Reader Store
サピエンス全史 上 文明の構造と人類の幸福
サピエンス全史 上 文明の構造と人類の幸福
ユヴァル・ノア・ハラリ、柴田裕之/河出書房新社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

132件)
4.3
54
54
16
1
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読んでいてずぅ〜っと面白い。 知的好奇心が刺激され続けてページをめくる手が止まらない。 一方で内容は一読して簡単に理解できるものではないので、何度も読み返して時間がかかる。 自分の人生の中でも「最高」に近い読書体験であったことは間違いない。 内容としては、人類の歴史について、鳥の視点よりも広い、宇宙を飛ぶスパイ衛星の視点で論じたもの。(本人のたとえから引用) 歴史の中で各種の「革命」が起こったが、自分が注目したいのは二つ。 認知革命と農業革命。 認知革命は言わずと知れたもの。簡単に言えば言葉によって人がコミュニケーションを取れるようになったということ。 ただ、ここで面白いのが認知革命の本質が「虚構」であるということ。 動物のコミュニケーションは「天敵だ!逃げろ!」など、現実に基づいた内容しか話題にできない。 でも人間の場合は「昨日、黄色と黒の虫に襲われた。みんなも気をつけろ。アイツのことをハチと呼ぼう」など、ここにないものを話すことができる。 国家や紙幣、いま通っている学校や会社も虚構の上に成り立ってると考えると面白い。 もう一つが農業革命だ。 特に面白いのは以下の視点だ。 ホモ・サピエンスが小麦などを栽培化したのではない。ホモ・サピエンスが小麦などに「家畜化」されたのだ。 狩猟採集民から農耕民にかわったことで1番利益があったのは、人間ではなく小麦だというのだ。 そんなバカな!と思った。 でも、言われてみるとその通りだ。 人々は小麦などの栽培に生活のほとんどを費やすようになった。 自分の土地が生まれた。 それによって争った場合は戦うしかなくなった。(狩猟採集民の場合は「にげる」コマンドがあった) 貧富の差が生まれた。 人口爆発した。 いま、わたしたちが家から会社に長い時間をかけて通ってるのも、この農業革命がきっかけなのかもしれない。

    1
    投稿日: 2025.10.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    黎明期からの人類の興りが生々しく推察されている。農耕の罠など、なぜこのような世の中になっているんだろうと感じていた違和感をほどいてくれている感じがする。とても面白い。再読必至。 ふと思い出したが小麦の奴隷という名の高級食パン屋があったが、あれはこの本にこの本の威を借りようという目論見だったんだな。商魂たくましいわ(笑)

    1
    投稿日: 2025.10.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    知革命が私自身の歴史の認識を変えてくれた。なぜ、歴史を学ぶのか学ぶ理由は何なのかを再度考えるきっかけになった。

    1
    投稿日: 2025.09.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    虚構。 かたちのないもの、考えに人々は動かされ帝国が出来た。 今でも人々はあらゆる物語に熱狂し、踊らされて生きていて、認知の重要性を痛感。 今の私たちも力付くで統一を果たした人の子孫と思うと、国籍問わず他の人にもっと優しくなれるかもしれない。 普段美味しく食べるお肉に刹那的に心が痛む。

    8
    投稿日: 2025.09.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    Sapiens Yuval Noah Harari 2011 確かに、興味深く挑発的で、こわい。私達はこの惑星上一番強い存在であり、もっと強くあろうと前進する。他の生物やこの環境を踏みにじってでも。他の人間を踏みにじってでも 全文はブログで www.akapannotes.com (英語で読了)

    1
    投稿日: 2025.09.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    世の中をニュートラルに見たいのなら、読んでみる価値のある本。『銃・病原菌・鉄』も読むべき本の一つだと思うが、彼の本よりも人類全体の悪行が描かれている。 「サピエンス」が特別優れている訳でもないし、農業が他の生物を含め我々を幸せにしてくれたわけでもない。何が幸せかという議論はあるけれど… 認知革命以来背負ってしまった、想像という武器でもあり足かせでもある力。下巻では集団で想像する力が行きつく先を鮮やかに示してくれる。

    1
    投稿日: 2025.09.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ホモサピエンスが勢力を強めた背景と経緯を明瞭に語っていて、非常に関心を持たされた。信仰の力がいかに人類にとっての鍵であったか。虚構の力の凄まじさ

    1
    投稿日: 2025.09.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人類の繁栄や残忍さについて様々な観点から楽しめた。 長いが読み応えがあり面白い。 特に家畜の部分は心が痛い。

    1
    投稿日: 2025.09.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    難しい内容の本だと思い遠ざけていたが、ふと目が合って読むことになってしまった。 人間の長い歴史を実に面白く飽きさせずに書かれている。 人間が二足歩行になり他の動物とは子育ても生活スタイルも一線を画し、農耕により争いが始まり、対立や帝国ができる。 面白いのは世界はずっと統一に向かう流れだということ。 現在の社会から俯瞰して見てみると、宗教問題や奴隷、権力、政治、あらゆるものが形やそれぞれの想いがあるものの、統一に向かっているというのは間違いないのかもしれない。 これから世界はどこに向かう?と後半が楽しみになる前半だった。

    1
    投稿日: 2025.09.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読んだのは2回目です。読書を始めたばかりの頃から1年経ち、だいぶ分かりやすく面白い本だな、と思いました。言い回しがアイロニックなのも好きです。 大変面白いと感じたのは3カ所です。二足歩行を手に入れる代わりに出産が早まり自立するまで子育てが必要になったこと、農耕から狩猟採集民に戻れない理由の一つに「贅沢品が必需品になる」という今でも通じる歴史の傾向が効いていること、そして金の価値の違いから自然に同様の貨幣が世界に流通してしまうことです。 大変勉強になりました。やはり歴史で捉えるといろんな事が見えてきて楽しいですね。

    2
    投稿日: 2025.08.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    非常に面白かった。 人類史の書籍を初めて読んだが、これまでにない切り口で、人間とはなにか、どこへ向かうのかを考えさせられる内容だった。 狩猟から農耕へのシフトが、これほどまでにインパクトを与えたというのは印象的だった。 人間のもつ特性について、これまでの長いスパンでの進化という視点で考えると納得感のあるものも多々あり、その点も興味深かった。 下巻は特に人間とは何か、ヒトを人間たらしめるものは何かといった点に思いを馳せる内容であった。後世にDNAを残すというのが生物としての成功の定義なのかもしれないが、それは幸せであることとはまた異なる。我々はこの先どこに行き着くのか、というのがとても興味深い。 また読み直したい。

    0
    投稿日: 2025.08.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    簡潔な文章で様々な説を述べられ、とても面白い。知っている話も、改めて説明され納得できたように思う。ところどころにクスッと笑える箇所もあり、一気に読み進められた。 支配された国のエリート層が権利を求める例としてガンジーを挙げられていた点(ガンジーは英国式の教育を受けたが初期は弁護士としてうだつが上がらなかったし、アフリカ行きの列車では一等車の座席指定のチケットを持っていたため、一等車に乗ることを強弁したわけでもない、三等車に移れと言った車掌の方がおかしい)や、 オッペンハイマーにノーベル平和賞を与えるべきという言葉(終戦に繋がったかもしれないが、20万以上を殺し、後遺症により殺してきた事実は消えない。人間相手に実験として投下したのも許せない。この言葉は絶対に許容できない)など 納得いかない箇所はあった。 それ以外の箇所については興味深く読み進められたと思う。

    2
    投稿日: 2025.08.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かったなー。全然知らない本だったけど、LINEで大学時代のサークル仲間が話してるのを見て、買ってきた。 ある意味、広く知られていることばかりだが、語る切り口が新しいと思った。もともと「当然で所与のものと見られてることだが、そもそもこれは・・」って語りが好きなので、最初から最後まで大変面白く読むことができた。

    1
    投稿日: 2025.08.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なぜ他の人間種に比べ、サピエンスが生き残れたか、虚構を生み出せるからだ。 身体的特徴は、ネアンデルタール人が強いだろう。個ではそうだが群れとなるとサピエンスに、軍配が上がる。 神話、精霊など虚構で人々をまとめ上げられる

