
総合評価
(123件)| 23 | ||
| 60 | ||
| 31 | ||
| 3 | ||
| 0 |
powered by ブクログ桜木紫乃さんのストーリーテラーとしての才能が光る一冊。純粋であることはきっと、危うさや危なっかしさと隣り合わせだ。啓美の軽率さに溜息をつき、身勝手さに憤り、図太さにあきれ、潔さと表裏一体の罪の意識の薄さに相容れないものを感じた。それでも彼女を弱い人、思慮が足りない人と切り捨てることもできなかった。そこまでの強さや正しさはきっと自分にもない。自分が彼女の立場になったら何ができたのか。何よりリスクを冒しても誰かとつながろうとしたり、誰かを思って行動せずにはいられない姿は人間味があって気持ちが入ってしまった。
0投稿日: 2026.01.02
powered by ブクログかなり分厚い本だけどおもしろい。 《どこで間違ったわけでもない。へまはしたけれど、それが岡本啓美の選択だった。》 一度道を踏み外すと、こうも外れた道ばかりを選んでしまうのか。
0投稿日: 2025.11.23
powered by ブクログずっと読みたいと思っていて、やっと。 はじめての作家さん。 好きなあらすじの感じだったのだけど、 苦手な場面が合間にちょくちょくあって、 気持ちが落ちてしまって。 腑に落ちないとこもあったりで、 なんとなく終わってしまいました。 ちょっと合わなかったな〜
20投稿日: 2025.10.27
powered by ブクログ渋谷毒ガス散布事件。指名手配された岡本啓美。名を変え他人を演じ続ける。 心情を訴えかけるような書き味。共感できるかはさておき心を動かされる場面が多くあった。
0投稿日: 2025.09.16
powered by ブクログオウム真理教の地下鉄サリン事件を思わせる冒頭。 主人公の啓美は、その事件のことを全く知らずに、ただ幹部の実行犯に連れられて歩いていただけで実行犯として指名手配されることになってしまった。 そこから始まる逃亡劇。 啓美の母親から逃げたくて宗教に身を寄せた。 今度は指名手配犯として逃げる。 「逃げるから追われる」 最後に、啓美は安住の地を見つけることができたのだろうか? なんとも暗示的な終わり方をしていて、「読者のご想像にお任せします」的。
0投稿日: 2025.09.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
世間を震撼させた白昼のテロ事件から17年。 名を変え他人になりすまし、“無実”の彼女はなぜ逃げ続けたのか? 1995年3月某日。渋谷駅で毒ガス散布事件が発生。実行犯として指名手配されたのは宗教団体「光の心教団」の幹部男性と、何も知らずに同行させられた23歳の信者岡本啓美(おかもとひろみ)。この日から、無実の啓美の長い逃亡劇が始まった。他人を演じ続けて17年、流れついた地で彼女が見つけた本当の“罪”とはいったい何だったのか――。 なんかすごい話を読んでしまった感じがした。30年前に起きた地下鉄サリン事件。そして、その実行犯とされていて、長い間逃亡していた女が数年前に捕まったはニュース覚えてる。正直、その逃亡している女や男は、もう死んでいると思っていたから。だけど、生きて出てきて、指名手配の写真とは全然違う姿だったことも覚えている。そんな大事件がモデルの話だった。 小説の中の彼女は、救いを求めて宗教団体に逃げ込み、そこで世の中から隔離されて過ごしていた。あの阪神淡路大震災が起きたことも知らなかったぐらいに、隔離されていた。そして、ひょんなことに巻き込まれて、女の尊厳を奪われて、逃亡をするこになった。 父親の再婚相手とその娘、名前を貸してくれた記者の女、記者の女の祖母、中国人技能生の男。彼女を取り巻くいろんな人たちが、彼女の逃亡を助けたりしていく。そのいろんな人たちに会うたびに、読んでいるこちらはすごく心配になる。なんだろ。本当に巻き込まれたことを知っているからなのか、彼女に感情移入というのか情が湧いてしまったのか、「その人、大丈夫な人なのか」と気になってしまう。 その心配は、最後の最後で再び出てくる。あーやはり、逃亡生活も終わってしまうのか…と。なんだろ、幸せにはなれないと思っていたけど、もう少しどうにかならなかったのか。最初に自首していれば、まだどうにかなったのか。長い間逃亡していた彼女の人生。なんとなく、「嫌われ松子の一生」を思い浮かべた。 2025.9.4 読了
1投稿日: 2025.09.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
Audibleで聴了。 ひろみは、根は善良なんだとおもう。 死体遺棄と損壊はしたけど、殺人はしてない。 すみれへのDVの時とか、ジョウさんが口封じを仕掛けた時とか、誰かを痛みから助けることはしたけど、痛めつけることはしてない。 鈴木まことの娘は、なんでルナちゃんなんだろう、月なのか? だんだん関西弁が抜けていくのが上手いなと思った プロローグがエピローグで、各エピソード終わりの年齢を言うからうっかり年齢を重ね過ぎそうになったけど、子どもを産んだ時、若くはないけど、そんなに高齢出産でもない、同年代くらいだ。 逮捕されたのは40歳、逃亡してたのは17年。 長いけど、人生はまだ半分だ。 逮捕時器量良しみたいだから、世間を騒がせるだろうし、鬼神町のまことちゃんはひろみだったってバレるだろうけど、みどりの店になって客層が変わっているからどうにか風化させられそうな気がする。 キジマの手記は、本当に捨ててしまったんだろうか。 被害者達には知る権利があると思うけど、ひろみの罪は、キジマを突き出さなかったことで、教団のことは知らなかったんだからどうしようもないんだろう。 次は、誰かの望むヒロインを演じるのではなく、ひろみを生きるんだろうか。 まだ40歳、長いな
1投稿日: 2025.08.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
もしやこれはあの事件……?のあの容疑者がモデル……?と序盤で察知。解体のところは無理すぎて飛ばし読み。終盤作者の創作が色濃くなっていき段々尻すぼみな感じだった。結末もそれでいいの……か?序盤は★4、終盤は★2。間をとって総じて★3。
1投稿日: 2025.07.31
powered by ブクログすごく良かった。 良かったという表現は不適切かもしれないが、すごく素晴らしい作品だった。 地下鉄サリン事件がモデルになっている作品であり、かなりセンシティブなテーマを取り上げている。 読む人によっては不快感を抱くかもしれない。 また、無実であるにも関わらず何故逃げ続けるのか不思議に思う人もいるかもしれない。 さっさと出頭すればいいじゃん、と。 いやいやいや...そんなこと冷静に考えられる精神状態なら最初からカルトに心酔しないんだわ... 逃亡生活の中で出会う多くの人々のバックグラウンドを丁寧に描いていて読み応え抜群だった。 この作品の心理描写の表現、とても好き。 ❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀ 世間を震撼させた白昼のテロ事件から17年。 名を変え他人になりすまし、“無実”の彼女はなぜ逃げ続けたのか? 1995年3月某日。渋谷駅で毒ガス散布事件が発生。実行犯として指名手配されたのは宗教団体「光の心教団」の幹部男性と、何も知らずに同行させられた23歳の信者岡本啓美(おかもとひろみ)。この日から、無実の啓美の長い逃亡劇が始まった。他人を演じ続けて17年、流れついた地で彼女が見つけた本当の“罪”とはいったい何だったのか――。
5投稿日: 2025.06.24
powered by ブクログ1995年頃の、地下鉄サリン事件、阪神大震災などがあった時代がベース。 バレエ教室を営む毒親の母から逃げるため宗教団体に飛び込んだ主人公。 本人が知らないうちに犯罪者にされ、17年間の逃亡生活を送ることに。 ストーリーの展開が、次はどうなるのかと、ワクワクしながらどんどん読み進んだ。 この作家さんはいつも、女性の底力、たくましさを表現するのがとてもうまいと思う。 守るもの、愛するものができたときの、女性は実に強い! とくに、みどりが一番、したたかだったのでは。
