
総合評価
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powered by ブクログ国策の選択が様々な制度の制約を受け、国際環境や国内政治情勢の影響下でなされることが必至だが、重要なのは問題の本質が政治家やマスコミの誘導ではなく正しい形で選択肢に反映されているかを検討することと著者は述べる。 日本が太平洋戦争での巨大な犠牲を払う結果に至る過程で、異なる結果になりえた外交交渉を、満州事変に対するリットン調査団の報告書を通じての国際連盟への対応、 日独伊3国軍事同盟の締結、太平洋戦争前の日米交渉の3つを取り上げ、当時の証言や記録、文献を多角的に検証する。 日独伊3国軍事同盟の締結の裏方で実務推進者だった軍、外務省の役人らの議題が戦後(ドイツ勝利の仮定で)の陣地争いだったとは驚きだった。 またリットン調査団が日本の拡大政策を一定の許容をしつつ世界の輪の中に戻そうとしていた事実が新鮮だ。 教科書だけではわからないことも多く記載され(トリビアもあるが)、高校生らに説明する(意見も聴取しながら)スタンスなので、わかりやすい。 日本の近代史を知る、歴史観を養ううえでも素晴らしい参考書となりうる本だと思う。
0投稿日: 2025.04.06
powered by ブクログ加藤さんが解説してくれる戦争についてが分かりやすかったので、こちらも読んでみた。なぜ日本がこれほど戦争にのめり込んでしまったのか、分かったようで、まだ自分の言葉では説明出来るところまでは行き着かなかった。もう少し時間がかかるかもしれない。 本としては、挿絵や写真もあり、易しい言葉でまとめられており、また「次読みたいな」という参考文献も多く良かった。おすすめな本だと思う。
0投稿日: 2025.03.21
powered by ブクログ教科書には載ってないことが掘り下げて書かれている。 戦争を阻止する選択肢がいくつもあったこと、知りました。
1投稿日: 2023.08.16
powered by ブクログ日本が戦争へと向かっていくまでの歩みを史料から読み解いている。6回に渡る講演を書籍としたものなので、会話をするかのごとく進行する。 世界が日本にどうすのか問いかけられた3つの交渉を史料から読み解き、当時の状況を適切に理解することを目指している。 一つ目の交渉は、1931年9月に関東軍が主導した満州事変に対して、国際連盟から派遣された調査団が作成したリットン報告書をめぐる交渉。 二つ目の交渉は、1940年9月の日独伊三国軍事同盟条約締結について。 三つ目の交渉は、1941年4月から11月までに行われた日米交渉。 最後の注釈に、本書の参考図書もあり、講義を再演しようと思えばできるかもしれない。歴史を学ぶ楽しさを体験出来るお薦めの一冊。
5投稿日: 2022.01.13
powered by ブクログ「こうなる運命だった」というような言葉は真実のときもあるだろうけど、ほとんどの歴史においては間違いなんだとわかる。運命ではなく、選択の結果。 一般国民の当時の考え方を、国民と対極な場にある人間の視点から知るという歴史学独特の見方を教えてくれたり、軍部の話が熱を持ってきたらすぐさま全く別の、例えば天皇の意向について触れたり…ついつい入れ込みすぎてしまう聞き手の感情を冷静に引き戻してくれるような揺さぶり方が好き。2冊しか知らないけど、この先生はW.A.ワードのいう偉大な教師にはいるんじゃないかな。
1投稿日: 2021.12.19
powered by ブクログ中高生と学んだ前著が良かったため、本書を紐解いた。ジュンク堂の呼びかけで同じく中高生と学ぶという状況は同じだが、彼ら彼女らの発言が少ない印象を受けた。 内容は、リットン報告書、三国同盟、日米交渉。どれも初めて知る事実ばかりで歴史の厚み、多面性が感じられた。 与党批判がところどころ発せられ、そこだけ浅薄が際立ってしまったように感じる。
1投稿日: 2021.06.04
powered by ブクログ史料を踏まえた、日本と世界各国の思惑、言ってるだけのことと本心とが入り乱れた、非常にエキサイティングな本でした。 図書館で借りて読みましたが、コレは買いだ。
1投稿日: 2021.06.02
powered by ブクログ前著「それでも日本人は戦争を選んだ」を読んで、感銘を受け、こちらも拝読しました。 前著に負けず劣らず、こちらも素晴らしい著書でした。 史料に基づくこと、その史料についても一面的な見方をしないこと、歴史を考える上で重要なことは何かを教えてくれます。 内容的には高度なことも含まれるのでしょうが、分かりやすく噛み砕いてお話ししてくださるのでとても読みやすいです。 歴史を学ぶことの意義と楽しさを教えてくれます。 同じような形式での次回作を期待します。
1投稿日: 2021.05.09
powered by ブクログリットン報告書、三国同盟、日米交渉の3点に絞って、戦前の日本の歩みを解き明かす授業を本にしたもので、非常に楽しめた.学校の授業では近代の部分は学期末になることから、あまり詳しく教えられていないが、このような形の授業が今後も継続されることが必要だと感じた.特に三国同盟については知らない部分が多く、松岡洋右が国際連盟の席を立っていく写真(1933.2)を覚えているくらいだったので、参考になった.日米交渉については、陸軍、海軍及び政府間での情報の共有が十分でなかったことが、国としての行き方を間違った方向に進めたのだと感じた.著者の『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』は我が本棚の中央に鎮座している.