    1
    投稿日: 2025.08.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    認知革命、農業革命、人類の統一。 ところどころ首を傾げたくなる部分もあるが、「サピエンス」としての人類の歴史をうまく概説している。 「たとえばキリスト教徒が、通りの先にあるモスクに通うイスラム教徒のことを理解したいと心から願っていたら、……イスラム教文化のジレンマ、つまり規則と規則がぶつかり合い、標準どうしが衝突している部分を調べるべきだ。」(205頁) 「インドと地中海沿岸を行き来する貿易商人は、金の価値の違いに気づく。彼らは利益を得るために、インドで金を安く買い、地中海沿岸で高く売る。その結果、インドでは金の需要と価値が急速に高まる。一方、地中海沿岸には金が大量に流入するので、その価値が下がる。いくらもしないうちに、インドと地中海沿岸での金の価値はほとんど同じになる。」(230頁)

    1
    投稿日: 2025.07.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ホモサピエンスの歴史を様々な観点から振り返って紐解いていく大ベストセラー。 比較的読みやすい文体ながら、文字数は多く専門的なワードも多い。 でも引き込まれる…自分の認識を破壊されたり、新しい視点に出会えたり。本を読むことの良さの一つとして、他の人の人生や考え方を取り入れられることがあると思うけど、この本はそれを体現しているように思う。この本を読めて良かった。 上巻では認知革命、農業革命、グローバル化がテーマ。 勉強になったポイントがたくさんありすぎるけど、なんとか付箋を貼っていたところを振り返ると、まず農業革命によってサピエンスは豊かになったのかという点。狩猟採集から作物を育てるという技術を手に入れ、発展していくことはできたが、労働時間は増え、天候に左右され、簡単に移動できなくなった。まるで穀物の奴隷になったように。ただ、不作に備えるために未来の心配をし始め、天候や季節などの研究をし始めるようになったんだろうか。それによって川の氾濫を何とかするための技術や天候を予測する技術が生まれていったんだと思う。 またサピエンスの異なる集団同士の生物学的区別は無視できるほどでしかないということ。今あるヒエラルキーや人種差別は、歴史上で発生した偶然を虚構で補強して繰り返していくことで定着したものである。人種による能力の差はほとんどなく、今接している人たちも育ち方の差や会社でいうと役職・職種の違いを積み重ねた差しかないのではと思う。他の人がどう考えるのか、間違った考えだと思ってもその考えに至るプロセスを考えてみるのかもしれない。

    0
    投稿日: 2025.07.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    サピエンス全史、予てより読みたかった本である。衝撃である。 我々ホモ・サピエンスは、同時代にかつて存在したネアンデルタール人等のヒト族を凌駕して唯一生き残った。 ホモ・サピエンスがヒト族の中で生き残り、更に地球の生態系の頂点に立てた最大の理由は、複雑な状況を説明できるコミュニケーション能力を持ったことに加え、何億人もの間で「神話」を共有できるようになったこと。 資本主義や、法律、国、人権、宗教、お金など、本来は存在しないものを「存在する」と皆が信じることにより、それらを存在させている。その仕組みの中で我々は生きているとは、改めて言われると驚異的である。あたりまえに「ある」と思っていたことが、実は「神話」であったとは。 トヨタの車は存在し、触れることができるが、トヨタという会社に触ることはできない、人権を主張する人も、人権にも触ることができない、皆が「存在する」と信じていることで成り立っている。 私を今奴隷のように搾取している会社も、みんなが「ある」と信じているから存在しているだけなのか、と、最早マトリックスから抜け出したネオの心持ちである。 我々が人生において何かを成し遂げたいと、自発的に心から思っているつもりでも、全ては、現代社会に生きる人々が信じている「枠組み」の中でのものであり、我々はその枠からは抜け出せず、呪われている、のだ。 我々は、神話からは抜け出せない。地球の99%の人が「ドル」に価値があると信じていれば、私だけ「ドルに価値が無い」と言っても、私だけが爪はじきにされるだけだからだ。 神話は存在せずとも、人々が信じることで存在する、そしてそれを変えるのは困難だ、なぜならば、みんなが信じちゃってるから。このループから抜けられない。 一方で皆が信じているものが、今後どう変わっていくか、恐ろしくも興味深くある。

    1
    投稿日: 2025.07.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    前半部分は直感的にわかりやすかった。近代に近づくにつれ、難解になっていった印象。下巻はどのような論を展開するか気になるので読む

    1
    投稿日: 2025.07.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初版は2016年。読んだのは99刷発行、2023年。 こういう本は新刊のうちに読んだ方が良いのでしょうが、今からでも遅くはないのでは?と思う重版っぷりです。

    1
    投稿日: 2025.07.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なぜヒトはこんなにも高い知力を有しているのか。なぜヒトの生態的地位は独立しているのか。なぜヒトが地球を支配しているのか。私は人間であることに疑問と罪悪感を覚えてきた。この本を読んで、サピエンスがどのように現生人類の地位を獲得したかを理解し、世界の見方が変わる感覚を味わった。ヒトという存在の歴史を知るのはとても興味深く、快感だった。もっと早くに読むべきだったとも思う。 サピエンスの脳の言語野にどのような突然変異が生じたのかよくわかっていないが、虚構を語るというのがこんなにも画期的であることに驚いた。また、サピエンスが史上最も危険な種としてたくさんの種を絶滅に追い込んだことに胸が苦しくなった。農業革命では私が生きる中で感じる苦しみが種全体に保存されたものであると知り、受け止め方が変わった。 ユヴァル•ノア•ハラリの特製BOXを衝動買いしたが、今は導かれたのだと思うくらいこの本に良い影響を受けた。続く3冊も読み進めようと思う。

    19
    投稿日: 2025.07.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人間の進化の歴史を踏まえながら現代の社会について考えてある本。 個人的に人間が現代の文化を手に入れるのに以下の2点が重要と感じた。 1. 伝聞を信じられること。 2. 文字ができたこと。 上記の内容を会得したことで、情報を効率よく伝えることができ、知識やノウハウを広めることができたと思う。 技術が進歩しても人間の基本的思想は紀元前から変わらないことがわかった。 自分たちはまだまだ、動物であると思う。

    3
    投稿日: 2025.07.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ひとつの国の文化は、元々他の国から渡ってきたものもしくは植民地化され迫害されていた時代にできたものと考えると、他国との繋がりが見えてきて、一気に面白くなった。

    0
    投稿日: 2025.07.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    生き残ったヒトが狩猟採集の民として安定し,農耕文化を築き,帝国という組織に基づき世界の統一に進むまでが語られる.この一連の歴史がヒトとしての文明を築く道筋となっており,如何に偶然が支配していることか.

    0
    投稿日: 2025.06.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ホモ・サピエンスが生き残ってきた歴史。 なぜ生き残ったのか。本の中で1番唸りました。 本で挫折してしまい、オーディブルで再挑戦。 面白かった。 男性優位の構造や、いつから未来志向になったのか。 知らないことだらけで、面白かった。

    1
    投稿日: 2025.06.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ほぼすべての文化で男性優位になったのか。その理由として、(女性の)身体的な弱さ、体力や攻撃性は確固たる理由にはなり得ない、というのが目からウロコ。説明されてみれば、確かに…

    1
    投稿日: 2025.06.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ようやく現在進行形の十冊の内一冊読み終わりました。独り言は置いておいて、この本はホモサピエンスの歴史について語っており普通に面白いです。下巻が楽しみ

    13
    投稿日: 2025.06.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ホモサピエンス時代からの人類の社会性についての本 【内容メモ】 ・近年の環境破壊から過去の自然との共生といわれることがあるが、過去の人類も焼畑や狩りで同様の行為をしている ・過去の帝国などで信仰されていた神話・文化と現代の文化は本質的には変わらない ・社会の文化は虚構(=神話)であり、貨幣文化は信頼をもとに成り立っている。 ・種族の成功を考えるなら、小麦は繁殖に成功していて、人類はコントロールされている。人類が絶対的成功者という考えは少し違う。 【所感】 ・社会文化に自然なものなどはなく、同性愛が不自然なのは、現代社会の文化(=神話)が異性愛を基本としているから、文化的に不自然だと主張しているだけ。そもそも人間の欲求に不自然なものはないという点は、なるほどと思った。 ・反論意見も検討しながら、科学的根拠に基づいたわかりやすい本だった。一部冗長な部分もあるが。

