Reader Store
死にがいを求めて生きているの
死にがいを求めて生きているの
朝井リョウ/中央公論新社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

376件)
3.9
104
147
87
15
2
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    自分らしくっていっても、結局他者と比較しての自分らしさを追い求めてしまう。そういう弱さ?習性?は誰しも持っているものだと再認識する。この小説はその不安や心のざわめきを言語化してくれる。だから読んでてちょっと苦しいけど、本当の辛さ、苦しみから遠ざかれる気がする。 「大切なのは、その、人と競ったり対立する気持ちっていうのが、その人自身や他者を傷つけることに向かないことなのかなって」

    0
    投稿日: 2024.12.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この作品のテーマは「生きがい」であり「死にがい」。 要はどれだけ注目されてきて、社会のために何をしてきて、価値のある人間なのかっていうこと。 自分のなかにもある働きがいや生きがいなんか考えないように生きてきたから、読んでいて辛くなってきた部分が多かった。 志を持って取り組むことが正義であり、なんとなく現状維持しているのは悪のようなことが会社や学校でも言われているけど、この作品の雄介に言われているような気がしてきて。 でもそんなの窮屈で生き辛すぎるから自分は自分のことを許せる人間でいいなとも思う。

    0
    投稿日: 2024.12.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    6人の人物が語り手となり、それぞれの人生の中での堀北雄介との関わりを語る。 堀北雄介は、「イタイ」人物である。誰の視点から見ても、意識的/無意識的に関わらず「イタイ」と語られてしまう。それは読者も例外ではない。 しかし、唯一心情が語られていないのは(焦点化されていないのは)堀北雄介その人である。堀北雄介の苦しみや葛藤は、(一部自身で語る場面があるが)誰にもわからない。 それなのに、その苦しみや葛藤は無視して、彼を悪として摘発してしまう。 自分自身も、読書中には彼への配慮を忘れ、内心では軽蔑してしまっていた。これも、一つの対立の根源ではないか。あるいは、差別の。 「対立」を作って「生きる」ことは、まだ健全なのかもしれない。「対立」を避け、それでも相手を蔑むことによって自身が上にいる実感を得る。 「生きがい」や「死にがい」をもたずにやり過ごす僕たちは、何のために生きているのだろうか。

    1
    投稿日: 2024.11.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「ありのままのあなたでいい」「人の目なんて気にしなくていい」「周りと比べる必要ない」 そんなきれいごとがうたわれる世の中でさえ、いやだからこそ、どうしても存在し続ける、人間のドロドロ心理を極限まですくいとった物語。 自分とどんなに無関係な問題であっても、次から次へと手当り次第に、あたかも「昔から弊害を受けてきました」 「問題意識を持っていました」 という体で、熱心に命を注ぎ込もうと躍起になる雄介。 何でそこまで…と傍観者目線で見ていたけれど、詐欺師の家で智也と言い争いをしている場面で、 雄介の切実な思いがひしひしと伝わってきて胸打たれた。 守りたいと思う家族がいる、任されている仕事がある、テストで高い点を取ったら褒めてくれる人がいる、自分に用意されている席がある、「生きていていいんだ」と認めてくれるような足元を固定してくれる何かがないと、やっぱり人は生きていけない。 ありのままでいいんだよと言ってくる人も、そう言えるのは社会的にまともだと評価されるアイデンティティを持っているからこそだ。 雄介の、人間を3種類に分けて話す場面が印象的。 1つ目が、家族や仕事に生きがいを見つけられて、かつ周りからもその努力や労働を認めてもらえるような人。 他者貢献。 自分に対して生きる意味とは何かと問う必要がない、最も生きやすい人。 2つ目が、家族や仕事に満足できずとも、打ち込める趣味や好きなことがある人。 自己実現。 周りの役に立てているのか不安になることもあるが、社会とのつながりを実感できる瞬間もある。 3つ目が、生きがいのない人。 大切にしたいと思える存在もいない、没入できる仕事・趣味もない ただただ自分のためだけに毎日を過ごさなければならない人。 『つらくても愚痴ばっかりでも皆とりあえず働くのは、金や生活のためっていうよりも、三つ目の人間に堕ちたくないからなんだろうなって。 自分のためだけに食べて、うんこして、寝て、自分が自分のためだけに存在し続けるほうが嫌な仕事するより気が狂いそうになること、どこかで気づいてんだろうなって』 自分も学校や本がなかったら、生きる意味をどこに託していたのか、全く予想もできない。 自滅か爆発か、どちらかに手を出さざるを得ない状況にいつ誰がどこで陥るかわからない。 特別付録の著者インタビューで引用されていた受刑者たちのやりとりを読んで、自分も他人事じゃないなと痛感した。 誰かを傷つけるためじゃなく、自分が生きるために、どうにかして社会とのつながりを感じようと犯罪に手を染める人もいる…。

    23
    投稿日: 2024.11.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    1分前に読み終わりました。普段他人が考えてることが目に見えないからこそ、自分の中だけで戦ってきた感情を全登場人物が少しずつ代弁してくれているみたいで、すごい共感したり、うまくいきすぎてる人生って誰かの悲鳴の上に成り立ってるのかって思ってしまったり、1日数ページで終わらないと感情の波が大きくなりすぎて、センシティブながら怖くなってしまいました、、 存在価値とか生きがいに対してここまで考えを巡らせないと不都合を感じ続ける時代(平成)に生まれてきてしまったのか私は、、と思ったのも、最後の「お前も、お前にとって不都合なものだらけのこの世界に参加するしか選択肢はないんだよ」って智也が代弁してくれた感じで、結果打ちのめされた本でした。

    0
    投稿日: 2024.11.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    人間の内面や社会に対しての解像度が高くてスーっと入ってくる語彙力。心の中でいつしかどこかで感じていたものが、こうもはっきり言語化されると腑に落ちるしかない。この小説は各人物を通して私の生き方を見つけ出すその材料になったと思う。目に見える順位、それは自分を奮起させるストレスだった。大抵の人は一定のストレスがないと怠けてしまうと思っている。ありのまま何もしない人も受け入れられていく中で、なんの物差しもなく目標を立て忍耐強く挑戦し続けるのは難しい。そして何かやらねばという焦燥感だけが募る。そんな多様性の時代ではまた、競うこと時代馬鹿げている、ダサいとされることもある。はっきりと"悔しい"と口に出来ること、競い合う仲間がいること。それは自分のさらなる成長のためにもとても幸運なことかもしれない。目に見えないものにとらわれて攻撃する方向を間違ってしまうのも現代の問題である。ものすごく考えさせられた。

    2
    投稿日: 2024.11.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「二項対立」や「人生の生きがい」などの単純でわかりやすい在り方を求める雄介。 それらを否定し一人一人の差異によるグラデーションを大事にすべきという智也。 この二人を対比させる形で物語が進行する。 わかりやすさを求める姿勢は、SNSの普及によって一気に加速したと思う。 いろんな対立が増えたと感じる人も多いのでは。 この作品は「螺旋プロジェクト」という、共通のテーマで8人の作家が作品を書くという企画の一冊だそうで、それを知らずに手に取った。 他の作品も読んでみたくなる。

    0
    投稿日: 2024.11.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    描かれている登場人物はだいぶ極端だが、何となくみんなが普遍的に持っている違和感とも呼ぶべき特徴を抽出するのが上手い人だなぁと思った。 個人的には、「たいして興味もないくせに」という言葉が刺さった。近年学校教育に取り入れられている「研究っぽい」活動。生徒たちは、無から必死に立ち向かうべき課題を探す。そして、それっぽい動機を上げそれっぽい成果を発表する。たいして興味もないくせに。

    0
    投稿日: 2024.11.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まさに私も、順位づけ、他人との対立を避けて生きるように仕向けられて来た世代です。 でも結局テストの点数聞き合ったり、そうやって他人と比べて自分の立ち位置決めてしか生きてこれなかった気がする。 雄介の気持ちわかっちゃうなと思ったら、ああ、一生こうなんだろうなって落ち込んだ。

    2
    投稿日: 2024.11.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「そう決めたときから、めぐみの目の下のクマは、少しずつ薄くなっていった。自分の存在価値を誰かに見せびらかすでもなく、誰かから愛されるでもなく、自分で自分を否定しなくてもいい状況に身を置くことが大切なのだと気づいたとき、めぐみの目の下に広がる肌の色は、日に焼けていないふっくらとした頬のそれと、なめらかにつながった」

