乙女ゲーム世界+悪役令嬢+異世界転生というよくある作品だが、主人公は悪役令嬢ポジだが転生者ではなく、主人公の母親が転生者。悪役令嬢である主人公のために乙女ゲームの情報を記した手記を残して亡くなり、主人公はそれを元に学園生活を…というあらすじ。 「悪役令嬢の母親が転生者」「親が残した攻略本」という設定がイマイチ活用されていないのが残念。ぶっちゃけ攻略本云々の設定がなくても普通に物語が成立する。あと、序盤の学校行事の展開がかなりの勇み足であり、それでいて冗長で緩急が無く、正直あまり良い印象がなかった。 しかしその後は安定したクオリティのラブコメとなり、とても楽しく読めるように。特にコメディ描写はボケツッコミのメリハリが利いていてとても面白い。 キャラクター及びそのデザインも良好・個性的で、何より画力が極めて高いのが良い。特に主人公は恐ろしく綺麗に描かれており、ヒロインも可愛らしい。できればもう少し貴族である事を意識した所作や台詞回りにしてほしかったが、まぁ許容範囲内。 何よりキャラクターの魅力が素晴らしい。ちょっと抜けているが心優しく苛烈な一面もある主人公、アッパラパーの頭くるくるぱーなヒロイン、メリンダも主人公の親友ポジションとして美味しいキャラ。特に主人公とヒロインのやり取りは尊いの一言である。 個人的にはキャラクターの個性・画力・コメディ描写の三点がとても気に入った。綺麗な絵とラブコメが好きならオススメの作品かと。