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死にがいを求めて生きているの
死にがいを求めて生きているの
朝井リョウ/中央公論新社
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総合評価

399件)
3.9
107
159
91
15
2
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    このレビューはネタバレを含みます。

    智也があえて口にしない静観する選択をとったことで、雄介の精神的成長に繋がらず、幼稚さが今も健在しているように思えた。気づきを与えてくれる人が1人でもいればまた変わったのだろうか。

    0
    投稿日: 2026.02.16
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    ディレクター回の雄介と智也の会話のシーン、読む手が止まらなかった 結局、生きがいってなんだろう、死にがいってなんだろう、宿題みたいに残った

    0
    投稿日: 2026.02.14
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    すっきりではなく、もやもやする読後感。 だけど、確実に心は刺していく、そんなお話。 高校生ではテストの順位が出て、客観的に評価される。大学に進学すると相対的評価はほとんどされない。自分で「自分らしさ」や「価値」を探さなければならない。それにしんどさを感じたことを思い出した。 作者あとがき 「本作で見つめた地獄というのは、他者や世間の平均値からの差異でしか自分の輪郭を感知できない人間の弱さです。」

    0
    投稿日: 2026.02.11
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    雄介の何事にも首を突っ込んで夢中になろうとする姿勢は最初こそ無理して生きがいを作るためのものだと思ったが行動をしている状態というよりも行動したという実績を求めているように感じたことを踏まえると"生きがい"よりも死に際になっても残る"死にがい"という言葉の方がしっくりくる気がした。 智也も感じていたように自分は外的環境によりたまたま夢中になれるものがあっただけで1歩間違えば雄介のようになっていたかもしれないというのは最もだと思った。 普段生きがいを考えながら生活をしていなかったがそれはそれで幸せなんだろうと思った。生きがいを作ることに夢中になってしまうとやりたいことが分からなくなってしまいそうなので、自分が好んで行っていることをふとした時に生きがいだと感じられるのが1番ではないかと自分は思う。 人間は生きている以上、様々な人や物と繋がってしまっているのだからそこに抗うよりも繋がってしまっている絶望を飲み込み対処していくのが良いのかもしれないと感じた。 総じて智也の考えはハッとさせられるものが多かった。 雄介はてっきり次の死にがいとして親友の看病を選んだとばかりに思っていたが自分がいない時に智也が目を覚まし自分が智也を突き飛ばし植物状態にしたという事実を知られたくないという思惑も存在すると気づいた時にはゾッとした。

    0
    投稿日: 2026.02.07
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    これ系は結構好き 改めて浅井りょうの今までの読後感想読んだら 好きな作家さんだった 確かに昔とくに中高ぐらいか 男子が集まって話すと何かというと競いたがる 風潮あったかも くだんねー自慢話とか どっちが酒が飲めるとか 原付免許持ってるとか それも自分じゃない知り合いの先輩がどうとか せめてお前の話をしろよと思った ホントその中に存在することが苦痛だったけど 我慢してたな だから集団じゃなくてもいい 自分で選択できる 大人になってからは しあわせになった気がする てか堀北君は試験の順位や運動で競ってんだから むしろ健康的じゃないかw ボクの周辺はもっとずっと低レベルだけど

    0
    投稿日: 2026.02.04
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    与志樹の無意識のうちに他人と比較して勝ち負けを判断しているあの感じ、う"ってなった人結構いるんじゃないカナ

    0
    投稿日: 2026.02.01
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    何者と共通するテーマが通っていると感じた。それは「生きがい」に関することで。人は何か立ち向かうことや熱中することがないと辛く寂しく虚しくなる。それを他者に誇示して認めてもらわないとこの世に所属していいと感じることが難しいのかもしれない。登場人物みんながわざとらしく痛々しく、その要素が自分にも備わっているように感じてさらに痛々しくなる。作品単独ではやや消化不良な点はあるが、朝井リョウ作品を複数読んでいると朝井リョウの視点が見えてような気がした。

    0
    投稿日: 2026.01.31
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    全部持っていかれた。著者の現代の生きづらさを言語化する明瞭さがハンパない。自分の人生に投写してしまうぐらい共感した。正論と個人主義と死にがいと人間の性みたいな抽象的な概念が、温度感を持ちそのまま人になり群像劇になっている。生きがいを求めないと自分の存在確認ができない、他者との好善なつながりを担保できないのは、育ってきた生育環境を省いても、そういう葛藤はあるのだろうと思った。人間の性として著者は、弱さに重きを置いてる気がする。ダメだけどやってしまう、不安でたまらない、求めてしまう、人間の土台は弱いからこそ、その上時代の変化になんなく影響されてしまったり。そういうところを取り出して保存してるのが好き

    0
    投稿日: 2026.01.29
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    大学生の時、私も死にがいを求める症候群になっていたことを思い出した。今思えば、周りの人とは違うと自分を肯定してあげたかったことが理由だと思う。 そんな私を変えてくれたのは夫で、社会問題は考え出したらキリがないし、誰かがかならず全力で解決してくれるのだから、自分の好きなように生きたらいいという、ある意味生殖記的な考えを持っていた。 今は彼の言葉で楽に生きられているし、生活や趣味を大切にしている自分(むしろ、仕事のように、よく見えない誰かのためにすることの重要度を下げている自分)に満足している。 …と書いていてふと思ったのだが、令和の時代は、他者との分断、自己責任論を超えて、それを放棄する「無責任論」が主流になっているのではないか?AIも発展して、誰かのために頑張らなくても、そこそこの努力があれば仕事はできるようになったし、他者に気遣わなくても生活ができるようになった。他者との対話なんて重要じゃなくなってる気もする。好きなことをしていて、好きなタイミングで他者と交わればいい、みたいな。争いは減ったし、熱くなる場面も減ったけど、より個人間の分断が進んでる気がする。どうだろうか? あと、脈絡ないけどこの本は幼少期時代の描き方がとてもリアルだった。小学校時代の「その人の背景が変わるだけで、その人の所属している場所が変わるだけで、その人まで変わってしまったように見える」は大共感だった。いまだに同じことを感じる。

    2
    投稿日: 2026.01.29
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    雄介のイタいかんじ、めちゃめちゃ伝わってきた。友達にいたら引いちゃうと思うけど、じゃなんでコロコロ生きがいを変えちゃダメなのかはわからない。 でも、人から感じる胡散臭さとか信用できない感じって、雄介みたいに自分の見栄とか理想を優先して追求しまくって、周りの人を自分を輝かせる照明的な存在としてしか見れてない人から醸し出されるものなのかなって思った。 自分が何をしたいか、どうなりたいのか、何が好きか、みたいに自分の考えを感じられるようにならないと生きがい地獄からは逃れられないような気がする。人を勝手にランクづけして、負けた勝ったを無意識に判断するの心当たりありすぎてキツかった。今もやっちゃってるかも。 智也も生きがいに囚われてるって言ってるけど、智也は生きがいと自分の考えがちゃんと一致してるんじゃないかな?あと、山族vs海族の件は、名前が付いて概念があることを知ってしまったから争いが生まれる的なことじゃない?海族山族はあまり話の本筋とは関係ないと思う。

    0
    投稿日: 2026.01.27
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    最近イン・ザ・メガチャーチの宣伝で色々なところで目にするので、積読していた本を読んだ。 やっぱり朝井リョウさんの書く暗くて重い世界観がとても好き。 自分の中の雄介が顔を出してしまうことあるなと、ふと思った時にすごく嫌な気持ちになった。周りからどう思われてたんだろうと不安になったし、反省した。 でも、誰かと自分を比べて自分の方が優位に立ってるアピールをしたくなることってある。自分だけを見つめて、自分に向き合うのはすごく胆力がいるから。

    0
    投稿日: 2026.01.26
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    日々つらいこともあるけど楽しいことがあって、なんだかんだで過ぎている(過ごせている)のは幸せなのかも うちに秘めたいタイプだからやる気を全面に溢れさせている人苦手

    1
    投稿日: 2026.01.24
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    人の細かな機微や言葉にまとまらない感情を言語化するのが、とてつもなく上手だなと感じました。初めは素敵だとまで感じた雄介と智也の関係性が、人物像がハッキリしていくにしたがって、ものすごくいびつであったことに気づきます。平成以降の対立をさせない教育方針に対する問題提起のようなテーマも含んでおり、個人の個性を伸ばしているようで、対立が見えにくく陰湿になったとも捉えることができるのではとも思いました。

    2
    投稿日: 2026.01.23
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    ある人物を中心に、関わりのある人たちの視点で幼少期からの様子を描写していく。 生きがいがないと生きている意味がないという考えにとりつかれた彼にとって周りの人々は翻弄される。生きがいとはなにか、生きがいがないとダメなのかを問う。 こーゆー人いたよね、という感じの人物。側から見ると痛いやつだが、本人はいたって真剣で自分に酔っている面もあったりする。だんだんと暴走していく感じが面白い。 一目置かれるのが気持ち良いのは心当たりがあったりするからこそ先が気になる。

    0
    投稿日: 2026.01.23
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    作品名に惹かれて買った。ちょっと長かった。途中で少し飽きてしまったけど智也の顛末を知りたかったため最後まで読んだ。 他作品とキャラクターや発言がリンクするなと思う節が何個かあった。

    0
    投稿日: 2026.01.21
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    最後の最後で全てが繋がった感じが爽快でした 現代の問題の根元をシンプルに表すな〜と これは何回も読む価値あり 朝井リョウにハマっちゃいました笑

