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つづきの図書館
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柏葉幸子、山本容子/講談社
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総合評価

117件)
4.2
39
45
19
1
0
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    ファンタジーでありながら主人公は中年の現実を生きる女性というところが良い組み合わせだと思いました。伏線もあり人間ドラマもあり大人が読んでも楽しいと思います。

    0
    投稿日: 2024.10.27
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    大好きな一冊。児童書だけど、人生あまりうまくいっていない大人女子が主人公。笑えて、少しせつないお話。

    0
    投稿日: 2024.10.19
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    〈再登録〉杏おばさんの看病のために故郷に戻って来た司書の桃さん。児童向け作品の主人公が妙齢の独身女性というのは、あまりない設定だと思います。絵本の登場人物達が、本を借りていった子供達の「続き」が知りたいというのも面白かった。 ほのぼのした作品かと思いきや、なぜ登場人物達が絵本から出られるようになったのかだけではなく、杏おばさんの過去や桃さん自身のルーツも明らかになるラストに驚きました。かつて子供だった大人に読んでもらいたい作品です。

    0
    投稿日: 2024.05.26
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    「本をさがしてもらいたいのではない。青田早苗ちゃんのつづきが知りたい」こんな無茶ぶりをぶっ込んでこられて司書さんはどうするのか!? 本の設定だけで、読みたい!!!が爆発。 児童図書のコーナーにあったけれど、大人の私が食いついた一冊。 今ある状況が大変な中も楽しめている部分や、少しずつ変化している部分に気づくことってなかなか難しいけれど、そういうところに気づけるって、生きた日常だったり人生を生きる感覚に繋がるように感じる。 よーし、今日過ごす一日の中で私も、忙しくて大変な中で小さなひとつだけでも楽しめる部分はどんなことか見つける視点で過ごしてみよう!

    28
    投稿日: 2024.05.01
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    大人向けかな?うん、大人の方が響くものがあるんじゃないかな。自分のことを気にしてくれている誰かが、昔読んだ本の中の誰かが、いるのかなって思ったり。会ってみたいな。

    0
    投稿日: 2024.01.30
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    何かで薦められていたのを見て、ストーリーが気になって図書館で借りました。 私もすごくグッときた本は、本の中の登場人物の続きを空想してしまうんだけど、これはその逆で、絵本の登場人物たちが、読み手の続きが気になって絵本から出てきてしまうというもの。 ジャンルでいうと児童文学なのかな??と思いながら読んだんだけど、想像より大人っぽくて、すごく素敵な話だった! 最後、いろいろ繋がって、手紙の謎もわかって、温かい気持ちでウルウルした。

    2
    投稿日: 2023.10.25
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    いい本だった。 絵本の主人公達が自分を読んでくれたその人のその後が知りたいと現れる。 図書館で働き始めた桃さんがあたふたしながら、その人達を探し始める。引っ込み思案だった桃さんもいつの間にかお母さん目線。 杏おばさんもまた素直になれない。でもずっと桃さん一家を気にかけてた。 最後は悲しい別れがあるけど、ハッピーエンドで主人公達も杏おばさんも安心したと思う。 何とも可愛い世界だった。

    11
    投稿日: 2023.10.07
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    以前から気になっていた本です。 私もたくさんの本と出会ってきました。 子供の頃から本は大好きで、 何度も読み返して大切にしていた本も、年齢を重ねたり、引っ越ししたりで無くしてしまった本もあります。 そんな大好きだった本のキャラクターが、私がどうしているか心配して会いに来てくれるなんて 夢のような素敵なお話です。 わくわくしながらも 最後、寂しさや、温かさで涙が出てしまいました。 また大好きな本が一冊増えました。

    21
    投稿日: 2023.09.27
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    山本容子さんの 絵に惹かれて手に取ったけど とてもいいお話だった 最後の締め つながって...つながって... そう来たか! というのが面白かった

    0
    投稿日: 2022.07.23
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    レファレンスのお話と思って読み始めたら、さすがは柏葉幸子さんファンタジー。 予想と違っていて、物語に引き込まれました。 柏葉さんは日常から始まる異世界を描くことが多くて、大好きです。

    0
    投稿日: 2022.05.07
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    柏葉幸子さんの作品を読んで、いつも思うのは、ファンタジーと、現代社会での不器用に生きる人たちとのバランスが、本当に絶妙だということです。 それから、飴と鞭のさじ加減の良さといいますか、この加減のイマイチな方は正直、私苦手なのですが、柏葉さんの作品はそれがやさしく感じられて、物語の雰囲気にも良い影響を与えています。 また、肝心のファンタジーの設定も面白くて、あらすじを読んで何のことやらと思う方もいらっしゃると思いますが、「霧のむこうのふしぎな町」を好きな方なら、おそらく問題なく楽しめると思います。 ちょうど、人間関係も似通ったものがあり、「霧の~」の、リナとピコットばあさんに対して、今作は、「桃さん」と「杏(あんず)おばさん」です。 ただ、リナは小学生でしたが、桃さんは40代の人見知りで離婚歴が一度あり、現在は一人暮らしで、田舎の小さな図書館の司書として、新たな一歩を踏み出そうとするところ。 児童書にしては、主人公の渋さが気になるかもしれませんが、教えてくれるのは、「霧の~」とよく似ていると思います。 不器用だけど一生懸命に生きてきた。しかし、自信が持てない。そんな桃さんが、誰かの役に立てることを知ることから始まって、誰かを好きになり、そうすると毎日が楽しくなるという、当たり前のようでいて、人生でこう思えることって、実はなかなか少ないのではないでしょうか。 そういった大切なことを、色々な方(方というか…ネタバレで書けないのがもどかしい)から教わっていく中で、実は桃さんと、憎まれ口ばかりの杏おばさんにも共通点があったことには、これまでの不器用な生き方も肯定してくれるような感動を覚え、愛や喜びをいただくことに、なんと励まされることかと、素直になれる自分がいました。 また、序盤から散りばめられた手紙の謎も感動的だし、桃さんを楽しませながら(世話を焼かせるとも言うが)、心配してくれる仲間たちもすてきで、お子さんというよりは、むしろ桃さんと同年代の大人の方が読まれたほうが、きっと胸にくるものがあると思います。 かく言う私も同じ思いで涙したので、この評価です。

    21
    投稿日: 2022.01.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2012.5.16に一度読んだらしい。 再度、2021年に手に取る。 図書館にいる本が 「その人間がその後どうなったか知りたいこともあるんじゃ。」 と、いう。そんな観点!斬新やー。 桃さんも本を愛してきた人だから、本の気持ちに答えたが、私の好きな司書さんだったら…と想像したら、きっと一冊一冊丁寧に「あの子はね〜」って語ってくれそう。 「一人の人間に一生愛されて、その人間のそばにおいてもらえる本もあるじゃろ。そんな本は幸せじゃ。」 ここには、本を愛する人間も、人間を愛する本もいてなんともいえぬ甘美な世界を感じる。 いままで一方的だと思ってたけど、借りた本たちに私の愛が伝わってたらいいのにな、と思った。きっと9年前に読んだときより愛は大きくなってると思う(笑)

    1
    投稿日: 2021.10.16
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    子供の頃、何であんなに大人びた本ばかり読んでたんだろう。あの頃にもっと良質な児童書を読んでおけば良かったな。この本もそんな本。でも、まさか依頼主が中のひとだったなんて。

    8
    投稿日: 2021.10.01
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    本の中の登場人物が、読んでくれた人のつづきが気になると言って、抜け出てきちゃうお話。主人公は40代の司書桃さん。 この本の表紙が赤いのも、意味があってのことなんですよね。 桃さんが四方山市に戻ってきたのも、赤い本を手にすることになったのも、杏おばさんとの会話ひとつひとつも、細かなことすべてに意味があって、読後の感動につながりました。 話の中に出てくる、『はだかの王様』『オオカミと七匹のこやぎ』『狼王ロボ』『うりこひめ』など、読み返したくなりました。 高学年向けの児童書だと思いますが、大人になって読んだほうがグッとくると思います。 いや、高学年で読んで、また大人になってから再読すればいいのかな⭐

