
総合評価
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powered by ブクログサイモン・シン、エツァート・エルンスト「代替医療解剖」読了。鍼やハーブといった代替医療について科学的な観点から批評を行っていて面白かった。科学的に効果が立証できたセントジョンズワースやそうでない鍼等を判別していて役立つ内容だった。またプラセボ効果は侮れないほど強力なのだと思った。
4投稿日: 2025.11.09
powered by ブクログ2013年10月頃初読 2020年3月頃再読 医師が効果の証明された薬を処方すれば、患者には生化学的、生理学的な効果があるだろう。そしてその効き目は、プラセボ効果によってつねに強められるということを思い出そう。薬の標準的な効果のほかに、その薬が効くと患者が期待することによって、標準的なレベルを上まわる効果があるはずなのである。別の言い方をすれば、効果の証明された薬には、プラセボ効果というおまけがついてくる。それなのになぜ、プラセボ効果だけしかない治療を受けなければならないのだろうか? なぜセラピストは、プラセボ効果だけしかない薬を使うのだろう? それは単に、患者を騙しているだけではないのだろうか? 原題は”Trick or Treatment?”. “Trick or treat!”(お菓子くれなきゃ悪戯するぞ)をもじって意訳するなら『信じてくれなきゃ、効かないぞ』みたいな感じか? 鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック等の代替医療に実際効果があるのか? 各治療の歴史、理論を概説しつつ、検証を行なってぶった斬られて終わる、みたいな感じ。まぁ、だから代替医療の域を出ることがないのでしょう。
15投稿日: 2025.05.02
powered by ブクログ様々な医療がある現代で、医療効果の厳密な評価の重要さを説いた一冊。コクランレビューの存在を知れただけで価値があったと思う。 どの医療に対しても適切な認識プロセスを経るべきという著者の意見はとても納得できる。効果が有効と科学的に立証されたものが評価され、投資費用に見合った対価を受け取ることのできる社会であってほしい。 医療だけでなく、健康効果を謳う商品についても、エビデンスの強固さがどの程度か判断できる基準を学びたいと思った。
1投稿日: 2024.07.09
powered by ブクログ鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブの代替療法を次々に取り上げながら、その効果の低いこと、ないこと、身体に害をなすことを論証している。プラセボ、二重盲検法など、科学が確立した手法、概念についても詳しく説明を加えている。 医療リテラシーが高まる本。今も色褪せていない。 代替医療が掲げる、総合性、自然由来、伝統という背骨に当たる傾向性を叩き切る。
0投稿日: 2024.05.16
powered by ブクログ代替医療そのものを信じるかどうかよりも、 そのために受けられる治療を遠ざけてしまうことが怖い。 ジェット浪越が懐かしい。
0投稿日: 2023.12.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
鍼やお灸、整体など普段の生活に溶け込んでいるものから、ホメオパシーなどのそれっぽいものにちぃて、科学的見地から見て、医療としての効果があるものなのかどうかという検証をまとめた本。 とても面白かった。 どれも薬効という面での効果はなく、プラシーボ効果がほとんどというのはある意味痛快でもある。 まさに「病は気から」ということが証明されたとも言えるのではないかと思う。
1投稿日: 2023.06.24
powered by ブクログ伝統的な医療だからといって効果があるとは限らない。では代替医療をどう評価すべきか? 医療の歴史を通して効果のある治療とは何かを学べる。貴方が医者じゃなくても大事な人がいるなら読むべき。付録が秀逸。ふと陰謀論が頭を過ぎった。
0投稿日: 2023.06.17
powered by ブクログ医療分野に格段興味があるわけではない私でも新しい知識、知らないことを知るのはいいものだと思わせてくれる本でした。 結構ボリュームはありますが、読みやすいと思います。 ライミーの話に始まり 臨床試験がどれだけ画期的か 「瀉血」とは何かすら知らない私からしたら 全ての知識が新しく感じました。 究極の問い、プラシーボ(プラセボ)効果を 発揮する(そして実際症状が良くなる)のであればその効果のみでも薦めていいのではないかというところまで突き詰めてある所がよかったです。
0投稿日: 2022.05.31
powered by ブクログ何かもやもやした気持ちを抱えつつ、カイロプラクティックを受けていた折、この本の存在を知りました。 少し難しい内容で目的のカイロプラクティックにたどり着くまで時間がかかりましたが、少なくとも第1章は必須だったと思います。 各代替医療の章の重み付けがされていました。 この本を読む前は、たとえプラセボ効果でもしないよりマシ、と自分を納得させていましたが、読了後には次のカイロプラクティックの予約を取り消していました。 何もしないよりはマシかもしれないけれど、お金も時間も掛けています。 それなら通常医療の方がマシだと思えるようになりました。 通常医療へ復帰すべく病院を受診します。
0投稿日: 2022.03.22
powered by ブクログ科学的思考の素朴な重要性を改めて突きつけてくる。自然科学の高等教育を受けて、分かっているつもりでも、ふとした瞬間に非科学的な思考に陥ってしまう。ことが健康に及ぶと尚更である。漠然と「そうかもしれない」と思っていた具体的言説についてもバッサリ目を覚まさせてくれる。 カール・ポパーの「客観的知識」にくどくどと分かりにくく書いてあった科学の在り方について、具体例を交えて非常に分かりやすく理解することができる書とも言えないだろうか
0投稿日: 2021.09.26
powered by ブクログ鍼、カイロプラクティック、吸い玉療法、磁気療法…様々な代替医療に科学的な根拠がほぼ無いのには驚いた。聞いたこともない療法もあり動画で確認した。健康なときに読んでおいて良かった。
0投稿日: 2021.05.30
powered by ブクログ「代替医療解剖」という、なかなかおもしろい本を読みました。 ここで言う「代替医療」とは、通常治療以外の民間治療のこと。その中でも特に、「鍼」「ホメオパシー」「カイロプラクティック」「ハーブ療法」に多くのページが割かれていました。 原書はイギリスで2008年に出版されたもので、原題は「Trick or Treatment?」。なかなか洒落た題名ですよね。ハロウィンのときの子どもたちの言葉「Trick or Treat」をもじって、「トリックなの?治療なの?(ホントのところはどっち?)」ってことですよね。 最初のページに書かれている言葉は、「チャールズ皇太子に捧ぐ」。 最初は意味がわからなかったけど、本書の最後の方に書かれていたのですが、どうやら、チャールズ皇太子が、(治療効果のない)代替医療を支援しているらしく、治療効果があるかどうか調査しよう、と言いつつも、バイアスをかけた発表を取り上げて養護しているのだそうだ。それに対しての「返答」として、この本を執筆したのだそう。 本書では、最初に「治療効果があるかどうか見極める」ことについての解説。 数世紀前までは、医者、と呼ばれる人たちが、自分の「経験」から、瀉血を信じ、多くの人々を失血死させていた事実に気がついていなかったことや、科学的な視点を持たなかったために衛生管理を怠っていたことなどの例を出してから、現在の「標準治療」が厳密な「臨床試験」に基づいていることを解説。 そして、いくつかの「代替医療」について、「臨床試験」※に近い、きちんとした比較に基づいて「効果があるかどうか」を論じている。 ※「治療群」と「対照群」に分けてブラインドテストを行い、明らかに効果が出たものを《科学的根拠に基づく医療》と認めるというもの。また、副作用に関しては、治療効果に対して、副作用のリスクの程度が十分小さいもの。 大きく取り上げた4つの代替医療である「鍼」「ホメオパシー」「カイロプラクティック」「ハーブ療法」について、1章ずつ割いて、その結果が書かれていました。 結果は、大雑把にまとめると ・効果はほぼ「プラセボ効果」と言える ・時には、直接的な危険性もある(臓器を傷つける、中毒症状を起こす、感染症、など) ・そして、標準医療に比べて費用がかかる ・代替医療を信じたことによって通常医療を否定することによる病状悪化の危険性 要するに、民間治療には、ほとんど効果がないということがデータからわかった、という結論でした。 文庫版になったときの訳者のあとがきを読むと、この本が出版されたたことで、著者の1人であるサイモン・シンさんが、英国カイロプラクティック協会に名誉毀損で訴えられたとのこと。一審ではシンが敗訴したものの、科学者、ジャーナリスト、著名な司会者などがシンの応援に立ち上がり、危険なカイロプラクターの摘発キャンペーンなどを行った結果、英国カイロプラクティック協会が訴えを退け、シンが勝利したとのこと。 そして、「プラセボ効果」の研究がアメリカの研究者によって始められたとのこと。 怪しげな民間治療で得られるプラセボ効果ではなく、標準の医療でも、プラセボ効果を効率的に利用していけるようになれば、さらに患者の利益は大きくなりますね。きっと。 結構な分量のある書籍なので、読むのは大変でしたが、科学的な根拠を持たずに行われてきた、過去の医療行為や、代替医療の詳細などを知ることができて、ためになる本でした。 