39投稿日: 2025.05.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ヒロイン/桜木紫乃さんは初めて読む著者ですが、ワンパターンではなく面白い。 どんな風にしたら不幸になるのか、自分で選択してしまったら後に戻れないが本で読むと体験できる。 <書評より> 世間を震撼させた白昼のテロ事件から17年。 名を変え他人になりすまし、“無実”の彼女はなぜ逃げ続けたのか? 1995年3月某日。渋谷駅で毒ガス散布事件が発生。実行犯として指名手配されたのは宗教団体「光の心教団」の幹部男性と、何も知らずに同行させられた23歳の信者岡本啓美(おかもとひろみ)。この日から、無実の啓美の長い逃亡劇が始まった。他人を演じ続けて17年、流れついた地で彼女が見つけた本当の“罪”とはいったい何だったのか――。
1投稿日: 2025.05.22
powered by ブクログ純愛だった。 プロローグが結末の話がすごく好きだから 冒頭から引き込まれた。 表現の仕方もすごく軽やかで展開もサクサクだから読みやすくて 17年間の彼女の生き様に夢中になった。 自分を隠して、他人として生きてきた彼女だけど 紛れもなく彼女の人生で 歪だけどまっすぐな愛の物語だと思う。 みどり、すみれ、まこと、梅乃、ジョー、ワンウェイ... 父親も母親も みんなが彼女の人生をつくったんだと思うと なんというか感慨深い。 自分の人生を考えさせられてしまう。 みんなにもみんなの人生があるんだなと。 それは紛れもなく自分のものなのだ。 最後まで読んだらプロローグに戻る。 これでこの物語は完結する。 出会えてよかった。
2投稿日: 2025.05.02
powered by ブクログ自分の来し方を思う時 いつも心に浮かぶのは、 娘が産声をあげた日と 思いがけず雪が降った 大学入試の朝。 どちらもその後の私の 生活が大きく変わった 人生の転機でした。 主人公の啓美に訪れた それは、 母の束縛から逃れ教団 の門を叩いた日と、 思いがけず指名手配犯 となった23歳の春。 望むと望まざると自分 の人生の主人公として、 私たちはそのドラマの 新たな章が始まる転機 に何度も立ち会います。 美しく装丁され一冊の 本となった私の人生を、 いつか静かに読み返す 日が訪れたなら、 すべて最終章へ繋がる 伏線だったと感じるの かな。 道を一本違えていたら 私の人生もこうだった かもしれないと、 想わずにはいられない 筆者の見事な筆運び。 私の歩む途が穏やかな 最終章へ繋がることを 願うばかりです。
186投稿日: 2025.04.26
powered by ブクログ意図せず犯罪の共犯者にさせられていた主人公の、17年間にわたる逃亡生活の物語。出会う人は、様々な事情で世間から身を潜めているような人達。自分が日々忙しく充実した生活を送る今も、どこかで身を潜めたり、何かに怯えたりしながら生きている人がいるのかもしれないと思うと、やり切れなくなる。 意図せず犯罪の現場に同行していたことで意図せず逃亡生活に突入し、辻褄を合わせ身を隠すために自動的に次の行動が決まり、死体遺棄をも厭わなくなってしまう。このような状況下で「出頭」に舵を切ることができなかったのも、自然な流れのように感じた。 一体何が罪だったのか。主人公は罪人なのか。自殺者を死体遺棄したことくらいしか思い当たらない。それだって、自ら始めたことではない。 罪なんて誰でも犯す可能性があり、その場の流れで誰にでも犯罪者になる可能性がある、その差は紙一重なのではないか。そんなことを感じた。
1投稿日: 2025.04.26
powered by ブクログ前に起きた事件を題材にした場面から始まり、濃厚なドラマが展開されていく 主人公を含め登場人物の多くは、不安定な立場にあり流されるように物語が進行していく 引き込まれるように読み進めていけたが、暴力や犯罪のシーンがあり引き攣るような感覚に陥る 味わいのある独特な表現があり、舞台ができてくると筆がより乗っているように思えた
3投稿日: 2025.04.24
powered by ブクログ逃げるぜ。 逃げるぜ。 なんか、時間潰しのような、他人になりすます人生。 巻き込まれた? いや、運命だった?
1投稿日: 2025.04.06
powered by ブクログ娘の啓美をバレリーナにするため、厳しく支配する母親から逃げ光の心教団へ流れるままに入り、流れるままテロに加担して指名手配されてからは名前を何度か変え、23歳から40歳まで17年も逃亡した女の逃亡記。彼女に逃げている感覚はないのと、居場所を変えても人に恵まれているのが不思議だった。本当にただ流れるまま男と住み、遺体を処理したり子供も産む。そこに罪の意識は一切ない。中国人のワンウェイのその後だけが気になる。
12投稿日: 2025.04.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かったです。入信していた教団がおこした事件の実行犯にされてしまった女性の逃亡生活を描いたお話です。色々な人との出会いと別れ、良いことが起これば、悪いことも起こる、でき過ぎた展開にならないところが面白かったです。最初実行犯にされてしまった時に自首して状況を警察に説明したほうがよいのでは?とは思いましたが、実行犯にされてしまう怖さ、捕まる怖さは分かります。
1投稿日: 2025.03.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
幼いうちからバレエ教室を経営している母親にバレエを叩き込まれていたが才能がなかった啓美は叔母の薦めでカルト集団に入った。毒親から逃れ洗脳されてる環境が平穏だった日々が、ある時毒ガス事件の実行犯について行っただけで追われる身になった。すぐ出頭すれば大した罪にならなかっただろうに、転々として生活を続けていく。離婚して別の家庭を持っていた父親のところで腹違いの妹に会ったり、別の名前を名乗って孫娘になりすましたり、身元の知れない男に惚れたり、共感できないし、嫌な気持ちになるのだが続きが気になり読んでしまった。
0投稿日: 2025.03.19
powered by ブクログ結末がわかっているからこそハラハラしながら読めた。読了してからもう一度プロローグを読み直してしまうだろう。そこで初めて物語が繋がったような爽快感がある。
10投稿日: 2025.03.10
powered by ブクログ某宗教団体が起こした地下鉄サリン事件をモチーフにした女の物語 何も知らずに巻き込まれた女は飄々と逃げ続ける その中で出会いや別れ、成長など悲喜こもごものロードノベルっぽい一面もある作品 研ぎ澄まされた心理描写と静かに流れる人情 心を鷲掴みにする文体に時間を忘れて一気に読んだ 久々に好みド真ん中の作家に出会えた気がする
1投稿日: 2025.03.06
powered by ブクログ逃げなくてもどうにかなったのでは? 逃げるから、マズいことになっていくような気がする。余りにも考えがないというか周囲に流されすぎるというか。
0投稿日: 2025.03.02
powered by ブクログ1995年の渋谷駅での毒ガス散布事件から始まり、無実の信者である岡本啓美の長い逃亡劇が描かれています。彼女は何も知らずに事件に巻き込まれ、他人を演じ続けながら17年もの間逃げ続けます。「いや逃げたわけではない。見つからなかっただけ」その間、彼女が自らの本当の“罪”を見つけるというテーマは非常に深いです。
2投稿日: 2025.02.22
powered by ブクログ何度もどん底のような状況に立たされながらも、懸命に生きていこうとする主人公の姿にとても心を打たれました。 導入は、よくありがちなオウム事件をモチーフにした新興宗教関係の物語かな、と思っていたのですが、浅はかでした。 読み進めるごとに、女性を主人公にしたノワール的な内容になっていき非常に引き込まれました。 ヒロイン、というタイトル通り、登場する男性が良い意味でヒロインたちを引き立てる舞台装置のような描かれ方でした。 対して、主人公の母親や、仕事仲間(?)、出会った人々など、女性のキャラクターはどれもがヒロインのように力強くに描かれています。 本当の強さとは何か?を教えてくれるような作品です!