    1
    投稿日: 2021.09.18
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    設定はあまり好きでなかったけど、そのファンタジー的設定が母親になる、なれない、のテーマと一緒になるのは、面白いと思った。

    0
    投稿日: 2021.05.27
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    この真っ赤な表紙と装丁にも意味があるの。 読み終えてから気づいて、ぐっときたなあ。 わたしたちは「本の続き」が気になるけれど 本の中の登場人物も、「本を読んでいる人の人生の続き」が知りたくなって、本の中から飛び出してきてしまう…というところから、はじまるストーリー。 物語の冒頭で、 本の中からはだかの王さまが飛び出してくるあたり、 楽しい児童書だ!と思っていたのに、 まさかのまさか、いろんな家族と、主人公の桃さんの成長と感動のストーリーでした。 設定はとても面白かったけれど 主人公が40代の女の人だったり、 家族のあり方、お話がちょっと大人向けかな、とおもうので高学年〜だなあ。

    4
    投稿日: 2021.03.14
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    この本が児童コーナーでいいのか?児童コーナーだけではなく、大人向けにも置かれるといいのでは?という…帰命寺横丁もすごかったけど、深みがすごい、別れとか死とか親子関係にがっぷり4つに組んだ本

    0
    投稿日: 2020.12.20
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    本を読んでくれた子のつづきが知りたい!と絵本から出てきてしまったはだかの王様、オオカミのロボ、あまのじゃく、そして魔女と幽霊。 不思議な出来事に巻き込まれながら進んでいく桃さんのお話。こんなお仕事、あったら大変だけど楽しそう。 終わり方も意外だったけどなるほど〜と思った。

    1
    投稿日: 2020.11.26
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    主人公は司書さん。裸の王様、瓜子姫の天邪鬼…絵本を読んでくれた子供たちの続きが気になる登場人物たちが出てきてしまい…、 今まで私が読んだ絵本の登場人物も気にしてくれたら嬉しい。 悲しいとき、寂しいときに本当に出てきてくれたらいいのに。

    23
    投稿日: 2020.08.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    童話と親子の話し。 王様が好き。 「桃さん、ひたいのしわ!」って注意してくれる人、私にもいたらなぁ。 あと、これ、名言。 「桃さん、まずおちつけ。若い娘さんでもあるまいし。いままで生きてきたうちに、不思議なことの二つやみっつ、おどろいたことの四つや五つ、なかったとはいわせん。」

    0
    投稿日: 2020.08.15
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    この味のある絵は、山本容子さんだったのか。 この物語の世界観を絶妙に描いている。 わけあって田舎の図書館の司書となった桃さん。 物語から抜け出してきた裸の王様をはじめ、あの物語のキャラクターたちが次々と桃さんの前に現れる。 本が好きな人なら、一度は夢見る世界。 私も桃さんの気持ちになって癒された。 小学校高学年、中学生むけのようだが、癒しを求めるおばさんにもぴったり。

    19
    投稿日: 2020.07.27
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    YAもののブックガイドから、かな。絵本の登場キャラたちが、逆に読み手のことが気になって、表に出てきてしまうっていう物語。物語の続きが気になるとか、絵本の世界に入ってしまうとかはよくありそうだけど、本作の設定はそういう意味で斬新。変に難解なオチのつけ方とかもなくて、安心して読み進められる。それが逆に、ちょっと物足りなくも思えてしまう訳だけど。

    0
    投稿日: 2020.02.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    桃さんのキャラが独特。 これといった特技もなく地味で友達のいない40代のバツイチ女性が主人公の児童書なんてそうそうないと思う。 親を亡くして独り身、家族の縁のない桃さんが、王様達の持ち込んできた問題を追いかけるうちに改めて家族の絆を取り戻していくようなストーリー。 形は様々でも思い合っていない家族はいない。そう思えた。 最後がまたとてもいい。たった一人の大切な人ってそういうことかと。温かい気持ちになった。

    2
    投稿日: 2018.01.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【図書館】初作家さんですが、タイトルで、ずっと読みたいと思っていた本です。本を読んでいると物語の続きが気になることはよくありますが、物語が読んだ人の続きを知りたいと思うという発想が凄い!夢中で読みました!私が今まで読んできた本たちは、私の続きを知りたいと思ってくれてたら楽しいのにな、と思いました。読了後の感覚がすごくいい!

    0
    投稿日: 2017.02.08
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    主人公は40代のおばさん司書。読んでくれた人のつづきが気になると、絵本のなかからでてきてしまった人たちに振り回され、つづき探しを手伝っていく。 はだかの王様、狼、あまのじゃく、幽霊…つづきを知りたくてでてくるけど、つづきは知ってしまったら終わりがくる。私たちに本のつづきが気になることがあるように、本の方も私たちのつづきが気になることがあるみたい。そんな本。

    0
    投稿日: 2017.01.28
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    はだかの王様に、オオカミ、あまのじゃく、幽霊。彼らは、絵本を読んでくれた人の「続き」が知りたくて、絵本の中から飛び出してきます。王様たちの会話がかわいいです。

    0
    投稿日: 2016.12.18
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    むしろ大人向けなのではないかと思うほど、寂しくて幸福なものがたり。 昔読んでも魅了されなかったろうし、今になって手に取って、良かった。 本って本当に巡り合わせだな。

    1
    投稿日: 2016.12.17
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    連作短編4編. 裸の王様,オオカミと7人の子ヤギの狼,瓜子姫の天邪鬼,「ふたりはなかよし」の幽霊達が,読んでくれた人の続きを探す物語.そしてその続きを探す手伝いをしながら、にわか司書の桃子も失っていたもの見つける,とても良かった.

    0
    投稿日: 2016.11.30
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    親権争いから家出まで、思ってたより濃い背景事情。あと、司書資格欲しい。 読み終わった本に入っていたのに、読んだ記憶がなかったので、再読。

    0
    投稿日: 2016.08.12
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     本の中の人物が読者のつづきを知りたいと言って本から飛び出してきて…というお話。柏葉さんがあとがきで仰っているように、昔自分が読んだ本の登場人物に今も気にかけてもらえるというのは嬉しいことだと思う。そんなつづきを知りたがるはだかの王様たちの温かい心と思いやりに癒され、桃さんと同じく元気をもらった。それだけにラストは寂しかったし、最後の最後の王様たちからのプレゼントには本当に泣かされる。王様たちはこれからの桃さんのつづきも、お話の中で気にかけてくれるのではないかと思う。良書。

    0
    投稿日: 2015.11.29
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    図書館の本の登場人物が、 読み手を探す・・・つづきってそっちね。 この設定は面白かった。 大人が読むと桃さん目線で、 大人のお話に。 子どもが読むと、 探してもらう立場になるんだろうなぁ。 読み手によって、 物語の雰囲気が変わるのも面白い。 それぞれのお話の繋ぎ方もよかった。

    0
    投稿日: 2015.09.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    児童文学というより大人の女性向けメルヘン。 まあ、よくできてるかな。オチがついたというか。 手紙の相手は察しがつくし、4歳の時別れても10年後の息子がわからないということはないし、母親は離婚の際、親権をとりやすく、ましてやこの主人公は虐待したり浮気したりしそうにないのに、なぜ養育できなかったか、エピソードも生さぬ仲の親子の話が二つ入っている、など細かいこと言うときりないが。 しかし、これで泣くってことはない、私は。

    0
    投稿日: 2015.08.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分のことを読んでくれた人の続きがきになる登場人物が登場します。彼らとの交流をつうじて人づきあいが苦手な桃さんがかわっていきます。 ラストはせつないけど今後、彼女の人生が前向きにかわっていくんだろうなって期待できそうで心あたたまります。

    1
    投稿日: 2015.07.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ファンタジーと思って読み始めたのに、最初の話で「いや、これは大人用なのだ」と気づき、そのままのめりこんでいっきに読み終えました。 都道府県で選ばれる「優良図書」とやらに選ばれていたようですが、これは大人が後ろを振り返る本だと思いました。決して後悔するとか、そういうのではないけれど。郷愁を誘うというものでもないんですけどね。 小学生には高学年でもこれは難しいと思うのです。 ただ、小学校の高学年で読んで、なんだかよくわからなかったこの本が、大人になって実はその人の続きが気になる本になっているかもしれません。