「自然」「伝統的」「全体論的」などの、いかにも「良さげ」な言葉には注意しなくては、ですね。そして、最後の方には、患者が代替医療に走ってしまう理由の1つに、医師が代替医療に目をつぶっていることや、患者に対して時間を割けないことなども列挙されていました。なかなか難しい問題ですね。 最後に、煙草のパッケージに注意書きを載せるように、それぞれの治療法に注意書きを載せるなら…ということで、著者が書いた「注意書き」が面白かったので、引用しておきます。 ーーー引用ーーー ・鍼 注意:この治療法については、いくつかのタイプの痛みや吐き気には効果があるという、僅かな科学的根拠が得られているのみです。それらの症状に効いた場合も、効き目は長く続かず、非常に小さなものとなるでしょう。通常医療の治療にくらべて費用がかかり、効果は小さいとみてまず間違いありません。この治療法の主な効果はおそらく、痛みや吐き気に対するプラセボ効果でしょう。それ以外のすべての病気に対して、鍼にはプラセボを上回る効果はありません。鍼は、訓練を受けた施療者に打ってもらえば、かなり安全な治療法と言えます。 ・ホメオパシー 注意:この製品にはプラセボ効果しかありません。ホメオパシーを信じていて、症状が痛みや抑うつなどである人にのみ効果があります。その場合でも、通常医療の薬のような強い効果は得られないでしょう。通常医療の薬よりも副作用は起こりにくいですが、効果も少ないでしょう。 ・カイロプラクティック 注意:この治療法は、首に脊椎マニピュレーションが行われた場合、脳卒中を起こし死亡する危険があります。それ以外の背骨に対して行われるなら、カイロプラクティックは比較的安全です。腰痛に効果があるという多少の科学的根拠はありますが、たいていは通常医療の治療にも同様の効果があり、料金ははるかに安くすみます。他のすべての病気に対し、カイロプラクティックにはプラセボを上回る効果はありません。 ・ハーブ薬ーイブニングプリムローズ(メマツヨイグサ)オイル 注意:この製品にはプラセボ効果しかありません。あなたが信じなければ効果はなく、また、プラセボ効果による治療に反応するある種の病状にしか効果がありません。その場合でも、プラセボ効果は予測不可能で、通常医療の薬と同程度の効き目はないとみられます。通常医療の薬よりも有害な副作用は少ないかもしれませんが、効果も少ないでしょう。 ・ハーブ薬ーセントジョンズワート 注意:この製品は、他の薬と干渉することがありませす。セントジョンズワートを服用する前に、一般医に相談しましょう。軽いか、または中程度の抑うつ状態に効果があるとの科学的根拠があります。こうした病状に対しては、同様に効果のある通常医療の薬があります。 ーーーーーー
3投稿日: 2021.05.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
原書名「Trick or Treatment?」とは、なんとも秀逸なタイトルだ。サイモン・シン氏の過去の著書と今回の内容を比較すると、方向性が異なるため落胆する人も少なくないだろうが、本書では彼のジャーナリストらしい一面を見ることが出来て、大変興味深く楽しめる1冊である。青木薫氏の翻訳も相変わらず読みやすく、特に文庫版訳者あとがきは必読だ。本書刊行後、シン氏は英国カイロプラクティック協会から名誉毀損で訴えられている。本来罰すべきはシン氏ではないだろうと疑問に思うところだが、これにより本書も注目され、代替医療の有効性と危険性について、より多くの人々に知ってもらえる機会になったのではないだろうか。シン氏が次にどんな本を書かれるのか、青木氏の翻訳とともに非常に楽しみである。
9投稿日: 2020.09.01
powered by ブクログホメオパシーを信頼する気になる人が少なくない事が不思議 googleって手遅れにならない程度に医者に行くべきか
1投稿日: 2020.07.29
powered by ブクログサイエンスノンフィクションの大御所サイモン・シン氏が今回取り上げるテーマは「代替医療」。通常医療と比べて代替医療は効果があるのか、皆が抱く疑問を科学的アプローチで検証・解明する。鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法をメインとし付録として51の代替医療が取り上げられている。 代替医療に治癒効果があるか否かは本文を読んでいただくとして、通常医療(すなわち西洋医学)への不信感が代替医療(東洋医学もある)の活況を許している側面がある。近代まで行われていた瀉血は何故効果が有ると言えるのか何故効果が無いと言えるのかの代表例であろう。そうした点から一定勢力かつ既成権力にありつつある代替医療を検証・批評するには相当勇気ある行為である。ランダム化臨床試験を用いた効果測定、プラセボ効果と害の対比など極めて理路整然と客観的に分析されており著者らの問題意識の高さが窺える。 例えば444ページのDHMO(一酸化二水素)はなぜ依然として放置され全く問題視されないのか大きく疑問である(内容は読んでのお楽しみ)。医学が発達し我々の健康寿命が伸び続けるからこそ本書で語られるような内容の啓蒙活動は益々必要であろう。
0投稿日: 2020.06.28
powered by ブクログそれぞれの代替医療の成り立ち、理論が説明され、更に臨床試験の結果が示され、結論づけられる。非常に論理的で説得力のある内容だった。厳格な臨床試験(二重盲検法)等に関する解説も興味深い。プラセボ効果について詳述した第6章は必読。代替医療をめぐる現代社会への警鐘と提言に、著者の熱い思いを感じた。
0投稿日: 2020.03.21
powered by ブクログ代替医療が本当に医療効果があり、費用と見合ったものなのかを、正しい臨床評価を基に検証したものです。正しい評価とは、「科学的根拠にもとづく医療」の事で、通常ランダム化臨床試験で得られた根拠の事です。 医療の歴史を紐解きながら、医療の素人でもわかりやすく理解できるよう努められており、そこからも筆者達の誠実な姿勢を感じます。また歴史の部分は読み物としても優れており、楽しませてくれました。 巷に溢れる代替医療のうち、その規模や浸透度の大きさから、下記の4つについて、多くのページが割かれています。 ①鍼 ②ホメオパシー ③カイロプラクティック ④ハーブ療法 結論から言うと、プラセボ効果以上のものは殆ど確認出来ないのが実情です。特にホメオパシーについては、治療ではなく信仰と言い換えたくなりました。 それでも人は効果のない代替医療に多額の費用をかけるのか、そこにも言及しています。 最初に訳者あとがき(文庫本版訳者あとがきではない)を読まれると、全体のサマリーになっている事が分かります。その後本文を読み始めてもいいかと思います。 医療に限らず、事実にもとづいて判断をしていく事の大切さと難しさを感じました。事実を事実として受け入れながら、批判精神を持ち続ける柔軟な態度を持ちたいと思いました。 作者はイギリスの医師と医療ジャーナリストによる共著で、最後までとても読みやすく非常に為になりました。
7投稿日: 2020.02.22
powered by ブクログまず、作者の題材の選び方が素晴らしい。数学、暗号、宇宙ときて次は代替医療。代替医療と一口に言ってもその数はかなりあります。 鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法、この4大医療のほかにもアーユルヴェーダ、アレクサンダー法、アロマセラピー、イヤーキャンドル、オステオパシー、キレーションセラピー、クラニオサクラルセラピー、クリスタルセラピー、結腸洗浄、催眠療法、サプリメント、酸素療法、指圧、人智学医療、カッピング、スピリチュアルヒーリング、セルラーセラピー、デトックス、伝統中国医療、ナチュロパシー、ニューラルセラピー、パッチフラワーレメディ、ヒル療法、風水、フェルデンクライシス法、分子矯正医学、マグネットセラピー、マッサージ療法、瞑想、リフレクソロジー、リラクセーション、霊気など中にはこれも?というものも含まれていますが、科学的に有意なエビデンスがなければ検討の俎上に上がるという徹底ぶりです。 初めて聞く名前も多かったのですが、有名どころでは例えば、マグネットセラピーはピップエレキバンみたいなもの、カッピングはアントニオ猪木がやっていたが背中に丸いアザがでる、サプリメントでは魚油だけが特別扱い・・ まず最初の4大医療方法の結論から言えば、ハーブ療法は例外はあるが効果を誇張しすぎ、カイロプラクティックは腰痛だけには効果がある、鍼も同様、ホメオパシーに至っては効果ゼロ、あるのはプラシーボ効果だけ。 もちろん、プラシーボ効果にも考慮すべき側面はあるが、それなら医者が処方した薬も同様ということで、プラシーボ効果だけしか期待できないホメオパシーはやる意味がない。そして、こうした代替医療に傾斜することで、もっと効果の高い医療がなされず手遅れになるという弊害も出てくる。 このプラシーボ効果については、医師の安易な推奨についても著者は厳しく断罪する。 患者への気休めでホメオパシーを推奨すれば、それは医師がホメオパシーの効果を追認したことになるから、医療に詐欺文化が蔓延することになる。(P407) 最近、日本でも血液クレンジングという効果のないものを芸能人が拡散したことが問題になっていましたが、代替医療の分野でも同じことが起こっています。有名なところでは、ホメオパシー愛好家はシンディ・クロフォード、シェール、アーユルヴェーダはゴールディ・ホーン・・(P414) 本書では、代替医療をひろめた首謀者をリストアップしていますが、上のセレブ以外にも、医療研究者、大学、グル、メディア(この項で取り上げられた謎の化学物質の危険性を告発した記事・・センセーショナルに真実のみを誇張して書いたが、この物質とは単なる水だった、という1文は必読(P444)、医師、代替医療協会、政府と規制担当当局(多くの国ではサプリメントの安全性は保障されていないどころか、市場から回収するためには規制当局が有害であることを証明しなければならない)、WHO(過去にも鍼にお墨付きを与え、ホメオパシーも・・)などこのまま放置しておくと、代替医療天国になってしまいそうな状況です。 一方では、医薬品に関しては厳しい規制があり、研究段階だけで、前臨床試験(5年)、第1段階臨床試験(1年)、第2段階臨床試験(2年)、第3段階臨床試験(3年)、FDAレビュー(1年)など最短でも12年販売開始までに必要でさらに莫大な費用も掛かる。 ナチュラル、ホーリスティック、トラディショナルという言葉を使えば安心安全を担保しているかのように錯覚してしまう代替医療の世界とは異質です。 文庫本の訳者あとがきで、本書のサイモンシンが英国カイロプラクティック協会に名誉棄損で訴えられた顛末も書かれていますので本当にお得な1冊となっています。
