2024年3月5日読了。監督として複数のチームで実績を残した野村氏による、「リーダーに必要な振る舞いとは？」説く本。もちろん野村氏の経験は野球選手・野球監督の活動からくるものではあるが、知的で熱い、論理的な分析は「どんな組織にでも当てはまりうる」と納得するものがある。『ID野球』という言葉が有名でもちろんこの人はデータ活用で結果を出した人ではあるのだが、「監督は人間教育が仕事」「愛をもって選手を観察せよ」など、いきついた結論が全然データや情報分析の話ではないところが非常に興味深い。選手（メンバー）と親しくして派閥を作るべきではない、とか知見・知識においてリーダーが選手に勝てなければ意見が聞かれないのも当然、などリーダーとして自覚せねば、と思う提言も多い。自分も、これからも成長を心がけていかないとな。

野球とサラリーマンの仕事は別ではあるけど、通じる話もあると野村さんの話は感じさせてくれる。課長の仕事をするようになって読むとまた感じることも変わる気もする。次世代の人を育てるってのはみんな賛成だしやるべきことと感じながらできないことが多そうなので、エピソードやその経緯は学びがある。考え方に加え、言い方や伝え方も愛が根底にあることが感じられて本当に素晴らしい。ご冥福をお祈りします。