    0
    投稿日: 2025.06.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    後半は生物学的な考察から、より社会学的な話へと移っていく。 人類の繁栄は、どの時代も「虚構の存在」に支えられてきた。と言うよりもはや、虚構の存在なしには人類はまとまりを得ることができず、自然と破滅の一途を辿ったことだろう。 ほとんどの人は、150人を超える人を親密に知ることも、それらの人について噂話をすることもできない。しかし、宗教や貨幣、主義が登場することで、膨大な数の見知らぬ人同士も首尾よく協力できるようになった(そのような点において、歴史の大半は、どうやって膨大な数の人を納得させ、特定の物語を信じてもらうかと言う問題を軸に展開してきた)。 そしてこの書籍から学びうる教訓は、こうした「虚構」は常に変化していくと言うことだ。 例えば今日の人々が外国での休暇にたっぷりとお金を注ぎ込むのは、ロマン主義的消費主義(幸せになるためにはできる限り多くの製品やサービスを消費するべきである。経験を消費することで人間としての可能性が満たされ、私たちはもっと幸せになれる)という神話を熱烈に信奉する気持ちの表れである(昔の皇族はわざわざ途方もない手間と労力をかけて海外に行こうなどとは思わないからだ)。 そして、社会運動などで既存の秩序の壁を打ち壊そうとする時、実は私たちはより大きな監獄の、より大きな運動場に突入しているにすぎないのである。 ・農耕が始まったまさにその瞬間から、「未来に対する不安」は人間の心の舞台の常連になった。 ・サピエンスの集合的な力の劇的な増加と表向きの成功は、家畜の個体の多大な苦しみに繋がっている。家畜は種として繁栄し成功した代わりに、大きな個々の苦しみを背負うこととなった。

    1
    投稿日: 2025.06.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    犬や猫は何種類もいるのに人間は1種しかいないって常識が覆された本。 大昔少なくとも人類は4種類はいたらしいって巨人族や小人族も存在してたようで嬉しくなる。 また、ホモサピエンスより優秀だったネアンデルタール人が滅んでしまった訳とか。認知革命にあったとか。 ある時、脳の配線が変わって唯一フィクションを創造できるようになったサピエンスが150人以上の大集団を統制できる能力を身につけたことによって今日に至るって内容が興味深った。 後半はしつこく家畜化された気分になりました。

    70
    投稿日: 2025.06.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    虚構に塗れた脳みそがガッツンとやられました。 「男性のどこがそれほど優れているのか?」では腕力、攻撃性と仮説をたて、著者自身で論破し、最終的には家父長制の虚構と結論づけると思いきや 結局わからない・・・何と

    2
    投稿日: 2025.06.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    虚構の物語が人類に与えている影響力のすごさを知った。 現代社会が過去とくらべてモノであふれ不自由しないのに、生きづらい人たちがいるのは虚構の物語がたくさんあるから?何を信じればいいかわからない。 私たちはどの物語を信じて生きるかを問われているのかもしれない。

    0
    投稿日: 2025.06.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ●2025年5月30日、チャットGPTに質問「優秀なトップ層の男性から慕われて頼られる女性になりたい。ホステス的なのでなく、女王様」と話しかけてたら、「あなたにおすすめの書籍(知の主 導権を持つ「女王」タイプ向け)」という項目で、これらの本をおすすめされた。 「マキャベリズム」 権力を持つ者の心理と支配の技術。知的戦略思考の基礎に。 「影響力の武器/ロバート・チャルディーニ」 支配・操作を受けないための心理戦の仕組みを学ベます。 「サピエンス全史」 人類史の大局から、思想と構造を見る。言葉に深みが出ます。 「メディチ・インパクト」 異分野をつなげることで唯一無二になるための戦 略的発想法。 → 以前から知ってる本で、何件もの本屋で見てるけど「手を出さない方がいい」というクチコミをどこかで見たのでスルーしていた。

    1
    投稿日: 2025.05.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読むの大変だったけど、興味を惹かれる内容が多かった。一読では覚えきれないので、時を置いてまた読みたい。

    8
    投稿日: 2025.05.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読んだと言ったらドヤ顔できると聞いたのでAudibleで読んだ。長かったけど聞いたらなんとか理解できた。物語調で思っていたより理解しやすかった。 人類は狩猟採集時代の方が豊かだった、農耕革命によって人類は小麦に奴隷にされたのだ、という有名な話がやはり一番印象に残ったかもしれない。あとは資本経済は宗教と同じで人々の集団的主観に過ぎない、的な話も。文字で今度読み直してみたい。

    0
    投稿日: 2025.05.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    重厚な一冊だった。かなり濃い。何度も読み直さないと、内容を体得はできないだろう。 ただ、「虚構」ということから、人間の分類など決められた枠のようなものを考えることができた。

    0
    投稿日: 2025.05.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    言葉が難しくて読むのに時間かかった 人間ってどうやって繁栄してきたの?って学校じゃ詳しく学ばないし、ためになった 虚構の凄さ 個人的にはオーストラリアにいた超巨大生物が人間の上陸によってたくさん絶滅したことが印象深い

    1
    投稿日: 2025.05.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    難しかった。 内容も難しいし、一文が長くてあんまりすっと入ってこない文章が多かった。読むのに時間がかかった。でも内容は興味深かった。ホモ・サピエンスがなぜ繁栄できたか。それは虚構をつくりだし、それを秩序として信じて協力できたから。文字の発明によって複雑で大量の情報を処理できるようになったから。貨幣によって地球上の様々なものを手に入れることができるようになったから。他にも色々述べられていたが、印象的だったのは貨幣について。貨幣の特性、貨幣たりうるものの条件が面白かった。

    4
    投稿日: 2025.05.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    1ヶ月くらいかけて読了。 人類史を進化論的背景で単にまとめた著書ではなく、サピエンスの『虚構を信じる力』を元に、生物論だけでなく、文化論、宗教論、現代の課題に繋がる知見がまとめられており、何度も読み返す価値のある本。進化論的な背景で脳の機能を解説した著書は幾つか読んだが『虚構を信じる力』という切り口は新鮮であり目から鱗だった。 サピエンスが他の人類と一線を画し、生きながらえてきたのは『虚構を信じる力』によるもの。神話を紡ぎ出し信じることで、集団としての上限値を押し上げ、DNAの組み替えなしの比較的短い期間で、他の種を圧倒する規模、かつ柔軟性を持った『協力』という力を得ることで地球を支配した。神や貨幣がまさにこの力の最たる例。 何かを信じること、神格化することの力は凄まじい。逆に言えばこれを問題に対する切り口として常に利用できるのでは?例えば、教員離れという問題に対して給料を上げたり、残業時間を減らすという施策ももちろん大事だけど、教員という職業を神格化させる動きも必要なのかなと思う。 領土問題についても難しい。気の遠くなるような人類史の中で領土の固有性なんていつを基準に主張すればいいのかわからないし、そもそも9章で述べられるような帝国論の話を聞くと純粋な国家なんて存在しない。

    1
    投稿日: 2025.05.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    アフリカで細々と暮らしていたホモ・サピエンスが、食物連鎖の頂点に立ち、文明を築いたのはなぜか。その答えを解く鍵は『虚構』にある。

    0
    投稿日: 2025.04.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ホモサピエンスは何を持ってホモサピエンスとなりうるのか?という疑問について、火を使う、というような単純な答えではなく、共同主観的な世界を持つことだ、という解釈を読んだときは、なるほどなと強く思いました。 共同幻想を見ることは、直接関係のない人々をも同じ目的のために協力させる強力な武器であり、ネアンデルタール人など他の人類をも超えて生き残った理由だと説明を見た後、現代世界を見ると、株式会社を始め、共同幻想の元で人間が生きていたりと人間の本質はここなんだなと思いました。 狩猟採集時代は、様々なものを食べていて健康だった、農業時代は定住が進み、同じものを口にすることが多くなったため、免疫が減り病人が多く出たなどの話は、人間がダイナミクスを起こすことは必ずしも種としての正解ではなかったということを感じさせます。 後半では、キリスト教などの宗教、帝国主義が進み、貨幣という最強の共同幻想が生まれ、この幻想の元で争いが加速する統一の時代について触れられており、自分の知っている歴史と照し合わせながら読むことで、歴史を別の側面から新たに眺めることができました。