2投稿日: 2019.12.24
powered by ブクログワシントンは血を抜かれすぎて死んだ。瀉血が信じられていたからだ。壊血病患者は重労働を課された。ビタミンCが未知だったために。ナイチンゲールの登場以降、医療効果を科学的に測定しようという試みは、2000年代、ついに代替医療へと――。鍼、カイロ、ホメオパシー他の最新の科学的評価とは? 知られざる逸話とともに語られる、代替医療の真実。
0投稿日: 2019.09.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本書は、「いいと思う」「効くと思う」「効くはずだ」といった主観的な判断だけで価値があるとされてきた代替医療にメスを当てて、通常医療と同じ土俵に載せた評価を整理した資料である。 現在認められている通常医療は、もはや二重盲検という医者も患者も目隠しした上で行う臨床試験で効果を示した者のみが認められている。この臨床試験は、きびすぎるがゆえに高コストであることが問題になっているぐらいである。 一方、それ以外のいわゆるヘルスケア(日本では医療という訳語は不適と思うのでヘルスケアとした)は、自主的な試験は行なっているが、科学的な評価を経ることなく、効能がうたわれている実態がある。 そのため、およそほとんどの代替医療においては、通常医療と同じ次元で評価すると効果がない、という結論になってしまった。では、なぜ代替医療はなくならないのだろうか? 1つは、絶対的に正しいこと、というのは、あまり面白くない事による。マーケティングの世界でも、物事を理解する上で背景情報、いわゆるストーリーが大切と問われている。絶対的な正しさはストーリーの入る余地がない。科学的に効くということは、商品を売る世界では基本的に受け付けられないのである。 また、代替医療の存在には、歴史的文化的背景があることも忘れてはならない。もはや生活に溶け込んでしまっているものもある。これらを科学的に証明できないという言葉だけで駆逐しようとすれば、反発を招くだけであろう。 代替医療は、あくまで治療というよりも生き方、生き様を表すものともいえよう。消費者は自分で正しい、信じられる情報を集め、考えて生きていくことが求められているということだと思う。
0投稿日: 2019.08.04
powered by ブクログサイモン・シンさん。 とにかく自分には絶対知りえることも触れることも考えることもなかったであろうテーマについて、本にしてくれて読ませてくれる。 それだけで、読めるだけで、機会を得るだけで、何か嬉しくなってます。笑 文中の、 「二千四百年間にわたり、患者たちは、医者は自分のためになることをしてくれているものと信じていた。そのうち二千三百年間は患者たちは間違っていた」。言い換えると、人間の歴史のほとんどにおいて、大半の医療はほぼすべての病気について、効果のある治療ができなかったということだ。実際、かつての医者の大半は、私たちの先祖の病気を治すのではなく、むしろ害をなしていたのである。 胸に残りました。
0投稿日: 2019.03.07
powered by ブクログ興味深い人たちとの宴席でこの作者(サイモン・シン)のことを知り興味を持ったので手にとってみた。自分は理系コンプレックスがあるのでそういうきっかけでもないと手に取らなかったであろうサイエンス・ライターがいわゆる代替医療に切り込んだ本。詳しく取り上げられているのは鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法、で付録として同じ手法でいくつかの代替医療も評価されている。いわゆる通常の医療が科学的な手法で様々に検証された結果であるのに対し言わば野放しの代替医療を同じく科学的なアプローチで評価していくわけだが予想どおりというか殆どが否定的な結論に落ち着く。作者はかなりの手練れで理系コンプレックスの自分にもかなり分かりやすくまとめられていた。何を言われようが信念変えない人には向かないだろうけどいろんな情報が氾濫している現在、一読すべき作品と思いました。面白かった。
0投稿日: 2018.12.24
powered by ブクログサイモン・シン著青木薫訳の「代替医療解剖」を買いました。この2人のコンビの作品は内容は難しいけど面白い。起業家の堀江貴文さんも「青木薫さんの本は読んでおいたほうが良い」と何かの本で言ってました。 つづきはブログで http://blog.livedoor.jp/masaathlon/archives/33477086.html
0投稿日: 2018.08.22
powered by ブクログ代替医療というこれも逃れ難い誘惑を持つジャンルに切り込んだ本。 思惑が絡み合う業界なので、自分が病に伏せる前にこういう本を読んでおかないと冷静な判断ができないでしょうね。 鍼やカイロプラクティック、ホメオパシーなどを分析しているが、鍼についてプラセボ効果しかないことは、日本でここまで広まっているために受け入れ難いのでは(海外におけるホメオパシーと同じなのだろうか)。 巻末にはサプリメントやデトックスといった、誰でもやってそうなことにも少し触れられている。 代替医療に引っかかる心理まで解説されており、傑作です。しかし、著者のサイモンシンさんはこの本のせいでカイロプラクティック協会から訴えられてしまい、最終的に勝訴したものの、2年の歳月と多額の金銭を失ったらしい。著作がこういうことで減るのは残念です。 ムカジーの「がん」といい、医療の歴史には傑作が多いですね。
0投稿日: 2018.08.21
powered by ブクログ読んでよかったと言える本。皆にもお勧めしたい。 この著者のシリーズは興味深い話が多い。 現代医療の臨床検査による医療の効果の測定について、今では当たり前になっているけど、思ったよりも最近になってから定着したのだという印象を受けた。 自分が歳をとったので、100年前というのが、古いとは思うが、以前よりも近いと感じるためだと思う。 また、私も鍼には効果があるのでは?ってなんとなく考えていたけど。まったく効果がないとは、そこはちょっと意外だった。 海外の話だが、ホメオパシーのようないかにもいい加減に聞こえるものが大手を振って医療行為としてなされているかと思うと怖くなった。
0投稿日: 2018.06.01
powered by ブクログ二千年以上前にヒポクラテスは警告した。 「科学と意見という、二つのものがある。 前者は知識を生み、後者は無知を生む」 本書は一言で言うと、怪しい代替医療手段に手を出すのはやめましょう、という点に尽きる。 なぜならば、通常医療はコストのかかる臨床試験を経て効用と安全性が実証されているのに対し、代替医療は無法地帯のように効能ばかりが強調されているが科学的に立証されていない。 代替医療はプラセボ効果以上のものはないという結論である。 「フェルマーの最終定理」などの著書で有名な科学ルポライター、サイモン・シンと、自らホメオパシーを施術する代替医療分野における世界初の大学教授絵エツァート・エルンストによる共著である。 本書では鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法の成立から現在に至るまでを詳細に検証し、それら代替医療の効果について論じている。 そして、付録には上記以外の三十以上にものぼる代替医療についても言及されている。 代替医療が危険なのは、代替医療が有効だと信じ込み、通常医療に影響がある、もしくは通常医療を中止してしまうことで取り返しのつかないほど病状が進行してしまう可能性がある。 本書が冒頭で「チャールズ皇太子に捧ぐ」と書かれているのは、最大の皮肉である。
0投稿日: 2017.10.07
powered by ブクログホメオパシーやカイロプラクティックなどの代替医療について、施術者が謳う効果があるかどうかを科学的に分析する。 第1章でレモン果汁をとることで壊血病の発生率が劇的に改善された例等をあげて、「機能のメカニズムは不明でも対照実験を行い、統計的に有意な結果が出ればその治療方法は効果がある」を明確にした上で、メジャーどころの代替医療を分析。 結論としてはほとんどの代替医療はプラセボ効果以上のものはない。だが、それが今や大きなマーケットになってしまっている現状とそれを手助けした「犯人」についての言及はきびしい。
0投稿日: 2017.07.18サイモン・シン英国カイロプラクティック協会に勝訴
