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死にがいを求めて生きているの
死にがいを求めて生きているの
朝井リョウ/中央公論新社
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総合評価

399件)
3.9
107
159
91
15
2
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    螺旋シリーズ。 どの争いも海族と山族が関係している、、、 ある2人の路をなぞる時、結びつくはずのない点と点が繋がり、物語は流れていく。 「あ、この人か」「ここであの時の話がね」とばら撒かれた種が読み進めていくうちに実を結び花となっていく感じ。(花と言っていいのかわからん。) 螺旋シリーズ2作目「シーソーモンスター」著伊坂幸太郎も楽しみです。

    2
    投稿日: 2024.02.10
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    本の中で心打たれるフレーズに出会う事が時々あります。 この本の中でもありました。物語の流れとは違う意味かもしれないけれど、私の中でそのフレーズは上手く言葉で表せない事を、言語化し文面で表現してくれる。 この本に出会えた事に感謝。

    14
    投稿日: 2024.02.10
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    植物状態の友人、智也を毎日見舞う友人の雄介。 行動的で活発で、しかも学業にも秀でていた雄介。 けれど大学生になって、次から次と行動の目標を変えていく。 私的にはこの二人の物語で十分だと思ったが、みんなが不安を抱えている時代を描くためか、転校生や過去の栄光を引きずるディレクターとかの物語も入る。 470頁の長い物語だった。

    6
    投稿日: 2024.02.06
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    先に螺旋プロジェクトの『シーソーモンスター』読んだからか、中盤あたりまでは節々に伊坂幸太郎っぽさを感じた。でも終盤にかけての人間観察の鋭さは流石朝井リョウ!って感じ。伊坂幸太郎っぽい設定を自分の物語に引き込んでてすごい。 自分がしんどい時に読むと自分が責められてる感じがしちゃうかも。

    0
    投稿日: 2024.02.05
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    朝井リョウさんの作品は、同世代ということもあり共感が多い。出てくる細かいエピソードも大体分かる。学生時代の感覚を思い出したいときに読んでいる。 この本を読む間、ずっと智也派でいたいと思った。浅はかな雄介とは違い対立を望まない大人な人間。だが実は物語の最後は、2人が根底の動機の部分で似通っていることが明かされる。 となっているが、作中ではあまりに智也が持ち上げられている。ので、雄介の行動原理をなんとなく理解してしまう自分は焦りを感じる。 清田隆之さんの解説がこの本を最も良く表している気がする「ナンバーワンよりオンリーワン。まさかあれが、”自己責任”社会の入り口だったなんて、当時はまるで思いも寄らなかった。」。

    0
    投稿日: 2024.02.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    競争のない社会の中で、「何者か」になるためには、属性に飛びついて世界を分断して勝利を得ればいい。そんな自己実現は魅力的で争い難い。 自分に都合のいい世界に逃げ込んで、賞賛や歓心を周囲を拐かしてまで何度も得ようとする雄介が不快であればあるほど、それでも共存するべきだと思うラストが光る。 この本がすごいなと思うのは、自己実現とか自分の物語とかそういう説明的でありきたりな言葉じゃなくて、"達成したらおしまい"というニュアンスの"死にがい"という表現を使うところかなと感じた。 レイバーくん(暗に山族だと描写されている)は彼女を大事にし続けるという生きがいを手に入れたが、親友を献身的に看病する雄介は智也が目覚めたら死にがいを手放さないといけない。この対比が結構個人的に面白かった。 なお螺旋プロジェクトのことを何も知らずに読んで巻末の年表みてウワァァーとなった。なんやこの海山設定なぜいきなりファンタジー混ぜたの?って思ってたらマジでファンタジーでした。他のも読むね

    0
    投稿日: 2024.01.31
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    螺旋プロジェクト2冊目。 舞台は平成の札幌。 堀北雄介を縦軸に彼に関わる人を通じて描く。 朝井リョウは初めて読んだ。 札幌が舞台のようだが、本作に北海道らしさはほぼでてこない。 小学校でのスキー教室と、学校帰りにビニール袋で尻滑りをするシーンくらい。 札幌である必要があったのかは、あれがあるから無理やりなのかな。

    0
    投稿日: 2024.01.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    弓削の所のコーヒーの表現に気づいた時、朝井リョウの細かい比喩表現のうまさに驚いた。晃子との対立。他も見逃してそうで読み返したくなる。 雄介の行動は決して称賛を浴びるべきものでは無いけれど、その行動の理由は理解できて完全には憎めない。誰しもが自分は他と違う、他より優れてる、と思いたいけど結局は自分の思う方向に向かわない。他人と比べないで目の前のものにただ向き合って行く人がうまく人生を生きられると気付かされた。

    1
    投稿日: 2024.01.23
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    螺旋シリーズの他の作品のようにあからさまに海山が対立しない分、心の奥の方にある思いがより深く感じられました。 ただ、最後はもう少しすっきりしたかった。

    2
    投稿日: 2024.01.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    "何者"の作者、読んだことはないけどなんとなく自分とは相性が悪そうと思ったが、あらすじとタイトルを見て購入。 最初の電車に乗ってる描写、"足元の暖房からふくらはぎを遠ざけた"というところで、舞台は北海道?と思ったら当たりだった。 生まれてから今も北海道でしか暮らしたことないが、北海道大学や狸小路がでてきても自分の生活とはどこか離れているものと感じた。 所々で自分にも当てはまる、反省しなきゃ、他人からはこう見えるよね〜わかる〜と自分の人生と比較しつつ読み進めていき、終盤の"自分の中にもいるんですよ、堀北雄介が。"というセリフでストンと納得した。 今の時代SNSが発展し自分を定義づけるものを簡単に名乗ることができ、また他者と比較し浮き足立ってみたり落ち込んだりと疲れるなと思っているが、自分もまた不幸な人生をSNSで大袈裟に嘆いてみたり、それがまた自分の何かを示すもので手放せなかったりしている。そういう意味でわたしの中にも堀北雄介がいる。

    0
    投稿日: 2024.01.19
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    何となく耳障りの良い言葉なのであまり著書のタイトル違和感を感じなかったのですが、「死にがい」って言葉は一般的ではない。 普通は「生きがい」なんだよね。 生きがいとは、それを続けることで日々が充足され、生きること、すなわち日々の生活が豊かになるようなことであると思う。あくまでも「生きる」ことが起点で、穏やかに生き続けることのモチベーションになるようなこと。 翻って「死にがい」とは。 本書の中で明確に定義されている訳ではないけれど 「生きがい」が生を起点にしているのに対して、死を起点にというか、「これをやりきれればいつ死んでも満足」というような激しい衝動と熱量という名のモチベーションであると思う。 人間にはいろいろなタイプの人がいるけれど、私は「死にがい」起点で行動できない。 そしてそのような生き方をしている人は苦手だったりもする。 けれど「死にがい」起点の人にちょっと憧れもあったりする。

    0
    投稿日: 2024.01.13
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    生きる意味とか使命とかどうして生まれてきたのかとか、考えても無駄だと分かってはいるものの、確かにずっと頭の片隅にある。そんな部分を引っ張り出してきて、これでもかというくらいじっくり煮込んだ、人間そのものが凝縮されたような作品でした。 順序が逆だよ、の下りがすごく耳が痛かったです。アフリカ行ったら価値観が変わった、というよりも価値観が変わった自分になりたいから帳尻を合わせるようにアフリカに行く、というような選択を無意識にしてきたなと気付かされました。

    0
    投稿日: 2024.01.10
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    「智也の看病に来る雄介」の意味が完全に裏切られました。朝井リョウはハッピーエンドでなくても希望のある結末が多い印象ですが、この作品は結構希望が無かったのでちょっと複雑な読後感でした。 ①生きがいがある(他者貢献) ②生きがいがある(自己実現) ③生きがいがない 僕は③だけど、「生きるために」他者貢献や自己実現をしようとしているところがあって、雄介を否定できない。

    4
    投稿日: 2024.01.10
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    面白かった! 朝井リョウさんの本、完全に中毒になりました。 ストーリーが面白くて次の展開を早く読みたいけれど、読み終わってしまうのが勿体ない…!