    0
    投稿日: 2025.04.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    前半の1部2部はかなり面白い見解でのめり込んでしまう程でした。農耕が人間に合っていないという話は田植えを経験した時のことを思い出し妙に納得してしまった。また、麦が人間を支配したという考え方も興味深いですね( °ω° )ひとつの考え方としてはすごく良い本だと思います。では下巻へ行ってきます→

    1
    投稿日: 2025.04.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人間がいかにときには不自然なまでに自分たちを進化させてきたかということや、現在我々が当たり前と思っていることがさまざまな虚構や思い込みによるものだということが感じられる 普段の悩みはちっぽけに思える

    1
    投稿日: 2025.04.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人類と他の生物の違いは「虚構」を発明する能力にあるとのこと。同じコミュニティに属する名前も顔も知らない他人と協力できるのは、宗教や法、貨幣などの共通の概念を信仰できるからというのは、言われてみれば…!と新たな気づき。 農業革命は人類に幸福をもたらした大きな発明、と勝手に思っていたが、存外そんなものでもなかったんだな。

    0
    投稿日: 2025.04.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    想像の100倍読みやすい そしてちゃんと面白い 農耕文化が始まってから人間が未来のことを考え始めたっていうのが興味深い 今日から私は狩猟民族になろうかしら

    1
    投稿日: 2025.04.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    生物学、社会学の2面から人間の歴史を記述した前編。 記憶に残ったもの ① 認知革命をきっかけに他者との協力ができるようになったことで、ホモ•サピエンスが •食物連鎖のトップに立ち •今日の発展を享受している と言うことが説明されていた。 ここで、他の生物種とは一線を画した。 ② ①の結果、ホモサピエンスという種としての繁栄はできたが、必ずしもそれが一個体としての幸福度向上に繋がったわけではないという指摘があった。 私の考察 生物学的な視点でのホモ•サピエンスの繁栄(種としての個体増加=人口増加)は頭打ちになり、上記②追求のモチベーションに軸足が置かれるのかなと思った。そうなると、種としてはいずれ絶滅の道を辿るのでは。少子化は、絶滅の道へ向かうにあたり一番最初に発現したトレンドだ。

    0
    投稿日: 2025.04.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ホモサピエンスが認知の力を使い、どのように文明を発展させたのかが過去から遡ってまとめられている。 国、文化、宗教、イデオロギーなどは人々の認知が生み出したもので、それらを人々が信じなくなった時点で消えてしまうというのは、頭では分かるが想像はしづらい。しかしサピエンス全史では狩猟採取時代から認知の歴史を辿っていくことによってその事実に説得力を生み出していると思った。 後半では科学が誕生し、自分たちの無知を受け入れるようになった人間が、課題を解決してより良い生活を手に入れるよう進歩を始めたところから、そのバトンを受け取った現代人がどこへ向かうのか展望が書かれている。 この本が最初に書かれたのは2011年らしいので、著者が今現在はどういう見解を持っているのか、最近出た著書を読んでみたくなった。

    0
    投稿日: 2025.03.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    前から人生で一度は読んだ方が良い本だということで存在は認知していたが、なかなか読む機会がなかったので読まず仕舞いだった。表紙からしてすでに難しそうだったので敬遠していたが、いざ読んでみると結構分かりやすかった。難しい内容でも身近な例で例えてくれるので理解しやすかった。 また下巻に挑戦する。

    1
    投稿日: 2025.03.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人類が他の動物と大きく違う点は妄想力を持っている点である。妄想力によって、貨幣制度や政治、法律が成り立っている。 私たちが当たり前と思っていること、縛られているものは、人間が創り出した虚像にすぎない。 壮大なスケールで語られる歴史を前に、自分の悩みやストレスがどれだけ小さく身勝手なものであるか痛感した。

    0
    投稿日: 2025.03.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ホモ・サピエンスを歴史的に読み解く。 前半は面白かった。生態系を牛耳ったみたいな顔で生きてるけど、長い歴史から見ればほんの一部。 農耕民族になったのも最近で、農耕ってほんとに幸せなの?ってとこも面白い。 人類が繁栄したのは「虚構(神話)」を作り上げ、共有することができたから。これも納得。 でも、「長く存続した状態=あるべき姿・自然な姿」みたいな論調(完全にそうとは言ってないが)。進化論的にそうなのかもしれないけど、腑には落ちてない部分もある。

    0
    投稿日: 2025.03.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いまの人間と社会経済がどのように生まれ、進化してきたかを説く内容。われわれ種としてのホモ・サピエンスが一体どのような生物なのか、どのような進化を辿ってきたかを解説する前半はとても勉強になり、1つの説として興味深いものでした。後半は社会や経済の成り立ちの話になっていきますが、こちらに関しては著者の別の本も読んだことがあったので、なんとなく同じような内容に感じ、復習的な感覚で読みました。下巻も読んでみます。

    2
    投稿日: 2025.02.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    今までの常識が覆された。 進化の過程を完全に勘違いしていた。 まさかホモ・サピエンスが絶滅させていたとは・・・。 認知革命の説明がとても興味深かった。 虚構によりホモ・サピエンスは集団行動を可能にし、人類の頂点に辿り着いた。 その後の、農業革命による、進化ではなく、小麦の奴隷化という説明も興味深かった。 下巻にも期待。第3の革命である、科学革命が気になる。

    3
    投稿日: 2025.02.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    何万年も前の人類ノーマルついて、証拠となり得るものがあったにしてもこんな想像やその発想があるのかと思った。今まで思っていたもしくは習ってきたものは想像の一部に過ぎないと思うようになった。そう考えるとすごくワクワクする。

    0
    投稿日: 2025.02.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    衝撃的な本。ホモサピエンスが行くところ、動植物の多くが絶滅したという説。ホモサピエンス酷すぎて、滅んでほしい思った(三体読んだ後なので、その影響もある)。読んでいくと、自分が信じていたものが、ガラガラと崩れていく感じ。読む前にはもう戻れない。人類を俯瞰して見れそうだ

    2
    投稿日: 2025.02.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    結論から述べると、あまり情報としての深みが感じられなかった。印象としては、暇と退屈の倫理学と西洋の敗北を足して2で割って、非常に内容を薄くしたもの。 理由としては2つある。一つ目が、文末ごとの言葉遣い。「かもしれない」という主観的な予想や仮定を「したい」という著者の歴史学者としての欲が透けて見えたということと、やはり予想や仮定では信憑性が落ちるからだ。二つ目は、話の導入で、読者の知らない用語を組み合わせ、自分が知っている歴史を述べようとしている点に知識自慢の欠点が見えたためである。知識自慢に内容が引っ張られると、読者が理解するための情報が抜け落ち、情報としての価値が薄まる。 そしてこれらの2点は、印象として紹介した2冊の本では全く見られず、内容としても素晴らしいものであった。特に、狩猟採集民から農耕民へ遷移した詳細は、暇と退屈の倫理学でより分かりやすく述べられている。また、宗教や神話の重要性は西洋の敗北で述べられている。

    0
    投稿日: 2025.01.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    各所でおすすめとして紹介されていたので、読みました。 認知革命によって見えないものを信じることができるようになった、それがホモサピエンス固有であるという説明に納得させられて、宗教だったり、会社だったり、グローバル化の潮流だったりがとても我々らしいものであることに気づかされ、宗教学や組織学に興味が湧きました。 またどの章か忘れてしまいましたが、個人の価値観もその時代の社会に強く影響を受けていることについて語られており、エジプト時代に生まれてたら、必死に貯金して、来世のためのお墓に投資してたのかなぁと不思議な気持ちになったのと同時に「七つの習慣」などに謳われている人格者たる行動というのも、かなり現代資本主義によって形成された価値観を反映したもので、本質的な個人の幸せを追求するものではないのでは?という「幸せとはなんだろう?」モードに入ってしまいました。笑 とはいえ動物的にみると、長く健康で生きることは幸せに繋がると思うので、健康を維持しつつ、この「幸せとは何か」という難問を楽しみながら生きていきたいと思いました。

