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ヨルノヒカリ
ヨルノヒカリ
畑野智美/中央公論新社
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総合評価

193件)
4.2
63
90
26
2
0
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    一般的・平均的に見えても実際はそうでないこともあるし、世間一般の形が正しいなんてなくて、そこに焦りや嫌悪を感じずに、2人や家族のペースや考えで幸せの形を築いていけばいい。それぞれの葛藤を描きながらもヒカリと木綿子さん、そして周囲の成瀬くんや司さん等登場人物が皆愛に溢れ優しく見守ってくれ、温かい気持ちになれる物語でした。

    1
    投稿日: 2025.11.03
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    恋愛感情を知らない木綿子(35歳)と幼いころから孤独だった光(28歳)。光が住み込みで木綿子の家に住むようになる。 ともに生活は出来るのだが、感情に名前がつかない日々が続く。過去のしがらみや他人の視線。 そんなものはどうだってよかった。ただ一緒に居たい、それだけで表せる関係は恋でもなく、新しい寂しさを埋める形だった。 最後まで言語化する必要のない心地よさを感じた。

    1
    投稿日: 2025.10.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    続編があれば読みたい!と思った作品だった。 「多様性」を本当に理解している人(大きな括りに入らない人たち自身も含めて)はあまりいないのでは?と思った。これがグラデーションということなのかなぁ。主人公となる2人がお互いに相手を失いたくない、と強く思うあまりに本音が話せない、というのがすごく「リアル」だなぁと思った。でもほんの少しずつでも、お互いの思っていること、感じている気持ちを話せるようになってよかった。 捨てられても母を強く思う気持ちがすごく切なかった。大切な人を大切にしてずっと一緒にいるというのはすごく難しいことなのかもしれない。

    1
    投稿日: 2025.10.14
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    なぜかはじめ飲食店の話と思っていて、主人公と同じようにまちがえた!と思ってしまった 暖炉の前にいるみたいなきもちになる本

    0
    投稿日: 2025.09.23
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    何か行動を起こした時、馬鹿にするような事を言われたとしても、自分を信じて、胸を張り行動し続ければ、次第に自分を理解し、応援してくれる人だけが残り、そのうち、自分のいるところが真ん中になる。 人と人との関係性を改めて考えさせられる小説。

    6
    投稿日: 2025.09.23
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    なんか好きだ〜この作品 初めての作家さんだけど静かで優しい文章 手芸好きのわたしが表紙の可愛さに借りた作品 恋愛感情がわからない木綿子は誰にも知られないように生きてきた。おばあちゃんの後を継いだ手芸店で好きな物だけに囲まれた日常は平和だけど寂しさに耐えられないとも感じている。 そんな時求人募集の張り紙を見てやって来た夜野光は住み込みで働くことになるのですが、それは周りの人達には理解できない2人の関係で… 光の育ってきた環境が悲しいの。゚(゚´Д`゚)゚。 光も自分の感情を出さずに生きてきたから 木綿子と光の関係はゆっくりゆっくり進むし悲しい程焦ったい。 でも内容が暗くならないのは文章が優しいからなのか? ネグレクトや多様性の話は正直満腹気味で最近あまり読む気になれなかったけどこの作品は良かった! 畑野智美さん他の作品もぜひ読んでみたい♡

    45
    投稿日: 2025.09.15
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    一人で生きて来た二人が出会いだんだんかけがえのない人になる 恋愛がわからなかったり母親から捨てられたりいろいろあっても少しずつわかり合っているのが良かった

    0
    投稿日: 2025.08.28
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    優しい世界観のとても好きなお話でした。 恋愛ものというのも違う気がする。でもひかりくんと木綿子の距離が少しずつ近づいていく感じ、お互いをとても大切に思っている感じ、その空気感がとても心地よかった。 不器用なふたり。普通に生きたことがないひかりと恋愛がわからない木綿子(アセクシャルというのかな)。幸せの形は、周りからはわかりやすくなくても、ふたりだけの形がある。恋人とか夫婦とか決まった形ではなくても、お互いにとって唯一無二の存在。お互い大切過ぎてなかなか本音が言えなかったね。 ふたりの幸せがずっと続いてほしい。それぞれに孤独だったふたりがめぐり合えて良かった。幼少期からの過酷で孤独な環境で過ごしてきたひかりくんがやっと居場所を見つけて、本当に良かった。木綿子にとってもね。ひかりをずっとそばで見守ってきた親友の成瀬くんも良かったな。 文章の感じ、静かな空気感がとても好き。舞台が手芸店なのも良くて、心が癒されました。

    8
    投稿日: 2025.08.27
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    あまり期待せず読んだのだけど、良かった。 淡々と進む文体だけど、ひかり君の過去の話には苦しくなる。 きゅっと抱きしめてあげたくなる。 自分の子供が同じ思いをすることのないように。 子どもたちが自分の気持ちにふたをしてしまうことがなるべくないように。 と何度も思った。

    0
    投稿日: 2025.08.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    それぞれ事情を抱えた男女の同居生活。 ほっこりして良い話と思っていたけど、終盤の暴力と相手への謝罪なしはダメだなと思った。 理由はどうあれ暴力はダメ。

    0
    投稿日: 2025.08.10
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    手芸店の店主木綿子は35年男性と付き合ったことがない。住み込み店員として同居することになった光は、今は亡き母を待ち続けながら大人になった。… 前回読んだ「世界のすべて」にもアロマンテイックの人が登場していた。多分木綿子はそれではない。とは言え恋愛に臆病になっているから自分の感情に素直になれていない、ひかりくんへの想いは恋以外のなにものでもない、なんて決めつけはいけないのだろう。 関係性に名前をつけてしまいがちだけど、人それぞれでいい。お互いが自分らしくいられたらそれでいい。 素敵な人がたくさん登場した作品だった

    1
    投稿日: 2025.08.01
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    手芸店の雰囲気がとても良くて、私もこんな手芸屋さんで、またものづくりをしてみたいなと思った。 そして、ひかり君と木綿子さんの関係性がなんとも心地良くて、恋とか愛とかそういうんではないけど、お互いを大切にできる関係がとても心あたたまり、じーんときた。

    15
    投稿日: 2025.07.31
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    以前に読んだ「世界のすべて」にも、通じているような多様性を意識させられる。タイトルから想像つかなかったけれど、日常のごはん描写がたびたびあるので、おなかが空いた…オムライスもクレープも食べたいです(*´﹃`*) 『人と違うから、社会の隅で生きていこうとかも、思わなくていい。…うんざりするようなことを言ってくる人もいるかもしれない。でも、胸を張っていれば、何も気にせずに付き合ってくれる人が周りに増えていく。そのうち、自分のいるところが真ん中になる。』 人と同じじゃないことで、悲しくなったり、苦しくなったりしてしまう。同じである必要はないはずなのに、隣の芝が羨ましくなる。あんなふうに生きたかったなー、どうして私はこんなことになってるんだろう。個人的なモヤモヤフェーズにちょうど差し掛かっていたので、優しく寄り添ってくれて、それはそれは励みになった1冊だった。 2025.7

    59
    投稿日: 2025.07.17
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    手芸の魅力が読者の目に、細胞に、染み渡っていくような作品だった。 手芸だけではなく、料理がでてくるシーンではどんな料理でどんな味のものなのか実際にイメージができるような描写で、猛烈にオムライスを食べたくなって夜ごはんに食べたくらいだった。 名前のない関係性は、世間の目を気にすると居心地が悪く感じるかもしれないけれど、当人同士にとって心地よいものなのであればそれは本当に貴重で素敵な関係なのだと思えた。 手芸が、性別やバックグラウンドが違う人同士をも繋いでいく。人との出会いは色んな形があって、わたしもそんな経験をしてみたいと思った。

    9
    投稿日: 2025.07.04
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    配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=10292696

