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完全シミュレーション 台湾侵攻戦争
完全シミュレーション 台湾侵攻戦争
山下裕貴/講談社
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総合評価

10件)
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    台湾有事は本当に起こるのか――問いは重い。中国の軍拡や演習、米国の関与は緊張を高め海峡の波を荒らす。だが一方で経済や半導体を通じ世界は台湾と深く結ばれ戦火は双方に計り知れぬ損失をもたらす。歴史を振り返れば内戦終結以来「一つの中国」をめぐる緊張は続いたが破局は回避されてきた。戦争を描くシミュレーションは現実の危険を映すが恐怖を煽るためではなく平和を守るための警鐘であるべきだ。銃声が響けば失われるのは人命と生活だ。だからこそ想像力をもって破局を避ける知恵が必要だ。外交と抑止の両輪そして市民の声こそが火種を鎮め未来を選び取る力となる。

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    投稿日: 2025.08.29
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    第123回アワヒニビブリオバトル テーマ「長崎」で紹介された本です。ハイブリッド開催。 2025.1.7

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    投稿日: 2025.01.07
  • 侵攻が成功するかどうか

    台湾侵攻は必然的に日本侵攻となる。 なぜなら、台湾を南北に貫く山脈が天然の要害となるため、内陸からの東進が不可能なこと。 そのため東部侵攻には海上からの迂回路が選択されるが、日本の南西諸島とりわけ先島諸島があまりにも台湾に近接しているため、捨て置けなくなるからだ。 東部海岸に揚陸部隊を送るには、あらかじめ背後に当たる与那国島や石垣島に侵攻して占領しておかなくてはならない。 本書は米シンクタンクで実施されたシミュレーションを元に構成され、中国の目論みは失敗するだろうとの予測を立てている。 しかしこれはずいぶん虫のいい論拠を前提としていることは肝に銘じておく必要がある。 まずアメリカの参戦。 侵攻と同時に米軍が迅速かつ本格的に介入することを前提としているが、どうだろう。 さらに直接の戦争当事国である日本の参戦は言うに及ばず、オーストラリアやイギリスも戦闘地域に空母を派遣するわ、インドは中印国境付近で攪乱的な軍事行動を連動的に起こして戦争に協力するらしい。 もう一つ気になるのは、米中双方とも本土への直接攻撃は抑制し、核の使用を伴う全面戦争への進展を避けるとしている点。 これはウクライナと同様だとするが、果してそうか。 武器供与ではなく主体的に軍事活動に参加するなら、そもそも限定的だという境目自体が曖昧になる。 さらに、想定では習主席からの命令で、日本の自衛隊基地には攻撃していいが、在日米軍基地には攻撃を禁じるというのだから相当虫がいい。 一番の難点は、台湾海峡をめぐる攻防予測だ。侵攻開始後わずか140キロの海峡は、早々に中国の「内海」化されるはずである。 おまけに水深が浅く、潜水艦も航行しにくいこの海峡を、米軍は大量の水中ドローン艦隊を動員して中国の物資輸送を妨害するとしているが、そもそも封鎖海域に辿り着けるのだろうか。 本書を眼光紙背に徹して読めば、著者のシミュレーションとは異なる結論が得られるはずだ。 中国があらかじめ、台湾を東西に分断する形での占領をひとまずの目標として事に臨むなら、短期での決着はあり得ない話ではない。 「台湾市民を守るための限定的な特別軍事作戦で、他国は内政干渉するな」と釘をさせばいい。 当面はイスラエルによる占領みたいに一時的なものだと嘯いて既成事実化していけば、やがて全島占領への足がかりにはなるはず。 一方で、大量の台湾市民の避難の受け入れに謀殺され、日本や西側諸国の国内世論は分断すると予想される。

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    投稿日: 2024.10.28
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    近い将来、これは本当に発生するのか?と思いつつ、昨今の世界情勢を鑑みれば、リアルに近づきつつあると考えさせられる。本書の読後感は心痛…