1投稿日: 2021.01.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
国際連盟脱退、三国同盟及び対米開戦という3つの意思決定の背景や経過についての講演と問答。史料の精査を通じ、義務教育で習った歴史とは異なる姿の歴史が現れる(リットン報告書の宥和的側面、大戦後のドイツ牽制という三国同盟の真意、為政者の判断を制約する運動等)。
2投稿日: 2020.04.07
powered by ブクログ一級資料に当たるという事はとても大切なことだと思うのだが、それでも真実への道はまだまだほど遠い気がする。 大学教授だから話の内容が正確だというわけではない。あくまでもその文献等に長く身を置いているという事だけが判断する一つの有効な事柄だという事も認識しておかなければならない。 だからこそ、読み手が一人一人考えることが大切であり、たとえ、考えた道筋が間違えていたとしても、それが一つの経験になり、次への糧とつながれば良い。
1投稿日: 2019.12.05
powered by ブクログタイトルにあるように、太平洋戦争に突入するまでの重要な交渉事にスポットを当てて、歴史を紐解いています。①リットン調査団の報告から始まる国際連盟脱退について②日独伊三国同盟について③ハル・野村交渉に始まる日米交渉と、三つの交渉を挙げています。「~これら三つに共通しているのは、これらの案件が日本の近代史上において歴史の転換点だっただけでなく、日本と世界が火花を散らすように議論を戦わせ、日本が世界と対峙した問題だった~」(94頁) 東大教授である著者が、高校生相手に(一部中学生もいますが)6回連続の特別講義をしたものをベースに本書は書かれています。その為わかりやすく書かれてはいますが、中身は非常に濃いものになっています。 ● リットン調査団の章-「満州事変は日本が100%悪くて、弁解の余地はない」という内容の報告書にはなっていないことに驚きました。寧ろ日本が報告書の内容を受け入れやすいよう配慮されている部分が多くみられました。 ●日独伊三国同盟の章―軍事同盟なのでもっと協力的なものをイメージしていましたが、ヨーロッパで第二次世界大戦が始まり、ドイツが破竹の勢いで戦果を挙げている中、日本はドイツがそのまま勝利を収めると想定していました。日本が軍事同盟を結んだ一番の目的は、旧ドイツ領委任統治領の諸島を手に入れたかった点です。 ● 日米交渉の章―日米が水面下で最後の最後まで戦争回避に向けた交渉をしていたことに驚きました。しかし、両国内での政治事情も絡まり最終的には真珠湾攻撃となりました。「『駐米日本大使館員の勤務怠慢による対米通告の遅れ』という神話」(410頁)は新鮮でした。また、付随して述べられている陸軍の横暴の一例には驚きです。また、真珠湾攻撃も事前に暗号解読が行われ、わざと攻撃させて開戦のきっかけを与えたという説も根強いですが、実際は嘘です。アメリカ国防総省が、何故真珠湾攻撃を防げなかったのか戦後も研究を続けています。 膨大な歴史資料を丹念に調べられて、そこから浮かび上がってきた史実を提示してくれています。歴史の専門家の仕事とはこういうものだと教えられました。その史実は他の史実とも連携して、点が線になり、線が面となって、最後には立体的な物語となっているようです。しかもそれは史実をベースにした物語ですがノンフィクションです。小説を読んだときに味わう感動に近いものがありました。「事実は小説よりも奇なり」です。 前作の「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」(加藤陽子著/朝日新聞社)も併せて読んでください。
2投稿日: 2019.04.21
powered by ブクログ戦争における分岐点となった3つの出来事(リットン報告書、三国軍事同盟、日米交渉)を、中高生とのやり取りをしながらみんなで考えていくといったスタイルの一冊。 ページ数は決して少なくないが、著者のわかりやすい語り口や所々にある写真や図表などで理解が助けられる。戦争関連本にしてはかなりわかりやすい部類に入ると思う。 戦後も70年以上を経過しているが、当時の出来事が必ずしも正確な形で後世の記憶や「歴史」に残されているとは限らない。実は日米も歩み寄ろうとしていたし、日本の中にも冷静な人はいたし、陸海のパワーバランス(見栄みたいなものも?)もあった。なんとなく「こうだろう」と思っていることが、実はちょっと違ったりもする。今回採り上げた3つの出来事は、そういう側面を持っている。 戦争は大きな一つのうねりではなく、様々な様子が少しずつ影響しあって、いわばピタゴラスイッチみたいに最後に戦争になったと分かる。ただ、それをどうやって今後の時代に防いでいくのか。戦争の内実がわかってくればくるほど、それを防ぐ難しさも分かる。でも、それは現代人が不可避的に立ち向かわなければいけないことだから、やはりこういった本はちゃんと読んでおくべきなんだろうな、と思った。