    1
    投稿日: 2025.06.09
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    こんな感情は私には分からない… でも、ぐいぐいと引き込まれて読破。 自分たちの形を大事にして、生きていってほしいと思いました。

    2
    投稿日: 2025.06.02
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    心がささくれ立っている時に読んだので、この優しい空気が心に沁みた。 子供の時から大変な人生を過ごし、安心できる家族を持てなかったひかり。そして、恋愛に興味の持てず性的なものにも拒否感があり悩む思いのあった木綿子。悩みながらも頑張ってきた二人がお互いの癒しとなるような、温かい居場所ができたこと、本当に嬉しく思った。お互いがお互いのまさに「ひかり」なんだと思った。 司さん、その司さんを理解する家族、ひかりを家族あげて大事にしてきた成瀬家、その成瀬がひかりのことをとても好きであること。心がジーンとした。こういう心が温かくなる小説を読むと本当に幸せだなと思う。

    5
    投稿日: 2025.05.10
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    恋愛という型にはまらないとしても、2人の関係はとても素敵で羨ましくさえ思った。 恋人という関係だったにしても、この2人のような関係はなかなか築けるものではないから。

    2
    投稿日: 2025.05.08
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    誰かと一緒に暮らして、一緒にご飯を食べて、働いて、お風呂に入って、暖かい布団で眠る、信頼し合える相手がどんな関係性であれ1人でも居ることがどれだけ幸せな事なのか、読み終えた後やさしい気持ちになったし、今ある幸せを噛み締める事が出来た。

    2
    投稿日: 2025.05.04
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    前情報なしで読み始めた。畑野智美さんの本は「大人になったら、」に続いてこれが2冊目。 タイトルの「ヨルノヒカリ」。序盤で2つの意味を知る。でもそこからこの物語がどこに向かうのかわかりそうでわからなくて、先が気になって読むのを止められず一気に読み終えた。 呼んでいる途中、朝井リョウさんの『正欲』を思い出した。 多様性って何なのか。普通って何なのか。 わかるような、わかってるような、よくわからない。 日常でも、その感情はたしかに生まれているけど、うまく言葉にできない感覚っていっぱいある。 そんな感覚や、「普通」って感じるものと勝手に比べて感じるもどかしさや不自由さに寄り添ってくれるような物語やなと感じた。 チャンチャン、って終わらず、物語に余白と自由さを残してくれる。自分好みの本やった。

    9
    投稿日: 2025.04.23
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    感想 お互いに何処か足りないところがある、そんな二人が偶然にも出会うことってあるんだなぁ。家族にも色々な形がある。 あらすじ 夜野光は、成瀬という親友の家族に支えられて生きてきた。アパートが取り壊しになるということで住み込みの仕事を探していた。 これまで通りレストランの仕事だと思っていたが、そこは手芸店だった。手芸店は木綿子という七歳上の女性が暮らす家だった。 木綿子は、男性と付き合ったことがなく、ひかりは普通の生活をしたことがなかった。 二人はお互いを大事に思いつつ、恋愛には興味がない。一般常識では一緒にいるために恋人や性的な理由づけが必要なのか?二人は自分たちだけの関係を模索することにする。

    15
    投稿日: 2025.04.06
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    特に盛り上がりがあるわけでもないが、飽きずに最後まで読み続けることができた。文章も読みやすかった。 多様性を認めながら、「恋」とはこういうものという一般論にこだわりすぎている気がする。しかもひかりと木綿子の2人とも。「恋」の形も人それぞれでいいじゃん、と思うのだが、他のことは「人それぞれ」と思えているのに、どうして「恋」だけはそう思えないのだろう。やはり「典型的な恋」をしてみたい気持ちが人間にはあるのかな。映画で漫画でドラマで小説で「恋とはこういうもの」と刷り込まれてしまっているから。 岡村孝子の歌に「幸せなんて言葉があるからそれとわからずに思い出ばかり作るのね」という歌詞があるが、「恋」とか「恋愛」なんて言葉があるから人は迷ってしまうのかも知れない。 言葉は人を救うけど迷わせることもある、ということか。 評価は星3つでもよいが、木綿子さんが魅力的だったので4つにします(笑)

    12
    投稿日: 2025.04.05
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    料理が上手なひかりくん(28)と、手芸用品店を営むゆうこさん(35)。夫婦でもない、恋人でもない、家族でもない、二人だけがわかる微妙な関係が描かれているのが良かったと思います。同時に、貧困や多様性のことも絡めていて素晴らしい作品でした。 一緒に食事をして、お茶を飲んで、働いて、お客さまと話して、お風呂に入って、寝る。 二人がしているそんな生活が羨ましいなと思いました。 料理ができたり、裁縫ができたりと、モノを作るってとても素敵なことだと改めて思いました。 ゆうこさんの『まわりのものが自分の人生をつくってくれている』という言葉は、非常にグッときました。 この本を読んだボクは、小学生の頃の家庭科の授業を思いだし、また裁縫をやってみたいと思っています。 とりあえず、100均コーナーに駆け込もう!

    15
    投稿日: 2025.04.01
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    作中の「人と人の関係性を表す言葉は、とても少ない。そのどれに当てはまらなくてもいい」という言葉が深く刺さった。 価値観に正解はないこと、「普通」は「普遍」じゃないこと、自分の「好き」を曲げないことの難しさとかを説教臭くも湿っぽくもない温度感で描いていて素晴らしい。 あと登場人物も基本的善人だけれど無闇矢鱈に良い人というわけではない実在感をもてるバランスで描かれていて、自分の周りにいる人を思い浮かべてみて「自分も周りの人に恵まれているな」とあらためて思えた。

    3
    投稿日: 2025.03.24
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    恋愛感情を持てない二人の男女の関係がとても繊細に描かれている。周囲の暖かい目に見守られながら、二人の距離が少しづつ縮まっていく様子が好ましい

    3
    投稿日: 2025.03.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2025/3/12 これすごかったね。 すご過ぎてすぐ何か書くって感じでもなかったので日が空いた。 なかなかセンシティブで、ここででさえ語りづらい。 まあもう私は普通からだいぶん零れ落ちたのであきらめもついた。 木綿子の自問自答が私の自問自答にすり替わる。 光君がいていいな。 でも人と真剣にかかわるとしんどいこともあるんよな。 そういうこともキチンとした人が、その分ご褒美ももらえるのだろうな。 親友の成瀬君もすごいよ。 最後の方で木綿子と話したとこ、木綿子に頼んだとこ、あの時に沸いた気持ちはなんだろう。感動に似てたけど。 成瀬と光の関係って紙一重やった気がしてちょっとぞわっともした。 うまく回っててよかった。

    3
    投稿日: 2025.03.21
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    偶然出会った2人が、安心して自分らしく居られる関係になっていく物語。舞台である手芸用品店も素敵な場所。周りの人たちも優しく愛にあふれている。 装幀が物語にぴったり合っていて、しかも自分好みです。

    2
    投稿日: 2025.03.15
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    とても優しく静かな物語だと思いました。 周囲からの、こうあるべきという、幸せになってほしい願いと、自分のそれが違うものだったら。 多様性が叫ばれる時代。お互いを認めましょう、とは言え、現実は今まで生きてきた社会の中で得た価値観が誰にもあるから、難しい。本当のところは本人しかわからない。だから、認めようとしてくれている人が側に居ることは、とても心強く重要だと思う。 2人が、不器用ながら相手に寄り添い、理解しようとするところに胸を打たれ、木綿子が、光を待っていたところはホロリときました。心を開けれる人はなかなか居ない。おじいちゃんや成瀬君、良い人ばかり。 人と同じでないことで悩むのは、大なり小なり誰もあるのではないだろうか。小さな勇気を貰える作品でした。

    28
    投稿日: 2025.03.01
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    特に何かが起きるわけじゃないけど、人の温かさとか、その人自身を自然と受け入れて理解するとか、普通に2人の関係がゆっくり進んでいくところとか素敵やった。何もないけど、2人はどうなっていくんやろうって気になって最後は一気に読んだ。