    0
    投稿日: 2026.01.12
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    「これからの時代はナンバーワンじゃなくてオンリーワンだから」大学の受験期に差し掛かる直前、中学のときに尊敬していた先輩にそう言われた。 ナンバーワンよりもオンリーワン、SMAPと全く同じ言葉に私はストンと納得し先輩に感謝の言葉を伝えた記憶がある。 (歌詞を書いたのは槇原敬之) 当時の私は受験期を前にして何もしていなかった。 何もしていなかった、くせに自分は周囲の人間とは違う、と信じて疑わないような能天気さと愚鈍さがあった。 それからしばらくして生まれついて運が良い私は運良く自分の行きたい大学を見つけ、運良く周りの人間に受験のサポートをしてもらい、運良く合格し、運良く親に消して安くはない(高い)学費を払ってもらい、運良く楽しく大学に通っている。 所謂、美大と言われる場所に通っていると度々「ここには普通の人はいないから」「みんな変わり者だし」「美大に通ってるウチらってヤバいよね」といった言葉を聞く。 確かに、先輩からSMAPの名曲と全く同じ言葉をもらった頃の私と似たような境遇を歩んできた人が大学には少し多くいる、ように感じる。 (歌詞を書いたのは槇原敬之) けど、それだけだ。 美大に属しているからアナーキー、役所で働いているから社会適合者、とかそんな単純な話は無い。 あってたまるか、と思う。 人はそれぞれちがう形をしていて、それぞれの思想がある。 全ては"ここ"に存在しているだけなのに。 全てが、ただ曖昧に存在していて響きあって存在しているだけの世界で私は比較をしてしまうし少しでも自分が優位でありたいと願ってしまう。 「手段と目的が逆転してる」 大学デビュー(のようなもの)を果たし承認欲求を得るためにサークルを利用する安藤与志樹。 俺らと違って他の大学生はこんなこと考えていないと悦に浸る革命家飲みのメンバー。 「常識から外れて見える決断さえすれば、その常識の中で競争してきた人たちに対して一矢報いることができるとでも思ったんでしょうね。常識に縛られすぎた人間がする、典型的な行動ですよね。」 過去の成功が己のクリエイティビティを信じ続ける呪いに変わり生産性の無い日々に切迫感や焦燥感を感じる弓削晃久。 総合大学を目指さずに美大に入る選択をした私は手段と目的が逆転していないだろうか。 自分は周囲とは違う、という根拠のない幼さ故の進路選択では無いと言い切れるだろうか。 当時の私に少しでも周囲と違っていたいという欲が無かったと言い切れるだろうか。 「資格が取れるから」という理由で総合大学を選んだ友人と「潰しが効かない」と言われがちな美大を選んだ自分を比較して自分の方に物語性を感じて酔いしれていなかったと言い切れるだろうか。 私は私の愛する人の背景に見えるもので愛を判断していないだろうか。 将来、周りに比べて自分だけが幼い顔をしていたらどうしよう、とか、また比較して怖くなった。 安藤と弓削には特に自分を重ね合わせて苦い気持ちになった。 晃久から見た晃子のように大学には活き活きと創作に励む人たちがいる。彼ら彼女らは自分たちにはこれしかないと言わんばかりに目を輝かせて創作に励んでいる。 そんな彼らの姿を見て私はまた比較をしてしまう。 果たして私は彼らと同じように夢中になれているだろうか。 自分の存在を疑ってしまう、呪いたくなってしまう。 資格を取る為に好きではない分野の勉強をすること、親の都合で行きたい大学にいけないこと、そっちの道の方が楽だと思ってしまう、最低だ。 そう思ってしまう自分が醜くて大嫌いだ。 比較をして自分の居場所を確認しなくても私は私を許せるはず、けどそれって何よりも難しい。 私は私を客観視出来ない。 生きることは許すこと。 自分とは相反する人やものを少しずつ許す、じんわりと境界線を滲ませていく。 自分がしていること学んでいることを好きだと胸を張って言うことが出来る(気がする) 比較をしても、しなくても苦しい。 生活は私が思うよりも、きっと、ずっと苦しい。 生産性が無くても死ぬまで淡々と丁寧に生きるしか無い。 自分や世界の曖昧さを許したいし、日々を実直にこなしたいと思った。 平成時代が過ぎ冷笑(笑)蔓延る令和の時代では雄介のような存在を自分が常に客観視する側だと思っもてしまいがちな気がする。 いつどこで自分が自分に都合の良い正義という名の暴力を振りかざすのかは分からない。 ときに雄介のような命注ぎパワーも必要なのかも、と思ったり。 けど命を注ぐなら慎重にならなくては。 舞台の北海道にはとても馴染みがあったので頭の中で鮮明に情景が思い浮かんだ。 螺旋プロジェクトによってSFじみた(?)雰囲気になってるのも面白い。 坂本亜矢奈の章とかは青春小説らしさも感じられて面白かった。 付録の解説で平成の犯罪者のインタビューに対して著者の朝井リョウさんが言及していて、その深いリサーチ力に驚いた。

    6
    投稿日: 2026.01.07
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    明確に時間を示す言及はないものの、場面や時が移り変わったことが自然に理解できて面白い。どの登場人物も少しずつ自分に当てはまるところがあり、引き込まれた p235「集団の中にあるグラデーションを見逃さないようにしたいなと思う」 これは対立の文脈とは思うが、智也のどんな考えに基づく発言だったのだろう。最後に言及あるかと思ったが無かった

    0
    投稿日: 2026.01.04
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    冒頭の美しいシーンが読み終えた後に薄気味悪いものに暗転!そして最終章で回収される数々の伏線。やっぱり朝井リョウはすごい。時代は移り、競争や対立はよくないものとして、できる限り排除されるようになった。でも、私達の心に平穏は訪れない。ナンバーワンにならなくてもよくなった代わりに、オンリーワンであるために私達は足掻き、ゆとりのある時間は「私達は何のために生きているのか」という答えのでない問いに囚われる時間となり、私達の心を蝕んでいく。平成という時代の生きづらさを見事に描いた名作です。

    0
    投稿日: 2026.01.02
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    ずっと読みたいと思っていた本を、今年中に読みたい目標冊数達成のために大急ぎで読んだ。 ところどころ内容や表現にくらった。 絶対にまた読み直したい本。 死にがい、生きがい、今生きている意味を見出してしまいがちなのは私もそうで、それが良い悪いは言語化できていない。 私も、この期間は何をやり抜きたい、何かを成し遂げたい、何もやっていない期間は嫌だ、という気持ちがある。 目の前の対立に目を向けるのではなく、どうしても繋がってしまう今のために背負っている歴史に目を向けるという考えは納得した。 雄介の、「ドリンクバーくらいすぐ命注ぐ」性格は、私は持ち合わせていないため見習いたいと思った。 メモ 「自滅」=目に見えない毒素=自分なんてこの世界に存在していたって意味がないと思い込むこと 世界に一つだけの花-SMAP

    1
    投稿日: 2025.12.30
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    SNSに流れてくる人を見て、この人イタイな、このノリずっと続けてるな、って感じていた違和感の正体を事細かく言語化された。そしてその要素、自分も持っているのでは??と気付かされて耳が痛い。 自分も雄介みたいな発言してないかな?痛くないかな?けど、それって本当に悪いことなのかな?と反面教師的な目線で読んでいた。 世間が良いものとして掲げているものの、裏にある闇を突きつけられた感じ。でもそれがやみつきになる。

    3
    投稿日: 2025.12.26
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    病院以外それぞれの年代で雄介みたいな人が誰かしら思い浮かぶ。他の人物はそうでもないので世の中の雄介率が高いのかもしれない。 海山の話が苦手で退屈だったけれど、他がかなり面白く読めた。

    1
    投稿日: 2025.12.25
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    いるいる〜こういう人!小学生の時からめちゃくちゃ存在感出してる人!って人の物語。最後まで、とことん期待を裏切らなくて良かった。そして、いるいる〜こういう人!なんでココとココ仲いいかわかんないよね〜なんか達観してるよねーって人。実はこっちの人もその状況を楽しんでたりして。あー面白かった。最後までページをめくる手が止められず。なしてこうも心情を書くのが上手いんかね。すごいわ。

    1
    投稿日: 2025.12.23
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    世の中でよく見かける違和感。 彼らは何に対し怯え、何に対し声をあげ どうしてそこまで自分を卑下しながら要らないプライドを捨てられないのか。 そんな矛盾を上手く表現してくれた本だった。 自分が思い描く私という個体を他人に押し付け、理解させ受け入れて欲しいのかもしれないと感じた時全て腑に落ちた気がする。 他人なんてどうでもいい。 他人を気にしてる善人を演じ、私という個体を強調することだけに支配されてると考えると単純で頭の悪い思考のように感じてしまった。 でも、私含め皆そんなもんなんだなと思うと とても肩の荷がおりた気がした。 結局、私を認めさせたい個体も私が認められない個体も自分の事しか考えられないのだから、もっと気楽にもっと素直に生きてもいいのかもしれない。 今息苦しさや世間の窮屈さに苦しんでるなら、息抜きとして現実を見るために読んでみて欲しいと思った。

    1
    投稿日: 2025.12.20
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    「自由と言われて嬉しいのは、その中でお揃いにしたくなる友達がいるから」 今作のベスト・オブ・心に残ったワード 「ドリンクバーくらいすぐ命注ぐ」 人生で初めて、小説読みながら声出たワード 死ぬまでの時間に役割が欲しいだけ、死ぬまでの時間に意味がないと不安でたまらない、だからいつも何かと戦って命を燃やす。 私はこれまで、自分で自分の価値を築き上げないといけないこの時代に、勉強というわかりやすいかつ他人と比べることが正当化されているもので自分の存在価値を見出してきた人間なので、それ以外を求められる大学に突入し(というより勉強で得られる最強の肩書を手にした上で勉強を捨てることを選んだ)、ほんとうに気が狂いそうな四年間を過ごしたし狂い終わるより先に大学生活が終わりそうだし、この小説に書いてあることは「あぁ、わかるよ……」でしかなくて、それ以上のことを言葉にできない、まだ。 あなたはあなたのままでいいという励ましは無責任に感じられるし、その眩しさに目がつぶされることも大いにある、というか目潰ししかされていない。 解説にあった通り、こんなふうに光の眩しさに心地よさを感じられない、あるいはやたらと考えすぎてドブに着地してしまうような人間のために文学が存在しているのかも、ていうかそうであって欲しい。