    2
    投稿日: 2024.01.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    日頃考えている「自分は何のために生きているのか」の答えが見つかりそうで見つからない内容だった。しかし「やりたいことや目標が無いと生きている意味がない、自分には無くてつらい」と感じているのが自分だけでないことを知り、ほっとした。 社会のルールから逸脱した人たちにも逸脱したことに対する誇りやそれから見出した生きがいがあること、結局それらに縛られていることを改めて認識できたことも良い気づきだと思った。 また第三者の幸せをつくるための社会貢献も、結局は全て自分の生きがいにつながっているのは不純なことなのだろうか。自分のため、他者のため、その境界線は曖昧だなと感じる。

    2
    投稿日: 2024.01.02
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    人は"生きがい"を求めている。しかし、その"生きがい"は他人によるものである。大好きな人のためや趣味のために何かを頑張るというより周りからの評価を得るために人とは違うことに走りがちになってしまう。 現代のSNSが活発化した世の中ではこのような人が増えてきていると感じる。現代の社会現象に合ったストーリーだと感じた。 結局、目を向けるのは自分である。優しい"私"や頑張っている"俺"。何かを実行するときに考えているのは型に当てはめる自分に目を向けてしまう。このような雄介の行動が自分にそっくりだと感じた。

    0
    投稿日: 2023.12.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ⚫︎受け取ったメッセージ p274「生きがい」「それって、なきゃいけないの」 ⚫︎あらすじ(本概要より転載) 誰とも比べなくていい。 そう囁かれたはずの世界は こんなにも苦しい―― 「お前は、価値のある人間なの?」 朝井リョウが放つ、〝平成〟を生きる若者たちが背負った自滅と祈りの物語 植物状態のまま病院で眠る智也と、献身的に見守る雄介。 二人の間に横たわる〝歪な真実〟とは? 毎日の繰り返しに倦んだ看護士、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、注目を浴びようともがく大学生、時代に取り残された中年ディレクター。 交わるはずのない点と点が、智也と雄介をなぞる線になるとき、 目隠しをされた〝平成〟という時代の闇が露わになる。 今を生きる人すべてが向き合わざるを得ない、自滅と祈りの物語。 ⚫︎感想 おもしろかった。良いか悪いかは別として、生きがいを考える余裕のない時代が終わり、多様性の芽生えや個々の夢、希望が語られ始め、それらを見つけられない焦りや苦しみが生きづらさを生んでいた。何のために生きるのか?自分は生きる価値があるのか?生きがいが見つけられない自分に焦り、追い詰められる。 ナンバーワンよりオンリーワン、それは他人に評価される価値観が自己評価に代わっただけだという智也の内省は印象的だった。結局人間は無意識に比較してしまうものだから。苦しみからは逃げきれない。…ということを知った上でそれでも生きるしかない。生まれた瞬間から人はそれまでの人類の歴史を否応なしに背負わされていて、対立と対話を繰り返しながら、自分たちの時代を作っていく道しかない、そう智也は結論づける。 私自身は「生きがい」なんて概念は壮大すぎて引いてしまう。生きていてもいいかなと思えるうちは「生きていられる」だけだと思っている。この世に生きていられる間に読める本は限られていて、それがあるうちは生きていられると思っている。読書でなくても、一生かけて好奇心を保ち続ければ、「生きていられる」だけなのではないかな。 本来なら前向きなはずの概念が、人を苦しめることもあるという一つの例であう。何事にも分量の差はあれど、プラス面とマイナス面が存在する。 因みに近頃は「Ikigai」という日本語が英単語に登場してきているという英語の記事を見つけた。「Ikigai」という本も出版されている。これは「生きがい」の概念がもともと日本由来の概念であり、どこにでもある概念ではないということの表れだ。「生き甲斐」の「甲斐」は価値あるものという意味とのこと。 国は違えど、長寿になってきたことが一因のようだ。 生きるって、やっぱり大変なのだ。

    7
    投稿日: 2023.12.31
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    螺旋プロジェクト2作目 多様性の認め合いが主張され始めた平成において、表面上少なくなっても形を変えて確かに存在する対立構造を繊細に捉えていた。多様性が過激化している令和でもない、確かな平成を高い解像度で描けるのはさすが平成ど真ん中世代の朝井リョウさん。まさに螺旋プロジェクト平成編だった。

    0
    投稿日: 2023.12.26
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    正欲を読んで朝井リョウの社会風刺的な作品を読んでみたくて手に取った。 長編大作なので読み応え十分で、見事な螺旋状の文章構成だった。 一回読んだだけでは理解し難い。。。 読み込んでいくほど味が出る作品だと思う。 しかし主人公がぐるり一周変わっても、自己批判や生きる価値など、 「自分自身が求める自分の評価」 に納得できない感情に共感できる部分が全てに共通してるのが平成を生きる人の苦しみなのかと思った。 平成に生まれて平成で育だった私からすると当たり前すぎて、しかし飲み込めなかった言語化できてない感情に気付かされた。 言われてみれば確かに、自分らしさを大事に(自己責任で)のような物差しで測れないことを探して生きていくのはかなり難しい。 作品の後味のような、この先ももがきながらも立ち向かっていかなければならない事だなと強く感じた。 読み終わった後に苦しくなる、評価も感想も難しいこの感じは、小説ならではの味わいだなと感じた。 正直、海山伝説は要らん要素かもしれない笑 あと、正欲の衝撃が凄すぎてちょっと霞んで見えてしまった…

    0
    投稿日: 2023.12.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本の中でとかじゃなくて、リアルで堀北みたいのがいたら嫌いやわぁ。 それとは別に最後びっくりしたね。 これをやりたいがためにこれだけ長くなったん?

    0
    投稿日: 2023.12.19
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    序盤は植物状態となった智也と献身的に看病する雄介の友情が描かれるのかなと思っていました。しかし彼らの過去から現在に至るまでの過程を第三者の視点も交えながら物語が進むにつれて、彼らの関係性に違和感を感じるようになりました。 平成の時は競争よりも個性を重視する風潮が顕著となりつつあり、実際に学校教育でも競うことより周囲と合わせて…協調して…という指導が多かったように思います。 そのため、他人と比較して自分を評価するという方法ではなく、自分の中で対象となるものと比較し自身を評価するという、存在意義の確立を難しくさせるような環境であったと思います。 また、その中でも意図的に対立構造を生み出し、自身の存在意義を見出そうとする人がいると作中の登場人物が明言しており、リアルの環境を思い起こすとすごく共感できます。 今を生きていても時折、自分のやりたい事の目的と手段が逆転しているのではないかと思うことがあります。この本を読んでいてその点を思い出させ、再び目の当たりにされ、えぐられてくる感じがしました。

    13
    投稿日: 2023.12.18
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    堀北雄介という1人の人物に焦点を当てて、6人の視点から展開する物語。 さまざまな葛藤がある中で、どう生きるか。学生時代の描写や社会人のカーストを描かせたら朝井さんの右に出る人はいないのではと思います。 学生時代にかっこいいと持て囃された堀北が、年齢を重ねて、変わらない幼稚さに周りからの評価が変化して、周りからいわゆる「イタイ」人物の認定をされる。そこには少しホラー要素のような怖さもあったり。視点も展開も表現力もどれも素晴らしくて、朝井さんの本を読むたびに、読んでよかったなと、満足感と、言葉にできないような読了感、達成感に襲われます。 私が特に好きだったのは、社会のために生きがいを見つけようとするのではなく、目の前の大事な人のクマが少しでも消える方が生きる意味とか生きがいとかを感じられるのかもしれないという下りでした。

    4
    投稿日: 2023.12.13
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    朝井リョウ、同世代すぎて色々わかりすぎて一瞬で読める。その人の生きがいなのか、性質なのか。智也が一番嫌っている対立や分断が、智也の生きがいの前提になっている。

    0
    投稿日: 2023.12.05
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    読み終わって残ったものは、「朝井リョウはお腹が弱い面長」。それぐらい気楽に読めて、馬鹿馬鹿しさに満ちている。 深夜の芸人ラジオに近しい感覚がある。 平成生まれより。

    0
    投稿日: 2023.12.03
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    いちばんはじめの話が1番心に残ったしジーンってしてよかった、と思ってたらまさかすぎたよ、、。 こういう人でもほんまにいるなって思ったし、言葉にできないへたくそ、語彙力欲しい 対立する未来が見えるからはじめから離れておくことを選んでも、そこには対立という背景は残る。 智也とあやなが好きかな、智也が目を覚ましてその後は描かれてないけどとりあえず、ゆうすけは自分と向き合う時間を作って欲しいと思った見つめ直して欲しい。でもかわらへんのやろうな

    0
    投稿日: 2023.12.01
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    何事も優劣を付けることで、順位付けする事で、自分の存在意義を主張したがる人は一定数いる。恐らく、私もそんな人間の一人だと思う。あれよりはマシ、これより酷い、無意識にそう言う思考に至る事はよくある。目に見えない小さな対立は永遠になくならないんだろう。 こう言う個人単位の対立が積み重なって、国際的な戦争に発展していったりって言うのは流石に考えすぎかな。人種、宗教、その他色々。自分と違う何かを持っている誰かと比べるのではなく、個性としてお互い生かし合う事が理想。それは永遠の課題だと思うし、永遠に実現する日なんか来ないとも思う。ナンバーワンじゃなく、オンリーワン。今の時代の中でオンリーワンで居ようとすることは確固たる決意がなければ、叶わない願いな気がしてしまって、重苦しい気持ちになった。でもこう言う現実を突きつけられる様なストーリーはかなり好きです。