    1
    投稿日: 2015.07.02
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    生きることに不器用な主人公と、絵本から飛び出してきたキャラクターが絵本を読んでくれたあの子の続きを追う。継子と継母の届かなかった想いとその後。病気で子供を手放した実の母と育ての母の複雑な想い。血のつながりのない家族の関係。作品中の誰もが相手を想い、愛しているのになかなか伝わらなかったり周りの状況がそれを困難にする。どの話もじーんとくるものばかり。深いテーマをこれだけ楽しいタッチで書いてくれた作者に拍手を贈りたい。

    2
    投稿日: 2015.06.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

     小学生二人に毎晩している読み聞かせ、ママ友からまわってくる子育てに関する本類はこの本棚に入れておりませんが。子どもに読んだ児童書が秀逸!なので本棚登録です(笑)  ある日突然、絵本の主人公が飛び出してきたら…。図書館で借りてくれた子どもたちがその後どうなったか・・気になって仕方がない主人公が現実世界に出てくるんです。はだかの王様、おおかみと七匹の子ヤギのおおかみ、うりこひめのあまのじゃくにオリジナル絵本ふたりは仲良しのベソ幽霊。四十路を迎えた司書桃さんとの奇妙な生活をしながら、それぞれ気になっている子どもの行方を探す、というストーリー。  この発想がとてもステキじゃないですか!!親の不仲を感じている子ども、病気で入院していた子ども・・それぞれの人生を歩いていることを確認した主人公達、絵本の中へ戻れるはずが戻れない。それは、誰もが桃さんのつづきが知りたくなったから。  ここからの展開がすごい!各章の冒頭に出てくる書きかけの手紙は、実は別れた息子に宛てたものだった・・。みんなのつづきを解消しながら、桃さん自身もみんなに背中を押されて自立した女性になっていく。心温まるお話に癒されました。  私も小さい頃、ぐりとぐらが大好きで何度も読んでもらったなー。ぐりとぐらが、私のこと探しに来てくれたらいいな~。どんな風に私のことを見てくれるのかしら?・・・と、なんだか出会いと別れのせわしいこの時期、心にじぃーんとしみいりました。

    1
    投稿日: 2015.04.13
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    児童書だけど、内容は大人向けのような気がする。表紙も今どきの子には手にとってもらえない感じ。最後まで読むと表紙の色には納得だけど・・・。山本容子さんのイラストはステキです♪

    0
    投稿日: 2015.02.07
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    読んだ本のつづきが気になることはありませんか。この本は「つづきが知りたい」と本の登場人物が本から飛び出して、読者をさがしてほしいと図書館司書に依頼するお話です。 図書館で読んだ本の登場人物が自分を探してくれたら素敵だなと思います。

    1
    投稿日: 2014.08.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    身寄りのほとんどない40台女性の桃さんは、 人間関係や運の悪さで今まで職を点々としていた。 そんな時、顔も覚えていない叔母が入院したとの知らせが来る。しぶしぶ見舞いに行くも一度顔を見せて終わりにしようと思っていた桃さんだったが、父親が事業で失敗して手放した家を叔母が買い戻しており、なつかしさでその家に住むことを決める。 叔母の勧めで小さい図書館の分館の就職が決まるも、たった一人の同僚である館長はかなり桃さんにつらく当たる。それは今までそこで働いた人が次々に辞めていってしまうからだった。 本の登場人物たちが、自分を読んだ人たちの「つづき」を知りたいと、司書の桃さんの前に現れる。 『図書館へ、はだかで来てはいけません』 『はだかの王様』がつづきを知りたかった相手は、入院していた女の子早苗ちゃん。 桃さんと王様のがんばりで早苗ちゃん(すっかり大人になっていた)を見つけるも、知らんぷりされてしまう。 あの頃早苗ちゃんは、反発ばかりして父親の再婚相手を追い出してしまった。(早苗ちゃんが退院して手がかからなくなると出て行ってしまった) そんなことをした自分が大嫌いで、それを思い出したくなくて王様のことを知らないふりをしたのだ。(後日、王様が少女を探して起こした騒動で、その義母が図書館にやってきて早苗ちゃんと連絡をとるようになった。義母は別の人と再婚し、すでに夫と死別しているも幸せな人生を送っていた。彼女もまた早苗ちゃんときちんと向き合えていなかったことを悔やんでいた) 『夜の遠吠えは禁止です』 『おおかみと7ひきの子やぎ』の オオカミが続きを知りたい人は、男の子。 外で遊びたがる男の子を呼び寄せて、ちょっと怖い感じで「オオカミと7ひきの子やぎ」を聞かせ、本当に隠れる練習をさせるお母さん。 町中の犬の情報網を使って少年の家を突き止めたオオカミ。 少年に物語を読んでいたのは義母で、 少年の実の母親が少年を勝手に連れ去ろうとしたことが怖くて、お母さんのふりをするオオカミの話を子供に聞かせていたのだという。 しかし自分が出産で里帰りをしている間に、少年は実の母親のところへ返されてしまう。(その時の旦那や家族の言い分が「1人子供がいるからいいじゃないか) さらに実の母親が再婚する際に少年はまた義母の元へ戻され、性格も荒れてしまっていたが、今度は絵本に頼るような消極的なやりかたではなく、全力で少年と向き合い今は大人になった少年と仲良く暮らしている) 『座敷童子だなんて思いません』 『うりこひめ』の アマノジャクが続きを知りたがったのは、小学生くらいの女の子のぞみちゃん。桃さんたちが探そうと思った矢先、のぞみちゃんが行方不明だというニュースが流れる。 実際には、仲が悪いのに自分のせいで良い夫婦でいようと無理をする両親に腹を立てたのぞみちゃんが、昔住んでいた家のとなりのおばあちゃんのところへ行っていた。 親に嫌われて離婚されないように「良い子」すぎるのぞみちゃんを不憫に思ったおばあさんが、自分の立場がたいへんなことになることも顧みず、誰かが探しにくる少しの間だけのぞみちゃんをあずかろうと思っていたのだ。 『幽霊と魔女がなかよしですか?』 幽霊のベソちゃんと魔女のイーちゃんのお話『ふたりはなかよし』という絵本から、「幽霊のベソちゃん」がベソちゃんという男の子を探して現れる。 ベソちゃんというのは桃さんのお父さんで、イーちゃんは桃さんの叔母さんだった。絵本の作者が、戦争で親を無くしたベソちゃんが気の強いイーちゃんの家にもらわれていったことを知り、二人が仲良しになって欲しいという意味を込めて作った絵本だったのだ。 魔女のイーちゃんは幽霊よりも早く本の外に出て、体の悪い桃さんの叔母さんの中に入って元気をあげていたのだ。 魔女のイーちゃんの力が限界となり、叔母さんは亡くなった。お葬式が終わって人の出入りがなくなっても、王様たちは桃さんの前に現れなかった。 桃さんがお葬式で図書館を休んでいる間に、王様達の本が廃棄処分されてしまっていたからだ。 色々な事件をきっかけに仲良くなった近所の人や昔の友達に慰められつつも、泣き続ける桃さんの元に男の子がやってくる。 つまらない自分の時は書けなかった、王様たちと知り合って書けるようになったけれど、出せずにいた手紙を王様たちが出してくれていたのだ。 会いに来たのは、桃さんの息子だった。

    0
    投稿日: 2014.08.19
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    児童向けというよりは大人が読んだ方が、じーんと心に染み渡るものがあるかな。 不器用で人に伝える方法がわからない人たちが、だんだん心を開いていく感じがいい。大人だって、まだ成長しなきゃならないところがいっぱいあるんだよね。

    1
    投稿日: 2014.07.08
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    物語のつづきじゃなくって、図書館で自分たちの物語を借りてくれた子供たちのつづき、その後が気になってしかたがない物語の登場人物たち!! 物語の世界に入ってしまうというのは、『はてしない物語』や『ナルニア国物語』などの例があるけれど、物語の登場人物が現実の世界に出て来てしまうなんて珍しい!(新井素子の『絶句!』とか探せばあるかも知れないけれど♪) 笑えて、ドキドキして、ちょっと泣けるストーリー展開はさすが柏葉幸子さん。 不思議なことがたくさんおこっているのに、図書館が舞台だと不思議と納得できてしまうのもなんだか不思議。 とてもワクワクしながら「つづき」が知りたくて、ページをめくるのももどかしいくらいにどんどん読みすすめることができました。