1投稿日: 2019.04.01この講義をきけた、生徒が羨ましい。
とても大事な歴史の勉強もせずに、日本国籍を有していることに、恥ずかしい思いをしましたが、でも、この歳になって、このように素晴らしい学習をできるのだから、やっぱり、人生というのは、いいものですね。とても読みやすい文章ですので、ぜひ、ぜひ、一読を。
0投稿日: 2019.03.11
powered by ブクログ前作「それでも日本人は戦争を選んだ」に感銘を受けて読んだ。 真珠湾の「ローズベルト陰謀論」の全面否定は、意外だったが、説得力のある内容だったので、自分の認識を改めた。 教育の影響は勿論甚大なのだろうが、泥沼の日中戦や勝てる見込みの無い日米戦に民意諸共嵌り込んだ根本原因は、「10万人の英霊と20億円の戦費を投入した日露戦の成果を手放したく無い」という、既得権への執着に行き着くのだろうなと感じた。(行動経済学的視点から) そうであれば、こうしたベストでない選択をするリスクは、日本人固有のものというより、人間のDNAレベルのものだろうから、余程意識的でないと、再現するリスクがありそうだ。
2投稿日: 2019.01.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
非常にわかり易く解説された講義です。 歴史から学ぶというけれど、結果を知っているからこそ振り返る事ができ、その選択肢の評価ができる。 時の為政者たちは本当にいろいろ考えを巡らせていることがわかるが、総意としての選択肢は一つ。 今回、失敗と言ってしまっているが、そう言っていいのだろうか。確かに沢山の人が亡くなったわけだけど、その選択肢の結果である今の日本は失敗なのか。 過去を総括するのもいいけど、歴史に学ぶのは未来に対してだけでいい。 少なくとも、今の為政者たちが、半径3mの幸せを考えている群衆へのプロパガンダやアジテーションの方法を歴史から学ぶことがないことを望む。
2投稿日: 2018.12.06
powered by ブクログかつて日本は世界からどちらを選ぶかと三度問われた。そして愚者の道へ道へとそれていってしまった。それはなぜか?その背景などがわかる。とても面白い日本の近現代史であった。
1投稿日: 2018.10.11
powered by ブクログ面白いし、分かりやすい。聴講している高校生達は本当に賢いと思うし、高校生とは思えないほど。私も歴史を勉強して、思考に深みを持たせたい。
2投稿日: 2018.03.04
powered by ブクログ日本が歴史上戦争で負けたのは2回だけ。と、昭和天皇が白村江で負けた天武天皇に習おうとしたのは、天皇制の深遠さを感じさせるエピソード。全体的には「交渉とは何か?」「認識とは何か?」について教訓的な所があり、考えさせられた。ただし、史料を都合よく引用し、主観的に解釈していると思える部分もある。が、歴史学はそういう事から逃れる事はできないので仕方ない。また、肝心の南部仏印進駐と全面禁輸のところが、想像とか仮説に留まっており、解明されていない点が残念。また、日独伊+中提携の汪兆銘政権承認の方針転換所も原因がよくわからないので説明が欲しかった。あと、犬養は満州国を承認しないから殺されたとあるが、満州国は犬養内閣の国策(閣議決定もしている)なわけで、承認しないという事はありえないと思うのだが。
1投稿日: 2018.01.23
powered by ブクログ●→本文引用 ●次に、日本と戦っていた中国が、三国同盟をどう見ていたかをお話ししましょう。(略)1940年8月4日の蒋介石日記を読んでみましょう。(略)日本が南下したい、石油を取りたいと思っているときに乗じて、中国に有利な条件を日本が出すなら、それで講和するのは悪くない、と述べています。(略)これは当時、部内で「桐工作」と呼ばれた和平工作の一つです。講和案のの内容が蒋介石まで届けられていましたし、昭和天皇もその成否を非常に気にかけていました。(略)蒋介石のもとで作戦を指揮していた軍令部長の徐永昌が、9月29日に蒋介石にこう提言していました。(略)日本軍と中国国民党軍双方が死力を尽くして戦えば、漁夫の利をしめるのは共産党だ、こういって蒋に停戦を薦めます。 ●確かに日本軍が、中国軍を戦闘という面で圧倒していたのは事実です。1944年、戦争が終わりに近づく頃、日本軍の兵隊は、中国大陸の海岸線を千キロ以上も行軍して、アメリカ軍が使いそうな中国側の飛行場をすべて潰してまわります。これを大陸打通作戦というのですが、この作戦によって、中国側が蒙った地域社会の変化や国家の仕組みの変化が、非常に大きかったということが最近の研究でわかっています。