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なぜヒトだけが老いるのか
なぜヒトだけが老いるのか
小林武彦/講談社
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総合評価

47件)
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    人の老いる仕組み。DNAの損害、脳と心臓の変わらない細胞による器官の衰え、幹細胞の減少。それに対してPD-L1を阻害して免疫細胞の力を強めるやP53でアポトーシスを早めるといったことで老化細胞の蓄積による炎症性サイトカインの放出を低減させることが今後考えられる。 以上のことを他の生物とも比較して、人間にのみある老後をうまく若い人と分業して過ごすことが重要と主張

    4
    投稿日: 2025.10.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前半が生物学で後半は人生学。RNAがアミノ酸を繋いでタンパク質を作成。DNAはストックセンター。ヒトとバナナの遺伝子の50%は同じ。ヒトのDNAは60億塩基対で長さ2m。老化はDNAの傷の蓄積による。免疫機構は古い細胞やガン化した細胞を排除する。哺乳類の一生の総心拍数は20億回。シニアは社会の調整役。シニアの最大ミッションは次世代が使う環境を破壊し資源を枯渇させるのを阻止すること。65歳以上は総人口の役30%。長寿の特徴はルーティン、規則正しい生活。シニアになったら中心から周辺部に移り公共に尽くす。

    0
    投稿日: 2025.09.19
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    最初は、科学的な話から始まって、どうして人間だけが老後と言う時期が存在するのかと言うことを科学的に解明するような雰囲気だったのだが、結局のところ、その部分の説明はいわゆる「おばあさん仮説」を紹介しただけで、どうして男性にも老後が存在するのかについては、社会のリーダーが必要なみたいなあまり、科学的ではない説明をするにとどまっている。 そして本の後半は、シニアはどう生きるべきかと言う人生訓みたいな内容になっている。 中途半端な本なので評価3にしました。

    0
    投稿日: 2025.07.14
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    人間以外の生物は老いずに死ぬ。ヒトだけが獲得した「長い老後」には重要な意味があった。生物学で捉えると「老いの常識」が覆る!【目次】 第1章 そもそも生物はなぜ死ぬのか 第2章 ヒト以外の生物は老いずに死ぬ 第3章 老化はどうやって起こるのか 第4章 なぜヒトは老いるようになったのか 第5章 そもそもなぜシニアが必要か 第6章 「老い」を老いずに生きる 第7章 人は最後に老年的超越を目指す

    1
    投稿日: 2025.05.29
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    前半のRNAなどのあたりは自分には理解が難しく人に説明できるレベルまで落とし込めない。ふんわりとわかった。 他の生物とデータに基づいて比較した話が面白い。人間は長生きすぎるなぁ。 人間の老後についての話は単なる筆者の考え。

    0
    投稿日: 2025.05.07
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    テレビ番組を見て本を読んだ気になっていたが、講演を聞いて読んでいないことに気づき手に取りました。エビデンスに基づいた前半は面白かったです。後半は主観的過ぎて…。

    0
    投稿日: 2025.04.28
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     「老い」や「死」に対するイメージを大きく変えてくれる一冊。  自然界の生き物のほとんどは老いずに死ぬ。身体機能や生殖機能が衰えた後も長く行き続ける「老い」はヒトに特有の現象である。「変化と選択」の長い歴史の中で「老化」という性質が保存されたからには、「老化」にも生物学的な意味があるはず―。この本はそんな序論から始まる。  序盤では、細胞や個体レベルの「死」や「老化」が、「DNAの損傷の蓄積」によって起こるという生物学的なメカニズムについて、わかりやすく順を追って説明される。続いて、社会性の生き物であるヒトの進化の過程で「老い」はなぜ選択されてきたのか、コミュニティに年長者が存在することがどう有利にはたらいたのかについて、これまでに明らかになった事実や仮説が示される。後半では、超少子高齢化、人口減少時代を迎えた日本社会の存続の鍵となる「シニア」の役割と可能性について熱く語られる。  巻末、筆者が思い描く「ピンピンコロリ」とは違う、理想的な最期が柔らかく描写される。そんな風に命を終えることが出来るなら、「老い」も「死」も怖くないかもしれないと、素直に思える。  生命科学や細胞生物学の専門的な内容も、平易な言葉で丁寧に書かれていて分かりやすい。どの年代でも興味を持って読めるが、これからシニアに向かっていく世代には特に、これからの人生の過ごし方を考えさせられる内容だし、この世代に向けた筆者のメッセージが込められていると思う。  ちなみに筆者は「知識や技術、経験が豊富で私欲が少なく、次世代を育て集団をまとめる調整役になれる人」を「シニア」と呼び、単なる「年長者」とは区別している。言葉は柔らかいけど、この呼び分けには何かピリッとしたものを感じる。社会の中で権限ある立場にある人には特に、自分は「シニア」たり得るだろうかと自問しながら読んでみると良いと思う。