    2
    投稿日: 2025.02.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「うんざりするようなことを言ってくる人もいるかもしれない。でも、胸を張っていれば、何も気にせず付き合ってくれる人が周りに増えていく。そのうち、自分のいるところが真ん中になる」

    4
    投稿日: 2025.02.16
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    恋人という関係性に固執せず、周りの目は気にせず自分たちの納得する関係性で過ごしていくのもアリだなと思えた。

    3
    投稿日: 2025.02.13
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    台風の日の出来事が、ひかりをいとや手芸店に導き、物語が始まりました。母親が帰ってくるのを待つ夜を何度も過ごし、普通に育てられなかったひかり、28歳。恋愛感情がわからない自分に嫌悪感をもつ木綿子、35歳。自分に欠けたものを自覚する二人が、共に生活していくことを受け入れていく。このことが読んでいてとても嬉しくなりました。ひかりの周囲には、じいちゃん達や成瀬くん一家がいて、木綿子の周りには修さんや司さんがいました。この周囲の人たちがあたたかく2人を支えていたのも、安心感がありました。 生活するのは、信じ合えて、一緒にいて自分が自然体でいられる人とが一番だと思います。結婚や恋愛は必然ではないように思います。恋愛という感情なしで、自分の欠けている部分を話し合いでわかり合おうとすることにとても好感を持ちました。木綿子が祖母から引き継いだ、いとだ手芸店に関わる人達がひかりのことを理解しようとする気持ちもあたたかく感じました。 「普通の生活」をして育ったであろう人が、この物語では正しいことで押しきる感じがして、いい印象を与えてはいませんでした。ただ自分が一緒にいて心地よく感じる人、そして相手もそう思ってくれている人とならば、自然とうまく暮らせるのではと、この物語を読んで思いました。ひとりじゃないって思えることは、生きていく上でひとつの強さになるような気がしました。 なにもしゃべらず雨音だけが聞こえても心地よい暮らしが、これから続いていくといいなと思いながら読み終えました。そして、いとや手芸店が改装したあとの物語も読んでみたいなと思いました。

    33
    投稿日: 2025.02.03
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    ゆっくり読めて献身的で温かい物語だった 重苦しくなるような場面がなくとても読みやすい 割と自分も同じように感じてたタイプだったので妙に納得することが多かった。恋愛体質じゃないしそこに悩んだりもしたここにある"アセクシャルやアロマンティック"の位置になるのかなと でもひとりでは生きられないと思っては失敗したりしてきたし余り考えないようにしてた。少なからず自分みたいな人がいるのは変に安心?してしまった 一般的に普通とされる形を取らないことは難しい生き方で周りの目もあるけど、自分に嘘をついてまでカタチに拘らなくてもいいんだと勇気づけられたと思う 好きなフレーズ引用 誰が白雪姫なのだと心の中で突っ込みつつも間違えていない気がした うんざりするようなことを言ってくる人もいるかもしれない。でも胸を張っていれば何も気にせず付き合ってくれる人が周りに増えていく。そのうち自分のいるところが真ん中になる

    28
    投稿日: 2025.01.26
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    恋とか愛、結婚に向き合えない2人が出会って2人にしか出来ない関係性を作っていく姿がすごく素敵でした。 ヒカリくんの友だちの成瀬くんも自分の気持ちを貫くことでヒカリくんの支えになってるし、周りの人もすごく素敵な人ばっかりでとっても優しい気持ちになりました。 読んで良かったって思える1冊です!

    4
    投稿日: 2025.01.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    木綿子さんの そういう期待は、迷惑でしかないだろう や でも、それは、ひかり君とは関係のないことだ というところから もう二度と泣かないでいいようにしてあげたい とか わたしが彼を守って、生きていくのだ そして これから、ひとつひとつ話していけばいいのだろう ひとりでどこかへ行ってしまわないように、二度とこの手をはなしてはいけない といったところへ着地するまでのことが細やかに穏やかに描かれている。心地よいお話だった。 マジョリティだマイノリティだというよりも、ひとつの関係性をていねいに紡いでいく感じが良かった。

    3
    投稿日: 2025.01.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分のことを大事に思ってくれる人のことを考えて、生きていきなさい。それで、自分のことも大事にしなさい。 どんなことでも始めから1人でできない。どこかで誰かが基本的なことを教えてくれているからできているだけで、1人でできているように見えても、それは違うんだと改めて気付かされました。そして、人生はつながっていて、幼いときにしてもらったこと、されたことはよくも悪くも今の自分に大きく影響しているんだなと思いました。ただそれは、本人にしかわからないし、どう思っているのか、何を感じているのかは他の人は想像でしかないことを忘れないようにしたいと思いました。だからこそ、自分の思い込みや偏見で関わることのないようにしていきたい。

    3
    投稿日: 2025.01.05
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    恋人…結婚…それに属さない新しい関係 多様性の時代でそういうのも有りなのだろうと 思った 二人の関係がどうなるのか早く知りたくて すいすい読めました

    9
    投稿日: 2025.01.02
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    ひかりくんは最初の印象と変わっていった。 ほんわかになった。途中ちょっとだけ豹変したけど。普通に過ごしている時のイメージは私が考える伊野尾くんっぽい。(あくまでもイメージ) 木綿子さんも最初の印象と違っていた。 話が進むにつれいろんなパートナーの形がある、多様性ってこういう感じなんだろうなと思った

    3
    投稿日: 2024.12.29
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    続きが気になる小説ですらすら読めた。 主人公がほぼ2人、それを囲む登場人物。 生きづらさと周りの人と違う自分とを比べたりしながら、自分の好きな人や物には愛情いっぱい込めて静かに暮らしていく様が描かれる。 主人公たちは人との関わりを避けて生きて来た人。過去もこの先も関わりは、一見素晴らしいとされる所謂友だちが多い人望がある フォロワー沢山いるみたいなのでは無い。 目の前にいる人ひとり、ふたりを心から愛して通わせていけることがどれだけ貴重で愛おしいことか、彼氏彼女や家族ではなくても、それを通ぜる関係性が羨ましくも輝いてみえる暮らしだった。 序盤とラストの天気が雨で、その描写も良い。 こんな手芸屋さんがあれば良い。

    1
    投稿日: 2024.12.26
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    この人の作品は二作目 二作とも恋愛感情や性的感情が持てない人や、恋愛感情を持つ相手が男女という決まりが無くそれ以外だったり今でいう多様化が表現されている。 とても自由な発想で柔らかい感じがして良いと思う。 実際にその感情で悩んでいる人もいるだろうし、人に簡単に相談できずに苦しんでいる人も。 人ってもっと自由に生きて良いと思うし、自分と同じ悩みを持っている人もいると思う。 誰かと一緒にいたいと思うことが大事なんだと思わせてくれる作品でした。 本の題名が・・・そういうことなのね。って感じかな

    5
    投稿日: 2024.12.24
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    恋愛苦手だけど、セクシュアリティ診断をしても納得できる答えがでなかったという木綿子さん。まさに自分もそうだったから、少し気が楽になった。ひかりくんとの関係も理想だし、最後までストーリーに夢中になった。 "恋人"や"配偶者"でなくても、気の合う人と、2人だけの名前の付けられない関係性を築くこともとても素敵なことだ。 司さんからひかりくんへの「うんざりするようなことを言ってくる人もいるかもしれない。でも、胸を張っていれば、何も気にせずに付き合ってくれる人が周りに増えていく。そのうち、自分のいるところが真ん中になる。」という言葉も好きだった。