端的に言えば、蒋介石の国民政府軍が、この日本軍の作戦によって疲弊させられ、戦後の共産軍との内戦において不利になったということです。 ●総体として見ると、アメリカは1941年4月段階にも、資源を共有しませんか、船舶を貸与してくれませんか、資金援助してあげますよ、と日本に呼び掛けていた。一緒に共産主義に対抗していきませんか、中国との戦争をやめませんかといって、「世界の道」を、日米諒解案として示していました。 →後付けの知恵を承知で言えば、結局のところ、日本は大局、日中戦、欧州の第二次世界大戦後の世界情勢、自由主義対共産主義を見据えていなかったのだろう。「ラストバタリオン-蒋介石と日本軍人たち」でも指摘されていたが、日中戦争を対共産主義で国民党政府と停戦していれば、アメリカと戦うことも無かっただろう。
1投稿日: 2018.01.14
powered by ブクログ中高校生向けの講演を整理した本で分かりやすい。気付かない歴史の裏側を、資料に基づいて新しい視線で示してくれる。よい本だが、図書館から借りて(第2章の満州事変まで)返却日が来てしまった。また読みたい。
1投稿日: 2017.11.22
powered by ブクログ第二次世界大戦、太平洋戦争を冷静に振り返る本。右左でいえば左ということになるだろう。最近は右寄りの歴史修正主義の本が多い気がするので、そういった本を読む前、読んだ後に加藤陽子さんの本読むことは、極端な結論になるのを防ぐ意味で役立つと思う。一次資料に基づいた考えが多いので、その点で信頼性が高い。
1投稿日: 2017.10.17
powered by ブクログ国際連盟脱退、日独伊三国同盟、日米交渉と3つの選択を謝った日本が第二次大戦の敗北という憂き目に遭うまでの歴史を丹念におった良書。決して日本は米国に嵌められたから戦争を行った訳でなく、自身の選択ミスもあった訳だ。 しかし、民衆に真実が伝わっていなかったから、選択を誤ったという説もあるが、民衆に質実を伝えるのは難しいのと違いますか? 佐藤優の『国家の罠』でも、「この国=日本の識字率は5%以下だからね。新聞に一片の真実が出ているもそれを読むのは5%。残り95%の世論はワイドショーと週刊誌によって形成されるのだ」とあったではないか、逆に言うと真実は民衆に分かり難いようにし、マスコミを使い世論誘導していかないと政治が成り立たないとも言えるのでは?
1投稿日: 2017.10.03
powered by ブクログ「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」に続く、最新の研究に基づく現代史講義。 前作と同じく、主に高校生を対象としているので、たいへんわかりやすい。 かといって、レベルを落としているわけではないので、読み飛ばしていてはすぐついていけなくなる。 前作に比べると説明が丁寧すぎてスピード感がなく、読み終わるのにちょっと苦労した。
1投稿日: 2017.09.01
powered by ブクログ大日本帝国はなぜ国際連盟脱退とか、三国同盟とか、対米開戦とか、今からすると一寸先も見えない阿呆な選択をしてきたのかという疑問に対して、史料に丁寧にあたることで「答えよう」というより「考えていこう」という試みである。ただ一つの答えが書いてあるというタイプの本ではない。ゆたかな枝葉がある、得がたい一冊と言えるだろう。 4章で、ゾルゲのスパイグループの一員として活動したというジャーナリスト・尾崎秀美の言を引いているところが興味深い。 〈日本国内の庶民的意向は、支配層の苦悩とほとんど無関係に反英米的なことである。[中略][それもそもそも]満州事変以来十年、民衆はこの方向のみ歩むことを、指導者階級によって教えられ続けてきたのであって[不思議ではない]、屈服は、敗戦ののち、初めて可能である。たとえ支配層が、その経済的窮地のうちに、いち早く屈服の合理性を見いだしたとするも、大衆にとっては、いまだ思いもよらざることである。〉 日本国民は、満州事変の真実を知らされていなかった。反英米となっている国民は、急に仲良くしようといっても納得しなかっただろうと。実際に、国粋主義運動団体が活発に活動し、世論を対米交渉妥結から遠ざけていった。言論統制というものは、じわじわと国を破滅の方向に向かわせるということが、よくわかる。
1投稿日: 2017.08.27
powered by ブクログ現存する資料を体系的に読み解くことで,事実が見えてくる.そのプロセスの実行能力こそが史学の目的であり,これにより過去から未来を予測することが可能になる.現代人に最も重要な日本の近現代史を繙ける語り部が居るということは僥倖であり,後は以下に我々が身につけ実行するかに日本の未来はかかっている.