2000年以上前にヒポクラテスはこう述べた。 「科学と意見という、二つのものがある。前者は知識を生み、後者は無知を生む。」 この本では「〇〇を試した所、元気になりました・・・」という体験談は全て意見として扱っている。ある人が何かを試して効果があったとしてもそれは科学ではなく意見だと。では、科学として取り扱われるのは何か?簡単に言うと証拠に基づいている事である。例えば統計的なデータに基づき効果が有ると言えるか。対象者はランダム化されているか。ブラインドテストをくぐり抜けたかなどで、特にランダム化とブラインドテストを経た者は理論がどうであれ医療効果が有るとされる。現代最高の科学ジャーナリストのサイモン・シンが代替医療(ホメオパス)における世界初の大学教授エツァート・エルンストと組んでいろいろな代替医療を検証している。 鍼の真実 ーいくつかのタイプの痛みや吐き気に対して効果が有るという信頼性の高い臨床試験結果は有る。しかし、同様に効果を否定する信頼性の高い結果も出ている。ー 経絡、経穴は存在しない。秘孔もなければケンシロウもいない。少し残念ではあるのだが。 鍼が効いたという体験談ならいくらでもあるし、その体験が間違いだと言うのではない。 治験者に知らせず、経穴の一定の深さに打つ鍼と偽物の鍼(皮膚表面をさすが押すと引っ込むので経穴には届かない)を使ったブラインドテストの結果それぞれの効果に差は出なかった。プラセボ効果(効くと思えば症状が緩和する)以上の効果はほとんど見られなかった。 ホメオパシーの真実 ー忘れましょうー インドではアユールヴェーダと並んであらゆる階層で用いられているホメオパシーだが別に神秘性はない。18世紀末のドイツの医師ザムエル・ハーネマンがマラリアの特効薬キナの木(キニーネの原料)を健康な人が飲むとマラリアにた症状が出ると言う事から思いついたのだ。健康な人に症状を起こす者は病気を治すと。そしてよくわからないのだが薄めれば薄めるほど効果は強くなるという。たとえばホメオパシーで百倍希釈をCで表し30Cと言うのはごく普通なのだがそこまで希釈するともとの分子はまず含まれていない。普通はここまでで証明終了だ。 それでもいくつもの研究成果をちゃんと検証している。おつかれさんですな。 フランス産の1羽のカモの肝臓と心臓から取られるホメオパシーのインフルエンザ・レメディ(治療薬と思ってください)は2千万ドル以上の売り上げが見込まれているのだが、その容器には薬剤1g中、蔗糖0.85gと乳糖0.15gと明記されている。 カイロプラクティックの真実 ー腰痛に効果があるケースはある。より安い通常医療で効果がなければ試してみてもいい。ただし首は絶対に施術させない事ー 残念な事に腰痛に必ず効く治療法は無い様だ。カイロプラクティックでは無理に外的な力を込めて動かす技術を使う。1997年に治療を受けたカナダの女性は頸椎にマニュピレーションを施した結果、椎骨動脈を損傷し、できた血栓が脳につまり死亡した。骨がばきばきなると効いた気になるがあれは指の骨と同じで気体の泡がはじける音だ。ストレッチの際に言うように無理な力をかけない、反動を使わないやり方のほうが明らかにリスクが少ない。 ハーブ療法の真実 ー効果があるものとないものいずれも有る。近代薬のもとになった。ー 普通の薬は天然物の中から薬効成分を抽出し、化学組成を少し変えてできるだけ効果に対し副作用が少なくなるように膨大な時間と金をかけた臨床試験を行っている。天然物が安全で、人工物が危険だという思い込みには何ら根拠が無い。それでも薬害は起こりえるのだが。また例えば漢方薬の重金属汚染などもニュースになったように薬効とそのものの安全性は少し異なる。 ラベンダー「不眠には効かない」、朝鮮人参「基本的に効果なし」、ニンニク「高コレステロール血症に効果は有るが、血糖値を下げる可能性がある」等々。効果の例の割りに副作用の項目はたくさん並んでいるのではあるが化学屋からすると「毒は薬」効果は有っておかしくない。普通の薬との相互作用も注意すべきである。 科学的な手法を用いて大きな成果を上げた有名人は誰か?候補はいろいろ挙がるが知らなかったのがナイチンゲールだった。戦場病院で一生懸命手当てした人と言うイメージだったのだが実際には統計に基づき病院の衛生管理をする事で死亡率を大きく下げた科学者でもあった。一方で伝統的なやり方が明らかに間違っていた例もある。瀉血といって病人を傷つけ悪い血を抜くという治療法は今では考えられないが19世紀までは通常の医療だったため、結果としては治療をしない方が長生きできた例は多い。 原題はTrick or Treatment ?
1投稿日: 2017.04.14
powered by ブクログ鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法、等々の代替医療に本当に効果はあるのか?というテーマに科学的に向き合った本。 「科学的に」と書くと、自然界には科学で解明できないようなものも多くあるから、科学で説明できないからといって、これらの代替医療をダメと決めつけるのはよろしくない、という意見が出てきそうだし、実際Amazonのレビューでも同様の意見を書き、本書を批判している人もいる。 ただ、その批判はこの本をちゃんと読まないままに発せられている。 本書ではその治療が効く、効かないを科学的に説明するものではない。「なぜその代替医療が病に効くのか?」という問いは全く発していない。逆に、効果があるのなら、その理由が解明されていなくても良いという立場だ。 本書で「科学的」アプローチがとられるのは「それは本当に効いているのか?」という効果測定方法だ。 人間には、思い込みで起きる「プラシボ効果」という現象がある。高価な薬や、体験したこともない治療法に出会うと、その心理的なものだけで、痛みが消えてしまったり、元気が出たりする。 このプラシボ効果を可能な限り排除して、代替医療の真の効果を測定し、評価している。そこに、「なぜ効果があるのか?」というものに対する回答は必要ない。 この評価方法で出された答えには、中々対抗しづらいものがあるのでは?という気がする。 ここで鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法のどれが効果が認められる代替医療なのか?という結論は書かないでおく。評価方法を知らないままに結果だけ聞いたとしても説得力はあるまい。 その結果を知りたい人は是非本書を手にとって欲しい。
2投稿日: 2016.09.09
powered by ブクログ「DJの首を吊し上げろ、奴らの音楽は俺の人生に何の役にもたっていない」(The Smith 「Panic」) 優れた科学ジャーナリストであるサイモン・シンが、代替医療の学術的研究を行うエツァート・エルンストとの共同作業により、鍼治療、カイロプラクティック、ホメオパシー、ハーブ療法等のいわゆる「代替療法」について、数多の先行研究を踏まえて科学的なプロセスによる効果検証を行い、その結果をまとめ上げた一冊。 検証にあたってのスタンスは決して「代替医療は効果がある/ない」というどちらかの立場に与するものでもなく、また生理学的な効用をもたらすメカニズムがわからないとしても、それが実際に効果があるのか、もしくはないのかという面だけのフォーカスを置いた点で極めて公正なものである。また、冒頭では医療の効果を検証するために先人が生み出した様々な科学的プロセスの解説が置かれ、本書の検証もまた同様のプロセスを踏んでいることが示される。 さて、結論としての代替医療の効果は概ね否定的なものとなっている。何も治療を施さない場合と比べて、明示的な効果がない、ということもさることながら、代替医療の問題の一つは副作用、通常医療に比べて高額になりやすい費用面、代替医療よりも効果のある通常医療を中止してしまうことによる症例悪化リスク、等が説明される。 何よりも問題なのは、様々な研究によりその効果が疑わしい代替医療がここまで大きなマーケットとして成立してしまっている背景、つまりなぜ人々は代替医療に入れ込んでしまうのか、という心理面の問題である。その仮説として挙げられるのは、通常医療の主体である医師があまりの多忙さ故に一人一人の患者にじっくりと向き合うことが難しく、患者が通常医療の科学的な効果やエビデンスを理解することができないからではないか、という点である。 なお、末尾ではこうした代替医療の問題点にも関わらず、疑わしい代替医療を広めた責任者として、セレブリティ、大学、政府機関、WHO等の10のプレーヤーが明示されている。首を吊らすべきなのは誰か、考えなければいけない。
0投稿日: 2016.01.17
powered by ブクログとりあえず、自分や身近な人を殺してしまわないためにも、すべての人に読んで欲しい本。 代替医療を科学的アプローチから、有効かどうかを判断して行く本です。 無害ならまだしも、施術から数年後に悪影響の出る可能性のある治療法があったりして、ちょっとぞっとします。 癌は治療するなとか、肉は食うなとか、そういった情報を受けたときに、実践に移る前にちゃんと考えてみるための参考になります。 ただし、これ読んだら、ブラシーボ効果が効きづらくなる可能性があるので、そこら辺は覚悟の上で。(^^;
0投稿日: 2015.07.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自然派のお手当てを幾つか学んだり、やはり代替医療に惹かれる気持ちを否定できない自分。それをサイモン・シンが解剖してくれるというなら喜んで!と手に取ってみた。 代替医療を信奉する人には辛い内容らしいというのは聞いてはいたが、最後のページに至るまで全否定とは思わなんだ。容赦なし。 擁護するわけではないが、”対処療法”であって”根本治療”でない西洋医学のアプローチで、”自然治癒力を高める根本治療”を目指す東洋医学等を分析しようとするのは、些かアンフェアではないか、とも思うし、また「なんでも治します」的な宣伝をする質のよくない代替医療と一緒くたにしないでほしいなー、とも思うよね。 だが、確かに代替医療をなるべく多くの人に広めようと思うと、こういうアプローチで尚且つ結果を出すことがとても大切なのは、すごく納得する。実際、わけもわからず言ってるなー、とか、ないわそれ、と思うこともいっぱいあるしね。 結局、自分でしっかり調べて考えることが大切、という気持ちを新たにさせられたこと、そして、この手のものに陥りやすい人に何らかの助けになれる本、ということで、やっぱりサイモン・シンはすごいなーと思った本でした。
