
総合評価
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powered by ブクログまったく異なる7つの人生を垣間見れておもしろかった! どれも重いテーマではあったけど、ずーんと沈み込んでしまうだけではなく、その中でどう人生を生き抜いていこうとしているのかを見ることができた。
3投稿日: 2025.12.20
powered by ブクログ夫婦、親子、姉弟、先輩後輩などの登場人物で短編7編。生きずらさや優しさ、トラウマやゾワッときた話もあってサクサク読めた。“魔王の帰還“が一番好きでした。
0投稿日: 2025.12.17
powered by ブクログ勝手に心の温まる短編が収録されているんだろうなと手に取って読んだ。 全然そんなことはなく、心温まるものもあればヒヤッとするようなものもあり、意表を突かれながら楽しめた。 『魔王の帰還』を読んで泣きそうになり、『愛を適量』では、「理由とか原因を他人に紐づけてると人生がどんどん不自由になる」というのが染みた。
3投稿日: 2025.12.14
powered by ブクログ敢えて一日で読み切らず、一日一編読むようにしました。毎日が小さな世界の旅でした。それぞれで描かれている世界(人生)では話の幕が降りたら世界が閉じるような感覚でした。
2投稿日: 2025.12.09
powered by ブクログ静かに淡々と物語が進む。 あぁそうなのかと思うようなラストなのだが、じんわり来る。 大きな括りの中では一つ一つ際立つ事ってなかなかないけれど、生きている、生きていくって、一つとして同じパターンはなくて、その一つ一つが、この短編のように描かれるもの。 とりとめもなく、そんな読後感想を持った。
0投稿日: 2025.12.06
powered by ブクログどのお話も雰囲気が違って面白かった。 登場人物の心情や情景が丁寧に描かれてるものもあれば、敢えて描かれていないお話もあって… それもまた良かった。 街ゆく人達にもきっとそれぞれに様々な人生がある。素敵なあの人にも、なんか嫌いなあいつにも… そんな人々の小さな世界を覗いた気分になれた。
0投稿日: 2025.12.03
powered by ブクログ心を抉ってくる話もあれば沁みる話もあったりとバリエーションにとんだ物語たちでした。どの話も引き込まれて好きでした。
0投稿日: 2025.11.30
powered by ブクログ短編小説7篇の作品 1小説で7つの人生を体験でき、内容も濃いので面白かったです。すごい読みやすいし。 個人の感想ですが、心理描写?が絶妙にわかりにくいのかな、最後まで読んだらわかるけど途中では全くわからない。 最後に答えがわかる感じがこの短い文章の中で表現されているのがすごいなと思いました。 全く違う人生なのに共感もできるし。 洗練されたものは短くまとめられる、それを体現したような作品でした。 今度は長編作品を読んでみたい
13投稿日: 2025.11.24
powered by ブクログあまりにも良すぎて...予想もつかない7つの小さな世界。どれもが面白かった。 ・ネオンテトラ ・魔王の帰還 ・ピクニック ・式日 この4つは話の中に、他の短編の登場人物が出てきた気がした。魔王の帰還でボロッボロ泣いてしまった。
2投稿日: 2025.11.22
powered by ブクログ解説が辻村さんということで最初から期待していたけど、短編を一つ読んでからあぁ好きかもと思った。久しぶりに読み終わってすぐ2週目に手を出した。 どの短編も丁寧な心理描写と散りばめられた目に浮かぶ情景が印象的で、世にも奇妙な〜を思い起こさせるような少しホラーチックなものや、涙腺が緩むものもあり、解説で辻村さんが「書かないものを読ませる」と言っていたけれど、その言葉の意味がよく分かる気がした。どれも分かるなぁ、という話では無いけれどファンタジーのようなどこか遠い所での話という感じではなく心の距離感無しに読めた。 もう一冊、一穂さんの本で読みたいと思っているものがあるのでとても楽しみになった。
1投稿日: 2025.11.07
powered by ブクログ人の心の深いところに迫る短編集。 自分だったらどうするかと何度も考えた。 魔王の帰還、花うたが心に残った。
2投稿日: 2025.11.07
powered by ブクログ7つの短編集。どのお話も読み応えあり。特にお気に入りなのが「愛を適量」。料理でもよく聞く“適量”って、実際どのくらいなのか。たまには「あ、ちょっと入れすぎちゃった!」となるくらいが人間らしくていいのかもしれないと思ったり。
2投稿日: 2025.11.04
powered by ブクログ読んでみたいなと思っていた作家さんだけど、いつも後回しになって、初めて読んだ作品がこれです。穏やかな印象を与えながら、読み進めていくと「そうくるんだ」と言う感じで、展開が読めないところにどんどんページをめくる手がとまらなくなり、一気に読みました。 どの作品が良かったかなと読み終わって考えてると「愛を適量」かな。あとは「あとがきにかえて(掌編)」もなかなかよかったです。 また他の作品も読んでみたいと思いました。
4投稿日: 2025.10.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初っ端のネオンテトラの話から出鼻を挫かれました。心温まる話かと想像して読んでいたのに、思いがけない方向に話が進んでいき驚きました。心にぽっかり開いた穴に何を埋め合わせるか。ネオンテトラ?子供?第一話から独特な一穂ミチワールドに迷い込んでしまいました。 魔王の話でも、真央が心に開いた穴を何かで埋め合わせしようとしているような。その後も過去に父親から虐待を受けていた子や、久々に再開した娘からお金を擦られた父親など、独特な境遇の主人公が次々と出てきますが、全員が苦しい境遇の中で希望を見つけて、もがきながら生活している。フィクションなのは承知ですが、読んでいる側も少し心が痛くなるそんなお話。 「嫌われたらそこで終わりじゃん。好かれたら始まっちゃうから、そっちの方が怖いよ。」 辻村先生のあとがきでも触れていましたが、この言葉が一番印象に残っています。ちょっと共感できる。
10投稿日: 2025.10.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ネオンテトラは、解説で辻村さんが言っていたことと同じストーリー展開を想像していた人なので初っ端から度肝を抜かれた。式日は後輩が先輩に救われていたことが先輩に伝わってよかったし、2人の関係がこれからも途切れずにいてほしいなと思う。
0投稿日: 2025.10.21
powered by ブクログこの世界観、好きだなぁ。 私は好きな本を読む時、読み終わるのがもったいないと感じ、うっかり先を見てしまわないように手でページを隠しながらゆっくりと読む。 こうやって読んでいる時に、私はこの本が好きなんだと実感する。 こうなるのかなという想像を裏切り、なんとも不快な気分になったりもする。 それがまた刺激的でくせになる。 もうちょっと彼女の本を読んでみよう。
3投稿日: 2025.10.10
powered by ブクログ申し訳ない。自分の好みではなかった。 本当に自分個人の感想ですがネオンテトラ、ピクニック、花うた、式日の四篇に関しては登場人物の心情が全く理解できない世界のお話で気味の悪さを覚えてしまった。 唯一魔王の帰還は面白かったし登場人物が魅力的だったので★2にしました。