    1
    投稿日: 2025.03.23
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     人間だけが老いるという題名に違和感を覚えたのだが、そういう小さなことではなく、生物学の立場から老いるということの意味を教えてくれる。老年期についての本が氾濫しているが、この本は老年期を生きる人にとって必読の書かもしれない。

    88
    投稿日: 2025.03.15
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    シニアについての話が多かった気がする。人間は歳を取るごとに丸くなる。自分もそんな気がする。最後は公共的に何かを遺せればいいなーと思っております。

    6
    投稿日: 2025.01.13
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    生物学者としての理論的な話かと思ったらシニアの応援というか老化の意義みたいな私見だったので思ったのとちょっと違った。

    4
    投稿日: 2024.11.15
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     生物学者である小林武彦氏がこの本で読者に伝えたかった内容は、実は宗教哲学者のようでした。  第7章 人は最後に老年的超越を目指す の中の「老年的超越を目指して」の最後で以下の言葉を語っていました。  やがて目も見えなくなり、私を呼ぶ声も遠ざかり、ただただ幸せな気持ちに包まれて、ここはどこだったのか、私は誰だったのかなどはどうでもよく、宇宙そして全ての生き物とのつながりを感じながら、旅立つというより、元いた場所に戻る安堵感に包まれて長い眠りにつくのです。また目覚める日を夢見ながら と締めくくっています。  ここまでたどり着くため、第1章から地球誕生からの奇跡の生命体の誕生からこの本は始まりました。  第1章 そもそも生物はなぜ死ぬのか において、地球上における生命の誕生から進化の過程を生物学者の立場で丁寧に語っています。  そして第2章 ヒト以外の生物は老いずに死ぬ の中で、野生の生き物は基本的に老化しないことを説明しています。  そして、第3章 老化はどうやって起きるのか の中で、老化のメカニズムを説明しています。  次の 第4章 なぜヒトは老いるようになったか の中で、「人生の40%が生物学的に老後」     「老いは 死を意識させ、公共性を目覚めさせる」     など数点を挙げ、ヒトの集団においては、老人の必要性について語っている  次の 第5章 そもそもなぜシニアが必要か の中で、「シニアの存在価値」 「老いの一つの意味」     など数点を挙げ、素敵な老いをとげ、利他的、公共的な役割に資すること       の重要性を述べています。  次の 第6章「老い」を老いずに生きる の中身ですが、私の尊敬する和田秀樹さんが推奨する高齢者の生き方と同様な内容     を列挙していました(笑)。  そして、最後の 第7章 人は最後に老年的超越を目指す の中で、ヘミングウェイの「老人の海」で、大物のカジキを獲ったもののサメに食べられた喪失感ではなく、カジキと生きるか死ぬかの真剣勝負を行った幸福感が真の意味だったのではとの小林氏の見解が語れていました。 最後に、生物の中でヒトにしかない老後を、社会との関係を維持しつつ、公共的に生きてみることにより、人類の明るい未来の実現に寄与するのではないかとの締め括りでした。 死は、その個体、ヒトの場合はその個人にとっては終わりでも、地球上の生命にとっては絶対的に意味あることなのです。 「進化の原動力」 「死は進化に必要である」 生物学的な「死生観」ということです。  

    0
    投稿日: 2024.09.17
  • 人間社会に「老い」と「シニア」は必要

    死はすべての生物に共通する絶対的なものだが、老化は極めて例外的で、とりわけ長い老後はヒト特有の現象だ。 ヨボヨボな状態の生物など、ヒト以外ではまず見つからない。 ではなぜ、ヒトだけに長い老後があるのだろうか? 著者は老化をヒトの社会が作り出した現象だと定義する。 子育てや教育に貢献し、私利私欲なく集団内での調整役に優れた年長者が、徐々に社会から必要とされるような存在となり、生物学的にもそれが強い集団として選択されていった。 そのことでますます寿命が延びて、シニア量産の「正のスパイラル」がかかったのだとする。 すなわち、シニアの活躍が人の進化の過程で人類の寿命を延ばし、ひいては今の文明社会を築いたのだと指摘する。 ゆえに「なぜヒトだけが老いるのか」ではなく、老いた人がいる社会が選択されたために生き残ってきたのだ。 ここから人類の寿命延長に貢献してきた、著者独自のシニア論が始まる。 老害なんて言葉は差別だし言語道断だ、社会は元気なシニアをもっと活用すべし、有能なシニアを定年制などによって排除するなどもってのほか、教育現場などへシニア人材を投入していけば、やがて安心して子供が産めるような国にまた戻るのだ、と強調する。 本書の半分はこの調子で、生物学者の考える社会論が展開される。 シニアの役割を強調する主張に別に異論はないのだが、著者の専門とする研究成果についての掘り下げた知見を期待していた読者からすると、少し肩すかしの印象を拭えなかった。

    0
    投稿日: 2024.08.09
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    生物の中で“老い”の時間が長いのはヒトの特徴。 その老いの時間を如何に過ごしていくのか。 小林先生からヒントをいただけた気がする。 エリクソンの発達段階にも通じるところが多くあった。 去りゆくその日が来た時、周囲に迷惑をかけないように巣立っていきたいと思った。