    1
    投稿日: 2014.05.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とてもおもしろかったです! 地元の図書館で働き始める桃さんと、読者の続きが気になっている物語の登場人物とが繰り広げる優しいファンタジー。 桃さんとはだかの王様やあまのじゃくとのやりとりがおもしろくて読みながら時々噴き出してしまいました。 みんな桃さんのことが好きなのがかわいかったです。王様、狼、あまのじゃく・・・と同居人が増えて賑わっていく山神家が楽しそうで微笑ましかったです。 王様たちと「つづき」を探す中で、桃さんは生き生きしてゆき、自分でも驚くほど行動的になっていきます。 王様たちそれぞれが知りたがっていた「つづき」は思いのほか現実的に家族について触れられていて、悲しかったり、切なかったりもするのですが、桃さんと王様たちが見守る中、最後には優しい続きが見られて安心しました。 ピコットばあさんほどではないですが、少し意地悪な杏おばさん。でもただ不器用なだけで、本当はとても優しい人でした。 最後に向かっていくお話の展開が素晴らしくて、涙が止まらなかったです…。 最後の最後、桃さんの幸せな「つづき」の最後の仕上げとして王様たち本当にいい仕事してくれました…。 読んだ本の登場人物が読者の続きを知りたがっている、という考えがとても素敵で、もし本当にそんなことがあったら…と自分に置き換えてわくわくします! 私のつづきを気になっている人がいたら嬉しいなぁ…。と思いながら、小さい頃通った図書館に足を運びたくなりました。 挿絵もかわいくて、山本容子さんの作品も探してみようと思いました。

    9
    投稿日: 2014.03.08
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    覗き見してる物語の住人から自分も見られていると思うとなんか不思議。 色んな人物に会ってきたけど私にもう一度会いたいって思ってくれている人はいるかな? 私は会いたい人いっぱいいるけどね。だから図書館にいると同窓会と入学式の気分が入り雑じった不思議な空気がするんだなぁ。 もう一度会いたい話を借りに行きたくなっちゃった。

    2
    投稿日: 2014.02.18
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    良かった。子供の頃に読んだらどういう感想をもっただろう?単純なハッピーエンドではないお話だけど、じんわり温かくなる。手元に置いてまた読み返したい本。単行本だけど買うかな。。

    1
    投稿日: 2013.12.18
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    本の中のキャラクターが、読んでくれた人たちの続きが知りたいというお話。設定がおもしろいなぁと思いました。児童書なんだけど大人も十分楽しめると思います! 自分が読んできた本の中の人たちで、私のこと気にかけてくれてる人がいるかしら?

    1
    投稿日: 2013.12.09
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    図書館が舞台のお話を集めて読んでいるとき手に取りました。 主人公はおばちゃんです。しかも、ちょっと暗い。でも、感受性がこどものまま強く残ってる、優しい人。柏葉さんのお話にはそんなおばちゃんが繰り返し登場しています。突然ファンタジーな展開に巻き込まれちゃうんです。こういうの、子どもの時に読みたかったな。

    1
    投稿日: 2013.10.23
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    本の続きが読みたいという読者はいるけれど、読んだ人の続きが知りたいというヒトたちも。なるほど、そういったつづきなのかと驚かされました。主役の山神桃さんは、40歳すぎの女性。ひょんなことから、四方山市の図書館で働くことになる...なかなかこういうふうに仕事が決まることってないのではないだろうかとちょっとうらやましい。人見知りで内気な桃さんだけれど、つづきを知りたいヒトたちにより少しずつ自分の殻を破っていく姿はなんだか励まされました。どこか秘密のある桃さん。最後とても胸があたたかくなりました。

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    投稿日: 2013.10.21
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    霧のむこうの不思議な町で初めてこの作者を知り、俄然興味が湧き、読んだ2冊目。めちゃくちゃ面白い!空想の世界へぐんぐん惹きこまれ、私もこんな本が書けたらいいな、と創作意欲をかきたてられました。次は何を読もうかな。

    1
    投稿日: 2013.10.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最近、つまらない児童書ばかりに当たっていたので 我慢ならず 当たりの多い柏葉幸子さんの本を読む。 王様たちがなかなか帰らなくて ひっぱりすぎじゃないの〜 と思いながら読んでいたけれど! 手紙のこともすっかり忘れていたけれど! 最後! 最後にぎゅっと意味が詰まっていて 感動した( ; ; )

    1
    投稿日: 2013.10.07
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    ドラマチックな展開だった。大人が読んでも物足りた。桃さんや王様のキャラクターが良い。オオカミ(ロボ)の話が好き。

    0
    投稿日: 2013.10.06
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    良かったー。最初から答えはそこにあったんじゃないか。最後はせつなくもあった。柏葉幸子さんはやっぱり優れた児童文学の書き手だ。『地下室からのふしぎな旅』を10数年ぶりに読みたくなった。2011/169

    2
    投稿日: 2013.09.25
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    素敵な本でした。児童書だけれど大人が読んでも、いや寧ろ大人が読んでこその味わい深さがあるように思います。 主人公は40過ぎの寂しい図書館司書という所からして児童書とは一線を画してますが、私たちが読みかけの本の続きが気になるように、本の登場人物たちも読み手のその後が気になって、司書に人探しをお願いするというファンタジーなので、やはりそこは子供にも読みやすい設定。最後の優しく暖かい伏線回収も最高でした。オススメです。

    1
    投稿日: 2013.09.14
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    いいお話だった。 本の中の主人公たちが 本を読んでくれた人の続きの人生を心配して本の中から探しにきてくれるお話。 そんな風に 心配してもらえるくらい その本を大事にしてたんだなぁと‥ いいなぁ 誰か出てきてくれないかなぁ‥ 最後に本の中からじゃなく 桃さんの事を心配した本物の人間が出てきてよかった。

    1
    投稿日: 2013.07.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    娘が気に行って、2度も図書館で借りてきたので読んでみた。これは良い。恐らく娘には理解し難いだろうけれど、“子どもと引き離された母親”が何人も出てくるあたりが私の注目点だった。ラストは号泣していたことは、娘には、内緒。(2013-05-11L)(2013-06-22L)

    1
    投稿日: 2013.05.11
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    不思議なお話なのに無理な展開が少しもなく、読後感がとてもよかったです。読み終わったら図書館に行きたくなりました。

    0
    投稿日: 2013.04.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    バツ一になり一人ぼっちになった桃さんが、身寄りのない杏おばさんの看病の為、複雑な事情で飛び出した故郷に戻ってきた。杏おばさんの紹介で司書として勤めだした図書館で絵本の中の主人公裸の王さまに出くわしたことから・・・。桃さんが、誰かに書こうとする手紙で物語が紹介されている。絵本から飛び出してきた主人公達の『絵本を借りていた子ども達のつづきが知りたい』という要望に振り回されながら、桃さん自身の過去があぶりだされていく。『借りていた子ども達のつづき』逆なんですね!最後手紙の宛先でガツンとやられました。

    1
    投稿日: 2013.03.09
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    絵本の中の登場人物が、自分を読んでくれたこどもの続きが気になる!といって本を抜け出してくる、という面白い設定。 終わってしまった物語の続きが気になる!というのはあったけど、これは考えてみなかったです。でも、こんなことがあったら素敵ですね。 主人公である司書の桃さんが、だんだんと気づいていく大切なこと、 本が好きな人間なら、大人こども関係なく、共感し、感動できると思います。

    1
    投稿日: 2013.02.27
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    子どもは面白いのかな?って思うぐらい自分が面白かった。 40代、図書館勤務、ツボだわ〜( ̄▽ ̄) 奇想天外ながらラストはなるほどな展開で、じんわり。