    0
    投稿日: 2024.11.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    大抵の人が雄介なんじゃないかな 順番が逆、そうなんだよなあ そうやって何とか自分を保ってるんだよなあ 最後にあぁ…と、どうしようもない性のような 抗えないものを感じて だけど、決して絶望でも諦めでもない受容できるような やっぱり朝井さんの書くものは簡単ではない、綺麗事ではない、常に葛藤する現実が丁寧に表現されていると思った

    0
    投稿日: 2024.11.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「死にがいを求めて生きているの」 本を読むとこのタイトルが平成という時代の病理を端的に表していることが実感できる。 対立が排除されてきた平成時代で、対立の内面化により蓄積されたエネルギーがどのように発散されていくのか、そして、その発散の過程での苦しみが痛々しく描かれていて、心を抉られる。 また、現代で言われることの多くなった「ありのままの自分でいい」という言葉もただ気持ちいい言葉として消費/消化するのではなく一石を投じているところも印象的。No.1ではなく、Only oneになろう__一見、個人主義が加速する現代では気持ちのいい言葉として受け取れるが、そもそも「ありのままの自分」って何だ?を再考する必要がある。 そこで納得感を得られないと、内面化したはずの対立軸が外界にまで伸びていってしまい、結果、歪なOnly one像に振り回されてしまうのではないか。 平成時代を生きた人の漠然と感じる苦しみを鮮やかに描いているので、ぜひ平成を生きた人も、その地続きの時代を生きている令和以降の人にもオススメの作品。

    0
    投稿日: 2024.11.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    思っていたほど面白くなかった。 私には少し合わない本でした。 タイトルに釣られすぎたかなと思います。

    1
    投稿日: 2024.10.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ☆2.5 海族、山族なんか知ってるなーと思ったら伊坂さんのシーソーモンスターにも出てきてた 〝螺旋プロジェクト〟初めて知った 他の作品も読んでみたい

    3
    投稿日: 2024.10.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    朝井さんの小説はいつも読み始めると止まらなくなってしまいます。 多分螺旋プロジェクトを最初から読んだら更に面白いのかもしれないけど、、 登場人物全員の葛藤に共感したり、悲しく思ったり、もっと自分のために素直に生きて欲しい、自分に対してもそう思いました。 平成に学生生活を経験した人たちが、今だからこそ共感できる内容だと思います。

    1
    投稿日: 2024.10.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    生きる意味は?何の価値を提供できる?て何かと戦いがちな日々だけど、自由気ままに生きていこう〜と思えた。まるっと平成時代を生きてきたからすごい刺さり、色々考えさせられました。

    1
    投稿日: 2024.10.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    螺旋プロジェクト3冊目。朝井さん作品は初。 主人公のいる物語というか誰かを通して客観的に語られる1人の人間のことから海族山族の対立を描いているという感じで進んでいく。海族山族の特徴や歴史についてなどは「ウナノハテノガタ」を読んでいるからイメージしやすかったのかもしれない。 内容に関して。 朝井さんと私は10歳差であることから私はギリギリ競争社会での子供時代を送ってきた。確かに今の時代は、順位がつく、勝ち負けが決まる世の中から、順位や勝ち負けよりもそれに至る過程、1人ひとりの個性を重視する世の中に変わっている。実際、子育てをしていて、順位や勝ち負けを決めないことにより、他の部分で他より優っていたい優りたいという感情が加速しているような感じを持っていた。生きがいがなければ自分を保てないという人種の行き着く先について考え、怖くなった。

    1
    投稿日: 2024.10.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    め、めっちゃ面白かった… 初めの章で感動して泣いてみたり、途中でこれSF?ってなってみたり、最後まで読むと最初の章も全然意味合いが変わる。 また見返したい作品!

    1
    投稿日: 2024.10.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    登場人物全員、細かな描写まで全部繋がってるのがすごい 生きがい、何かをしなくては、その気持ちはすごいわかる 不自由ない家庭で育ったからこそ、生まれながらに努力する矛先が決まっている人への羨ましさを感じた時もあった。ずっと何かをした事実が欲しかったところもある 対立とは喧嘩の意味合いを持っていたけど、そうではなく、女特有の〇〇は〇〇が苦手だから〜、とか、そういう本当に無駄な会話も、対立であり生きがいなんだなぁ。 「生きてるだけでいいんだよ」その重くて軽い言葉に、「自分とは必ず何かが違う誰かとここで暮らし対立し、対話する。その繰り返しの先に対立を生む原因の違いこそが実は大きな繋がりをもたらす」という言葉で表されると何か特別な自分になる必要を感じなくなる。 堀北の何かに熱意を注ぐ生きがいが悲劇を産むし、読んでいて狂ってるようにも感じるが、始めに看護師が堀北のそのまっすぐな熱意、絶対という意思に惹かれ勇気をもらっているという前提があるのがおもしろい

    3
    投稿日: 2024.10.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「生きがい」私はそんなことを考えて、行動的になったことはない。誰かを助けることでそこで自分の存在価値を見出したこともない。ただ、唯一私の数少ない大切な人たちが悲しむ顔、苦しんでる顔を見たとき、たとえ自分がしんどくても忙しくても、その人の元に行って会いに行って抱きしめてあげたい。そう考えることはある。 私は、今までたくさん苦労して苦しんできて、その度に誰かに助けて欲しい、そばにいて欲しいと思った。でも誰も振り向いてはくれなかった。それが何よりも悲しかった。だから、私は私が大切な人が苦しんでいるとき、どんなにしんどくても時間がなくてもお金がかかってでも会って、話しを聞いてあげたい。それが私にとっての生きがいなのかもしれない、そう思った。 もう何年か後にこの本を読み直して、生きることについて考えたいと思った。

    3
    投稿日: 2024.10.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    朝井リョウ先生の描く文章は正解がなくて、読者に問いかけるような最後が多い。 2人の気持ちに共感しながらも自分はどんな生きがいをもって生きるべきなのかわからなくて考える。 朝井リョウ先生の作品を読むたびに、形成してきたはずのものが全て壊される感覚になる。すごい。

    4
    投稿日: 2024.10.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    誰よりも秀でいる人になりたい、のは欲深いのかもしれない。集団に身を寄せたい一心に意味すらわかっていない話の内容に、相槌を打っては自分が一番知っていると豪語したことは(恥ずかしながら)何度もある……。そんな自分のせいで誰かが傷ついていることを知らずにいたのも事実、ほんとに無知だった。ごめんなさい。 (((別の話になってしまうけど、、こんな愚かな悪行といえる所業を繰り返していた私とまだ友人関係でいてくれる友人たちに感謝している。ほんとにありがとう。 脱線した。 誰とも仲良くするのは綺麗事だと言われたことがある。「私は誰からもいい人でいたい」と言っていた知人がいる。小説のストーリーと自分が昔立っていた世界がリンクしてしまって怖くなって、数行読んで閉じてしまうこともあった。 読了できたいま、自分の都合の悪いことはみんな捏造してきたなとか開き直ってる。 海族VS山族の争いの中で、一読者である自分の人生を俯瞰できるとは、【螺旋プロジェクト】、奥深い……。

    6
    投稿日: 2024.09.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    他作品との競作作品で、海族と山族の争いというベースを置きながら、平成を生きる人間を描く物語。軸は雄介という何かへの争いを求め現場への反発を繰り返す人物と、その幼馴染で雄介を見守る智也という人物で、それらの周りの視点から物語が進む。(最終章は智也視点) 少し競作の軸である海族、山族との紐付けが朝井リョウらしくないファンタジーさを出していたが、その中でも現代のリアルを描く非常に面白い作品だった。 ナンバーワンからオンリーワンが重視されるようになり、競争から調和へと学校教育など社会が変わった。競争の時代では、他社から明確に優劣を定められることに苦しんだが、調和の時代は自らで自らの優劣を決める必要があり、それに苦しめられるという著者からのメッセージ。 人より優れている点が顕著な人間は、人に僻みもせず優劣も特に意識せず生きていけるのかもしれない。(本当にそんな人がいるのかは些か怪しいが)少なくとも自分は、特に優れている点はないと自認しているため、少しでも優れている点を見つけ出そうと人を見下したり人に負けていると落ち込んだり、自分で自分を評価している。自覚はないが結構自己肯定感が高いので、そこまで落ち込むことは少ないが、これで自己肯定感が低ければ確かに追い込まれていくのだろう。ダメな自分をそれでも愛そう。その中でも、頑張ってナンバーワンを目指して好循環のサイクルを作り出そう。頑張ろう。