    1
    投稿日: 2025.01.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    第1部 認知革命 第2部 農業革命 第3部 人類の統一 以上3部11章から成る上巻である。 認知革命。 実は人間社会って妄想の産物なんだぜ、という章。ちょっと京極夏彦の京極堂シリーズを想起した。 まぁ確かに全部頭の中の出来事だし概念だし解釈ですね、お金ですらも。 農業革命。 人間が一番、勢力拡大的な意味で成功してるんだろうなと思っていたのだが、実は「小麦」が上手く人間を使って種の繁栄に成功したというのが、目から鱗でしたね。 いや確かにな? 小麦から見れば繁殖のための場所を昼夜、年がら年中整えてくれて、自分たちはただ生きれば良いだけなのだ。うむ快適。 ホモ・サピエンスは個体で見れば農業を始め集団で生活することで自由を失い豊富な栄養を失ったのだが、種全体で見ると繁栄に繋がるからそれが最適解だった云々、という話もあるのだが。 実は定住して集団で農業を営み始めたら後戻りできなかったぜ、だははー、ってことだった、という。確かに小麦育てて余剰作物保管して…ってやってたら、孫の代になってそれ全部捨てて狩猟生活戻る?って言われたとて、狩猟生活の仕方わからんし余剰作物勿体無いし、ってなるわな。という話。私も祖父母は戦中の人だったが、その頃の暮らしもはや分からんもんね。火打石で火をつけたり洗濯板で洗濯とかできる気がしない。 いや、身と蓋が消えたじゃないか。認知革命の章からすでに怪しかったけど。 ここら辺、少しばかり、以前読んだ「銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎」に似ている気がする。知識が深まる感覚。 人類の統一。 しかし結局、集団的には農耕民族の方が狩猟民族よりも強かった、純粋に力がというわけでなく多分環境とかタイミングが運良く絡み合った結果、みたいな。 やっぱり身も蓋もない。

    1
    投稿日: 2025.01.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ホモサピエンスとして生き、これから死ぬ私には面白い見方を与えてくれた。 長文の文庫であったが、読み終えても頭から離れない衝撃的なものがあった。 狩猟採集民族から農耕社会に移行したのは、ただ種を増やせるからだとの考察には驚いた。狩猟採集民族は気候や季節により食料が手に入らなかったり、病気の対処もできず、不自由なイメージがあったが農耕社会は人を土地や決められた作物や家畜に縛り付け、不便な生活にし、ただ人口増という理由だけの生存戦略の可能性は初見だった。狩猟採集民族は自然の中で生きる術を知っていて、季節の多種多様の植物を食べていたようだし、薬草の知識もあったそう。 また、お金、国、企業というのは全て虚構で、人類は虚構ができたことで、他国との人でもコミュニケーションができるという味方も、今生きている現実に新たな視点を与えてくれた。 「絶滅危惧種」なんて少し前から騒がれているけど、ホモサピエンスが各大陸から移動し始めてから大量殺戮をしているのも驚いた。 夫が読み終わった本の中から、こちらを選んでみたが、私から見る世界の見方が変えることができた本。やっと読了。人生で出会えてよかった。

    1
    投稿日: 2024.12.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    農業革命により人類が小麦の奴隷になったという一節を読んだとき、自分の中の常識が覆されたことを感じ、歴史を学ぶのって面白い!と思った。下巻はもちろん、日本史や世界史にまつわる本を読んでみたい。 ホモ・サピエンスは昔から、人類以外の動物、サピエンス以外の人類種、他の国の住民や文化を滅ぼしながら生きてきたのだと知った。現代の私たちが彼らに報いる方法は、歴史から学び、より善く生きるほかない。ではどうやって善く生きるのか?下巻にそのヒントが書かれていることを期待している。

    2
    投稿日: 2024.12.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かった。 人類史を俯瞰する視点を得ました。 後半に「人類の幸福」が書かれてるんでしょうか… 幸福になりたい

    0
    投稿日: 2024.11.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ホモ・サピエンスだけが生き残った、と 筆者は主張している点がおもしろいです どうして生き残れたのか? 『"虚構(フィクション)"をつくる ことができたから』と結論付けている 虚構の例として宗教、お金、国家など 挙げられていました 認知革命 | 7万年前 農業革命 | 1万年前 科学革命 | 500年前 3つの革命を取り上げているが 一貫して認知革命の話をしている ところを抑えておきたいです 農業革命により、食糧の総量を増やす ことはできたがより良い食生活や、 より良い余暇にはつながらなかった 小麦の視点に立った見方が興味深かったです 『現在地球上で最も繁栄している生物は人類ではなく、小麦である。小麦自身が何もしなくても、人間が勝手に育てて世話をしてくれる。まさに人類は小麦の奴隷になった』

    2
    投稿日: 2024.11.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人類史の読み解き方が違って、今まで習ってきた歴史のパーツが新しい形で結びつく感覚だった。 狩猟民族から農耕民族への転換がもたらした生きづらさを人類は稲や小麦などの植物に支配されたと表現しているのも面白い。 一神教は多くの人を統一して従わせる方法であり、さらに金銭は言語も文化も違う人々を統一して従わせたホモサピエンスの虚構だと表現していた。 我々は、確かに価値を想像できる。想像したものを信用して生活や仕事ができる。それが他の生物明らかに違うところだと理解した。ただ、進化はより良い方向にだけ進む訳ではないことも同時に頭に入れておきたいところである。

    1
    投稿日: 2024.10.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ヒトに関する歴史を俯瞰的に捉え、いくつかの「革命」を経て今の姿になっていることを解説してくれている。 シンプルに知識の幅とそれを統一的に説明する力がすごい。また、虚構と表現していることからも概念などの形ないものについて、今の自分たちにとって有効なものはあったとしても正しいものはないんだ、という前提で書いている様子がおもしろい。下巻も楽しみ。

    3
    投稿日: 2024.10.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「オスとメス」は生物学的分類であるが「男性と女性」は文化的な分類であり「男性らしく」や「女性らしく」や「異性同士で恋愛すべき」などは文化的な産物である。という意味の文を読みました。LGBTQなどダイバーシティの時代になりつつありますが、それでもまだその文化的産物にとらわれている人が私含め多いんだなと思いました。 最後の方の100ページが難しく読む手が止まってしまいました…。

    1
    投稿日: 2024.10.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    友人や先輩が読んでいて、興味が湧いて購入。 久々のまともな読書だったが、とても読み応えがあった。 人類がいかにして発展を遂げてきたかを時代の流れに沿って述べられている。 農耕を始めて人類は弱体化したというのは驚きだったが、不作だった時に飢えてしまうというのは納得。一方で縄張りという家ができるという側面もあり、発展は良い面悪い面があると感じた。

    0
    投稿日: 2024.10.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    高校ん時からの積読書やっと解消 ICUの授業の集大成ですって感じ 衝撃は特になし、むしろ世界中が 絶賛する教養ってこの程度なのか 結局全て虚構で人間の創造的創物 絶対的価値は存在しないし夢見る ことこそ私人類が生存し進化する 必要不可欠要素なのかもしれない デカルトはやっぱ偉大下巻に期待

    1
    投稿日: 2024.09.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    進化の過程からの人間研究は 納得できることが多い。 進化とは不適合者の排除の結果であり 気の遠くなるほどの年月が必要である。 今の人間を知って、受け入れるしかない、 ということを知ることが大事である。 テクノロジーの進化と同時に 人間も進化していると思っている人は 進化というものを理解できていない。 人間は簡単には変われないのである。