    0
    投稿日: 2013.01.19
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    柏葉幸子さんの本で、主人公が中年女性の設定!物語冒頭から、否応無く高まる期待感…。 子どものころから、ずっとずっと読んできた柏葉作品。まだまだ進化しているんだなぁと、驚くばかりです。

    1
    投稿日: 2012.12.05
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    児童書とはいえ内容は大人でも読みごたえあり。 物語の登場人物達が、読み手のつづきを知りたいという設定が面白かった。

    0
    投稿日: 2012.11.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公「桃さん」はイイお年の女性。 勤務先の倒産を機に、見も知らぬおばの家に身を寄せる。古びた図書館で働くことになるが、はだかの王様やオオカミなど、絵本から出てきたキャラクターに囲まれるハメになり…。 最後、キャラクターたちは消え、おばさんは息を引き取り、桃さんはまた一人になった。でも、この町に来る前の桃さんとはもう違う人間になっていた。 面白いけど、キャラクターがリアルすぎてちょっと引く。YAならもう少し子ども向きが希望。

    0
    投稿日: 2012.11.11
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    柏葉幸子さんの話は、何度か読んだことがあるが、今回のお話は泣けた。 40を過ぎた桃さんは、昔生まれ育った町へ帰ってきた。本当は帰って来たくはなかったが、四方山市の福祉課から顔も忘れてしまった叔母の面倒を見ろと連絡があったのだ。 仕方なく、四方山市へ戻った桃さんは叔母の紹介で四方山市立図書館別館へ司書として採用された。 その図書館での初仕事で、桃さんは「つづきを探してほしい」とお客さんから言われる。本のつづきかと思った桃さんは、お客さんの次の言葉に驚く。 「青田早苗ちゃんのつづきを知りたい」と。 離婚をし、勤めていた会社も倒産。先行きが不安な桃さんに、辛辣なことを言いつつも心配をする杏おばさん。 絵本のなかから飛び出してきた裸の王さまや狼やあまのじゃく。 桃さんは、振り回されながらも自身も少しずつ成長していく。 あまのじゃくが出てきたあたりで、少し桃さんに異変がある。おばちゃん、おばちゃんと慕うあまのじゃくは、なんだか可愛いし、いたずらをするあまのじゃくを叱る桃さんは母親そのもの。 児童図書なのに、最後に泣かされた。子供の頃に読んでいたら、きっと泣けなかったかもしれない。大人になって分かる視界ってのもあるんだな。 2012.9.24.読了

    1
    投稿日: 2012.09.24
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     読んで良かった。もうね、あれですよ。泣きましたよ。分かりやすくって、  でも、優しさがあふれているし。何というか、先が読めない「ミレニアム」も  大好きですよ。そういうミステリも大好きなんですよ。甲乙つけ難いんですよ。  でもね、綺麗に誘導してくれる文章も、やっぱり大好きなんですよ。

    1
    投稿日: 2012.08.01
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    表紙とタイトルがずっと気になっていた本。 舞台はちょっと寂れた図書館、主人公はちょっと覇気のない中年新米司書の桃さん。 本を探す人のお手伝いをするのは司書の仕事のひとつだけれど、このお話ではそれが逆転する。 桃さんがするはめになるのは本が人を探すお手伝い。 本の中の登場人物たちは、自分(が出ている本)を読んだ人たちのつづき(その後)を気にしてる。 「本の面倒を見るのは司書の仕事」なので、人探しももちろん司書の仕事です。 この手の本はですます調のほうがいいんじゃないかと最初の2~3ページだけ思ったがすぐに慣れた。この本はこの文体が良い。 桃さんはバツイチ。会社勤めをしていたけれど倒産→職が見つからない→パートなどでしのぐがキツイ→なのに役所から交流のない親類の面倒を見ろと連絡がくる。 なんといきなりシビアな展開。 でもその辺はさらりと状況を説明するだけで、話自体はほのぼの淡々とすすむ。 中川李枝子とかの、昔読んだ童話の雰囲気に安心する。 舞台の今らしさと雰囲気の懐かしさが良いバランス。 本の登場人物たちが可愛い。 周囲のちょっと偏屈な人たちやゲストキャラクターも魅力的。 そして、引っ込み思案で人付き合いが苦手で人生もあんまりうまくいっていない桃さんが変わっていく様が素敵だ。 それなりの年齢の人が、無茶をせず奇跡も起こさずに変化できる話が読めるってのは嬉しい。 今からでもがんばろうって思った。 似ているわけじゃないんだけど、「ハナさんのおきゃくさま」を読みたくなった。 「黒ばらさん」とか「あたまをつかった小さなおばあさん」とか、児童書って意外と中高年女性主人公多いよな。 「いたずらおばあさん」も良かった。

    1
    投稿日: 2012.07.29
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    p16「本を探すんですよね?」 「いやいや。本を探してもらいたいのではない。青田早苗ちゃんのつづきが知りたいんじゃ。」 小さな図書館に勤めることになった桃さん(40代)。 ひょんなことから、その図書館で、借りた人の「つづき」を気にかけている童話のキャラクターと関わることに…。 児童書。読む前に、書店のフェアのPOPだけ読んで、桃さんは20代くらいだと思ってました(笑) 桃さんの成長物語でもあるファンタジー小説。 優しいお話でハッピーエンドなんですが、個人的には少し切ない結末だと思いました。 王様やオオカミ、天邪鬼の関わる話までは好き。 ラストの話では物語の謎解きや〆って感じがするので、これでおしまいっていうのは悪くないと思います。 でも王様たちは、知りたかった人物の「つづき」に安心して、自分たちはそういう結末で幸せなのだろうかとか、考えてしまいました。 設定は面白かったし、私は「つづき」が読みたかったな。 それだとこの物語の趣旨と違ってしまうかもだけど。 最近の2時間ドラマ辺りで映像化できそう。

    0
    投稿日: 2012.07.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    談話室で見つけて。 始めは、児童書なのにテーマが重いな…。 と、読むのが億劫だったんですが、すごくあたたかいお話でした。 人見知りの桃子さんが、絵本から出てくるキャラクターを通して、人の優しさを知り、誰かと一緒にいれる幸せを噛みしめていくところは本当に感動しました。

    0
    投稿日: 2012.06.19
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    んー 満足!しかし、児童書の範疇か?(笑) パッと冴えない俯いた40過ぎの図書館司書見習いの前に、図書館書架の間に突然 現れた「はだかの王様」が、「つづきを知りたいのじゃ〜青田早苗ちゃんのつづきを知りたいのじゃ!」と訴えて。 七匹の子やぎのおおかみ、あまのじゃく、ゆうれい、次々と現れては図書館で借りていった人々のいく末に心砕く 絵本の登場人物?たち。 物語が進むにつれ 主人公の個人的事情が解き明かされ、同時に閉ざした心も少しずつ開かれていく。 最後には… (うふふ) あー 自分の行く図書館の書棚の間に つい期待しちゃう!(笑) あー、私の前にも現れて〜 (笑) 大人が読んでも読み応え バッチリ〜 チョーおすすめ〜!  

