
総合評価
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powered by ブクログ数理論理学者の天才美人学者を叔母にもつ、大学生の詠彦が事件の検証相談をする。 キャラも立っているしミステリも面白いが数理論理学が難しい。 井上真偽デビュー作、ものすごい意気込みを感じる作品。
0投稿日: 2025.11.02
powered by ブクログミステリーとしてはおもしろかったし、シリーズの探偵が出てきてよかったけど、述語論理の記述がついていけず読み飛ばしてしまった。ある程度理解できる人じゃないと楽しめないかも。
0投稿日: 2025.10.20
powered by ブクログ井上真偽さんのデビュー作。 数理論理学という聞き慣れない学問を使って、事件の推理が正しかったのかを検証する、という話。 難解な数式というよりは、命題や論理の記号を駆使して、推理を数式化しており、恐らく多くの読者には理解できない部分が多かったと思う。 (私も含めて) しかし、敢えて井上先生はそれを分かって本作を書いており、主人公の大学生も高度な説明に全くついていけていない、という形で読者の理解のハードルを同じレベルにしてくれている。 また、各章の話が最後に繋がりを見せる部分は、私の大好きなどんでん返しの要素もあり、とても良い気分でひっくり返されてしまった。
12投稿日: 2025.08.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初めての方の作品!これがデビュー作とのこと。あまりにも数学の単語の嵐に溺れかけたけれど、わかった気がしたつもりで読み進めた。数学の論理だけで事件を解決するという方法にもびっくりしたし、作中に現れる探偵たちもめちゃくちゃキャラが濃い。こんなに名探偵がわんさかいる世界で犯罪とかしたくない…と思った。ただ叔母と甥の関係はどうなのって思ったけど恋と禁忌の、とタイトルにもあるしそういうことなんだろね。ラストの展開にはめっちゃびっくりした。面白かったけど、個人的に軽い気持ちでおすすめできないかな…。
0投稿日: 2025.07.07
powered by ブクログなんとも不思議な読後感。論理学の講義を含みながらもコメディタッチな描写で進む変化球な傑作ミステリーと思って読んでいたのだが・・・。 硯さんのキャラクター設定はとびきり面白いのだけれど、主人公とゆりの関係性が今一つ腑に落ちないのと、最後に明かされる主人公と硯さんの関係性についても寝耳に水すぎた。総論で言うと、変化球を狙い過ぎてすっぽぬけてしまったボールのような印象が残った。もっとストレートな結末で十分に面白かったのに。 いろいろと語られない含みが多すぎて置いてけぼりにされた感がある。 ただ、硯さんが言う「いや、いいか。動機なんて、別にどうでも」という言葉は、この言葉自体にこの物語の含みが込められていると同時に、その含みを取り去った上でも、この世のひとつの真理を言い当てている深い言葉だなと感じ入ってしまった次第です。
0投稿日: 2025.04.08
powered by ブクログメフィスト賞受賞作の論理学を駆使した推理小説。 探偵の推理が本当に正しいかを数式に当てはめて“検証”していく。 一章目から数式がでてくるので、うへえと思いながらも、とりあえずの斜め読みでも楽しめた! 各章で感じた違和感も最終章できっちり解決。 楽しめたが外連味溢れる上苙シリーズの方が個人的には好きかなと思いました。
6投稿日: 2025.03.10
powered by ブクログこの作品の主人公しかり、硯の論理式やらなんやらをばっちり理解できた人間の方が少ないだろう、いや少ないに決まってる。それは置いといて、面白い作品だった。特にタイトルの意味の判明やら伏線回収やらがここまで鮮やかなのは久々かもしれない。伏線についてはある箇所に違和感は少しあったもののそれが最後にああいう風に絡んでくるとは想像もしてなかった。
0投稿日: 2025.02.22
powered by ブクログ『姑獲鳥の夏』を読んだ時と似た衝撃が走った 何処かと言われればレッスンⅡに出てくる直観主義論理のところ これがどう面白いかは是非読んで確かめてもらって 何より、今までの探偵小説を超越(メタ)した推理が面白かった 論理学自体にも興味を持ってきた
0投稿日: 2025.01.03
powered by ブクログなるほど分からん! 数理論理学難しい 上苙丞シリーズかと思いきや上苙が登場するのはほんの一部分 主人公は天才論理学者の硯さんと詠彦 詠彦が解決済事件の内容を硯さんに話、硯さんはその事件の真偽を判断するという安楽椅子探偵さながらの推理をしていく またその推理の過程に数理論理学を用いるという一風変わった物語の展開がされる が数理論理学の内容が難しすぎて、さながら詠彦と同じ状態だった 巻末資料もなんのことやらさっぱり笑 ラスト付近にどんでん返しもありで物語自体は面白いので記号や符号の羅列が苦じゃないよという方はおすすめ
0投稿日: 2024.12.09
powered by ブクログ文系なので主人公と同じ目線で硯さん何言ってんだと思いつつ読み進めた。(主人公は一応理系だけど) 文系にも分かりやすい例題のくだりは笑ったし、色んな場面でちょいちょい笑わせてくるので楽しく読みやすかった!