    8
    投稿日: 2025.12.12
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    生きる意味とは何か。そもそも生きる意味なんてないんだからナンバーワンになろうとせず、オンリーワンで自分なりの生き方や幸せを見つければいい。 でも、オンリーワンな生き方も結局、今の社会でどう生きるかという制限のなかの自由な生き方でしかない。つまり、どこまでいっても他人と比較されたり、相対的にこの人の生き方はよい、この人はよくないといった価値観のある社会で生きている。その価値観は資本主義社会、多数派が異性愛個体であること、教育現場のシステムなど、当たり前になっている今の社会の構造によって作られていると思う。

    1
    投稿日: 2025.12.08
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    読み始めは、「何者」のようにさらっと読みやすい感じ、だけど、途中から、本質的な部分に迫ってくると、身近にあるのにスケールが大きい、深い螺旋に引きずり込まれていき、読了した私は、動悸が上がっている。続編ないけれど、この後どうなるのかと気持ちがざわつく。 伊坂幸太郎さん立ち上げの企画〈螺旋プロジェクト〉の一作品でもあり、朝井リョウさんといえばの「ゆとり世代」を中心としたテーマがそこにある。平成という時代のナンバーワンよりオンリーワンから生じた歪みが、巧みに書かれていると思う。 さらに螺旋プロジェクトの時代の前後の作品を読み終えているため、そちらの面白さもプラスされている。 熱い読書経験をありがとうございます。

    0
    投稿日: 2025.12.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み終わった後に、もう一度序盤のページを開いて読み直した。 p22の雄介のセリフ 「小さなころからずっとずっと一緒で、二人でいろんなことを助け合ってきたのに、あの瞬間だけ、助けることができなかったんです。二十年間の中で、あの一瞬だけ、俺はどうすることもできなかったんです。そのことがずっとずっと許せなくて…こいつの人生が止まった瞬間に何もできなかったから、せめて、こいつの人生がもう一度始まる瞬間には、絶対に立ち会いたいって、そう思ったんです」 この言葉の背景を知ってしまった今、もちろん素直には受け止められない。 自分本位過ぎるほどの裏面を知ってしまった今、 ここに純粋な友情は見えない。 オンリーワンになりたくて痛々しい若者たち。 自分の若かりしころや周りにいたエネルギッシュな友人たちを思い出して雄介や智也に投影してしまう。 対話をする覚悟が決まる智也も、 未熟で凡庸な選択をし続けてしまう雄介も、 自滅的でしんどかった 正解のない終わり方に、 正解がなくて当たり前なんだけど 重いものがのしかかったような読後感。

    26
    投稿日: 2025.12.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    雄介が言う人間は3種類いるという話が印象に残った。とりあえず働くのは、三つ目の人間に堕ちたくないから。自分はたまたま家族がいるので、雄介のいう一つ目の人間に当てはまるのかもしれない。でも、三つ目の人間とも言えるような気がする。というか、三つ目の人間になりたくないと思いながらなってしまっているような感覚になり、焦燥感に駆られることがある。今後子供が巣立ってしまったら、自分に何もない気がする。この辺りの雄介に共感したが、それも何だか自分でショックだった。自分は雄介と同じなんだと思った。自分が見たくない部分を書かれて、何だか処理しきれずぼんやりしてしまう。朝井さんの本は大体こういう衝撃を受ける。 朝井さんの本はミステリーじゃないのに続きが気になる。今回は、人の秘密というか行動の動機となる心情の部分が巧妙に描かれないまま話が進んでいくので、気になって読んでしまった。でも最後までにはしっかり描かれる。知りたかったけれど見たくなかったもの。考えさせられる。

    1
    投稿日: 2025.12.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    作中に、女性が活躍していることを快く思わないシーンが出てくる。実際には女性だからではなく、その女性が社会のニーズをいち早くキャッチできたから評価されているんだと思うけれど、ひとではなく女性だからと思ってしまうほど男性性の特権の強さが脅かされることへの恐怖を感じた。仮にもしそれが女性故に評価されているのだとしても、それは女性が社会的弱者の立場だから気付きやすいということの影響がある。 あとなんかしんどいなと思ったのが、陰謀論に絡め取られていく過程がリアルだったこと。裏事情は何ごとにもあると思うけど、そんな重大な事案の裏事情がいとも簡単にSNSでわかると思えるのはどうしてなのか。昔から今の過激な動画サイトのような週刊誌はあったけど、どうも性質が違う気がする。 自分とは何ものかを模索している途中の、自他境界線が曖昧な年ごろに、より刺激の強い動画のみで情報収集していくことに何かがあるのかなと感じている。 全体的に有害な男性性が散りばめられていて、読んでるのがしんどい部分もあったけれど、この有害な男性性をよしと考えて絡め取られる女性の姿もよぎった。正直にいうとあまりのめり込めなかったんだけど、たぶんそれは自分もその有害な男性性を内面化してしまっていることに対する羞恥なのかもしれない。

    0
    投稿日: 2025.11.23
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    少し主人公に対してストレスを感じた内容だった。 でも、おもしろかった。 この本を読む前は、伊坂幸太郎さんのを読んでいたので、 アイムマイマイのことが出てきて、テンションあがった笑 他の作家さんのやつも読もうかな。

    0
    投稿日: 2025.11.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私が生きてて疑問に思ってたことを言語化してくれて、スカッとした。人助けはその人のため、その人の生きがい、死にがい、生きてるための理由。人助けされてる人はそれに利用されているだけ。でもこんなことに気付かずに人助けしたり、されたりする人生がよかったなあと思ったり。ここで終わっちゃうの!ってなったり、逮捕されちゃったり、報われなかったり、続きが気になるけど、それでこそその人の人生ってことなのかなあ。私は生きがいも死にがいもないから、雄介みたいに無理矢理でも見つける熱量があるのは羨ましい。地味に礼香の職場体験の時の一言一言が核心をついてて、読んでいて辛かった。

    1
    投稿日: 2025.11.16
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    自分の存在価値を周囲の人や環境によって定義するのは得策ではないと思った。なぜなら、周囲は変動するから。だけど、うっすらでも必ず人と繋がってしまっている世の中で、確固たる自分自身の物差しだけで生きていくというのは矛盾である。 つまり、「受容」と「姿勢」に注力すべきだと思った。現実を受けいれ、現実から逃れようとする自分を受け入れ、自分を誤魔化すための行動を受け入れ、自分自身の変化・進化を答えとするのではなく進み続ける姿勢をゴールとすべきだと感じた。

    0
    投稿日: 2025.11.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中学編までは良い感じで読めていたのに、大学編からこの物語にどっぷり入っていく感じ。 500ページはさすがに長かった(笑) けど、伏線というか後になってアレを言った意味が回収されていくのがおもろかった。 海族と山族の対立。何か自分が戦うものを見つけないと価値がない。 わかるなー。 雄介が言う3つの人種の中で自分は2つ目の人種。 けど、最初は3つ目の人種だった。 歳を重ねるごとに段々と自分にフォーカスするようになり、日々の幸せを見つけていけるようになった。 きっかけはいろんな趣味を見つけること。 自分はそれができたけど、それができない人はずっと雄介みたいな感じなんかな。 次は何の本を読もうか。

    0
    投稿日: 2025.11.11
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    各登場人物の視点での物語進行のなかで、時々現れる海族山族という物語が不穏さを感じさせる。それもそのはず、この作品は「螺旋プロジェクト」という海族山族の対立の物語を8人の作家が描いた競作であり、この朝井リョウさんは対立という構図が表面上は消失した平成という時代を表現している。 学校では成績を提示したり、運動会での順位付けが行なわれなくなったゆとり教育が主流となり、テレビではSMAPが「ナンバーワンよりオンリーワン」と唄っていた時代、そのような競争や対立が失われていく状況を憂う一人の主人公として堀北雄介が登場する。彼はスポーツ万能で成績も良くクラスの人気者であったが、やりがい・生きがいを求めることに執念を燃やしている。 もう一人の主人公は南水智也、物静かで事を荒立てるのを好まない性質なのに、なぜか雄介と親友となって小学校から大学まで同じところに通うようになる。事故によって植物状態となり病院に入院している智也のもとに、毎日のように足繁く見舞いに通う雄介の姿は、看護師の目から見て美しい親友想いの青年と映るのだった。 しかし登場人物が増えるにしたがって、この二人の関係性に不穏な影が見え隠れするようになる。そしてところどころに注入される海族山族というキーワードに、この平成ゆとり世代の置かれる「やりがい探し」のような状況が明らかになっていく。個人としての物語を求める姿と、もっと俯瞰的な螺旋プロジェクトとしての物語に収斂されていく流れが交錯していく。なかなか難易度の高い構成を緩急をつけつつまとめ上げる技量はさすが朝井リョウさんといった印象だった。