5投稿日: 2025.02.21
powered by ブクログ桜木さんは、訳あり女性を描くのがとてもうまいと思う。 いつも北海道の話ばかりだったので、最近は遠ざかっていたけど、なかなか面白かった。 長い逃亡生活の中で、深く関わるのはごく限られた人間だったけど、それぞれとの繋がりは深い。 エピローグ読んだ後、思わずプロローグをもう一度読んでしまった。繋がりが絶妙。
1投稿日: 2025.02.19
powered by ブクログ初めて読む(聞く)桜木紫乃さんの作品。 世間を震撼させた某毒ガス事件に関与することになる女性が主人公となり、指名手配犯として追われ続ける生活、その逃亡生活の中での様々な出会いが描かれる。 重大事件の逃亡犯ということで、日々の生活の中に小さな幸せがあったとしても、その背後には終始儚さが残り、読んでいて切ない。 プロローグで結末が明らかになる展開のため、どのようにしてその結末を迎えるのかを追っていくことになるが、次第に行き場の無くなっていく展開がこれまた切ない。 読後の余韻がしばらく残った作品です。
22投稿日: 2025.02.14
powered by ブクログ10年以上前に「ホテルローヤル」を読んで以来。当時、それほど魅力を感じなかったので、著者の本はずっと選ばずにいた。 気まぐれに借りた本作は、貪るように読めた。自分が年を重ねたせいもあると思う。 なれの果て この世の裏側 腑に落ちないことも飲み込んで生きていく女たちから目が離せなかった。
15投稿日: 2025.02.08
powered by ブクログオーディブルで聴きました。 久々に心にずっしりと来る小説でした。 毒母に逆らえず、逃げるように入った宗教団体。知らないうちに全国指名手配犯になってしまう。 母の呪縛が解かれ、宗教の教えもなくなり、初めて自分の意思で生きることになる。人を助けたり、人から慕われたり、友人ができたり、本気の恋をしたり、自分でない人間として生きた時間のなんと濃密なこと。 最後に写真を撮るところからエンディングまでは、薄皮一枚で繋がっているからか、圧倒的な幸福感がある。圧巻、と言っていいと思う。 最後までいって、プロローグに戻った。笑顔でよかった。それにしても、女性の心の描写が上手くて素晴らしい。 ドラマ化されるとしたら、ひろみは常盤貴子か、または吉岡里帆に頑張ってもらうか。。だいぶ御上先生にひっぱられているが。 スミレは新人の期待枠で。ワンウェイは横浜流星が坂口健太郎?中国人ぽくないかな。イケメン中国人でもいい。
1投稿日: 2025.02.04
powered by ブクログ完全に大人の本。 性描写も多いし、残虐なシーンも。 学校図書館には不要。 読後どんよりしてしまうけれど、作品としては大作だと思う。
2投稿日: 2025.01.31
powered by ブクログ知らないうちに犯罪に巻き込まれて、身を隠して暮らす女性のお話。 身を隠している間にも、ヒロインを信用して 味方になってくれる人に囲まれて 1人の男性を愛し、 身元を知られても通報されることもなく 過ごせたのはこのヒロインの人柄がそうさせたのか 読み応えのある どんどん続きを読みたくなるお話だった
3投稿日: 2025.01.27
powered by ブクログ登場人物それぞれが良い。 少しずつわかるところもあって、決して素晴らしい人生ではなさそうだが。 「後悔ってさ、文章にするとただの言いわけと自慢話なんだねえ」 とか、何か所か真髄と思える箇所がある。 それでも、生きてるし、生きてほしい。
3投稿日: 2025.01.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
実際の事件がモデルではないそうだけど、でもやっぱり誰もがあの事件、あの犯人を思い浮かべて読んでしまうのではないだろうか。 だからもう少しリアルな感じかなと思って読んでみたけど、あくまでも作られたストーリーという感じ。 でも読み応えがあってとてもおもしろい。 宗教団体(現師)はもちろんだけど、母親もかなり罪深い許されざる人だと思う。 「そんなふうに感じてると思わなかった」「良かれと思って」とか言い訳しそうだけど、実際はバレエが苦しいことを気付いてるはずだし、追い込んでいる自覚もあるはず。 それはさておき、誰が通報したんだろうな。 シンジではないと思う。 家の大家か、職場の施設長かなー。 周りから「そうじゃない?」とか言われて、なんやかんやで通報して、指紋照合してとか。 だって、通報したから即!みたいにはならないもんね。 まさかの、ジョーかな。償って籍入れようとか。 でも、捕まって良かったよね。 これでお天道様の下を堂々と歩ける。
2投稿日: 2025.01.22
powered by ブクログ地下鉄サリン事件を思い出させる宗教団体の無差別テロ、実行犯と共に行動した女の悲しい逃亡劇。 幸せってホント何でしょうね?当たり前に働いて、当たり前にご飯食べて、当たり前に家族と生活すること、当たり前が一番の幸せ、なんかそんな気持ちになる作品でした。 プリマになるために母親の厳しい指導叱責に耐えながも挫折、安らぎを求め教団へ 平穏に暮らす中、訳も分からず連れていかれテロの主犯へと、、、名を変え体型を変え悲しく辛い逃亡劇
28投稿日: 2025.01.12
powered by ブクログ当事者でないのに、指名手配犯の逃亡劇やその時の心理、どうやって描いたのだろう?かつて、市橋達也の手記を読んだ時のようなリアル感を感じた。 啓美は、どこにでもいる存在だし、間違った行いはあったけれど、基本善良である。読んでいても、出来事は認識できても、どうして?という思いが拭いきれない。啓美自身にも、自分は何が悪かったのか?という思いが、ずっとついてまわっていたのではないだろうか? 犯罪者となるならないは、ほんの紙一重と思うと、やりきれない思いがする。
20投稿日: 2025.01.11
powered by ブクログノンフィクションなのか?!と思わせられるほど、地下鉄サリン事件を思わせるリアルな展開からの逃亡劇。なんだかこちらまで精神を削られるかのような思いで読みました。
4投稿日: 2025.01.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
宗教団体の犯罪を元信者の視点で描いた作品 逃亡しながらも人との繋がりや幸せを求めて、しかし手に入らないもどかしさが切なかった 読了後にプロローグを読み返した
3投稿日: 2024.12.22
powered by ブクログオウム真理教に題材をとった小説。母親に強いられてのバレエ漬けの人生にいき詰まりを感じていた啓美は新興宗教・光の心教団に入り、ある日偶然のことから首謀者の一人である貴島について歩き回っただけでオウムのサリン事件的な事件の犯人の一人とされ逃亡の日々が始まる。 その日々は意外にも安らぎや愛情に満ちたもの、今まで啓美が積んでこなかった人生で必要なものを積みなおすような日々のように思えた。それは実の父の不倫相手から妻になったみどりや、その娘すみれ、身代わりを頼んできたまこと、その祖母で真琴になった啓美と生活を共にした梅乃といった女性たちの仲で育まれたもの。対して啓美の周りの男たちの情けないこと。貴島といい実の父といい、同情の余地はあるけど終盤を共に暮らした男といい(唯一ワンウェイは例外的にいい男に描かれているけど)。 そして、女たちも男たちも、この小説の主な登場人物のほとんどが不幸な道を選んでしまう人たちに思えてならない。幸福を勝ち取ろう、苦境を抜け出ようとするのでなく、高みを望まず泥の中にいることを選び、泥の中で生きることができる人たち。自分としてはシンパシィを感じた。 梅乃と暮らし、まことやそのうちみどりも集まってきた、そしてワンウェイと出逢った埼玉にあるという架空の街は鬼神町という。最も満たされていた時期が「鬼であり神であり」という街だったというのは作者の意図的な設定だろうか。
4投稿日: 2024.12.08