    0
    投稿日: 2023.11.23
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    作家の競作企画「螺旋プロジェクト」の一作品。 平成の時代における、性格が正反対の智也と雄介、その周囲の人々の「対立」を描いた長編。 心の動きの描写が素晴らしく、読み手の心が苦しくなるほど。 特に何事にも必死に取り組んで来た雄介を揶揄する旧友の台詞 「なんかドリンクバーぐらいすぐ命注ぐんすよ」 が心に突き刺さる。 それは旧友への尊敬の念が感じられず容赦もない一言だが、雄介の行動が凝縮されているような気がした。 物語最後の展開のスピード感には時間を忘れて読み進めた。 螺旋プロジェクト作品はこの一冊で終わりそうだけど、朝井リョウさんのファンとしては一つのテーマをここまで表現できる底力を感じた。

    6
    投稿日: 2023.11.22
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    *生きがい、には若い時にとても悩まされた気がする。 家族ができて、ただただ毎日を普通に過ごすことに満足できるようになってから考えなくなった。ということは生きがいを見つけたということなのかはわからないけど、、、 自分が何者なのか、立ち位置が不安定だった17歳から22歳くらいの時に読みたかった。 *海族と山族だから対立をうむのではなく、海族と山族だと思うことで対立を生む。違いがあることで対話し続けることができる、と捉える。目の前の敵は敵じゃない。その背景にあるもっと大きいものに目を向ける必要がある。 *集団の中にもグラデーションがある。それを見逃さない。

    0
    投稿日: 2023.11.16
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    「死にがいを求めて生きているの」という題名とは打って変わって登場人物たちはみんな「生きがい」を探している。周りと自分を比べて焦って素直に胸を張れていない。これはこの作品の中だけの物語ではない。現代を生きているすべての人たちに言えること。“個性を伸ばせ”、“自分のやりたいことを探しなさい”、“自分の武器を作りなさい”散々学校の先生に言われてきた言葉たち。私はこの小説を読んでいて共感しない瞬間なんてなかった。自己評価=自己責任が出来上がった社会は素敵に思う時もあるけれど、重く感じる時の方が断然多い。

    2
    投稿日: 2023.11.03
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    他者との相対化によって自身を評価するということができなくなった現代の若者たち。彼ら彼女らが抱える「生きづらさ」について、各編の主人公たちの悲痛な叫びが胸に響く作品である。 植物状態の青年を幼年時代から振り返るという趣向なのに、決してお涙頂戴的な流れになっていかないところはさすが。 後半はちょっと一人語りがくどいかな、と感じられる部分もあったし、敵か味方かみたいなテーマはちょっと本作の雰囲気と合っていないような気もしたので、評価としては中ぐらいだけど、読んで損はないと思う。 しかし一番驚いたのは弓削さんのその後。何でこんなことになっちゃったのか・・・

    1
    投稿日: 2023.10.25
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    螺旋プロジェクト8作品の内のひとつ。 盛り上がりはそれほどないはずなのに、どうしてこんなに面白いんだろう?と思いつつ一気読み。 急転直下なストーリーというわけではないと思うのだけど、何だかずっと少しドキドキしてた。 普通のひとたちの普通の日常が描かれているようで、海族と山族の特性が見え隠れしたり、不穏な気配をちょっと感じたりするので目が離せない。登場人物たちの言動にも、何かの思惑や血の宿命のようなものを感じてソワソワした気持ちになった。 必要な対立、不要な対立、生きがい、死にがい。ただただ生きて行くだけというのは難しい。 みんな、自分の存在意義を認めるべく頑張って生きているんだと思い知らされる。登場人物たちの不安定な気持ち、どれも理解できてしまった。 いやー、面白かった。好きな話。ラストのその後も気になる。 『こんな物語を書けるのすごいー』と思っていたけれど、タイトルもすごいなって思った。こんなの思いつかないよね。

    3
    投稿日: 2023.10.18
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    タイトルに惹かれて購入した。 特別付録と解説がすごく良かった。普段解説とか読まないけど、、。 この作品を読んで"私だけじゃないんだ"と心が少し軽くなった。

    0
    投稿日: 2023.09.23
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    すごく面白かったけど、多分全部は理解できてない。 物語を読み進めるにつれて、智也と雄介が成長してきた過程をまわりの人物からの描写によってみていくことで、最初に持った2人への印象がガラリと変わった。 雄介に関して、友達思いの良い奴から、目立ちたがりの「うざい」奴としてみていくことになる。雄介の小学校の友人である一洋が「なんかドリンクバーくらいすぐ命注ぐんすよ」って雄介の何かに熱中しようとする姿をあらわす表現が印象的だった。 でも、彼自身の辛さは理解できないこともない。自分に熱中できるものがない中で、自分が生きる意味とかをみつけないといけない、押し付けられた「自由」が、彼を苦しめている。その「自由」に耐えられなかった雄介は、社会のイメージとしての「男らしさ」や「かっこいい人生」という既存のものに自分を当てはめてしまう。 この雄介の姿を「死にがい」としているんだけど、「生きがい」との違いが私にはまだ難しかった。「死ぬまでの間に価値のある人間でありたい」という思いは、「生きがい」ではないのかな?今気づいたけど、「死ぬまでの間」と「生きている間」は別物なのかもしれない。自分が死ぬまでの残された時間に、いかに価値のあることができるか。自分が生きている間に何がしたいか。自分がしたいことから自分がもっと生きたいと思えるのではなく、自分の残りの人生に価値を残すためにすること(自分が生きている価値がどれくらいあったのか証明してくれるもの)が「死にがい」なのかもしれない。

    2
    投稿日: 2023.09.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    朝井リョウさんの小説はやっぱりすごい。 正直複雑に絡み合いすぎてあれ?結局何だったんだ、、という気持ちになってしまうけど、その複雑さがまた重くのしかかってくるというか。 負の心情はとてつもないパワーになる。対立や嫌悪感は苦しいものであると同時に、どこか興奮や自分自身のアップデートを促してくれるものだと思う。「多様性」を迎合するという視点とはまた一味違う、一歩踏み込んだ内容で脱帽でした。 「正欲」がとてつもない衝撃だったので、読む順番が逆であればもっと読了感は違ったかもしれない。 なんか結局他人に対する批判や嫌悪って自分に返ってくる気がするなぁと思った。みんな根本的には大して変わらないんじゃないかと思う。 自分が人間関係を営む上で、全くの不純な気持ちがないといえば嘘になるんじゃないかと考えてしまい悲しくなった。 SNSで友人との写真をアップするのも結局「友達がいる自分」をアピールすることに繋がっていて、自分主体な部分は否定できない。雄介みたいな人間は実はたくさんいるのでは。 自分の本当に好きなものや人を、自分をよく見せる道具にしたくないと思った。

    7
    投稿日: 2023.09.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

     螺旋プロジェクトのことを何も知らずに、朝井リョウの作品が読みたくて読んでみた。正欲を読んで考えさせられることがたくさんあったから期待し過ぎてしまった。  海族と山族の対立について興味を持てず、雄介は血の気が多いうるさい奴としか思えず不快だった。

    1
    投稿日: 2023.09.09
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    世間的によしとされていることを普通にやれることがどれだけ幸福なことか。 どうしたいかが自分の中にないと、どう見られたいかが幅を利かせてくるのかなあ。 対立をわざわざ作り出す心理について、なるほどと。 海族山族縛りがない方が朝井節を発揮できたのではないかと感じた。

    3
    投稿日: 2023.09.09
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    螺旋プロジェクト第7作にして、ここまでの最高作。 平成という安定の時代を生きる若者たちの物語。 本プロジェクトに通底する「海vs山」の対立と、平らに成る時代(それは安定のように見えて暗黒かもしれないんだけど)を生きる若者たちの生きづらさ、悲しみが交錯するストーリー。 物語は主に主役の2人以外の男女の視点で進むが、そこに雄介の独特な生き方と、それになぜか寄り添うように生きる智也の輪郭が滲む。 対立するはずの2人が親友である理由、そしてラストの気付きは衝撃的に哀しい。 自分の生きがいは、死にがいは。それは本当に必要か。でも本当に不要だと言えるか。 生き方の根底を考えそうになる一冊。連作の一編としてじゃなくても独立して最高に好きな一冊。 朝井さんの小説は初めてだったかな?もっと読んでみたい。 プロジェクトももう少し。

    0
    投稿日: 2023.09.06
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    螺旋プロジェクトの中で、平成時代を舞台にしたパートです。初めて浅井さんの作品を読みました。丁寧に人の心の動きを語ることで物語を牽引していく作風でした。こんな作品大好きです。とても楽しめました。いよいよ、螺旋プロジェクト残すところ1作品になりました。次の作品は『天使も怪物も眠る夜』です。未来の話になります。

    0
    投稿日: 2023.09.02
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    面白い部分もあったけどしっくりこないところが多々あって難しかった。螺旋シリーズの他の作品読んだら理解できるのかな。 このテーマに朝井リョウ参加させるの無茶ではと思ってしまったけどきちんと自分の作風に落とし込んでて作家ってすごいなと思った。 掘北雄介の描き方とか作中のフィクション作品の台詞とかをちょっと雑に感じてしまった。あと腐女子のことこんな浅く描かないで…と思った。多分ないけどいつか朝井リョウに腐女子にフォーカスしたお話も描いて欲しいな。 山族サイドの安藤とめぐみのカップルの顛末が一番良かった。

