを切り取れば事実なのだろうが、実態は違う。 イスラエルがパレスチナの人たちを追い込んで、締め出して、 どうにもならなくなって、ハマスが動いた、と見るのが妥当。 ましてイスラエルの反撃はもはやその域を超え、虐殺になっている、というのは 周知の事実。非戦闘員の赤ん坊も子供も殺す。 正当性はみじんもない。 国際法に照らせば違法であることは明らか。 しかしアメリカはイスラエルを止めない。ヨーロッパも及び腰。 それは第二次大戦のホロコーストでユダヤ人が虐殺された、 逆に言えばドイツがユダヤ人を迫害し、追い出し、住む場所を奪ったから。 戦後その救済策として、なぜか関係ないはずのパレスチナの地を与えることとし、 それがいまだに尾を引いている。 定住の地を求めるユダヤ人はイスラエルを建国し、 パレスチナ人は何も非がないのに自分の住む場所を奪われる。 それがいまだに続いている。 アメリカの二枚舌。ウクライナに対し侵攻するロシアを責められない。 そもそもアメリカは日本やベトナムの非戦闘員を虐殺した過去を持つ国。 正義より自国なのだ。 ある意味当たり前。 なのに日米同盟とやらをかたくなに信じ、属国化し、沖縄で女性がレイプされても、 米軍基地でピーファスがばらまかれても、不安定なオスプレイが飛んでも、 新基地のために沖縄の海を、沖縄戦の犠牲になった遺骨で埋められても、 文句の一つも言わない日本右翼。 目を覚ませ、だ。

    2
    投稿日: 2024.07.06
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    恥ずかしながら、パレスチナ問題のことを何も知らず、特に興味も持っていませんでした。たまにニュースで見かけるけどガザって何?というレベル。SNSで本書を知り、読んでおいたほうがいいのかな、と思い読み始めました。 今のガザは世界最大の野外監獄、いや、もはや監獄ではなく絶滅収容所であると。何の知識のない私でもよく分かりました。ガザで何が行われてきたのか、何故こうなったのか、とても分かりやすく書かれています。とにかく出来るだけ多くの方に読んで欲しい本です。

    10
    投稿日: 2024.07.05
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    松谷みよ子『私のアンネ=フランク』という作品があり、だいぶ前に読んだので記憶が曖昧ですが、ラストではユダヤ人の国としてイスラエルの建国が国連に認められたことを主人公の少女が喜ぶ場面がありました。(1979年の作品なのでパレスチナ難民の問題も書かれていたかもしれません。) 私の認識もこれに近くて、ユダヤ人のための国がやっとつくられた、しかしそれにはパレスチナ難民という問題がずっと続いている、という感じで捉えていました。 そもそもイスラエルに住んでいるのはユダヤ人なのか、パレスチナに住んでいるのは誰なのか。そんな基本的な認識すら正しくできていなかったように思います。 緊急講義をもとにした本書では歴史と問題点、現在ガザで起こっていることがわかりやすくまとめられていて、複雑すぎてわからないと逃げがちなパレスチナ問題がやっとすっきり理解できました。 ただ、「わかりやすい」というのは危険なことで、わかったつもりになってはいけない。質疑応答にあったように「私たちはガザのために今何ができるのか」、まずは知ることから始めたいと思います。 156 「暴力の連鎖」「憎しみの連鎖」という言葉で、パレスチナ、イスラエルで起きていることを語るのは、端的に言って誤りであり、事実の歪曲であり、事実の隠蔽です。 ヤコブ・M・ラブキン『イスラエルとは何か』平凡社新書 文富軾 『失われた記憶を求めて』現代企画室 ガッサーン・カナファーニー『ハイファイに戻って』河出文庫

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    投稿日: 2024.06.28