    7
    投稿日: 2024.12.23
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    畑野さんの作品3冊目。個人的には1番畑野さんの今まで読んだ3作の中では1番好きな雰囲気のお話。 タイトルがまさかのこの本に出てくるキャラの名前 そのものやった。 この話でも以前読んだ「世界のすべて」に出てくるような恋愛感情を人に対して持ったことがないが、祖母が亡くなり、1人の孤独を感じる女性、木綿子が出てくる。 もう1人の主人公の光は、幼少期に母親の彼氏や父親から虐待を受けていたり、少しネグレクト気味な家庭環境で育ったためか人との距離感に壁を少し感じるキャラクター。 光と木綿子はそれぞれ抱える寂しさだったり悩みがあるけれど、何気ない日常での会話やご飯シーンがとても温かくてお互いの心を癒している。 男女が1つの家に住んでいたら恋人とか夫婦と思われるけれどそれ以外の名前がない関係性があってもいいんじゃないかなと思った作品。 多様性と言いつつもマイノリティーな部分では、まだまだこの国は未熟だと思う。 光が作中でのセリフの中で「友達、恋人、夫婦、人の関係性を表す言葉は、とても少ない。そのどれにも当てはまらなくていいと思います。僕と木綿子さんだけの関係を作っていきましょう。」という言葉。 やさしく、丁寧だけれどとても温かみのある言葉が とても心に残った。 この物語が終わってもきっと光と木綿子は2人だけの名前がない、特別な関係を続けていくのかなと思った。

    45
    投稿日: 2024.12.14
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    『普通』って何だろうなぁって思いながら読んだ。 ヒトは個人だと良い人ばかりだと思うけど、2人以上の集団になるとヒドイ人も出てくる。いや、集団になることでむしろ残酷さが浮き彫りになる時もある。 生きていくために社会に収まらなくてはならないが、『普通』と違うと排除されやすい。 今は多様性とか個性とかで、世の中が優しくなっているように見せかけられているが、現実はどうなのかなーって思う。 皆と違うことに異を唱える人が(本人はそのつもりがなくても)、まだまだたくさんいるような気がする。特に日本人は。 そんなことを考えながら興味深く読んだ。

    17
    投稿日: 2024.12.11
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    畑野智美さん『世界のすべて』を読んでから、こちらを読みましたが、テーマは同じような感じかなと思いました。多様性というか。 しかしながらそういう2人なのかと思いきや、なんだかんだ結局男女関係になりたいのか⁈…と あまり登場人物に対して感情的に入り込める場面がなくて、読了まで時間がかかりました。もう少し長い期間を描いてほしかったかな。

    1
    投稿日: 2024.12.01
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    やや不遇な環境に育ったヒカリはひょんなことから木綿子の手芸洋品店で働くことに。恋愛でも家族でもない関係性の中で互いのことを考えながら2人が成長していく、そんなストーリーでした。自分が大切と思う人、友人や近所のジイさんなども含めて、その向き合い方を丁寧に表現しているように感じて好印象でした。 星4つです。

    1
    投稿日: 2024.11.29
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    柔らかい空気感の作品です。最近たしか他にも「アロマンティク」「アセクシュアル」なストーリー読んだなぁ。ここ数年、私の友人が何人かアロマ・アセクであることが分かって、身近な感覚としてこういった話を受け止められるようになりました。 この作品とても素敵だとは思ったんですが、主人公の木綿子さんの見た目が「見たこともないほどの美人」で、ヒカリ君が「子犬のように可愛い男の子」であり、さらに終盤で「恋愛」めいた言動が垣間見えたのが、個人的にはちょっと冷めたというか…「結局そうかぁ…」と感じてしまいました苦笑。 恋愛だけではない人間関係の多様性や幼少期の家族問題の闇など、中盤まで社会派な描写が色濃いように感じたので、結末がふんわりしすぎていて個人的には少し物足りなかったです。 現代版おとぎ話としてはキュートでおすすめ。

    5
    投稿日: 2024.11.26
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    畑野智美さんの本は、初読みです。 ふんわり優しさが全体から伝わってくる、読み心地が良い本でした。あー、もう少し読んでいたいみたいな読み心地。 ひかり君が作った料理も気になるし、おじいちゃん達に作っているサコッシュも気になります❗ちょっと、その場を覗きたくなります。

    23
    投稿日: 2024.11.25
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    一見「普通」に見える人たちの、それぞれの心の中の葛藤や、大事にしているものなどを、登場人物たちのかかわりのなかで描き出していく。 男性依存の激しかった若い母親に、中学卒業と共に生き別れたヒカリ。ギリギリの生活をしているじいちゃんたちと、アパートで暮らしていたけれど、冒頭の嵐の夜に窓ガラスが壊れて住めなくなり、商店街で『従業員募集 住込み可』の張り紙を見つける。てっきり、飲食店だろうと応募したヒカリだが…

    1
    投稿日: 2024.11.24
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    木綿子とひかり、恋ではないけどお互いを大切に思う関係を築く素敵な二人。 ずっと静かな時間を共有していってほしい。

    1
    投稿日: 2024.11.23
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    人と人との関係性に必ずしも名前をつける必要はない。 その関係が、世の中の考える「普通」ではなく、理解できないと騒ぐ人がいたとしても、認めてもらう必要もない。 大事なのは、自分たちがどうしたいかであり、周りに合わせて小さくならなくて良い。 自分が本当に大事だと思う人と一緒に、お互いのことを少しずつ知りながら関係を築けていけたら、それが一番大切なこと。

    8
    投稿日: 2024.11.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2人の語りが交互に織りなす、とても美しく、とても身近に感じる、お話でした。 夜野光。28歳。 年齢としてはゆうに大人なのだけれど、少しあどけなさが残る、まだ男の子のイメージがある。 シングルマザーの環境に生き、同級生の成瀬の家族に多く育てられる。 中卒時に母親が去り、生きるために料理店を転々としながら働き始める。 そして22歳の時に母親の死を知る。 いとや木綿子さん。35歳。 自分を完全に重ね合わせてしまう、年齢とスタイルと。 祖父母の経営していた手芸屋さんを受け継ぎ、好きな裁縫を続けている。自分より少し年上のパートさんを数名雇用している。 以前は、フリーランスとして作ったものをネット販売したりもしていた。 畑野さんの作品は、前回も35歳の独身女性が出てきました。 その時に近くに感じるようになった男性は、逆に年齢の少し離れた年上の方。塾の先生でした。でも二人は、恋愛をする人たちであった。 今回のお話は、 一般世間の言う、恋愛と、そうでない、それでも愛かもしれない関係について物語が紡がれます。 二人の結婚観や家族観が、これまで育ってきた環境からできていることを、それぞれが確認するような過程。 木綿: __どうにかして、自分の人生に「恋愛」という出来事を残しておきたかった。 まだ出会っていないだけで、いつかは「好き」と思える人が現れるかもしれないと願い続けた。 __好きな人と結婚して、子供を産み、両親やおばあちゃんがしてくれたように、自分の作った服を子どもたちに着せてあげたかった。 __十代の終わりぐらいから、友達と深く付き合うことを避け、男の人とは必要以上に話さないようにして、生きてきた。恋愛の話になることを恐れ、逃げ続けた。そうするうちに、自分で意識していた以上に、自分の中に閉じこもるようになってしまった。 光: __母子家庭の歪さのようなものを感じた。子供は、母親の言葉や態度をすべて吸収してしまう。…誰かの家の事情に、自分の家の事情を重ねてはいけないと考えても、止まらなくなる。 __子供のころに自分が見てきたものの印象が強すぎて、恋愛という特別な感情を他人と交わしたら、不幸になるという考えを克服できない。 そして、二人の間の関係が何なのか、それぞれが自分を探り探り進んでいきます。 木綿: __この気持ちが、「恋」なのか、「愛」なのかは、よくわからない。でも、彼が「ただいま」といって返ってこられる場所でありたいと思うのは、確かだ。 光: __一緒に暮らした半年くらいの間、木綿子さんはいつも僕を機にかけて、優しくしくれた。自分のことを、とても大事に思ってくれる人が常にそばにいる。そう実感しながら、穏やかな気持ちで、暮らすことかできた。 でもその気持ちが「恋」だとは、感じられなかった。 ふたりの間にあるものは「恋」とは違う何かであり、家族に近い気がしていた。 普段思っているけれどなかなかうまく言語化できない思いや考えが言語化されていてとても共感しました。 もし現実にも、こんな人がいるのであれば、もっと話したいな―と思いました。 アセクシュアル、って訳でもない、というかそういう分類にも違和感を感じる。 世界は分類をしたがるけれども、そうじゃない気がする。 __多様性ということが言われるようになって、何年もたつけれど、誰もが理解できているわけではない。当事者であるわたしだって、よくわからない。恋愛感情が全くないと自覚している人から見たら、わたしのことは「違う」とされるのではないかと思う。はっきり割り切れることではなくて、人によって、少しずつ違う。理解し合うことは、とても難しい。 できれば、暖かい関係が持てればいいと思う。 そのほうがいいと思う。 でもそこに、世間的な恋愛が必要なのか、その段階を必ず経ないといけないのであれば、難しいなーと思う。 でもこの本を読んで、 もしかしたら、 いろいろな形で進む関係も可能かもしれない、とも思える。 この二人のように、ぴったりと合うような人が出会うことはまれなのかもしれないけれど。 だから、無理に他者に合わせず、自分の価値観を大事に生きたいと思う。 そして、あきらめるのではなく、主張するのでもなく、人との関係におっくうにならずに引っ込みすぎずに生きることかなーと思う。 せっかくの人生だし。