    0
    投稿日: 2023.08.20
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    後の智也の熱語り独りごつシーン、大学入試の国語で出てきそうやなと思った。 読書という俯瞰した視点から眺めてるから海族の方が好感持てた。

    0
    投稿日: 2023.08.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    役割を求めて生きることしかできない雄介のいびつさは、ここまで顕著ではないにしろ平成時代の生きづらさだと感じました。 ナンバーワンではなくオンリーワンをもてはやすようになった平成は、その言葉ほど優しいものではありません。 雄介と彼を取り巻く人々の物語を通して、外からは見えづらい闇がこれでもかというほど抉られていました。

    0
    投稿日: 2023.08.15
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    あとがきの、作者が考える「平成」についてを読んでから、内容が腑に落ちた。 関係ないけれど、山族の主人公の、突発的で過激な発言や行動が、躁鬱病患っている友人のそれと似ていてハラハラした。

    0
    投稿日: 2023.08.13
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    朝井リョウさんの本は初めて読んだ。 螺旋プロジェクトを母が全て集めたらしく、伊坂幸太郎のを読んだあとに読んでみたけど また伊坂作品とは違う海族、山族の対立の描かれ方が印象的だった。 伊坂作品はいい意味でポップで軽いが、 こちらは生きていく中で、絶対に違うところがある他者との共存について、深く重く掘り下げてある。 対立や競争、生きがいや承認欲求。そして自分の存在価値。 一度は誰しもこの壁にぶつかったことがあるんじゃないかと、今でもふと考えてしまう壁なんじゃないかと思う。 ヒリヒリ、キリキリ、何度も胸が苦しくなるけど、人物像の描写もうまく、気がつけば読み出したら止まらなかった。 朝井作品を他にも読んでみたいと思った。

    3
    投稿日: 2023.08.04
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    内容は私にとって新鮮で面白かった、、、だけど思想があまりにも強くて、特定思想に傾倒しててイマイチ理解できず。

    0
    投稿日: 2023.08.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    完全なる善意で行動できる人間など本当に存在するのだろうか。誰しもが登場人物のように"死にがい"を求めて生き ているのだと思う。 外部に敢えて敵を作り、その敵と戦っている自分を演出する。そして敵がいなくなれば新たな敵を作り出す。そうしなければ生きている意味が分からない。 それを解決するヒントが、めぐみや与志樹の関係にあると思う。 最終的にこの2人はお互いに"生きがい"を見つけたことで、これからも上手く生きていけるだろう。 雄介と智也も対立・対話を繰り返すことでいつか分かり合えるはずだと信じたい。 海族、山族の設定が上手く絡み合っていたと同時に、縛られすぎているとも感じたため星3

    2
    投稿日: 2023.07.16
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    一見生き方に対する思考が異なる2人の青少年を中心とした話・・・ 2章からこの本の構成に気付き、異なる視点で2人の関係を読み進められていきます。 生きがいではなく、死にがい。 プラスな話ばかりではありませんが、何の為に、その試みを、仕事をやっているのか、考えさせられました。 目標と目的、確かに逆転する事が多く、心に刺さり、後半になるに従い、一気読み。 本作は螺旋プロジェクトの1冊との事で、他の本も気になりました。

    1
    投稿日: 2023.07.09
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    タイトルとあらすじで気になっていた。それぞれにドラマがあり、それぞれの考え方があり、交わるようで交わらない。それを対立と一言で表現していいものか、考えさせられる。元々違う種族なんだと言ってしまえば楽なのかもしれないけれど、やはりどこか共感できることはないか探したいなとも思う。螺旋プロジェクトの一冊だということで、ぜひ他の作品も読んでみたい。

    2
    投稿日: 2023.07.08
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    海族と山族。山族とは仲良くするなと言われた主人公。親の言ってることは半ば宗教じみた固定観念であると、ともやは証明したかった。

    1
    投稿日: 2023.07.07
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    朝井リョウさんの小説を初めて読みました。 本作は螺旋プロジェクトの現代パート。 順位や競争をやめて、個性を大切にする時代に突入した平成で育った若者と、螺旋プロジェクトをうまく融合させていました。 それぞれ、わかるなぁと共感する部分もあり、人間ってこうだよなぁと気味悪く感じる部分もあり。 平成は、オンリーワンで良いと押しつけられた人々のアイデンティティが崩壊した時代。 そんななかでSNSが発達して、歪な形で容易に自分と他者を比較することが可能な時代になり、つねに何かを発信していなければならない、幸せでいなければならないと思わされる。 確かに、平成の海族と山族はこんな若者たちかもしれない。

    2
    投稿日: 2023.07.06
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    螺旋プロジェクトの作品の1つです シーソーモンスターを読んでから読みました 平成を舞台にした内容で、螺旋プロジェクト一貫しての海族、山族の対立を、平成という時代背景をうまく織り交ぜた形で展開された内容でした 智也と雄介を中心に、子供の頃から智也が植物人間になってしまうまで、その時々に絡む人物を主体とした文脈で展開されます ナンバーワンを目指せと教わった昭和末期までとは違って、競争はNG、オンリーワンを目指せという時代背景、そこから生まれる苦しみ、対立、なんかがとても伝わる内容でした 海族、山族の対立は本当にあるのか、無いのか、という部分を、うまくあるような無いような感じで展開されていく感じも、面白かったです 時代が近い、シーソーモンスターを読んでから読むと、更に面白いと思います。逆の順でも違った面白みが出るかも。 螺旋プロジェクト、面白い試みだなと感じました。他の作品も少しずつ時代を遡りながら巡って行ってみたいなとも感じました。

    6
    投稿日: 2023.07.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    伊坂幸太郎の螺旋プロジェクトの流れで読んだけど、ぜんぜん面白くない。 なんか残念だった。 自分と考え方が違うってだけで評価は難しい。 ただ、他の星3の本より面白くなかったから2にする。 山族と海族の対立についてかかれていたけど、 山族の雄介はアホで何か大きなすがるものが無いと生きていけない人間。対して海族の智也はその対立を無くそう、山族とも仲良くしようとか考える賢い人間。 対比に見えて山族を馬鹿にしているような話だった。 個人的に自分は海族。 山族の大きな生きがいが無いと生きていけない人間をバカにしている気がした。 勉強で順位を競ったり、棒倒しでリーダーをしたり、父のリスク統括室長を自慢したり、レイブのリーダーをしたり、、、 最後に親友智也の植物状態の世話をしたりと、なんか大きなテーマに頑張って挑んでいる人のことをあさーくかいていた。 そして、まるでその対立を避けていた智也がすごく偉い様にかかれていた。 記憶喪失になり方も単純 周りのエピソードも薄い 雄介の事はあんまり好きじゃないけどちょっと違う気がした。 あと場面展開が急でちょっと読みにくい。 234ページ 集団の中にあるグラデーションを見逃さないようにしたい

    0
    投稿日: 2023.07.04
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    これぞ朝井節全開って感じで、誰しもが無意識のうちにしてしまったりすることを上手く言語化されてるなと思って。 なかなか耳が痛く刺さるものがあった。

    6
    投稿日: 2023.07.04
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    人と比較して自分の立ち位置を測ることは 誰しも無意識にやっていることだと思う 自己と対峙するか相手や社会と対峙するか 人と競争することでしか生きる意味を見出せない それもまた生きづらさなんだと思う

    3
    投稿日: 2023.07.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    平成を生きた人の何故だかわからない生きにくさ、葛藤に着眼し、いろんな人の視点で描かれるストーリー。 読み進めるうちに先の章で出てきたあの人はこの人かと段々に関連が生まれて繋がっていく。 初めの章の病院でのシーンが最後あんな風に繋がるなんて想像もしなかった。 螺旋プロジェクトによる話の軸となる設定、一見現実味のないように感じる海山伝説の周りに広がっていくメインストーリーに非常に引き込まれた。 そんなメインストーリの背面にずっとついて離れない“生きがい”と“死にがい”というワード。 自分自身も作者と同じで平成の時代を生きた。 平成という一見平和な時代で人生の多くの時間を過ごしたものが抱える生きづらさとは何か考えさせられた。 昭和に比べて争いごとが減り、人との競争心が減った。 ハラスメントなどの言葉をよく耳にするようになり、人権が守られた。 これはきっと平和なんだろうけど、いい意味でも悪い意味でも、公平にならされた世界。 その中で出る杭は打たれるが如く、誰かがそうするように生きて、平等で平和が植え付けられた時代。 これが決して悪いわけじゃないのに、答えのないモヤモヤや生きにくさで悩む一定数の若者がいるということが理解できる。 何かのために生きること、そのことで生きる価値が見出せるのが“生きがい”。 “生きがい”を見つけられない若者は このままじゃ生きていられない、生きている意味がないから、この世界に自分を繋ぎ止めておく何かを作ろうとする、それが“死にがい”だと思った。 生きていくための何かじゃなくて 生きていて良いと思える何か それが“死にがい”だと私なりに解釈した。 言語化するのも難しい思想や葛藤までもを文章にしてストーリーにする作者の表現力に脱帽でした。 非常に面白く読ませてもらいました。