    0
    投稿日: 2024.07.07
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    人間だけが老いる動物だ。そんな生物学的な解説本かと思いきや、最後は、人間の進化のためにシニアを勇気づける応援歌。

    0
    投稿日: 2024.07.07
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    老化がヒトにだけ起こる理由を、進化の側面から生物学的に分析しながら、シニアを「集団の中で相対的に経験・知識・技術に長じた、物事を広く深くバランス良く見られる人」と定義し、その社会における役割の重要性についても考察するとともに、シニアの生き方についても提示している。老いることの生物学的な意味を理解し、老いることを前向きに捉えることができる1冊。

    0
    投稿日: 2024.06.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『なぜヒトだけが老いるのか』 小林 武彦 著  生殖期を過ぎても生き続ける生物は、(短期間生きるシャチやゴンドウグジラ以外)ヒトのみであるという点に着目して分析した内容です。いわゆる「おばあちゃん効果」(子育てに協力)や長老による課題解決など、集団においてシニアに重要な役割があったためというのが筆者の見解です。進化には目的はなく、「集団生活に適応した、他者と協力できる」サルだけが結果的に生き残ったのであり、「なぜヒトだけが老いるのか」ではなく、「老いた人がいる社会が選択」されたと言います。  それ故に、シニアはインプットもさることながら、これまでの「蓄積を吐き出すアウトプット」を多くすべきと提言。また、大学にも勤務して若い人とも接していると、経済問題よりも「そもそも彼女がいない」と、このままでは(女王バチのみが卵を産むように)人間社会でも「生殖的分業が起こり、産む個体と産まない個体に分かれる可能性」にも言及するなど最近の少子化にも警鐘を鳴らしています。  後半の点は、生物学というより社会学的な見地からの内容になりますが、面白い視点を提供している一冊と思います。

    1
    投稿日: 2024.06.05
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    部活の同級生からの課題図書。読んでみて感想、聞かせて欲しいと。執筆当時59歳の細胞の老化の研究をしている生物学者のシニア論です。なるほど…ヒト以外の生物は老いずに死ぬ…のか。まさに「ピンピンコロリ」がほとんどの動物のスタンダードであることを初めて知りました。ヒトだけが死の前に老年期という時間を過ごすようになったことをこの前半で生物学者として、DNAの老化の専門家としてグイグイ語ります。(でも、暮らしの中で目にするおじいちゃん、おばあちゃんの犬はどう考えればいいのか?質問したくなりました。)その老いという時代を、どう生きるべきか?というテーマが後半に繰り広げられます。前半が学問の啓蒙的であるのに対して後半は研究というより著者の試論の様相を呈して来ます。人間ならではの「シニア」という存在に対する「おばあちゃん仮説」「おじいちゃん仮説」ぐらいからちょっとアレレ…って感じに思えます。そこには研究者のライフステージの移行に対する著者自らの問題意識の反映も感じます。本書ではシニアを『生物学的な「年齢」とは切り離して、知識や技術、経験が豊富で私欲が少なく、次世代を育て集団をまとめる調整役になれろ人」と定義づけします。いわく「徳のある人」…ホント?これって定年延長で給料が下がる説明会に集まったおじさんたちの心のモヤモヤを顕在化したみたい…。こうならばいいな、という願望としては理解できます。当事者の願望と社会のニーズがうまくマッチングするためには本書に書かれている以外の新しい仕組みが生まれないと難しいような気がします。死の前の「老い」という季節は個人の意識の問題なのか社会の仕組みの問題なのか?自分の別の友人は「高齢者に出来る社会貢献は消費だけだ!」と嘯いて高額のオーディオ商品買いまくる人もいます。ちなみにこの新書を読んでいる間に買ったばかりのスマホを紛失してしまい1時間ぐらい死んだ気分になりました。幸い直前にいた場所に落ちていて助かりましたが、確実に「老い」に直面してボロくなっている自分に落ち込みました。それがこの本に対する辛口気分の源泉かも。勧めてくれた友人と「老いの過ごし方」談義してみます。

    8
    投稿日: 2024.05.11
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    生物学的な視点からヒトはなぜ老化が始まってからも長く生きるのかなど学べる。 例えば、「おばあちゃん仮説」では、子育てする上では母親だけでなくおばあちゃんも子育てに参加できる方が有利なので寿命が伸びたのではとのこと。 進化的には確かにそうかもと思うが、核家族化や個人主義の進んだ現代はそこが活かしにくくなっているなぁと思う。 老化改善の研究の話もあり、あと10年ぐらいで実用化の目処が立つかもというのは、希望が持ててありがたい。 他にも色々な知見が得られて面白いが、個人的にヒトとバナナの遺伝子が50%同じというのが面白かった。