0投稿日: 2015.03.20
powered by ブクログホメオパシーは怪しいと気付いている人でも、鍼灸、カイロプラクティック、漢方を疑いなく信じている人は多い。 科学は今の時代でも万能ではなく、推論の積み重ねであり、原因が完全に解明されないまま利用されているものは多数ある。だが、本書が軸としているのは科学的根拠の究明ではなく、臨床試験とその結果を収集した系統的レビュー。ランダムで選ばれた患者に対し、二重盲検法によって試験担当者も対象者も本物の薬かどうか知らされないまま検証し、プラシーボの効果を排除してその効果を測定する。 正規の医薬品だろうと鍼治療だろうと霊感診療だろうとその理論はさておき、同じ検証プロセスを通してこそ何が有用で何が有害であるのかが正しく判定される。その結果、ほとんどの代替医療にプラシーボ以上の効果がないことが明確にされるが、代替医療の信奉者にこの事実を明らかにしたところで、恐らくほとんどが聞く耳を持たないだろう。 いくら正しいデータを並べようが、科学者が言葉を尽くそうが、人の信仰というものは簡単に破れるものではない。一般的に信仰のきっかけとは日常への不安や絶望からくるものだが、代替医療にハマるきっかけは現代医療に対する失望にある。医療制度が整った日本であっても、病院に不信感を抱くシチュエーションは簡単に想像できる。長時間待たされ、たらい回しにされた挙句、数分の会話で薬を処方されて終わり。こんな流れ作業では患者が一番必要とする『安心感』が得られず、プラシーボの効果が薄まることさえあるだろう。それは「医者なんだからこの苦しみを完璧に取り除いてくれるのが当然だ」と完全性を期待してしまう患者の無理解と相まって、優しいだけだが優しさがある代替医療という甘い罠に誘い込ませる。 斯様に未だもって現代は信仰が支配する時代であるが、これは代替医療に限ったことではない。政治・経済にとどまらず、科学の分野においてさえ、「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいな話に根拠のない確信を持つ人は多い。自覚のない信仰に自ら気付く術はあるのだろうか。せめて、自分自身にも未だ見えない信仰があるのだろうということを覚えておき、信じ難い意見にも心を開けるようにしたい。
0投稿日: 2015.02.23
powered by ブクログ前作に比べて、代替医療に対する批判色が強い作品ではあったが、いつもながら読者を引き込む作りである。主流医学が幾つもの臨床試験を重ね、科学的根拠に基づいて発展してきたのに比べて、巷の多くの代替医療は、謳っている効能のほとんどが科学的根拠も乏しく、プラシーボ効果以上の効力を持たないことが臨床試験から既に明らかにされている。また、主流医学では、ある一つの治療法が特定の疾病・疾患にターゲットを絞っているのに対し、代替医療では、あれもこれもみんな効きますという万能性を謳っているものが多く、これらも冷静に考えれば、そんな都合のいい話はないと思えるだろう。こういった科学的リテラシーを養うには最適な1冊であった。最後にシン氏が述べていることが印象的だったが、何故効かないと分かっていてもなおこういった代替医療が生き延びるのか?それは問診にほとんど時間をかけず患者の声に耳を傾けない「冷たい主流医学」になりがちな現代ではむしろ、じっくりと話を聞いてくれる代替医療セラピストにすがる患者が増えるのではないか、という意見に賛成である。
0投稿日: 2015.01.02
powered by ブクログ代替医療について、科学的に突き詰めて考察できる。 おかげで、いろんなものが怪しく見えてくることになるが、逆にこれまでいろいろなことを信じすぎていたということか。 とりあえず、首に着けていた磁気ネックレスは外した。
0投稿日: 2014.11.06
powered by ブクログ学生実験や計測工学で学んだアプローチが、このような問題にも使われていたとは…。とはいえ、まっとうな研究者よりもマスコミや詐欺師の声の方が、一般人に数多く届くように世の中はできている。まずは疑問を持つことが唯一の防衛策なのかなぁ。
0投稿日: 2014.11.03
powered by ブクログ代替医療って、何? タイトルはずばり「民間療法のトリック」とすべきだったと思うが。 鍼(はり)、ホメオパシー(毒を超希釈して服用)、カイロプラクティック、ハーブ(漢方薬以外)の効果の検証の話。一部の限定的な効果を除けば、プラセボ効果、自然治癒でしかないとの結論。プラセボで良くなるならそれでもいいのでは、という考えに対しては、適切な医療を受ける機会を逸することの危険性を指摘。医療行為が長期間の検証を経るのに対し、代替医療は自身の成功体験のみでOKなわけで、しかもそれを盲信するだけに始末が悪い。 翻訳者のあとがきにあるように、医療崩壊で医師は患者と十分に向き合えない。それに対して患者と十分に向き合う代替医療に患者が惹かれ、そこに強いプラセボ効果が表れるのは当然なのかもしれない。
0投稿日: 2014.10.15
powered by ブクログ待ちに待ったサイモン・シンの新刊文庫化。壊血病のこと、瀉血のこと、ナイチンゲールのことなど第1章は学ぶことが多かった。2章以降は実際の代替医療について。鍼治療とかカイロプラクティックなどについては認識が甘かったかもしれない。「指圧の心 母心 押せば命の泉わく」なんて言うのを今でも覚えているくらいだけれど、あのテレビに出ていたおじいさんが創始者の浪越徳治郎だったのだろうか。マッサージはいくらかの効果があると思うけれど、足つぼで体の他の部分も治療できるというのは怪しいのだろう。漢方とかアーユルヴェーダなんかは古代から伝わってきているものに何の効果もないとは信じがたいけれど、調べてみれば、プラセボ効果ほどにしか効果はないのかもしれない。しかし、何でもかんでも科学的に…で片づけてしまうのも面白みがないが、無駄にお金と時間を使うのはやめておいた方がいいかもしれない。やはり科学教育はしっかりしておかないといけない。ところでホメオパシーという言葉自体今回初めて知ったのだけれど、日本にも入っているのでしょうか。と、ネットで調べると、当然のようにありました。ホメオパシージャパン、環境・心・体に優しい製品を販売されているようです。浪越さんについてもネットで写真を確認。何でもすぐわかってしまう。これは生き物としての人間的な生活なのだろうか(今は中村桂子さんの新刊を興味深く読んでいます。)せっせと足に電気をあてに行っている老父にも知らせてやらないと。まあ、そんなにとんがらなくても、散歩とおしゃべりにでも行っていると思えばいいのかもしれないが。
0投稿日: 2014.09.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
鍼も代替医療とは知らなかった。しかもプラセボ効果以上の効果がないとは。 きちんとした通常医療には副作用の説明があるため、 代替医療は緩やかに効果があり、副作用がないのではとぼんやり感じことから、 惹かれていたんだと思った。 この本には載っていない代替医療に挑戦したことがあるけど、全く効果がなかったのは、信じていなかったからだな。 信じたい人は、信じていればいい。ただ効果のないものに税金を使うことだけはやめてもらいたい。(チャールズ皇太子、しっかりして…)
0投稿日: 2014.09.14
powered by ブクログ鍼・ホメオパシー・カイロプラクティックなどの代替医療をそれぞれの治療の発祥から紹介し、果たして効果があるのか?を実験や調査から徹底的に評価を行ったもの。そこで得られた結果はほとんどプラセボであるというものでしたが、十分な根拠、そしてなぜプラセボがだめなのか?まで丁寧に示されていると思いました。著者たちは最初から代替医療に否定的な目線で始めず、効果が出るなら受け入れるという態度であるのも信頼性がもてます。この本に載っているようなことをもっと多くの人が知るべきではないかと思いました。
0投稿日: 2014.09.12
powered by ブクログサイモン・シンが誰かと共著で本を書いているというのは知っておりました。 で、楽しみにしておりました。 ようやく読んだー。 次作が楽しみ。 ただね、一アジア人として、 東洋医学に関連したものはもうちょっと信じたい。 鍼はまあいい。 西洋におけるカイロプラクティックもまあいい。 指圧とかはさー、 まあ経絡とかは非科学的にしろ、 血流はよくなると思うのよね。 で、自分の経験はプラセボ以上だと思うのよね。 まあ最後の一覧には部分的に有効ってあったけどさー。 うーん。 西洋の東洋医学者って胡散臭い人ばっかりなのかなー。 うーん。
0投稿日: 2014.08.05
powered by ブクログサイモン・シンの著作は「宇宙創成」、「フェルマーの最終定理」に続き3作目。代替医療?とピンと来ないながらも手に取りました。 代替医療は一言で言うと「民間伝統療法」です。主に扱っているテーマは瀉血、鍼(及び経穴(ツボ)に刺激を与えるお灸、指圧、磁力・電力刺激)、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法などですが、結局「どれも医療には及ばない、むしろ危険を孕んでいる」ということでした。まあ、そうでしょうね。 話の展開の仕方はこれまでの著作と異なり、各論に終始ししているところはあります。各章の結論だけ読めば「なんだ、結局そんなことか」と思うのですが、それに至るまでの論理展開はやはりサイモン・シンらしいというか、徹底して客観的でロジカルです。こうやって事象を分析すれば自分で正しい判断ができるという、考え方のテンプレートを身につけられた気がします。 前作までのワクワク感はありませんが、読んですっきりすることは間違いないです。もうカイロプラクティックには行きません。