    0
    投稿日: 2024.09.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    狩猟民族の時は平均寿命が60歳くらいで、 農耕民族になってから40歳くらいになった 狩猟民族の時は、 色々な木の実や肉を食べていたから インドネシアに暮らしていた人類の話が出てきて、 海面上昇により食料が限られると、 体の大きな人ほど食料がたくさん必要だから先に亡くなったって書いてあって、 だから、温かい国は 小柄な人が多いのかな?と思った 人類は、脳を発達させた代償として、 妊婦が大変な目にあった 赤ん坊の頭が未発達で、小さいうちに 産むようになったから、 哺乳類の中でも未熟なまま生まれてくる珍しい種。 ライオンやトラが獲物を捉え、 ハイエナが残りカスを食べたのを見計らって、 恐る恐る獲物に近づき、骨のずいを食べたのが人類。 それだけ弱かったのに、 一気に生態系の頂点に立った。 すごいスピードで頂点に踊りたったから、 周りの生物も人間自体も、それに適応しきれていない。 大きい脳と長い腸だと、 消費エネルギーが著しいから 火の発達→調理が可能→消化が早い→短い腸でよくなった。 人は、一種類だけじゃなく、何種類もいて、 それらを滅ぼして、今のホモサピエンスだけが 生き残った! サピエンスが滅ぼした種族に、 ネヤンデルタール人という 道具を使っていて、 二足歩行で、言語を操る人たちがいた その人たちの脳みその大きさもあまり変わらないくらい大きかった なぜ、サピエンスが生き残ったのか? →認知革命!!!! その後、農業革命と科学革命で人類が最強に。 認知革命とは… 虚構(フィクション)をつくることができたこと (なぜそれがわかったのか?→ライオンの頭で、人の体の絵がその時代に描かれていた) →それにより、 家族単位のつながりだけでなく、他人と連携できるようになった 「あそこの山の精霊に守られている私たちは協力すべき」 「精霊が、人を殺すなと言っていた」など そしたら150人規模で動けたり、作戦が通じたり。 フィクション①貨幣 フィクション②国家 フィクション③宗教 人間は小麦の奴隷 火を使う前から小麦を練って食べていた 火を使ったあと、さらに小麦は繁栄して、今もなお世界の大きい土地を占める しかも、フィクションをアプデして変えられる!!それが凄い!! 王権神授説→共和国になったり 鳥の羽は、飛ぶために作られたのではなく、 日光をより吸収し、温かくいられるように、 軽い毛布がわりだったが、 それが偶然にも、飛ぶことができたって、凄い!

    1
    投稿日: 2024.09.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2017年から読みたい読みたいと思っていてようやく。小、中、高と歴史を学んでも、無味乾燥の数字文字としか思えなかったのに、広大なストーリーで興味深く読めました。歴史にはその時代その時代の考え方や発明があり積み重ねられていて、今もそれを積み重ねている途中なのだと感じた。読むのにとても時間がかかるが、下巻も今年のうちには読みたい。

    1
    投稿日: 2024.08.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    虚構の中に生きるホモサピエンスの性を知り、知的好奇心揺さぶりまくられる。 あらゆるものが虚構の中で、今後人類はどのような虚構を生み出すのか、自分は生み出すのか?

    0
    投稿日: 2024.08.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ホモサピエンスの鍵は... "想像"できること なのかな? 架空の物を定義して、信じて、それで今の世の中は成り立ってると思うとすごいなぁと、、、 先がどんどん気になるような物ではないから時間かかったけど、興味深い内容です。

    1
    投稿日: 2024.08.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    数年前に アメトーーク にてカズレーザーが絶賛していた本。 (こういう本の感想を書こうとする度に、自分の文才の無さを痛感する…) まさしくサピエンス“全史”。 有史以前から現在までを股にかけ、生物学的側面だけでなく考古学的にも宗教的にも科学的にも何層にも渡って人類のこれまでを語ってくれる。 この壮大な文章から何を学んだかを整理して語れる程の学が無いのがもどかしく、終始「ふむふむ、なるほど、凄いなぁ」と幼稚な感想を抱きつつ、かつ夢中になって読み進めた。 そんな中の素朴な感想(?) ・筆者さんの例え話がとてもとても分かりやすく面白い。 ・筆者さん、かなりの皮肉家だね(笑)。 ・筆者さん、なんと同い年!!! ………特別な才をもつ人って、凡人とは全く違う構造の脳を持っているのだろうな…と、時々思う。 ★4つ、9ポイント。 2024.08.21.新

    4
    投稿日: 2024.08.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まず、このタイトル‼️ 書けますか!?ホモサピエンスの全史! この人書けちゃうんです。 そして、知識の繋がりの快楽‼️ たまらない本でした

    0
    投稿日: 2024.08.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人間が他の動物に勝てるようになったのは、武器や医療のおかげだと、そしてそれはものごとを正しく理解して応用できるからだと、その程度のイメージで止まっていた。  しかしこの本は、人の力の根本的な要因は、現実に存在しない虚構を集団で信じられることだ、という。集団で想像に浸ることなんて、逆に力を損なう印象すらあった。でも結局は納得させられてしまった。サピエンスより脳の大きいネアンデルタール人との生存競争の証拠にも、ハンムラビ法典とアメリカ独立宣言がともに神話に依存しているという例にも、深く頷かされた。  ただ、虚構の共有がいかに強力だとしても、それがカースト制度やレイシズムをも生み出したこともきちんと指摘されている。著者も似たようなことを言っていたかもしれないが、誰かを傷つけるような秩序を批判的に見直して変えていくのにも、その秩序が想像上のものに過ぎないという認識は一役買うと思う。その意味で、単なる驚き以上の価値をもった仮説なのではと感じた。  新作が待ち遠しい...

    1
    投稿日: 2024.08.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人間とは何なのか。一度は考えたことがあるけど実際どうなのかは知らなかったのがわかったので面白い。分厚めで後半は歴史っぽくなったので少し退屈してしまった。

    0
    投稿日: 2024.08.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    歴史は繰り返す…この言葉をここまで壮大なスケールで物語る本に初めて出会った。 『銃・病原菌・鉄』の冒頭に近しい始まり方で、最初はそうだったよなーとか、科学アプローチのあった方が面白いなーとか思っていたが、とりわけ帝国主義と文化に関する章で一気に引き戻された。 途中にある「人類は一つの集団にまとまろうとしている。それを繰り返している」という趣旨の前振りを鮮やかに回収。何事も白黒ハッキリさせようとする短絡的思考へのアンチテーゼも感じる。著者の知見の広さに感服…

    1
    投稿日: 2024.08.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    確実に筆者の意図していないところだと思うが、この本を読んで、人間社会が生きやすくなると思う。 今まで人間の社会こそがすべてで、確実なものだと思っていた。だが人間の社会というものは、長きにわたる地球の歴史で、ぽっと出の1生命体の想像だった。それを知ることで、一生懸命に生きなくても大丈夫だと思えてくる。 この本を読んでから、人間と人間社会を俯瞰して見られるようになった。