    0
    投稿日: 2024.05.04
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    老いは「何かを失う」わけではなく、「役割が変化すること」という捉え方がいいなと思った。 人生の40%は老後だそうだから、年をとることを嘆くのではなく、自分でできる役割を考えて社会に貢献していきたいと思った。 そして、できれば「老年的超越」というご褒美を味わいたいと思わせてくれる本だった。

    0
    投稿日: 2024.04.22
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    自然界に老いはない。社会的な生き物であるヒトは、老いた人がいる社会が選択されて生き残ってきた。知識や技術・経験が豊富で私欲少なく次世代を育成する「いいシニア」になり、社会の一線から退くのではなく、公共精神で社会と関わろう。 ヒト以外にはケアする社会がないから元気か死の二択で老いはない、なら理解できます。でも、サケやハダカデバネズミやゾウのように、ピンピンコロリが生物としてのデフォルトである、というのはどうかなあ。

    0
    投稿日: 2024.04.20
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    生物学者がヒトが老いる理由、意味、そして老いにどう向き合っていくべきかを語る一冊。 後半部分は社会的に老いについて語る展開になっていくので、もう少し生物学的な証拠に基づいた話を読みたかったかも。

    0
    投稿日: 2024.04.15
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    著者は細胞の老化研究をしている細胞学者。 タイトルの答えは単純に他の生物は老いる 前に搾取される弱肉強食の世界にいるから。 後半は学者の範囲を超え、シニア世代を どう生きるかを言及しており、正直、 大衆向けになっており、期待はずれの 内容だった。

    25
    投稿日: 2024.04.07
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    前著「生物はなぜ死ぬのか」で話題となった著者の続編。 前著で、生物は「変化と選択」を繰り返す「進化のプログラム」によって、今ある姿・形・性質の全てを獲得したこと、「生物はなぜ死ぬのか」ではなく、死ぬものだけが進化できて、今存在している、死は進化に必要である、ということを示しました。 本書では、死ぬことは必然としても、人間だけが老化するという現象はなぜ起きているのか、ということに着目しています。著者に言わせれば、前著同様、「なぜヒトだけが老いるのか」ではなく、老いた人がいる社会が選択されて生き残ってきた、ということになるそうです。 生物としての老化にどのような意味があるのか、それを理解し、私たちは老いとどのように付き合っていくか、シニアが社会に果たすべき役割は何か、と考えさせられる内容が満載です。前著ほどのインパクトはなかったものの、難しい内容も丁寧に優しい言葉遣いで解説してもらっていますので、非常に読みやすくなっています。高齢社会を迎えるにあたり、ぜひ読んでいただきたい一冊だと言えます。 ▼著者の提案 ①元気なときには、本能のおもむくままにやりたいことをやり(もちろん公序良俗に反しない範囲で)、 ②老いを感じ始めたら、少しずつ中心を自分から周りに広げて(老いを感じる年齢は個人差があります)、 ③「シニア」になり、無理のない範囲で公共に尽くし(選手兼コーチもOK)、 ④最後は皆に惜しまれて天寿を全うしてピンピンコロリと死んでいく(いつ死んでもいいようにご準備を)、 という考え方で生きるのはどうでしょうか <目次> はじめに 第1章 そもそも生物はなぜ死ぬのか 第2章 ヒト以外の生物は老いずに死ぬ 第3章 老化はどうやって起こるのか 第4章 なぜヒトは老いるようになったのか 第5章 そもそもなぜシニアが必要か 第6章 「老い」を老いずに生きる 第7章 人は最後に老年的超越を目指す おわりにー幸せについて

    19
    投稿日: 2024.04.06
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    老後って何だろう。 そんな年齢になったため、手に取った本。 子孫を残せる年齢を過ぎても、人はまだまだ生きる。何のため? 高齢になったら自分の知識を公共化する、なるほど、と納得した。 死んだら今までの知識が0となる。 他の人に伝えて、更なる進化&発展をする。 人類全体でみる。 大きなメタ。

    5
    投稿日: 2024.03.18
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    ヒトには老後がある理由とそれをいかして少子化の歯止めと知見の継承もできる提言がなされています。こういうアプローチもありだなと思いました。

    6
    投稿日: 2024.03.10
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    人間が生きる意味を知りたくて、生物学観点からの見解を読んでみた。 どうやら哲学的な意味での個人の生の意味は無いらしい。生物学者が淡々と調査結果を報告するスタンスなので、抵抗なく腹落ちした。 「老い」は人だけに許されたもの、という見識は目から鱗だった。たしかに人以外の動物はいきなり死ぬのだ。 生物学は面白いかもしれない。 <アンダーライン> ★★★ 「死は進化に必要である」ことは、生物学的な「死生観」と言ってもいいのかもしれません。 ★★★★★ 私たち生物は進化の結果できたので、死がないとそもそも進化できず、存在し得ません。つまり「なぜ死ぬか」ではなく、死ぬものだけが進化できて、今存在しているのです。 ★★★★ 生が利己的であるのに対し、死は利他的、公共的と言ってもいいかもしれません。 ★★★ 子孫を残すこと自体は生物の生きる目的ではありません。進化に目的はないのです。結果的に、子孫を残す生物が生き残ってきただけのことです。つまりこれも「たまたま」そうなっただけといことになります。