    10
    投稿日: 2025.11.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    螺旋プロジェクトそのものを知らずに、作家で選んで読んだ。 タイトルから暗い話かと思ったら、そうでもなくて。ここで終わるんだという感じもあった。 雄介みたいなタイプ、いるよね…。私も苦手だな…。対立を生んで優位に立ちたい、リーダーになりたい人。私は対立、順位付けが全くモチベにならないし、逆にモチベが削がれるけど、父は自ら対立は生まないにしても対立、順位付けのある環境の方が好転するタイプだろうなあと思ったりした。 生殖記を読んだあとに読んだから「生産性」をさらに感じた。自分の「生きがい」「死にがい」ってなんだろう。何も思いつかない。本当にそれってなきゃダメなものなの?と思っている。 最初の雄介の献身さにそんな唯一無二の友達ってできるもんだなあと思ってたのに、読んでる途中からあれはエゴだ…と思ってしまって。 怖い。と思った。当事者じゃないのに寮の伝統行事で旗振るのとかとても怖い。この怖さを言葉にするの難しい。 生きる理由ってそんな見つけられないよね。私は見つけようとして、そんなものなくていいかと諦めたような気がする。だから今死んでもいいように「生きている」より「過ごしている」感覚の方が合ってる。 最後の会社の火災はどういう理由で起きたんだろう。私見落としてるのかな…。 智也の言う「グラデーション」って大事だよね。

    0
    投稿日: 2025.11.04
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    強烈な読後感だったのを覚えていて、たまに読み返してみたくなるものの、さらっと読み返すにはヘビーすぎるので諦める一冊。

    2
    投稿日: 2025.10.30
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    雄介が痛いやつって叩かれてるけど、普通にいるよなぁ、ああいうやつって思ってあんまり刺さらなかった。 あと、螺旋プロジェクトっていうの知らずに買って、読んでる途中でオススメの読む順番とかあるの知って、ちゃんと順番通り読んだらもっと楽しめるのかなぁとか思いながら読んでたから、何だかあまりのめり込めなかった。

    2
    投稿日: 2025.10.23
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    ・螺旋プロジェクトの一冊 ・客観的に見る、小さい頃からどこか歪みながら成長していく雄介の人生をみて、なんて過酷な人生だろうと思うと同時に、形は違うけど、自分もそうやって歪んだ成長をしてきているよなあと考えさせられた。 ・主人公として自分から見る人生と、客観的に見たときの自分の人生って、相手の数だけまったく違ったように見えているはず。だとしたら本当の自分ってどこにあるのだろうとも思う。 ・生きがいと死にがいって表裏一体で、客観的にみた自分の生きがいと死にがい、自分の目から見た生きがいと死にがい。人生を積み重ねるほどにどんどんと移り変わっていく生きがいと死にがい。何のために生きているのか。死んでいくことを正当化するためにどう生きるのか。死にがいってどこにあるのか。 ・人はだれでもいつか死ぬ。だれもが死にがいを求めて生きているとも言えるし、そのためにはどう生きるのかを考えないといけない。 ・自分って今、どうやって、生きているのだっけ。

    1
    投稿日: 2025.10.19
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    結構好きかも。 ナンバーワンじゃなくてオンリーワン。でもこれは自己責任の入り口。 自分自身、大体のことはできるけど、何か秀でたものがないことにいつも悩む。でもそれは自分が他人と比べた時にそう思ってしまうのかもしれない。つまり勝手に自分が人と比べて何も秀でてないと思い込んでる。でも人間は弱いからどうしても優位に立ちたがる。だから足を引っ張りあう。生きることに正解はないと思うけど自分自身を正解だとも言い切れずにもがく。人間はみんなそうやってもがいて生きていくしかないのかもしれない。

    9
    投稿日: 2025.10.17
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    話も面白いが、毎回作者の言いたいことがありそのメッセージに痺れる。 【以下本文より】 自分とは何かが必ず違う誰かと共に、この世界で生き続けるしかない、今その方法を考え続けることは考え続けながら生きることは、これまで連綿と続いた分断の歴史という巨大なものに立ち向かうこと、そのものではないだろうか。 それって、結局生きてるだけでいいってやつを言い換えただけじゃないのか? そうかもしれない。だけど、実際に何も特別なことはしなくていいんだ、自分だけにできることも、世の中への多大な影響力もいらない。自分とは必ず何かが違う誰かとここで暮らし、対立しては、対話をする、それでいい。その繰り返しの先には対立を生む原因だった、「違い」こそが、実は大きな繋がりをもたらすのだという実感が待っているはずだ。

    11
    投稿日: 2025.10.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読む前は「死にがい」の意味がわからなかったけど、読み進める中で後半ようやくしっくりきた。自分に当てはまることは少ないきがするけど、もう一度最初を見返したくなった。その人の本性は、外からどのように見られるかは分からないが、外から見られている自分が間違っている訳でもない。そう思うと何が正しいか考えるのはむずかしいなと思った。

    0
    投稿日: 2025.10.15
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    後半どんどん世界観に着いていくのに必死になった 分かるな〜と思うこともあったけれど、自分にはあまりリンクしなかったかな そんな自分には適度な(小さな)生きがいが今あるんだと感じた

    0
    投稿日: 2025.10.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「やりたいことを見つけた人は今何してるのって聞いてくる〜じゃあ何かやりたいこと見つけるって話だから」の部分がわかるーーーーーーーってなった 今何してるのって聞かれるのが嫌な理由がここに詰まっていた

    1
    投稿日: 2025.10.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    おそらく、この本を読んだ誰もが最初のシーンをもう一度振り返りたくなるのではないだろうか。 私は「一度読んだ後に、読む前とは受け取り方が変わる物語」が好きである。そのため、この作品は読み進めるにつれてパズルのピースが自分の中で少しずつはまっていくような感覚があり、とても楽しめた。 私は大学生という立場から、登場人物たちの姿に自分の見たくない部分を突きつけられるような場面が多くあった。何かに対立しなければ自分の価値を見出せない雄介。彼を諭そうとしながらも、自身も父親という存在に疎ましさを抱き、同時にそれを生きがいとしているのではないかと悩む智也。彼らの姿は、「私にとって生きがいとは何か」と改めて考えさせるきっかけとなった。 SNSでの承認欲求に駆られた投稿は、いつから当たり前になったのだろうか。実際に雄介のような人物が身近にいたら、私は距離を置くかもしれない。だが、己の生きがいという問題に真剣に向き合い、「ヘラヘラ生きる」ことを選ばなかった雄介の姿には、少しの尊敬すら覚えた。オンリーワンの価値が叫ばれる現代で、それ自体が悪いとは思わない。しかし、私を含め、その風潮に胡坐をかいている人は多いのではないだろうか。今後も他者と比べ、優位に立ちたいという心が消えることはないだろう。だが、少なくとも自分を見つめ直し、手段と目的を取り違えていないかを意識し続けたいと感じた。 今回、朝井リョウさんの作品を初めて読んだが、他にも有名な著作が多く見受けられた。是非そちらも読み進めていこうと思う。

    2
    投稿日: 2025.09.26
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    承認欲求が強く他人と比較することが多い私にとって、とても深く刺さる本だった。 絶対って言葉を多用してしまう未熟さや、対立することで自分の価値を見出すこと、生きがいを求めてしまうことが自らの経験と重なり考えさせられた。 年代的にも重なり、何のために生きるのかという目的意識をもたないと自分を見失ってしまいそうになる危うい感覚が描かれていた。

    1
    投稿日: 2025.09.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんでこんなにもこの人の小説は、自分自身の内面に眠る嫌〜なところをチクチクついてくるんだろう。。 本作は特に刺さってしまった 結局、自分を自分で肯定するために敵を作って戦うこと、何かを見下したい欲求から逃げられないのが人なのか。そうでないと信じたい智也ですら、自分も父という敵があったからこそ自分を保ってきたことに気づきどん底に落ちてゆく。 最近別で読んだ哲学書に通づるところもあった では、私自身はどうなのか。この本で感じた感情が新しいうちに、智也のように、自分が何を「生きがい」...いや「死にがい」として生きてきたのか?丁寧に考えを積み上げてみる作業をしてみたい気持ちになった(が、どん底に落ちそうで怖くもある)。

    4
    投稿日: 2025.09.23
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    本編を読んでるうちは相容れないところにもやっとしたり、そういう人間もいるのかと考えさせられたりはした。まあまあ面白かったかな、くらいで留まる予感がしてた。 でもあとがきと解説を読んで、そのまま思う壺にハマってたんだと思う反面、平成のこの表現し難い不安感や都合の悪さをドンピシャで当てられれた感じが気持ちよかった。だいたいの人間はいろんな意味で汚いしくさい!!それを知ってる気持ちも大切にしたい。

    0
    投稿日: 2025.09.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    途中は、難しい言葉とか思想とか多くて何言ってるんだ?と思ったけど、最後の方で色んなこととか人物が繋がっていって面白かった。 雄介が最初はすごく良い人に見えていたのに、こんな魂胆があったとは⋯と最終的に分かっていくゾクゾク感がたまらなかった笑人間みんななんかしらの悪いところ?嫌なところからの執念で生きている部分があるのではないかと感じる作品だった。 心に響いたのは、自分が何かをしていないと生きている価値がないのでは?と思うところと目的と手段が逆転しているところだ。誰かに認めて欲しいからすごいと思って欲しいからやってしまう気持ちがすごく共感した。

    0
    投稿日: 2025.09.15
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    何でもいい、何かに没頭していたい。生きがいが欲しい。そんな自分でいたい。賛否分かれるであろうこの主題の元、ある人たちを取り巻くさまざまな人間を描いている作品。 それを生きがいと呼ぶのか、死にがいと呼ぶのか。 読んだ人と感想を話し合いたい作品であった。