0投稿日: 2024.12.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
おもしろかった。 この作者の著作を初めて読んだが、登場人物や設定や文体がラノベで、そうと知らずに手に取ったので驚いた。 トリックが主人公の創作、かつ他の探偵の推理後に手を加えている、という設定のため仕方がない部分があるとはいえ、 述語論理云々をことさら持ち出す必要がない(それらを無意識に含んだ日本語のレベルで説明可能)と感じてしまった。自分の理解が至らないだけかもしれないが。 アイデアと、挑戦と、それで1冊成立させていることには大拍手。
0投稿日: 2024.08.29
powered by ブクログほんタメでおすすめされていたので、読了。 初めての作家さんのため、ハマるかどうかわからなかったけど、楽しく最後まで読めた! ミステリ短編集。3篇+最終章という感じ。 主人公の僕が、論理学者(?)の叔母にすでに解決した事件の推理が正しかったのか検証を依頼する形をとった多重解決もの。 短編の最後に「あれ?」と違和感の残る形で終わり、多分それが最終章に解説されるんだろうなぁとは思いつつ、そういうことか!と良い意味で裏切られて面白かった。 少し論理学の説明が長い&難しいので、ちょっと読みづらいところはあったかも。 そのあたりはその後の本で改善されたとあとがきに書いてあったので、他作品も読みたいなと思った。 あと、叔母のキャラが一昔前のラノベな女キャラみたいできつい。論理学の説明より読んでて苦しい。女性の解像度が低くて気になっちゃった。
0投稿日: 2024.08.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
気にはなっていたから意を決して読んでみたらやっぱり難しかった。 斜め読みした箇所もしばしば。。。もちろん頑張ってついていったけども完全に理解したとは言えない。1〜100まで楽しめたとは言えない。無念。 とはいえこういう、動機度外視の「探偵の推理の検証による真相解明」を可能とする数理論理学ミステリーは新鮮だった。 また、物語が「レッスンⅢ」までで終わっていたら星2だったけど、最後のエピローグのおかげで+星1。「なるほど。そういうことだったのか」と、ミステリっぽく終わってくれたのが良かった。 「トリプレッツ」の使い方もオシャレかつ伏線だったとはね。 3番目に登場した探偵一派のキャラが濃ゆくて浮いていて、そんなキャラ立ちし過ぎている探偵の推理に間違いがあるのかと読みながら漠然と思っていたところにラストのタネ明かし。まんまとやられました。 恋の顛末は気になるようで、もう答えはでているような気もしていて、もし仮に今後硯さんが再登場することになっても手に取るのは躊躇ってしまいそう。
2投稿日: 2024.08.03
powered by ブクログ探偵が既に推理したトリックが実現可能かどうか、数理論理学を以て検証するという珍しい小説だった。 テーマが難しいので、もっと読むのに時間がかかるかと思っていたけれど、地の文の軽さや、キャラクターのコメディ感でバランスが取れているのかテンポよく読めた。 有識者が読んだらどうコメントするのかわからないが、数理論理学に興味を持つきっかけになる一冊だと思う。
9投稿日: 2024.04.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
p.161 謎中毒者 (addicted to riddle) 面白かった!のめり込んだ! けど最後に実は親戚では無かったオチはいただけない… そこはもう本当の甥と叔母でいいよ タイトルに禁忌のって書いてあるし
2投稿日: 2024.03.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
昔読んだのを忘れて再購入、2度目の読了。 恐らく硯さんの説明は半分くらいしか理解できなかったけれど笑、面白かった。 自分の知らない考え方の存在を知れたり、論理の不備の説明に納得出来たり、謎解き以外の面でも楽しめた。 各事件の話のあとに感じた若干の物足りなさの理由が最後に明かされて納得。 登場人物がリアルさには欠ける部分はあるけれど、キャラを立ててその個性含めて楽しむお話だと捉えたので個人的にはそんなに違和感もなかったかな。 最後の最後に気になるお話も出て来たので、そちらの真相も知りたいところ!
0投稿日: 2024.03.31
powered by ブクログネットで面白いと紹介されていたので読んでみたけど、文体が受け付けなくて最初の50ページくらい読んだところで辞めてしまった。 なんだか中学生が初めて小説を書いてみたみたいな稚拙な文体で、共感性羞恥がはたらいてしまった。 最後まで読んだら面白いのだろうか…。
0投稿日: 2024.03.24
powered by ブクログ名探偵が披露する名推理に潜むバグを瞬時に見抜く天才学者 4つの事件とエピローグで明かされる本当の目的で二重構造のミステリー がっつり「数理論理学」の難解な講義を読む…ことをクリアできるかできないか…それが問題だ □P:この本を最後まで読めたらクリアできた True or False
6投稿日: 2024.02.14
powered by ブクログそうか、これもミステリなのか…というのが正直な感想。これまであったような、事件が起こって探偵が謎を解決して…そこで終わるのではなく、さらにその探偵の推理が正しかったのかどうかを論理学的に証明する――はぁ~よく考えますねと感心(^^; 超ド文系のワタクシ、数式を見て一瞬ぎょっとしましたが、論理学初心者の主人公がストーリーテラーであるのでちゃんと解説もあって、結構面白く読めました。文庫版を読んだんですが解説にもある通り、中編3編をエピローグが串刺しにする構図――これはお見事です!ていうかコレ、続編あるんですよねっ⁈
0投稿日: 2023.11.22
powered by ブクログ難しかった…! 肝心要の部分は分かりやすく説明してくれているので、誰が犯人でどういうトリックを使って〜というのは分かるし、硯さんや詠彦くんのキャラも良いのでとても面白い。 でもそこに至るまでの硯さんの講義が、理系に妙な憧れがありつつも、まったく理系ではない私には難しかった。 きちんと理解しつつ読み進めるためには、しっかり腰を据えて、ノートをとりながらでないと無理だなと思います。 いずれリベンジしたい。
0投稿日: 2023.10.08
powered by ブクログ著者のデビュー作であり、第51回メフィスト賞受賞作。 自分は文系の人間なので、作中に登場する大量の数式には眩暈を感じたが、しっかりと説明がなされるので、特に困らなかった(理解したとは言ってない) 理系ミステリは多数あるけど、理系っぽさの演出を、蘊蓄などで表現するのでは無く、謎を論理学の公式に当てはめて解いていくというのは、斬新だった。 最初2つの話は正直なところ、ビミョーな感じだったが、3話目は雪の山荘の足跡の謎という、クラシカルスタイルで、トリックも面白かった。 そして3つの話が終わった後に判明するとある真相は驚かされました...! 読み返すと、しっかりフェアに書かれてるんですよね〜、しっかり騙されました。 次作の「その可能性はすでに考えた」は本作に登場したウエオロ探偵がメインとなるみたいですね〜ウエオロ探偵のキャラも好きですが、硯さんもいつか出てきて欲しいなぁ〜
7投稿日: 2023.08.23
powered by ブクログミステリ小説と思って読んだら難しい数式が立ち並び読者を数学論理の世界に引き摺り込む世にも珍しい小説だった。内容もちゃんと練られており、ジャンルとしてはミステリになると思うが所々に出てくる専門用語(シークエント計算とかもはや読者に分からせる気ないやろ!)の内容が全体の3分の1くらいを占めていてメフィスト賞も頷ける奇天烈な内容であった。この著者はもはや小説ではなく学者とか違う分野でも成功できるのでは?次作のその可能性はすでに考えたも最高に面白いのでまだ読んでない方本書も合わせては是非読んでみてほしい!
1投稿日: 2023.08.15
powered by ブクログ「推理」でなく「検証」。 始めは「?」でしたが、読み進めていくうちに、なるほどと唸りました。 解説にも書かれていましたが、数式とか出てきて、ド文系の僕からしたら「うっっ」ってなりかけましたが、それでも読み進めていくうちに、ちょっとずつ分かるようになりました。 そして何より面白い。 難解なトリックを見破ると言うのがミステリの王道で本書も同じですが、アプローチの仕方が今まで読んできたミステリと全然違う。 数理論理学的に矛盾する部分を分かりやすく、整理して数式にしているのがすごく面白い。 硯さんに惚れました。 井上真偽さんの作品はまだ『その可能性はすでに考えた』を読みましたが、すごく作者の頭の良さが滲み出てました。 圧倒的な知性で読者をボコボコにするのですが、それでいて分かりやすいし面白い。 大好きな作家さんになりました。
1投稿日: 2023.07.23
powered by ブクログ天才数論理学者が甥っ子の相談で、名探偵の推理によって解決された事件を検証していく話 話の中に数論理学による検証シーンが多用されるので苦手な人は読み進めれないかも… 文体自体は割と素直で読みやすくなっていて、トリックや話の展開も唸るほどのクオリティなので、ミステリ好きの人は一見の価値あり!