    1
    投稿日: 2023.06.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今の自分に刺さりすぎた。 本気で楽しいと思えること、没頭できること、それを総称して『生きがい』なんて言ったりするんだろうけれど、多分私はそれを今必死に探してる。 大して興味の無いこともとりあえずやってみたら…なんて考えるけど、なんかピンとこないことも多い。 対立がどんどん消えていったゆとり教育という時代背景が産んだ悲劇でもあると思う。 なにかしなきゃ…そんな気持ちが歪んで、対立にある意味執着してる雄介みたいになってはいけないな〜なんて思ってしまった。けれど、雄介の気持ちも痛いほどわかるから読んでて苦しくなる部分も多い気がした。(特に、人間には3種類いるのくだり) 人間、生きてるだけで100点満点って心の底から思えるようになりたいな。 でも、生きがい欲しいな。なんてやっぱり思ってしまう。 朝井リョウさんの比喩表現、ことば選び、解像度の高さ、圧巻だったと思う。

    1
    投稿日: 2023.06.28
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    平成という時代に生じた現代の若者たちの苦悩、生き様とか、この書籍により考えるようになりました。 偏差値、競走、順位付け、落ちこぼれという昔ながらの対立軸のど真ん中で育ったものとして、ゆとり教育という胡散臭さは、どうかなと感じてはいましたが。 他社から評価されなくなり、自分で自分を評価せざるを得ない事から生ずる生きにくさ。

    2
    投稿日: 2023.06.25
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    大学生が自分の国の問題を解決しようとしないで、他の国の支援をする意味が俺には全くわからない。肌の黒い子どもたちに綺麗な水や真っ当な教育が届けば、見つかるのは就職先くらいのことでしょう。本当に立派で頭の上がらないことです。周りと比べて焦るのは、自分に何もないから。自分から遠く離れたものに縋りついて、ガワだけを取り繕ったってしょうがない。生き物は生まれてから死ぬまでを生きるだけなのだから、本当は誰にも何もないと思います。生き甲斐なんてなくたって、たまのたまに生きててよかったと思えたなら十分じゃないですか。

    1
    投稿日: 2023.06.25
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    私は雄介や与志樹のように 社会問題と闘ったり 自己実現を求めたりはしていないほうなので、 何かを攻撃対象として探して ずっと闘っていく人生は大変そうだなぁと思いながら読んでいた。 心に残ったのは2つ。 ・男らしさの呪縛、特に少し前の時代の男性の生きづらさ  現在も女性は選べても男性は選べないことがあること ・オンリーワンとは言ったって、他と比べずに生きていくことはできない

    2
    投稿日: 2023.06.15
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    本編中に埋め込まれた様々な“比喩表現”を読み取るだけでも、この作品の価値は高い。どうしてこの人はこんなに巧みに言葉を操れるのだろうか。もちろんそれはこの作品に限ったことではないけれども…。 共通のテーマを持って書かれた連作故に仕方のないことかもしれないが、できるならば、「海山族」や「島」などを抜きにして、今の時代の“生きづらさ”を別の角度から書いて欲しかった。

    3
    投稿日: 2023.06.13
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    SNSを中心に様々な形で自分を発信できるようになった現代。仲間を集めたり同志で盛り上がったり、近くにいない人たちともコミュニティを作れるようになった。 その反面、承認欲求を向ける対象がとても広くなったしリーダー的存在を目にする機会がとても増えた。 憧れと承認欲求と本来の自分と、現代ならではの生き方や自分の在り方で悩み葛藤する様子が、様々な人の視点で書かれてる。

    3
    投稿日: 2023.06.13
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    正直、内容が本のタイトルに負けてしまっている気がする 螺旋プロジェクトに関して、海山伝説に縛られていなかったら、他にどんな物語を書くのだろうと気になった。前半までは惹き付けられていたが、後半に行くにつれ、海山伝説の内容が大半を占めつまらないと感じてしまった。

    2
    投稿日: 2023.05.31
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    言わないでほしいところを言ってくる物語。 例えばこのブクログだって、読書記録としつつも「価値を認められたい」と思っている自分がどこかにひっそりといる。 そしてそれを文字にされると、自分が受け流す側と追い求める側のどちら人間なのかわからなくなる。 「死にがい」と「生きがい」の違いって何だろな。

    4
    投稿日: 2023.05.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・概要 幼馴染の智也と雄介についてのお話。 初章では植物状態で入院している大学院生になった智也と 昼間から熱心にお見舞いにくる雄介の様子が担当看護師の女性の視点から描かれます。 次章以降は時代が遡り、 小学生時代からの2人の関係が時代ごとに異なる第三者の視点から時系列順に話が進みます。 ・小学校編 (5年生の時に転入生として智也と雄介のいる北海道の小学校に転入してきた一洋の視点) リーダー気質で競争を好む雄介と、穏やかで事なかれ主義な智也の性格を描写するのに、 新しいクラス環境を見極めて役割を確立する必要のある転入生というキャラクターが 適任でした。 一洋と一緒に新しい友達のことを少しずつ理解していく感覚が、 表面的なコミュニケーションスキルで初対面の人間とも関われるようになってしまった僕には懐かしく沁みました。 いつも雄介のわがままを無条件で聞き入れる智也の本心を僕達が疑い始めたころ、 体育でサッカーの授業が行われ、1人で転んだ雄介が怪我をしますが、近くにいた敵チームの智也が転ばせたと難癖をつけます。 意気込んでいた体育祭に出られないかもしれないと激昂する雄介。 それでも冷静さを保って諭すように話す智也。 そして、 “グラウンドの隅にある雪の背景は、春だ。だけど、あの雪は、触れればきっと、きちんと冷たい” という智也の心境を暗喩する最高の一文で章が締められ、 小学校編だけでも大満足。逆にここがピークなんじゃないかと杞憂するほどでした。 ・中学校編 (2人と同じ中学に通い、智也に好意を寄せる亜矢奈の視点) 小学校時代に組体操が世間からの圧力で禁止になったのと同様に、 テストの順位の張り出しがなくなり、競争が排除される時代の中で彼らは思春期を過ごします。 亜矢奈にとって、 競争を生きがいとして、男としてのステレオタイプに囚われている様な雄介には本能的な恐怖を感じるのに、 同じ水泳部で肉体的に年々たくましくなっていく智也のことはなぜか魅力的に映ります。 一方で亜矢奈の親友は雄介に惹かれていき、職場体験や夏祭りに4人で参加します。 設定だけ見るとありがちな青春恋愛物語ですが、 時事を本全体の主題への補足として活用したり、 螺旋プロジェクトの背景を恋愛物語に自然に組みこむ技術によって 初見時は恋愛パートとして楽しめ、本を読み終わってから読み返せば また別の楽しみ方ができる内容になっていて素敵です。 ・大学編 (2人と同じ北海道大学に通い、社会問題に対して当事者意識を持つための活動をする学生団体のリーダーを務める与志樹の視点。) 社会への影響力を持つためにとにかくなにかしらの活動に身を捧げることが生きがいになっている山族の雄介と それを冷めた目線で捉える海族の智也が伝説に抗えずに対立し始める様子が描かれます。 与志樹は、 当初は自分と同様に強い目的意識を持って活動する雄介と仲良くなるものの、 智也にあっさりと自分の活動目標を達成されてしまい、 次の生きがいを探すことに焦る雄介の様子を見て そもそも自分も昔から自分が何がしたいかではなく、 人の目に自分がどう映るかを気にして生きてきたこと、 何かに熱中することで自分を騙してきたことに気付きます。 虚構の生きがいにとらわれて暴走していく雄介を憐れむ人が増えていくなかで、 両方の要素を持つ与志樹が僕らを代表して両サイドに共感してくれることで、 片方に完全に肩入れし切らない中立の立場だからこそ味わえるハラハラ感を残してくれました。 以下強めのネタバレを含む好きなシーン(その後後編に続きます。) 学生団体のリーダーが集まる会の参加者の一人の韓国人留学生が徴兵のため帰国することになり、 最後の飲み会でこれからは "正真正銘、実際に、身を捧げてきます" と言い放つシーン 朝井リョウさんと仲のいいオードリー若林さんにも通じる部分のある、痛快な陰湿さが、 仮に全体として社会が衰退していようと、大人しく今現在の平和を享受することを良しとしているような僕の好みに刺さります。 ・社会人編 (最終的に智也が気を失う現場に居合わせるテレビ番組のディレクター晃久の視点) 仕事で伸び悩み、同期の女性社員が活躍することで劣等感を感じている晃久は 撮れ高を求めて巷で話題の海山伝説とそれに関連する詐欺グループに潜入取材します。 そこで、 新たな生きがいとして定めた海山伝説を盲信しカルトに足を踏み入れる雄介とそれを止めようとする智也の様子をカメラに収めます。 本当に信じればいいのは何なのかわからず、 意地がそれぞれのもともとの目的を飲み込んで物事がエスカレートする緊張感が ヒリヒリと伝わって刺激的でした。 ここでも副題的に取り入れられている現代的な発想として 元来仕事で優遇されてきた男性からみて、 仕事と家庭の両方の選択肢が与えられ始めた現代の女性が羨ましく見える現象 が主張されています。 声を大にして男からする発言ではないとわかりながら、たまには弱音を吐かせてほしいと願う特に少し上の世代の働く男の人にとって、 小説という絶妙な声の大きさで優しく届いているんじゃないかと何故か嬉しくなりました。 ・最終章 (今もなお病室で眠る智也からの視点) これまでの伏線と真実が明かされる最終章。 ここまで書いてみて、魅力的な作品の内容を邪魔せずに感想を書くことの難しさと 結局は読んで欲しいの一言に尽きてしまう僕の能力不足をまじまじと感じます。 不要な使命感に駆られてキーボードを叩く手が進まないこともありましたが 最終的には いきがい足り得る正確で有益なレビューではなく、 自己満足の死にがいとして気持ちよさ優先で書きました。