    3
    投稿日: 2025.09.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    死ぬまでの時間に役割が欲しいだけ、という雄介の悲痛な叫びに心がギュッとなった。 私は、目標(=生きがい)がないと虚無感と不安で生きる事への絶望を感じる性格だ。 目標を見いだせなくなり、先を行く道が真っ暗になった時期があり、生きづらさを強く感じていた。 私が生きづらさを感じる要因と、小説の中でそれぞれの登場人物が感じる痛みが自分と重なり、共感や納得感を得られた。 終盤の、智也による「どうせ歩き続けるしかないのだから、きれいごとに聞こえる話を絶望と一緒に一度呑み込んでみるのも手ではないか」という言葉。 私は軽い衝撃を受けた。そうか、と。 どうせ生きていくしかないのだから(それだけでも有り難い事は承知の上)、降伏しようと。 人と比べて自分を卑下して自信を持てず不安の中歩いているのは自分だけじゃない。多くの人が周りの状況を伺いながら、自分の立ち位置を確認しながら、自己評価しながら、生きてる。 大事なのは、今出来ることや手にしている物に目を向けることだ。ないものねだりではなく、あるもの探しは忘れないようにしたい。 まとめ 中盤までは、生きづらさや絶望、正体の分からないモヤモヤを自覚ししんどくなる事もあった。しかし、そのモヤモヤを言語化し表現されており、最終的には前を向ける小説だった。

    0
    投稿日: 2025.09.07
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    なんとなく夏休みに小説を1冊読んでみたかったのでブクログのおススメに出てきたのと本屋でけっこうPRされている様子。けっこうこの作者は人気なの?と思った次第で読んでみることにした。500ページ以上ある本って最近読んでいなかったから、けっこう時間かかったなぁ。これも夏休みだからできること。読後感は、おぉまさに螺旋だ!(何人かの作者で螺旋をテーマにした出版社のコンセプト企画らしい)ということに加えて作者についてと内容についてで感じるものがあった。 作者については、長編小説を書ける小説家ってすげぇ、と単純に思ったこと。これだけの登場人物に背景や接点をもたせて情景や心理を記述する設計ってどうやってできるもんなの?!その国語力ほしいです・・・。 ・2人の登場人物を頂点にトリクルダウンしてストーリーが派生していくような加速感、蓄積管がある話 ・複数の登場人物が列車のダイアグラムのように人生の時間軸で連携、同期、すれ違いをしていくネットワーキングの緻密さ しかもそのダイアグラムが直線的でなく螺旋的 こんなことを読者に思わせてくれる作品。小説を普段から読んでる人からしたら「まぁ、そんなもんでしょ」とおっしゃられることなのかもしれないが、論文や説明文ばかり読んでいた私からしたらとんでもなくストーリーデザインの能力がすごい人と思えてしまう。内容も高校生、大学生、社会人でそれぞれが悩みをかかえながら競争社会を生きていくところで戦争や分断が起こるメカニズムについて理屈よりも心情的にこうなのかもなぁと学ぶところがあった。こういうことを感じるのは、筆者と読者の感性に依存するのかもしれない。時間はかかったけど、夏休みに普段やらない読書を楽しめてよかった。

    0
    投稿日: 2025.09.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    朝井リョウはなぜ自分の痛いところを確実に突いてくるのだろうか、言語化の鬼だといつも思う。特に解説にあった「当事者性を求めて生きる」という言葉刺さった。 あなたのままでいい、という言葉って残酷だな〜実際に進学したり就職したりするためには「人より特別な経験」が必要とされてるのに! 自分はかなり他者評価重視にんげんであり、他者評価軸を捨てなければと思う時は何度も何度もあったけれど、そしたら自分のエネルギーはどこから発生するんですかね ひとりで自発的にエネルギーを生み出せる人がこの世にどれだけいるんだろう?でも世の中では、そういう人がよくかっこいいスマートだと言われて普通にムカつく そういう世の中だとしても、雄介のように泥臭く生きている方が人間味があると私は思うし、それでいいと誰かに言って欲しい。

    5
    投稿日: 2025.08.14
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    都合の良い言葉で人間の一筋縄ではいかない精神を誤魔化してきたことのツケが回ってきている。 っていう言葉がすごく心に来た。 みんながやるから自分もする、しないとか、流行ってるから欲しいとかってのは本当にSNSの弊害なんだろうな

    1
    投稿日: 2025.08.07
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    読み終えると、冒頭のシーンの解釈が全く変わってくるのがすごい。 過激なものを排除した結果、放任された世代はどのようにして生きがい(自分が生きている価値)を見出していくのか。 私たちは、辛い時にも踏ん張って生きようと思う「生きがい」を探しているのではなく、死ぬ間際に、自分は価値のある人生を送った人間だったと信じられる「死にがい」を求めて生きているのではないか。

    2
    投稿日: 2025.08.01
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    主人公たちと朝井リョウさんと同世代の私に刺さりまくった本。小学校高学年の時SMAPの「世界に一つだけの花」が大流行、「ナンバーワンにならなくていい、オンリーワンでいい」なんて言われて。そんなこと言ったって、親や先生たちのマインドは昭和のままで、学校のテストから学芸会の配役まで、周りより「優れている」という結果を出し続けると親は喜ぶし、私にとって「生きがい」だった。 高校大学になって、親から自立してきても、自分を納得させるためには「何かに打ち込んで、周りより優れた結果を出す自分」を追い続けた。部活動だったり、もちろんほとんどが楽しい思い出だけど、堀北雄介のように「対立」や「比較」の中で心を燃やしていた。 社会人になって、子供を育てる今も同じ。 どこにでもいるような普通のサラリーマンだけど、常に心の中では誰かや何かと競っていて、自分の「生きがい」やその説明をできるように頭や体がいつも忙しく働いている。年齢を重ねて自由に動けなくなったことにもどかしさも感じて、言い訳ばかりたくさん出てくる。 私だけ心が小さいのかと思っていたけど、平成時代の影響で同じような生き方をしている人は多いのだろうか。 「生きがい」いや、「死にがい」なんて要らない。毎日ただ心の思うままに過ごしていればいい。すぐには変われないけど、そうやって自分に言い聞かせながら今後は生きていきたい。 ※螺旋プロジェクト、知らずにこの本を購入しましたが、他作品との繋がりも気になるので、次は伊坂幸太郎さんを読んでみる!

    6
    投稿日: 2025.07.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「目的と手段が反転してる」という言葉が自分の生き方を言い当てられたようだった。自分が何のためにどうやって生きたいのかを考えるきっかけになった。答えは出てないけど、目の前にある目標ややりたいことを見失わないようにしたい。

    2
    投稿日: 2025.07.28
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    自分自身、目的ややりがい、生きがいがないと意味がないとされる社会に常に懐疑的だった。他者を介在しないと得られない幸せは本当に幸せなのか、考えていた。他者がいないと生きていけないのに、こんな疑問を持ってしまう自分に嫌気が差していた。この本を読んで私は社会に諦め続けるのか、希望を持つのか、自分にも分からない。

    14
    投稿日: 2025.07.27
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    生きがいとは? ちょっと嘘みたいだけどずっと生々しかった 螺旋プロジェクトの伊坂さんの本、辻村さんも勧めてた気がするから読んでみたいな

    0
    投稿日: 2025.07.24
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    朝井リョウって、絶対登場人物の中の誰かに自分が当てはまって、図星な事を言われたりむず痒い思考を言語化されるからドキッとする。 そこが新たな自分に気づけて面白い。 死にがいを求めてるのか、生きがいを求めているのか。

    2
    投稿日: 2025.07.22
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    私も堀北雄介だ。 常に他人と比較し、「自分の方が優れている」と思いたい。明らかに「自分が負け」だと分かれば、別の方向で何かを成し遂げようとする。「自分と同等のレベルだけど、自分と比べて少し欠陥があるくらいの人」と付き合うのが一番心地よい。 誰かと比較して自分を否定する際に胸に広がるドロドロとした気持ちが、さまざまな人の視点で描かれる堀北雄介の描写を通してドンピシャで言語化され、さらにドロドロとした気持ちになった。自分も周りから雄介のように見えているのだろうか、とまた他人の視点で自分を評価しようとする。 こういう思考に陥るのは自分の性格が悪いから、暗いから、と思っていたが、「平成」という時代や社会の影響もあるのだろうか。音楽やファッションなど、「平成」のリバイバルブームが起きており、自分も懐かしさで当時の音楽をよく聴いたり、当時は買えなかったアイテムを買ったりしていて、「平成ってやっぱりいい時代だったな」と単純に思っていたが、この小説を読んで、今一度自分の人生や人格形成は「平成」という時代にどう振り回されたのか、じっくり考える時間が欲しいと思った。

    4
    投稿日: 2025.07.20
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    他人から認められる何者かになりたいという考えはだれしも持っているのではないだろうか、 でも、ありのままの自分でいいというには苦しくて 何もしていないと焦りを感じてしまう自分。 どうしようもなく雄介と自分を重ねてしまった。 レールに則って正解を導き出してきた自分が社会人になって出した答えは、生産性の高い人間になって競争で勝って人と比較して生きがいを感じることだったなと。 いつも優れているわけではなく、生きがいを感じれなくて苦しい瞬間が多くあった。 でも社会のレールから離れた場合、どこで生きがいをかんじていけばよいかわからない。 答えは出せていないけど、自分がどうして今の社会で生きづらいかをより解像度高く理解できてよかった。

    0
    投稿日: 2025.07.19
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    効率、生産性、タイパ、オンリーワン…など存在価値としてこれらが求められる今の時代の「生きづらさ」がひしひしと伝わってきました。 他人と比較してしまう自分。 比べることをやめると幸せになれる…というのは、自分の存在価値を自ら認めることができるごく少数の人だけで、やっぱり他人と比較することでしか、自分の存在価値を得ることができない人が多くいる世の中なんだろうなと思いました。

    18
    投稿日: 2025.07.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    (⭐︎3.5) 雄介ェ... 何人かの視点で物語が進んでいくタイプの構成は、あまり私の好みではなく少々読み疲れしてしまったけれど、登場人物に対する印象が複数人物の視点を通して180度変わっていく様はおもしろかった。

    0
    投稿日: 2025.07.06
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    なんか海族とか聞いたことある…と思っていたら、伊坂幸太郎の作品で出てきたやつだった。同じプロジェクトらしい。 長かった。ぼんやりとした疲れだけ残った。 好みの問題。