    0
    投稿日: 2024.09.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    平らかに成ると書いて平成。対立を排除してきた時代。ナンバーワンよりオンリーワン。でも、不思議と生きやすくなったわけではない。自分らしさを大切に、という一見優しい価値観だけど、その個性や自分らしさの正体を実は誰も知らないというところに、平成ならではの苦しみ、「見えない対立」の種が眠っている。と朝井リョウさんが書いていて、なるほど、と思った。 自分らしく、あなたはあなたのままでいい、という言葉に、私はそれほど違和感やプレッシャーを感じないし、これでいいんだ!と自分らしく生きられていると思う。 でも、朝井さんの「正欲」でとても勉強になったように、「死ぬまでの時間に役割が欲しい人」、「死ぬまでの時間を、生きていていい時間にしたい人」、「その時々で立ち向かう相手が欲しい人」がいるんだと分かった。 正解が分かってスッキリ!ということはまったくなくて、解決策も分からない。でも、死にがいを求めて生きている人がいるんだということを知れただけで、読む価値あった。朝井さんの文学は、いつも勉強になるなァ、と感謝している。

    4
    投稿日: 2024.09.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    朝井リョウさんの作品を読みたいと思い手に取った1冊。 『生きがい』ではなく『死にがい』。 人のために尽くすことが生きがいですと語る人も実はそんな風に生きている自分としての役割を死ぬまで担う死にがいに置き換えることもできると今回の作品を読んでいて感じました。 生きている、それだけでいいじゃないかという言葉はとても優しい言葉だなと思います。 ただ、それだけでは満たされない何かを人は、いや、少なくとも自分は抱えています。 満たされない何かが生きがいなのか死にがいなのかは自分でもよく分かりませんが、生きがいも死にがいもなくたって生きていけるという事実は目の前に常にあります。 何かを目指して生きていきたいのか、何かを目指す自分になりたいのかそれは定かではありませんが、生きがいも死にがいも無くたって逞しく生きていってやるわいみたいな強い人に私は憧れます。 自分がそうなりたいかは置いといてですが。 余談ですが、朝井リョウさんの作品は個人的に自分の中にあるものや周りにあるものの感度を引き上げられるような感じがします。 様々な角度から物事を見たり考えたりすることって必要だなと感じたい時に朝井リョウさんの作品はおすすめだなと思います。

    2
    投稿日: 2024.09.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    私は大好きですこの作品。 なんでこうも上手に言語化できるんだろう。私が思ってること全部言葉にしてくれたってくらい、今の現状とぴったりでとても沁みた。

    2
    投稿日: 2024.08.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    全体としては中編の章がいくつかあり少しづつ繋がっている感じ。いろんな本との同じテーマでつながっているという不思議な構成の作品でした。 それでも部分部分に現れる鋭い表現は美しかったです。

    1
    投稿日: 2024.08.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    良いも悪いもすごく刺さった。久しぶりに深く厚みのある本に出会えた。刺激的だった。 なんだろうぜんっっぜん言葉にできない。。 ただただこれを言語化できる作者すごい!!!この本の感想を述べるにはボキャブラリーが全く足りない。だから読んでほしい。!!! 昭和時代の大人にも読んでほしい、平成の令和の学生にも読んでほしい。読む年齢によって捉え方変わってきそうだなぁニヤ 読書感想文の宿題があったら絶対これにしてた

    2
    投稿日: 2024.08.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    またまた、嫌なトコを抉られ、暴かれたたような、朝井リョウさんらしい、作品。 本当に、人の心のウチの隅から隅まで、曝け出したいコト、隠しておきたいコト、そうゆう感情の表現がすばらしく、すごいなぁーーーと思う。

    13
    投稿日: 2024.08.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    本の終わりにも書かれているが、この物語は人と人との間にある「対立」が中心に据えられていて、それを巡ってどう生きるのか、を2人のメイン人物を中心に対比的に描かれている。 自己顕示欲に取り憑かれ、暴力的なほどに対立にのめり込んでしまう雄介と、対立による人の分断争いを対話によって対処しうまく共生することは出来ないのか?と模索する智也を、いろんな登場人物の視点で描いているので、様々で幅広い人の感情に触れることができるところもまた面白い。 そして、物語を進める中で、基本的には雄介に違和感を感じてしまうものの、雄介の行動の源泉を突き詰めていくとどこか自分もそういうところはないだろうか?と自分を重ねてしまうように思った。そして、それは雄介と対比的に描かれている智也もまた、物語の最後で、自分も雄介に重なるというのが驚きでもあるが、そういう部分は人間である以上自然的なことなのかもしれない、とも思えた。 朝井リョウの作品は、言葉にならない感情が言語化されていて、個人的にもああこの感覚覚えがある、って感じる言葉を山ほど見つけることができる。 生きがいがなくたって、ただ生きることは本当に可能なのか?とか、自分の人生でモチベーションになってた感情ははたして死にがいを求めるものだったのかそれとも生きがいを求めてたのか?とか、いろいろと内省を促進してくれる素晴らしい作品だと思った。

    1
    投稿日: 2024.08.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    螺旋プロで小生初、朝井リョウさん。「桐島、部活…」でデビューされた時、何と洗練された平成の文章!では?、と予想してましたが、中身はそれ以上に、時代の悩みをしっかり語るものでした。巻末の、付録と解説まで感動できます。海と山の対立を乗り越えようとする、前向きで素敵な作品でした。

    2
    投稿日: 2024.08.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ナンバーワンよりオンリーワン、それなら他の子と大差ないならその価値は劣るんだろうか、とか、他人と比較しない素のままの自分をわたしはどこまで認められるんだろう、とか、そういうことを考えはじめるとわたしたちは他人との比較なしには生きられないのかも。社会に強制的に参加させられるレースよりも容易く自分の存在意義を腐らせてしまう、そんな「自滅」。雄介の行動は理解が及ぶものとは言えないし狂気的に映るけれど、自分はそうならないとは言い切れない恐怖が残っています

    1
    投稿日: 2024.08.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    『桐島、部活やめるってよ』『何者』の原作者として知っていた朝井リョウ。ふたつとも実写化が糞すぎたので何にも期待せずタイトルだけに惹かれて読んだ一冊。 朝井リョウさんは実写化に向いていない(褒め言葉)。この繊細で後ろ向きで寄り添ってくれる文章を映像に起こすには無理がある。 思考の移り変わりを文章で表現する力が秀逸。 生きている中で、言葉にはしないような小さな心の疼きや揺れが丁寧に優しく苦しく言語化されている。自分の中で名前のなかった感情に言葉が与えられていく。とても新鮮で心地よく苦しく恥ずかしい。 思考に伴う内声があまりにウィットに富んでいるし、内声で個別性を表現できる力が本当にすごい。 死にがい、すごくしっくりくる言葉だ。慢性的な希死念慮は死を選択するタイミングを奪い、死んでもいい理由やきっかけを求める。今回の堀北とは全く正反対のように見えて実に近いものを感じる。 事故だろうと過失だろうと病だろうと、自身で死を選択できなくなることが最も怖い。智也のような状態になった時、私はどうしたらいいのだろう。想像もつかない孤独と閉塞感に恐怖で震え上がった。 物語は希望を持たせる形で終わりを迎えたが、私の心を拭い去ることのできない恐怖と孤独が蝕んでいた。

    1
    投稿日: 2024.08.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    500ページ越えの超作でしたが、途中で飽きたりせず最後までスラスラ読むことができました。 私自身は生きがいや死にがいに翻弄されたり、生きる目的や理由がないことの切迫感など、 あまり意識せずに生きてこられたので、雄介の心情がなかなか共感できませんでした。 生きがいは人生を豊かにしてくれるポジティブなもの、 死にがいは、生きるために足掻いて自分の存在意義を確かめなければ死んでしまうくらい辛い ネガティブなもの、と捉えました。 側から見たらしょうもないことで張り合っているな、と思っていたことも、本人にとっては死活問題なこともあり、そういった心情を覗き見ることができてよかったです。