    0
    投稿日: 2012.05.05
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    「つづきの図書館」読み終えました。 これは大人が読んでもおもしろい!! すごく現実的な話の中に、はだかの王様や七匹の子ヤギのおおかみ、 あまのじゃくや幽霊が絵本から順番に出てきて、 自分を読んでくれた子供のつづきが知りたいと、人探しをするのですが… それぞれの人生に色んなドラマあり、 図書館の司書をしている主人公の孤独なおばさんも少しずつ変わり… 最後の数ページでは別れと再会の場面でこみ上げてくるものを我慢することができずに 泣いてしまいました。 是非是非オススメの一冊です! このレビューで文体診断

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    投稿日: 2012.04.19
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    なんか児童書とは思えない主人公の設定ですよね。 バツ一の40歳なんて。 登場人物も家庭的に問題を抱えてるし、桃さんも引っ込み思案で話すのが苦手だし。 でも、本の中から出てくる王様やおおかみたちと触れ合って成長するなんて、やっぱり児童書かな。 私的にははだかの王様が一番可愛くて好きでした。 最後のお話にすべてがまとまる、とても後味のいいお話でした。

    0
    投稿日: 2012.02.10
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    はだかの王様や「おおかみと七ひきの子やぎ」の狼など、絵本から飛び出した者たちが、かつて自分の物語を読んでくれた子どもの「つづき」が知りたいと、不器用な図書館司書のおばさんと共に追っていくストーリーは今までには無い視点からのもので非常に面白かった。  しかし、ちょっと大人目線で読むと話の内容は結構シリアスなのだ。家族、親子、夫婦、学校...いろいろと考えさせられる一コマを織り紡いでいくのだ。  図書館司書のおばさんが、怖々とすすめる追跡調査で、経験したことのない様々な物事に遭遇し、沢山の人との出会いや伯母との再会・看病を通して、少しずつ自分自身が癒され変えられていくという、奥の深い話でもあるのだ。やはり出会いが人を変える大きな転機となりうるのだと...。  最後の一小節の為に今までのストーリーがうまく絡み合ってきたのかと思わず唸ってしまった作品でした。

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    投稿日: 2012.02.06
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    私たちが本のつづきが気になって仕方がないのと同じように、 絵本の住人も読んでくれた人の続きが気になって、絵本から飛び出してきてしまうなんていう発想が変わっていて、面白かった。 児童書なのに、主人公が40歳すぎの人付き合いの苦手な図書館司書見習いってところもユニークだし、絵本の住人と主人公の会話のやり取りも面白く、明かされるエピソードに涙腺緩みっぱなしで、泣いて笑って楽しませてもらいました(^^)

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    投稿日: 2012.01.19
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    (No.12-4) 児童書です。 たくさんの方が感想を書いていてどの方のを読んでも評価が高くて、すごく良かったということだったのでずっと気になっていました。今さら(といっても2年前の出版)ですが読みました! 『不器用に、でも一生懸命やってきたのに失業し、アパートの家賃支払いも難しくなってしまった桃さん。 今まで付き合いがなかったおばさんの縁で、半ば流されるように田舎に引っ越して図書館に勤め始めたとたん不思議なことに出会う。桃さんは、押し切られて本の登場人物の頼みをきいてやることに。 そして、人付き合いが苦手で会話することも苦労していたのに、いつの間にか話を聞きだしたり自分の意見を言ったり断ったり出来るようになって行く。』 本の中から登場人物が出てきて「自分の本を読んでくれたあの子がどうなったのか知りたい」と主人公に聞いてくる話だとは前もって知っていました。 驚いたのは田舎の小さな図書館の司書になった女性の桃さんの年齢が40代だということ。日本で書かれた児童書の主人公としてこの年齢は珍しいです。他にちょっと思いつきません。 小学生くらいの主人公の親が副主人公になって登場してくるケースはありますが。 上橋菜穂子さんが、バルサの年齢をもっと高くしたかったのに出版社はもっと若くしたがり、中を取ってあの年にしたと言ってました。それはだいぶ前のことなので出版社の意識が変わったのか、それとももうたくさん本を出している柏葉さんなら自由が利くのかどっちかしら。 本の中の登場人物の気がかりを解決してあげるという連作短編なのかな?その間に桃さんは成長する、そういう話なんだと思ってたら・・・。 ああ、桃さんにこういうことが起こったのには理由があったのね! しかもこの作者のやったことは悲しいけれどすごく潔い。 そしてあの手紙の送り先! 外見がいかにも児童書なんですが、YAを読むくらいの年齢の子に積極的に勧めたい本です。もちろん大人にも。 読んで良かったです。

    0
    投稿日: 2012.01.12
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     誰かに気にかけられる人はしあわせ。  誰かを気にかける人はしあわせ。  誰かの人生の「つづき」を気にかける。  途中まで読んだ本のつづきが気になるように。  色々な本の中から飛び出した登場人物(?)たちが、  新米おばちゃん司書とドタバタを繰り広げます。  自分の本を読んでくれていた誰かの、「つづき」が知りたくて。  そんな彼らとつきあいながら、変わっていく主人公。  自分が読んでいた本の中の登場人物が、  自分のその後の知りたがっているなんて、とても素敵な想像。  たしかに逆はよくあること。  人生という名の本の、半ばまで生きてきた主人公の「つづき」が  意外にも思える形でラストを迎えます。    もちろん、その先のつづきも気になりますが。

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    投稿日: 2011.12.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

     絵本の登場人物が「あの子のつづきが知りたい」と飛び出てくる……なんて、いかにも児童文学なお話なのですが、ほかの方もレビューに書いているように、その他の設定がとてもシリアス。主人公が40代独身女性で勤めていた会社が倒産、その後パートに出るも生活は苦しくなる一方というところからスタートし、“探される子”たちも親の離婚・再婚などでそれぞれ複雑な状況にあったりして。  主人公の伯母にあたる杏(あんず)おばさんが素敵です。優しい心を持ちながら、厳しい言葉で導いてくれる人。そういえば『霧のむこうのふしぎな町』にもそんな人が出てきましたね。

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    投稿日: 2011.10.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    懐かしい柏葉幸子さんの本。 児童書なんだけど、子供には難しいかなー。と読み聞かせは諦める。大人向けの本。 霧のむこうの。。。とか何度も繰り返し読んだけど、読んだあと、主人公が成長するように、自分が成長したような気持ちになった。この本もそんな感じ。 いいかげん大人なのに人見知り。。。なんだか自分を重ねてしまう。そんな桃さんがオバサンの病気をきっかけに子どものころに住んでいた町で司書として働くことになり、図書館で「つづき」を探すのを依頼される。 最初から、あれ、大事な人って。。?と思って読んでいたけど、徐々に形になってくる。 最後は胸が熱くなる。桃さん、よかったね!

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    投稿日: 2011.10.22
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    山本容子さんの挿画と、作品評価の高さにひかれて読んでみた。 これは本当に児童書なのか?と思うくらい、主人公は40代だしバツイチだし、登場する子供たちは家庭に何か問題を抱え、親が離婚したり、再婚したり、という児童書らしからぬ設定に意表を突かれた。 最後のオチは想像通りだったものの、なかなかに味わいのある作品だった。 むしろ、大人の方がよりこの作品を楽しめるのかも。

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    投稿日: 2011.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    恐るべし児童文学! この本。本当に対象は子供か?だったら対象年齢はいくつやネン! と言いたい本。 これは参った。 児童文学を侮るなかれ!です。 確かに児童文学なのでひらがなが多いし漢字にもご丁寧に読みがうってある。 しかし!内容が凄い! 『本が好き』サイトに紹介されていた本なので、どんなものか?と思い読んだのですが とても心にくる内容ばかり。 子供が読む本なので短い物語を4編に括った内容なのですが 最後の話でこの話は1つの物語だったのだと思わせる。 40歳を過ぎバツイチ訳あり天涯孤独な桃さんの話。 人付き合いの苦手な桃さん。 でも桃さんの「つづき」が気になる人達がいる。 桃さんが気になって本の世界に帰れない「裸の王様」「七匹のこやぎ」「うりこひめ」の 登場人物達。 桃さんが心を開き人と話せるようになり人の輪に入る事が出来た時が「つづき」の「おわり」なのだ。 アンハッピーな終わりでなく「良かった」と思える続きを見たかったのだ。 これで自分達がいなくなっても桃さんが大丈夫だと心配しなくてもいい終わりが見たかった童話の登場人物たち。 人には思い出の本があるように「続き」が気になる本があるように 本にも思い出の人。続きが気になる事もある。 最後に今まで一緒に暮らしていた裸の王様・七匹の子ヤギのオオカミ・うりこひめの天邪鬼は消えてしまった事は淋しいけど 最後の感動はかなり心に染みる作品でした。 今年読んだ中では今のところ1番ですね。