    0
    投稿日: 2025.06.21
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    汚い大人たちの権力に徹底的に抗うことに命を注ぎますみたいなこと言い始めて、なんかドリンクバーぐらいすぐ命注ぐんすよ 私も「ドリンクバーぐらいすぐ命注ぐ」タイプ。ボランティア、資格取得、就職活動、目に見えやすいものに飛びついて、非効率なやり方で、命を注ぐ自分を楽しんで、人との違いを、生きる意味を見出している。「生きていていい理由」と、堀北は口にした。 何もなくたって生きてきていい。 それでも、誰かとの・何かとの摩擦がある人の方が生き生きと見えてしまうものだな。

    0
    投稿日: 2025.06.18
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     手段と目的がすり替わっている。自分で自分を騙しながら生きているうちに、自分でもそれが真実だと思い込んでしまう。  感情より理性を優先すべきだと主張しているのは、感情なのか理性なのか。

    0
    投稿日: 2025.06.18
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    絶対評価から相対評価に切り替わって ナンバーワンよりオンリーワンでいい そんな風潮だった世代には刺さりまくりだなぁと… 特に智也と雄介の関係性が、全く違うようで少し似通ってる部分があるんじゃないか、とか 生きがいがテーマだからこその重さがあった内容だった故に読んでいて苦しくもなった。 どうしようもなさとか 人間の闇深い部分を言葉で表されてるので 読了感はダークですが心に残る小説なのではと思う。

    8
    投稿日: 2025.06.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    朝井リョウさんが地獄を書くのがうまいのか、私たち読者が地獄を生きすぎているのか。。 ただでさえ、登場人物のそれぞれに感情移入して読んでると辛くなってくる展開も多いのに、それに加えてあまりに明瞭に"自滅"について語られたらどうしたらいいか分からんもう。せめて智也は起こしてくれ、と祈りながら最後のページを読むと希望が一筋差してんだからまったくもう。『正欲』読んだ時も感じたけど、朝井リョウさんは地獄も地獄な描き方をして全然大団円じゃないオチにするくせに一筋希望を残すのを忘れないのが、いい。助かる。そうじゃないと助からない。首の皮一枚過ぎる。そもそも弓削さんに至っては救い1ミリもないじゃないか。彼が何したって言うんだ。せめて人を貶める倫理を犯す悪人たれよ、それなら飲み込めたよ。なんだよ、智也の隠し事ひっくるめて受容して、晃子への嫉妬も偏見に変えず当たらず耐えて、石狩の蔑みにも利用されることにも怒鳴り返さず耐えて、分からないついていけないどうしたらいいか分からない、それでも"しなくては"と咄嗟に身体を突き動かしてるきて、それで、撮れず、利用されて、貶められて、自分の踏ん張っていたものすら自分で折ることになってしまって。なんなんだ。もう、やだなほんとに。 正直タイトル「それな〜」と思って手に取り、 脚光を浴びたがる生きがいには「それはちょっとねぇ」と品性ぶってみて、 生きがいを求める必要が無いという言葉に「違うのよな」と目を眇めた。 これは完全に自語りなんだけど、生きがいないし死にがいを求めるのは、甲斐がないとあまりに毎日が辛いからだ。智也のように打ち込めるものもないし、ヨシキみたいに人を慈しめないし、メグミみたいに自分のことを1ミリでも好きになれないし好きになるための行動すら起こせてない。 なのに平成は生きやすくなってしまった。 生きづらいという事が他者から見て甘えになってしまったし、相対評価が悪とされたせいで甘えかもしれないと自分で評価せざるを得なくなった。 仕事が辛い。対人関係が辛い。体が辛い。自分が嫌い。そして生きる楽しみ…生きがいも、「求める必要が無い」と言われる。 じゃあ、どうしたらいいんだよ。この辛さから少しでも目をそらすために生きがいを求めてんだよこっちは。少しでも毎日顔を上げて生きていたくて、辛いことでも乗り越えたらこれがあるって、私にはこれがあるからって思いたくて探してんだよ。 でもここで言われた結論は、"生きていくしかない"。どうしようもなく生まれ落ちてしまったこの世界でそれでも生きていくしかない。動けない世界で智也が叫んだみたいに、生きていくしかないんだよ。 どうしようもないな、ほんと。どうしようもないんだよな。読み終わってそう思った話だった。

    2
    投稿日: 2025.06.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    伊坂幸太郎が呼びかけた〈螺旋プロジェクト〉の一冊。 海族と山族の対立、共通のキャラクター、共通シーンやモチーフを出して、それぞれ違う時代を描く。 この作品は、【平成】という時代を描いた。 読んでいて何度も、これ、伊坂幸太郎の作品?と思ったのは、なぜだろう。 複数の登場人物の視点で語られる…のは、伊坂幸太郎に限ったことではないし。 作者が伊坂幸太郎に寄せた部分があるのかもしれない。 作中で何度も読者の立ち位置を確認するような書き方。 わかりやすいキャラクター設定のようでいて、複層的な作り。 でも、最後のどろどろと湧いてくるような毒は、確かに作者のものだと思った。 世の中から「対立」「競争」というものを無くしていったのが、【平成】という時代。 運動会、学校の成績など、目の前から越えるべき壁を消され、ナンバーワンではなくオンリーワンであれと求められた世代。 誰も評価をしないので、結果は自己責任。 誰も評価をしなくても、自分が自分を評価しなければならない苦しさ。 自分を信じられるものは幸いである。 しかし、そうでない者たちは、自分を何で評価すればいいのか。 そして、簡単にカリスマを作り出し、簡単にその座から引きずり下ろし、簡単に忘れる風潮。 忘れられたカリスマは、その後をどうやって生きていったらいいのか。 ナンバーワンでなくてはならない、ということと、ナンバーワンを目指したい、ということは全然違うのに、ナンバーワンを目指すことが競争を生み対立を生む、と単純化してしまう世の中に私は違和感をずっと持っている。 オンリーワンというのも、強制するものでもなければ、成長や変化を拒否するものではないと思うのだが「そのままでいい」と断定されることのなんて多いことか。 世間から認められたくてあがく雄介。 敵対相手を作り上げて一瞬の世間の注目を浴びた後、すぐに忘れられる。 その繰り返し。 幼馴染の智也は、雄介のその気質が暴力に向かないように心配し、対立は不要なのだと諭すが、その言葉は雄介には届かない。 この二人の小学生から20代前半までの付き合いが、その周囲の人たちによって語られるのが、その中で、転校生としてこの二人とかかわった前田一洋の存在がちょっと引っかかった。 彼が存在することで、二人のバランスが少し崩れるのだ。 不器用に二人で紡いでいる関係が、転勤族の子どもという妙に立ち回りの上手い彼の存在で揺らぐ。 そして最終的に、彼が自分の都合で雄介と智也を対峙させたときに、事態は大きく動くのだ。 なのに、そのことに作者も解説も何も触れていないのが気持ち悪い。 もしかして私は、何かの地雷を踏んだのか?

    1
    投稿日: 2025.06.12
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    平成という時代ならではの生きづらさをテーマにした作品。初めは章ごとに全然関係ない話のように見えて、徐々にいろんな繋がりが見えてくる構成は見事。全部読み終わってから初めの章を読み返すと、見え方が全然違ってこわいくらい。 競争や順位づけをやめ、ナンバーワンではなくオンリーワンであることの良さが押し出されるようになった平成。むしろそれは「自己責任社会」の始まりで、自分らしさや夢中になれるものが見つけられない人は自己否定に苦しむようになる。 自分も人生の大半を平成で過ごしてきて、好きなことで生きる人が社会的に目立つようになってきたり、生き方の多様さもどんどん増していったりする中で、「自分の好きなことを選んで、生きる道を自分で選んでいるんだからもし失敗したら自己責任だな」と不安に思うことが何度もあったから、この作品の中で「生きがい」を必死に探している登場人物たちの焦りもよくわかるなあと思った。

    17
    投稿日: 2025.06.08
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    1.読んだ理由/きっかけ 図書館で目についたので。螺旋プロジェクトの中の一冊ということも何も知らず。 2.あらすじ 南水智也と堀北雄介の2人の関係性を色々の人からの視点で捉え、最後に智也の視点からの物語が描かれる。なぜこの2人が仲が良いのか? 海族の智也と山族の雄介の歪な関係が描かれる。 生きがいに執着する雄介と、ありのままを受け入れている印象の智也。 競争する場を奪われつつある平成において、生きがいとはなんなのか。生きがいがなければ生きていけないのか。 3.感想 螺旋プロジェクトの壮大なテーマの1作とのことだけど、他の作品は読まなくてもいいかな。 生きがいについて説いている作品なのだけど、そんなことどうでも良くなるくらい堀北雄介のインパクトが強すぎて強すぎて。とんでもなく痛々しいしイライラするのにSNSをチェックしてしまう前田一洋の気持ちがとてもわかる。 ドリンクバーくらい命をそそぐというフレーズがピッタリで笑ってしまった。 堀北雄介の描写がうますぎて読み進めてしまった印象。礼奈とは結局どうなったのかな。 最後はなかなかの展開だったけど、智也については救いがありそうな終わり方でよかった。