1投稿日: 2025.10.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編集 それぞれのストーリーの最後に次のストーリーに繋がるフレーズが入ってるなと思って注意していたのだけれど、全ての作品で見つける事ができなかった。 好きだったストーリーは魔王の帰還と愛を適量、花うたかな 短編で読みやすく、すぐに読めてしまった。 花うたは、紙の本だからこそのストーリーだなと思った。二人が結婚しているのは最初にわかって、そうなっていく過程が手紙のやり取りで綴られていく。 面白かった。 ピクニックも嫌いではない。 最後にわかる真実にぉぉと思う(しんじつとまみ これもワザと?) やっぱりお祖母さんだったのかと。でも、記憶がない状態での出来事なので、結末は悲しいけれど少し安堵してしまう。 一穂ミチさんて、少しスパイシー
0投稿日: 2025.10.04
powered by ブクログ今一番新作を読みたい一穂ミチさん。過去作も読んでいってます。 全部が全部ささるかと言うとそうでもなかった(古いものね)けど、今作は短編集ながらどれもよかった。 どうなるんだろう、どういうことだろうとどんどん読み進めてしまい、ほんとどうやったらこんな人心の機微を現すことができるんだと、私が作家なら敵わないと書くのをやめてしまうかもなと思った。 作家がこの感覚を読者がわかるだろうと信じて書くのはすごいと思う。 人を信じている人なんだろうな。 そのことで私も人を信じられる気がする。
0投稿日: 2025.10.02
powered by ブクログ「花うた」 こういう話で感動しないタイプだったけどめちゃくちゃ泣いてしまった 「ピクニック」 怖すぎる、なに?怖い 自分の母親もなんか隠してんのかなとか思っちゃった
0投稿日: 2025.09.30
powered by ブクログ色々と考えさせられるな、という感想がしっくりくる。ありきたりな話でなく、そうくる?という展開が面白い。ほっこりもあり、ゾッとするような怖さもあり、ハッと考えさせられる言葉もあり。それぞれに の話で共感できるポイントはあまりないけど、それぞれの小さな世界を垣間見ている気がして、不思議な読書体験だった。
3投稿日: 2025.09.29
powered by ブクログ久しぶりに「最高!」と叫びたくなるような読了感。 この本だけじゃなくて作者ごと好きになってしまうという人をちらほら見かけるが、まさに。 この本が初めての一穂ミチ作品なんだけど、他の本も色々読みたくなる。 すごくさりげなく、次の話を匂わせる一文があったりして、同じ世界線で生きてる人たちの物語なんだって繋がりを感じた。 そして「式日」でまた「ネオンテトラ」に戻ると、、、(^。^) もう一周してきます。
0投稿日: 2025.09.28
powered by ブクログ短編6編+掌編1編からなる登場人物間という「スモールワールズ=小さな世界」で起こる人間模様を描いた作品。 短編とは思えないほど、話一つ一つが深く、予想しているよりも先に着地するような終わり方、読み終わった後も考えさせられるような読後感は他にない印象を受けた。 それぞれのメインの登場人物にドラマが詰め込まれており、かつそれが実際に身近にいるような人達であるため、深く話に入りやすい。 とくに「ピクニック」と「花うた」は物語の空気感も独特で終わりが予想できず、強いインパクトを受けた。 読みごたえのある話を読みたい方はもちろん、小説を読み慣れていない方にもオススメできる一冊。
5投稿日: 2025.09.26
powered by ブクログ家族や人間関係の「小さな世界=スモールワールズ」 を描いた6話+掌編1話からなる個性的な短編集。タイトルや装丁から感じるやさしい空気感とは裏腹に、しっかり重みのある話が揃っており終始独特の緊張感が漂う。 個人的に一番の救いを感じたのは「魔王の帰還」 家族像の普通を揺さぶる強烈なキャラクターに心掴まれた。一筋縄ではいかない選択ながらもホームコメディのようなあたたかさも良。 往復書簡形式の「花うた」は双方の書き手の優しさと痛みが同居しており、少し切ない読後感。 一冊を通して人の“心の奥にしまい込んだ痛いところ”を言語化し曝け出して終わりではなく、優しい光を差し込ませてくれるような…読後がただ暗いだけで終わらないのが素晴らしいと思う。
10投稿日: 2025.09.13
powered by ブクログ今年(昨年?)の本屋大賞ノミネートで著者を知り、本屋さんでふと手に取った一冊。 短編集は基本的に読むテンポが早く、ぽんぽんと進める印象でしたが本作品は一つ一つの物語が重厚で、なかなか次へ次へと読むことができませんでした。 スモールワールズ、というタイトルも秀逸でまさに色んな世界を回っているような感覚でした。 作品レベルだけでなく、作家レベルでハマりそうな予感。楽しかったです。
1投稿日: 2025.09.13
powered by ブクログ短編集なのでサクサク読める。 魔王の帰還が好きすぎて泣いちゃう…お姉さんの人柄が現実にもいて欲しいし皆優しくていい子で全員好き… 式日の2人のなんとも言えない距離感や関係性も好きで、心の中にぽつっとスポットライトで残るような、そういうお話集。
2投稿日: 2025.09.11
powered by ブクログ一穂ミチさん2冊目。一気に読んでしまった。同時にエネルギーもかなり消費された。最近人間の持つ闇の部分を感じることが多くなり、その中でどう生きるかもがいている今の私にはありがたい毒のような感じだった。それでもそれぞれの登場人物に優しさが感じられるのが救いにもなったり。他の作品も読んでみたい。
1投稿日: 2025.09.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
どの短編も個性的な設定で展開が全く読めずドキドキして面白かった。重い話が多いけど、深いと思わされるセリフや優しいラストもあり良かった。一穂ミチさんの本を初めて読んだが、作風が好きなのでこれから他の本も読みたいと思う。 各話の感想は以下です。 【ネオンテトラ】 笙ちゃんを見る目が子供を見る目ではなく異常で怖かった。不穏な空気の話だと思って身構えていたけど、ラストは予想以上にゾッとした。 【魔王の帰還】 お姉ちゃんがかっこよすぎる。自分もこんな風に生きたいと思った。離婚届けの真相が予想外で涙した。思いの強さの勝ち負けの話が、勇さんの「綺麗な思い出のまま死にたい」という気持ちよりも、お姉ちゃんの「最後まで一緒にいたい」という思いが上回ったことを示唆していて良かった。 【ピクニック】 希望のあるラストと見せかけて、最後が怖すぎる。警察が正しかったのか... 【花うた】 ピクニックやネオンテトラの最後に恐ろしい締め方だったので、警戒しながら読み進めたが、優しい終わりで安心した。脳震盪は因果報応だけど、生い立ちを考えると少し同情してしまう。パズルの話が深いと思った。 【愛を適量】 久々に再会する娘が息子になっているという設定が斬新で面白い。佳澄に利用され元の寂しい生活に戻るバッドエンドかと思ったので、優しい終わり方で良かった。 【式日】 2人の好きの違いが切ない。自分は嫌われてもいいけど、嫌いにはなりたくないという気持ちで、先輩とは別の形だけど後輩にとっても大きな存在だと分かって良かった。 他のレビューを読み、後輩が笙ちゃんだと気付いた。「ネオンテトラ」や「妊娠」や「アル中の父親」ってそういうこどだったのか。だとすれば、余計に切ない。事なかれ主義だった先輩が自分の意思で未来を切り開こうとしたことだけが希望だ。
19投稿日: 2025.09.11
powered by ブクログ短編集。テーマは愛憎かな…それぞれ人の複雑な想いを書き上げてる。ここに出てくる人達は自己肯定感が低い気がする。だから孤独なのかな。愛を適量、YouTubeでショートドラマ化してます。ぜひぜひ。 花うたが一番好きです。手紙でのやりとりだけなのにお互いの気持ちが伝わってるような…優しい気遣いが好きです。
1投稿日: 2025.09.07
powered by ブクログ6作品からなる短編小説。 私はあまり共感できる所がなかった。 読了後ちょっと重たくなった。 唯一面白かったのは、魔王の帰還くらいかな
0投稿日: 2025.09.05