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    投稿日: 2011.10.08
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    分ければ児童書に入るのであろうこのストーリーを、ちょっと奇異なものにしているのは、主人公が40すぎの「おばさん」であること。 本の登場人物が飛び出してくる…のは児童書にはそんなに奇異なことではないが、児童書でありながら「おばさん」が主人公…これは結構ユニークなのではなかろうか? そしてその設定は、最後で見事に生きることになる。 また、読者が本が終わったその後のことを知りたいと思うのではなく、本の登場人物が自分を読んでくれた読者のその後を知りたいと思う、というのも、ユニーク。 というわけでひねりが2つ。 この2つが屋台骨。 4章になったお話。章ごとに1冊の本とその登場人物に焦点があてられているが、選ばれた本も(最後の1冊を除いて)これと言ってひねりがあるわけではないし、話の展開そのものも、まあね、そうくるよね、とそれほど深みがあるわけでも、ユニークなわけでもない。 読んでいる途中で、これでアイテムを変えれば延々続けられるじゃん?と思うほど、割と平凡な着想の4章。 ちょっとウトウトしかかったのが、ん?と瞠目することになるのは、最後の〆方。閉じ方。 この最後の数ページのために、その前があると言っていい。 ここまでモノクロ(それもぼやけた)できていた物語が、最後にきて、ゆっくりとカラーになっていく様が、このお話の魅力です。

    2
    投稿日: 2011.09.29
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    「つづきが知りたいのじゃ」と図書館で声をかけられた司書の桃さん。 当然、本の続きと思いきや、なんと本を借りてた人のその後が知りたい、と本から飛び出してきた「裸の王さま」だった!!(*^_^*) 分野的には児童書なのでしょうが、むしろ、大人が楽しめるお話のような気がします。 飛び出してくるのは、王さまの他に、狼、あまのじゃく、そしてモゴモゴ・・。(ネタばれになるから言えない。^_^;) 狼がね、なかなか、いい味だしてるんですよ。 付近の犬たちを上手く使って、家の案内をさせたり、町中の木を把握していて、事あらばそれを頼りに人探しに乗り出したがったり。 桃さん自身がかなり訳ありの人のようで、お話の始めから、書きかけの手紙が何度も修正されて、それが“たった一人の大切な人”宛てと・・。いったい誰に書いているんだろ、そして、人に心を閉ざしがちだった桃さんが王さまたちと日々を共にするうち段々と・・という辺りも、とても優しい展開で嬉しくなりました。 読んだ本の登場人物がその読み手のその後を気にしてくれる、という発想が面白いかったです。 私を気にしてくれる本があったとしたら何の本かな。読みながら、ボロボロ泣いた本も、あっはっはぁ~~!と盛大に笑った本もあるけど、大丈夫?ちゃんと大人になれました?と出てきてくれないかなぁ、と思うのは、「ライ麦畑でつかまえて」や太宰治「女生徒」、それとも「チッチとサリー」あたりかな。胸を張って、大人になりましたよ!とは言えない気もするけど、とりあえず元気に生きてますよ、あの節はどうもお世話になりました、なんて言いたいです。^_^;

    1
    投稿日: 2011.09.03
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    図書館 きになる結末を探すものがたり。 探すのは絵本の中の住人たち、探されるのは読者。 結末がいい。

    0
    投稿日: 2011.08.31
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    この本は書評サイトで見つけてすぐに図書館で借りた本。題名は覚えたつもりになっていたけれど、図書館の端末で検索しても検索しても見つからない。「図書館のつづき」。そう覚えてしまっていたのだ。けれど、よくよく考えてみればそれはおかしいということに気付く。この本に登場する図書館の桃さんは、「つづき」を探してくれる司書。だから「つづきの図書館」でなければならないのだ。 久しぶりに児童書と呼ばれる本を読んだ気がする。なんだかちょっと切なくなったり、温かい気持ちになったり。 両親にも早くに死なれ、家庭にあこがれて結婚はしたものの離婚してしまい、あまり付き合いの無かった伯母さんが入院したからと幼い頃に住んでいた土地に戻ってくることになったときには、桃さんは40歳を過ぎていた。 司書の資格を持っていたことから、小さな図書館に勤め始める。職員は館長と2人だけ。これまで人見知りばかりして自分の殻に閉じこもってばかりいた桃さんは、先の希望も持てないまま入院中の伯母さんの家に一人で暮らす。 けれど、そんな桃さんに事件が! 図書館の2階で声をかけてきたのは、なんとでっぷりと腹が出ている男性。しかも金色の王冠と白いパンツだけの姿。桃さんはビックリ! でも、年の功(?)なのか、それまでの若い司書たちのように逃げ出したり叫び続けたりはしなかった。 「つづきが知りたいのじゃ」。はだかの王様は桃さんにそう言う。 本を読んでいて途中で何かしらの事情でページを閉じなければならないこともままある。途中が気になって気になって、「つづきが読みたい!」と叫びたくなる本もある。けれど、本書の登場人物たちは桃さんに自分が登場する絵本を読んでくれていた人の「つづきが知りたい」と言うのだ。 本から飛び出してきてまで知りたいその子どもの”つづき”。どんな子が「はだかの王様」の気持ちをそこまで惹きつけたのか。出てきたのは「はだかの王様」だけではない。「七匹の子ヤギ」の狼、「うりこひめとあまのじゃく」のあまのじゃく、そして自費出版された絵本の中の幽霊さん。みんな、出逢った子供のつづきが知りたくて知りたくて、絵本から出てきてしまった。 桃さんは少ない手がかりをもとにして、子どもたちを探していく。絵本の中にいた王様たちには時間の感覚がないから、何十年前のことなのか、何年前のことなのかわからない。それでも桃さんは王様たちの望みを叶えようとする。 絵本から飛び出してきたみんなはとても無邪気。とっても素直だ。人見知りで自分の殻に閉じこもり気味だった桃さんも、徐々に心を開いていく。性格もちょっとずつ変わっていくようだ。 桃さんとみんなとの暮らしは楽しそう。いろんな事件が起きるけれど、それでも賑やかで楽しそう。 物語を読んでいって、残りのページ数が少なくなるごとに切なくなってくることがある。物語の登場人物たちとの別れが近づいてくるのがわかるからだ。読んでいる側である私はそう思うことがよくある。読まれている方はどう思っているのだろう・・・。この本に登場する王様たちのように私を見ていてくれているだろうか。 ずっと一生手元に置いておこうと思う本たちが棚に並んでいる。みんな自分たちにまた会いに来ることを待っているのだろうか。だとしたらちょっと申し訳ないなぁ。順番待ちの時間が長すぎて、呆れているかもしれない(苦笑)。 最後の最後にどんでん返し。桃さんのこれからが充実した楽しい人生であるように・・・。心からそう思う。 たまにはこういう本もいいなぁ・・・。

    0
    投稿日: 2011.08.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    山上桃さんは四方山市の疎遠になっていた杏という叔母を見舞いに来た。ひょんなことから、入院中の叔母に変わって、叔母の家に住むことになり、運良く、下町別館の図書館での仕事も見つかった。 しかしその図書館で、桃さんは絵本の中から出てきた、「借りていった人のつづきが知りたい!」と言う本の登場人物(?)たちと出会う。 物語の続きではなく、借りていった人のその後が知りたい、はだかの王さま。オオカミと7匹の子ヤギのオオカミ。あまのじゃく、そして幽霊・・・。 なぜ本の中から登場人物たちが出てきてしまったのか?意外なラストの柏葉マジック。

    0
    投稿日: 2011.08.24
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    児童書なのですが主人公の桃さんは40歳のおばちゃんでバツイチ。運よく図書館の司書になった桃さんに絵本から出てきた裸の王様などが言います。 「つづきを知りたい!」 つづきを知りたいのは自分の本を読んでくれた人。そしてその子どもたちを桃さんは探すことになります。 ハラハラドキドキではなく安心して読めるあったかいお話。 最後はちょっとホロリ…。

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    投稿日: 2011.07.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読者が本の続きを気になることは自然のことであるが、本書は視点が変わっている。本の中の登場人物が図書館で借りてきた読者の「つづき」を気にするという設定で物語が進んでいく。従来の作品と視点が異なるだけ、大人も楽しめるファンタジー作品。  主人公は人付き合いが苦手な山神桃。年齢は児童書にしては珍しい40歳。とある市図書館の司書として仕事をしている。次々と絵が飛び出してきては、様々なことに巻き込まれていく。人間として成長していく過程に注目したい。一章ごとには、裸の王様、あまのじゃく、幽霊といった個性的なキャラクターが登場し、心暖まる話が収録されている。  クライマックスまでの構成は見事なものである。内容を一層引き立たせるイラストは、山本容子氏が手掛けている。優れたコラボレーション作品として、一読をおすすめしたい。