    0
    投稿日: 2024.03.03
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    興味深い。人は必ず歳をとる。その時にどう過ごすか… 社会に還元、そして最後は老年的超越で幸せに過ごす、自然に得た心境である意味ご褒美だと。 死への恐怖から解放されて大きな後悔もなく死んでいける。 野生の生き物は基本的に老化しない、老化は突然やってくる。 細胞の老化=個体の老化 幹細胞は寿命が長く、一生涯生き続けるものもある。 血液の細胞は約4ヶ月でワンサイクル 骨の細胞は約4年周期 ヒトの寿命は50〜60歳くらい、その根拠は 1. ゴリラ、チンパンジーの寿命からの推定、ゲノム遺伝情報はヒトとほぼ同じで50歳前後の寿命 2. 哺乳動物の、総心拍数は一生でほぼ20億回仮説 2〜3年寿命のハツカネズミも60年のゾウもほぼ同じで15億〜20億、ネズミは1分間に600回、ゾウは30回とゆっくり。 3. がん  ヒトは55歳くらいからガンで亡くなる人が急増、年齢以上に生きることを想定していない進化の選択のためかと。野生動物はがんにほぼならず、その前に寿命で死ぬ ヒトは本来の寿命55歳くらいから30年ほど生きるのは、強力な免疫機構のおかげ。十分な栄養で臓器も元気に。また、集団としての優位性を保つ社会性の生き物。 よって、細胞が壊れるまでの程よい過程が「老化」 人の社会の2層構造、想像力豊かなクリエイティブ層と、自由度を支えるベース層。若者と年配者、それぞれの活躍の場が結局互いを支え伸ばすのではないか、と。

    3
    投稿日: 2024.03.03
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    人だけが寿命が長い理由、老いの仕組みについて説明があり、著者の死生観についても述べられている贅沢な新書。 子育てする種に分業化するという仮定は現在は倫理的に難しいですが、今後人口が減ってくると検討されるのかもですね。

    0
    投稿日: 2024.01.24
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    生物はなぜ死ぬのか?それは進化するためである。 そして過酷すぎるこの地球環境の中で生き残るためである。死ぬ種族だけが生き残って来れた。人間以外老化して死ぬ生物はなかなかいない。ホモサピエンスの中で、老いる事に意味があり、繁栄出来た者だけが生き残れた。その生き残りが我々である。老いには十分に意味があると言うことだ。おばあちゃんがいるから、生存確率が上がったという理論だ。

    4
    投稿日: 2024.01.18
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    シニアの定義 生物学的な「年齢」とは切り離して、知識や技術、経験が豊富で私欲が少なく、次世代を育て集団をまとめる調整役になれる人のことです。(簡単に言えば「徳のある人」) ヒトだけ なぜ老いる? 野生動物に老後はない 東大・小林武彦教授に聞く 「利他的」シニアは知恵袋 進化の推進役 https://www.tokyo-np.co.jp/article/281775

    1
    投稿日: 2024.01.17
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    前作にも増して、小林先生の思想が強目に出た文章だったと思う。 賛否ありそうだけど、生物学者からみた世界観でわたしは面白かった。 85歳以上まで生きると、いろいろ超越して死が怖くなくなるのか。期待。 そして老化防止の薬か何かが出てくることを期待。小林先生がんばれ!認知症にはなりたくない…! ヒトの進化については、ほんまかいなと思うところもあった。 エマニュエルトッドの本と読み比べてみたい。 家族関係、おばあちゃん仮説… あと、ヒトの昆虫化(産むヒトと産まないヒトに分けられる)は斬新だけど、生物学的にはありえなくないのかとギクッとした。ちょっと嫌だよね。 最初のガチ生物学の話(RNAからDNAが生まれるまでの話)から、シニア層の心の持ち用の提言まで、話の振れ幅が大きくて、大学の講義ってこんな感じだったよねーと思い出して懐かしく思った。 感想がまとまらなすぎる…

    2
    投稿日: 2024.01.11
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    生物学的な視点で他の動物と比較してのヒトの老いに関するファクトはとても新鮮でした。 一方、それを踏まえた上で、老後をどう生きるか、”シニア”に与えれた使命が提言されていて、ここは納得感のあるところ。 もう頑張らなくていい「老年的超越」の境地に早くたどり着きたいものです。

    0
    投稿日: 2023.12.07
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    なぜ人が死ぬのかのくだりはとても興味深かったですが、老いるところはあまり目新しさを感じませんでした。なぜ死ぬのかについての本が先に出ていたようなので、そちらを読んでみたいと思います

    10
    投稿日: 2023.11.24
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    出だしは様々な発見があり面白かった。後半は著者の思想が混じってきて、やや興味が薄れていった。 実は老いて生きれるのは人だけ。そこには必然性があるから。 改めて突きつけられたこの事実を踏まえて、老いていく中で社会における自分の存在感を考えていきたい。