    0
    投稿日: 2025.06.08
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    朝井リョウの文章には独特の表現が沢山あり、読書初心者からすると読んでいて想像しやすく有難い。物語としては心苦しくも面白かった。 平成、ゆとり世代真っ只中に生まれ育った自分からしたら、確かに人と競い合う機会は少なかったのかもしれない。これは時代の変化の一部だったのか、その変化の中で生きづらさを抱える人達がいたのかと実感。 ただ生きてきて思うのはいつの時代も『今の子は…』『これだから〇〇世代は…』と大人は一纏めにして扱いがち。表現しがち。その世代に当てはまりたくてはまったわけではないのに、時代のせいにされて、時代に合った対応をされる。昔からこれだからゆとり世代は、なんて言われることに不服だったが、今となってはこれだからZ世代は…なんて言う側になってしまってるからまあ言いたいだけ、時代の流れの一環もしくは文化の一部に過ぎないと思えば良いんだなと思った。その時代に合わせた生きづらさを追究するのも面白いかもしれない。 話はだいぶズレてしまったが、学生時代ってとにかく自分と向き合い自分の価値を見出すことに全力になると思う。それこそ自分探しの旅にでる人もその思考があるからではないか。雄介みたいな子なんてどこにだっている。ただ智也のような存在がいるパターンは珍しく、大事にすべき人を…と思い落胆しつつも、智也も智也で雄介を利用してたのかと思うと、海族山族云々あるがそういう運命だったのかと思った。雄介にとってお見舞いが生きがいとなったことはどう考えても、あの日のことを吹聴させないためなんだろうと思うが、何とか智也の復帰劇を期待したい。 社会貢献、自己実現、生きがいがない人。そうね。思えば、ありのままでいいも嬉しいけど、誰かの役に立っているって感じることは生きている価値を感じやすいよね。

    4
    投稿日: 2025.05.31
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    ナンバーワンよりオンリーワン、この言葉に対するアンチテーゼというか、昭和から平成、令和へという時代の流れの中での社会変化・思考変化を考えさせられる作品だった。 「平成という時代に、口先だけの優しいフレーズはたくさん生まれたが、何もない人生への焦燥、無価値に感じられる自分への恐怖は、そういうまやかしを一瞬で打ち砕く」

    2
    投稿日: 2025.05.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    朝井リョウさんの著書はほんとに考えさせられる。自分の悩みにピッタリだ。 最後の雄介が全く聞き覚えのない曲を聞かせてあげていることが判明するシーンはゾッとした。

    3
    投稿日: 2025.05.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「生きがい」じゃなくて「死にがい」!? 面白そうなので手に取ったのがキッカケ 「平成」×「死にがい」 読み進めれば読み進めるほど 南水×堀北の関係性、 なんで?なんで?が出てきたら 各章で紐解かれてて ページ数は500頁前後あるがスラスラ〜と読めた 終わり方も素晴らしい。 螺旋プロジェクトの 他の本も読んでみたいと思った。

    1
    投稿日: 2025.05.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    堀北雄介と南水智也の話彼ら以外の視点から描かれる。 最初は智也が植物状態になり、救えなかった堀北が病院に毎日面会に来るところから。視点は看護師。看護師の弟が友達の転校により不登校になりかけていた。堀北に会って、生きがいを得る。今日が何かが変わる前日だと思おう。 次は小学生。北海道の小学校に転校族の友達が来る。堀北はリーダー格で智也に傍若無人に振る舞う。智也の持ってる薄い本や堀北の父親のリスク統括部の名刺。 次は中学。ランキングの張り出しがなくなる。堀北も智也も成績が良い。堀北はサッカー部、智也は水泳部。智也は同じ水泳部で目が青い亜矢奈と付き合う。 北海道大学に入る。学生運動をやる。ジンギスカンパーティを復活させようとする。堀北は署名を集めまくるしテレビにも出るが、先生とすり合わせて条件付けで復活させた他団体に奪われて生き甲斐をなくす。自衛隊に行く!といいつつ、寮の自治問題を生き甲斐とする。 そして堀北は北海道を出て、海山問題に傾倒していき、島に渡れると言う詐欺師のもとに行く。そこに智也がやってきて、智也の親父が海山問題の筆頭研究者でイカれており、遺伝子を研究して否定したいと言う。それに反論し、海族が!と押して倒れる智也が植物人間になる。 智也は植物人間でありつつも聴覚だけは生きている。堀北は親友を看病する役回りを得て、それに亜矢奈が怒って対立するのが聞こえる。海と山で対立してしまう。起きなければ…

    0
    投稿日: 2025.05.10
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    対立と競争が少しずつ排除されてきている日本。一つ部活動が10年前のそれとは様変わりしているのも、その裏付けとなる。 非常に痛いとこばかりをつつかれる。ちくちくぐすぐす、朝井リョウは苦手です。こんなに人間のイタイ所を丸裸にしてしまう。厨二病、共感性羞恥、妄想、自分が特別でありたいという思いは誰にでもあった、あるいはある思いだ。僕もそうだ。けど何も出来ないまま、偏頭痛で思い頭を抱えながらこれを書いている。 去年からしっかりと読み終わった本に感想を連ね続けている。人に本を押し付けるように推める。読了報告をする。これも、きっと。

    3
    投稿日: 2025.05.03
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    ありのままでいいと言われても 現代の社会はそうさせてくれない 勝手に勝負を仕込まれ、そうでないと評価されない 生き残れない それが生きがいになっているのも悔しいけど これ以外に生きがいがない 恥ずかしいことに 浅井リョウの作品は、 自分の心情全てが透かされている気持ちになります

    1
    投稿日: 2025.04.30
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    バラバラだった輪郭が、段々と重なりそうになって でもやっぱりそれらは交わらなくて また離れていく グッと胸に残る作品でした。

    0
    投稿日: 2025.04.27
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    誰もが「知ってるぞこの気持ち」っていうのを言葉にしてくれるのがやっぱり上手い。 ナンバーワンよりオンリーワン、比較しあうことがなくなった平成という時代の代償に自分で自分をジャッジする物差しを持たなければならなくなった。 なんて鋭い切り取り方なのだろうと思うとともに、あの時なんなのか分からなかったモヤモヤたちに名前をつけてもらえたような気がして。 作者と同世代で多感な時期を平成という時代で過ごした私たちを否定も肯定もしないスタイルに、相変わらず"ありがとう"と思った。

    1
    投稿日: 2025.04.19
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    対立を題材に作家数名が描く螺旋プロジェクトの1作。 …とは知らず、完全にタイトルに惹かれて読んだのですが、さすが朝井リョウ。 もちろん面白いのですが、完全に自分の生活との折り合いがつかず冗長に感じてしまった1冊で星3。 心温まる友情かと思いきや雲行きが怪しくなり、 冷静で達観した人かと思えばその人も雲行きが怪しくなり…わかる。特別な自分でいないと価値がないと感じてしまう感じ、わかる。 昔ちょっと意地悪されたのを、「いじめられた経験を持つ儚い自分」みたいにしたいとき、ある。 そしてそんなこと考えなくても行きてるだけで素晴らしいんだから、と言い聞かせてる感じ。 苦しかったーーーー

    0
    投稿日: 2025.04.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    "何者かにならなければいけない" 誰かに言われたわけでもないのにどうして私たちはそう思ってしまうのか。何者かでなければ生きてる意味がない、誰にも相手にしてもらえない。 世の中のために、誰かのために、何か常に行動をしていないと認めてもらえない。 そんなことしなくても生きていけるのに、それに気付けないで探し続ける。 そんな悲しい人生を歩んでいる雄介を見て可哀想だと思った。そしてこういう人が誰かのために動き優しさに傾くか、誰かを傷つけるような犯罪に手を染めるか紙一重なのだと思った。 「死ぬまでの時間を、生きてていい時間にしたい。」 共感しながらも、悲しさもあり虚しさも感じる言葉だった。

    0
    投稿日: 2025.04.13
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    内容確認せずタイトルで買って、開いてからこの作品が伊坂幸太郎さん起案の「螺旋」シリーズだと気付いた。 螺旋シリーズは複数の作家が「海族と山族の対立」をテーマに古代から未来まで様々な時代を書くというもの。 朝井リョウさんは平成を担当している。 螺旋シリーズじゃなかったら、海族と山族の話じゃなかったら良かったのにと思う。 私は同じものを読むのが苦手で、以前に海族と山族を読んでいるから同じ部分が邪魔だった。 ただの堀北雄介と南水智也であれば良かった。本質に何の支障もない。 ナンバーワンからオンリーワンの時代になって、相対評価から絶対評価になって、昭和社会の生きにくさと違う生きにくさが生まれた時代。現代もこの作品と同じ生きにくさがあると思う。生きがいや自分の生きる意味や価値がないとダメで、発信し、意見を言わないといけない時代。 内容は良かった。 私は生きにくさを読書でカバーしてきた。本を読んでいる時は他のことを考えなくて済む。色々なことを考えたくないから本を読む。

    1
    投稿日: 2025.04.13
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    生きる意味を、生きがいを、外に求めずにはいられない。そういう世界なんだから、さっさと諦めて神輿を担ぐしかない。

    0
    投稿日: 2025.04.06
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    死にがい。私的に生きる意味を生きがい死にがいどちらで考えた方がイメージしやすいか、頑張れるかというと、死にがい。 死がまだ遠いと思っている私だからこそなのか、誰しもいつまでもそうなのか。。終わりがあると分かっていた方が頑張れる、とかかな。 堀北父の仕事が思い描いていた華やかな仕事とは違うと知った時の気まずさとか、読んでいて「うわあ…」と声が出そうだったなー。 私も事務仕事で、リスクを統括!とかかっちょいい響きのある仕事じゃないし、自らが稼ぎになるような仕事じゃないので、なんか気持ちが分かって印象にのこった。子どもたちよ、地味だけどね、ほんとはすごく意味のある仕事なんだよーー。当たり前を作る仕事だから褒められることなんてそうそうなくて、何か問題が起きた時だけヘコヘコする。かっこわるいよねー、でもそれにやりがい見つけて(死にがいとまでは言えない)どうにか頑張ってるのよ。 結構なボリュームがあり、私は途中で登場人物の気持ちや状況が追いきれなくなった…。他の読者さんのようにいい感情を授受したかったのに、己の理解度の低さがくやしい。。 でもすべてを理解し、すべてを授受する必要なんてないんだよね。今の私がこの本から読み取れたのはここまで。 いつかまたこの本と出会えた時、また違った感想を抱いているかもしれない。そしたら、この感想を見て成長を感じられるかな〜