powered by ブクログじんわり心があたたかくなるような短編集なのかなと想像していたら、かなり違った。 たぶんこんな感じのいい話になるんだろうなと思った瞬間に足をすくわれて、そういう話なの!?となる。 ただ意外な展開にしたいだけの取ってつけたような急展開だったら興醒めだけど、そこにいたるまできめ細かく丁寧な描写を積み重ねているので、不自然さはない。 はっきり書かずにニュアンスを表現するのがとても上手だと思った。 ただ短編集でよくある、各話に他の話の登場人物がちらっと顔を出す遊びはいらなかったかな。。もっとエンタメ色の強い作品だったら楽しめただろうけど。
2投稿日: 2025.09.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
全く異なる7つの話が描かれた短編集 そのどれもが独特で、予想がつかない作品 物語の中で出てくるセリフや考えが、ハッとさせられるような芯を食ったこものが多く、この作者はいろんな角度から物事を捉え、観察し、考えてるんだなと思わさせる 妊娠できない女、兄を殺した犯罪者と文通する女、男になりたい女、嫌いだった父の死と向き合う男、壮絶な出産後鬱を経験する女、等なかなか壮絶な設定や描写が出てくる一方、その感情がすごくリアルで違和感がなく、人物の心情を捉え表現する力がほんとに素晴らしいと思った
0投稿日: 2025.08.30
powered by ブクログまず、各短編を読み終わった時の心の持ちように高低差があって、ずーんと暗い気持ちになる短編もあれば、ホッとするような短編もあるのが新鮮だった。なぜこんな構成なのかと考えていると、タイトルの「スモールワールズ」が重要な役割をしていることに気づいた。あくまでこれらは小さな世界を覗き見しているのだと。創作の手が入れば全てをハッピーエンドにもバッドエンドにもできる。そうでなくすることで、小さく、しかしどこかにありそうな現実味をもってこの短編たちが目の前に現れてくる。かなり心に残る作品であった。
2投稿日: 2025.08.27
powered by ブクログ可愛らしい装丁と表題が可愛らしかったので ほっこり系かな?と勝手に思ってたけど、 1作目のネオンテトラを読んで 「お?」って思ってから続く2作目「魔王の帰還」で人生のままならない感じ、3作目「ピクニック」、4作目「花うた」の不穏さや、人の心の中に渦巻く狂気の描かれ方がすごく好みでした。 ミステリっぽい要素もあって、エンタメとしても楽しめました。
2投稿日: 2025.08.24
powered by ブクログなるほど、結構生々しいですね!? 魔王の帰還はめっちゃ好きやったなー。クスッと笑えるけどどっか切なくて。 それぞれの主人公達が交差してたらもっとおもろかったなー
1投稿日: 2025.08.12
powered by ブクログ7つの短編集。 それぞれ良くて、ハッとする文章があったり、想像を裏切られる展開だった。 私が好きなのは、『魔王の帰還』、『愛を適量』、『式日』。 『花うた』は、『アルジャーノンに花束を』を思い出した。
4投稿日: 2025.08.09
powered by ブクログ2025年8月読了。 小さな世界で描かれる人々の思いの交差が描かれる短編集。どの物語も寓話的な示唆に富んでいて鮮烈な印象を残す。お気に入りは「魔王の帰還」と「愛を適量」だった。どちらも個人が抱える事情や生き方の違いへの一面的でない理解が示されていて、人と人との触れ合いの大切さが感じられた。
0投稿日: 2025.08.07
powered by ブクログどれも面白い6つの短編集。特に”ネオンテトラ”好きですね~。旦那の不倫、不妊、10代学生との密会、安直な恋とかではなく、こういう生々しい話が好物です。著者の作品は初めて読みましたが、他の短編も私にとって初めての切り口ばかりで、楽しく読み進めることができました。ぜひ他の作品も読んでみたいと思いました。
0投稿日: 2025.08.06
powered by ブクログ小説No.5『スモールワールズ』 7つの小さな世界の短編集。 久々にこんな衝撃的な短編映画を読んだ。 第1章『ネオンテトラ』 不倫がテーマ?オチが衝撃的過ぎて、奥さんの執念を感じる 第2章『魔王の帰還』 絶対的な姉と気弱な弟の物語。ザ姉貴って感じで清々しい 第3章『ピクニック』 ほのぼのスタートに裏切られる展開が続く、1番怖かったです 第4章『花うた』 とある事件の被害者と加害者の手紙のやり取り式で進む どっちにも共感できる部分がある分、凄く考えさせられる。 第5章『愛を適量』 父と娘の物語ながら、娘にはある秘密があって テーマである「適量」この匙加減は改めて難しいなと感じる 個人的に終わり方は予想外で凄く好きです 第6『式日』 名前が一切出てこない、先輩と後輩の2人の物語 後輩の一言が凄く自分の中に残ってる 『嫌われたら終わりだけ、好かれたら始まってしまう それは凄く怖い』 好かれたら、その関係が人が大切になってしまう そしたら失いたくないと思ってしまう。 当たり前なんだけど凄く心に残ってる 第7章『掌』 本夫婦の2人の久しぶりの再会の物語 人間の良い所も汚い所も余す事なく書かれているから 心にくる話しもあるけど、そこが良い。 #スモールワールズ #読書好きな人とつながりたい
4投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログずっと気にしてた待望の作家さ、。でも無理だ。数ページで挫折する 姪っ子と同級生がひとんちで抱き合う、旦那のLINEチェックを当たり前に終えて全部を把握する 姉の心無い子供がいないから発言、あー読みたくないな、2冊連続は初めてだけ やっぱり受賞歴で信じる習慣をやめなくては しっかりしろよ自分
23投稿日: 2025.07.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
好きな感じでした。 あえりえなさそうだけど、日本のどこかで起こっていそうな物語たち。 1.ネオンテトラ 主人公の夫、浮気してるけど別れたくないと言ってきて、ハテ?と思ったけど、よく考えたら浮気相手への口調が強めだし、奥さんにはチュッチュしたり愛を感じられる場面もあって、確かに「浮気」だったなあ、というのが感じられたのが良かった。 いやもっと他に感じるとこあるだろ、と思うかもだけど、その矛盾のなさに、この作者さん好きだわ、となった始まり。 2.魔王の帰還 真央さん、キャラが立ってて良かったです。 でかい奥さんに、ひょろひょろ夫って、なんかいい。 3.ピクニック 日々の子育ての大変さ、会話がズレる夫、悪気無しに比較してくる母、ストレス環境が伝わりまくった。 オチがまったく想像できなくて常になんだか不気味だった。オチを知って、そういうことか〜となった。 起こった殺人2件とも、当の本人が無意識すぎてなんとも言えない、、 4.花うた 簡単に言えば被害者家族と加害者が恋仲に〜!という話ではあるけど、そこに至るまでがなんとも自然というか、腑に落ちる流れであった。 短編集のうちの一編で、よくこんな深いものを見せられたなと思った。 手紙のやり取りが一カ月に一度、数ヶ月に一度だから、その間の時間も想像しちゃったんだろうなー 好きでした。 5.愛を適量 テーマ「適量」。やりすぎてないか、これで合ってるのか。 父への恨み忘れず、一緒に過ごしてみたらまあいっかという気分になったわけでなく、ちゃんと500万「盗んで」手に入れる、というのが絶妙で良い。 6.式日 ずっと「先輩」「後輩」で呼び合ってて、名前が出てこなかった話初めて。 はっきり書かれてなかったけど、それでも先輩は後輩のこと好きなんだろうな、っていうのが伝わってきて、ああやっぱり〜と。 家族という形にとらわれない事実婚的なカップルになりそう。
0投稿日: 2025.07.30
powered by ブクログ文字通り7つの小さな世界が 描かれている でも 読んでみるととてつもなく 大きな世界が広がっているように思えた まさにいろいろな物語 人それぞれの知られざる世界 ぐっと心が引き込まれていく どのお話もなんだかキラキラしているし ドロドロもしている はじめましての一穂さんでしたが また、他の作品も読んでみたくなった