0投稿日: 2014.07.01
powered by ブクログ「フェルマーの最終定理」で瞠目し、「暗号解読」では感動でちびるほど面白かったサイモン・シンの(たぶん)最新作。 前作もそうだったが、単行本と文庫でタイトルが異なり「代替医療のトリック」→「代替医療解剖」となっている。 まぁタイトルなんぞ何でもいい。 今回はどんな世界を教えてくれるのか、期待に早くも漏らしながらページを繰っていったのだが、これは正直イマイチ。 著書の最大の魅力は、科学的・数学的に興味深いテーマを、広い知識と綿密な取材、構成力によって門外漢の人間にも味わい深く伝えられることだと思う。 難解なテーマを平易にテンポよく解説しながら、技術者や研究者の人間性にも迫るその筆力は凄まじく、微分・積分についていけず教科書を放り出した私の様な無学でも、かぶりつくように読み進め、読後には数学の(あるいは科学の)の真髄を知った気になり、深い愛着すら覚えていた。 サイモン・シン作品の魅力を一言でいうならば、このカタルシスにあるといっていい。 そしてそれを引き出すのは、先述の通り構成力などの筆力・技巧もさることながら、何よりも作品の底にある作者自身の科学や数学、そして登場人物に対する深い愛情だと理解している。 ところが今作で作者が選んだテーマは、おそらくは作者自身にとっても愛すべきものではなかったのではないだろうか。 綿密な取材や科学的な検証、論理的な解説は相変わらずだが、テーマそのものが批判対象であるため、物語性や共感を呼び起こす部分はまるでなく、取り上げて解説しては批判することを繰り返すことに終始してしまっている。 内容に間違いはないし、倫理的にも正しいと思う。 代替医療という欺瞞に満ちた利権が、時には人の命を脅かすことを考えれば、科学的知見に優れる作者が啓発することは意義深いことでもあろう。 たとえばこの作品をニューズウィークの特集ででも読んだなら、私はさすがサイモン・シンだ!と賞賛を送ったことと思う。 が、しかし、それでもあえて言いたい。 私がサイモン・シンの著作に求めるものはこの作品にはなかった。 次作では深いカタルシスを得られること期待している。
0投稿日: 2014.06.17
powered by ブクログサイモン・シンの最新作。サイモン・シンと言えば、「フェルマーの最終定理」や「暗号解読」などの著書に代表されるように、非常に難しいテーマを、一般庶民に分かり易く噛み砕いて解説することにかけては最も優れたサイエンスライターの一人である。その語り口はつとめて冷静かつ公正であり、個人的な思い入れが垣間見えることは極めて稀、というのが一般的な評価だと思う。 ところが、本書におけるサイモン・シンは少し様子が異なる。いつもは解説者に徹している彼が、本書の中では糾弾者としての姿勢を明確にしているのだ。 漢方、針、ホメオパシー、カイロプラクティックなど、代替医療の普及は止まるところを知らない。日本においては、近年ますますその勢いを加速させている感すらある。 本書は、そんな代替医療の抱える「欺瞞」について、鋭く切り込む一冊である。有体に言えば、ホーリスティックでナチュラルで伝統的で、スピリチュアルな代替医療が、効果の点で現代医学に勝るとする理由は、ほとんどないのであるが、それにも関わらず、代替医療がこれだけの支持を集めるに至ったのは何故か。これを理解することは、様々な誘惑の多い社会に生きる我々にとって、単に代替医療の「罠」に陥らないようにするのみならず、種々の「詐欺的手法」を見抜く一助にもなるであろう。
0投稿日: 2014.03.30
powered by ブクログ代替医療の大げさな宣伝や、莫大な金額が動いている現状を憂いて、あくまで公平に科学的なメスをいれた力作。人体という、まだまだ分からないことが多い事に対して、時に非科学的な療法に頼りたくなる人の気持ちも分からなくないと思っていたけど、科学的であろうとすることは、人間にとって、とても大切なことだと思った。あきらめないで前進をめざす、というか。 「楽しみ」として代替医療に足を踏み入れる人も多いだろうけど、まずはこの本を読んで、自分が試そうとしているものの本質を知った方がよい。その上で、楽しみたいなら、それでもいいけど。知ることは大事。
0投稿日: 2014.03.23
powered by ブクログサイモン・シン最新作、待望の文庫化!! …のはずだったのだが…。 個人的にはがっかり。 身も蓋もない言い方をすれば、これは代替医療批判本。理数系の話をわかりやすく解説したいつもの"科学的読み物"ではなく、社会問題を題材にしたもの。 学会に発表される論文じゃないんだから、いくら断じられても作者の主観の域を出ないし、作者は公平を強調しているが、同じ論調で通常医療にも批判を加えなくてはとても公平とは言えない。 また、"科学的でないもの"を主題としていることから当然、科学的・理系の専門的な解説はなりを潜め、"科学的でないもの"の説明が延々続く。 これではなんのためのサイモン・シンか。 ホメオパシーに至っては、私は本作で初めて知った。説明を読んでもよくわからない。こんなものが世界的に普及しているというのも信じられない(私が知らないだけなんだろうけど)。言い方は悪いが、造語を造語で解説しているファンタジーのあらすじを読んでいる気分だった。 代替医療について知りたいなら本書でいいかもしれない、でも、サイモン・シンを読みたい人には落胆が待っている。
2投稿日: 2014.03.09
powered by ブクログ私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ つまらない もしくは趣味が合わない 2014.2.22読了
0投稿日: 2014.02.23
powered by ブクログSimon Lehna Singhの著作にはハズレがない。 今回はタイトルの通り「代替医療」について。ここでいう代替医療とは、カイロプラクティク、鍼(お灸含め「 気」の流れをコントロールして治療する方法一般)、ホメオパシー等である。 これらの治療法は果たして、大学病院で治療してもらって処方箋を出してもらうよりも元気になるのだろうか。 ここで、一つ重要な問題を考えないといけない。 ある治療法がある病気に対して効果があるという事をどのように「科学的に」検証すればよいだろうか。 単純にはその病気を患っている人を多数集めてその治療法を試してみて、効果を検証すればよい。と思われるかもしれないが、「プレセボ」という効果を考慮していない。つまり、プラセボによって元気になっているだけで、実はその治療法は全く意味が無いという可能性である。 話はそれるが、このプラセボというのは案外バカにならない効果があるようである。 今後、このプラセボ効果の科学的な解明を望むばかりである。 閑話休題、このようにある治療法が、ある病気に対して効果があるかどうかは実は難しいのである。 色々と方法はあるのであるがそれは本書を読んでもらうとして、結論は、上記のカイロプラクティク、鍼、ホメオパシーは科学的には効果が無いようだ。(一部は少し効果あり) よって、変な医療に手を出して高額の費用を払うよりはきちんと大学病院に言って最新の医療に従った治療を受けたほうが賢明だということである。
2投稿日: 2014.02.06
powered by ブクログ数ある代替医療は、プラセボ効果以上の有効性を殆ど認められない。場合によっては、通常医療を受けない危険も孕む。放置されていた現実にメスを入れた。医師はなぜ、放置された危険性への警告に踏み込むことを躊躇するのだろう。13.1.26
0投稿日: 2014.01.26
powered by ブクログサイモン・シンの新作。相変わらず面白い。緻密で丁寧な説明で難しい内容が噛み砕いて消化できる。 代替医療という言葉に最初ピンっと来なかったが、いわゆる薬ではなく鍼、カイロ、ホメオパシー等々の行為を指している。これを「医療」と呼べるのか、科学的立場から現在得られる資料を元に評価を下したのが本書である。 本書ではくどいくらいに「科学的立場」ということの説明にページ数を割いている。それは、この本の基本となる考えでありこの考えが揺らぐと本書の意味が無いためである。が、さすがにくどいなと思ったので☆はマイナス1。
0投稿日: 2013.12.24
powered by ブクログ代替医療の効果の科学的検証結果をまとめた本。さも効果ありとうたわれている代替療法が実は効果がない、もしくはプラセボ効果によるものであることを様々な実験結果を元に示している。 多くの一部の代替療法者が言うような「代替療法の多くが、科学では効果を計れない」という事が「誤り」であるという事実を鍼を取り上げて説明している。また、思い込みや単なる経験則を排除するべく、医療関係者が如何に統計や比較対象実験を駆使してきたかもわかる。 科学的と聞くと冷たいイメージもあるが、むしろ、効果の少ない治療を行い続ける事の方が不誠実である。また、科学側は効果的な代替療法を積極的にに評価することで、代替療法を科学的な医療に組み込む努力を惜しんでいないことに、驚き、感銘した。
0投稿日: 2013.12.22