0投稿日: 2023.06.22
powered by ブクログもっと評価されていい。 後にも先にもこんな推理を見せてくれる作品は無いのでは。 恋愛要素のところで若干の取っつきにくさを感じたが、オチで腹落ちさせてくれる設定も妙で、感服。 シリーズ化を強く望みますが、難しいのかなぁ。 本当に読んでいて楽しいのが素晴らしい。変にセンセーショナルな展開で釣るのではなく、平々凡々な進め方をしているのに常にポジティブな場所へ読者を連れていってくれる才能が素晴らしい。
0投稿日: 2023.06.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
むずい。推理の時に論理式とかいろんな定理が出てくるけど、それが難しくて理解できない。それでも、物語は面白くて最後のどんでん返し?も気づく要素が散りばめられていて上手だなと思った。
1投稿日: 2023.04.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
動機フル無視の検証がとても面白くて、かっこいい。 数学の専門用語がたっっくさん!理系にはたまらん! 難しいからそこは理解できないけど、最後まで面白かった。 キャラクターも良かった。 まさかの結末に驚き
5投稿日: 2023.01.29
powered by ブクログ91点:僕が絶対不変の事実と信じていた公理が今、形を変えた。 天才的な伯母に探偵の推理があってるか検証してもらう主人公。そもそもなぜ検証してもらうのか?圧倒的傑作!
0投稿日: 2022.11.28
powered by ブクログ「数理論理学」という理論を用いて事件を解決していくミステリー。 短編が数本あって最後まで読むと…という形式で進んでいく今では珍しくない構成になっている。 事件の解決に一役買う数理論理学は、ざっくり言うと高校数学で習う「AならばB、BならばA、これは真か偽か?」みたいなやつの進化系だが、これを事件に落とし込んで理解するのが難しい。一応数理論理学をあまり知らない登場人物も存在していて、その人のために解説する体で読者にも説明がなされているが難易度は高い。 ミステリーとしては変わり種なので、合わない人もいるかもしれない。
0投稿日: 2022.10.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
数理論理学という聞きなれない分野も、文中の掛け合いや噛み砕いた説明である程度は理解できました。(巻末資料の詳細部分は諦めました・・・) 推理を検証するという形式も面白かったです。
2投稿日: 2022.10.19
powered by ブクログすずりさんのような真をもった女性、、、憧れます。頭が良いのに、、、ギャップが愛されキャラなのかなぁと。
0投稿日: 2022.10.09
powered by ブクログ理系の教科書のような小説。 文系の私には難しかったですが、だんだん説明も理解できるようになり、理系のおもしろさを少し知る事ができました。 推理で止まらず、それが真相かを数理論理学で検証する。 今までにない新感覚でおもしろい発想のミステリーです。
5投稿日: 2022.07.13
powered by ブクログ#読了 「その可能性はすでに考えた」の上苙が最初に登場するのがこの本でしたということで読んでみたんだけど、実に面白かった。推理を紐解いていくツールが自分には馴染みがなさすぎるものだったために「何を言っているんだ?」と思う場面は多々あったものの、詳しくはわからないけど納得はできる内容。探偵役の硯さんのお話、もっと聴いていたかった。
0投稿日: 2022.07.02
powered by ブクログ硯さんと詠彦くんの掛け合いが非常に魅力的で面白い作品でした。また、ある解決済み?の事件に対して別の角度から検証するということが新鮮でした。 最後は、「そういう事だったのか!」と安心させてくれると共に納得する作品でした。
0投稿日: 2022.06.30
powered by ブクログ【これは、推理ではなく検証】 探偵たちが解決した事件を、天才美人数理論理学者がひっくり返すミステリー。 “数理論理学”に全く触れてこなかった身としては難しかった。論理学の説明箇所に関しては斜め読みだったが、解決した事件を数理論理学の観点から検証し直すという構成が新鮮で面白い。 また、全体としてはライトな文章なので数理論理学の難しさをカバーしている。 数学が得意なひと、論理学に明るいひとはもっと楽しめるのではないかと思う。 作品に登場する1人の探偵がメインの物語『その可能性はすでに考えた』も出ているので興味のあるひとは読んでみてほしい。 本格ミステリーを楽しみながら、読了後はなんだか頭が良くなった気分を味わえる1冊だ。 こんな人におすすめ ・数理論理学、数学が好きなひと ・本格ミステリーが好きなひと ・安楽椅子探偵ものが好きなひと ・どんでん返しが好きなひと
1投稿日: 2022.05.20
powered by ブクログ探偵が解決した事件を、数理論理学で検証する、というのは新しく面白かったです。 ゲーデルの不完全性定理、ウカシェヴィチの公理、バナッハ=タルスキの定理など…ちんぷんかんぷんでもさすが東大、わからなくても十分楽しめました。 日常に数学を、こんなに生かせるとわかれば高校時代にもう少し勉強してたのになあ…
3投稿日: 2022.05.14
powered by ブクログ探偵の推理を検証するメタ探偵・数理論理学者の硯と、甥の森帖詠彦コンビが活躍する連作短編集。 それぞれの短編に登場する探偵たちも超個性的な曲者ばかり。 連作短編ならではの全体におよぶ最後のもうひとひねりもお見事(ひっかかりも雲散霧消)。 解説にも書かれていたが本書の目玉である「数理論理学」による検証が難解で、その過程にカタルシスがないのが玉に瑕か。 著者の作品は本書以外にも読んでいるが、ラノベ的会話のやりとりにおけるユーモアセンスがずば抜けていると思う。一度たりとも浮いてしまったり、すべってしまった場面に遭遇した記憶がない。