    2
    投稿日: 2024.08.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    朝井リョウさんの本を読むのは初めてでした。 平成の若者が生きる中で抱える、言葉としてうまく吐き出せない鬱屈とした想いを細かなところまで掬い上げる能力がずば抜けていて、この一冊ですっかりファンになってしまいました。 それで気になって朝井リョウさんの他作品について調べていてとあるインタビュー記事に行き着いたのですが、どのように小説の着想を得ているのか?という問いに対し、朝井さんは「本質的に似ているけれど、すごく離れた場所にあるものを見つけた時に、小説を書く癖がある気がしています」と仰っていました。 今作もまさにそれなのかなと。 堀北が世界平和のために戦士になると言い出した時、おそらく多くの人が「こいつ頭大丈夫か?」「そこまで人生迷走しちゃう?」と彼のことを見下し、自分だったら絶対にそこまではしないと線を引いて読んでいたと思います。 しかし堀北の行動原理は「434p 一度地獄を経験して立ち直った」というような、とにかくなんでもいいから困難な人生を生き抜いた”実績”を得たい、つまり人生の中で何かを成し遂げた人になりたい、生の時間(死ぬまでの時間)を生きていても大丈夫だと思える自信・確信がほしいという、誰もが葛藤したことがある問題と実は結びついていました。 それに気づいた時、遠くにいたはずの堀北は私(堀北=私)になっていました。実は堀北が自分自身であることに気付かされていた。 朝井リョウさんの文は特別難しい単語を使ったりしている訳ではなく、まだ言語化できていないけど実は私達の身近な問題であることを、誰もが分かりやすいレベルまで噛み砕いて教えてくださる作家さんなのかなと、そう思いました。 読了した時、まだまだ彼の文章を浴びたいな、と思う自分がいました。 素晴らしい作品をありがとうございました。 メモ 子どもを熱心に看病している母親として評価されることに満足感を得るミュンヒハウゼン症候群に似てる。

    6
    投稿日: 2024.08.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    話の中で出てくる、相対評価が絶対評価になり、競争よりも個人のペースや価値観を重視するという風潮は、自分が小学校のころから少しずつ出てきている。 それでも承認欲求を埋めるため、あるいは生きがいを見つけるために、あえて敵(反対の価値観など)を生み出してそれを倒すという、大きな題目に向かって突き進んでいく主人公の姿は自分とかぶる部分もあって、自分の行いを見つめ直す機会になった。 まずは、自分を否定しない環境におくことで、過剰に自分の価値を見せびらかそうとしないようにすること。 それでも、自分のものさしだけでは日々に張り合いが生まれず、心もとないことも事実なので、ある程度は競争も必要。 ただし、競争といっても誰かを蹴落として勝ち上がっていくのではなく、お互いと競い合って高めていくようなものが必要。

    4
    投稿日: 2024.08.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    また心を抉ってくる言語化、、、 そんなこと書かないでと目を背けたくなる心情をしっかりと描写してくる朝井リョウさん、、、やっぱりたまらなく好きです。現実世界を生きていくだけでは触れることが難しい心情を掬い上げて言語化して、現実世界を生きている人に刺してくれる。解説でも書かれていましたが、小説を読むからって正解が書いているわけではないし、何かがすぐに変わるわけでもないけれど、ほんの少しでも他者の心を思いやれたり、自分の捉え方を広げたり、もう少し現実世界と向き合えたり、するかもしれない。そう思って、無意識のうちに時代の波に流されそうになるときに、処方箋のように朝井リョウさんの作品を読んでいます。すごく見える人も、そうは思わない人も、それぞれ何かしら悩みを抱えている。苦しむ瞬間もある。それを忘れてしまう瞬間を減らしたい。人は忘れてしまうから、こうやって何回も触れることが大切だと思う。これからもずっと朝井リョウさんの作品には触れ続けていくのだろうと思う。いつも本当にありがとうございます。

    4
    投稿日: 2024.08.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    目次を見て短編集かと思っていたが、繋がった話だと知って驚いた。最初と最後が全く違う見え方だったと理解するにつれて、驚きと恐怖が入り混じった気持ちになった。 筆者と同じ平成で育ったので、思考や価値観などシンクロする部分も多かった。何者にもなれず表面だけで薄っぺらいような自分にモヤモヤしていたが、誰しもそういった部分が少なからずあると知って報われた。 やりたいことが見つからない、何者にもなれないミドサークライシスの人に読んでほしいと思う。

    1
    投稿日: 2024.08.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    子供の頃、部活や習い事で競争をしていた。 自分より優れている人の存在を知った時、環境を変えてもそれが続いた時、急に生きていることが無駄と感じたことがあった。疲れた。 競争から離れ、対立を避け、大人になった今は、成長しなければならないという焦りが消えない。そういう時代なのか。疲れた。 すでに足りている。私を満たすものは、もう揃っていると、気付かされた。

    6
    投稿日: 2024.07.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    朝井さんと同世代です。 彼の作品は毎回最後に怒涛に作者の伝えたいこと・想いが込められて胸に突き刺さります。 読んでいて他人事ではない、自分ごととして訴えてくれる。そしてそれは普段何となく生きてる自分の中にあるものを言語化してくれている。 どの作品も好きだけど、今回の作品もとても考えさせられました。生きる意味。一生まとわりつくこの議題を私は考えずにはいられないです。それが例え自分を苦しめると分かっていても。そうしてしまう。

    1
    投稿日: 2024.07.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    過去から続く海山の対立を平成時代ならではの概念で描いた、深みのあるお話でした。競う機会を奪われた平成の若者は、対立相手を自ら作らなければ、生きる意味が分からなくなってしまう。そして、自分の存在価値を認めてもらいたいがために、手段と目的が逆転してしまうこと、誰でもあるかもしれない。 ラストの章はぞくぞくしました。螺旋プロジェクトの中で、今のところ一番好きです。

    2
    投稿日: 2024.07.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    一日一日どう過ごすか、こう過ごしたい、ああ過ごさなきゃ、休みは何しよう、あれしようこれしよう、、、何かに追われてるかのような日々を過ごす自分にとって、のめり込むように読み終えてしまった。 (何もできなかったかもしれないけど)今日も息できててえらいね、って自分を褒めて寝た毎日は間違いじゃなかった、と思えました。

    1
    投稿日: 2024.07.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「覚悟は決まった。必要なのは動く身体だけだ。」 それが全てだと思った。生きがいだの死にがいだの考える以前にそもそも生きてなきゃどうしようもない。

    2
    投稿日: 2024.07.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    海族と山族は昔から対立するとされている。植物状態の人と、献身的に見舞いに来る人との間に起こった物語。 自分のことをよく見せようとする雄輔とたしなめる立ち位置にいる智也 相反する性格だけど、お互いに認めているところはあるような、友達として必要としてるけど、ライバルとして負けられないという気持ちも強そう。

    1
    投稿日: 2024.06.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    自分と重ねるところが多かった。 ありのままの自分でいい、ありのままの自分がいい。という社会で生きているが、自分の価値基準を貫くほど強くない人間、周りと比較することでしか自分の価値や善し悪し(存在の?)を確認できない人間にはそれを実現することが難しい。よりありのままでいること、が比較の対象となり、わけがわからなくなる。程度は違えど、自分は祐介だった

    1
    投稿日: 2024.06.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    タイトルと著者に惹かれて選びました 読み終わったあとにタイトルに納得できる本 今の世の中を取り巻く、いや自分を取り巻く漠然とした生きづらさ、自分の存在の意味、不安、言葉にできない感情を言語化してくれる本でした 自己肯定感という言葉以前に、人は生きているだけで、ただそれだけで、人と関わって生きている、それだけで意味があるんだ、という一つの人間の捉え方を学べました その視点で生きる事で、人間は自分の生に納得する事もできる けれども人はどうしても人と自分を比べてしまう、自分の不安を拭う為に優劣に落とし込もうとする それって、自然な事なのかな、自分だけそういう汚い感情があるのかな、皆んなそうなのかな、なんていう事を考えられた本でした

    2
    投稿日: 2024.06.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    朝井リョウさんの小説は、言語化できないもやもやを言語化してくれるといつも思う。 どこか共感できるものばかりで、今回も本当にすごいなと、生きづらい世の中だなと思った。

    3
    投稿日: 2024.06.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    順位付けをされる時代に育ってきたけど、誰かに勝ちたいとかナンバーワンになりたいとか、目立ちたいという気持ちとは無縁でとにかく誰とも対立したくない傷つきたくないと雄介みたいな人とは距離をとって生きてきた自分だけど承認欲求がないわけでもないし、自分は何のために生きてるのか他者貢献出来てるのか考えてこなかったわけではない。どんな時代でもどんなタイプの人でも生きるって本当に大変なことだ。ナンバーワンよりオンリーワンなんて言ってもそんな簡単なことじゃないよね。みんな不安を抱えて生きている。あまりにもリアルな救いのないラストで気持ちがどんよりした。