    1
    投稿日: 2023.10.13
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    ネアンデルタール人がホモ・サピエンスに滅ぼされた理由のひとつ、集団の大きさ。ネアンデルタール人は100名ほどの集団で暮らしていたのに対し、ホモ・サピエンスはその10倍の1,000名の規模。

    2
    投稿日: 2023.10.01
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    生物学や生命科学的なお話から社会的な老いの意味合いまで、著者の学者的立場とコミュニティに属した人間としての立場の両側面から言及されている本。社会的意味合いは、孔子の教えのような部分がありつつ、昨今の若々しい老人を彷彿とさせる内容でもあった。本書を通して、ヒトが老いる理由は人類の歴史の過程で必然であったことと理解できた。 整然とした流れでありつつ、リズミカルに平易な言葉で書かれておりとても読みやすい本で、飽きずに読了できた。

    1
    投稿日: 2023.09.30
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    タイトルに興味を惹かれて、読んでみた。 老いれば襲われる可能性が高いため、老いの期間が長くない動物、一方老いてからも下の世代に伝えるといったことができるヒトは、進化の中で老いの期間が長くなった。この違いは個人的に納得感がある。 一方、著者の考えがかなり甘くも感じてしまった。シニアも働き続けることには賛成だが、本に出てくるなんちゃってシニアは、もっと体感として多いのではないか。 また生物学者としての観点が、後半はおまけのようになってしまい、読み切るのが少々厳しかった。

    0
    投稿日: 2023.09.20
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    半分くらいまではとても面白い。 多くの動物には「老後」はない、「老い」が始まったらすぐに死ぬ。 「老い」は具体的には「幹細胞の老化(=遺伝子変異の蓄積)」と「細胞がターンオーバーしない臓器である脳と心臓の老化」により起こるが、多くの動物では遺伝子異常を抱えた幹細胞は排除される機構が強力なため、遺伝子異常細胞が増えてくると生体を維持できなくなって死ぬ。つまり「老い」は「死」に直結している。遺伝子異常蓄積理論から導かれるヒトの本来の寿命は55歳くらい。 ヒトではこの遺伝子異常排除機構がゆるいため「老い」が「死」に直結せず「長い老後」を過ごす。おまけにその老後期間は遺伝子異常のために「がん」が起きやすい。 ではなぜ、そのような「長い老後」を持つヒトが進化的に選択されて存在しているのか?それはそれが進化的に有利だったから・・・と、ここまでは面白いし納得感があり、さあその答えは・・・と期待して読み進むと。。 「おばあちゃん仮説」「おじいちゃん(シニア)仮説」と話がすすんでしまうと、急に社会科学みたいになって、おばあちゃんが子育てに、シニアが社会の安定に役立つから進化的に有利・・・それってどうかなあ?それは結果論じゃないの? そもそも平均寿命が55歳くらいの頃の人類が進化的に適正だったんじゃないのか。まれに長寿者がいても平均的には事故や戦争や感染症もあって55歳くらい。それが抗生物質やら栄養状態の改善やら文明力で無理やり伸ばして85歳までも生きているのが現状。そう考えると、「おばあちゃん仮説」「おじいちゃん(シニア)仮説」はその無駄に長い老後の仕方のない使いみちとして結果的に生じてきた現象なのでは・・・というのが私の感想。 後半は1963年生まれの著者が考える高齢者の生き方論みたいな人生訓話になってしまい拍子抜け。

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    投稿日: 2023.09.10
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    学術的であまりおもしろくないところと、「なるほど!」と妙に納得するところが混在していました。人間も女王蜂とそれを支える働き蜂のように分業化していく話は説得力がありました。

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    投稿日: 2023.09.03
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    前半は老いについての生物学的な解説、後半はヒトの老後の生き方についてのちょしゃからの提言。 老後の生き方について、考えさせられました。 本書には生物学的な内容を期待していたので、星3つとしました。 ハダカデバネズミって体のサイズとから推測されるよりも凄く長寿なのは知りませんでした。また、老後期間(繁殖ができなくなった期間)があるのは哺乳類ではシャチとゴンドウクジラとヒトくらいとは驚きです。ヒトと近縁のチンパンジーやゴリラも老後期間がないとは。 著者が言うところの「シニア」(知識や経験豊富で、教育熱心で私欲が少なく全体の調整役としてバランス良く振る舞える人。簡単に言えば「徳のある人」。)はかなりハードルが高いです。 今の日本、年金で生活するのは苦しいと聞くし、かと言って高齢者が十分働ける市場もないので、生活に余裕のない人も多いはず。そんな中で「シニア」として振る舞うのは大変そう。 理想として覚えておこうとは思います。 「老年的超越」といえる境地に至るまで、認知症にもならず、そこそこ健康でいられるといいな、と思います。