3投稿日: 2022.03.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一回名探偵によって解かれた事件を数理論理学者がその学問的知識を活かして検証し、新たな真相を暴いていくという多重解決ミステリ。 とにかく設定だけで大勝利でしょ!数理論理学によってひたすら、論理の構成に間違いがないかを起点にしていくというのは外連味あって良し! 対する探偵側も、事件を動機から推理していく本職が花屋探偵やPDCAサイクルを回すことで真相を暴く探偵、そして「その可能性は既に考えた」にも出てきた神の奇跡を証明したい探偵など、キャラも推理方法も濃くてこれまた良し。 事件自体は突飛なわけではないけど、論点がはっきりしていて、それが見え方によってクルクル様相を変えるのはミステリの醍醐味だなあと。 ただ一点気になったのは、主人公の女性の年齢や未婚を揶揄するような描写や性的マイノリティへの偏見を強化しそうな描写などが随所に見受けられて、そういったものを扱う手つきの雑さは結構嫌だった。 それを差し引いても面白い作品ではあったけど、苛立ちを感じる人も多いんじゃないかな……
0投稿日: 2022.01.18
powered by ブクログ数理論理学って日常でもめちゃくちゃ使えるかもしれない! と思ったけれど、このレベルになるまでどれくらいかかるんだ。 既に解決した事件を数理論理学で検証するという、今までにないミステリ。
0投稿日: 2022.01.08
powered by ブクログ論理学による推理の検証という面白い切り口の推理(論理?)小説。3+1編の中編で構成され、各中編に現れる探偵役たちと全編通して登場する論理学者・硯の探偵交代ものがおもしろい。推理を論理で検証する過程は、読者のこれからの推理小説の見方を多面化させてくれそうな見え方だった。
0投稿日: 2021.12.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いくつもの事件を解決ではなく、論理学を用いて「検証」していく。ミステリーとしては安楽椅子探偵ジャンルだろうか。 硯さんが頭良すぎるし論理式を理解しなから読むのはかなり難易度が高いが、読み物として大変面白く、それぞれのキャラクターも立っていて楽しく読み進められた。 事件の中での主人公が少し阿保になってたのも納得のエンドであった。
0投稿日: 2021.12.11
powered by ブクログちょっと変わった小説 論理数学が題材になっているので式とか理論の話がいっぱい 作中に出てくる問題を一緒に考えながら読めて楽しかった 理系の端くれとしてちゃんとペンと紙で硯さんの発言を理解しようと努めながら読んだ ストーリーのオチが2段になっているというか、2筋ある感じで続きが読みたくなった 現時点ではないみたいだし、別作品で有名になった方のようだけど…… でも新鮮で楽しい読書体験ができました 手を動かしながら読める小説っていいな…!
1投稿日: 2021.09.30
powered by ブクログ最初から最後まで徹頭徹尾、女性蔑視(正確には若くないor美人ではない女性に対する)がすさまじくて読んでいて不快だった。そう感じるのは私が若くない女性だからだろうか。内容は普通、というか、キャラクターの気持ち悪さと不快な表現に気を取られて内容そのものを落ち着いて楽しめなかったのかも。この作者の本は二度と読まない。
1投稿日: 2021.08.31
powered by ブクログ美しい叔母に恋にも似た思いを抱いている大学生、詠彦。 彼は叔母に相談に来た。殺人事件の解決に関する検証について。 若くして数理論理学の天才として大成した叔母、硯。 彼女は検証し、真実を導く。 なるほどこの手があったかーってカンジですね。 ただしこの検証が成り立つのは、「正解に見える推理が存在していること」。 つまり、このお話には最終的に真実を断ずる硯サンの他に有能な探偵が必要。 ということで、なかなかヒネった推理をさらに検証するという二重構造。贅沢。 難関は「数理論理学」の講義少々。 ま、多少なりともこの講義をかじってルールを把握しておかないと楽しめないですから、仕方ないですが、なかなかハードゥ・・・・。 んで、このルールに慣れたころ(=ラスト)にやってくる〇〇〇〇〇〇。 お楽しみのために伏せておきます。 ふぉーっと感心して読み終えました。 頭が冴えているときにオススメ。
4投稿日: 2021.05.29
powered by ブクログミステリと数理論理学を融合させた作品 僕も論理学をはじめて学んだたときに、好きなミステリのロジックを論理学で分析したことがあります(え? やらない? やるよね) 論理とは、形式のことであり、中身ではありません これはミステリでも同様 ミステリのロジックも、数理論理学で分析可能です 事実というジクソーパズルのピースを結び付ける糊(のり)の部分がロジックなのです したがって「ミステリのロジックは数理論理学のロジックとは違うよね」という意見には反対します 三つの事件が収録されていますが、事件そのものはこの作品の重層構造ゆえか「小ぶり」です またトリックもたいしたことないです(「トリプレッツ」のトリックは面白いですが) しかし本作の魅力はやはりトリックよりもロジック、数理論理学で推理を分析するところにあると思います というわけで一般的にはどうかわかりませんが私好みの作品でした
1投稿日: 2021.04.13
powered by ブクログその可能性は既に考えたの始まりの物語! とは言うもののオッドアイで頭脳明晰!そして借金まみれの探偵 上苙丞! 今回も理路整然と全てを否定し一番正しい答えを導き出したかと思いきや・・・ 本作の主人公は森帖詠彦、殺人事件に巻き込まれやすい大学生! 彼は個性的な探偵達が解き明かした事件を叔母の硯さんに相談に行く!? 硯さんはかなりの資産家で童顔の美女で論理学の申し子!少ないヒントで最適解にたどり着く安楽椅子探偵!!? 詠彦君が持って来る解決済みの事件を硯さんが検証すると言う新しい構図のミステリー! 本シリーズはギャグ漫画のようなコミカルさが有りテンポが良い、しかし論理の問題は・・・
3投稿日: 2021.04.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