    2
    投稿日: 2024.08.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    本のレビューはいつも、下手ながらも自分の言葉でちゃんと感想を書くようにしているのですが、この「サピエンス全史」に限っては、短く感想をまとめるのが不可能だと判断し、本書の中で「なんですとーーーー!!!!」と衝撃を受けた部分や、なるほどと思った定義を抜粋して記録します。 ほとんどの哺乳類は、釉薬をかけた陶器が窯から出てくるように子宮から出てくるので、作り直そうとすれば傷ついたり壊れたりしてしまう。ところが人間は、溶融したガラスが炉から出てくるように子宮から出てくるので、驚くほど自由に曲げたり延ばしたりして成型できる。だから今日、私たちは子供をキリスト教徒にも仏教徒にもできるし、資本主義者にも社会主義者にも仕立てられるし、戦争を好むようにも平和を愛するようにも育てられる。 農業革命は、安楽に暮らせる新しい時代の到来を告げるにはほど遠く、農耕民は狩猟採集民よりも一般に困難で、満足度の低い生活を余儀なくされた。狩猟採集民は、もっと刺激的で多様な時間を送り、飢えや病気の危険が小さかった。人類は農業革命によって、手に入る食糧の総量をたしかに増やすことはできたが、食料の増加は、より良い食生活や、より長い余暇には結びつかなかった。むしろ、人口爆発と飽食のエリート層の誕生につながった。平均的な農耕民は、平均的な狩猟採集民よりも苦労して働いたのに、見返りに得られる食べ物は劣っていた。農業革命は、史上最大の詐欺だったのだ。 ではそれは誰の責任だったのか?王のせいでもなければ、聖職者や商人のせいでもない、犯人は、小麦、稲、ジャガイモなどの、一握りの植物種だった。ホモ・サピエンスがそれらを栽培化したのではなく、逆にホモ・サピエンスがそれらに家畜化されたのだ。 歴史の数少ない鉄則の一つに、ぜいたく品は必需品となり、新たな義務を生じさせる、というものがある。人々は、ある贅沢品にいったん慣れてしまうと、それを当たり前と思うようになる。そのうち、それに頼り始める。そしてついには、それなしでは生きられなくなる。私たちの時代から、別の馴染み深い例を引こう。私たちは過去数十年間に、洗濯機、電気掃除機、食器洗い機、電話、携帯電話、コンピューター、電子メールなど、時間を節約して生活にゆとりをもたらしてくれるはずの、無数の機械や手段を発明した。以前は、手紙を書き、封筒に宛先を書いて切手を貼り、ポストまで持っていくのはけっこうな手間だった。そして、返事が来るまで何日も、何週間も、ことによると何カ月もかかることがあった。それが今では、電子メールを地球の裏側までさっと送り、一分後には返事が受け取れる。私は以前の手間と暇をすべて省けたわけだが、前よりもゆとりある生活を送っているだろうか?残念ながら、違う。普通の郵便だけだった時代には、人々は何か大切な用事があるときにだけ手紙を書いた。頭に浮かんだことをそのまま書くのではなく、自分の言いたいことをどのような言葉で言い表すかを慎重に考えた。そして、相手からも同様に、よく考えた返事が戻ってくるものと思っていた。ほとんどの人は、月に数通しか手紙を書いたり受け取ったりしなかったし、ただちに返事をしなければならないと感じることは稀だった。ところが今日では、私は毎日何十通も電子メールを受け取り、相手はみな、迅速な返事を期待している。私たちは時間が節約できると思っていたのに、逆に人生の踏み車を以前の10倍の速さで踏み続ける羽目になり、日々をより落ち着かず、いらいらした思いで過ごしている。 書記は人間の意識の下働きとして生まれたが、しだいに人間の意識の主人になりつつある。私たちのコンピューターは、ホモサピエンスがどのように話し、感じ、夢見るかを理解するのに苦労している。そこで私たちはホモサピエンスに数字という言語で話、感じ、夢見ることを教えている。そうすれば、コンピューターにも理解できるからだ。 文化は、不自然なことだけを禁じると主張する傾向にある。だが生物学の視点に立つと、不自然なものなどない。可能なことは何であれ、そもそも自然でもあるのだ。自然の法則に反する、真に不自然な行動などというものは存在しえないから、禁じる必要はない。男性が光合成をすることや、女性が高速より速く走ること、マイナスの電荷を帯びた電子が互いに引きつけ合うことを、わざわざ禁じようとした文化など、これまで一つとしてなかった。 帝国とは何か? 帝国とは、二つの重要な特徴を持った政治秩序のことをいう。帝国と呼ばれるための第一の資格は、それぞれが異なる文化的アイデンティティと独自の領土を持った、いくつもの別個の民族を支配していることだ。(中略) 第二に、帝国は変更可能な妖怪と潜在的に無尽の欲を特徴とする。帝国は、自らの基本的な構造もアイデンティティも変えることなく、次から次へと異国民や異国領を呑み込んで消化できる。 帝国を建設して維持するにはたいてい、大量の人を残忍に殺戮し、残り全員を情け容赦なく迫害する必要があった。帝国の標準的な手駒には、戦争、奴隷化、国外追放、組織的大量虐殺などがあった。古代ローマ人は、西暦83年にスコットランドに侵入したとき、地元のカレドニアの諸部族の激しい抵抗に遭ったので、この地を荒らし回った。ローマ人による和平の申し出に対して、族長のカルガクスはローマ人を「この世のごろつきども」と呼び、こう言った。「やつらは略奪と虐殺と強盗に帝国という偽りの名を与え、土地を荒廃させてそれを平和と呼ぶ」

    13
    投稿日: 2024.07.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    現在の人間の価値観がどのように変遷してきたかの壮大な思考を辿る本。情報が多量、多岐に及ぶので読み進めるのに体力がいる。今の世界の分断や自由、平等についての問題がなくならないのもわかる気がする。

    1
    投稿日: 2024.07.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    この本を読んで特に印象に残ったことが3つある。 1つ目は、私たち(ホモ・サピエンス)は唯一の人類ではないということ。かつては未開の従兄弟たちが大勢いるだけでなく、多くの兄弟姉妹がいたということについてである。私たちは、人類の進化を一直線の系統図のように書くことがあるがそうではなく、約200万年前からおよそ一万年前までは様々な人類種が地球上で生活していたということに驚いた。 十五万年前の人類はアフリカ大陸の一隅で細々と暮らしていただけであり、およそ7万年前にアラビア半島に広がり、短期間でユーラシア大陸全土を席巻した。 ホモサピエンスが、領土を拡大できた説として、「交雑説」と「交代説」があるが、交代説によれば私たちの祖先は暴力や大量殺戮によって他の人類種を根絶やしにした可能性があること驚いた。 本にもあるように過去一万年間に、ホモ・サピエンスは唯一の人類種であることに慣れてしまったため、私たちにはそれ以外の可能性について思いを巡らせるのは難しいが、ネアンデルタール人やデニソワ人がホモ・サピエンスとともに生き延びているいくつか異なる人類種が共存する世界ではどのような文化や社会、政治構造が誕生している可能性があるとしたらとても興味深いと思った。 2つ目は、農業革命が罠だったということ。私は農業革命は人類を幸福にしてきたものだと思い込んでいた。小麦は個々の人々には何も提供しなかったが、ホモサピエンスという種全体には、DNAの二重螺旋の複製すなわち、人口増加という恩恵を与えた。 しかし、実際は狩猟採集時代と比べて、人々は病気や栄養不良にはるかに深刻に苦しんでいた。労力の大半が小麦栽培に充てられ、人々は病気の蔓延する定住地で暮らし始めた。人々は一生懸命働くことで、将来楽になるはずと考えていたが、子供の数が増えることを予想しておらず、農耕民のもくろみが裏目に出た時、引き返すことはできなかった。 農耕の導入で村落の人口が増えたことで過去に戻ろうとしても、飢え死にする人がでるため、後戻りは不可能で、罠の入り口は閉じてしまったというのが残酷だと思った。 さらに小麦取引は、人類だけでなく個体の大きな苦しみと密接につながっているということは十分に認識しておかなければならないと思った。 3つ目は、既存の想像上の秩序を変えるためには、それに代わる想像上の秩序を信じなくてはいけないということ。 想像上の秩序は共同主観的であり、多くの個人の主観的意識を結ぶコミュニケーション・ネットワークの中に存在するということを知った。一人が信念を変えても、死んでもほとんど影響しない。想像上の秩序を変えるためには何十億もの人の意識を同時に変えなければならない。 このような大規模な変化は、政党、イデオロギーに基づく運動、カルト宗教といった複雑な組織の助けがあって達成できる。本にある『想像上の秩序から逃げる方法はない。監獄の壁を打ち壊して自由に向かって脱出したとき、じつは私たちはより大きな監獄の、より広大な運動場に突入しているわけだ』 という言葉が印象的で、私たちが広く信じているものを変えようとするときには、それに代わるより強い信奉するものが必要であるということを学んだ。

    1
    投稿日: 2024.07.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    上巻までで満足した。 原始時代から現代に至るベースは何であったか。 答えは、自らが所属する部族間以上の規模で協力することだ。 そのためのツールとして、様々なものが生み出されてきた。 確かに、そう考えると諸問題を理解しやすい。

    1
    投稿日: 2024.07.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    確かに世界というか、歴史の見方を劇的の変えてくれた書であったと思う。 しかし、すぐに寝落ちして、読了には1ヶ月近くかかってしまった。 下巻を読むのは、就寝前はやめることにする。

    8
    投稿日: 2024.07.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    想像上の秩序は人間が効率的に協力するための唯一の方法と説く本。 貨幣は最も普遍的で、最も効率的な相互信頼の制度。

    1
    投稿日: 2024.06.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    太古の昔からの人類の歴史を辿って纏めた一冊です。後半は、世界史をしっかりと勉強した人ならより愉しめると思います。

    0
    投稿日: 2024.06.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    見たこともない視点からホモ・サピエンスを考察しており、発見だらけの本だった。 サピエンス史を学ぶことは今巻き起こっていることを理解する手助けになるし、これから我々がどうしていくべきなのか考えることなのだ。 とても面白かったが、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の知識がありすぎるせいで内容が少しくどい。これくらいやらないと説得力が出ないんだろうけど。

    1
    投稿日: 2024.06.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    かなり内容が濃いので読むのに自分は時間がかかりました。 実はホモ・サピエンスはかなりの生物を絶滅に追いやっている可能性があるというところは昔からそうだったのかと驚きました。 小麦によってホモ・サピエンスが家畜化されたのではないかという意見は大変興味深かったです。

    0
    投稿日: 2024.06.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    めっちゃ時間かけて興味深く読めたのでコスパ良い。 人類は小麦を利用してきたのではなく小麦の奴隷にされてきたんだ、みたいな箇所がおもしろかった!