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    投稿日: 2023.08.07
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    この本の中でも触れられていますが、哺乳類の動物は全て寿命までの心臓の心拍数が決まっているらしく、それによると「ヒト」の寿命は55歳程度になるそうです。数年前に希望すれば、会社勤めの人は65歳まで勤務できるようになりましたが、いわゆる定年は「60歳」私が子供の頃は「55歳」だったと思います。戦争が終わった頃の日本人の平均寿命はその程度だったと認識していますので、政府は平均寿命を超えて生きた人に対して年金を支払うという考えだったのかもしれませんね。 さて、この本は寿命を伸ばした「ヒト」は、他の哺乳類とは異なって「老後」という問題を抱えるようになりましたが、元を辿るとそれを獲得するには色々と重要な意味があって、それについて解説がなされています。今の人類は、ホモサピエンスが多くの競合の中で生き残った人類のようですが、老後を獲得した=寿命が延びたことが、栄える原因となっているようですね。 私もそろそろ老後について考えなければならない時期に差し掛かっていますが、先輩たちが獲得してくれた「寿命」を有効に使えるようにしていきたいと思いました。 以下は気になったポイントです。 ・集団(社会)の中で進化したヒトは特に死への恐怖が強く、これは他人を思いやることができる「共感力」によるものです、共感力は人と人との絆を強め、社会を強固にしています。自分が死んだ時の周りの悲しみを想像すると辛く、死への恐怖はなおさら強くなります(p5) ・ヒトと他の生き物とので違うところは「自分の存在を客観視できること」である、そのため他人と比べて上手く行かないと悩むし、辛いことがあると苦しむ(p18) ・ヒトとチンパンジーは最近(6000万年前)に共通の祖先から別れて、その時間をかけて1.5%の遺伝子の違いが生じた(p20) ・RNAには遺伝子の基となる3つの性質がある、1)自身を複製して子孫に継承する「自己複製能」、2)変化すること、3)壊れやすい(p24)RNAが最初にできた物質で、主体的に細胞を動かしているのはRNA、DNAはただのストックセンター(情報の貯蔵庫)であった、DNAのほうがRNAのコピーであった(p35) ・なぜ死ぬか、ではなく死ぬものだけが進化できて、今存在している、老化は死に向かう過程であり、老化とは、複製するよりも分解が起こりやすくなった状態である(p39) ・コロナによる死者は、2021年には1万5000人となり、死因全体の1%程度で、死亡者の平均年齢は82歳であった(p42) ・ヒトの細胞の中で一番数が多い血液の細胞は、約4ヶ月で新しい細胞と入れ替わる、造血幹細胞という骨髄にある細胞が常に新しい細胞を作っている、寿命が長く、なかなか入れ替わらない細胞は骨の細胞で、約4年周期である。つまり大体4年で体の細胞はほぼ新しく入れ替わると考えて良い(p74) ・ヒトの老化の原因は、1)新しい細胞の供給能力の低下、つまり幹細胞の老化の影響が大きい、2)細胞が入れ替わらない臓器(脳、心臓)の細胞の老化である(p75)心臓の細胞(心筋)は大きく太くなることはあっても、新しいものと入れ替わることはありません。心筋症、心筋梗塞で心臓の細胞が減ると、心臓が上手く機能しなくなる=心不全となる(p76) ・本来の生物学的なヒトの寿命は、50−60歳である、その根拠として、1)ゴリラやチンパンジーの寿命からの推定、2)哺乳動物の総心拍数は一生でほぼ「20億回」これによると、50歳前後となる、3)55歳くらいから癌で亡くなる人数が急増する、野生の哺乳動物で癌で死ぬものがほとんどいない(p81) ・進化の過程から確かにヒトの体毛のほとんどは退化して捨てられたが、今でも残っている毛には、現在でも必要性があって残っている、具体的には「わき」「性器」の周りの毛である。共通点は、ともに縮毛であること、青春期から生え始めることである。縮れた毛は摩擦を減らす、脇毛は腕を動かしやすくする、性器の周りの毛は、その保護や性交時の摩擦を減らす役割がある(p103) ・体力だけでなく、知識・技術・経験や集団をまとめる力が、社会を安定化し子供を増やし教育する重要な要素になってきた、その役割を「おじいちゃん」「おばあちゃん」が担ってきた(p106) ・なぜヒトだけが老いるのか、ではなく、老いた人がいる社会が選択されて生き残った(p118) ・子供がいなくても会社勤めをしている時には基本的には規則正しい生活が送れます、規則正しい生活は、ホルモンバランスを整えて、長寿遺伝子の働きを活発にしてくれる(p164) ・1990年には50歳時未婚率は、男女とも5%程度であったが、2020年には男:28%、女:18%となった、男女で1.6倍ほど未婚率が違う理由は、男性が複数回結婚する人が多いということである(p169) ・シニアになってきたら、新しいことを取り込むインプットも必要だが、これまでの蓄積を吐き出すアウトプットの方を多くしていくべき。チャットGPTのような対話型AIの返答とは違う、人から人にしか伝えられない、ある種の本能を揺さぶるフェロモン的な効果があるように思われる(p202) ・VR技術(メタバース)で良いなと思ったのは、1)居場所の創出、2)バリアフリー(年齢、性別、国別、社会的な立場も関係ない)で人と関わることも可能である(p205) ・なぜヒトだけが老いるのか、それは死を意識し公共を意識するためである、死は何のためにあるか、それは進化のためです。進化は何のためにあるのか、そレは私たちも含めた地球上のすべての生き物の存在理由である(p218) ・老いを感じたら、少しずつ自分のために使っていた時間を社会のため、次世代のために使うのは、それまで楽しく生きてきた人ほど、幸せに感じられることである、シニアの活躍がヒトの寿命を延ばしてきた(p221) 2023年8月3日読了 2023年8月6日作成