powered by ブクログオウム真理教逃亡犯の菊地直子をモチーフにしたストーリー。逮捕される迄の17年間の逃亡生活が、感情を廃しスリリングにリアルに描かれ読み応えがあった。 心の光教団に入信5年の岡本啓美が、何も知らされぬまま渋谷駅でのテロに巻き込まれてから、姿を変え居場所を変え名前を変えて、追われる身である事からの不安は常に抱きながらも、関わる人たちの世話になり、世話をし、男に惹かれたり好かれたりと、一見普通の生活者として過ごす様は、説得力があった。 彼女が自身の逃亡生活を「あらゆる幸運と不思議な縁の賜」であると考える場面があるが、誰のどんな人生もそんなものだろうとは思う。 登場人物達の男女の関係性(啓美と母に対する父、みどりとすみれに対する父、まことに対する貴島、梅乃ママに対するタコちゃん、啓美に対するジョー)が、いずれも女性の方が強かな生活力を持って生き抜いており、男達よりも一枚上手に描かれているのが印象的。
3投稿日: 2024.12.03
powered by ブクログオウム真理教の女性信者をモデルにした作品。 罪というほどの罪を犯した訳ではないのに、流れ流されて17年に及ぶ逃亡を続けたヒロイン。 最後に辿り着いたが境地が穏やかだったところが救いだった。
2投稿日: 2024.11.27
powered by ブクログ目覚めたとき、心には一点の曇りもなく、何の悩みもない。 そんな朝は、歳を重ねるごとに目に見えて減っていく。そのことがとても辛くなる時がある。 お買い物マラソンで買い過ぎた翌月の楽天カードの引き落とし、右プッシュして更にスライスが止まらないドライバー、毎月の締め処理の仕事、税金の支払い、なんか最近機嫌が悪い後輩のこと。 他人から見れば些細なことかもしれないけど、その分母はわたし自身なんだから仕方ない。 岡本啓美は、バレエ教室を経営する母から、ダンサーとして成功することを強要され、それに耐えきれずに逃げ出した。逃げたというのは正しくないかもしれない。とにかく母親の元を去り、行きついた先はある新興宗教団体だった。 そこで彼女は目的を知らされることなく、渋谷駅での毒ガス散布事件に関わってしまう。 地下鉄サリン事件に関わったある女性を彷彿とさせる内容だが、彼女をモデルにしたわけではないと著者は言う。だからわたしもそのこととは結びつけずに読むことにした。何度も何度も当時のことを思い出さずにはいられなかったけど。 名前も過去も捨てた彼女には、安全に暮らせる場所はどこにもないかもしれない。 もしかしたら、いっそのこと見つかってしまった方が楽なのかもしれない。 それでも働いてお金を得て、遠く離れた場所で暮らし、男を好きになった。常に周りから見つかることを気にしながら。 逃げ続けていると思うから、追われているような気持ちになるのだ。当時の彼女は事件に関わってはいたが、実際に罪を犯したわけではないのに、逃げているうちに結果、罪は彼女にまとわりついてしまう。 正義の味方じゃなくたって、素敵な殿方とめくるめく恋に落ちなくなって、誰もが自身の人生においてはヒーローであり、ヒロインなのだ。観客のいないステージに上がり、自分の決めたテンポで好きなように踊る。 しなしなと彼女は踊る。軽やかに華麗に踊る。圧倒的なスピードで、ときにはゆったりと。 いつ下りてくるか分からない、終わりの幕に怯えながら。
8投稿日: 2024.10.30
powered by ブクログオウムの女性容疑者逃亡をモチーフとした作品。平易ながらも深みのある文章とスリリングな粗筋で、一気に読ませる。 なんの力もない女性達の生命力の描き方が秀逸。
2投稿日: 2024.09.21
powered by ブクログ誰もが忘れないあの事件を元に書いたんだろうな、と思いながら読んだ。途中桐野夏生みたいなシーンがあったけれど、結局罪を犯した人間は、死ぬまでその罪に追われて生きていくんだなぁと思った。報われることなど絶対にない。心から笑うことも楽しむこともないんだろうなぁ、と。やっぱり灯の見えない終わり方の本はあまり好きじゃない。でも面白かったです。
2投稿日: 2024.09.07
powered by ブクログ宗教団体が起こした渋谷地下鉄ガス事件の話 幹部と実行当日に会ってしまい何もわからないまま実行現場に一緒に行ってしまった女性 そこから逃げる日々 そして出会いいろんな人との生活 この本から読めることは女性は逞しく強い
2投稿日: 2024.08.27
powered by ブクログ彼女の罪は何だったのだろう。 何を書いてもネタバレになりそう。 とにかく濃い本だった。 久しぶりに読んだけどやっぱり桜木紫乃さん好きだなあ。
16投稿日: 2024.08.23
powered by ブクログ2024.7.31 地下鉄サリン事件をモデルにした一冊。 幼い頃から母の厳しいバレエ指導で虐待をされてきた主人公が、ご飯をお腹いっぱい食べたいからという理由で宗教に入ってしまうのが切ない…宗教に入らなくても母と離れて暮らす道はあったはずなのに。 何も知らず事件の実行犯になってしまった主人公の、人生を感じた。 捕まらなかったのではなく、見つからなかっただけ。
1投稿日: 2024.07.31
powered by ブクログこの物語に登場する女たちは、みな少し怖い。 心の深くに隠しているつもりの強欲さが、優しい顔をして迫ってくるとでも言うか、さらっと怖いことをしてくる。 少しズレた女たちは、桐野夏生さんの作品か?と勘違いしてしまうほどだった。 カラスウリは、花を咲かせた後は上に伸びていた蔓の一部が地面に向かって降りていき、新しい塊根を作るという。 蔓を伸ばし、陰に隠れていたカラスウリの啓美は、花開いた後どうなるのかと想像し本を閉じた。
1投稿日: 2024.07.31
powered by ブクログある教団をモチーフに 幹部信者に何も知らされず逃亡し 気が付いた時には教団のテロ犯 として指名手配されていた女。 最初はバレリーナとして母親に期待 され又支配もされていたが、その支配 から逃げ出し居場所を求めて光の心教団 に18才で入信する、そこでは何も求めず 全てを教団に捧げる日々。 何も教団では考え無いくてもいいのだ。 だか教団は事件と共に解散し 岡本啓美は岡本啓美では無くなり あんなに嫌っていたバレエが身体に染み付き 人生の根幹といつしかなっていた。 教団は光など無い事を知り、逃亡生活で 人との不思議な縁や忘れえぬ男との愛 そして子を授かり産んだ。 てもそれは岡本啓美としての人生の 一部では無く、名前の無い女の幻 の人生だ。 それでも最後に、女は忘れていた 岡本啓美という名を呼ばれ返事を した。 岡本啓美はこれからどんな人生を歩むのか。
0投稿日: 2024.07.26
powered by ブクログ渋谷で起きた新興宗教団体による毒ガス散布事件。実行犯として教団幹部の男と共に指名手配された岡本啓美は、名前や容姿を変え、17年に渡り発見されずにいた。だが、彼女は事情もわからず連れ回されただけで無実だった。 彼女の生い立ちや入信の理由を絡ませながら、なぜ出頭しなかったのか、どのように生きていたのかを丹念に描いていく。 新興宗教+毒ガスと来れば、あの事件がすぐに思い浮かぶ。まあ参考にはしているとは思うが、直接の関係はなさそうだ。 啓美の言動には、ちょっと理解に苦しむ場面もちらほらあったが、彼女の選択したことなので仕方ない。17年という時間は、決して無駄ではなかったと思いたい。
1投稿日: 2024.07.21
powered by ブクログオウム真理教をモチーフにした内容 事件現場に居合わせただけなのに、主犯として指名手配される主人公の逃亡劇を描く
0投稿日: 2024.07.21
powered by ブクログ新興宗教団体の無差別テロの加害犯となった岡本啓美。 何も知らないまま犯人とされ啓美は逃亡生活を始めた。 結末は冒頭で明かされるので、小説では啓美の心と身体の変化や、啓美を取り巻く環境の激変に否応なく立ち向かう姿に、逃亡者としての覚悟が力強く印象に残る。 桐野夏生「OUT」を彷彿させる女性作家の残虐描写は、読み手を強引に物語に引き摺り込む力があった。