1投稿日: 2017.07.24
powered by ブクログ戦争までの歴史を決めた三つの交渉を高校生とともに考えていった6日間の講義録。満州事変とリットン報告書、日独伊三国軍事同盟そして日米交渉を扱います。国や個人は、どのように自らの立場を選択したのか。そこで悩み、考え抜いた人間から生みだされるものとは何か。当時の人間に見えていた世界を再現し、最適な道を見つけるにはどうすればよかったか、何が足りなかったのかを考えてゆきます。国家と国民の関係が過去にない規模で大きく揺れ動き、わずかな偶然が世界のありようを大きく変えてしまうかもしれない時代の激変期に、現代の私たちは立ち合っています。そんな今だからこそ読みたい一冊です。
1投稿日: 2017.07.07
powered by ブクログ太平洋戦争に至るまでの、日本の交渉等における裏面史を知ることができ、これまでの認識と異なる部分が多々あり驚かされる。誤った認識が多く流布されており、正していく必要があると思う。 憲法改正に向けた動きがかつてない程強まっている今、もう一度太平洋戦争に進んで行った経緯について確認する事ができて良かった。 それにしても、世の中には優秀な中高生がいるもんだ!
1投稿日: 2017.06.23
powered by ブクログ歴史を学ぶ大切さを教えてくれる。対象は高校生だけでなく、広く社会人にも楽しめる良書。「過去の歴史を正確に描いたり学んだりしていれば、自然に自分の将来や未来をつくることにつながる。」(本書より抜粋)2017.6.23
1投稿日: 2017.06.23
powered by ブクログ『それでも日本人は「戦争」を選んだ』が良かったのでこれも手に取った。 満州事変・三国同盟・日米交渉決裂、それぞれの選択の過程でなにがあったのか、別な選択はあり得なかったのかなど資料に当たりながら進める講義は歴史を真摯に見る姿勢を学ぶことが出来る。 謀略史観を撒き散らかしてきた人が保守の重鎮と言われてしまう日本の現状に警告を発する書。多くの人に読んでいただきたい。 それにしても、講義に参加している中高生のレベルの高さには驚くとともに、日本の未来は暗くはないかもしれないと思えてくる。
1投稿日: 2017.05.28
powered by ブクログリットン調査団、日独伊三国同盟、日米交渉。世界から日本に突きつけられた3つの局面で、日本がそれぞれどんな状況下でどんな選択をし戦争に突き進んでいったのか。中高生向けの講義をまとめたもの。 この内容を理解し、投げかけられた問いに対し各自がネットや文献を駆使し調べて答えを探っていくとはなんという意識高い中高生!! こんな若者達が素直に成長していけば日本の未来も捨てたもんではないと思わせてくれる。是非中高生に向けて学校の授業に取り入れて欲しいのと同時に大人も読むべき一冊。 戦争という決断を下しめ、昭和天皇でさえ抗えなかった”時の勢力”とは何だったのか。 フェイクニュース溢れるポスト・トゥルース時代。情報を読み解くリテラシーを養うにはやはり「教育」以外の何物でもないことを本作で改めて背筋が凍るほど痛感した。
2投稿日: 2017.05.19
powered by ブクログ普通の子供たちにとっての天皇は、修身な授業で習う天孫降臨神話の中の登場人物です。本当の古代史上の天皇について、資料から日本史を教えてもらえるのは、旧制高校に入ってようやく1年目です。しかし、その真実を教えてもらえた人は、割合から言えば、100人に1人位しかいなかった。正直な教育が大事ですね。
1投稿日: 2017.05.03
powered by ブクログ中高生を対象とした講義録の第ニ作。 一作目につづく素晴らしい作品だ。今回は「リットン調査団報告書」「日独伊三国同盟」「日米交渉」の3件につき、どんな選択肢があって、なぜその選択をしたのか、背景はどうだったのかを一次資料を読みながら考えていくもの。なかで日米交渉をしていた1940年前後の国民の意識につき昭和天皇が「国際平和に貢献するために同盟を結んだし、国際連盟を脱退したのもそのためなのに、国民には英米に対抗するためと伝わっているのはまことにおもしろくない」としているのには泣けた。情報の公開もできてなかったけど、教育も足りなかったわけだ。
1投稿日: 2017.03.29