    3
    投稿日: 2024.11.13
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    恋愛感情が分からない木綿子と、家族という存在がよく分からない光。 不器用な2人が見つけた幸せの形とは、、。 ⁡ うわ〜この作品めちゃくちゃ好きだった(*´ω`*) かもし出す空気感がたまらなく好きで、いつまでも読んでいたい気分。 "多様性"がテーマのお話は、もうお腹いっぱいで飽きつつあったんだけど、押し付けがましくない穏やかで優しい雰囲気のせいか抵抗なくスーッと入ってきた。 なんとなく瀬尾さんの作品を読んだ時の感覚と似てる気がしたかも。 ⁡ 自分らしくあればいいんだよ、と言われても、一般的な"普通"からズレてしまうと、実際のところ他人もそして自分自身もなかなかそれを認めなかったりする。 悩みながらも、自分の素直な気持ちに向き合っていこうとする2人のことをそっと見守ってる気分だった。 ⁡ 幸せの形は人それぞれ。 誰にどう思われ様とも、じっちゃんの言うとおり、自分の事を大切に思ってくれる人たちの事だけを考えて生きていけばいいんだと思う。 もうちょっと2人のこの先を見ていたかったな〜。 とても優しい素敵なお話でした♡♡ ⁡ ⁡ ✎︎____________ 成瀬夫婦の温かさが沁みる〜ඉ_ඉ 司さんの生き方もカッコいい! ご飯も描写もたまらん〜(´﹃`) ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡

    103
    投稿日: 2024.10.30
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    よく、男女で友情は成り立つか、と話の種になるけど友達でもない恋人でもない家族でもない、当てはまる名前のない関係があってもいいと思う。恋愛感情がわからない木綿子と家族の存在がわからない光がいとや手芸洋品店で色々模索しながらも共同生活を送る姿がぎこちないのに心地よくゆったりとしていてとてもよかった。光の周りにいる美咲含め成瀬の家族やじいちゃんたちの存在がずっと光を支えてきた経緯が優しくあったかくて泣ける。司さん家族もとてもすてき。読みながら、家族とは、と考えたり過去を思い出したり。柔らかい読後感に包まれた。

    4
    投稿日: 2024.10.29
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    住んでいるアパートの取り壊し、勤めていたレストランの閉店、極めつきは台風で部屋の窓ガラス破損、、、と、住む場所をなくしたひかりが、台風の夜、避難途中で見つけたのは糸谷手芸店の「従業員募集!住み込み可!」の張り紙だった。 自分が他の人と違っていることを自覚している店主の木綿子と、虐待やネグレクトの家庭環境で育ったひかりが、男女をこえて、まず大切に思い合う関係を築いていく物語。友人やお店のお客さんたちに助けられて、ゆっくりと少しずつ「自分の大切」を見つけていく、常識にとらわれずに。 それは、まるで、これからの世の中に、最も大切な絆の結び方の一つではあるまいか、と感じた。曖昧なぼんやりした希望かもしれないけれど。

    2
    投稿日: 2024.10.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    恋愛とは何なのか、家族になるとは何なのか分からない木綿子と光の2人が一緒に暮らす物語。光は確かに犬のような優しさと忠実さの中、大切なものを壊されそうになる時の野生さを持つんだろう。それを守る成瀬やじいさん達が良い。木綿子との生活がお互いに恋愛とはまた違う愛を予感させて、とても良かった。

    5
    投稿日: 2024.10.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一緒に住んでるけど家族でも恋人でも友達でもない関係…最後に結婚とか恋人になって終わるのかな?と思ったけどそんなことはなかった。 出てくる人がみんな良い人ばっかりで読んでて優しい気持ちになりました。成瀬くんも良い子だ… 夜野くん自己評価が低そうだけど、大体の料理は作れるとか、クリスマスにチキンを焼くとか、そんなことできる人はそうそういないよ?と読んでて思いました。 読んだことがない作家さんだったけどこれを機に他の本も読んでみます。

    5
    投稿日: 2024.10.21
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    一気読み。とても優しい気持ちになれる。 ネグレクトで育った男性が手芸店を営む恋愛感情が理解できない女性と一緒に暮らし始める。 読んでいてラストは2人が恋愛関係になったり、結婚するのかなぁと思ってたけど、2人が出した答えはゆっくり自分たちだけの形を探していくこと。 2人がどんな形になっていくのか続きを読みたい。 最近の『多様性』という言葉を色々考えさせられた。

    17
    投稿日: 2024.10.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    お互い大事に思いあっているところが本当によかった。ゆるく平凡だけど生活って感じ。世界観が好きすぎて一気読みしてしまった。

    2
    投稿日: 2024.09.29
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    手芸店が舞台。手芸が好きなので、おおっと思った。 必要な分だけ布を切る場面やビーズでアクセサリーを作る様子とか、なんてことないところが、もう嬉しかった。 子犬とか忠犬とか言われていたヒカリくんがピュア。さぞかわいい青年なのだろうと思った。 読後は包み込まれるような安心感があった。

    19
    投稿日: 2024.09.21
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    物語がゆるやかすぎて(それがよいところなのかもしれないけど)いささかメッセージ性が薄れているような気がした。手芸屋店主のゆうこが料理がからきしだめで、逆にひかりは元料理人のため料理上手。オムライスやアジフライなど出てくる料理が美味しそうだった

    7
    投稿日: 2024.09.18
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    手芸店が舞台のお話しと知って読み始めました。 いとや手芸用品店を営む木綿子さんは、恋愛が何なのかが分からない。手芸店に住み込みで働くことになった光くんは複雑な家庭環境で育ったために家族とは何なのかが分からない。 家族でも恋人でも友達でもない2人が一緒に暮らし始めて、名前のつかない特別な関係を築いていくお話し。 他人と自分を比べなければ心穏やかでいられるのかもしれないが、それはなかなか難しい。普通とは何かを考えてしまうし、普通であることに安心感を覚える気持ちは分かる。 白黒はっきりつけずグレーのままでいてもいいよね。

    3
    投稿日: 2024.09.09
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    「52ヘルツのクジラたち」、「流浪の月」を読み終わった時と気持ちが似ているなぁと思いました。人それぞれに幸せの形があって、それはその人が決めるものであって、他の誰かが決めるものでも決めつけるものでもないのですよ。