0投稿日: 2024.07.12
powered by ブクログ表紙とタイトルとは想像がつかないストーリーだった。 途中、目を背けたくなるような場面があったり、なぜ逃げるの?という内容であり、書く人によっては陳腐な作品になりそうだが、骨組みというか描き方や文章がしっかりしていて違和感なく楽しめた。
0投稿日: 2024.07.04
powered by ブクログ途中、ちょっと想像したくないシーンもありましたが、比較的サラリと書かれているので、なんとか乗り越え、大した罪でもないのに、ずっと逃げ続けた理由が、最後になってやっとわかったというか、なんとなくかもしれないけど、理解できた気がする。途中から文章に引き込まれ、一気に読めました
0投稿日: 2024.06.26
powered by ブクログ主人公の啓美は、所属する新興宗教団体が実行した無差別テロ殺害事件に伴い、偶然のなりゆきから実行犯の幹部男性と逃亡することになる。実行犯とともに逃亡した、という理由でその事件の関与を疑われ、指名手配されるにいたるのだが、啓美自身にとってそれはあずかり知らぬ出来事であり、事件自体も逃亡の過程で知ることになる。 であるならば、早めに出頭して、(信じてもらえるかどうかはわからないところはあるものの)事件には関与しておらず、身の潔白を訴えるのが定石だろう。しかし、彼女が選んだ道は、名前、居住地を変えながら、他人としての人生を歩むことだった。 あらすじだけからすると、サスペンス的な逃亡劇を予測するが、いい意味でその期待は裏切られる。啓美自身の逃亡に関する不安、心の揺れはある程度描かれるものの、この物語の核は、いくつかの逃亡先で出会った人々との、はかないが大切な関係性に置かれている。つまり、彼女が指名手配されている逃亡犯と知りながらも、おそらくは無実であるととらえ、かくまい、ともに生活を送る、あるいは利害関係から関わっていく、そうした人物たちとの交流を通し、無実にも関わらず逃亡し続けた、その理由が浮かび上がってくるのだ。 主人公の逃亡の年月とともに変化する、あるいは変化しないところもある、その心の動きを追うことによって、静かな感慨がわきおこってくる、そんな物語だ。
0投稿日: 2024.06.23
powered by ブクログ罪を隠しながら毎日怯える日々ってどんなだろう。 自分に生まれたからには自分の人生を歩みたかっただろうな。
0投稿日: 2024.06.07
powered by ブクログ記憶に残る事件を背景に 渋谷駅で毒ガス散布事件が発生 実行犯は宗教団体の幹部 何も知らずに同行させられた彼女 この日から無実の彼女の逃亡劇が始まる 17年という月日が流れ、最後に掴んだものは… 彼女は逃げる必要がなかったのかもしらない でも、逃げるしかなかった…
0投稿日: 2024.06.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
表紙画も良かった。 ヒロインいっぱいと、感じました。 プロローグであの大事件を思い起こさせますが。 いやいや、ちっとも逃亡劇というより。 日常を、生活を感じられて。 すごくいー本に出会えましたぁ。 半醒 光の教団に入信した啓美 光野現師と呼ばれる教祖。 幹部の貴島。 教団の事はすでに受けて側アタシ達のそれぞれの染み付いているからか。 削ぎ落とされていても、ストーリーに違和感なく。 まず、そこも良くって。 母と娘 新潟で新しい家族と暮らしている父の元へ。 啓美と同じようにバレエを習っている異母妹のすみれ その母みどり 暴力を振るっていた父… 鬼神町 スナック梅乃 鈴木真琴と名乗って。 ワンウェイとの出会い。 技能実習生、残留孤児と… カラスウリ カラスウリの種を埋める。 悔恨の記 歯科医のタコちゃん 貴島の自殺 新潟の風間家との同居 産声 山口一とりり ルナちゃんの出産 罪の名前 山口はじめとりり ジョーとネズミ男 結婚写真 ゆだねられる罪の名前
2投稿日: 2024.06.02
powered by ブクログここ最近読んでいる本、偶然バレエダンサーが登場するものが続いている。 なんだか不思議なめぐり合わせ。 宗教団体が起こした毒ガス事件の実行犯と一緒にいたことで、17年も逃げ続ける事になった啓美。 なんでこんなことになるの?と読んでいる方は思うのだけど、当の本人はどこか飄々として達観した様子。 バレエの英才教育を受けていた時、教団にいた時、逃亡中…なかなか壮絶なんだけと、それによって性格が歪んでいないのがすごい。 だから、助けてくれる人が要所要所で現れるんだろうか。 素直さ純粋さを持ちながら、時に欲望には貪欲で、優しさと冷静さも併せ持っている… 逃亡劇を楽しむというより、啓美という人物そのものがが気になって読み進めた感じだった。
38投稿日: 2024.05.28
powered by ブクログオウム真理教の凄惨な事件思い出し、途中で断念。中にいた人間には、それぞれの事情があったのだろうけど、それではすまない。
1投稿日: 2024.05.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
まことのごとく頼もしく蔵匿なり隠避なりしてくれるなら、そりゃあ現実に逃亡も可能だろうね。そんな人はいるわけないけど。梅乃さんだって利害関係が一致したとはいえ、啓美の正体を知りながら囲ってくれるし。さすがに貴島の遺体処理を堂々とやってのける彼女らはなんとも…。ホント恐いもんなしだ。みどりとすみれのサポートも含めて、こんなに恵まれた人びとと出会い続ける逃亡者は幸せです。読み始めは、フィクションとはいえどもあの真理教のK氏の手記にもとづいているのかと思っていたけれど、これはあり得んのでしょう。捕まるのが惜しい。
2投稿日: 2024.05.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
逃亡を続ける主人公ではあったが、人の暖かさや真面目に生き慎ましい生活の中に見いだす幸福、大切な人とすごす愛に満ちた時間などなど 胸が熱くなる場面になんともやるせなさを感じた。罪を逃れることが人生そのものになって偽物の自分と向き合うツケが悲しいほどに大きくなっていく様が本当に悲しかった。 だけど、彼女は幸せだったのではないかと思う。 バレエを通して人生の凄みを感じたし、宗教のむなしさを痛感した。
10投稿日: 2024.05.22
powered by ブクログ桜木紫乃さんの女の生き様を描いてきた作品の中で1番ストレートに「なんで」という1人の主人公の思いが伝わってきた。カルーセル麻紀さんの二部作もズシっときたけど、本作はもっと評価されて良い大作と思う。悲しい生き方だけれど悲惨ではない、そんな読後感でした。
12投稿日: 2024.05.21
powered by ブクログ「桜木紫乃が描くオウム事件逃亡女性犯」ということで、もっとダークでノンフィクション的な内容を勝手に予想していたが、やはりそうではなかったです。 家族の愛情に恵まれず、逃げるように出家した女性が、意図せず逃亡犯となる。他人の名前で、血のつながりや縁のつながりの細い糸を紡ぎながら生きて行く。いつも冷え冷えとした心と、時に熱く思い焦がれる無口な男の存在。 社会からこぼれ落ちてしまった人々にも、縋りつかなきゃいけない大事なものがある。
2投稿日: 2024.05.11
powered by ブクログ桜木紫乃にハズレなし。 事件前の姿(想像)が、事件後変貌した後の姿に入れ替えることが出来ず、イメージが膨らみにくかったが… みどり親子と交流していた時間が、好き。 ワンウェイの姿も、思い浮かばず…実写化で演じるとしたらだれなのか、まだ決められない。
1投稿日: 2024.05.10
powered by ブクログ考えてみれば、桜木作品は意外なほど読んでいなくて、久しぶりに手に取ったものでした。モデルは誰もが思い浮かべられる事件。ヒロインの時間と共に変化する心の揺れ動き、逃亡中とはいえ、常に誰かと生活を共にしていることが、とてもリアルに感じました。 2024/3/28読了