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    投稿日: 2011.07.13
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    小中~: P163 主人公司書の桃さんがためらった手紙に書かれていた言葉「…だれかを好きになると、毎日が楽しいということにも気がつきました」 ラストで意外な展開が待っています。 桃さんがどうしてだれかを好きになれなかったのか、読み終わってじんわりわかってきました。誰かを好きになれないということは、きっと自分のことも自信がなくて好きになれていなくて、こもっていってしまうのかもしれません。桃さんの身にふりかかった様々な人間関係の複雑さを思うと、そう思えてきました。でもこのお話のはじまりから終わりまで読んでいくうちに、固く冷え切っていた氷が、じんわりまわりの温かさにふれて溶けていくように、桃さんのかたくなな心がはつらつと脈打つようになっていくようでした。 自分の自信につながることは、誰かの役に立つという実感かもしれません。スケールの大きいお話でした。

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    投稿日: 2011.06.12
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    図書館司書の仕事は人に頼まれて読みたい本を探す事だけど〜司書の桃さんが頼まれたのは本の主人公達が読んでくれた人を捜す事で…

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    投稿日: 2011.06.07
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    本から登場人物が抜け出して、彼らを読んでくれた子供のつづきが知りたいという。それに振り回される40代の司書見習い・桃さん。 奇想天外な話しだけれど、どこか寂しさが漂う。 ルビが振ってあるし、表紙からも児童向けのように見える。でも設定が結構現実的で、読み手の年齢によって受ける印象が大きく変わりそうだ。 私はあのラストがちょっと切なかった。 桃さん、もっと行動的になってほしかったな。

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    投稿日: 2011.05.08
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    一つ一つのお話が面白かった。最後にきちんと結論づけられてるのも良かった。子供が読んでも大人が読んでも楽しめる本だと思う。

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    投稿日: 2011.05.07
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    ゆるゆると、癒される。……これ、児童書かなあ。大人が読んでも共感する本。主人公は生きるのに不器用で、40過ぎバツイチ女……って、冒頭から児童書らしからぬ設定のリアルな重さ。でも、絵本から飛び出してきた登場人物たちのおかげで、主人公自身の不器用さや人間関係のつまづきがゆっくりと修復されていく。優しい、良い物語だった。

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    投稿日: 2011.04.17
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    読了。 ラストはちょっとウルっとくるなぁ~。 図書館を舞台にしたファンタジー+人探し系ミステリの要素があったりして、大人でも十分に楽しめます。 桃さんのつづきが知りたい……。 イチオシです!

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    投稿日: 2011.03.21
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    はだかの王様や「おおかみと七ひきの子やぎ」の狼など、絵本から飛び出したキャラクターたちが、かつて自分の物語を読んでくれた子どもの「つづき」が知りたいと頼みこんでくる。 本好きのツボをくすぐる設定。いいなあ! 最近、藤田和日郎の『月光条例』を読んだので、モチーフが似てるなと思いながら読んだ。 話の質は違うけど。裏表紙に鉢かづきがいるから、余計に思い出してしまった(笑) 登場人物が本の中から飛び出す…というのは割と王道だと思うけれど、それを軸に読者(人間)側の問題が描かれているところに現代っぽさを感じる。 主人公の桃さんは離婚歴のある中年女性で、その他子どもたちの家庭環境も少し複雑。 彼らの抱えるわだかまりが、絵本キャラクターの出現によって浮き彫りにされ消えていく、このあたりの展開にカタルシスを感じた。 4つの章に分かれていて、一番気に入ったのは狼と小国順一くんの話。 順一くんを探す過程が面白いし、お母さんが「おおかみと七ひきの子やぎ」を読んで聞かせた理由が切なくて。 最後に「そういうことだったのか…!」と思える話って好きだ。 最後の章も、ここでオリジナルの絵本を出しちゃうのかと心配になったものの、そこはさすがの柏葉さん。 ラストあたり泣きそうになりながら読み終えた。 つるばらさくやの絵のモデルとか、あったら見てみたい。 余談だけど、はだかの王様がメタボ扱いされているのに笑った。そう言えば、痩せててハンサムなはだかの王様って見たことない気がする。 逆に、あまのじゃくは鬼のイメージが強かったので、男の子姿が新鮮だった。

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    投稿日: 2011.03.20
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    ここにレビューを書きました。 http://blog.goo.ne.jp/luar_28/e/cf89b0cf242c5aad283fd133a926da87

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    投稿日: 2011.03.07
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    すごい。 久しぶりに柏葉さんの本を読んで、分かっていたはずなのに、やっぱりそのファンタスティックで人間くさくて愛らしい世界観に完全に心を持って行かれてしまった。こんな物語をいくつもいくつも紡ぐことができる作家が日本の児童文学界いることを本当に幸せに思う。 児童文学といっても、この本の主人公は子供じゃない。40歳過ぎでバツイチのおばさんだ。しかも正社員には昇格できていない。こんな設定なのに、児童文学として全然違和感を読み手には感じさせないんだから感嘆しちゃうよなぁ。 いろんな謎が散りばめられているのも、いい。小さい謎も大きい謎もバラエティ豊かにあちこちに隠してあって、しかもその謎がなんていうかすごく「現実的」なんだよな。 懐かしくって楽しくってドキドキさせられてでも最後はちょっと泣けて・・・素敵なお芝居を観ている気分だった。 じゃあ何で四つ星かっていったら、『つづきの図書館』の更なる「つづき」をもっともっと読みたかったから。ユニークな登場人物たちとのドタバタな毎日をもうちょっと見ていたかった!悔しい!

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    投稿日: 2011.02.27
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    おもしろくて一気に読んだ。図書館のおはなしって大好き。私も図書館が大好きで、司書の資格の勉強がしたいと思っているからか。 はだかの王様、おおかみ…みんな、自分のでてくる本を借りた「○○さん」がどうしているのか「つづきがしりたい!』と絵本から飛び出してきます。みんなみんながかけがえのない一人であること、そして、毎日のさりげない出来事がその人そのものをつくっているということに、はっとさせられました。毎日をかみしめて生活したい、と感じました。

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    投稿日: 2011.02.25
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    「つづきの図書館」は、児童向けに書かれたものですが、読み終えた最後に、大人になった人に贈られた本だと感じます。

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    投稿日: 2011.02.12
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    「物語を借りていった子どもたちのつづきが知りたい」と絵本の世界から飛び出してきてしまった主人公たち。はだかの王様やうりこひめのあまのじゃくたちが、図書館司書の桃さんに「つづきが気になる~」とその子を探してくれと頼んでくる。 産経児童出版文化賞で児童書ジャンルだけれど、かなり心理描写が深く、家庭背景などが複雑で、大人向け?

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    投稿日: 2010.12.15
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    古い本がたくさんある図書館の片隅には、本当にこんなことが起こっていて新しく赴任してきたばかりの司書さんたちを困らせているような気がする。 わたしのつづきを探している本は今もまだ眠っているかな。

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    投稿日: 2010.12.11
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    おーもーしーろーいー。 ままならない人生を送ってきた桃さんが、田舎の図書館でふしぎな出来事にあう。 えほんから出てきた王様が、気になっていた子の続きが知りたいと言い出して…。

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    投稿日: 2010.11.29
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    話の続きではなく、読んだ人の続きだったんだ。これはこれで、確かに気になるかと。王様も狼も本の中に帰ったのが、寂しい。

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    投稿日: 2010.11.29
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    一話一話、桃さん達と一緒に考えたり、ハラハラしたりできて楽しめました。 で、どういう結末になるかと思いきや、こんなに泣くはめになるとは。 第2話で引っかかった1文があったのですが、最後に納得。  私、子供の頃、絵本のお菓子やご馳走のシ-ンが大好きだったので、「あのいやしんぼの子のつづきが知りたい」ってぐりとぐらやからすのパン屋さんや、だるまちゃんとかみなりちゃんとかが出てきてくれたら嬉しいな。 この本に出会えて良かったです。

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    投稿日: 2010.11.20