衝動買いしてすぐに読了した。 巻末の解説にもある通り、本書のかなり独特な点は、数理論理学を盛り込んでいることにある。理解が間違っているかもしれないが、公理(前提)と推論規則(考え方のルール)が与えられれば、おのずと結論が導き出される。ここで「公理」とは、個々の状況や事情などを捨象して、記号化していても成立するというものである(と思う)。 最初想像していたのは、数理論理学を援用すれば、現実の事件においても、事実に数学の公式のようなものを当てはめるだけで答えが導出できてしまうのだろうか、だとしたらすごい!と思っていた。ただ、実際には、「公理=前提となる事実」にそれぞれ推論規則を当てはめていっても、予想外の結論に達するということではなく、むしろ、前提から導き出せたことを数式により追認するといったような手法で用いられていた印象だった。 というのも、「公理=前提となる事実とは一体何か」を確認することこそが、推理小説の面白さなのであって、読者にとっての推理の意外性とは、「一見前提のように思われても、実はそうではないのではないか」が明らかにされる時に感じられるものなのではないだろうか。 前提が正しければ、論理的に結論を出せるのは自明だが、「前提」が何かを確定させるのは、やはり個々の事例によるのではないだろうか。トリックはこの段階にこそ有用なのであって、硯さんの反証も、結局のところ、従来の推理小説のように、具体的な状況から推測した「前提となっていること」の誤りを指摘しているということになると思われた。 以上は、自分の理解が誤っていれば全くの見当はずれかもしれないが。。 だが一方で、やはり巻末の解説にもあるように、だからといって本書のユニークさは損なわれない。各章は「レッスン」の文字通り、数理論理学の入門の入門のような知識も得られる。それこそ、具体の事件の内容に即した形で、数理論理学の概念(対偶、排中律、様相論理 等)をうまく関連づけて紹介している本書は、著者の独特かつ優れた知性のなせるものと思う。 要するに、面白かった。続編が読みたい。。しかし論理学の面の下準備も必要だろうから、すぐには続刊は出せないのかもしれない。数理論理学にこだわらなくてもいいので、このシリーズの続刊を出してほしいなと思った。 正直なところ、同じ著者の「その可能性はすでに考えた」は、かなり以前に購入したものの、冒頭で、本書第3章にも登場する探偵たちのキャラクターにやや構えてしまい、そのまま積ん読になってしまっていた。 その点、本書の探偵役の硯さんは、私にとっては、容姿端麗、隔絶した知性、不遜でありながらどこか世間ずれしたところなど、テンプレートと言えばそうなのかもしれないが、探偵役としては満点に近かった。 そもそも、探偵の人物造形は、そのミステリの評価に決定的な影響を与えるものではないのかもしれない。やはりミステリは、謎解きの発想の大胆さとか、緻密な伏線とその劇的な回収とか、波乱に満ちたプロットなどが評価の決め手になることが多いと思う(もし、そうではなく、探偵のキャラクターだけがミステリの評価に直結しているようなら、それはミステリとしての評価なのかどうか)。 ただ、あくまで個人の感想だが、探偵の存在は、そのミステリに安定感をもたらすように思う。探偵が登場することで、推理小説の伝統的枠組みを遵守していること(?)もわかるし、もし探偵の人物像が気に入らないと、そこに関心がいってしまって楽しめなくなる。
2投稿日: 2021.04.06
powered by ブクログ(数理論理学…センター数学I Aの、数問しかないくせにやたら面倒臭いアレか…)という感じで読んでいくと、他の探偵役キャラが普通のぬるめミステリならこれで一本話が書けるし話収まりますよねー的な推理を見せた後に、どんでん返しが待っている。 「理解出来たら面白い」系ミステリとでもいうか鯨統一郎作品あたりを初めて読んだ感覚に近い、読む人を選ぶだろうなー、な作品。各エピソードごとに個性豊かな探偵役が出てくるのでそこをうっかりすると日テレあたりが土曜ドラマ枠で実写化したがるんだろうなあ、だけれど絶対に数理論理学パートが雑になるのが目に見えるのでやめていただきたい。
0投稿日: 2021.04.05
powered by ブクログこれまた新しいミステリー! 数学の証明を使って矛盾点を解き明かす話なので、 謎解きというよりは考察。小説というよりはレポート。 だから数式とかじゃんじゃん出るので、 さっぱり理解できないまま進めていった。 詠彦くんも読者とおなじ疑問を硯さんにぶつけてくれるから 少しは読みやすくなったけど。 作者は本当に頭がいいんだなと感心する。 ラノベっぽいキャラと展開もあったけど、ご愛敬ということで。 続編出たら読みたい。
0投稿日: 2021.03.29
powered by ブクログラノベ並みに軽めなミステリー…なんだけど、帯にあるように「推理」ではなく「検証」 超理系脳の安楽椅子探偵。 私の脳みそでは理解できない検証だったので、この軽さがちょうどよかった。 途中まであった不完全燃焼感は最終章でしっかり回収。おすすめです。
0投稿日: 2020.11.12
powered by ブクログ一旦は探偵役の推理によって解決したかのような事件を、数理論理学でその推理の欠陥を指摘して別の真相を暴く、といった内容の作品。 論理学の部分は流し読みしてしまいましたが、それでも言いたいことは何となく理解できるので、拒絶することなく楽しめました。 せっかく素晴らしい独自性を持っているのに、硯さんに変なキャラクター設定をしてしまったせいでラノベもときの作品になってしまったのが残念です。 「その可能性は...」もそうなので、若い人に売れるためには仕方がないのかな。
0投稿日: 2020.10.19
powered by ブクログ数理論理学という方法で推理をしていく、なかなか斬新な作品。全く解き方はわからないけれどどこか納得出来て不思議。 読後のめちゃくちゃ頭使った感は凄い
0投稿日: 2020.09.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
探偵が解決した事件を「数理論理学」で「検証」する。何のことやらさっぱりだけどわりと好き。 ときどきふいに挟まれる、官能小説みたいな?(読んだことないから知らんけど)描写も面白い。
0投稿日: 2020.08.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いやー面白かった。藍前あやめ、中尊寺有、ウエオロ、そして硯さんが一堂に会する作品がいつか出たら楽しそうだなぁとか。数理論理学はほとんど理解できませんでした。ただ個人的に嬉しかったのが、ウエオロが登場する双子の事件の真相に気づいたこと。まあ、そう推理した理由はまったく当たってなかったので当てずっぽうに近いものでしたが。
0投稿日: 2020.05.30
powered by ブクログ井上真偽先生の作品を初めて読みました。 とっても面白かった! 1つの作品に対してここまでトリックとそれに対する推理(今回はさらに検証)を取り込んだものは他にあまりないと思います。 まさに井上真偽ワールド全開って感じ! 個人的に好みの作品でした。 是非硯さんの再登板を!