2投稿日: 2024.05.09
powered by ブクログ教科書に載るほどの事件をモデルに書かれたことがすぐに分かります。 報道を知った時のショックもあったので、最初は思ったように読み進められませんでした。 最初から終わりに向かっているようなストーリーでした。 主人公に限らず登場人物は優しさや思いやりのようなものを見せるのですが、ギョッとする様な冷徹さや計算高さも併せ持っていて、そこが私的には人の味わい深さを感じました。 桜木紫乃さんの文章は私は好きですが、この本は桜木さんファンでも好き嫌いが別れそうだなと思いました。
11投稿日: 2024.05.05
powered by ブクログズルズルっと 初めは数ページ読んでおいていたのですが、読み始めたら最後までズルズルっと読めました。人にはそれぞれの人生があり、誰がどのように生きてきたのか、本人から聞いてもそれが真実なのか嘘なのか分かりません。自分が真実だと思えることが真実で嘘だと思うことは嘘なのでしょう。桜木柴乃さんの本は初めて手に取りましたが、今後もどこかで手に取りそうに感じました。 無差別テロの実行犯として追われながら流れていく歳月をドラマティックに描いた作品でした。こういう作品を読むと、自分がどうして生きているのか、生きていてもよいのかなど余計なことを考えてしまいます。様々な境遇で色々な人が生きているこの社会、すぐ隣に誰が潜んでいるか分かりません。でも、そんなことを考えても良いことはありません。疑うより信じる方が心身ともに健康にいられると思います。次は少し軽めの本を挟もうと思います。疲れました。
0投稿日: 2024.05.02
powered by ブクログ渋谷駅毒ガス散布事件の実行犯「光の心教団」の貴島紀夫と当日一緒にいた教団の岡本啓美の17年にわたる逃亡記。 啓美は貴島と別れ一人で実父と再婚相手の住む新潟に行き、そこに匿ってもらい、再婚相手みどりの手助けにより容姿を変えます。 次は2000年、スナック梅乃でママの梅乃の実の孫娘であるジャーナリストの鈴木真琴の名をもらい鈴木真琴として店で働きます。 そこで中国人のワンウエイという男に啓美は出会います。 バレエ教室の教師である母親にバレエの英才教育を受けて育った啓美はそれが嫌で「光の心教団」に入信しました。そこで怠惰な生活を送るようになっていました。 そして啓美の母と父は離婚し、父は再婚しますが再婚相手のみどりと娘のすみれに暴力を振るうようになりました。 そして、スナック梅乃での生活。 ワンウエイとの逢瀬。 梅乃の死。 そして…本当に盛りだくさんな内容がまだまだ続きます。 地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教の事件を想像して読み始めたらこれは桜木紫乃さんによる新たな逃亡するヒロインの物語でした。 わたしの罪はー子を産んだこと。 わたしの罪はー生まれた子に名を与えなかったこと。 わたしの罪はー忘れられぬ男に出会ったこと。 逃亡生活でも、これだけの人生が生まれるものなのですね。
118投稿日: 2024.05.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
犯した罪は出頭しなかったこと ずっと逃げ続けたこと 「私は逃げていたわけじゃない、見つからなかっただけ」って、なんて図々しいと思ったけれど、ラスト近く、ふと、本当にふと、「パパ、ごめんね」とつぶやくのが切なかった ページを戻してもう一度プロローグを読み返す どうしてヒロインだったのか、誰がヒロインだったのか、わからないままでいる自分がとても心許ない
1投稿日: 2024.04.24
powered by ブクログまた親ガチャ失敗の話かとうんざりしながら読み出したが、オウムと『八日目の蝉』を合わせたような話だった。 人気本なので人物もよく書けてるし、展開も面白かった。 あっさり読めた。
0投稿日: 2024.04.18
powered by ブクログ自分の思いを持つことすら許されず、何かを信じることがどういうことなのか分からないまま、流されるように生きる。 この作者は、そんな人を目の離せないような危うい魅力を纏わせて描く。 そして、そういうあなたはちゃんと自分の意思を持って、何かを信じることができているのかと問われているような気になる。 親がつけてくれた名前があり、戸籍によって身元を保証されている。それだけで自分の居場所が守られていると疑わずにいるけれど、それは本当に間違いないんだろうか。 自分自身の手で得た居場所を、自分自身の手で捨て続けざるを得なかった主人公に、哀しみと、なぜか憧れのような、複雑な思いを感じてしまった。
1投稿日: 2024.04.16
powered by ブクログ見つかってほっとしたような、このまま山口一(このも偽名)の妻山口りりとして介護施設で働いて逃げ続けて欲しかったような…。 でもプロローグは捕まるところから始まっているからわかってはいたんだけど、どこでどうなってそうなってしまったのかがいろんな展開をしながら飽きずに興味深く読んだ。 教団に入ったことが罪なのか(バレエの英才教育を受けるも花開かず毒親の母に暴言吐かれ叔母に誘われて行ったセミナーでここが居場所だと思ってしまったのもわかる) 何も知らず貴島についっていって渋谷で毒をまいたのをあとから知ってそこから長い逃亡生活が始まる。 岡本啓美(本名)はすぐ出頭して事情を説明すれば良かったのか。 変に機転がきいて生き延びる生命力が強くて、強運だったのが災いしたのか幸いだったのか。 スナック”梅乃”で鈴木梅乃の孫の鈴木真琴として店のママをしながら暮らしていけてれば… でも梅乃が癌で死んでから雲行きが… ほんとうの孫の鈴木まことが(この人がなりすましを提案して祖母の梅乃も納得済みで匿ってくれていた環境) 指名手配犯の貴島と同棲して貴島が自殺しその遺体を解体し 実家に’梅乃”の床下に埋めたこと、死体損壊で(しかも指名手配犯を)これはじゅうぶん罪になるでしょ。 その後も中国人のワンウエイに熱をあげてからどんどん深みにはまって安住の梅乃を離婚した父親の再婚相手のみどりさんと異母兄弟のすみれに譲って、出ていくことに。 このみどりさんってのがすごく頭がいいといおうか処世術に長けていて”梅乃’を若い女性に人気のある店に変えていったそう。 「床下には配管工事とかの人を入らせないほうがいいですね」とあんにわかってる感じだし… そうそう啓美の父親は離婚してみどりと再婚しすみれが生まれて平和に暮らしてると思いきや、すみれがバレエに興味を持ち始めたた途端、みどりやすみれに暴力を振るうようになった最低の男。後半ではみどりはやっと離婚ができてすみれのバレエの世界でいいとこまでいく。 山口はじめとなる男は啓美が自殺しようとしとこを助けてやった男性。 寡黙で素朴な男、昔の同僚のネズミ男が啓美の正体に気づいて賞金を山分けしようという誘いにも乗らず一生自分が守るって誓ってくてた男。 この男性の気持ちを思うと啓美はこの男に抱かれてる時も ワンウエイのことを想っていたことが罪なのか、 ワンウエイの子どもを闇で産んで、すぐ(自分の戸籍はつかえないから)鈴木まことに託したのが罪なのか。 読み終えてどっと疲れたけど、もちろんオウムのことがヒントになったんだろうけど、いろいろ気持ちが揺さぶられた小説だわ。
1投稿日: 2024.04.14
powered by ブクログ無差別毒ガス事件、カルト宗教問題、家庭内暴力、技能実習生制度問題、犯人隠匿、死体遺棄、無戸籍問題など、社会問題を複雑に絡み合わせて詰め込んだ小説。 厳しい母親から逃げてきた先が、カルト宗教の教団施設。その団体が起こした無差別毒ガス事件に意図せず巻き込まれてしまった主人公が、本来は無実であるのに犯人として逃亡し続けるもの。 中心にあるのはカルト宗教問題ではあるが、社会で悪とされる問題をこれでもかと詰め込んでいる。ここまで絡めなくても小説としては十分成り立つと思うのだが、作者を突き動かす何かがあったのだろうか。 本人も無実であるとわかっているのに、別人に代わりながら逃亡を続けるというのはなかなか共感しづらい。何故自首しなかったのだろう。逃亡小説であるが故の重さがあり、読んでいても救われるところが見出しにくい。 このタイトルは、主人公がバレエに関わっていたことからきているのかもしれないが、逃亡劇にこのタイトルか。。。とどうしても違和感を感じてしまう。