108投稿日: 2025.07.24
powered by ブクログ6章立ての短編集。連作?というほどではないけれど、登場人物が別の章に出てきたりして、緩やかにつながっていた。 幸せと不幸せがくっついたようなというか、犯罪未満?のようなあやうさが居心地悪く、もやっとする章が多かったのは、友人には言えない家族の話を見せられていたからなのか。 読者の読むタイミングにより、感想が変わる気がする一冊。
1投稿日: 2025.07.22
powered by ブクログ短篇集で、1番刺さったのは「愛を適量」でした。 特に私にズキっと刺さったフレーズはこの2つ。 「ー--愛情のつもりで注いでいた過剰な思い入れは、誰の得にもならなかった。 受け取る側のキャパを見越して適量を与えられないのなら、何もしないほうがましだ」 「---そうか。適量じゃなくてもいい時がある。叶うことのない願いや祈りなら溢れても大丈夫だった。そして叶わない願いが無力だとは限らない。」 相手を心配して、思い遣って投げかける言葉や行動を相手がこちらの思ったように受け取ってくれないのは、適量じゃないからではないか?とドキッとした。
2投稿日: 2025.07.20
powered by ブクログ移動時間にちまちま進めた文庫本 どの話も読み応えがありすぎる 今の私にブッ刺さったのは不妊、子育てが題材のネオンテトラとピクニック そして別れた親子の話愛を適量 他人から想像がつかない自分でもままならない気持ちをなんでこんなに優しくかけるんだろう
1投稿日: 2025.07.15
powered by ブクログ繊細かつ丁寧で、良現代作家らしい冷徹さと温かさを併せ持つ作品群である。筆致が読み易くスラスラと読み終えることが出来た。 七つの短編で構成された本著は、お互いにごく微弱な繋がりを持ちつつも、それぞれが閉じられた世界の中で足掻く様を描いている。『スモールワールズ』という作品名は言い得て妙である。 個人的には「魔王の帰還」が話として一番清々しく、エグ味がない読み味で、「ピクニック」「花うた」の二篇が叙述の妙に唸らされた。ほか四篇も面白いことに代わりは無いが、自分が人の親という立場では無い故なのか、いまいち感情移入しにくかった。 恐らく、読む人の立場や境遇に拠って、この作品群は全く違った様相を見せるのであろう。誰に感情移入出来ずとも、登場人物の孤独を理解出来ずとも。それこそが『スモールワールズ』であるのかもしれない。
0投稿日: 2025.07.10
powered by ブクログちいかわの栞欲しさに選んだ中の1冊でした。 こわい本のセレクトに入っていたものの、表紙からはうかがえず。何が怖いのかなあと読み始めたら、確かに怖い。短編集なので、怖いばかりではないものの、それぞれが色んな感情を揺さぶり、心に刺激を受けました。お話に繋がりを感じたとき、また、読み返したくなるそんな本でした。
22投稿日: 2025.07.09
powered by ブクログ夫婦、親子、姉弟、先輩後輩など。 小さな世界のお話なのかもしれないけど、こういう世界もあるのだろうなと思えるお話たち。 人間の怖い部分、醜い部分、弱い部分、脆い部分がものすごく上手く表現されているように思う。 怖いお話だなと思うけど、なんだかただ怖いだけじゃない。「そうくるか」と思ったら「え?まだこれ以上あるの?」という展開、嫌いじゃないので、引き込まれた。 登場人物みんなちゃんと生きている感じが伝わってきて、読後感は悪くなかった。 『魔王の帰還』『愛を適量』が割と好きなお話。 初読みの一穂ミチさん、別の作品もぜひ読んでみたい。
51投稿日: 2025.07.03
powered by ブクログ短編集はあまり読まないけど、、かなり話題になってた本だったので読んだ! え?そういうこと?が多くて楽しかったなあ、、、
0投稿日: 2025.06.25
powered by ブクログ講談社文庫2025春にて、ちいかわコラボで栞の欲しさに手にした1冊です。こわい本に分類されていたのですが(本来私は怖いのがニガテ)見た目、あらすじは全然怖くないので読み進めてしまいました。 結果、なんだこの違和感?気持ちの悪さは…… (おそらく読む人を選ぶ作家なのかも知れません。こわい本なので、これは褒めています。) 一件何処にでもあるような、幸せそうな、小さな世界を覗いているのだけれど、変だと気づいた時にはその覗き穴から目が離せなくなって、覗いていることを誰かに見られてしまったかのような、後味の悪い読み終わりを感じました。 本の中で好きなのは「花うた」 文通の文体で書かれていて、手紙が届くまでの時差を感じ、読み取るのが面白い。2011/3 が期間に入ってくるので、文通の世界と実際の世界では全然違う流れが起きていた事を想像してしまったのだけれども、そもそもこの世界(私たち読者の世界)とは別の次元なのか? 読者が意識しないところで、七つの短編の登場人物が交わっていて、少なからず何かしらの影響を与えあっていることも怖さが増す要因なのかなと思いました。 もともとはBL作家さんとのこと。 そっちを読んでみるのもいいかな、
15投稿日: 2025.06.24
powered by ブクログスモールワールズ、事件や事故と言った大きいことが起こるわけではなく、周囲の人からしたら小さな出来事かもしれないけれど、当人たちにとっては大きな出来事。共感や同情と言った言葉では片付けられない、家族や夫婦姉弟たちの間で起こった物語、短編集
0投稿日: 2025.06.19
powered by ブクログ読み進めるのが辛くなるようなお話もいくつかあった。 それでも、このお話に向き合わなければいけないと思った。 自分の周りにも、ままならなくて、辛い、誰かを頼りたいと思って人生を送っている人がいるかもしれない。自分がそうなるかもしれない。 思い悩んだ時、自分以外の誰かが暮らしている小さな世界を想像してみようと思った。 「誰の人生だって、激動だよなあ。」 2025/06/17 読了
2投稿日: 2025.06.17
powered by ブクログ読み終わった時、モヤモヤする本だった。このモヤモヤは不快ではなく、もっとこうすべきだったんではないかと考えさせられる類ものだ。この七つの物語が人の痛み、優しさ、もどかしさに寄り添ってるのだと思う。 初めて短編集を読んで話の好きな順番が決めれなかった。ネオンテトラ、ピクニック、愛を適量は全員がハッピーな終わり方ではない。しかし、モデルの主人公、一人娘の祖母、男性になった娘、全員の背景を知った自分が、その人を責めるほど、完璧な人生を歩んでいなく、その人たちを許すことで自分を肯定できる気がした。 式日の「嫌われたらそこで終わりじゃん。好かれたら始まっちゃうから、そっちの方が怖いよ。」も個人的に共感した。 辻村さんの解説も好きだった。この本を読むとも 色んな経験をしたように感じた。そのため、おかえりなさいと読んだ時はこの方は人の気持ちに寄り添うのが上手い方だと感じた。小説とは、誰かの個人的な営みや言葉の向こうに、彼らの生きる大きな世界を見ることだとという考えた方も素敵だと思った。 自分だけかもしれないが、全部の話が少し繋がっているように感じた。色んな人の生き方を認められる人間になりたいと思った。