    5
    投稿日: 2024.06.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2/100 「愛すること」について考えている今日この頃だけど、自分にできることなんて大それたことではなくて、本当に些細なことで。 誰かが言ってた、結婚はその人のために命を捨てられるかだって。出会ってすぐ、結婚しようと言ったその人は、わたしのために命を捨てられたんだろうか。そんなことを考えながら読んだ。 最後、怒涛だった。思い?怒り?主張?あらゆるものが詰まってた。そして、利害関係なしに成立する関係はあるのだろうかと、なんだかもうわからなくなってしまうのでした。 親への、同族嫌悪から来るものなのかよくわからないけれども、言葉にできない拒否感。結局、切っても切れないもの。家族とは。 正解もなければ、答えもないけど、考えてしまうんだよね。考えすぎ、と言われればそれまでで、こちらだって考えなくていいなら考えたくもないですけれどもと言いたくなるようなこと、たくさんあるねー。 467ページからは苦しくなった時に何度も何度も読み返したい。どうしたって死ねない、どうしたら死ねるか、死にがいを求めてしまったときに、読みたい。

    1
    投稿日: 2024.06.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    面白いんだけど、螺旋プロジェクト部分に分からない点が多く(シリーズの一部なので当然です)、読んでいて置いていかれる感覚になった。 途中、もう螺旋プロジェクトはいいかな…と思っていたのに、最後の、冷静な傍観者のようだった智也の怒涛の心情に、読後、まんまと次の「シーソーモンスター」を購入してしまった。

    1
    投稿日: 2024.06.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「弓削後半」からのぐるぐる回るような疾走感、いや凄かった。 早く続きが読みたいと思う反面、 読むのが少し怖いというか、各章読み始めたらスルスル読めるけど、読み始めるまで緊張する作品だったな。 それは多分、各登場人物を見ながら「自分もそういうところあるかも」って感じちゃうから。 「あいつよりダメだ」って人から言われなくなったことで 自分自身で「自分はあいつより劣ってる」って思ってしまうの、なるほどな〜と思った

    0
    投稿日: 2024.06.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    最初の雄介の印象から、あれ?ってなって、最後謎が解かれる。どれだけ砕かれても何者かになりたくて、最後は寝たきりの友人を毎日訪ねる友人思いな俺を目指している。やべーやつだな雄介、と思いつつ、何かしらになりたくてでもなれなくて平凡な自分を許せない雄介みたいな人がたくさんいると思う(自分も雄介タイプ。。。) アドラーの教えの中で平凡である勇気というのがあるけれど、それと大きく繋がった話だった。 智也も、人を傷つける手段に出ないだけで何者かになりたいという根っこの部分が意外と同じという点にも納得した。

    0
    投稿日: 2024.05.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    後半鬱すぎる。 男同士の綺麗な友情や、ちょっとBLチックな感じを想像していたらまさかの、、! リーダー的で傲慢で暴力的な雄介。異常な対立関係を求め始める破滅的な人格に対し嫌悪感と愛欲を持ってしまう自分は海族でも山族でもない、、もしや沼族、、?

    0
    投稿日: 2024.05.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読めば読むほど鬱^_^ 面白かったけど結局じゃあどう生きたらいいんだっけ、逃げ道なくない?むずくない?みたいな気持ちになる本!今自分が本読んでるのだってなんのために読んでるんだろ?暇つぶし?結局なにが正解なんだっけ、正解とかないか、じゃあ何したらいいんだろ、みたいな感情 生きがいは必要だけどその生きがいがダサく見えちゃうこともあって、一歩引いた目で見ちゃうけどでもそういう真っ直ぐな生き方いいなって思うことだってある 誰にだって悩みはあるって言葉で片付けていい本じゃないけど、そんな気持ちになりました!

    2
    投稿日: 2024.05.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ちょうど今の自分に刺さる内容だった。 夢中になれることを探すのってすごく難しい。そういうのって探せば探すほどわからなくなるものだと思う。 周りが、何かに夢中になっていたり、意味のあることをやっていると、なんとなく焦ってしまう。 同級生と数字で比べない世界になっても、逆に突出した人が目立つことが多くなり、自分との差にがっかりしてしまうこともある。 そういうのって、いくつになってもある。むしろ、大人になってからの方が、自分の限界が見えてきている分現実的にのしかかってくるようにも思う。 結局、自分の軸で、自分が満足できるものを探すしかない。 けど、生きがいというほど大それてないくていい。自分が心地良いと思うこと、小さな幸せを、日常で感じられることが大切なんじゃないかと思う。 家族と過ごす時間や、休日二度寝する瞬間や、朝コーヒーを飲んでるときでもいい。 その瞬間があるだけで生きていける気がした。

    7
    投稿日: 2024.05.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    生きがいという目に見えないものをあるべきと思わされてる自分には響く箇所があった。 手段と目的が逆になっていたり、何者かになりたいがための行動をしてしまったり。 自分の軸で身近な幸せを大事にしていこうと思わされた。 螺旋プロジェクトのシリーズなので仕方ないが、海族、山族のくだりは対立を表す比喩表現として現代的な物語にマッチしていないような気がした。

    11
    投稿日: 2024.05.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    雄介の他人と優劣をつけ“生きがい”を求める考え方は現代の個人主義的な世の中に生きづらさを感じている人達の主張に感じた。会社で管理職クラスの年代の方はよく昔は成績を競い合っていたんだよと話をする。今はどうだろうか、人それぞれにあった目標を立て、達成に向けて行動することが主流になりつつある。競い合いが好きな人にとっては“生きがい”はなくなっている。そんな世の中で不安な気持ちを持ちながら令和を生きる私達は“生きがい”を求めて彷徨い、生き続けているのだと感じた。

    1
    投稿日: 2024.05.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とっても面白かった。 競争だとか「人と比べるのはやめましょう」といった風潮がどんどんなくされていくっていうのは、自分も平成を生きた中で感じていたことだった。それについてどう思うとかは考えたことなかったけど、この本では自分がぼんやり思っていたことを的確に言語化された気がした。気に入った文章が多く出てきたのでまた読み返したい。

    2
    投稿日: 2024.04.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    救いがない展開。巷にいそうないわゆる「イタい人」がいっぱい出てくる。その内面にある黒い部分をがっつり見ないといけないのでエネルギーを持っていかれる感じ。朝井リョウの若者の心理描写はいつもリアルで共感できる。

    0
    投稿日: 2024.04.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    元々この本はプロジェクト関係の本だということを知らなくて、少し戸惑いはあったが、朝井リョウさんの表現が素晴らしくてすぐに内容にのめり込むことが出来た。 この本は6人の登場人物の視点で物語がひとつのところに集約されていく作品だった。そして面白いのが解説でも仰っていたが、この6人と自分が重なるところが多くあって、自分の中でひた隠しにしてきた汚い部分と向き合わされる感じがした。 生きがいではなく死にがいを求めて生きている? 自分から敵を定めないと生きていけない。自分の存在を認知できない。 人は生きているだけで繋がってしまう。 平成は争いが見えなくなった時代、隠された時代。 ありのままでいいという言葉が逆に私たちを苦しめている。 ナンバーワンではなくオンリーワン。これは自己責任社会の入口。 本作品は解説やインタビュー記事などにも心に残る言葉が多く記されていて、読んでよかったと思った。

    15
    投稿日: 2024.04.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「もう一度読み返すとしたら」、 人間には3種類のタイプがいるってところ。 「共感できたところは」、 常識から外れたて見える決断さえすれば、その常識の中で競争してきた人たちに対して一矢報いることができるとでも思ったってところ。 「読む前と読んだあとで変わった気持ちは」、 タイトルから想像していた話とはちょっと違った。読んでる時は、雄介あついなと冷めた目で見てたけど、読んで寝た次の日は、自分のこの生きづらさは、生きがいを求めて今まで必死だったからかも、雄介かもとじわじわ思ってた。 「もしこの本のキャッチコピーを書くとしたら」、 生きる甲斐は?人生の価値は?そんなものは要らない? 朝井リョウの書く本は、本当に言葉にできない人の微妙なうわああってなるもどかしい不完全な感じ、こう言う気持ち、こう言う場面どっかであったっていうのがたくさん出てくる。 いつかもう一回読もう。