    3
    投稿日: 2023.05.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分も平成生まれのゆとり世代なので ナンバーワンよりオンリーワンとか 絶対評価とか平成の時代の特徴が凄く身近だった。 この本ではその他人からの評価、順位づけがなくなった代わりに自己評価により自分の価値や存在を 認識しないといけない苦しみが書かれていて凄く共感できた。 作中の雄介の行動に腹立たしさや気味悪さを感じるが、何かを成し遂げたり、人生掛けて取り組んだり(生きがい)がないと、自分の生きる価値がないんじゃないかと不安になる心理は、自分にも当てはまっていて、誰にでも雄介な部分は持ち合わせているのではないかと思った。 そして仲がいいように見える雄介と智也の関係が 読み進めるにつれて明かされる真実もイヤミスな感じが出ていて面白かった

    4
    投稿日: 2023.05.20
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    やっと読めました〜 浅井作品は角度が独特とあたしは以前から感じてますが本作もハズすことなく独特ですネ! 自我保存、自分をどう保つか? そんな印象がまずの感想です、何が正しいのかなんて判らないけど自己肯定次第なのかなぁ 難しい

    9
    投稿日: 2023.05.18
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    世の中の見えない対立を描いた話。 社会人の自分にも、心当たりがある感情を指摘されるような気持ちになる。 だけど、だからこそその感情と向き合おう、みんな同じ様に悩んだりしてるよねって気持ちになれるから、温かい気持ちになれたりもする。 それが、朝井リョウさんの小説の良さだと思う。 そして自分はどちらかというと南水派で、「何かを成し遂げたい」「何者かになりたい」という人を見て、生きるの大変そうだなぁ…と思ってしまう節がある。 人生なんて自己満足なのに、なんで誰かに認められたいんだろう、なんで誰かに認められなきゃいけない、成し遂げなきゃいけないって思うんだろう、と。 かと言いながら、もっと小さい視野で、やっぱり周りに認められたいと思って、仕事したり趣味をしたりしてる自分がいるわけで。 みんな、グラデーション。白黒ハッキリつけられない感情を、私たちは常に持ちながら自問自答していくんだろうな。

    6
    投稿日: 2023.05.14
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    自分の痛いところを突かれている気がするけど、不思議と嫌な気持ちはしない。 現代を生きる人の心情を言語化していて、素晴らしいと思う。

    3
    投稿日: 2023.05.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私も若い頃生きがいのある特別な自分に憧れ 探し色々と奔走してたなぁ。。。 南水君の最後生きる意味を感じて一歩踏み出す時、私も背中押される気持ちになりました。

    2
    投稿日: 2023.05.13
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    じぶんにはむずかしいないようだった。 みんな生きている意味を探して生きているけど なかなか生きている意味は見出せないのだろう。

    2
    投稿日: 2023.05.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「死にがい」という言葉に、自分にも思い当たる節があるのが怖い。雄介が言うように、私は人のためにも自分のためにも、取り立ててやりたいことがない。「大人なんだからやりたくないこともやらなきゃ」という友人の言葉を信じて、大して好きでもない仕事を続けている。上手くいかないことも多い。 時々、私の人生これでいいのか??と考える。それでも何をすればいいのか、何をやりたいのか、分からない。 私はずっと怯えていた。この分からなさがいつか自分を食い尽くしてしまうのではないかと。雄介のように、「死にがい」を求めて架空の敵と戦うようになってしまうのではないかと。 ただこの世界で生き続けるしかないのだと納得もしていた。少なくともその納得は間違っていないと、この小説は教えてくれた。 怯えながら、自分を納得させながら生きていくことは、辛いことに違いない。しかし現代を生きるには、そうするほかないのだ。

    2
    投稿日: 2023.05.06
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    朝井リョウさんの作品、「スター」がかなり面白かったので引き続き本作も購入し、読了…(´∀`) いやーーー本作、シンプルに超絶おもしれぇーーーwwwww( ̄∇ ̄) 相変わらず朝井リョウ節が炸裂、心はなかなかに疲弊しますが…でも、この頭を強烈にぶっ叩かれる感じがたまりませんね…(笑) 前提として、ストーリー構成が秀逸だなぁと。 冒頭から主軸となる壮大なミスリード(と言って良いものかは微妙かもしれないけど)の仕掛け…そして、主人公以外の目線で個々に展開される物語にもしっかりと意外性があって終始楽しみながら読めます。 そして、それを繋いでいくと最後は冒頭の見え方が180度変わるという…いやー、マジで良くできたプロットだなぁと。 あとは、まあ何と言っても主題のガツーン部分ですかねぇ…(*´Д`*) 「生きているだけで良いというまやかし」って端的に、そして的確に急所突いてくる表現だなと… 一瞬で自身の考えの浅はかさを指摘された気がしました。 「生きてるだけで良い」って何となく思ってたんですね、自分も… そして「一人になっても生きていける」と思っている部分もけっこうあったなと。 でも改めて考え直してみると、今の自身の精神的な安定をもたらしているものって、家族、職場、友人等から「必要とされてる感」なのかなぁと… あくまでも、そこがベースになっているのかなと。 人間は群れで生活する動物なので、そこを欲する部分が遺伝子的にも組み込まれているかなぁとか…そんなことを思ったりもしました。 この気付きがあったことが、この本を読んだ一番の価値なのかなと。 ちょっと、立て続けの朝井リョウ作品で精神がそこそこに削り取られて来たので、次はさくらももこさんあたりで回復を図ろうかな…(*゚∀゚*) <印象に残った言葉> ・明日は絶対に出会える、その次の日は絶対に出会えるって、1日ずつ、クッキーの生地みたいに、命を引き伸ばしていくんだよ。そしたらきっと、その毎日がすっごくつらかったとしても、ただの繰り返しだとは思わない。ああ、この瞬間のためだったんだって笑う日のための積み重ねだって思える(P44、堀北) ・あの人、こういうこと毎日やってんのかな(P165、礼香) ・それ、多分、恋じゃない(P180、南水) ・相変わらず、手段と目的が逆転してる(P247、同級生) ・というわけで、こうやって喋って満足するだけのおままごとはもう、終わり(P285、李) ・雄介は見つけたんだ、次の生きがいを(P338、南水) ・この人、無人島に行って命の大切さに気づいたとか言ってましたけど、本当は、命の大切さに気づいた人になりたくて無人島に行っただけなんですよ。順序が逆なんです(P434、久留米さんの娘) ・担ぎたくないなら担がないでいいんだよ、担がない自分を認めてあげられれば(P441、南水) ・俺、人間は三種類いると思ってる。一つ目は、生きがいがあって、それが、家族や仕事、つまりは自分以外の他者や社会に向いてる人。他者貢献、これが一番生きやすい。家族や大切な人がいて、仕事が好きで、生きていても誰からも何も言われない、責められない。自分が生きる意味って何だろうとか、そういうことを考えなくたって毎日が自動的に過ぎていく。最高だよ。二つ目は、生きがいはあるけど、それが他者や社会には向いていない人。仕事が好きじゃなくても、家族や大切な人がいなくても、それでも趣味がある、好きなことがある、やりたいことがある、自己実現人間。このパターンだの、こんなふうに生きていていいのかなって思うときが、たまにある。だけど、自分のためにやってたことが、結果的に他者や社会をよくすることに繋がるケースもある。自分のために絵を描くことが好きだった人が、漫画家になって読者を楽しませる、とかな。三つ目は、生きがいがない人。他者貢献でも自己実現でもなく、自分自身のための生命維持装置としてのみ、存在する人。俺、思うんだわ。つらくても愚痴ばっかりでも皆とりあえず働くのは、金や生活のためっていうよりも、三つ目の人間に堕ちたくないからなんだろうなって。自分のためだけに食べて、うんこして、寝て、自分が自分のためだけに存在し続けるほうが嫌な仕事するより気が狂いそうになること、どこかで気づいてんだろうなって(P443、堀北) ・雄介が探してるものって、生きがいっていうより、死にがい、なんじゃないの(P446、南水) ・ーお前だって、本音では、人は生きてるだけでいいなんて思ってねえんだよ。東京のマンションの一室でそう突きつけられてから、自分も本質的には雄介と何も変わらないと自覚してから、この暗闇でずっと積み上げてきた言葉たち。早く目覚めて、伝えたい。同じ意見を持ってもらうためではなく対話をするために、伝えたい。自分も雄介と同じように、立ち向かう何かに命を注ぐことで、死ぬまでの時間に何かしらの意味を付与していないと不安でたまらないこと。だけどそれは、立ち向かっているものを攻撃して、より対立を深めようという考えではないこと。分断による線引きで自分の存在を確かめるんじゃなくて、完全に混ざり合って一つになるでもなくて、別々なものとして共に生きていくためにはどうすればいいのかを考える、それでは雄介の言う生きがいには足らないだろうか。(P552) ・智也の小指が、ぴくんと動いた。(P529) <内容(「BOOK」データベースより)> 誰とも比べなくていい。 そう囁かれたはずの世界は こんなにも苦しい―― 「お前は、価値のある人間なの?」 朝井リョウが放つ、〝平成〟を生きる若者たちが背負った自滅と祈りの物語 植物状態のまま病院で眠る智也と、献身的に見守る雄介。 二人の間に横たわる〝歪な真実〟とは? 毎日の繰り返しに倦んだ看護士、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、注目を浴びようともがく大学生、時代に取り残された中年ディレクター。 交わるはずのない点と点が、智也と雄介をなぞる線になるとき、 目隠しをされた〝平成〟という時代の闇が露わになる。 今を生きる人すべてが向き合わざるを得ない、自滅と祈りの物語。