26投稿日: 2025.06.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この小説についての感想を書くのがすごく難しく感じる。物語の後味はあまり良いものがない。悪者と言ったものもいないのでもどかしい気持ちになる。 ネオンテトラは美和の心情がどのようなものだったのか自分にはわからなかった。 魔王の帰還は心温まる物語で心地の良いお話だった。人と関わる時は自分だけの物差しで対話するべきである。 ピクニックは希和子を責めるにも責められないモヤモヤする話であった。いやーな感じ 花うたは純愛物語。文章の感想にするのはなんか難しい。心で感じられれば良いと思う。 愛を適量はジェンダーの娘と教師の父のお話だった。父は過剰な愛を注いだ結果逆にそれが仇となってしまっていた。娘は父の金を取るための居候であったけど最終的には父は自分の過ちに気づけたし、娘から朝の身だしなみをするプレゼントをもらった。これが生きる理由になるほど大きいものではないけど人生に色をつけてくれたと思う。 式日は一番最初に出てきた笙一が後輩として登場してきた。こいつはやっぱり優しい男であり、人たらしであると思う。最期を知っている上で読んでいるから複雑な気持ち。ネオンテトラの台詞から連想させるのはお洒落。
2投稿日: 2025.06.10
powered by ブクログ毎日こんな短編集を読んで、先入観、思い込み、勘違い、を回避していきたい。いろいろな可能性で、人をみることができそう。
44投稿日: 2025.06.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
はじめての一穂ミチさんの作品。 ずっと読みたいと思っていた本、もっと早く読めばよかったと後悔するくらいよかった。 どのお話も読みやすくて、 1番気持ち悪くて好きなのが、ネオンテトラ。 解説も含めて、満足する作品でした
2投稿日: 2025.06.05
powered by ブクログ「私はこれからも、小さな窓からそこで暮らす人たちのことをことを覗き込んで書くだろうな、と思います」(本書p349)とあるように、地球全体で見たら小さな人生の物語を、生身で経験したように描いている。私にとって『スモールワールズ』は一穂ミチの初読本であるが、ある程度一定の時間が与えられたら、話の内容とは相反してみるみるページが進んでいく作品であった。これは一穂ミチが読者を作品に引き付ける技巧であろう。また短編集であっても話の節々が繋がって、一つの作品として完成されていた。他の作品も読んでみたい。
9投稿日: 2025.05.29
powered by ブクログまた好きな本に出会えた! どんな人にだって激動な人生がある。 一穂ミチ先生の書く登場人物のような人でありたい。私は何かを大切にしたいという軸を持って、生きれてるのかなー。 それぞれの章で、好きなフレーズが散りばめられていてよかった。この本のフレーズは見返しに来ちゃうだろうなー!
3投稿日: 2025.05.29
powered by ブクログゾワッとしたり、ジーンとしたり、ヒヤッとしたり、ドキッとしたり…色々な感情が混ざり合うような短編小説でした。 文体が急に変わったところ、なんだか怖かった:( ; ´꒳` ;):
13投稿日: 2025.05.27
powered by ブクログ幸不幸は別にして、平凡な日常を送っている私には、なかなかに衝撃的・刺激的な人々の物語たちでした。どの短編にも意外性のスパイスが効いています。 特に、乳幼児死亡事故を題材とした「ピクニック」は、意外な結末での驚きだけでなく、それまでに描かれる出産・育児における母親の心の機微が刺さりました(私は男ですが)。
2投稿日: 2025.05.20
powered by ブクログ「ネオンテトラ」と「ピクニック」は、あっといわせたい感、エンタメっぽさを強く感じてちょっと冷めてしまい、「魔王の帰還」と「花うた」はシンプルにそんなにはまらず。 初めての作家さんで、あぁこの方の作品は合わないのかもなぁと思っていたのだけど、最後の2編「愛を適量」と「式日」はとても好みだった。
2投稿日: 2025.05.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
愛を適量が好きすぎた。最後の展開には裏切られてやられた〜と思った。ネオンテトラとかいくつか話の中で共通して出てくるワードがあったのもなんか意味がありそうな気がして、面白かった。あとなにかも共通してる?と思ったけど、何だったかな忘れちゃった。
0投稿日: 2025.05.17
powered by ブクログそれぞれ色合いが様々な掌編が6つ➕あとがきに変えて超掌編の7作品の本。色んな人の思いが詰まっていて、個人的には手紙のやり取りで進む花うたと、母が殺人犯にされるピクニックが好みかな。 どの作品も描写が丁寧で人の想いが伝わってくる作品でした。
10投稿日: 2025.05.14
powered by ブクログそれぞれ雰囲気が全然違くて、 どれも丁寧な描写で世界観にどっぷり浸れて、6つの長編を読んだような満足感。最後の掌編もよかった。 ・ネオンテトラ コンビニでの不思議で穏やかな時間と 結末とのコントラストでわああ…ってなった。 ・魔王の帰還 爽やかな読後感 姉ちゃんのファンです。 姉ちゃんも鉄二も菜々子もみんな好き。 ・ピクニック ネタバレになりそうで何も言えないけど 複雑な苦い気持ちになった。 ・花うた 泣いた。なんだろうなー。 2人の関係性は「被害者遺族」と「加害者」だけど、正直な気持ちを打ち明けられる相手でもあって、、、 手紙のやり取りしか書いてないのに、2人がそれを読んでいる様子や書いている様子まで目に浮かぶようで、のめり込んで、最後泣いた。 ・愛を適量 憎しみは確かにあったのだろうけど、 でも一緒に暮らした日々やその中で感じたものは、2人のこれからの人生に何か明るい、温かいものとして残るのでは…いや、残ってほしいという願望。 人と向き合うことについて考えさせられた。 ・式日 全体的にゆったり流れる空気感と、情景描写が心地よくてすごく好き。 後輩の過去と未来を思うと切ないが、余計にこの2人の距離感を尊く感じる。 p.325 自分のものじゃない明かりほど美しく見える。団地、マンション、アパート、戸建て。明るい窓の内側で孤独も痛いも後悔も暴力もごく当たり前に存在し、光という闇だってあるのだと分かっていても惹かれてしまう。 この文で、ここまでの5話が思い出されるようだった。 そして最後に辻村深月さんの解説が上手く表せない感情を言語化してくれて、それがよかった。
27投稿日: 2025.05.13
powered by ブクログ短編6篇からなる小説。どの話にもわかるわぁという部分があって、その思いを詳細に言語化できる著者の文章と感覚が良かった。
1投稿日: 2025.05.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「まさかそうなるんじゃないよね?」「なってほしくない」っていう結末に導かれていってしまう、ほとんどが純粋なハッピーエンドとは言いがたい物語だなって思った。だけど、この"何とも言えない感じ"がとても好き。人の心も物事の結末もシンプルではなくて、複雑だったり影が落ちていたりするんだよね。 「魔王の帰還」はお姉ちゃんのキャラが濃すぎてすごく面白いはずなのに、涙が込み上げてくる、この中でも1番好きな話でした。
1投稿日: 2025.05.06
powered by ブクログ様々な「小さな世界」が描かれていました。 人として間違いたくない、正しい道を進みたい、と思っているけど、何もかも全てがそうはいかない。 言葉では説明できない。だけどそうしたい。 そんな「人間らしさ」「人間くささ」みたいなものをとても感じる作品でした。
20投稿日: 2025.05.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編集 「ピクニック」 どんな話かと読み進めていたら結末怖っわ。グッドエンドじゃなかった。 「花うた」 最後少しウルッときた。 あとがきにかえて、文庫書き下ろしの掌編を掲載 解説は辻村深月さん
0投稿日: 2025.05.03
powered by ブクログどの物語も「心温まる」みたいな安直な評価を拒んでいるようで、すごく好きだった。この複雑さが人間なんだよな、と思う。『愛を適量』は自分でもわけがわからないくらい号泣してしまった。なんでなんだろう。
2投稿日: 2025.05.03