    6
    投稿日: 2024.09.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    話が緩やかに進む。緩やかすぎてお話としてはメリハリがないなと思ってしまった。けれど実際こういう関係の構築の仕方もあるのかもと思える内容。 木綿子さんの恋愛に対する苦手意識に少し共感。年齢も近いし。 多様性の話なのかなとも思った。女性の服が好きな司さん(男性)とか、複雑な生育歴のひかりくんとか、颯太くんとか。 最後らへんでの成瀬くんの告白になるほどと思った。好きなことしか出来ない。好きな人としか話せない。これもわからないでもないなと。普通に見えるけど擬態してるだけの人も多いのかなと考えた。

    3
    投稿日: 2024.08.31
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    手芸洋品店を営む35歳の木綿子と、住み込みで働くことになった幼少期につらい経験をしている28歳の光、2人の目線で語られる話である。 自分は人とは違うと感じ、生づらさを抱えている2人。 私は境遇も違うし共通点もないが、人に理解してもらえないと思っている二人のつらさがじわじわ心に沁みてくる。 畑野智美さんの細やかな心情描写がすごい。 伏線回収やどんでん返しもないけど、目が離せなくて一気読み。 今回の作品は特に沁みすぎて好きだなあ。  9月に発売予定の新作も楽しみだ。 積読の作品も読まないと。

    20
    投稿日: 2024.08.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ふらっと何処かに行ってしまったり、色んな男の人と関係を持つ母親のもとで、食べること生きていくことだけを考えていたひかり。 働いていた飲食店が閉店することになり、住んでいたアパートも立ち退くことになっていた中、台風でアパートの窓が割れたことをきっかけに、いとや手芸店で住み込みで働くことになる。 目を引く美人で、人を好きになる感情が分からない木綿子さん、シングルマザーの母親の仕事が忙しい颯太くん、ひかりのこれまでの暮らしを支えてきた成瀬一家。 ひかりと木綿子をかたちづくってきた人たちとの関わりを知りながら、お互いが大切な人になるまでのお話。 穏やかな夜の雨みたいなお話だった。 ここ最近読んだ本でも、恋人でも夫婦でもない、恋愛感情が絡まない男女の共同生活がテーマのものがあったけど、私は本作の方がしっくりきた。 ふたりが、お互いに触れられたくない部分を暴かずに寄り添っていく関係性を素敵だと思った。 かつての仕事相手の日向くんが、フリーマーケットで売られていた木綿子さんの作品に怒る理由が分からなかった。 確かに暴力を振るうのはよくないけど、木綿子さんの大切なお店に怒鳴り込みにきたんだから、殴られるじゃなくても何かしらお灸を据えられても仕方なくないか?と思ってしまう部分もある。私には彼の正しさが分からなかったし、怖い。 私もハンドメイドを販売していたこともあるけど、自分の作品と発表していないものを「あの人の作品かな?」と思われることは光栄だけど、確信を持って問い詰めに来る人は怖いと感じる。 ひかりに普通だと憧れられていた成瀬が自分の歪んでいると思っている部分を話すシーンに軽い衝撃。そんなにひかりに執着していたとは。 一般的に求められる普通なんて、そうそうないのかも。

    4
    投稿日: 2024.08.18
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    『自分の気持ち』と『他人の目』 自分の気持ちに正直に生きて生きたくても、周りからのあれこれに悩んでしまう。 多かれ少なかれみんなあることだけど、理解してくれる人がそばにいると穏やかにすごせる。 それは本当に幸せな事だなぁって思います。 木綿子さんとヒカリ君が出会えた奇跡が読んでいるわたしまで嬉しくなって。 ステキな結末。

    6
    投稿日: 2024.08.18
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    何かしらの生きづらさを抱えている人(っていうとほぼ当てはまりそうだけど)に優しく寄り添ってくれるような話。登場人物みんな良い人でみんな優しいけど、それでも人はそれぞれ色んなものをそれぞれが抱えて生きていかないといけないし、だからこそひとりで生きても誰かと生きても孤独感は消えないのだと思う。だけど人は孤独同士だから繋がれる。 そういうことを感じさせてくれる物語。 ものすごく好きだった。

    9
    投稿日: 2024.08.14
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    人ってうまくは生きられない! そんなことを気に止むことなく、 胸を張って生きることができる。 それがこの作品と出会ってから 得ることができる変化のような気がします。 上手に生きているように見えるあの人にも 人から愛されているあの人にも 成功者のように見えるあの人にも どこか"みんな"と違う一面があって、 そんな一面が自分はどうも愛せない。 誰もが感じたことのある感覚だと思います。 でもそんな自分を少し好きになれるとしたら、 それは自分の大切な人たちが そんな自分の一面を愛してくれているから。 ヨルに灯る小さくてあたたかなヒカリのように そんな光が1つでもあれば、 私達の人生は幸せなのかもしれません。

    6
    投稿日: 2024.08.12
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    複雑な家庭で揃った男女の物語。 恋人はなんなのか、生活を共にするとはなんなのか。 長文だったけど、読み応えはあったけど、なんだかあっさりしつつ、でも大事なメッセージは入っていて。 一般的な形じゃなくても、恋愛じゃなくても、相手のことを思いやって暮らすのは素敵だなって思った。 恋とか結婚とかそんなんより、よっぽどこういう生活したいなって思った。

    5
    投稿日: 2024.08.01
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    「消えない月」がとても印象にのこったので、こちらも読んでみた。 こちらは優しい雰囲気の漂う手芸洋品店の話。 ヒカリと木綿子の温かい絆が伝わってきてよかった。 2人とも繊細な悩みはもっているけど、一緒にいれば大丈夫な気がする。

    15
    投稿日: 2024.07.30
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    生きづらい2人が出会う話 私自身も生きづらさをを抱えているが誰か1人は自分のことをわかってくれる人が見つかるといいなあと思った

    4
    投稿日: 2024.07.21
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    二人の不安定な関係が、最後まで緊張感があって読み進めてしまう。不安定さは、ときに魅力的でもある。読み終わっても、まだまだこの先を読みたいと思った。続編でないかな。

    4
    投稿日: 2024.07.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    手芸屋さんが舞台の、とにかく優しいお話。 押し付けがましくなく「多様性ってこういうことだよね、きっと」と教えてくれる作品。 ヒカリくんが年齢の割にずいぶん幼く感じる。 設定的にあえてなのかな?

    2
    投稿日: 2024.07.11
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    とても静かな物語。 手芸店を舞台に木綿子とひかりが、自身と大切な人やモノとの関係に悩み考えながら模索していく。 悪人は全く出てこなくて、とても優しい人達ばかりなのが心地よい。 2人とも皆んなから愛され心配されているが、2人なりの結論が出せたのが良かった。 こんな生活してみたいなぁ

    6
    投稿日: 2024.07.02
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    言葉で説明できない関係性があったとしてもいい。 人様に迷惑さえかけなければ自分の生き方や価値観に 胸張って生きればいい!