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    投稿日: 2024.01.14
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    <目次> プロローグ 第1部中国はいつ台湾侵攻を決断するのか 第2部台湾有事シュミレーション 第3部シュミレーション解説 第4部戦争の結末 資料編 中台米日各国の戦力 2023/4/17発行 元陸上幕僚副長山下氏 中国は台湾に侵攻する 日本はまきこまれ尖閣、与那国は取られる ⇒さて中国はロシア・ウクライナ戦争で何を学んだのか  日本はロシア・ウクライナ戦争で何を学んだのか ⇒米は台湾はケアしても、日本は守らないことは  十分承知しておかねばならないだろう ⇒沖縄はすでに激しく中国からの工作活動にあっている  知事からしてだ

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    投稿日: 2023.10.06
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    中国が台湾へ軍事侵攻した場合の仮説のストーリー 長年、言われ続けてきた中国による台湾侵攻 台湾侵攻が、日本にとって決して他人事ではないこと アメリカの出方と日本の立ち位置 ランドパワーの中国が、シーパワーのアメリカに挑戦する ロシアの軍事侵攻による軍事バランスの台湾への移行は、ロシアを除くインドや周辺諸国にとって中国に圧力をかけることにならないだろうか。また経済成長の限界も指摘される ロシアによるウクライナ侵攻を見て中国は何を思うのか 台湾の半導体を中心とする世界トップクラスのテクノロジーを中国が破壊する覚悟があるのか。中国も手に入れたい技術なはず。 戦争は決して綺麗事ではないし、今の世界では結果として勝者も敗者も生み出さないのではないかと思う。 富国強兵ではないですが、力のない正義は無力であることを思い知らされました。

    2
    投稿日: 2023.06.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中国が台湾を侵略した場合、米国が迅速かつ本格的に介入し、台湾が早期に降伏しないこと、また日本が犠牲を厭わず米国・台湾と共に戦うことで、中国の目論見が失敗すると著者はほのめかす。しかし、米国の直接介入はあるのか、台湾は持久力は如何ほどか、日本は参戦するのか、などの困難な前提が多すぎて予測不能。それであっても具体的な要素が提示されているのが本書の意義と理解する。 P.138から「親日国台湾と日本の絆」が述べられているが、胸に染み入る記述である。また、P.122で台湾の生き残りの可能性としての「インターネット空間でのバーチャル国家」が極めて独創的で驚いた。