powered by ブクログ2010年に発刊された『代替医療のトリック』の改題(原題は『Trick or Treatment? 』) この夏に文庫版が出されたので、久々に読むことにした。 サイモン・シンといえば、『フェルマーの最終定理』でご存知の人が多いかな? 通常の医療も代替医療も、「患者に効果があるのか?」という視点で、可能なかぎり公平に科学的に追求した書。 著者たちも、どのような結果が出ようともそれを受け入れるつもりでいた・・・としている。 古くから医療として扱われたものの、科学的解釈の変遷をはじめ、現在どのように介入の効果を科学的に扱うかが歴史的に解説されている。 また、現在において代表的な代替医療として挙げられる鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法について、かなり詳しく効果があるかどうかという単純な視点で解説されている。つまり・・・(ry 巻末には、さまざまな代替医療についての評価も(それぞれ2ページ程度で)加えられているので、参考になる。 アーユルヴェーダ 、アレクサンダー法、アロマセラピー、イヤーキャンドル(耳燭療法)、オステオパシー(整骨療法)、キレーションセラピー、クラニオサクラル・セラピー、クリスタルセラピー、結腸洗浄、催眠療法、サプリメント、酸素療法、指圧、神経療法、人智学医療、吸い玉療法(カッピング)、スピリチュアル・ヒーリング(霊的療法)、セルラーセラピー、デトックス、伝統中国医学、ナチュロパシー(自然療法)、パッチフラワー・レメディ、ヒル療法、風水、フェルデンクライス法、分子矯正医学、マグネットセラピー(磁気療法)、マッサージ療法、瞑想(メディテーション)、リフレクソロジー(反射療法)、リラクセーション、レイキ(霊気) 今回文庫版で新しくなっているのは、『文庫版訳者あとがき』だが、ここには、新しいことが2点あげられている。 ・サイモン・シンが、英国カイロプラクティック協会に訴えられたこと、 ・プラセボ効果の研究の進展 医療の世界もは日進月歩。 この本の続編にあたる本が数年毎に出れば面白いだろう。 ---------------- 【内容(「BOOK」データベースより)】 ワシントンは血を抜かれすぎて死んだ。瀉血が信じられていたからだ。壊血病患者は重労働を課された。ビタミンCが未知だったために。ナイチンゲールの登場以降、医療効果を科学的に測定しようという試みは、2000年代、ついに代替医療へと―。鍼、カイロ、ホメオパシー他の最新の科学的評価とは?知られざる逸話とともに語られる、代替医療の真実。 ---------------- 【目次】 はじめに 第1章 いかにして真実を突き止めるか 第2章 鍼の真実 第3章 ホメオパシーの真実 第4章 カイロプラクティックの真実 第5章 ハーブ療法の真実 第6章 真実は重要か? 付録:代替医療便覧 より詳しく知りたい読者のために 謝辞 訳者あとがき 文庫版訳者あとがき ----------------
0投稿日: 2013.12.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
漠然と体にいいだろうと思い込んでいた鍼治療やカイロプラクティック等々、科学的には全く根拠が無いばかりか危険でさえあることを知った。 ほとんどはマスコミに刷り込まれたのだと思うが、いかに騙されやすいかを再認識。
0投稿日: 2013.12.13
powered by ブクログいかに適当な医療報道、宣伝が世に蔓延っているかがよくわかる。 それだけ騙される人が多く、お金儲けになるのだろう。 一番は自分で判断せずにきちんと病院に行ってお医者さんの話を聞くこと、これに限るようだ。 鍼治療とかカッピングとかリフレクソロジーまで代替医療に含まれることには少しびっくり。指圧、マッサージ、カイロプラクティックの違いがイマイチよくわからなかったけど、理学療法に比べるとほとんど効果がない模様。 単純にリラックス程度の効果しかないと考えたほうが良さそう。 病院を毛嫌いせずにきちんと足を運ぶべき。 相変わらずこの著者の本は素晴らしい。そしてこの訳者の本にハズレがない。もっと読んでみたい。
0投稿日: 2013.12.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
代替医療について統計学を用いて徹底的に有効性を検証する内容。 分厚いけど、フォーカスしているのは鍼、ホメオパシー、カイロプラティック、ハーブ治療の4つ。そのおかげで、一つ一つを解説を丁寧に、また予想される反論に対して説明を加えている。 結論として、大体の代替医療は現代医療よりも効果がなく、それどころかまったく効果がないか寧ろ悪影響を及ぼす危険性があるとのこと。ブラセボ効果のみ期待できるが、現代医療はブラセボ効果+薬の効果が期待できるため現代医療を利用するほうが費用的にも負担が少なくかつ安全で効果も高い。 代替医療マーケットが大きくなったのは、マーケティングの上手さ、カリスマの存在、セレブリティが関与しており、代替医療そのものの効果が高いためではない。 現代医療の発展の歴史、代替医療の危険性等普段生活では触れることがめったにない話題だったので面白く読めた。話題展開が一段ずつ丁寧に行われてたので読んでて分からないところはほとんどなかった。次は、フェルマーの最終定理かな。
0投稿日: 2013.12.01
powered by ブクログ実際に医者が施している治療や治療薬は、いくつもの臨床検査を行った上で処方されているが、代替医療ではそういうのが無いため効果副作用がわらかない・・・恐ろしい メディアは、医療については容赦なく叩くが、代替医療については特に何もなく、むしろプラス(根拠なし)の面ばかり取り上げる現実が視聴する側としても、キチンと見極めが必要だと感じさせられた
0投稿日: 2013.11.09
powered by ブクログ鍼はコントロールとして対照を置けない!ため効果を検証しにくい。鍼のプラセボ効果は確かに強そうな気がする。
0投稿日: 2013.11.09
powered by ブクログ本書で主として取り上げられている代替医療は、「鍼」「ホメオパシー」「カイロプラクティック」「ハーブ療法」の4種類(他のものも多数とりあげられている)。 科学的な検証の結果は本書を是非読んで欲しいが、プラセボ効果との兼ね合いもあり、素人では判断はなかなか難しいところ。だからこそ、専門的な検証をきっちりとして欲しいものだ。特に、代替治療に効果があると主張する人たちは、それを科学的に証明する義務があるだろう。少なくとも、9歳の少女が実験で得た結論を覆すことができるだけのことを(p.363~364)。 笑える逸話としては『謎の殺人化学物質』という記事で取り上げられた一酸化二水素(DiHydrogen MonOxide:DHMO)だろう。まんまと欺される人もいるだろうなぁ(p.444~445)。
0投稿日: 2013.11.08
powered by ブクログ科学系の読み物で有名なサイモン・シンの最新作が文庫化されたため購入。 実は過去に『フェルマーの最終定理』に挑戦して理解できず途中で断念したことがあったが、今回は数学ではないので挑戦してみた。 いざ読み始めたら、その文章の読みやすさと展開の面白さで一気に読み終えました。 現代科学に裏付けされている医療の本流とは異なる「代替医療」と呼ばれるものは本当に効果があるのか。 「神秘的なものを科学的に解明する」という、個人的に一番のめり込めるテーマだった。 主に鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法の4つを題材としながら『科学的根拠に基づく医療』の考え方を解説してくれる。 予想通りではあったけど、やっぱりプラセボ効果(偽薬効果)が重要なキーワードになっていて、プラセボなのか治療の効果なのか、その見極めが本著の主題でもあった。 プラセボだとしても治ればいいじゃないか、という意見もあるが、安全性・コストの面から見ても、ほとんどの場合、代替医療は利用するだけの価値がないようだ。 過去に鍼治療で腰痛が治ったことがある身として、ぜひ仕組みを解明して欲しかったがそうはいかなかった。 -- Memo: p221 メタ・アナリシスは、確率的誤差と、選択バイアスを最小化する p412 腰痛治療に柔軟体操、ストレッチなどには効果がないことを示す科学的根拠がある。 p467 すべての代替医療は、たいていの症状に対し、今日にいたるも効果が証明されていないか、または効果のないことが証明されており、いくつかの代替療法は患者に害をなす危険性があるということだ。
0投稿日: 2013.11.04
powered by ブクログサイモン・シンの最新作だけど 書評読んで今までとは方向が違うようなので 躊躇していたのだけど 読んでしまった やっぱりサイモン・シンに 求めるものとはちがうなあ 鍼について好意的なWHOの報告に ダメだしするとか驚いたこともあったけど やっぱり
0投稿日: 2013.10.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
