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エヴァーグリーン・ゲーム
エヴァーグリーン・ゲーム
石井仁蔵、みっちぇ(亡霊工房)/ポプラ社
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総合評価

104件)
4.1
31
49
16
3
1
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    チェスを通して繋がっていく人間関係。 それぞれの人生にチェスが寄り添っていて、こんなにも人を惹きつけるんだなと。 初めて知ったチェスの世界と魅力。 その魅力を登場人物たちが余すとこなく伝えてくれる。 今年1番の良書に出会ったかもしれない。

    6
    投稿日: 2023.11.16
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    感想書くの忘れてた チェスに夢中な人たちの人生のお話 チェス、わかんないけど 将棋わからんでもライオンおもしろいし これもおもしろかったな オススメだぜーーってほどでもないんだが 今後の人生でこのお話の場面ばめんを ふと思い出すことがきっとあると思う そういう本、わりと好き なので星は3つ!

    2
    投稿日: 2023.11.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小学生の時初めて手にした馬の形の駒は、将棋の地味な駒と比べてこの上なくかっこよく見えた。 キングよりもクイーンの方がカッコいいし、力自慢のルークがぼってりしてるのいかにもっぽくに思えた。きちんとしたルールもわからないまま、勝手気ままに動かして悦に入っていた。 そんな昔のことを思い出しながら読み始めた、チェス小説。 土臭いイメージからは遠い、なんというか少し上品な雰囲気を醸すチェス。そのチェスに青春をかけた若者たちの青春さわやか群像劇なのだろう、とそれくらいの構えて読み始めたのだけど、これがもう、途中でやめられず一気読み。なんだこの熱さは!!!土臭いどころか血なまぐさいではないか!! 4人の若者たちにはそれぞれチェスによって人生を救われている。文字通り「救われて」「掬われて」きたのだ。 あるものは病気を克服する気力を、あるものは人生選択の道を、あるものは親への復讐を、そしてあるものは文字通りの命を、得てきた。ひとりひとりの物語に胸を熱くしながら時間が流れていく。登場人物たちの人生が少しずつ進んでいく。そして最後に最大で最高の舞台「チェスワングランプリ」という舞台で四つの人生が重なっていく。完璧な流れだ。否が応でも高まる、スリリングな展開に、研ぎ澄まされた選択に、盤上に繰り広げられている美しき戦いに息も切らさず飲み込まれていく。 チェスのことよく知らない、という人こそ楽しめるのではいか。ネットにある動画を次々とみてしまうだろう。早指しの早すぎる指し手にのけぞったり、長考に沈むプレイヤーの刃のような目に震えたり、知らないからこその楽しみもあるだろう。そしてきっと始まる、この物語から。チェスブームが、きっと。

    7
    投稿日: 2023.11.10
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    Amazonの紹介より 世界有数の頭脳スポーツであるチェスと出会い、その面白さに魅入られた4人の若者たち。 64マスの盤上で、命を懸けた闘いが繰り広げられる――! 小学生の透は、難病で入院生活を送っており、行きたかった遠足はもちろん、学校にも行けず癇癪を起してしまう。そんなとき、小児病棟でチェスに没頭する輝と出会う――。 チェス部の実力者である高校生の晴紀だが、マイナー競技ゆえにプロを目指すかどうか悩んでいた。ある日、部長のルイに誘われた合コンで、昔好きだった女の子と再会し……? 全盲の少女・冴理は、母からピアノのレッスンを強要される日々。しかし盲学校の保健室の先生に偶然すすめられたチェスにハマってしまい――。 天涯孤独の釣崎は、少年院を出たのち単身アメリカへわたる。マフィアのドンとチェスの勝負することになり……!? そして、彼らは己の全てをかけて、チェスプレイヤー日本一を決めるチェスワングランプリに挑むことに。 チェスと人生がドラマティックに交錯する、熱い感動のエンターテイメント作! 第12回ポプラ社小説新人賞受賞作 チェスに人生を捧げた若者達の群像劇になっています。それぞれ様々な人生を経てのチェスの闘いには熱くぶつかり合っていて、臨場感や緊張感が伝わりそれを経ての展開に感動してしまいました。 チェスのイメージというと、最初に思い浮かんだのは、ドラマ「相棒」の右京さんです。スタイリッシュでかっこいいイメージだけれども、ルールとかを聞くと、難しい印象であり、今までの人生において通りませんでした。 チェスの模様を小説に描写するのは、あまり読んだことがなかったのですが、相手との張り詰めた心理戦や戦略が、よく表現されていました。 ただ個人的には、将棋もそうですが、「a4」や「Ne3」などチェスならではの盤上での動きが、なかなかよくわからなかったので、魅力の半分しか味わえなかったなと思いました。 チェス好きな方には、動きに驚きや接戦がわかるかと思います。 チェスをメインにした小説ですが、それぞれの若者達の人生にも読み応えがありました。章ごとに主人公が変わり、それぞれどんな人生を歩んでいたのか丁寧に描かれています。 章が変わるごとに前の章で登場した人の続きの展開も紹介されているので、大きく「繋がって」いる感覚がありました。 難病を抱えている人や盲目な人、不良だった人、それぞれがチェスに心を掴まされ、熱烈に没頭していきます。 不良だった人が、まさかチェス選手の一人になるとはちょっと驚きでしたが、全てをチェスを捧げている描写は、読んでいて青春だなと思いましたし、みんなキラキラ輝いていました。 チェスに限らず、人生においてときめく瞬間、生きる支えになるものがあるかと思います。 夢中になっていく登場人物の描写が、生き生きと表現されていました。 後半の章では、みんなが集合し、頂上決戦をしていくのですが、これがもう人間ドラマが詰まっていました。 友情や嫉妬、喜びや悲しみなどチェスの闘い以外の要素も魅力的で面白かったです。 本作品がデビュー作かと思います。今後どんな作品を手がけていくのか楽しみです。

    7
    投稿日: 2023.11.09