powered by ブクログ<目次> 第1章 国家が歴史を書くとき、歴史が生まれるとき 第2章 「選択」するとき、そこでなにが起きているのか 第3章 軍事同盟とはなにか 第4章 日本人が戦争に賭けたのはなぜか 終章 講義の終わりに <内容> 東大加藤陽子先生の「アジア・太平洋戦争」に入るまでの過程を、中高生に講義したもの(学校でではなく、書店の主催の講義(講演ではない))。とても刺激的だが、同じ教える立場で言うと、この講義のために先生がどれだけ史料を吟味し、どのような授業を組み立てようとしたかの苦労が感が見える(「おわりに」を読むと特に…)。 さて、内容は戦後70年での天皇の「お言葉」(沖縄と「戦没者記念式典」のとき)、安倍首相の談話の分析から始まり、満州事変の「リットン報告書」、三国軍事同盟、太平洋戦争直前の日米交渉、この3つの分析、解釈、可能性が語られます。受講者の中高生もかなりレベルが高く、いい質問をして、講義は展開していきます。こういうある意味、微に入り細にいる話はとても大事なのだと感じました。高校の授業ではなかなかできないけど…。様々な立場や歴史的な背景を見据えて、歴史を分析していくことが、今後の歴史を過ちへと進めない、大事な行程であり,歴史学の使命でしょう。ことにきな臭い昨今の日本において、「いつか来た道」を求める輩が闊歩している状況では…。
1投稿日: 2017.03.26
powered by ブクログ日本人は…よりこっちの方が数段面白かった。多数の当事者それぞれの利害と得ている情報の差とタイミングとを丁寧に解説されておる。要因はいくつかにまとめられるが、世で言われていることとは結構違っている。しかし、調べて来いと言われてネットで真実ブログと赤旗ぶつける高校生、好き。
1投稿日: 2017.03.21
powered by ブクログゆっくりと時間をかけて読んだ。学校では戦争の悲惨さばかり学んだ気がするけど本当に大切なのは戦争に至る経緯。それを丁寧に解説してくれている一冊。
1投稿日: 2017.02.19
powered by ブクログ非常に良かった。本当に良書であると思いました。 東大文学部の教授が中高生向けに行った講義。 ジュンク堂での作家書店の企画で行った講演・講義の 内容が本になったものです。 歴史のみならず。学ぶとはどういうものなのか 学ぶときの面白さ、スリリングな感じ、学問の楽しさの 本質がにじみ出てくるような内容です。 また、社会人としてのリテラシーにとっての歴史認識が どれだけ重要であるかがわかる内容だと思いました。 大げさかもしれませんが、本当に絶賛です。
1投稿日: 2017.02.01
powered by ブクログすごいです。面白いです。中身が濃いです。 前作「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」が面白かったので、本書を手に取りました。本書は、戦前日本の3つの重要な選択に題材を絞ってはいますが、実に深く広く分かりやすく、解説いただいています。国内の賛成反対意見だけでなく、交渉相手の思惑まで理解できます。全体の歴史の流れが把握でき、歴史から現在を考えるうえでの参考になります。
1投稿日: 2017.01.18
powered by ブクログ・本書についているイラストなどは,別の著作物とみなして読んだ方がいいのだろうか? 072頁イラスト:トーキュディデース ・本文:トゥーキュディデース 092頁:団琢磨暗殺(3.5)が2.29リットン調査団来日と3.1満州国建国のあいだに挟まれている謎は,本文を読んでいけば,おそらく解けるのであろう。 099頁:遼寧(りょうねい)省……奉天(ほうてん)(現在の瀋陽(シェンヤン)) ・現在の地名には,カタカナの振り仮名をみな振る方針なのだろうか? 101頁イラスト:満洲,関東洲(はじめて見る表記) ・本文:満州・関東州 101頁イラスト:ハルピンは黒龍江省の章域内とされている ・「章域」ねえ。なお著者も,「黒竜江」とは表記せず,「龍」字を使う。「満洲」は使わない。外務省とおなじ。
1投稿日: 2016.12.26
powered by ブクログ以下の点が興味深い。 ・中国は、リットン報告書を日本寄りだと評価し、日本は、中国寄りだと判断した。 ・三国同盟は、植民地宗主国を抑えたドイツによる東南アジア植民地再編の可能性を、参戦していない日本が封じるための掛け声 ・1940年8月4日の『蒋介石日記』には、「敵(日本)が南下の野心に狂っているときに乗じて、我が国に有利な条件で講和を図ることは悪くない」と書かれている。 ・ドイツ外相リッペントロップは、駐独中国大使陳介を呼んで、三国同盟に加わったらどうですか、日本との講和に応 じなさいと説得していた。 ・「絶望から開戦する国はないという、あの日本に対する判断の間違いです。そもそも日本は、絶望したから開戦したのではありません。あと二年間、石油という資源を確保できている時期に開戦しようという発想は、ありえなくはない。」 ・「アメリカは日本に第一撃を打たせた。真珠湾攻撃のことを、ローズヴェルト大統領やハル国務長官とか、何人かは知っていた。けれども現地の人には言わず、日本に騙し討ちさせるようにした、という見方があります。でも、これが全く嘘であることは、アメリカの国防総省が研究し続けていることからわかる。」 ・憲法制定史に詳しい古関彰一先生が明らかにしたところでは、戦争放棄という主旨は、確かにGHQ草案に起源を持っていたけれども、平和主義の発想は、日本側の発案によって憲法の条項に入れられた、というのです。