powered by ブクログ4.0 社会の中のマイノリティの生きにくさとその再生が基本テーマ。バットエンドもあるが、ほのかに残る希望が、頑張って生きなきゃねと思わせてくれる。少しだけ頑張って生きてみます。
0投稿日: 2025.05.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編集。一穂ミチ作品は初めてだが、ふんわりとした雰囲気の中に狂気が潜んでいて、平和だと思ったらいきなり突き落とされて、少し心臓に悪い。だけど、読まずにはいられない。どの話も没頭して読んだ。 巷で人気なのは「魔王の帰還」らしい。魔王そのものの姉もその弟もキャラが良くて、ほかの話に比べると一番平和で私も好き。 自分でもびっくりしたが思わず涙ぐんだのは、離婚によりしばらく離れていた父と娘の一時の邂逅を描く「愛を適量」。 切なく印象に残ったのは、獄中の加害者と被害者家族の書簡で綴られた「花うた」。 6話目の「式日」の最後の方でネオンテトラが出てきた時にようやく、鈍い私は「ああ、あの子・・!」と分かって驚愕した。あの子のその後が読めるとは思わなかった。それぞれの話が部分的に次につながっているのはわかっていたが、こういう仕掛けになっていたのね。最後まで楽しめました。
14投稿日: 2025.04.29
powered by ブクログ【2025年47冊目】 結婚しているはずの姉が実家に帰ってきた。彼女は大柄で方言は強く、「真央」の名前をもじって「魔王」と呼ばれる。弟の鉄二はよく結婚できたなと思っているが、離婚をすると聞いて納得もした。姉と立ち寄った駄菓子屋でクラスメイトである菜々子に会い、なぜか金魚すくいの大会に出ることになって――「魔王の帰還」を含む7つの短編集。 7つあるうちの一番好きなお話のあらすじを書いてみました。一番光属性が強くて、元気になれるお話で好きです。お姉さんの人柄、とてもいい。真っ直ぐで強くて弱い、私も好きになるなぁなんて。 一作目の「ネオンテトラ」が結構重かったので「おっ、この感じで全部殴ってくる?」って思ってたら殴られたり、頭を撫でられたり、寄り添ったりと、てんでバラバラに向かってこられてそれはそれで驚きでした。次は何が来るのか、小さな世界から飛び出してくるびっくり箱のようなお話たち。 たまに登場人物どっちが喋ってるのかわからなくなることがありましたが(式日)、前にも一穂ミチさんの作品で同じ現象に陥りました。なぜなのか。 さらっと読めるけどしっかり全部濃い、いい短編集でした。
1投稿日: 2025.04.25
powered by ブクログ短編集ですが、一つ一つの内容が濃密であるため、読後感が爽快です。 特に好きだったのが、2人の気持ちを想うと苦しくなった「花うた」と、自分の家庭と照らし合わせて読み進めてしまった「愛を適量」でした。 とても好きな本に出会うことができました。
8投稿日: 2025.04.22
powered by ブクログ7つの小さいけど大きい世界。 一穂ミチさんって人のこと驚かせないと気が済まないんですか!?ってくらい小さいのに壮大な短編集でした。それぞれの短編が一部繋がる気持ちよさから同じ時間を過ごす別々の人たちの人生を表しているように思え、小野寺史宜さんの『ひと』『まち』『いえ』のようなものを感じました。 7つの短編集ですが、僕は3つ好きな作品がありました。 まず『ピクニック』。親子の愛情物語。悲しみを乗り越えて幸せに。そんな物語だと思い読んでいたらもう…。語られる優しい口調とのギャップに鳥肌が止まりませんでした。 2つ目は『花うた』。向井秋生の文章の稚拙さを表現出来る凄さに手紙のやり取りだけで時間の流れやお互いの関係を想像させる凄さが加わり、夢中でページをめくりました。自分だったらと考えたら非難したくなるような2人の人生でしたが、なぜこんなに心を揺さぶられたのか。結局読み終わったあとも分からなかったけどきっとまたいつかこの短編を読みたくなるんだろうなと思いました。 そして3つ目が『愛は適量』。そんな展開変わるかーと思ってたらまた展開変わって。適量ってなんなんでしょうね。言われたらなんとなく分かりますけどそれは何を基準に?そもそも適量が合ってるってなに?って。そして時には適量じゃなくてもいい。なんか分からないのに分かる(語彙力が笑)この感覚を共有したいので書いてみました笑笑 スモールなのにビッグな世界をぜひ読んで欲しいです!
2投稿日: 2025.04.20
powered by ブクログ短編からなる構成だけど最後まで読むと、あぁここ繋がってるんだなってゾクっとくる関係性。 それぞれの人生みんな激動であって、物語はひとつじゃないし、人に捧げる愛も適量を知っていればうまくいかないこともない。 魔王のように心が優しいひともいれば、ピクニックのおばあちゃんのように無意識に犯してしまう怖さもある。 それぞれの小さな世界で人生に関わる事件や温かい愛に触れたりと忙しなく繰り返す生活に、いろんな味のあるため息がこぼれました。
51投稿日: 2025.04.16
powered by ブクログ話題だったので読みたかった本。 中古でシュリンク付きを買ったら、初回限定の特典しおりつき!このしおりが可愛くて読むモチベが上がった。 以下、気になった作品 ・ネオンテトラ ★4 えぐいなー。狂気を感じる。でもそうか、いつかその気持ちわかると思うときが来るのだろうか。。 ・ピクニック ★5 ストーリーテラーの語り調が世にも奇⚫︎な物語を思い起こさせる。なんとなく不穏な空気を感じて読み進めていくと、衝撃と戦慄のラスト。ゾクゾクした。やばい。 ・花うた★4 約10年にわたる手紙のやりとりのみで綴られる65頁の作品。途中、ん?と引っかかりを感じて冒頭一番最初の手紙を読み返してびっくり。 手紙の時系列に沿って変化していく感情、そしてある出来事を機に変わっていく関係性。やるせなさと切なさと。何が正解かなんて誰も教えてくれないということ。
8投稿日: 2025.04.15
powered by ブクログ心あったまる小説!!一穂さんの小説初めて読んだけど言葉の使い方や心で思っていることを言語化するのかうますぎる、、そうそう!こんな風に思っててみたいなことを言葉で伝えてくれるのすごい。一章一章憎たらしいけど愛すべき人間のありのままが書かれててとても好きだー
4投稿日: 2025.04.14
powered by ブクログこの人の文章は、とても透明感がありますね。 その透明な文章で、ヒトのうすぐらい部分を語られると、ドキッとします。
4投稿日: 2025.04.09
powered by ブクログ6つの話からなる短編集 中でも『花うた』が好き 囚人と被害者家族との往復書簡でのやり取りで全て構成されているお話 ドラマチックな展開に興奮した 他の作品は…なんだか現実感なくて感情移入できなかった 正直読んだばかりなのに記憶ない
3投稿日: 2025.04.07
powered by ブクログ『花うた』と『魔王の帰還』が特に気に入っているお話です。特に『花うた』は何度も何度も読み返して、毎回色々なことを考える。
0投稿日: 2025.04.06
powered by ブクログほんわかしたストーリーかと思いきや…. 夫婦、親子、姉弟、先輩と後輩、知り合うはずのなかった他人ーー書下ろし掌編を加えた、七つの「小さな世界」。生きてゆくなかで抱える小さな喜び、もどかしさ、苛立ち、諦めや希望を丹念に掬い集めて紡がれた物語が、読む者の心の揺らぎにも静かに寄り添ってゆく。吉川英治文学新人賞受賞、珠玉の短編集。 2つ目の魔王の帰還でウルッとし、3つ目のピクニックで驚きがあり、5つ目の愛を適量でまたウルッと… 同じ作者が書いたとは思えないくらい振り幅があり、一冊で色んな小説を読んでいるようなワクワク感があります。
0投稿日: 2025.03.30
powered by ブクログどのお話もおもしろかったが、特に「ピクニック」の読み終わったあとに、うそでしょ、、、とゾッとする感じが最高だった!