0投稿日: 2020.03.21
powered by ブクログ面白かったー!内容は所々「日本語でおk」と言いたくなるぐらい難解な個所もあったけど全体のオチも含めて面白かった。事件のトリックはどれもそんなに難しいものではなかったけど(最初のやつは実際すぐにわかったし)それを論理的に証明するというのはなかなかに愉快な企み。探偵役である硯さんの活躍をまた見たいなぁ。
0投稿日: 2019.10.15
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メフィスト賞受賞作とのこと。 ・先に「その可能性~」「探偵は~」らの方を読んでいたので、フーリンと上苙にまた会えるとは思わなかった。キャラにブレがない。素晴らしい。でも助手の人がいたとは……彼女がどこに行ったのか気になる。 ・ロシアのお菓子おいしそう、プリャーニキ作ってみよう。 ・作中にノックスの十戒の引用パロがあるのだけど、その向こうを張る意味でフーリンを登場させたのだろうか。レナードの十原則に、作品の冒頭に天気の話をもってこない、というのがあるが、まさに全編これで始まるしなぁ……考えすぎ? ・しきみ=しきびの事だったのか。漢字が一緒なんだからそりゃそうなんだろうけど、関西の方言とは知らなかった。どこのスーパーにもしきびって書いてるから。 ・連作短編のようで最後に覆される。まあ言われてみればそうかもしれないけど……渋々、みたいな。ドラマのなかで「ドラマみたいな展開よねー」と言われているような。 そんな複雑な気分になりもしたけど、佳多山さんのおっしゃるように井上真偽はやっぱり面白い、氏の作品は全部読みたいと思う気持ちに変わりはない。次の新刊まだかな。
0投稿日: 2019.06.03
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上苙丞シリーズの3作目かと思っていたのですが、青髪の探偵はなかなか登場せず、新シリーズかな?と勘違い……しかけたところでようやく登場し、安心。 しかし、1章と2章(レッスンI、レッスンII)に登場する花屋探偵とオラオラ女探偵、そして主人公格の硯さんも個性が強烈。彼らの言動を見ている(読んでいる)だけで十分面白く、上苙は元は本作からのスピンオフだったらしいので、先の3人を主人公にしたシリーズが出てもおかしくないと思うほど。 何より数理論理学を用いての推理が新鮮で良いですね。著者が大学時代、専攻していたんですかね。他の作家には書けない内容かと。 検証の内容は十分に理解できていない(十分どころか、十分の一も理解できている自信はないです(涙))のですが、上苙シリーズ前2作に登場したキャラに劣らぬインパクトの登場人物たちと意外過ぎる真相に、十二分に楽しませてもらいました。
0投稿日: 2019.04.06
powered by ブクログ殺人事件の推理に論理学を使う。論理学に慣れ親しんでいない人には何のことかわからないだろうし、私のように少しは理解できる人間には、わざわざ論理学を持ち出す理由が謎。損をしている作品だと思う。バカミスだと思えばいいのか。結末はとってつけたようだった。
0投稿日: 2019.03.30
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本作は、第51回メフィスト賞を受賞した井上真偽さんのデビュー作である。存在は知っていたものの、何となく読まずにいた。それというのも、本作には数理論理学が絡んでくるからである。文系のみならず理系の読者も敬遠したのではないか。 井上さんが人気を確立したのは『その可能性はすでに考えた』以降ではないだろうか。あまりにもとっつきにくいデビュー作。自分は数理論理学は大学で習った記憶があるが、古典論理まで。直感主義論理とか様相論理とかはちんぷんかんぷん。 探偵役は主人公の叔母。一言で言えば天才で、現在はセミリタイア中という身。相談に行くと、彼女は数理論理学の立場から事件を紐解く。彼が持ち込む事件は、別の探偵役によりとりあえず解決済なのがミソ。天才に見えてくる事件の姿とは。 レッスンIはまだ初歩的だが、先に進むほどレベルが上がり、普通に推理してくれよと言いたくなる。本作の個性が、数理論理学を駆使した推理にあることは、重々承知しているし、この天才探偵にとっては普通の思考プロセスなのだろうけど。 数理論理学の理解をごまかしてしまえば、3つの事件の構図や背景は大変興味深く、本格として十分に面白い。それぞれ長編化も可能なのではないか。1作品に詰め込んだ理由は、最後にわかる。各編この長さだから何とか読めた気もするが。 レッスンIIIに至ると、おや? こんなところで出会うとは。デビューから読んでいるファンには、ただの変人に映ったかもしれないが、自分にとっては嬉しい驚きだった。数理論理学が高度すぎるだけに、ほっとしたと言ってもいいかもしれない。 最後の進級試験。……。天才にはすべてお見通しだったわけである。凡人の自分にはわからないが、学問に没頭するというのは人間らしい行為だとは思っている。かつてない探偵役は、ある意味最も人間らしい探偵役かもしれない。 自分に進級は無理であることはわかった。文庫版解説では再登場を熱望されていたが、さて需要はどれだけあるのか。メフィスト賞ならではの作品には違いない。
0投稿日: 2019.03.13
powered by ブクログ甥から聞いた事件の話を叔母が数理論理学を駆使して安楽椅子探偵の如く事件を検証する。 叔母と言っても二十代の才媛かつ美人と来ているので主人公は恋心を持つ。それが本作のタイトルに由来しているのかなと思いました。最終章では今までの事件の伏線を見事に回収。数学の話は難しく理解できない部分もありましたが、きちんと分かりやすく解説してくれているので、良かったです。ふたりのやりとりもなんだか楽しい。 論理的な話でついていくのも大変な部分もありましたが、アプローチが斬新で特に数学が好きなひとには楽しい一冊だと思います。
0投稿日: 2019.02.24
powered by ブクログ数理論理学による検証で名探偵達の推理を覆す訳だが,推理の検証の検証を読者に託すということは,読者を選ぶということであり,一般的なエンターテインメントとしては成立し得ないことを筆者自身が提示している.それを否定するつもりはないが,閉じた世界に汎用性はないのではないだろうか.