1投稿日: 2016.12.07
powered by ブクログ太平洋戦争に至るまでに日本が迫られた決断のとき3つ、リットン調査団、日独伊三国同盟、日米交渉。背景に何があったのかって知らないことばっかりで本当に勉強になった。リットンの思慮とか、三国同盟を結んだ日本側の思惑とか、日米交渉の裏で米国が何を考えてたかとか。日本人の必読書。
1投稿日: 2016.12.01
powered by ブクログ物語の形式として、結末が悲劇になることをあらかじめ読者に知らせてそこに至るまでを描くものがあるが、15戦争について歴史を語る場合、同じ構図になる。ただ、そこに至るまでは選択の連続だったわけで、その大きな3つの選択の場面をメインにピックアップして解説している。リットン調査団の報告に対する選択、三国同盟に対する選択、日米交渉に関する選択だ。 これらに関して、なぜそうなったのかという問いを次々に立て、資料を用いて解きほぐしていく。ただの物語ではない学問としての歴史の方法論がよくわかって面白い。 それでも日本人は〜よりもひとつひとつの事象にこだわって描かれている気がするのもあって、こっちのが面白かった。
1投稿日: 2016.12.01
powered by ブクログ満州事変から、日本は世界から3回今後の行方の選択を迫られた そのとき日本はなぜその選択肢を選んだのかを細かく分析して、紹介してくれる本 とにかく情報が細かい!笑でもだからこそ説得力があって読み応えがある ただ一回読んだだけじゃ頭に入らないから、今後何回か繰り返して読みたい
1投稿日: 2016.11.28
powered by ブクログ絶賛したい。 この時代の歴史の本を数多く読んできたが、本書ほど鋭く、さらに驚きと感動をもって読めた本はない。 この内容が中学生や高校生を中心とした人々への講義だとは、さらに驚く。 歴史を読み解くことは新鮮な驚きに満ちていると久々に思えた本である。 2016年11月読了。
1投稿日: 2016.11.27
powered by ブクログ東京大学の加藤陽子先生が、池袋ジュンク堂書店にて計5回にわたり行った中高生向け日本近現代史講義を一書にまとめたものである。 「はじめに」によると、中高生向けの講義ではあるが中高年も読んでも構わないとのことであったので、意を強くして今回手に取ってみた。(笑) 本書の「戦争まで」とは、「太平洋戦争が始めるまで」のことで、そのターニングポイントとなった3つの交渉事案をそれぞれの史料を丹念に読み込みその本来の意図を再現した上で、交渉の行方を辿り世界史的な観点に位置付けて、どうしてそのような選択がなされたのか、他にどのような選択肢があったのか等を問う内容となっている。 その3つの交渉事案とは、①満州事変に対するリットン報告書と国際連盟脱退②日独伊三国軍事同盟の締結③日米開戦前の日米交渉、である。 その前段として第1章では「国家が歴史を書くとき、歴史が生まれるとき」と題した講義を行って、「歴史」とはどのようなものか、国家や民衆は「歴史」に対しどのように関わってきたか、世界史の分岐点で人はどのような判断をなしてきたのか、という今後の講義への前振りがなされており、最初からなかなか面白くなっている。 第2章では本講義の最初のターニングポイントである「満州事変に対するリットン報告書と国際連盟脱退」について取り上げられる。 自分も高校時代等の知識から日本に不利な報告書が提出されたものかと思っていたら、実はリットンは日本の侵略を胸の内で確信しながらも報告書では外交上のバランスを優先させ、日本の行為に対し決定的な断定を避け、国際協調を前提とした自由貿易による利益確保を追求する「世界の道」を切に訴えていたということである。 また面白かったのは国際連盟内での交渉で、後に強硬派となる松岡洋右が国連を脱退することにならないように粘り強く交渉していたということで、このあたりの後の変化については本書にも記述がないので気になったところであった。 日本がどのような「道」を選択するのかは悩ましい問題であったが、一般的に選択肢を作成する際の実験で「偽の確実性効果」についての説明があり、現在もニュースとかで政治家の発言をみていると必ず「しっかりと」とか「確実に」という言葉を盛り込むのを聞いて胡散臭く感じていたので、今も昔もこういう言葉の操作を行うところは同じだなあと思ってしまった。いや、むしろ今の方が無責任で露骨かもしれない。(笑) また、国が進めていたナショナリズムの高揚が、以降歯止めが効かなくなり、国のトップがそれを怖れていく緒になっていることにも興味深い。 第3章では「日独伊三国軍事同盟の締結」について取り上げられる。 