7投稿日: 2025.03.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ネオンテトラ 相原美和 モデル。 貴史 美和の夫。 麻子 ドルオタの友達。 稲田有紗 美和の姪っ子。両親が海外駐在になり、祖父母と暮らす。 蓮沼笙一 笙ちゃん。有紗と一年から一緒のクラス。 美緒 娘。 魔王の帰還 森山鉄二 高校生。 真央 鉄二の姉。 住谷菜々子 鉄二のクラスメイト。 勇 真央の夫。 ピクニック 希和子 母。夫は早くに亡くした。 瑛里子 娘。地方銀行に就職。 裕之 瑛里子の三歳年上の夫。 未希 瑛里子の娘。 真希 希和子の次女。生後六ヶ月で亡くなっている。 伯母 真実 瑛里子の娘。 花うた 伊佐利樹 弁護士。 大樹 深雪の兄 向井秋生に殺された。 向井秋生 半官半民の刑務所で特別プログラムを受けている。 新堂深雪 看護師。向井秋生と手紙をやりとりしている。 愛を適量 須崎慎悟 偏差値五十に届かない公立高校の教師。 岡本佳澄 慎悟の娘。トランスジェンダー。 式日 高校時代の後輩 全日制に通っていたが中退した。 先輩 定時制に通っていた。
1投稿日: 2025.03.25
powered by ブクログ夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。人知れず手紙を交わしつづける男と女。向き合うことができなかった父と子。大切なことを言えないまま別れてしまった先輩と後輩。誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。 --------------------------- また一穂ミチさんの本を手に取りました。やはり 私はこの方の小説が好きだ。 どれも良かったのだが。特にこの連作集の中では、「魔王の帰還」に心えぐられた。 最後の解説が「辻村深月」さんで、これまた良かった。 なぜ自分が一穂ミチさんの作品が好きなのかを 代弁してもらった気分だった。
30投稿日: 2025.03.25
powered by ブクログ短編集。読んでいくと共感できることや、イメージできる情景なのに、行動や思考に独特の余白があって新鮮。 一人一人の登場人物の考えや心情が丁寧に描かれていてタイトル通りの良作。
1投稿日: 2025.03.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編集。 最初の『ネオンテトラ』の主人公の強さにたまらなく惹かれた。子どもができず孤独だった主人公が、虐待を受ける男の子に近づき、水槽みたいな深夜のコンビニで少しの間話をする。そこには確かに救いがあった。でも、その後は思わぬ方向に展開する。主人公の姪っ子とその男の子が関係をもっていることを知り、主人公はそれを黙認する。予想通り、姪っ子は妊娠し、子が生まれる。育てられないその子を我が子として迎える。そのしたたかさが、私は好きだと思った。 最終話に出てくる「後輩」はこの話の男の子なのかな。彼はやっぱりまだ孤独だったけど、人生を生きて成長していた。
1投稿日: 2025.03.19
powered by ブクログ友達が面白いよ!と言っていたので気軽に読み始めたら、そんな軽いものじゃなかった…。ピクニックを読み終えた後はヒヤリとして静かに本を閉じました。
1投稿日: 2025.03.18
powered by ブクログ自分以外の人生を経験することができる、読書の喜びを実感させてくれる短編集。「魔王の帰還」が特に好き。自分史上ベスト短篇の一つ。お姉さんだけ作画が違う(笑) 「ネオンテトラ」の夜のコンビニ、「式日」の知らない街で乗ったバスなどなぜそのシーンが印象に残ったのか反芻するのも楽しい。 「ピクニック」は再読。雑誌で読んだ時は作者さんをミステリ作家だと認識してたことを思い出した。 全作通して小さな仕掛けがあって見つける楽しみも。
13投稿日: 2025.03.15
powered by ブクログ全く違う物語でそれぞれの世界を生きていた 全編とても良かったけど、「魔王の帰還」が特に好み。 辻村深月さんの解説もすごくよかった!
0投稿日: 2025.03.12
powered by ブクログ寝る前にスマホを触るのを辞めようと思い、就寝前に1時間だけの読書として選んだのがこの作品。 1日目、最初に読んだ「ネオンテトラ」で私は一気に一穂ミチさんの作品に心を奪われた。 想像もしてなかったエンディングを見て、1時間でこんなにも楽しい気持ちになれるんだと、本を読むことの楽しさを思い出した。 その後の話もどれも素敵で、面白くて、読む手が止まらなかった。「ピクニック」や「花うた」もとても面白くて好きだ。 読み終わったので、この後一穂ミチさんの別作品を買いに行こうと思う。ぜひ色んな人に読んで欲しい。そして語り合いたい。そんな作品でした。
3投稿日: 2025.03.04
powered by ブクログ深い味わいの6篇。どの話も冷静に考えると劇的な設定と思えなくもないが、繊細な心理描写で引き込まれる。「ネオンテトラ」「ピクニック」は女性・母親の闇を、「花うた」は往復書簡だけで人の再生を感じられる。「魔王の帰還」「愛を適量」「式日」は、個性的な登場人物から背中を押されるような気持ちで気づけば涙。これからも作品を追いたい初読み作家に出会えた。
0投稿日: 2025.03.03
powered by ブクログ短編小説が7話あった どの話も強烈ではなく、フワフワと心に残る話 心とか愛とか何となくジワジワ胸に残る 花うたが1番好きだな。
25投稿日: 2025.02.28
powered by ブクログタイトルとは裏腹に可愛げがないと言うか、重たい 各々が抱える奥底に抱える秘密に対する表現がまさにそれという感じ。 普通の物語とは進め方が変わった短編もあり、2回目も読みたいと思えた。 「親切に責任は伴わない」このセリフが非常に刺さった。
1投稿日: 2025.02.27
powered by ブクログ初めて手に取った作家さん ╍ネオンテトラ 架線トラブルで非常灯の明かりしかない電車の中に閉じ込められた。 車内は携帯を弄る人だらけで液晶の光がそこらじゅうに溢れてた。 そんな描写を『熱帯魚の水槽っぽい』と表現することに痺れた 笑 一番心に残ったのは笙一の人生 そして結末にはゾッとしながらも強かな美和さんに幸あれ!思った ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ╍魔王の帰還 泣けた…笑えた(クスッと) と同時に『力』をもらった 姉ちゃんに幸あれ! ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ╍ピクニック さいごの結末が衝撃的 想像もしていなかった結末… 残酷なような、、切ないような、、救われたような、、そんな複雑な気持ちになる『う~ん…』としばらく目を閉じ唸ってしまった 次の物語を読み始めてもなかなか頭に入ってこなかった ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ╍花うた しばらく涙が止まらなかった 翌日 また読み返してみた やはり涙がとめどなく溢れてきた 苦しくなった 話の結びが心温まった それでいいと思った その先の物語は知りたくない この終わり方でいい ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ╍式日 そういうことか… あそこに繋がってたのか 愕然とした そして その後に…´ 総じてどの話も読み始めた時の想像とは色合いの違う世界の話だった。 同じ作家、、一人の作家がここまで毛色の違う話をよく一冊にまとめられたものだと感心した 笑 肉厚で濃厚で充実した一冊であった。 私、この一冊がこよなく好きだ。 オススメします !