    3
    投稿日: 2024.04.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とても面白いと思った。 読んでいる最中度々ないはずのトラウマが思い出されるような感覚になった。 自分は特別だと信じたいし、人にはない何かがあって、価値のある人間なのだと思いたい。だけど、ただ生きているだけなのに、そんなことはないのだと思い知らされる。特別な人間になるために、自分が人より価値ある存在でいられそうなものを見つけよう、人並み以上の努力をして結果を出そう。そう何度も決意して、思い返せば何も成し遂げていない。自分は人より劣っているのだと薄々気づいてはいるが、なんとかしてそこから心を遠ざけ、他人にもバレないようにする。 そこそこ優秀で、かつ気づいていない人間だけが伸び伸び生きられるのか。 いや、きっと誰でもに価値あるバックグラウンドがある。他人は尊い。 まだきっと誰にもバレていないけど、自分だけが、何もない。

    11
    投稿日: 2024.04.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「人と違うこと」は生きている意味であるが、オンリーワンであるだけで生きていけるほど人は強くない。 そのため、一定の物差しで測って、人と競争することは避けられない。 この本の最後にも、「アイムマイマイ」と同じ、螺旋が見えた気がした。

    0
    投稿日: 2024.04.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    物語の構成がとてもうまいと思った。2人の少年のストーリーがメインだが、それと同時に2人の人間の小さい頃から成人になるまでに関わってきた人々の話も盛り込まれていて、それぞれの話にもしっかりとしたストーリーとオチがあって面白かった。 この物語を読んで、生きがいが人との衝突対立や否定から生じる場合もあることに気付かされた。 人は3つの分類に分けられて、生きがいが目標とイコールな人間、生きがいが目標とイコールではないが、目標や目的を持っている人間、生きがいがない人間。→この言葉もすごく心に残った。 人は皆必死に自分の存在意義探して、苦しみもがきながら生きていることを再認識して、読みながら少し苦しいと感じる時もあったが、総じてみるととても面白い作品だった。

    1
    投稿日: 2024.04.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    平成になってからの、人間の辛さを言語化した本。読み終わってから「楽しい」や「感動した」の様なプラスの感情はなかったけれど、人の感情の裏の裏を考えるのが、自分だけじゃない。他にもいる。と安心できる本だった。 (他にもいれば安心というのもまた良いのか悪いのかわからないけど。) 競う目標がなくなって、でも結局他人と比較して破滅するなら、自分の目標をもって、その為だけに行動してみればいいのかなと思った。

    2
    投稿日: 2024.03.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    冒頭で抱いた雄介への印象は「献身的に友人を見舞う優しい人」 しかし読み進めていくと… あれ?雄介思ってたんと違う いわゆる「イタい」人。 なるほど、イタい人間だった雄介が色々な経験を通して変わっていく話か!最終的に智也との出来事で本当に大切なことに気付いた的な感じか! と、思いきや。 雄介は最後の最後まで空っぽの人間だった。 読者である自分はまんまと騙されたのだ。 「友人を献身的に見舞う優しい人」という印象は、まさに雄介が他者からそう思われるために創り上げた虚像。 かなしい。この人はこの先もずっとこうして生きていくのか。 生きがいがどうとか言ってるけど、自分は生きがいなんて意識したことがないからその苦しみがわからない。生きがいなんて必要なのか? ひとつ言えるのは「他者から認められる」ことに重きを置くから苦しいのでは? 「他者から見た自分」ばかり意識するから、結局中身のない空っぽな人間でしかないのでは? 生きがいとか死にがいとかナンバーワンとかオンリーワンとかはよくわからないけれど、他人軸で生きるのが苦しいってことはわかる。 苦しいことに加えて、「あぁこんなに空っぽな人生になってしまうんだな、かなしいなぁ」と本書を読んで感じた。

    3
    投稿日: 2024.03.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    対立する事で相手との繋がりが生まれる事もある。 終わらない争いから逃げずに対話を続ける事で相手の事をより深く理解する事、それが繋がりなんだと気づいた。 たとえそこから逃げ出したとしてもその対立してる背景はずっとそこに残り続ける。

    0
    投稿日: 2024.03.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    対立、生きがい、死にがい、空回りしても泥臭くてもそういうのを見つけ、無いなら創り出し、自分の存在意義を見出さないと、だめだ、と言い聞かせてる。その中で智也は中立で賢くて澄んだ目の中で生きている象徴のような存在であると思った。周りの足掻いている人達が自分を見直すトリガーとなっているような存在。そんな智也が1番、生きがい、死にがい、対立に囚われていたんだなと思う。最後の文章。雄介はやはり変わらない。オンリーワンでいい、と言いながらやはり、2人は分かり合えない、対立がそこにどうしても存在している。 朝井リョウさんは流石と言っていいほど心理描写が卓越している。読んでて苦しくなった。流石。

    0
    投稿日: 2024.03.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    1人の学生時代を他者の目線で語られた作品。ページをめくるにつれて内側を暴くような感覚があった。 非常に面白く、一気に読んでしまった。 螺旋プロジェクトの1つで、他の作品を読んでいるとより楽しめるような小ネタが散りばめられていた。

    0
    投稿日: 2024.03.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでいる途中、ああ、生きている意味なんてなくていいんだ。と、救われた感じだったのに、結局はないとダメなの?って感じでした。 人に見せている部分と隠している部分。みんな違うと思うけど、怖く感じた。 本の最後に螺旋年表があったので、載っている本を全部読んだら、もっと意味が分かるのかな?

    2
    投稿日: 2024.03.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ナンバーワンを目指さなくていい、オンリーワンになればいいんだよ、と言われ育った平成ゆとり世代の若者。オンリーワンになれなくて、争いや対立の中から何かを勝ち取ることでしか存在意義を見出せない雄介。自分の存在する価値がほしくてボランティアに身を捧げるめぐみ。 自称革命家たちの「何かに命を注いでるオレ」に酔っている痛々しさ…その薄っぺらい仮面を剥がされた時の恥ずかしさといったら。。 朝井リョウさんは、正しさや優しさの裏にある偽善や自己満足、承認欲求を赤裸々に抉り出して突きつけてくるから恐ろしい。自分の中にもある恥部と向き合う覚悟がいる。

    0
    投稿日: 2024.03.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最後の雄介の思考が分かったところめっちゃ怖かった。 人間が3つに分けられるところとか、目的と手段の話とか、自分でも思うところたくさん。 結局2人は分かり合えないってことなのかな

    1
    投稿日: 2024.03.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2024年3冊目 北大での出来事のところとか、すごく身近というか言い表せないような距離感。近いような遠いような。題名に惹かれて読んだけど、共感ポイント多くてよかった。

    0
    投稿日: 2024.03.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    幸せな時代に、平和な環境で育った中の、でもぼんやりずっしりある生きづらさを、代わりに表現してくれるようなシーン、フレーズがたくさんあった。 解決策が書かれているわけではないけど、その生きづらさを抱えててもいいんだ、この綺麗とは言えない感情はみんなももっているんだ、と思うだけで少し救われるような小説だった 内容もだけど著者の言葉選びも好き --- クッキーを食べてパサパサになってしまった口に牛乳を含んだときのような感覚 苺の先がだとくべつ甘いように、冬の冬らしさが --- 特別付録の言葉もストレートで刺さった 以下、特別付録より --- 他者や世間の平均値からの差異でしか自分の輪郭を感知できない人間の弱さ 分かりやすい「対立」はなくなった。でも不思議と生きやすくなったわけではない。このあたりのアンバランス感

    2
    投稿日: 2024.03.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ちょっとずつ人間関係が繋がっている短編集とでも言おうか。 テレビドラマによくある感じの、日常を描きつつ、人間関係のあるあるを、事細かに連ねている感じ。 そういうことあるよね、わかるーって共感はあるのだが、途中から飽きてしまって飛ばし読み。 なんか全体的に暗い。 題名の、死にがい、裏を返せば生きがいを求めて、何故人は、躍起になってしまうのだろう。 生きがい、無くても全然いいんじゃない?だけど、きっと人に備わっている本能。 だから、くだらないかもしれないけど、今日も、誰かと競争したり、目標に向かって自分を追い込んだり。そして誰かを傷つけたり、傷つけられたり。 そんなの当たり前のことなんだけど、当たり前と感じられずにずっとモヤモヤしながら生きていってる人が多いのが現代。何故なんだろう。誰かを傷つけたことや誰かに傷つけられたことをずっと抱えている。平和だからかな。