    2
    投稿日: 2024.06.30
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    手芸店を営む木綿子と住み込みで働くことになった年下で子犬のようなひかりが、不器用ながらも互いに向き合って二人だけの関係性を築いていく。どうかこのまま穏やかで幸せな生活が続くように、と願って頁が終わった。この作家さんは初めてだけれど、他の作品も読んでみたいと思える素敵な小説だった。

    7
    投稿日: 2024.06.27
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    「人と違う」ということ。 マイノリティであること。 相手を心から大切に思うこと。 「人となんとなく違う人」と心を交わし尊重し認めること。(否定しないこと。) 恋や愛について。 そんなようなことがとても繊細に言葉の襞のように表現されている。 木綿子さんとひかりくん。 相手を想うあまり時に涙ぐみながら、少しずつ2人だけの世界を作りあげていく。 続編、あってほしいけど、ここで終わって色々先の時間を想像するのが素敵なのかな。 ひかりくんも木綿子さんも、心穏やかになれる相手と巡り会うことができてよかった。 木綿子さんや成瀬くんはつらい幼少期を過ごしたひかりくんへの神さまからの素晴らしいプレゼントだね。

    9
    投稿日: 2024.06.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    想像してた以上に良い小説だった。もともと好きな畑野智美だが、彼女の中でも現状俺的最高傑作。 ネグレクトや虐待を受けて育ってきたヒカリ、その過去から恋愛や人との関わりに踏み込めない。 好感情はあっても、恋愛感情を自分の中に見出せない木綿子。 そんな2人ゆえ、お互いをかけがえのない大切な人と認識するのに恋愛に発展できない。 周囲は色々言う、それは善意でもあり好奇心でもあり異なるものを排除しようとする防御かつ差別感情でもある。 自分の価値観に合わないことを他人がやっていると、色々と言いたくなる気持ちは俺にもある。善意のアドヴァイスのつもりであっても、余計な横やりにしか過ぎないことなんだとこの歳になってよーやく最近理解できてきた。人の価値観や生き方については、俺や大切な人の生き方に直接的な害を与えない限り「理解はできないが、邪魔はしない」を貫けばいいと思う。 ヒカリと木綿子の生活を読んでみろ、恋愛については不器用だけど、丁寧に誠実に暮らし、とても幸せそうでとても温かそう。とてもとても羨ましい。

    7
    投稿日: 2024.06.22
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    安心して読める優しいお話。 手芸いいなぁ。 恋愛感情がわからないとか、そういう「普通」、「定型発達」にそぐわない人の違和感や生きづらさのようなものを穏やかに伝える側面も良かった。

    5
    投稿日: 2024.06.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この間読んだ絶望オムライスの世界観にちょっと近いかなぁと途中まで思ったのですが、それぞれのパートナーとの特別感は別々で、それぞれにとても面白かったです。 木綿子さんの葛藤もひかりくんの葛藤も理解できる部分があって、あぁこの2人が出会って本当に良かったとしみじみ思いました。 あと日向くんに対する、正しすぎて傷つける人は本当にいて、私は正しいことは素晴らしいけど刃でもあると思っているので日向くん苦手でした。 司さんファミリーはとても素敵だなぁ。 聡子さんも優しいし、みんなそれぞれ優しいんだけど、ちゃんと思想や主張があって、それがめちゃめちゃかっこよくて登場人物たちと木綿子さん、ひかりくんとの関係にじんわりしました。 みんな完璧じゃないから、こうやって足りないピースが重なりあう奇跡みたいな時間を読むことができて良かった。 しかしながら中盤まで読んだところで『そういえばひかりくん、本のタイトルの一部が名前なんだねー。…ん?夜野くん…え!タイトルがフルネームじゃん!』となった私のおつむの悪さよ……

    3
    投稿日: 2024.06.16
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    すごく素敵な物語だった。 2人とも不器用で恋愛が得意ではなくて、2人だけの関係を大事にしていた。 好きな人、大事な人と一緒にいて心穏やかに過ごせる日々って尊い。 「自分のことを大事に思ってくれる人たちのことを考えて、生きていきなさい。それで、自分のことも大事にしなさい。」

    5
    投稿日: 2024.06.09
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    勝手に 「じれったい、じれったい。もぉ、付き合っちゃえよっ!!」 なんて、お節介な事を考えながらwww ホンマ、大きなお世話なんは分かってるんやけど、ついつい。

    1
    投稿日: 2024.06.04
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    手芸店に転がり込んだひかり君と店主の木綿子さんの関係の温もり感が心地よい。 どう見られようがどう思われようが二人が良ければそれで良し。 舞台が手芸店というのも面白い。 続編はあるのかな?あったら楽しみ。

    4
    投稿日: 2024.06.02
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    すごく良かった。夫婦、恋人、家族。そんな言葉で表せられない関係があってもいいじゃないか。素敵な物語。

    2
    投稿日: 2024.06.01
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    ネグレクトのような生活をしながら青年になったヒカリが、ひょんなことから手芸店で働き、居場所を見つけていくお話。 とにかく優しくて、柔らかい作品 こんな風になりたい、と思える人がたくさんいてかっこよかった。 エピローグとして、その後もそうたくんに会いに行ったりしながら、つつがなく暮らしている様子が描かれていればよかったかな、と思う。

    10
    投稿日: 2024.05.28
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    静かに優しく読み進められて 素敵な作品でした。 普通ってなんだろうと改めて思います。 不器用な二人が、恐る恐る懸命に生きていて 胸がきゅっとします。 本人たちが一番自分自身を「普通じゃない」と意識していて…。 周囲の人たちが、またとても良かった。 個人的には成瀬君が良かったな。 木綿子と光もそうだけど、 みんなが周りの人達に支えられているのを感じました。

    10
    投稿日: 2024.05.27
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    本の帯にある通り、お互いを大切に思う恋をしたことがない女性と、家族という存在がわからない男性が「普通」とは違う特別になるまでのストーリー。結末が想像できるだけに、そこに至るまで同じ悩みが繰り返されて冗長に感じてしまった。

    9
    投稿日: 2024.05.26
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    多様性とかなんだか世の中で話題になっているけれど、小説を通して押し付けるわけでもなく語りかけるように多様性について考えさせられるお話だった。 それぞれの在り方を尊重しながら、優しくあたたかい世界で生きていけるように、自分をしっかり持って生きたい。 それと同時に、母親という存在の大きさをヒシヒシと感じる。自分も子育てをしている身だが、子どもは親のことをよく見ていて、どんな親でも守ろうと、一緒にいようとする気持ちは根底にあるものだなぁ〜と思う。毎日毎日が戦争のようで、大変だけれど、一緒にいられる時間なんて少ししかないのだから、大切に積み重ねながら、大きくなる姿を見守っていきたい。それが難しいのだけれど。。 2人のその後をそっと見守りたくなるお話だった。 ヨルノヒカリ。いいタイトルですね。

    8
    投稿日: 2024.05.21
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    ヒカリは本当に子犬のようにかわいいんだろうなと想像できる 木綿子とヒカリの関係、誰にどう思われようとか他人を納得させようとか無理に言葉にして伝えようとしなくても、相手のことを1番大事に思い、守りたいと思う気持ちがあればずっと一緒にいられるのだと思った 恋人でも友達でもなく二人で話し合って自分の気持を正直に打ち明けた結果の特別な関係 手芸屋さんの雰囲気と二人の関係がほのぼのして読んでいて暖かい気持ちになれた

    4
    投稿日: 2024.05.18
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    静かでささやかで、サッと心が温まる話だった。 表紙も題も素敵で物語の世界観に引き込まれた。 母親が家を出て、幼い頃から普通の生活をしてこなかったひかりと恋愛感情がわからない木綿子。 境遇は違うけれども、お互い心に潜めてる悩みがあるからこそ、互いを思いやり、他の誰にも抱かない特別で大事に思う関係性になって、2人が出会えて良かったと思った。 2人の関係性を見てると、恋愛感情ではなく、ただ一緒にいたい、というだけの名前の無い関係は無いのかなとふと思ってしまった。 周りから恋愛関係を疑われたり、「普通に幸せになって欲しい」と言われたりして、2人の関係性が周りにうまく伝わらないのがもどかしく、普通って何だろうか…と考えさせられた。 読んだ後はありのままの自分を受け入れて、自分の思うままに生きていっていいんだと、ちいさい希望を持てたような気持ちになった。

    5
    投稿日: 2024.05.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ひかりが戻ってきてからの二人の会話が可愛くて愛おしくて、何度も読み返してしまう。 成瀬がひかりのことが好きなのはかわいいからと言い切るところの会話も好き。 ひかりが義務教育を終了して、母親は帰らなければいけないきっかけがなくなってしまったのかな。

