Webサイト「コロナEX」で連載中のはな(漫画)、風間レイ(原作)、藤小豆(キャラクター原案)による「転生令嬢は精霊に愛されて最強です……だけど普通に恋したい!」の第1巻。同人誌作りに没頭しすぎて命を落としたアラサーOLが辺境伯令嬢ディアドラとして転生し、今度こそは平穏に過ごそうとしたけど精霊の育成が楽しくてついつい夢中に…。チート能力がWikipediaってのが凄い。作風なのか、原作なのか色々と全体的にごちゃっとした印象。今後整理されていくと面白さがダイレクトに伝わるようになりそう。

基本的に明るいのと本来だったら暗い結末が…みたいなのがないのでスゥっと読めます。漫画的にも明るいトーンで大変かわいいです。主人公もかわいいですが、次男が絵にもキャラにもかわいく、甘やかしたくなります。チートスキルみたいなのは空気みたいなもんでたいして気になりません。話をテンポよく進ませる、読者を置いてきぼりにしない配慮的な感じでした。

「主人公が日本人の転生者」という設定自体は、この手の作品ではありふれた設定なので、特に問題ではない。 ただ、一切の描写もないのにチートスキル(笑)を入手しており、しかもそれがWikipediaのような電子辞書的な効果というのがあまりに雑・ご都合主義すぎる。転生時に神的な存在に授けられた等の理由付けは全くない。主人公以外がスキルを使用している、スキルが浸透した世界観という描写も皆無。完全に原作者が主人公のために無理矢理作り出したご都合要素であり、いくらなんでもあんまりである。もう少しまともな設定くらい考えてほしい。 というか、それ以外についても全体的に雑。 ページはとっ散らかっていて読みにくく、主題である精霊も殆どが白い毛玉のように描かれているのでゴチャゴチャした絵と相まって見にくく、そもそもストーリー自体がまとめ下手でとっ散らかっている。 「成長が早く寿命が短い」という設定も、分かりづらいだけで上手く機能しているとは言い難い。というか他に登場している子供達は、成長が早いという設定の通り5歳程度でも幼児扱いされてないのに、何故か主人公は現代世界の感覚で幼女扱いされている。意味が分からない。そのキャラクターも描き分けに乏しく、誰が誰やら分からない事が多々ある。 とにかく何もかもが「まとめ下手」で「雑」、面白いという点をびっくりするほど見出だせなかった。これにお金を使うくらいなら、そのお金で喫茶店にでも行ってコーヒー飲んだ方がまだ有意義な時間の使い道になる。