0投稿日: 2019.01.28難解な数学は置いといた方が良い
読むために勉強するには理系でもちょっと時間が掛かります。なので数式部分はさらっと読み進めましょう。 「探偵の推理を安楽椅子探偵が読み解く」+「安楽椅子探偵は数学を使う」基本はこれを面白いと思うかです。中には安楽椅子探偵の推理を安楽椅子探偵が数学で検証するなんて、入れ子構造になっちゃう話しも。 トリックというより、謎解きを二階建てにしなきゃいけない構造上、アラが目立ちます。ところがそのアラは実は、、、って最終話でそうやっちゃいますか。 いろいろ騙された感がありますが、硯さんと詠彦くんのそっちの方にばかり気持ちは行っちゃいます。もう面倒なんで、二人のラブコメを別に書いてもらえませんかね。
0投稿日: 2019.01.24
powered by ブクログ難解な話である。 論理学でミステリを解くお話。 謎を持ち込む大学生の甥っ子の真の狙いが明らかになったとき、新たな物語が始まりそうな予感がする。 メフィスト賞受賞作品。
0投稿日: 2019.01.15
powered by ブクログ著者デビュー作にして第51回メフィスト賞受賞作の今作だが、名状しがたい世知辛い理由により3番目に文庫化される運びとなった。 三者三様の事件とその解答を検証していく今作。 正直普通にめちゃ面白なのに、不人気らしい。なぜ……。 花屋探偵メインで1本読みたいし、女子大生探偵メインで1本読みたいし、硯さんの正体も気になる。 こんなに読みたい要素満載なのに、全て放置して青髪探偵をシリーズ化してしまってしかも大人気。いや面白いけれども。 是非ともですね、青髪以外の作品を書いて欲しいものですね。
0投稿日: 2019.01.10
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○ 総合評価 ★★★★☆ 〇 サプライズ ★★★☆☆ 〇 熱中度 ★★★☆☆ 〇 インパクト ★★★☆☆ 〇 キャラクター★★★★☆ 〇 読後感 ★★★☆☆ 〇 希少価値 ★☆☆☆☆ 論理学で「探偵」の推理を検証するという一風変わったミステリ。正確にいうと、「レッスンⅠ スターアニスと命題論理」では、探偵役の藍前あやめは、妹である藍前ゆりを納得させるために「過失」であるという強引な推理をしている。「レッスンⅡ クロスノットと述語論理」と「レッスンⅢ トリプレッツと様相論理」では、それぞれ森帖詠彦が考えた完全犯罪を検証してもらっているという構成となっている。よって、名探偵による推理を検証するというとやや語弊があるが、作品の構造としてはまさに「名探偵の推理」を「論理的に検証」している。 構成は非常に面白い。まずは短編ミステリとして謎と探偵による推理を提供する。この部分だけで短編ミステリとして成立している。その探偵役の推理を、森帖詠彦の叔母とされている「硯」が論理的に検証する。この「論理的に検証する」の部分に、「命題論理」、「述語論理」、「様相論理」といった論理学についての解説を含まれている。計算式もほんの少し取り入れながら、結構本格的に「論理学」についてのレッスンがされる部分は新鮮。この点は、この作品のオリジナリティとして高い評価をしていいと思う。 問題は個々の短編のミステリとしての弱さ。「レッスンⅠ スターアニスと命題論理」は、「しきみ」と「スターアニス」の違いを知り、殺人の故意があったと言えるのか。それとも過失なのかというもの。謎解きの鍵が、犯人とされる女性(蜜川ほのり)は、しきみが日本に自生しないことを知っていたというもの。トリックと言えるほどでもなく、ひねりもない。短編ミステリの完成度としてはやや低めと言わざるを得ない。「レッスンⅡ クロスノットと述語論理」は、共犯者まで用意しているが、殺人犯が被害者に変装し、殺人があった時間をずらすことで、別の人物=オーナーシェフの日笠深都音を犯人だと誤信させるというもの、「レッスンⅢ トリプレッツと様相論理」は双子という使い古されたガジェットを使った、雪の上の足跡のトリックを使っただけの作品。いずれも短編ミステリとしての完成度は低め。硯による推理の検証という点が非常に目新しいだけにこの点が残念 また、硯による検証部分も、読んでいて面白いと感じる表現ではあるが、それでも退屈に思える部分がある。作中では「ナイトメアモード」として茶化しているが、読者の多くが読み飛ばす部分があると思う。 総じて、作品の雰囲気、全体の構成で勝負しているミステリであり、細かい部分やミステリとしての核の部分に難がある。あとは、「論理学」に興味を持てるか。完全に理解できなくても「論理学」についてのウンチクを楽しく読める人なら評価は高めだろう。 個人的には「論理学」についてのウンチクを楽しく美むことができた。硯や詠彦のキャラクターも好き。好みの作品なので評価は★4で。 ★ メモ ★ レッスンⅠ スターアニスと命題論理 森帖詠彦から、硯に対し、毒殺と事故死を論理的に見分けることは可能か?という質問がされる。詠彦が5月に参加した女子大OBの女子会で事件は起こった。庭のしきみ(強い毒性を持つ)の木がスターアニス(マレーシア料理などで使われるスパイス)だと誤解され料理に使われてしまった。詠彦は、既に「探偵役」が推理し、解決したこの事件について、「探偵」の推理の検証を硯に依頼する。 ● 探偵、藍前あやめの推理 容疑者3人には全員、被害者を殺害する動機がある。被害者に恋人を寝取られた馬場園美香。都築志穂はかつて流産をしており、その原因に被害者が関係していた。蜜川ほのりは同性愛者で、被害者に振られていた。三人に共通するのは被害者が妊娠したことを恨んでいるという点。スターアニスには子宮収縮作用があるので、スターアニスを食べさせて流産させるのが目的だったと考える。そうすると、わざわざしきみを食べさせて殺害するまでの動機はない。よって、本件は事故…という推理 ● 硯による検証 藍前あやめの推理は「温い」という。拠って立つ公理の恒真性がいささか心もとない…と。ポイントは「必要のない行為を行った。ならば行為は故意ではない」とぴう部分。事実的根拠も含んでいないし、世間一般の共通認識でもない。 故意か過失かを見極める基準を「相手が死ぬ可能性を認識していたにもかかわらず、あえてその行為をしたかどうか」。容疑者のうち蜜川は、スターアニスが日本の野山に自生していないことを知っていながら、嘘を言っている。自分が料理に使ったはずのない木の実をあえて使ったと偽り料理に混入させた。よって、蜜川には殺意があったと判断 ● 物語の結末 藍前あやめは、あえて「事故」だという推理をしたのかもしれない。本当に「故意」だったとしても誰も幸せにならない。そこで、事故だと強引な推理をした。 藍前ゆりに真相を伝えるかどうかは詠彦に委ねられる。 ● スターアニスと命題論理の登場人物 都築志穂 自宅をパーティ会場として提供した人物。バツイチ。家事手伝い 蜜川ほのり 東南アジア系の母親を持つハーフ美人。生粋の関西育ち。ゲーム会社勤務 馬場園美香 アジアンカフェの雇われ店長。料理をしていた。 三月さえり 被害者。元商社OL。再就職をしていた。 藍前あやめ フラワーショップ「アリストロキア」の店長。「花屋探偵」。「花占い推理」を行う。