    2
    投稿日: 2024.05.16
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    もっとこの二人の未来が知りたい。「かもしれない」が多くて将来に対する二人の決断が書かれていないので、二人が離れてしまう未来もあるのかもな…と思って本を閉じました。もう少し感動したかった。

    10
    投稿日: 2024.05.13
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    恋という感情がよくわからず恋人がいたことがない35歳の木綿子。母親が男性依存で家を開けてばかりの環境で育ったため普通の家族がどういうものかわからない28歳のひかり。そんな2人が、「いとや手芸用品店」の同じ屋根の下で暮らすようになって、恋人でもなく、友達でもないけれど、お互いを誰より大切な人として支え合いながら生きていくようになるとても優しい物語。男女が一緒にいるとどうしても人はその関係について恋人なの?という枠で見てしまうのが常だけど、恋愛感情を抜きにしていても、こんなふうに静かにゆっくりと、お互いを大切にして歩み寄って支え合えるようになれたら、本当に良いだろうなぁ、としみじみ思いました。言葉で定義付けられない関係であるゆえ、悩みも戸惑いも多いだろうけれど、2人がこれからもずっと末永く、仲良く暮らして欲しいと思いました。 とても好きな作品になりました。

    11
    投稿日: 2024.05.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ‣ 自分の好みや生活を変えられてしまうほど、他人を強く思うことはない。常に自分の「好き」が最優先で、自分のことばかり考えている ‣ 「少数派」である自分を、世間の目にさらすのは、とても勇気のいることだ。その勇気の奥に隠れた繊細な部分に誤った触れ方をすれば、相手を傷つけてしまう ‣ 年齢をひとつ重ねたことに、恐怖を感じた。老いに対する恐怖とは違う。自分が他の人と違う生き物になっていくようで怖いというか、気持ち悪いのだ ‣ 悪い人ではないの。でも、正しい人だから。わたしは、その正しさに傷つけられてしまう ‣ 誰かの存在がなければ、自分を確かにできないのは、弱すぎる。だが、最初から、ひとりで生きている人なんていない ‣ 自分のことを大事に思ってくれる人たちのことを考えて、生きていきなさい。それで、自分のことも大事にしなさい ‣ 胸を張っていれば、何も気にせずに付き合ってくれる人が周りに増えていく。そのうち、自分のいるところが真ん中になる ‣ ずっと悩んでると、ものごとを客観的に考えられなくなる。出口を見失ったまま、迷路の中を彷徨いつづけているみたいになってしまう。でも、その迷路も遠くから見れば、簡単に出口が見つかる ‣ 夕ごはん食べた後、テレビ見ながら、お喋りする相手がいるっていうだけで、幸せだなって感じる ‣ 彼に守られる存在で、いてはいけない。  私が彼を守って、生きていくのだ。  自分の気持ちがわからないなんて、迷っている余裕はない ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ 恋愛感情がわからず、人との距離感に悩まされながら生きてきた主人公の木綿子(ゆうこ)。 大切な家族、生きる術だった仕事、住む場所さえも失ったもう一人の主人公・光(ひかり)。 手芸用品店で一緒に働くようになり、共同生活もする2人は、お互いが大事な存在であると気づき始めるも、 世間一般でいうところの友人・恋人・家族という形に当てはまることができない。 それでも、周囲の人に見守られながら、不器用な2人が育もうとする関係性は、ちょっぴり切なくて、とても愛おしい。 日常の中にあふれる思いやりに、心がほっこりする物語です☺️

    1
    投稿日: 2024.05.12
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    奔放な母親に振り回され続け普通の生活をしたことがない夜野光くん(28)と、手芸用品店を営む絶世の美女だが恋人いない歴35年の糸谷木綿子(35)さんの、めんどくせー関係を描いたコメディータッチの作品。 調理系の仕事を続けてきた光くんは職を失い、住んでいたアパートも取り壊しのため立ち退かなければならない。そんな時、「従業員募集! 住み込み可!」の張り紙を見て応募した彼は採用され、奇妙な同居生活が始まる。 他者との距離感がわからない2人がおっかなびっくり、それでも確実に親しくなりながらも別れを警戒する様子はじれったかった。 近年、LGBTQをはじめマイノリティーの人達にスポットを当てた作品が多いが、本作もそうだ。だが、わからないことをひと括りにすることで、「そういう人」という安心感を得たいマジョリティーの都合とも思える。 実際、同じ分類にされた人達でもそれぞれに異なるのは当たり前で、彼らの中で新たな差別が起きそうな気配を感じる。「人は違って当たり前」とよく耳にするけれど、本当にそう思って他者と向かい合っている人がどれだけいるのか。 そんな重苦しいことを考えながら読了した。

    3
    投稿日: 2024.05.11
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    たとえ恋人でなかったとしても、お互いが大切にしたい人である事は変わらない。こんな関係もあるんだなぁ。ヒカリ君と木綿子さんが今後どうなっていくのか楽しみ。成瀬くんの周りに合わせたりせずに、自分の意思をしっかり持ってる所、好きだな。これからもヒカリ君の側にいてほしい。

    11
    投稿日: 2024.05.09
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    読了後に優しさと温かさで胸が満たされる。 恋とか愛とかの枠に嵌めなくていいから、2人ならではの関係が永く永く続いてほしい。

    2
    投稿日: 2024.05.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分たちの関係性を既成の枠組みに無理やりねじ込むのではなく、ふたりだけの固有の関係性を築いていこうと主人公たちが最後に確認し合っていて、羨ましかった。 私も、特別大切に想い合っている者同士で、ある時から恋人になるのがよく分からない。「お互いに恋愛が得意でない」とあって、恋愛って得意とか不得意って言っていいんだ、と心のつかえがとれる感覚があった。 「年齢をひとつ重ねたことに、恐怖を感じた。老いに対する恐怖とは違う。自分が他の人と違う生き物になっていくようで怖いというか、気持ち悪いのだ」p,61 人と離れるのは仕方ないことだと分かってある程度開き直っていても、自分のせいで関係性が悪くなったんじゃないか、とふと思い悩むことがある。 自分がおかしいんじゃないかと思い詰める。 主人公のふたりは誰でもないうっすらとした民意、世間にそう思わされていたのではないか。でも、「胸を張っていれば、何も気にせずに付き合ってくれる人が周りに増えていく。そのうち、自分のいるところが真ん中になる」というセリフを信じてみようと思った。信じてみようと思える、力強いお話だった。

    3
    投稿日: 2024.04.29
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    一気見してしまった! 読み終わったらホッコリするような物語。 登場人物はみんな素敵な人でした。 みんなに好かれる必要はなくて、本当にそばにいたい人ややりたい事に時間を過ごせるようにしたい。関係性はなんでもよくて、自分が居心地が良い人を年齢を重ねても大切にしていきたいと思った。

    4
    投稿日: 2024.04.29
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    夜野光(ヨルノヒカリ)はネグレクトされて育てられた28歳の男性。母親の愛に飢えて、自分の気持ちを出さずに生きてきた。 一方、糸屋木綿子は恋をした事がなく、他人と同じ様な恋愛が出来ないと悩む35歳の女性。 ひょんな事からヒカリは木綿子の手芸洋品店で住み込みで働くことに… ヒカリの育ってきた生い立ちから、暗くて、悲しく辛い話かと思いきや、とっても前向きなお話。読んでいて切なくもあり、心が揺さぶられる。そしてヒカリを取り巻く人達が素敵過ぎる。 「理解出来ないと騒ぐ様な誰かに認めて貰う必要なんてない」「人と違うから、社会の隅で生きていこうとかも思わなくていい」 普通に見える人も歪んだものを持っている。その歪みを受け入れ、理解してくれる人は必ずいるはず。 登場人物、全ての人に幸せになって欲しいし、応援せずにはいられない作品です。

    9
    投稿日: 2024.04.24