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    投稿日: 2023.08.06
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    生物学的な見地からの主張は比較的少ないように見受けられた。 「ほんとうの定年後」で述べられていたような、人的資源の有効活用がいかに求められているかといった部分についての考察が読後感の大半を占めるような感じで、老いのメカニズムはさておき現代の我々におけるその意義とは、という考察に関しては、人生訓の域を出ない代物だったと思う。

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    投稿日: 2023.07.30
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    タイトルとは違って、老いるのがヒトだけではない、と知ったのが一番の驚きであった。シャチやゴンドウクジラには老後の時期があるということだ。つまり生殖能力がなくなった後にまだしばらく生き続けるということ。何のためにか。それは子育て(孫育て)に協力するため。ほとんどの生き物は生殖能力をなくした後はすぐに後進にその場をゆずる。川を元気に遡上し産卵した後すっと命を落とすサケのように。僕自身、シニアと呼ばれる年代に入っている。孫の面倒を見るのはもう少し先になりそうだが、後進を育てる役を担わなければならない。ところがだ。ICTだか何だかで、我々世代は教えることよりも教わることばかりなのだ。システム自体が大きく変わってきており、もうそれについて行くのは不可能になっている。昔が良かったなどと言っても誰も相手にしてくれない。絶対変わらない、変えてはならないものがあるはずなのだけれど。30年間続けてきたことが全否定されるのか。今のやり方の方が良いということをだれがどこで、どう判断するというのか。それくらい大きく変わろうとしている。テクノロジーの力で。教育の現場がである。本書の内容から大きく離れてしまった。徳のあるシニアにならなければいけない。元気な間は利他的に生きなければいけない。定年後、何ができるかをもっと真剣に考えなければいけない。そして、利他的に死ななければいけない。

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    投稿日: 2023.07.22
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    前作がすごく面白かっただけに残念、本書は科学的な見識も多少はあるものの経験や筆者の感想が多くを占め読み物としては目新しさや納得に欠けた。 とはいえ、シニアは公共に尽くすことで居場所を見つける的な言いたいことは共感でき、筆者のような先生に政策提言をたくさんしていただきたいなとは思った。

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    投稿日: 2023.07.15
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    前書『生物はなぜ死ぬのか』にて、「死は進化に必要である」とした著者は、本書にて「老いを実感しているシニアは社会にとって必須の存在であり、「老い」のおかげで人類の寿命が延び、今の文明社会が築かれた」と結論づけています。 「死」はすべての生物に共通した絶対的なものであるのに対し、「老い」はヒト以外の生物にはほとんど見られない現象であるらしい。生物が持つ全ての性質は、進化の結果できたと考えられるので、ヒトに特有の「老い」にも生物学的な意味があるはずである。本書では、様々な生物との比較のなかで、ヒトにしかない「老い」の正体を考察する。さらに本書がユニークなのは、生物学的な視点からの「老い」の意味を踏まえて、私たち人にだけ与えられた「長い老後」をどう過ごせば良いかのシニア論になっていることであります。 「老い」の意味を考え、それと向かうあう楽しみを考える本です。

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    投稿日: 2023.07.15
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    進化は目的ではなく結果である。私がいまここにいることには何ら意味がなく偶然のできごと。死ぬことは公共のため、進化のために必要なこと。 ヒトが老いるのは子育てが大変になったことでおばあちゃんが孫の世話をする個体の遺伝子が結果的に多くの子供をもうけるのに有利であり、長生きする個体が生き残っている。ヒト以外に生殖能力を失っても長くいきるのはシャチとゴンドウクジラ。いずれもおばあちゃんが孫の世話をする。 死ぬことはどこかに行くことではなくもと居た場所に返り宇宙や自然と一体化すること。また永い年月を経て意識ある人間に生まれてくる時を想えば、幸せな気持ちで死んで行けるだろう。

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    投稿日: 2023.07.12
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    イヌも老いると思うが、老いた状態の長さは人間が一番。その長さに意味があるという著者の提言がどんなことかを知り、自分でもその長さの意味を考えるために読みたい #なぜヒトだけが老いるのか #小林武彦 23/6/22出版 #読書好きな人と繋がりたい #読書 #本好き #読みたい本 https://amzn.to/3qYvEEo

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    投稿日: 2023.06.22