藍前あやめの推理のポイントは動機 ★ レッスンⅡ クロスノットと述語論理 イタリアンカフェレストラン「アマトリーチェ」のあるビルの1階の女子トイレで、「アマトリーチェ」の女性従業員である中川アリーナが殺害される。トイレは誰でも利用可能。凶器は「アマトリーチェ」のネクタイ。特注のネクタイ。被害者は友人Aと友人Bと食事をする約束をしていた。友人Bはアマトリーチェに客として来ていた。探偵役の中尊寺有の推理におけるポイントは、被害者がネクタイをしていたかどうか。Bさんにネクタイを貸したので、被害者はネクタイをしていなかった…という仮説を立てる。中尊寺の推理では犯人はオーナーシェフの日笠 ● 硯による検証 硯は、中尊寺の推理は「古典論理的」には正しい公理と正しい推論規則で結論を導きだしている妥当な証明だと言う。しかし、直観主義論理では妥当な証明ではない。直観主義論理とは、「排中律」を取り除いた論理。硯は「ヘンペルのカラス」の説明で対偶による証明の危うさを説明する。硯は、「犯行時の被害者は、ネクタイをしていたかしてなかったかのどちらか。それを証明の出発点にしてはいけない」という。「犯行時刻と思われる時間帯、被害者は既にこの世に存在しなかったとしたら?」。硯は、詠彦の話から3つの違和感を覚えたと説明する。「オーナーに無断でネクタイを貸すか」、「勤務中に携帯電話で欠席のメールを送ったのはなぜか」、「日笠シェフが本当に犯人なら、なぜ彼女は商店街の防犯カメラを見なかったのか」。硯の推理では犯人はBと共犯者。共犯の目的はネクタイの誤推理を利用して店員の誰かを犯人にすること。詠彦は、硯が何らかの事実を持ち出す前に、中尊寺の推理の弱い点を指摘した点に衝撃を受ける。 ※ ヘンペルのカラス 対偶を利用すると、直接カラスを見ることなく、カラスが黒いことを証明できるというもの ● クロスノットと述語論理の登場人物 中尊寺有 現役女子大生にして経営戦略コンサルタントにして俺っ子にして剣の達人で名探偵。森帖詠彦の剣道サークルの先輩。天才。女性 日笠深都音 イタリアンカフェレストラン「アマトリーチェ」の女性オーナーシェフ。死体の第一発見者 中川アリーナ 被害者 海東 東京でカレー屋をチェーン展開している実業家。中尊寺有に助言を受け、大阪で出店をしようとする。しかし、オープン日を間近に迎え、入居予定のビルで殺人事件が起こる。 ★ レッスンⅢ トリプレッツと様相論理 双子のどちらかの犯行であることを示唆する証拠は出ている。しかし、犯人を特定しようとするとどうしても矛盾が生じてしまうという事件。金桜館で、芸能人で、同館を相続した資産家の申神蓮花が殺害される。申神蓮花のマネージャーである周防の目撃証言、足跡、死亡推定時刻を考え合わせると、双子のどちらかにしか犯行は実行不可能に見えた。上苙丞は、申神蓮花のマネージャーである周防が犯人と推理する。周防は偽証していたと。トリックは足跡の起点を周防が泊っていた部屋の側にある桜の木のところとするもの。 ● 硯による検証 「赤いケープを着た双子の1人を見た」という発言から、周防の証言は偽証でないと推理。「知らないものは偽証できない。実際に見たのだろう」と。周防が偽証をしていないとすると、犯行ができたのは双子。硯は、様相論理で真相を解き明かす。上苙丞の推理は古典論理学の世界では正しい。しかし、様相論理の世界では…矛盾すら生じていない。「詠彦が午前6時にイリナと館内にいた」ことは絶対的。しかし、周防が証言する「午前6時に館外を歩く姿を見た」のは「イリナが館外にいた可能性があった」ことを示すに過ぎない。真相はイリナとオリガが足跡のトリックを使い、併せて3往復をしていた。実行犯はイリナ ● トリプレッツと様相論理の登場人物 上苙丞 都内で探偵業を営む自称27歳。キリスト教で言うところの7つの大罪の象徴で、将来起こる不吉な出来事を予見する「未来予知能力」を持つ。 姚扶琳(フーリン) 在日華僑。金貸し。上苙丞に1億円以上の金を貸している。 士道夏海 元郵便局員。今は上苙丞の助手 鈴木多恵 可愛いメイド服を着た高齢の家政婦 申神蓮花 「金桜館」の現当主。上苙丞に「あるロシアの小説にちなんだ「絵の謎」を説く」という依頼の依頼主。鈍器で頭部を殴打され、家電のコードで手足を縛られた上、椅子に座らされ絞殺される。 周防梨乃 蓮花が所属する芸能尾事務所のマネージャ。堅実な印象の眼鏡の女性 申神衣莉奈 双子の妹。蓮花の父寿太郎の甥の子。母と祖母を不慮の事故で無くなったので、寿太郎が引き取った。右足首をねん挫しており、左足にも軽度の障害がある。 申神小里花 双子の姉。蓮花の父寿太郎の甥の子。母と祖母を不慮の事故で無くなったので、寿太郎が引き取った。現在は右腕を包帯で吊り、左目を眼帯で覆っている。 ★ 進級試験「恋と禁忌の……?」 殺人事件の検証の相談に来た詠彦に対し、硯は、「お願いだから完全犯罪なんて目論まないで。他人のために殺人の計画を練るなんて、詠彦くんが考えている以上に罪が重いことなんだよ……?」という。硯がそのように考えたきっかけは、「トリプレッツと様相論理」の事件の相談を2か月待てなかった点。その点から考えると他にも気になる点があった。そもそも藍前姉妹は3人姉妹ではないか。最初の相談の事件についての藍前姉妹の悲しみぶりも踏まえると、最初の事件の被害者は藍前ゆりの姉。その事件が故意であったことをゆりに伝えたため、ゆりが復讐を計画したのではないかと推理した。そうすると2つ目と3つ目の相談の事件はトリックの構造が同じ。被害者が1名で一人の実行犯と一人の共犯。そして最初は犯人が特定されず、次に別の人間に嫌疑がかかるという構成になっている。硯はそのことを解き明かし、詠彦に殺人も殺人ほう助もせず、ゆりを説得することを約束させる。ラストは詠彦と硯が甥と叔母の関係ではないのではないか…と思わせる描写で終わる。 ★ 登場人物 ● 硯 主人公、森帖詠彦の叔母と思われる女性。乞われてフランスの大学に行き、論文の引用件数が日本人で年間トップになるほどの革新的な研究を成し遂げた超才媛。作品中で姓は出てこない。 ● 森帖詠彦 主人公。理系の大学生 ● 藍前ゆり 森帖詠彦の幼馴染
0投稿日: 2019.01.06
powered by ブクログ大好きなその可能性〜シリーズの一作目!やはり井上真偽はすごい、感嘆する。このカチカチ感がたまりません。
0投稿日: 2019.01.04
powered by ブクログ「検証」だから致し方ないのだろう。 探偵が披露したか答えが合ってるかどうかの検証なので、犯人やその動機がなんなんのかは二の次三の次なのもわかる。 でも、そーじゃないんだよー。わかるけど、そこはちゃんと動機まで! ラストの展開は予想外だったけど、うーん
0投稿日: 2018.12.26
powered by ブクログ何か見たことある…?と思ったらこれ『数学ガール』? 『数学ガール』では数学の面白さに気づかされたけど、本作は論理の部分ほぼ読み飛ばし… テーマは面白いけど、ミステリの面白さってそこじゃないんだよな…謎を謎だと感じるのはあくまで人間だからであって、そこで人間性を排除しちゃうと、理屈っぽいよ!メタ小説だよ!って印象ばっかり残るんだよな…何故か乱歩邸でみた探偵小説トリック一覧表を思い出した。
0投稿日: 2018.12.25