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    投稿日: 2023.06.16
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    祖国統一を絶対命題にあげている習近平政権が、台湾が独立するシグナルをとらえて、台湾に侵攻する CIAがとらえた情報は、2027年までに台湾侵攻の準備が完了するように習近平が指令を行っているとのことだった これが事実であるならば、日本の喫緊の安全保障は、北朝鮮問題ではなく、台湾問題となる。 ・2022年に十数名の国会議員が集まり、完全非公開で、台湾侵攻の有事の図上演習をおこなっていた。 ・もともと、日本が敗戦により台湾を放棄した時点で台湾は独立を果たしており、戦後の台湾においては、台湾国が存在し、大陸から中華民国が亡命し併存している。 ・一般に軍事的には、攻撃側は、防御側の3倍から5倍以上の戦略が必要とされている。 ・権威主義国家では、指導者がいったん決心すればいかなる困難や犠牲があっても作戦を実施する。そのことを忘れてはいけない。 ・台湾に対する武器の売却は、トランプ政権下では、11回行われ、バイデン政権でも引き継がれている。 ・アメリカが軍事介入する際は、中国の核戦力がもっとも大きな懸念事項となる。 ・アメリカのインド太平洋軍は、太平洋陸軍、太平洋艦隊、太平洋対兵隊、太平洋空軍から構成され、総兵力は約13万1千人でハワイに司令部を置く。 ・第7艦隊は横須賀を母港とする太平洋艦隊の主力である。中国は、第7艦隊以上に、太平洋空軍を驚異と感じている ・日本は台湾有事において、好むと好まざるとにかかわらず、必ず巻き込まれる。 ・なぜなら、先島諸島は地政学的に台湾からきわめて近く、沖縄の米軍基地が台湾を支援する米軍の作戦基盤になっているからである。 <台湾侵攻シミュレーションの発生イベント> ・習近平の台湾侵攻部隊への増強の支持と、調達などの動き ・部隊の移動 ・侵攻に先立つサイバーテロ、超限戦 ・希少金属、軍事物資、弾薬、燃料、医薬品などの大量調達の動き ・中国軍の台湾シンパに対する破壊工作、妨害指示 ・中国政府の欺瞞の発表、中国国内の反乱分子の逮捕、拘留 ・ニセ事件の勃発とそれを利用した台湾への非難、戦争の口実の準備 ・米国などの部隊の増強、紛争地域付近への兵力の再配備 ・関連国から、中国への警告 ・台湾要人のテロ、交通拠点への爆破 ・大規模サイバーテロと、ミサイル攻撃を伴う侵攻の開始 台湾にとって、もっとも有効な戦略は、アメリカを軍事的に参戦させるために日本を巻き込み、日米安全保障条約を発動させること このためには、台湾の残存戦力を日本の南西諸島へ避難させることが考えられる ・中国のもっとも望ましい状態。日米の干渉が生じる前に、台湾全土を制圧すること。すなわち、米国参戦の前に、台湾を実効支配することである。 ・ウクライナの教訓 ロシア軍は、装備の損耗に補給が追い付かず、やむなく古い装備を使用するなど兵器生産態勢の欠陥が浮き彫りになった。 ・自衛隊の動き 台湾への侵攻と同時に、一部の部隊を与那国島へ空中機動させて島を確保する必要がある ・台湾の避難民を受けれるために、九州各所に避難所を用意し、食料や医薬品を準備しておく。 ・アメリカからの反撃手段  ①中印国境の係争地で、インド軍が大規模演習を実施。この地域の戦力の移動はできなくなる。  ②ウイグル、チベット自治区の反政府組織に支援し、中国の後方地域で攪乱作戦を実施   ③中国本土からの補給路の寸断、輸送船団や、航空母艦への攻撃  ④空中ドローンのみならず、ウクライナでも使用された、海中自爆ドローンの中国船舶への使用 侵攻後の世界  インド太平洋軍は、大きな損失を負う覚悟をしなければならない  アメリカは空母2隻を含めて、艦隊7~20隻、航空機270機以上、兵員7千名を失う   日米ともに甚大な被害を受け、アメリカは世界的地位を弱め、また、中国も海軍力の壊滅など重大な損失を被る  にもかかわらず、中国は、台湾の一定地域の占領確保に成功し、新しい時代を迎える 結論  台湾有事が発生すれば日本の南西諸島及び海域は戦場となり、好むと好まざるとにかかわらず日本は戦争に必ず巻き込まれる 目次 プロローグ 第1部 中国はいつ台湾侵攻を決断するのか 第2部 台湾有事シミュレーション 第3部 シミュレーション解説 第4部 戦争の結末 あとがき 注:主要参考文献 資料篇 中・台・日各国の戦力 ISBN:9784065319598 出版社:講談社 判型:新書 ページ数:216ページ 定価:900円(本体) 発売日:2023年04月19日第1刷

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    投稿日: 2023.06.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    結局、中国はアメリカを攻撃しない、攻撃されるのは、台湾と日本でけである。中国の進軍スピードとアメリカの関与次第であろう。攻撃してこない中国をアメリカが攻撃できるか?である。アメリカが傍観していれば、日本も尖閣、先島諸島を守る以外は後方支援だろう。台湾の西側はすぐに、これでもアメリカが参戦しなければ、東岸もである。 アメリカが参戦しないと言う事になれば、核保有国は侵略し放題(核を持たない国に対して)になる。確かに核は使われず地球はきれいなままではあるが、核を持たずに中立などという国無くなってしまう。アメリカの選択は、①他国の為に核戦争の危険をおかす②核保有国が増えていくのを忍従、パックスアメリカーナの地位を諦める。そうなれば、日本もいずれ核保有国だろう。①ではないかなと思うが、②かもしれない。

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    投稿日: 2023.05.15
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    もし台湾有事が現実ななったら、日本も巻き込まれるのは確実です。その時自衛隊は武力行使できるのか、超法規措置で交戦を可能にするのか。考えさせられる一冊でありました

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    投稿日: 2023.04.23