    6
    投稿日: 2025.04.01
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    忘れられない物語だし、忘れたくない物語だった。 物語の中心的な人物である雄介は、選択肢が多すぎる現代ならではの病気(という表現が適切かはわからないけれど)のように思えた。 あくまでSNSとかから見える切り取られた範囲での推測だけど、雄介は物語だからキャラクターとして・典型として誇張されているだけで、多くの人は身に覚えのある焦燥感を持っていると思う。 私が雄介に対して抱いた嫌悪感や嘲りのような感覚は、一種の共感性羞恥というか、自分にも多少なりともある似た部分を客観視させられるからなんじゃないだろうか。正直言って認めたくないけれど。 でも人と対立するより、人を対立させようとする大きな流れに対立していたいという思いは、綺麗事だとしても共感する。

    1
    投稿日: 2025.04.01
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    すごいものを読んだ。そう思った。 どの話にも出てくる堀北雄介。 一話目に登場する彼に対する印象は最終話を迎える頃には180°違うものになっているだろう。 心に刺さってくる言葉が多すぎて きりがなかったが 雄介が言った「俺は、死ぬまでの時間に役割が欲しいだけなんだよ。死ぬまでの時間を、生きていていい時間にしたいだけなんだ。」という言葉には やり場の無い漠然とした不安を抱えていた頃の自分が思い出された。 雄介のキャラクターは強烈で嫌悪感を抱いたけれど強い共感もあった。ただそれは自分の隠したい部分であって雄介のようにわかりやすく行動に移さないだけだ。そのわかりやすい行動こそ嫌悪の対象になるのかもしれない。 最後 あれから智也は目覚めることができたのだろうか? そして雄介はどんな行動をとったのだろうか? 知りたい… 。 違うまま、脱落できない世界の中で対立と対話を繰り返し いつか〝違い〟こそが、実は大きな繋がりをもたらすのだという実感が持てる時が来るのだろうか?

    6
    投稿日: 2025.03.25
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    螺旋プロジェクトで平成という舞台で若者の対立を他の人の目線から丁寧に書かれていた。 個人的に読んでて辛くなった。私は雄介と同じ人種だと思うから。解説や本人インタビューで平成だから起きた悩みということに共感した。 戦う必要もない、役割もない、自分のために生きたらいい時代になったり自由になった分、自分で物事を比べたり判断しないといけなくなった。 周りと比べてる自分がおかしいのかと思ってた時期もあった。この本や解説、作者インタビューはそういった人の気持ちに寄り添ってくれるものだと思う。

    11
    投稿日: 2025.03.06
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    1年が終わるとき、毎年「今年も何もやらずに終わるわ〜」って言いがちだったし、何者かにならないと。っていう焦燥感が常にあって、ボランティア探してみたり色々したけど、必ずなにかする必要なんてないし、何者にかにならなくてもいいのかなと少し思た。 朝井リョウってとんでもない

    1
    投稿日: 2025.03.05
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    智也の、AとBで別れた時にどっちかというとAかな、と中間から右に1ミリずれていても絶対にAと何メートルもずれていてもそれは二分にされると同じA。それはBも同じ。 本当はグラデーションがあるのに二分にされることでグラデーションがなくなるというの、印象的 後半は全部が大事な気がした 智也は温厚だけど、父親からの反発精神で院に行き遺伝子学を学ぶ「生きがい」がある 山族だかは対立するという父の言葉を否定したくて雄介のそばにいる「生きがい」がある 雄介は「生きがい」を模索して何者かになりたくてもがいている 人はみんな何かへの対峙で生きる意味を見出してる 順位をつけるナンバーワンよりもオンリーワンの風潮になり、誰とも対立しなくていいとはいうけど 自分の物差しだけで自分自身を確認できるほど人は強くない、そもそも物差しだってそれ自体だけでこの世に存在することはできない。 ナンバーワンよりオンリーワンは素晴らしいけど、それはつまりこれまで誰かが行ってくれた順位付けを自分自身で行うということでもある。 本当に立ち向かうべきものがあるとして、それは目の前の誰かではなく、向かい合う二人の背後に広がる歴史の方なんだよ。 この辺りの文章、全てが大切だ。 大切だけど、多分難しい。 あやなは智也と一緒に歩んできてたはずだけど、最後はやはり雄介に対して敵意を持っている。 対立は必要だけど、大切なのは対立する気持ちが相手を傷つけたいという気持ちにならないようにすることって言ってたのに。 私は福岡に来てから、何者かにならなきゃ、繋がりを作らなきゃともがいてた、うまくいかなくて投げ出したけどそれでよかったと思う 今の生きがいがなにかと聞かれたらわからない、なんだろう 本や映画、花に明るくなりたい、それが趣味だからそれを囲って生活するのが生きがいかもだけど それも、同じ趣味の人より詳しくなりたいとか無駄な気持ちがあるな 誰もが人生を意味のあるものにしたくて、生きがいでもあり死にがいを求めてるんじゃないかな

    3
    投稿日: 2025.02.26
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    うーん、よかった。何か自分にも思い当たる節があるような話だった気がする。そして雄介が、何となく元カレに重なった。幼い。って確かに何か大人の世界で見ると浮いてるのは、幼さなのかな?

    0
    投稿日: 2025.02.24
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    どうしたって生きてるだけでは許されないという意識を育ててしまった平成世代。何かを成し遂げるために対立構造に飛び込む人。何も成し遂げなくたって、人と人は必ず「何か」が違う。だからこそ人と関わり、摩擦しながらも共に生きていく過程を経験するだけでいいじゃないかという生き方の提案だった。智也は雄介が自分を失っていく姿を見て明確に伝えたい言葉を手に入れる。それが生きがいになっているというまた皮肉な連鎖でもあるが…。物語の終わりは光を感じる描き方だったけど、あの2人の対立はこれからも螺旋し続けていってしまうのだろうか。筆者による後書きによってどんな思いでこの物語を書いたのかがより深くなった。

    4
    投稿日: 2025.02.24
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    朝井リョウさん読むの5作目。 この人本当にすごい。 いつも心の奥底にある薄く固まった黒い部分をスプーンでこそいで来る。

    1
    投稿日: 2025.02.24
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    ナンバーワンよりオンリーワンは素晴らしい考え方だけれど、それはつまり、これまでは見知らぬ誰かが行ってくれた順位付けを、自分自身で行うということでもある。 オンリーワンって人と比べることを否定する考え方と思ってたけど、衝撃受けた。

    1
    投稿日: 2025.02.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

     自分が何のために生きているのか、こじつけでもいい、社会の命題へ立ち向かう事によりその場しのぎの生きがいを手にしたい…何者かにならないと生きている意味が見出せない…そんな登場人物の考えにはあまり共感できませんでした。  ただ、”何のために生きているのか?”、そう問われた時に、何も答えられない自分もいます。そもそも、他者に誇れるような何かがないといけないのか?なぜ?自分の生き方について考える機会になりました。

    0
    投稿日: 2025.02.13
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    友人から借りて読みかけのまま2年ほど放置していたので返却前にもう一度最初から読み直し、読了した。海山伝説とか鬼仙島とかどこかで聞いたことがあるなと思ったら、薬丸岳の「蒼色の大地」にも出てきたワードだった。当作はそういえば伊坂幸太郎を中心とした8人の気鋭の作家による螺旋というプロジェクトの一作だったと、ようやく思い出した。 生きがいを求めて、というより自分の存在価値を求めてもがく人々の葛藤は切実でなかなか読み応えがあった。それだけに当作はそこにテーマを絞ってほしかったのが正直な思いだ。海族と山族の対立というプロジェクトのテーマに引っ張られてストーリーの焦点がぼやけており勿体無い。

    1
    投稿日: 2025.02.11
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    何かを成し遂げるって、むりやり何かに立ち向かわなくたって、やりたいことをやり通すことでも成り立つはずだ、という言葉にハッとさせられた 人や物じゃなく自分の中でなにかをやり通すことも、自分だけの価値になりうるはず 冒頭の自動的に日々が過ぎていく感覚にすごく共感する 何もしなくても続くこの日々に、「今日が何かが変わる前日」と信じる力があれば何かが絶対に変わると思いたかった 絶対という言葉を息をするように当たり前に思いたかった 「自分は生きる意味がある人間で、この人生には価値があるって思いたいだけ」p.300 自分にはなにもないと気づいてしまった時、「価値がない」人生を価値あるものにしなければと思う 誰もが雄介で一洋で弓削だから、朝井リョウの書く物語が好きなのだ この螺旋プロジェクトの海族・山族の設定ふつうにおもしろいし智也のお父さんが書いた本読みたい

    2
    投稿日: 2025.02.09
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    この本のテーマは生きがいと、対立にある 生きがいは、人生の根幹を成すものであり何とするかは人それぞれで、ギターとか料理とか無難なものにするのが1番いいんじゃないかなって主人公たちをみて感じた 対立は、違いがあるからこそ歩み寄れる社会になったら素敵だし、一生向き合っていかなくちゃいけない課題だと思う

    0
    投稿日: 2025.02.08
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    細やかな表現、時系列的に堀北と南水の関係を子供時代から描きながら、多様な職種・バックボーンの人々を織り交ぜて、結末まで物語を加速させていく、その形が長編529Pにも渡って纏められているのは、朝井リョウさんの滅茶苦茶な才能を感じる。内容としても、ダークで重く、深く、自身と照らし合わせた時に共感する部分が多くて、若者の「どんより」とした希死念慮,未来への不安みたいな部分を超繊細に描き切っており、感服するしかない。現代小説の良さが強く自身に充てられて、それがほんの少しだけ勇気に変わってくれる、いい本。

    0
    投稿日: 2025.02.05