    3
    投稿日: 2024.02.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人生において、悪い方向であったとしても強烈な経験がある人であれば、生きがいと呼ばれる気持ちが芽生えやすい。壮絶な家庭環境、周りを取り巻く人間たちの存在、大きな挫折、これらによって人は生きる意味を与えられる、というか、夢中になって人生を生きることができる、生きることに没頭できてる時点でそれは生きがいだ。 だからこそ、それが無い人、必要十分に満たされ、普通の経験を、特に衝撃なく過ごしてきた人ほど、それがコンプレックス的に感じる場合がある。 不自由では無いが、生きがいが無い、生きやすいが、生きがいが無い、こういう空っぽから始まった人ほど、意図して強烈な経験を求めたがる。人が生まれながらに注ぎ込めるエネルギーの総量があって、それを注いでいる瞬間、人は夢中で没頭している。これが幸せのひとつだと思う。ただ、この矛先が小さなうちから決定づけられていれば楽な話で、言ってしまえば、もうエスカレーターに乗り込んだも同じ、人生は自動的なものとなっていく。しかし、そうでない人は、この有り余るエネルギーの矛先に苦心し、悩み、向ける先を間違えるのだ。

    3
    投稿日: 2024.02.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    生きがい、死にがい、自分の縛られた人生、運命について考えさせられた。かつ、最後の回収までめちゃくちゃ楽しめた。

    3
    投稿日: 2024.02.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    螺旋シリーズ。 どの争いも海族と山族が関係している、、、 ある2人の路をなぞる時、結びつくはずのない点と点が繋がり、物語は流れていく。 「あ、この人か」「ここであの時の話がね」とばら撒かれた種が読み進めていくうちに実を結び花となっていく感じ。(花と言っていいのかわからん。) 螺旋シリーズ2作目「シーソーモンスター」著伊坂幸太郎も楽しみです。

    2
    投稿日: 2024.02.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本の中で心打たれるフレーズに出会う事が時々あります。 この本の中でもありました。物語の流れとは違う意味かもしれないけれど、私の中でそのフレーズは上手く言葉で表せない事を、言語化し文面で表現してくれる。 この本に出会えた事に感謝。

    14
    投稿日: 2024.02.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    植物状態の友人、智也を毎日見舞う友人の雄介。 行動的で活発で、しかも学業にも秀でていた雄介。 けれど大学生になって、次から次と行動の目標を変えていく。 私的にはこの二人の物語で十分だと思ったが、みんなが不安を抱えている時代を描くためか、転校生や過去の栄光を引きずるディレクターとかの物語も入る。 470頁の長い物語だった。

    6
    投稿日: 2024.02.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    先に螺旋プロジェクトの『シーソーモンスター』読んだからか、中盤あたりまでは節々に伊坂幸太郎っぽさを感じた。でも終盤にかけての人間観察の鋭さは流石朝井リョウ!って感じ。伊坂幸太郎っぽい設定を自分の物語に引き込んでてすごい。 自分がしんどい時に読むと自分が責められてる感じがしちゃうかも。

    0
    投稿日: 2024.02.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    朝井リョウさんの作品は、同世代ということもあり共感が多い。出てくる細かいエピソードも大体分かる。学生時代の感覚を思い出したいときに読んでいる。 この本を読む間、ずっと智也派でいたいと思った。浅はかな雄介とは違い対立を望まない大人な人間。だが実は物語の最後は、2人が根底の動機の部分で似通っていることが明かされる。 となっているが、作中ではあまりに智也が持ち上げられている。ので、雄介の行動原理をなんとなく理解してしまう自分は焦りを感じる。 清田隆之さんの解説がこの本を最も良く表している気がする「ナンバーワンよりオンリーワン。まさかあれが、”自己責任”社会の入り口だったなんて、当時はまるで思いも寄らなかった。」。

    0
    投稿日: 2024.02.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    競争のない社会の中で、「何者か」になるためには、属性に飛びついて世界を分断して勝利を得ればいい。そんな自己実現は魅力的で争い難い。 自分に都合のいい世界に逃げ込んで、賞賛や歓心を周囲を拐かしてまで何度も得ようとする雄介が不快であればあるほど、それでも共存するべきだと思うラストが光る。 この本がすごいなと思うのは、自己実現とか自分の物語とかそういう説明的でありきたりな言葉じゃなくて、"達成したらおしまい"というニュアンスの"死にがい"という表現を使うところかなと感じた。 レイバーくん(暗に山族だと描写されている)は彼女を大事にし続けるという生きがいを手に入れたが、親友を献身的に看病する雄介は智也が目覚めたら死にがいを手放さないといけない。この対比が結構個人的に面白かった。 なお螺旋プロジェクトのことを何も知らずに読んで巻末の年表みてウワァァーとなった。なんやこの海山設定なぜいきなりファンタジー混ぜたの?って思ってたらマジでファンタジーでした。他のも読むね

    0
    投稿日: 2024.01.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    螺旋プロジェクト2冊目。 舞台は平成の札幌。 堀北雄介を縦軸に彼に関わる人を通じて描く。 朝井リョウは初めて読んだ。 札幌が舞台のようだが、本作に北海道らしさはほぼでてこない。 小学校でのスキー教室と、学校帰りにビニール袋で尻滑りをするシーンくらい。 札幌である必要があったのかは、あれがあるから無理やりなのかな。

    0
    投稿日: 2024.01.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    弓削の所のコーヒーの表現に気づいた時、朝井リョウの細かい比喩表現のうまさに驚いた。晃子との対立。他も見逃してそうで読み返したくなる。 雄介の行動は決して称賛を浴びるべきものでは無いけれど、その行動の理由は理解できて完全には憎めない。誰しもが自分は他と違う、他より優れてる、と思いたいけど結局は自分の思う方向に向かわない。他人と比べないで目の前のものにただ向き合って行く人がうまく人生を生きられると気付かされた。

    1
    投稿日: 2024.01.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    螺旋シリーズの他の作品のようにあからさまに海山が対立しない分、心の奥の方にある思いがより深く感じられました。 ただ、最後はもう少しすっきりしたかった。

    2
    投稿日: 2024.01.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    "何者"の作者、読んだことはないけどなんとなく自分とは相性が悪そうと思ったが、あらすじとタイトルを見て購入。 最初の電車に乗ってる描写、"足元の暖房からふくらはぎを遠ざけた"というところで、舞台は北海道?と思ったら当たりだった。 生まれてから今も北海道でしか暮らしたことないが、北海道大学や狸小路がでてきても自分の生活とはどこか離れているものと感じた。 所々で自分にも当てはまる、反省しなきゃ、他人からはこう見えるよね〜わかる〜と自分の人生と比較しつつ読み進めていき、終盤の"自分の中にもいるんですよ、堀北雄介が。"というセリフでストンと納得した。 今の時代SNSが発展し自分を定義づけるものを簡単に名乗ることができ、また他者と比較し浮き足立ってみたり落ち込んだりと疲れるなと思っているが、自分もまた不幸な人生をSNSで大袈裟に嘆いてみたり、それがまた自分の何かを示すもので手放せなかったりしている。そういう意味でわたしの中にも堀北雄介がいる。

    0
    投稿日: 2024.01.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    何となく耳障りの良い言葉なのであまり著書のタイトル違和感を感じなかったのですが、「死にがい」って言葉は一般的ではない。 普通は「生きがい」なんだよね。 生きがいとは、それを続けることで日々が充足され、生きること、すなわち日々の生活が豊かになるようなことであると思う。あくまでも「生きる」ことが起点で、穏やかに生き続けることのモチベーションになるようなこと。 翻って「死にがい」とは。 本書の中で明確に定義されている訳ではないけれど 「生きがい」が生を起点にしているのに対して、死を起点にというか、「これをやりきれればいつ死んでも満足」というような激しい衝動と熱量という名のモチベーションであると思う。 人間にはいろいろなタイプの人がいるけれど、私は「死にがい」起点で行動できない。 そしてそのような生き方をしている人は苦手だったりもする。 けれど「死にがい」起点の人にちょっと憧れもあったりする。

    0
    投稿日: 2024.01.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    生きる意味とか使命とかどうして生まれてきたのかとか、考えても無駄だと分かってはいるものの、確かにずっと頭の片隅にある。そんな部分を引っ張り出してきて、これでもかというくらいじっくり煮込んだ、人間そのものが凝縮されたような作品でした。 順序が逆だよ、の下りがすごく耳が痛かったです。アフリカ行ったら価値観が変わった、というよりも価値観が変わった自分になりたいから帳尻を合わせるようにアフリカに行く、というような選択を無意識にしてきたなと気付かされました。

    0
    投稿日: 2024.01.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「智也の看病に来る雄介」の意味が完全に裏切られました。朝井リョウはハッピーエンドでなくても希望のある結末が多い印象ですが、この作品は結構希望が無かったのでちょっと複雑な読後感でした。 ①生きがいがある(他者貢献) ②生きがいがある(自己実現) ③生きがいがない 僕は③だけど、「生きるために」他者貢献や自己実現をしようとしているところがあって、雄介を否定できない。

    4
    投稿日: 2024.01.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かった! 朝井リョウさんの本、完全に中毒になりました。 ストーリーが面白くて次の展開を早く読みたいけれど、読み終わってしまうのが勿体ない…!