0投稿日: 2024.03.29
powered by ブクログ初めは、宗教の本と思ったけど、読んでいるうちサリン事件を思い出した。17年間岡本裕美は名前を変え生き延びたがこんな人生があるのかと思った。愛する男に出会い、子供を産み、子供に名前がない,友人であったまことの思う人生に振り回されたような気もする、裕美は自分を隠すためには仕方がなかったにせよ、ずいぶん嫌な思いもし,悪いことをしていないような気がするけどいろいろな手助けをした、世の中の仕組み仕方がない。
1投稿日: 2024.03.28
powered by ブクログ読み応えのある一冊。 誰にも共感できないし、心のうちを理解することもできないけど、興味深く面白かった。 ただ個人的にグロい系が苦手なので一部そんな描写が出てくると印象が強すぎて本半分のイメージがそこに持ってかれてしまう。こういう内容は年に数冊しか読めないなぁと再認識。
1投稿日: 2024.03.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
前回読んだのは 直木賞をとった作品「ホテルローヤル」 桜木作品は2冊目読了。 カルトな宗教団体に身を置いていた主人公 岡本啓美(ひろみ) 知らぬ間に毒ガス散布事件の実行犯として指名手配されてしまう。 訳もわからず警察に追われ 逃亡生活を送る啓美。 偽名を使いながらも 社会に出て 人の温かさや汚さ、強さに出会いながら 宗教団体に逃げ場を求めた過去の自分と向き合っていく。 前回の「ホテルローヤル」でも思ったのだが、 人の隠された心の機微を繊細に描いていく表現力は凄い。 ただ 無実の罪で逃亡犯にならなくてはいけなかったにしろ (あまりにも自分の身を闇に落とし過ぎだろう)と 納得できない部分もある。 逃亡生活の中で出会った父の再婚相手のみどりと 匿ってくれた梅乃さんは強くてかっこいいと思った。 「ヒロイン」という題が意味深で 自分ではない誰かを演じる自分のことなのか 小説に出てくる女性たちのそれぞれの生きざまを指しているのか。 なかなかおもしろい作品でした。
0投稿日: 2024.03.14
powered by ブクログ読み始め、桐野夏生かと思ったよ。そんな感じだよね。OUTっぽい話も出てくるし。 全体的に面白いとは思うのだけれど、共感というか没入できないのは、 やっぱり、彼女が逃げている理由が理解できないから。 見つからなかっただけ・・・というのは分かるけれど、 事件から落ち着いたときに、自首することを考えると思う。 もっと分からないのは、まこと。 主人公は無罪だろうけれど、まことは完全に蔵匿罪にさらにさらにだし。 鈴木ルナちゃんは、ああって感じ。鈴木だし。 啓美が気付いているのかどうかは分からなかったけど、すごく鈍そうだから気づかなそう。 タイトルは、意味は分からなくはないけれど、ぜんぜん合ってないと思う。 桜木さん、「ラブレス」「ヒロイン」とか、いまいちのタイトルがたまにあると思う。
1投稿日: 2024.03.14
powered by ブクログ新興宗教の起こした白昼のテロ。 なにも知らないまま巻き込まれた末端信者が 長い逃亡生活の果てに見つけたものは…。 読み応えずっしり。 本人は勿論その周りの人びとそれぞれのその後が気になる。
0投稿日: 2024.03.11
powered by ブクログ逃亡劇ロードムービー。追い詰められた主人公の、捨て鉢で純粋で達観した生真面目さが好ましくて、着地点が気になって一気読みした。キャラ立ちしている登場人物の中でも、みどりすみれ母娘の逞しさが得体が知れなくて不気味で怖かったし、ジョーさんの弱さや不器用さが憐れで、報われない健気さに感情移入してしまった。
0投稿日: 2024.03.08
powered by ブクログあらすじから、何もわからず巻き込まれて悲劇の逃避行をする少女の話かと思ったら、ヒロイン強いぞ????なんかしれっとするっと力強く生きてるぞ??お金の問題とか戸籍がなくて…とか言うところに全然触れてない。逃避行って実際どうなんだろう?したことないから分からないけど、戸籍とかなくても意外といけるのか? あと教団からの離脱もしれっと流してて、悩みとか葛藤とかなかったのかな?って思ったけど、この主人公ならないかも。
0投稿日: 2024.03.01
powered by ブクログ地下鉄サリン事件をモチーフにした一人の女の数奇な人生。毒親から逃れ宗教へと人生の舵を切った主人公。あずかり知らぬところで毒ガス殺人事件の実行犯とされ、17年間に及ぶ逃亡劇。女の業、人の業、血を吐くような心理描写に圧倒される。周りの人に恵まれた逃亡劇ではあったけれど、その終わりが近づくにつれ、これで楽になれるかもしれないねと寄り添いたくなる気持ちになった。面白くて一気読み。
2投稿日: 2024.02.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かった。 最初が最後につながっていった。 サリン事件がモチーフなんだろう。 誰かになって逃げる。 こんな風に逃げ延びる事ができるのかと不思議に思う。
0投稿日: 2024.02.20
powered by ブクログ1995年の3月に渋谷駅で起きた毒ガステロ事件。「心の光教団」が起こした事件である。その後、実行犯の男と女が指名手配されたが、行方は杳として知れなかった。男はほんとうに実行犯だったが、女はその日たまたま教団施設を出るところだった男に出会ったために連れて行かれ、詳細を知らされぬまま連れまわされていたのだった。その女のその後の人生の物語である。名を変え、棲み処を変え、髪型や化粧や体型を変えて、ひっそり暮らしてきたが、逃げているという感覚はなく、見つからなかっただけだと思っている。どこで間違ったのか、どこまで戻れば幸せになれるのか、わからないことだらけの日々だが、その時々で慎ましやかなしあわせを感じることもあったのだった。誰が悪いのか、何が道を狂わせたのか、考えても報われない物語ではある。
1投稿日: 2024.02.20
powered by ブクログ面白い。冒頭からあの事件をベースにしてはじまるので引き込まれる。が、新潟からは独自の物語としてスタートする。 後半は主人公の恋愛に感情移入できなかったためダレたが、自分のアイデンティティを紆余曲折しながらも生き延びる主人公が面白い。 親子関係の確執や救われたり救われなかったり。人生って面白い。 著者の独特な文体表現があって、一瞬読みながら?となるけど、読み返して意味がわかるのが、特徴的でいいムラ。
4投稿日: 2024.02.17
powered by ブクログ2023年初版。もちろん、オウム真理教の地下鉄サリン事件をベースにしたフィクション。17年に及ぶ女の逃亡劇。女たちが主役。母からの呪縛から逃れようと宗教に辿り着いた主人公が、指名手配を受ける。意図せぬ指名手配。流れ流れて17年。いろんな女たちに影響されながら生きる主人公。いつも怯えながら生きることは、どんなことなんだろう。先日、自ら名乗り出て死んだ桐島容疑者の心中は、どんなものだったのか。読後感は、ありきたりではありますが男は弱く、女は強いということでしょうか。
25投稿日: 2024.02.15
powered by ブクログ逃亡犯はこんな風にして助けられ、助けながら生きているのかも。 桐島聡の約50年の日常はどうだったんだろう。
26投稿日: 2024.02.15
powered by ブクログ17年間逃げ続けた逃亡犯。 17年間役を演じ続けたヒロインなんだろう。 みどりと梅乃の生き方が魅力的。 桜木紫乃ワールド大好き。