    22
    投稿日: 2023.05.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    途中までは起きない友達にそんなに献身的になるタイプか?と冒頭とのミスマッチさに違和感を持ちながら読んでいたけれど、与志樹の回あたりから「もしかして...」となり、弓削の回からほぼ確信し、智也の回で的中してしまいゾワっとした。もはやミステリーもしくはホラーだよ。助けに来た智也に主張をぶつける雄介の言葉が刺さる。やっぱり朝井リョウはすごい。ごりごりに体力を削られるけれど、でも読みたくなる作家さん。

    2
    投稿日: 2023.04.30
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    「俺の中にも雄介がいる」みたいなフレーズとても刺さった、めちゃ分かる。生き甲斐なさすぎて勝敗にめちゃくちゃ拘ってしまう〜

    2
    投稿日: 2023.04.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    絶対心にグサグサくる作家さんだと思っていたから回避していたのに、エッセイを読んで面白かったので遂に朝井リョウデビュー。 やっぱり痛かった…最後の方の雄介の独白からエンディングにかけてはもはやホラー。自分が生きてていい理由が何より欲しい。物理的には恵まれているのに、なんで人間はこんなにありのまま満たされることに抗うのか。自分との和解って難しいし、他人と対話し続けることも賽の河原で石を積み上げているような気持ちになることもある。 悲しいような、清々しいような、力が湧いてくるような良い読後感でした。でも疲れた!

    2
    投稿日: 2023.04.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    螺旋プロジェクトのうちの1冊らしい。(まだこの本しか読んだことがない。) 序盤は別に螺旋プロジェクトでなくても十分面白いじゃないかと読み進めていたが、中盤から海と山の対立の話が出てきて一気に螺旋プロジェクトの話として進行し始め、落ちもどっぷり螺旋プロジェクト。 「俺、人間は三種類いると思ってる。 一つ目は、生きがいがあって、それが家族や仕事、つまり自分以外の他者や社会に向いてる人。他者貢献。 二つ目は、生きがいはあるけど、それが他者や社会に向いていない人。自己実現人間。 三つ目は、生きがいのない人。自分自身のための生命維持装置としてのみ、存在する人。」p443 私は無意識のうちというか、自然な流れによって?、自然発生の欲によって?、主に自己実現型だが、それで成功すれば他者貢献もできるな、という、夢を持つ若者の大半がそんな考えではないだろうか。 確かに生命維持装置として過ごすにはあまりにも無意味すぎて苦痛を感じることは想像できるし、私が持つ生きがいも、最後には死んで無に帰すことを思えば何の意味もないものであり、簡単に生命維持装置へと転職できる。 そうなると、何か縋るものがないとやっていけない。共感強し

    2
    投稿日: 2023.04.28
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    リアリティがないと言われるとそうかもしれないけれど、デフォルメされた登場人物が物語をうまく見せてくれている感じがした。 平等ってなんだろう、人と比べないってなんだろう、自分らしさってなんだろう・・・生きやすくなったのか、生きづらくなったのか分からない世界だというのを客観的に見る事ができた。

    6
    投稿日: 2023.04.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・平成は争い・競争を排除した時代。ナンバーワンよりオンリーワン。平成以前は、わかりやすい競争レール(学業、就活、会社での評価)を追っていればよい人生であった。 ・平成以降は、他者と比べる分かりやすい物差しがなくなったため、他者との比較ではなく、自分で自分の評価をしなければいけない。自分で自分の評価が出来ず、また他者との比較の文脈ででしか自分を評価できないものが、他者とは異なる行動をとることで自信のアイデンティティを確立しようとする。

    3
    投稿日: 2023.04.24
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    ゆとり世代ドンピシャなお話で正直しんどかった。 認められたい、自分で評価しないと、価値を生み出さないといけない… "そんなことない"と声を大にして言えるほどいい世の中ではないなーと思った 忘れたくない

    4
    投稿日: 2023.04.23
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    朝井さんの作品3作目です。伝えたいメッセージは強く感じますが、感情移入は出来にくく…こういう人いるなぁ、、程度の乏しい感想しか持てませんでした。普段なんとなく感じていた他者の価値観を言語化してもらえた気はします。

    2
    投稿日: 2023.04.22
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    最初の方はよくわからずだらだら読んでいましたが、最後に向けて収斂していき、タイトルの意味がわかった瞬間は圧巻でした。 登場人物の気持ちに寄り添えるからこそ、読んでいて辛い。

    5
    投稿日: 2023.04.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    螺旋プロジェクト 第7弾 平成の物語。多くの人にとってなじみのある時代・世界での話。 この「死にがいを求めて生きているの」では、これまでのような目に見える海と山との対立はなく。目に見えない深いところで起こっている闇のような対立がありました。 表面的には穏やかでも、世界(もしくは心の中)で起きている対立はとても大きく智也の心の中に根付いていました。 中盤までは、対立そのものの描写はほぼなく、「螺旋プロジェクト的じゃないなぁ」と思っていたのですが、終盤からは一気に対立が明らかになってビックリ。 対立(もしくは抵抗)する存在がある者は生きがいがあり、それがない者は、いわゆる自分探し的な生き方を選択してしまう、ような描写と、海と山の対立を絡めて描いたのが、巧いなぁ、と感心しました。 最初のシーンに出てくる雄介とエンディングに出ている最初のシーンの回想場面での雄介、同一人物ですが、印象が違い過ぎてちょっとコワかった。 超越した存在の見守り役は出てなかったような気が・・・。もしかしたら「長老」と呼ばれていたあの人がそうなのかも、ですが、チョイ役やったしな。 それでも面白かったし、平成という時代を巧く描いていたなぁと思いました。 引き続き螺旋プロジェクトを楽しみます。

    8
    投稿日: 2023.04.08
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    面白かった。 朝井リョウさんのダークな面がそれぞれの登場人物に出ていた。 ただ、やっぱり螺旋プロジェクトの設定が足を引っ張っているように感じてしまった。 そんなことはないのだろうけど。

    3
    投稿日: 2023.04.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ☆3.81(細か……) 取り扱ってるテーマの面白さが流石というか、あとがきを読んでも難産とは思えない素晴らしい構想。 弓削2の後編で少し読みにくかった印象はあるが、かなり面白かった。うんうんそういう人ね、いるね、わかるわかるとやや嘲笑うような気持ちになったり、そんな自分の醜悪な部分にゾッとしたり、否わたしはこういう人間になると奮起してみたり。おそらく朝井先生の手のひらの上で転がされている。 生きがいとか生き方とか死に方とかに思いを馳せる作品ではあるが、どちらかというと人生そのものよりも、こんな人生をと夢想する人間の内面にスポットが当たっている気がする。 雄介などに腹を立てるシーンもそこそこあって、なので読み返そう!とルンルン心を躍らせることはないかもしれないが、読んでよかったと思える作品。 螺旋プロジェクト……どうしよう、あまり近未来とか時代小説とか読まないんだけど。連歌みたいで面白いから手を出してみたい気持ちも。ほかの作品は、買いはせず借りてお試ししようかな