    2
    投稿日: 2024.01.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    日頃考えている「自分は何のために生きているのか」の答えが見つかりそうで見つからない内容だった。しかし「やりたいことや目標が無いと生きている意味がない、自分には無くてつらい」と感じているのが自分だけでないことを知り、ほっとした。 社会のルールから逸脱した人たちにも逸脱したことに対する誇りやそれから見出した生きがいがあること、結局それらに縛られていることを改めて認識できたことも良い気づきだと思った。 また第三者の幸せをつくるための社会貢献も、結局は全て自分の生きがいにつながっているのは不純なことなのだろうか。自分のため、他者のため、その境界線は曖昧だなと感じる。

    2
    投稿日: 2024.01.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人は"生きがい"を求めている。しかし、その"生きがい"は他人によるものである。大好きな人のためや趣味のために何かを頑張るというより周りからの評価を得るために人とは違うことに走りがちになってしまう。 現代のSNSが活発化した世の中ではこのような人が増えてきていると感じる。現代の社会現象に合ったストーリーだと感じた。 結局、目を向けるのは自分である。優しい"私"や頑張っている"俺"。何かを実行するときに考えているのは型に当てはめる自分に目を向けてしまう。このような雄介の行動が自分にそっくりだと感じた。

    0
    投稿日: 2023.12.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ⚫︎受け取ったメッセージ p274「生きがい」「それって、なきゃいけないの」 ⚫︎あらすじ(本概要より転載) 誰とも比べなくていい。 そう囁かれたはずの世界は こんなにも苦しい―― 「お前は、価値のある人間なの?」 朝井リョウが放つ、〝平成〟を生きる若者たちが背負った自滅と祈りの物語 植物状態のまま病院で眠る智也と、献身的に見守る雄介。 二人の間に横たわる〝歪な真実〟とは? 毎日の繰り返しに倦んだ看護士、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、注目を浴びようともがく大学生、時代に取り残された中年ディレクター。 交わるはずのない点と点が、智也と雄介をなぞる線になるとき、 目隠しをされた〝平成〟という時代の闇が露わになる。 今を生きる人すべてが向き合わざるを得ない、自滅と祈りの物語。 ⚫︎感想 おもしろかった。良いか悪いかは別として、生きがいを考える余裕のない時代が終わり、多様性の芽生えや個々の夢、希望が語られ始め、それらを見つけられない焦りや苦しみが生きづらさを生んでいた。何のために生きるのか?自分は生きる価値があるのか?生きがいが見つけられない自分に焦り、追い詰められる。 ナンバーワンよりオンリーワン、それは他人に評価される価値観が自己評価に代わっただけだという智也の内省は印象的だった。結局人間は無意識に比較してしまうものだから。苦しみからは逃げきれない。…ということを知った上でそれでも生きるしかない。生まれた瞬間から人はそれまでの人類の歴史を否応なしに背負わされていて、対立と対話を繰り返しながら、自分たちの時代を作っていく道しかない、そう智也は結論づける。 私自身は「生きがい」なんて概念は壮大すぎて引いてしまう。生きていてもいいかなと思えるうちは「生きていられる」だけだと思っている。この世に生きていられる間に読める本は限られていて、それがあるうちは生きていられると思っている。読書でなくても、一生かけて好奇心を保ち続ければ、「生きていられる」だけなのではないかな。 本来なら前向きなはずの概念が、人を苦しめることもあるという一つの例であう。何事にも分量の差はあれど、プラス面とマイナス面が存在する。 因みに近頃は「Ikigai」という日本語が英単語に登場してきているという英語の記事を見つけた。「Ikigai」という本も出版されている。これは「生きがい」の概念がもともと日本由来の概念であり、どこにでもある概念ではないということの表れだ。「生き甲斐」の「甲斐」は価値あるものという意味とのこと。 国は違えど、長寿になってきたことが一因のようだ。 生きるって、やっぱり大変なのだ。

    7
    投稿日: 2023.12.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    螺旋プロジェクト2作目 多様性の認め合いが主張され始めた平成において、表面上少なくなっても形を変えて確かに存在する対立構造を繊細に捉えていた。多様性が過激化している令和でもない、確かな平成を高い解像度で描けるのはさすが平成ど真ん中世代の朝井リョウさん。まさに螺旋プロジェクト平成編だった。

    0
    投稿日: 2023.12.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    正欲を読んで朝井リョウの社会風刺的な作品を読んでみたくて手に取った。 長編大作なので読み応え十分で、見事な螺旋状の文章構成だった。 一回読んだだけでは理解し難い。。。 読み込んでいくほど味が出る作品だと思う。 しかし主人公がぐるり一周変わっても、自己批判や生きる価値など、 「自分自身が求める自分の評価」 に納得できない感情に共感できる部分が全てに共通してるのが平成を生きる人の苦しみなのかと思った。 平成に生まれて平成で育だった私からすると当たり前すぎて、しかし飲み込めなかった言語化できてない感情に気付かされた。 言われてみれば確かに、自分らしさを大事に(自己責任で)のような物差しで測れないことを探して生きていくのはかなり難しい。 作品の後味のような、この先ももがきながらも立ち向かっていかなければならない事だなと強く感じた。 読み終わった後に苦しくなる、評価も感想も難しいこの感じは、小説ならではの味わいだなと感じた。 正直、海山伝説は要らん要素かもしれない笑 あと、正欲の衝撃が凄すぎてちょっと霞んで見えてしまった…

    0
    投稿日: 2023.12.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    本の中でとかじゃなくて、リアルで堀北みたいのがいたら嫌いやわぁ。 それとは別に最後びっくりしたね。 これをやりたいがためにこれだけ長くなったん?

    0
    投稿日: 2023.12.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    序盤は植物状態となった智也と献身的に看病する雄介の友情が描かれるのかなと思っていました。しかし彼らの過去から現在に至るまでの過程を第三者の視点も交えながら物語が進むにつれて、彼らの関係性に違和感を感じるようになりました。 平成の時は競争よりも個性を重視する風潮が顕著となりつつあり、実際に学校教育でも競うことより周囲と合わせて…協調して…という指導が多かったように思います。 そのため、他人と比較して自分を評価するという方法ではなく、自分の中で対象となるものと比較し自身を評価するという、存在意義の確立を難しくさせるような環境であったと思います。 また、その中でも意図的に対立構造を生み出し、自身の存在意義を見出そうとする人がいると作中の登場人物が明言しており、リアルの環境を思い起こすとすごく共感できます。 今を生きていても時折、自分のやりたい事の目的と手段が逆転しているのではないかと思うことがあります。この本を読んでいてその点を思い出させ、再び目の当たりにされ、えぐられてくる感じがしました。

    13
    投稿日: 2023.12.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    堀北雄介という1人の人物に焦点を当てて、6人の視点から展開する物語。 さまざまな葛藤がある中で、どう生きるか。学生時代の描写や社会人のカーストを描かせたら朝井さんの右に出る人はいないのではと思います。 学生時代にかっこいいと持て囃された堀北が、年齢を重ねて、変わらない幼稚さに周りからの評価が変化して、周りからいわゆる「イタイ」人物の認定をされる。そこには少しホラー要素のような怖さもあったり。視点も展開も表現力もどれも素晴らしくて、朝井さんの本を読むたびに、読んでよかったなと、満足感と、言葉にできないような読了感、達成感に襲われます。 私が特に好きだったのは、社会のために生きがいを見つけようとするのではなく、目の前の大事な人のクマが少しでも消える方が生きる意味とか生きがいとかを感じられるのかもしれないという下りでした。

    4
    投稿日: 2023.12.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    朝井リョウ、同世代すぎて色々わかりすぎて一瞬で読める。その人の生きがいなのか、性質なのか。智也が一番嫌っている対立や分断が、智也の生きがいの前提になっている。

    0
    投稿日: 2023.12.05