2投稿日: 2024.02.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
オウムを彷彿とさせる宗教団体の犯罪に巻き込まれ指名手配までされた主人公の逃避行。名前を変え別人となって生きる主人公がどうも好きになれず、でも流されているようでしたたかに自分勝手に生きる彼女が気になって一気読み。スナックの梅乃さんの人生の終い方は素敵でした。 オザワミカさんの装画が素晴らしい。
1投稿日: 2024.02.04
powered by ブクログ同僚から推薦された小説でしたが、いまいち主人公に感情移入することができず、作品世界に浸かることができませんでした。 タイミングが悪くその場に居合わせたことから、地下鉄サリン事件をモデルとした「事件」の実行犯として指名手配された主人公は、「逃亡生活を続けよう」と強く意識しているわけではありませんが、その時々に応じて環境に流され、あるいは環境を利用しながら17年間の逃亡生活を送ります。 彼女の育ってきた環境や、事件当時、またその後におかれた環境には同情できる部分もあるのかもしれませんが、場当たり的に過ごしているその生き方には違和感を覚えましたし、もっと真摯に対応することができたのではないかと思います。 「指名手配」という状況や、忘れたころに正体がばれる危険が迫る場面など、適度に緊迫感があって楽しめるところもありましたが、彼女の「罪」とはなんだったのか、という作品の根本的な問いとその答えも、あまりピンときませんでした。
1投稿日: 2024.02.04
powered by ブクログ本作の主人公・岡本啓美は宗教団体「光の心教団」によるテロ実行犯として指名手配され、17年間潜伏しながら逃亡している。啓美と共に逃げているような気持ちで読み耽っていたところ、似たような現実のニュースが飛び交った。70年代の連続企業爆破事件で指名手配されていた桐島聡容疑者(70)とみられる男が名乗り出たというのだ。驚いた、事実は小説よりも奇なり! 小説の主人公・啓美の生き延びる強靭な姿勢を思いながら、死亡してしまった桐島聡容疑の暮らしぶりを想像した。架空の存在で罪を犯してはいない啓美との比較は簡単にできないのだが、逃亡時間の長さと男と女の違いもあるような気がしてならない。啓美が単に逃亡者としてのみ描かれずに、普通に生きる一人の人間としての悩みや苦しんでいる姿とだぶり与したくなる。出来る事なら捕まらずに生涯を閉じさせてあげたかったと願うのは、理に外れている? ブクログさんのレビューの中に、どうしてタイトルが『ヒロイン』なのという疑問が書かれていた。彼女はバレエ教室を営む母親に幼い頃から生活を厳重に管理され一流のバレリーナとなるべく育てられている。啓美は逃亡中に自分とは違う人物に成りすましながら歩んできた。つまり与えられた役を演じていたヒロインだったということだろう。
28投稿日: 2024.01.31
powered by ブクログオウム真理教の地下鉄サリン事件をモチーフに、指名手配された女性を描いた作品。 興味深くてズンズン読めた。 桜木さんの良さも存分に出ていて、とても良かった。 プロローグに結末を持ってくる構成がいい。 空想の物語はどこかふわっとして薄っぺらい印象になりがちだけど、今回の作品は実在の事件があるからリサーチした感じがして、物語に厚みがあるように感じた。
2投稿日: 2024.01.19
powered by ブクログ殺伐とした荒野のようだ。常に安息の地がない女の17年の物語。桜木ファンなので面白いのは大前提だが、ここまで実在の事件と登場人物をモデルにしているのならもっと社会派寄りにするか、いっそモデルはない方が頭を空っぽにして没頭できたような気がする。過去の名作揃いの桜木作品のなかでは個人的好き度は普通かなぁといったところ。とはいえ要所要所で鳥肌が立つくらい印象的なシーン、名台詞があって流石の流石だ。いつもながら逞しい女性陣が光っていた。
1投稿日: 2023.12.31
powered by ブクログぐいぐい物語の世界に引き込まれていきました。 それにしても、作者の描く男性はどうしようもなく弱くてマゾコンっぽい。 反して女性は逞しく強い。そして狡い。 空恐ろしい世界を垣間見た感じがした。
1投稿日: 2023.12.30
powered by ブクログオウム真理教地下鉄サリン事件を基にした作品なのだろう。人は何かを信じることで救われるのか。信じるから足を掬われるのか。自分の芯を持てば、自分の好きなように生きられるのではないか。自分の生き方をいろいろと考えるきっかけになった。
0投稿日: 2023.12.23
powered by ブクログ桜木紫乃さんやっぱりおもしろい。 宗教団体の中、男性との関係、母親との確執、人との関わり、沢山の事を考えそして感情移入。あっという間に読了。
1投稿日: 2023.12.20
powered by ブクログ※ 宗教団体が起こした無差別テロ事件、 内容を知らず実行当日に同行した女性信者が 辿った逃亡人生の物語。 事件後、逃亡過程で主人公が宗教団体に 入信した理由として家庭環境が挙げられ、 その中でも母親との支配的な関係からの 解放を求めた反抗心が挙げられている。 けれども逃亡中、主人公は世間の目を欺く ために姿形を変えては、その状態を保つために 幼い頃から染み付いた一つの習慣の動きとして、 体の節々と筋肉を伸ばし、緩めて体調を整える。 それを見ていると母親への反発心と同じぐらい、 受け継いだものや拠り所になっているものが 心の奥底にあるように思えて愛憎の曖昧な 境目を感じる。 団体の末端にいた主人公には、内部事情や 事件の核心は知らなかったかもしれないので、 偶然実行に関わってしまった点は確かに同情心が 湧くが、その後の逃亡生活の中で周囲への 図々しさや気持ちの向くままの行動には どうしても眉を顰めてしまう。 冷めた味方かもしれないけれど、 哀れに思う共感より身勝手だと感じてしまった。
10投稿日: 2023.12.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み応えのある本だった 啓美にどんどん感情移入してしまっていた 逃げるばかりの人生の中で女の幸せも望んでしまう それがどれだけ周りに迷惑がかかる事かも考えないといけない 引き返せる時はあった でも貴島の死によって引き返せなくなってしまった どれだけ逃げても幸せにはなれない せめて出所した後にジョーが待っていてくれたらなぁ まことと子供にどんな形であれ再会できればなぁ…
2投稿日: 2023.12.17
powered by ブクログ教団の幹部と行動を共にしていただけで、特別指名手配犯になってしまった啓美。逃亡生活の中でも誰かしら手を差し伸べてくれるのはすごいと思った。
7投稿日: 2023.12.16
powered by ブクログ'95年の地下鉄サリン事件から17年後に逮捕されたオウムの「走る爆弾娘」な菊池直子を連想せずにはいられないお話。 切ないし、救いがない。これもカルト宗教の負の側面の一つなのか。 桜木さんの筆力が発揮された作品でした。
0投稿日: 2023.12.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ヒロインが逃げるお話し大好き。 犯罪を犯した実行犯の信者の話は まあありがちだけど 一般の信者のその後みたいなものは あまり読んだことなかったから興味深かった。 なにもかも手放して出家したのに そこから放り出されたらどうなるのか… 主人公は周りの人間にまだ恵まれていて 逃避行にそれほどヒリ付くものはなかったが 両親や子供との葛藤は読み応えあった。
0投稿日: 2023.12.15
powered by ブクログオウムにも彼女のように巻き込まれた女性がいたかもしれないな、と思う 行く先々で希望の光に会いながらも名前を変え逃げ続けた啓美がいつか啓美に戻れる穏やかな日が来ますように
1投稿日: 2023.12.12