    4
    投稿日: 2023.04.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    螺旋プロジェクト 自分の生きがいは何なのか、無くてはならないのか考えさせられた。 登場人物は学生時代に出会った人に重なる一方、自分も生きがい探しに必死になっていたのではと思った。 生きがい探しは難しい。

    5
    投稿日: 2023.04.03
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    全体に暗さを纏った話なのだが、朝井さんの文章の巧みさ、美しさを味わいながら読み進めた。 最初の話は序章のせいか、割と軽いのに、次の話で「え、ちょっと待ってこの人…」と思わず最初に戻ってみたり。 読みながら、物語が段々とつながり出して、思いもよらない深い部分へと潜り込んでいく。 気がつくと本の厚みが半分を過ぎ、続きが気になって仕方がない。それなのに時間が取れない、じれったい、情けない……。 読書の楽しみって、ここなんだよなぁと妙なところで納得している自分がいた(笑) 組織で働く一人として、弓削さんには成功して欲しかったな。

    3
    投稿日: 2023.04.02
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    海と山のシリーズの二つ目。 人間の嫌なところのなかでも苦手な部分を描かれて、辛かった。確かにこういう人っているような。わたしはなんの甲斐も意味も求めていないと言いたい。 南水くんとかに少し救われる。

    4
    投稿日: 2023.03.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    対立は避けられないこと、ナンバーワンよりオンリーワン思考からもたらされる自己否定。今の自分の悩み、苦しみがそのまま言語化されていて、辛いのは自分だけではないということに救われた。 人の長所は短所にもなるし、メリットの裏にはデメリットが隠れているし、光あるところには影がある。自分の思い通りになることなんてないし、完璧は存在しないから、対立を避けるような諦めをこの世の中に感じていたけど、諦めた先にも対立があるから、諦めることを許してもらえないんだなって思った。 対立を避けることはできなくても、対立する者同士でうまく生きていけるようになりたい。

    3
    投稿日: 2023.03.28
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    これはすごい… やりがい、生きがい、そういうの欲しいけどない。学生時代”周囲に認められるいい子ちゃん”してたからこそ、今まで向き合ったことなくてぶっちゃけ分からん。 生きがい欲しさに焦ってしまったり、勝手に敵作って勝手に闘ってたり、動かない方が怖くて″活動″に執着したり…。「自分が生きる価値は?」「なんのために生きるの?」葛藤や思考が、色んな登場人物の視点から超リアルに描かれてる。 *** 堀北雄介や安藤与志樹みたいにはなりたくないな、、と読みながら思いつつ、当てはまってるところがあって、自分の薄っぺらさを認めざるを得ん… 自分でも気づいてたけど見ないフリしてた自分の薄っぺらさ、対立したがる人間への嫌悪感や違和感、何かしなきゃって生き急いじゃう感じ、、、 見せつけられてやられた~~~と思いつつ、言語化されて共感したし、自分だけじゃないって思えた。 図書館で借りたけど、これは手元に置いておきたい本

    7
    投稿日: 2023.03.25
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    うわー、これは一本取られたと思った。 やりがい、生きがい、を持ちながら生きましょう。 社会に出てものすごく感じていた。 でも多くの人間がもしかしたら当てはまるかもしれない。 目的と手段が逆行している瞬間。 手段ばかり考えて生きていると自分はどこを目標にしていたかわからなくなる。 そうじゃない、生きがいなんて無くなって生きてるだけで素晴らしいんだよと唱える人。 そう唱える人は何かしらの目的があって生きているんだよな。 結局人間はみな自分のためだけに、生存維持のためだけに、生きるっていうことはしたくないって気づいているから 生きがいを求めているんだと思った。

    7
    投稿日: 2023.03.24
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    堀北雄介と南水智也の2人のパッと見良好でよく見ると歪な関係をいろんな人たちの視点から描いた連作短編集!自分の中にもいる堀北雄介に目を背けたくなるけどすごく共感してしまってる自分がいてて物語にグイグイ入っていけた。 物語としてもめちゃくちゃ面白くて螺旋プロジェクトとしてもキーワードをめちゃくちゃいい味に活かしていてさすがは朝井リョウさんやわ!他にも螺旋プロジェクト作品読んでいきたくなるわ〜

    13
    投稿日: 2023.03.23
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    「螺旋プロジェクト」という共通のルールを決めて原始から未来までを描く作品集の〈平成〉パート。 こういう人いたなーとすぐに思いましたが、これも平成ならではなんでしょうか。 解説にある平成の特徴にも共感です。 何よりもタイトルが美しい。

    4
    投稿日: 2023.03.22
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    おもしろかったが、少し難しかったかなー 長編はやはりおもしろい! 473ページは最高記録かな。 こんなに長い話なのに出てくる人が何かしら繋がっていてそれもまた、本の内容と関係してるのかなと思った。

    1
    投稿日: 2023.03.20
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    この物語は現代に苦しむ複数の人々の物語である。 その全員が堀北雄介との何らかの関係を持っている。 特に印象に残ったことは「今何している?生きがいを持っている奴らはそう聞いてくる。俺は報告することがない。報告できない人間は生きていてはいけないのか」という問いかけだ。 大人になった今、仕事や結婚など立ち向かうべき目標がなければいけないという呪縛を感じる。 しかし、それは社会が作り上げた虚像であると思う。 今何もやることがなくても生きる意味はきっとあると思う。 最終的には没頭できる何かを見つけたいが、無理して探さずにゆっくり人生を歩んだいこうと思う。

    3
    投稿日: 2023.03.20
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    自動的に、運ばれている。 自由。そう言われて嬉しいのは、体操服もカバンも自由だけど、その中でおそろいにしたくなる友達がいるからだ。 俺は、死ぬまでの時間に役割が欲しいだけなんだよ。死ぬまでの時間を、生きていていい時間にしたいだけなんだ。自分のためにも誰かのためにもやりたいことなんてないんだから、その時々で立ち向かう相手を捏造し続けるしかない。何かとの摩擦がないと、体温がなくなっちゃうんだよ。 生きがいを感じられない、人生の意味も、自分の価値もわからない、誰もいない道をたった独りで歩いている。そう感じても、この世界で生きている以上、誰もが必ず繋がっている。 この世界の中で生きている以上、誰もが繋がってしまっている。 大切なものを脅かす可能性のあるものは力ずくでも人生から遠ざけたくなる。だけど、誰もが繋がっている。繋がってしまっている。遠ざけたいもの自体を遠ざけたところで、それを生んだ背景はそこに存在し続けている。いま目に見える相手を遠ざけたところで、いまは目に見えない新たな相手が現れるだけのことだ。そして自分だって、誰かにとってのどうしたって遠ざけられない何かになり続けている。何度心ごと墜落しそうになっても、その響き合いから完全に逸脱することはできない。

    4
    投稿日: 2023.03.18
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    冗長だけど自治体継続運動の宗教的な怖さや 興味のない政治問題に意見してる自分に酔う描写が リアルで、こういう絶妙な人間の話を読みたかったと思えた。

    3
    投稿日: 2023.03.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    少しずつ点と点がつながっていく構成、表現の豊かさが見事。雄介が心を病んでるヤバいやつだと思いながらも、自分もそうした一部分を持っているのではとある意味ゾッとさせられる。「いま何してるのって聞いてくるんだよ、やりたいことを見つけてる奴らは。何もねえんだよこっちは。何か報告するようなことがなきゃ生きてちゃダメなのかよ。」という雄介の台詞が突き刺さる。生きがいとは何か。自分が生きがいと思ってるものは「死にがいを求めてる」ということなのではないか。所々で自分を重ねてしまう作品だった。あまりにも分厚かったのでちょっと躊躇ったが、これほどメッセージ性があるものならばこのボリュームは必要不可欠。

    5
    投稿日: 2023.03.09
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    平成の重苦しさがよく出ていた…と思ったんだけど、作者の後書きを読んで、作者もこの小説と同じ重苦しい感じだった。平成の闇が深い。 雄介や与志樹のような黒歴史は結構ありそうだと思った。 いや、雄介は現在進行形だけど。 智也が目覚めたあと、二人はどうなったんだろうか、と少し気になった。

    3
    投稿日: 2023.03.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人と比べることで必死に自分をかたどったり、絶対評価になったからこそ自分から他人を追い越そうと必死にここは私が優れていると他人の弱点を探しまわったり、そこにしか自分の存在を見出せないのは私も同じで、ずっと前からそう思っていて、それがここに書いてあって、共感が痛みで、 最後の終わり方、そこに続くまでの心の声?みたいなんが欲求が最後につながったのが見事すぎた〜

    3
    投稿日: 2023.03.09
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    実はこの本は最初と最後だけ読んでしまった。間の話がだんだんついていけなくなって。自分には、ファンタジーは合わないのかもしれない。

    2
    投稿日: 2023.03.05
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    死にがいって確かに当てはまる言葉〜 共感は少なかったけどよく理解できる あやなちゃんの最後の言葉、わかりやすかったなぁ 争いをわざとおこして自分の価値を確認する子がいるって

    7
    投稿日: 2023.03.03