4投稿日: 2025.02.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
気になっていた一冊。 一穂ミチさんの作品は初めまして。 【魔王の帰還】 不真面目に見える鉄二にもそうなった理由はちゃんとあって、野球部時代の友人の件はやるせ無い出来事だったんだろうと思う。 姉の、見た目に反した不器用な優しさも鉄二を心底腐らせることはない要因だったと思う。 菜々子とのやりとりもとても自然で柔らかいもので、出会えて打ち解けることができて安心できた。 【花うた】 犯罪者と被害者の家族の複雑な関係。 獄中での手紙のやり取りでそれぞれの背景や想いが次第に気持ちを変えていく。 犯罪者は必ずしも性根の悪い人なのか、もう今後救いようはないのか。 被害者家族は一生犯罪者を許せないのか。 特別な関係ではあるけれど、その流れの中でのやり取りは葛藤もありつつ、でもすごく綺麗なものだと思った。 しかし、我が身に置き換えてみた時、果たしてこんなことが起きるのかは疑問。。。 【愛を適量】 離婚して会わなくなった娘が男になって会いにきた。 自分が部活の顧問として自分勝手に、でも生徒たちを思って起こした行動が実はなんのためにもなってなかった時の絶望。 そこからの、ただとにかく毎日をやり過ごし、生徒たちとも距離を置く毎日。 そんな中、男性の姿に変わってしまった娘が現れ、共に過ごしていくうちに生徒たちに対する気持ちにも変化が出てきた。 娘から裏切られ金を持って行かれた後に、昔娘から性別のことに関して相談され自分がおざなりに答えていたことを思い出す。 そのような昔の色々な失敗や後悔が皺寄せになってやってくる。 しかし、その時にはできなかった考え方や反省をすることで見えてくる希望もあるのかもしれない。 ☆現代の教師は、先生として教育することをただの仕事としか見ていない人が多いのかもしれない。 それは当たり前のことではあるが、我が子を預ける親であったり、親と離れて生まれた環境も育った環境も違う同じ年齢というだけで集められた子供たち同士が緊張や不安を抱えて過ごす学校の中では先生が頼り。 仕事として割り切る関係性を、大人が子供達にも向けてしまうのは何だかやりきれなくなってしまう。
1投稿日: 2025.02.17
powered by ブクログ7つの物語からなる短編集。 最初の『ネオンテトラ』で持っていかれた感じ。物語の軌道が読めなくて、まさかの展開に言葉を失った。 次の『魔王の帰還』は、ヒヤリとする描写もあるけれど、コミカルで優しくって好きな物語だった。 『ピクニック』は、スタバで読んでいて泣きそうになるを我慢した。ラストはちょっと惜しい感じでした。 『花うた』は、往復書簡の形式で書かれたものに懐かしい感じがしたけれど、短編に収めることも、往復書簡であることも難しいように思った。 『愛を適量』は、7つの短編の中で一番好きな作品。 『式日』はカミュの『異邦人』を思い出した。季節も物語も全然ちがうのだけれど。 最後のあとがきにかえて書かれた一番短い短編は、サクッと書かれていているけれど、ホテルの一室の情景が妙に印象が残りました。 今回、初めて読む作家でしたが、優しさと残酷さを見事に物語の中に描けていて、他の作品も気になります。今回、直木賞を獲ったということを、この作品を読み始めた後に知りましたが、そちらも読んでみたいと思います。
17投稿日: 2025.02.17
powered by ブクログなぜ、これほどまでに人の気持ちに寄り添えるのだろうか。文章のなかから、立ちあがってくる問いに、的確な言葉か当てはめられていく。どれも、良い。中でも魔王の帰還もなかなかだが、花うたが良かった。
1投稿日: 2025.02.11
powered by ブクログ孤独と孤独が寄り添って、ただ寄り添って"いる"ことに安心した。 これが「孤独な二人が出会ってハッピーエンド!」「二人は孤独を分かり合って…もう寂しくない!」だったら、なんて綺麗事を…と閉口していた。「ほなアレってことですかい!?分かり合える相手がいない人の孤独には、なんか自業自得な理由でもあるってんですかい!?」と怒りたくすらなる。 人には人の孤独がある。因果応報な孤独も、理不尽に降って湧いた孤独もある。それを描いてくれる世界に少し救われた。 浮気疑惑の夫と妊活の上手くいかない自分、親から虐待を受けているかもしれない男子高校生。 自分の正しいことを選んだ結果、人にとっては正しくなくて(気持ちで負けて)しまった自分と、同級生の女の子と、やたらと体格のいい姉。爽快感があった。そうはならんやろ!いやなるか…?のギリギリのところを姉ちゃんがやってくれるので。『魔王の帰還』が1番好き。 赤ちゃんと親、繰り返される大切さゆえの悲劇 被害者家族と加害者の往復書簡(森見登美彦の『恋文の技術』のような手法なのに、この切ない行間は天晴) 実子からFtMであることを打ち明けられた適量が分からない父親。 先輩と後輩、それぞれの孤独がふたりをピッタリくっつけることを許さなかったから、一歩引いたところで最も近いところに寄り添えたから存在できた葬式。 人には人の乳酸菌、ではないけど、孤独で小さな世界があるんだと、孤独なのは自分だけじゃないと思わせる作品。
3投稿日: 2025.02.08
powered by ブクログ遅ればせながらようやく読めた一穂ミチさんのスモールワールズ。ずっと気になっていた一冊。 装丁から、ほんわかとした優しいストーリーかなと勝手に決めつけ読み始めたので、すごい重いボディブローを受けた。 短編集、6つのストーリーは、綺麗な表現で綴られながらも、残酷であったり、悲しさをまとっていたり。その中に何とも言えない幸せや虚無感や余韻を感じる作品ばかりで私的には好きな作風。 個人的には、『花うた』がたまらない。 手紙だけで物語が展開されるのだが、情景描写や過剰な修飾がないため、登場人物の気持ちが深く掘り下げられていて胸に重く響く。 正解のない物語だと思うのだが、どうか皆が幸せな気持ちになりますようにと祈りたくなる。 家族、友人の関係を愛情や憎悪、社会的な問題も含めつつ、想像できないエンディングに持っていく一穂作品。 ツミデミックも面白かったが、今後の作品も楽しみだ。
32投稿日: 2025.01.30
powered by ブクログ身近にありそうな、なさそうな、ある小さな世界の物語の短編集。 重々しい内容が多くて気が滅入るんですが、蓋をしてはいけないというメッセージのようでもあり、考えさせられるお話。 なんでこれを借りたんだろう?…と考えたのですが、BSテレビの「あの本読みました?」を最近よく観てるんでその影響でしょうねー。
3投稿日: 2025.01.28