    0
    投稿日: 2024.06.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人類がどう生まれたのか、そしてどういった社会を築いていったかの一連の流れをまとめた本。前半は、生物として、なぜホモ・サピエンスが他の動物と違うのか、そして道具や貨幣などのツールを使って、どのように、生態系を圧倒的に支配する種になったのかが書かれていた。生物の授業と歴史の授業を合体させたような、分野横断的、かつ歴史やデータに基づいた解説がとても面白い。 よく言われるのは、人間が他の生き物と違う点は火を扱うようになってからだった、という話。ただ、この本で面白かったのは、「虚構=想像する力こそが、個体同士を協力関係に結びつけ、やがて帝国に至るまでの大きな組織を作り上げるに至った理由である」ということ。今生きている社会構造も、噂話も、宗教も、大勢の人の間で同じものに「価値がある」「価値がない」ということを信じられる力が、他の種族との違いを生んだ、というのは考えたことがない観点だった。 あとは、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスは元々遺伝子の段階から違う種族だったものの、その人種がどのように時代とともに移り変わったのかは、謎だったり、今の人種の違いに、もしかしたら遺伝子学的な違いがあるかもしれない、といった仮説など、今の社会の成り立ちそのもののに疑問を投げかけるエピソードがあった。全体的に地球の生態系の支配者としてのホモサピエンスとして描かれているので、絶望感はあるものの、ちゃんと知っておくべき事実だと思う。

    1
    投稿日: 2024.05.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    不勉強だからか、思ったほどは衝撃はなかった。面白いアプローチだなぁ。くらい。 下巻はしばらく後に読もう。

    6
    投稿日: 2024.05.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なぜ人はこの飽食の時代にも関わらず、カロリーを取ろうとするのか、不健康なのに。 そんな疑問を日々抱いていた自分にとってこの本はすんなり入ってきた。 人間が今に至るまで、いかに自分勝手で都合の良いものの考え方で発展してきたかが分かる。 認知革命とはまさにその通りで、今自分の身の回りにあるもののほとんどが空想上の産物であることには気づきもしないくらいだ。

    0
    投稿日: 2024.05.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ・一貫して人間とその他動物が変わらないこと、人間は同一であることが強調されていた気がする。 ・認知的不協和という概念が印象的だった。人が集団で生活し続ける限りこの二つは両立できないのだろう。私は自由に重きをおいて生きていきたい。 ・ご飯を美味しく食べられなくなった。

    0
    投稿日: 2024.05.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    一度読み挫折したことがある。だけど、最近になってまた読もうという気持ちがムクムクと生まれた。ので、図書館で借りて期限という制限を利用して読んでみた。人類の歴史をさまざま分野から考察と解説していて面白い。自分が好きな分野だけでも読むのもおすすめ。貨幣からみた視点、人類が誕生した時からの視点、宗教や帝国からの視点、差別や価値観による視点などがあった。

    1
    投稿日: 2024.04.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    全世界で話題になった書籍。全体的に非常に興味深く読むことができたが、なかでもおもしろかったのは「認知革命」の話。第2章の章題はズバリ「虚構が協力を可能にした」で、どういうことかといえば、宗教も法律も会社もすべては「虚構」であり、それを信じたことが今日のサピエンスの繁栄に繫がっているという。説明を聞いてなるほどと思った。認識したことはなかったが、この世はすべて「虚構」なのだ。このことを知ることができただけでも大きな学びであった。むろん、上下巻にわたる大作なのでほかにも示唆に富む内容で満ち溢れているのだが、とにかく充実した読書体験をすることができた。

    1
    投稿日: 2024.04.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ホモサピエンスとはなんなのか、どういう成り立ちなのかが非常によくわかる良著。 宗教とはなんなのか、なぜ人は噂話が好きなのか、なぜ組織は大きくなると崩壊しやすいのか、、、 世の中でなんでだろう?と思われる一般的な疑問が7万年前から説明してくれるので思わず頷くしかありません。 また、何万年、何十万年という長い年月の中で進化を続けるホモサピエンスですが、個人が生きていけるのはわずか100年。 その間に個人の意思で種に何かをもたらすことは不可能だと悟り、自分の好きなことを自分勝手にやっていこうという気楽な気持ちにもなれました笑

    15
    投稿日: 2024.04.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    虚構の上に成り立ってきた人間社会 私たちが善悪判断してきたものが一瞬にして曖昧な感覚だとわからせる 私たちの感覚は昔の人々の感覚に対して私たちが違和感を覚えるように、絶対的なものではない それを知らずに生きているのが私たちなのかも 帝国によって取り込まれた文化たち、僕もアメリカに行く目標があるが、私自身のアイデンティティはどのように受け継がれていき変わっていくのだろうか

    0
    投稿日: 2024.04.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    狩猟採集民族であったことについて学べたの良かった〜 すごい俯瞰的な視点で人類について知れて、確かに世界への見方が変わった気がする 「想像上の秩序」の話が特に面白かった、 あとveganの気持ちも少しわかったのと、宗教、帝国の歴史など、人間至上主義じゃない視点で書かれていることが面白かったし腑に落ちた。

    0
    投稿日: 2024.04.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これ書いた人の頭ん中どーなってんの??ってくらい面白い!!! こんな視点から見ることもできるんだ、そんな解釈もあるのねと新しい発見がたくさんあって、ワクワクが止まらず一気に読んでしまいました! 1/3読んだところで下巻を買いに走りましたw 人間って愚かだなー、全然学ばないなーってがっかりもするけれど、、、

    0
    投稿日: 2024.04.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    社会という絶対も実体もないものを作り上げ 宗教や階級など虚構のストーリーを生み出し 区別し認知や認識をしていきながら後付け理論をしていく。約20万年前に誕生したとされてる原生人類ホモ・サピエンス、彼らは私たちである、そして辿ってきた道は今と何ら変わらないサイクルなのではないのか、とさえ読んでいて思った

    0
    投稿日: 2024.04.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人間として生まれたからには、人間の歴史や役割、自分よ生きる目的・役割を考えさせられる名著。 難しい話も多いが、この本を読まなければ考えないであろう、人間の見つめ方を学び考える契機となった。

    1
    投稿日: 2024.03.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    文書は難しいがゆっくり読み進めれば面白くて気づきが溢れている本。 目から鱗で、教養の幅がかなり広がった。

    1
    投稿日: 2024.03.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    歴史書なのに小説のようにワクワクする! 歴史が好きだし、歴史の新たな視点を見せてくれる文書が大好きだから読んでいて楽しかった。 気になったのは、著者が人々はホモサピエンスが唯一の人類であることを望んでいるような書き振りだったこと。私からすると、ホモサピエンスの血の中に他の人類種が混ざっているとしたら妙に納得がいくような気がするし、人種間の肌の色などの違いも説明できるような気がしてとてもロマンを感じてしまうのだけれど、、。ホモサピエンスが唯一無二の存在でありたいと願うのは西洋的なのかなと勝手に思った。 あとは「虚構」の言葉のチョイスが気になった。嘘のニュアンスが強い気がして、空想とか神話とかの方がしっくり来る気がした。(どうでもいいかもしれないけれど笑)

    0
    投稿日: 2024.03.21