これも自分は高校時代等の知識から、日本はアメリカに対抗し、「バスに乗り遅れないため」の目的でドイツ・イタリア側に与したのかと思っていたら、その本心は、ドイツがイギリスに勝利することを前提に東南アジア等のフランス、オランダ、イギリス等の植民地(大東亜に含む)をドイツにとられないようにし我がものとするためであった、とのことである。 面白いと思ったのは、条約文書で日本語と英語のニュアンスが微妙に違うこと、「大東亜」の範囲を日本も含め誰もが自分のいいように解釈していたこと、ドイツ・イタリアへの第3国(=アメリカ)の敵対攻撃で自動的に日本もドイツ・イタリア側に立って参戦すると解釈していたドイツであったが、日本は自由に選択できると考えていて齟齬があったこと、などであった。「大東亜」がどこの範囲を指すのかを誰も確信を持ていなかったことなどは、いまから考えるとジョークとしか言いようがない・・・。 第4章では「日米開戦前の日米交渉」について取り上げられる。 最終段階ではハル・ノート提示に行き着く交渉であるが、交渉途中で日本の南部仏印進駐によりアメリカは戦略物資の全面的禁輸に踏み切ることになってしまう。日本はというとその前の北部仏印進駐の際のアメリカの手心を加えた一部禁輸措置などの経験から楽観視していて、南部仏印進駐でアメリカがそういう挙に出ることを見誤ってしまっていた。一方のアメリカでも南部仏印進駐後に対日穏健路線であったローズベルト大統領とハル国務長官が休暇や葬儀参列等により政治決定から除外されていて、強硬派路線の委員会が対日全面禁輸を決めてしまったという話には驚いてしまった。重大局面でそんな偶然のボタンの掛け違えってあるものなんだな・・・。 また伝説?となっている、在米大使館員の無能力のせいで日本の真珠湾攻撃前に国交断絶文書(=宣戦布告)をアメリカ側へ提出するのが遅れたという話(いわゆる騙し打ち論)も日本海軍や外務省がわざと暗号文書を発送するのを遅くしたということで、やっぱりそういうことだったんだなあ。 最後の第5章ではこれまでの講義の総括的な話となっている。 現代に起こっている事象に対する、歴史から学ぶということの視点をわれわれに教えてくれているとともに、中高生がここまで学んだ成果というものを実感させてくれる。 これまで加藤教授はたびたび受講の中高生に当時の視点でどういう選択があったのか、当時はどう考えていたのかなど、時には現代の視点で、また時には関東軍参謀になったつもりで、あるいは参謀本部の計画立案者になったつもりで回答を求めているが、こうした視点は当時の立場からみる政治選択の理由を明らかにするとともに、複雑に利害がぶつかる政治選択の行方をも考えさせてくれる。 自分もこれまで近現代史はともすれば責任論に収斂されがちであったのを歯がゆく思っていて、現実の政治の場でどのような選択がなされた結果だったのかを総括する必要があると考えていたので、今回はとてもよい勉強になった。 あと加藤教授は中高生のどのような回答に対してでも、必ず「はい、そうですね。」のような返しをしていて、議論を肯定的に深化させていたのが興味深かった。 学校での近現代史教育が疎かになっている昨今、加藤教授には引き続きこうした取り組みを継続してもらいたい。 最後は「おわりに」から。 「学問は歴史に極まれり」(荻生徂徠) 全く同意見だ。
28投稿日: 2016.10.16
powered by ブクログ16世紀半ばのポルトガル製の世界地図には、日本列島全体が沖縄を意味するポルトガル後で表記されていた。そして、琉球諸島の島の一つに日本という名前が当てられていた。 世界恐慌で大打撃を受けたのはイギリスで、日本はそれほど深刻ではなかった。 日本は倭国として隋と戦い、唐の時に日本を名乗って、前とは別の国です、心機一転国交を、というアクロバット外交をしts。 日独伊三国同盟は、アメリかが三国を攻撃した時に発動するもので、三国からアメリカを攻撃した時ははつどうされなかったが、ヒトラーはアメリかに宣戦布告した。 チャップリンは、独裁者のシーンを、ヒトラーがパリ入城した翌日にぱりで撮影した。 日独伊三国同盟は、太平洋諸島の権益をドイツに奪わせない趣旨も持っていた。 日米交渉での日本側にはカトリック関係者がいた。これはソ連に対抗する反共として。 南部仏印に侵略してアメリカが経済制裁をしたが、これはルーズベルトやハル国務長官が不在時に、対日強硬派が行ってしまった。
1投稿日: 2016.10.01
powered by ブクログ歴史を学ぶ醍醐味は、ある事態へと進んでゆく連鎖の要因を知ることであり、別の可能性を考えることで将来の糧とすることです。加藤先生の姿勢は常にそこにありますね。今回は、先の大戦の前に、交渉の機会が3度あり、そこでより良き道を選べなかった実情を明らかにします。リットン報告の対応は明らかに大局観の欠如だと思います。ただ、その後の2度の交渉機会というのは、開戦時期を後ろ倒しにすることはできても、既に米国にロックオンされていたのではないでしょうか?
1投稿日: 2016.09.26