現在の医療における主流派ではない、代替医療について、 その効果について明らかにしている。 本書で主に取り上げられているのは、世界で利用者も多い ・鍼治療 ・ホメオパシー ・カイロプラクティック ・ハーブ療法 が対象だが、それぞれを検証する前に、 まずは現代の『科学的根拠に基づく医療』の発展の経緯から紹介されている。 それによると、 『科学的根拠に基づく医療』が広く認知されてきたのは二十世紀も半ばのことであり、 言葉ができてからはまだ20年ほどしか経っていない。 一八世紀にジェームズ・リンドが壊血病に対して行った臨床実験から始まり、 ナイチンゲールによる衛生との関連性の実験や、ヒルとドールの喫煙とガンの関係性をレポートであったり。いずれも従来医療の常識を覆している。 伝統・信仰により行われてきた従来の医療に対して判決を下し、よりよい方法を判断する。 『科学的根拠』と名がついているものの、そこには科学的な原理解明は必須ではなく、 あくまでも客観的に再現可能な方法で、プラセボ効果も(できる限り)影響させない状況で効果があるのか無いのかを評価していくだけのことであり、代替医療と呼ばれているものについても、効果有りと判断できる実験結果さえ整えば『科学的根拠に基づく医療』は受け入れる立場である。 そして先の代替医療に対する結論としては 鍼治療、ホメオパシーについては プラセボ効果以上の効果はないと言っていい状況である。 ハーブ療法についても、その成分の働きは認められるものもあるものの 検証されているものについては既に現代医学に組み込まれている。 自然からなるハーブであっても、化学合成された医薬品と同様に効能も副作用もある。 そして、カイロプラクティックについては十分な臨床実験が行われておらず、 業界もその検証については非協力的である。 鍼治療については実際に人体に針を打ち込む必要があるため、 偽薬による対照実験が行えず、刺さらない偽の針や、経穴をずらす偽鍼を対照に用いている。 施術者に対する二重盲検法は行えていない。 科学的に効果が無いと判断されている代替医療について、 いまだ多くの利用者が存在するのは、メディアによる宣伝効果やプラセボ効果によるものが大きい。 プラセボ効果であっても、効果があればよいのではないかという意見も存在するが、 代替医療に頼ることにより通常医療を受ける機会を失うことや、 ハーブ療法等は実際に効能があるために、通常医療との併用で悪影響を及ぼすことが有る。 また、鍼治療では少ないものの、カイロプラクティックではその施術により体を壊してしまうこともある。 『科学的根拠に基づく医療』が目指すのはあくまで 患者に対する誠意有る態度であり、一度結論づいた内容であっても批判があれば検証が行われている。 伝統医療からすれば日が浅いが、十分に信用に足るものであることは、本書を読めば重々に伝わってくる。 しかし、現代医療は万能ではないし、WHOも早計な発表をしてしまうことがある。 メディアは注意を引くためにセンセーショナルに不安を煽ったり、代替医療の神秘を謳う。 惑わされずに正しい事に、時間・資金・精神を使うために、 このような本が読めたことは嬉しい。
0投稿日: 2013.10.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2000年以上前にヒポクラテスはこう述べた。 「科学と意見という、二つのものがある。前者は知識を生み、後者は無知を生む。」 この本では「〇〇を試した所、元気になりました・・・」という体験談は全て意見として扱っている。ある人が何かを試して効果があったとしてもそれは科学ではなく意見だと。では、科学として取り扱われるのは何か?簡単に言うと証拠に基づいている事である。例えば統計的なデータに基づき効果が有ると言えるか。対象者はランダム化されているか。ブラインドテストをくぐり抜けたかなどで、特にランダム化とブラインドテストを経た者は理論がどうであれ医療効果が有るとされる。現代最高の科学ジャーナリストのサイモン・シンが代替医療(ホメオパス)における世界初の大学教授エツァート・エルンストと組んでいろいろな代替医療を検証している。 鍼の真実 ーいくつかのタイプの痛みや吐き気に対して効果が有るという信頼性の高い臨床試験結果は有る。しかし、同様に効果を否定する信頼性の高い結果も出ている。ー 経絡、経穴は存在しない。秘孔もなければケンシロウもいない。少し残念ではあるのだが。 鍼が効いたという体験談ならいくらでもあるし、その体験が間違いだと言うのではない。 治験者に知らせず、経穴の一定の深さに打つ鍼と偽物の鍼(皮膚表面をさすが押すと引っ込むので経穴には届かない)を使ったブラインドテストの結果それぞれの効果に差は出なかった。プラセボ効果(効くと思えば症状が緩和する)以上の効果はほとんど見られなかった。 ホメオパシーの真実 ー忘れましょうー インドではアユールヴェーダと並んであらゆる階層で用いられているホメオパシーだが別に神秘性はない。18世紀末のドイツの医師ザムエル・ハーネマンがマラリアの特効薬キナの木(キニーネの原料)を健康な人が飲むとマラリアにた症状が出ると言う事から思いついたのだ。健康な人に症状を起こす者は病気を治すと。そしてよくわからないのだが薄めれば薄めるほど効果は強くなるという。たとえばホメオパシーで百倍希釈をCで表し30Cと言うのはごく普通なのだがそこまで希釈するともとの分子はまず含まれていない。普通はここまでで証明終了だ。 それでもいくつもの研究成果をちゃんと検証している。おつかれさんですな。 フランス産の1羽のカモの肝臓と心臓から取られるホメオパシーのインフルエンザ・レメディ(治療薬と思ってください)は2千万ドル以上の売り上げが見込まれているのだが、その容器には薬剤1g中、蔗糖0.85gと乳糖0.15gと明記されている。 カイロプラクティックの真実 ー腰痛に効果があるケースはある。より安い通常医療で効果がなければ試してみてもいい。ただし首は絶対に施術させない事ー 残念な事に腰痛に必ず効く治療法は無い様だ。カイロプラクティックでは無理に外的な力を込めて動かす技術を使う。1997年に治療を受けたカナダの女性は頸椎にマニュピレーションを施した結果、椎骨動脈を損傷し、できた血栓が脳につまり死亡した。骨がばきばきなると効いた気になるがあれは指の骨と同じで気体の泡がはじける音だ。ストレッチの際に言うように無理な力をかけない、反動を使わないやり方のほうが明らかにリスクが少ない。 ハーブ療法の真実 ー効果があるものとないものいずれも有る。近代薬のもとになった。ー 普通の薬は天然物の中から薬効成分を抽出し、化学組成を少し変えてできるだけ効果に対し副作用が少なくなるように膨大な時間と金をかけた臨床試験を行っている。天然物が安全で、人工物が危険だという思い込みには何ら根拠が無い。それでも薬害は起こりえるのだが。また例えば漢方薬の重金属汚染などもニュースになったように薬効とそのものの安全性は少し異なる。 ラベンダー「不眠には効かない」、朝鮮人参「基本的に効果なし」、ニンニク「高コレステロール血症に効果は有るが、血糖値を下げる可能性がある」等々。効果の例の割りに副作用の項目はたくさん並んでいるのではあるが化学屋からすると「毒は薬」効果は有っておかしくない。普通の薬との相互作用も注意すべきである。 科学的な手法を用いて大きな成果を上げた有名人は誰か?候補はいろいろ挙がるが知らなかったのがナイチンゲールだった。戦場病院で一生懸命手当てした人と言うイメージだったのだが実際には統計に基づき病院の衛生管理をする事で死亡率を大きく下げた科学者でもあった。一方で伝統的なやり方が明らかに間違っていた例もある。瀉血といって病人を傷つけ悪い血を抜くという治療法は今では考えられないが19世紀までは通常の医療だったため、結果としては治療をしない方が長生きできた例は多い。 原題はTrick or Treatment ? サイモン・シンは英国カイロプラクティック協会から名誉毀損で訴えられ最終的には勝訴したが2年の歳月と二十万ポンドの支出を強いられたらしい。
0投稿日: 2013.10.11
powered by ブクログサイモン・シンさんの著作は文庫版ですべて楽しく読みました。 代替医療の評価は説得力ありますしその効果解明のエピソードも面白かったのですが、でも代替医療が無くなることは無いと思う。今の「正当な?」医者がどれだけ患者に時間を費やせているのか?。多少効果に疑問があっても患者の言うことに耳を傾けてくれるところに人は流れて行くのではないかと。それが高く無益で、それどころか有害かもしれなくとも。 僕には現代の医者に不信感を持っている。本書を読んでも拭いきれないほどの。
0投稿日: 2013.10.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
第1章では、科学的に証明されていない治療法を施すことがいかに恐ろしい結果を引き起こすのか、を描いていた。ビタミンが発見されていない時代には、壊血病は船乗りにとって致命的な病気であり、血を流すことが治療となると信じられている時代には、瀉血がただしいと信じられていた。このように、医療効果を科学的に証明されていない治療法を使う恐ろしさをまざまざを知らされた気がした。 第2章以降は、個々の代替医療が科学的に証明できるかどうか・できたかどうかを論じている。鍼治療やホメオパシーと呼ばれる代替医療は、プラセボ効果にすぎないという結論が出せれていた。プラセボ効果があるなら、治療法としてはいいのではないかと思っていたところ、次のページで速攻で論破されていた。 最終章でも、なぜ、プラセボ効果しかない治療法が危険なのかも論じられており、納得できる内容であった。総じて、代替医療と呼ばれているものには、プラセボ効果以上のものはなく、また、それがあれば良い方であり、人体に対して有害なものもある。だからこそ、代替医療を安易に使うことを止めた方がいいのだろう。ただ、全員がこれを「知る」ことはできない。これが今後の一番の問題なんだろう。
0投稿日: 2013.10.06
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(ネタバレあり、です) 代替医療。それは、冷たい科学的な医療に対する暖かくて人間的なもうひとつの治療方法ではないのか。 読みながら、何度も息を飲んだりグゥの音をあげたり溜め息をついたり唾を飲み込んだりした。 本書では、鍼、カイロプラクティック,ホメオパシー、ハーブの4つの代替医療を「科学的に」検証している。 本書の結論は以下の通り。 (1)鍼はごく一部の症状に効き目があるが、それ以外にプラセボ(プラシーボ)効果を上回る効果はない。 (2)カイロプラクティックはある種の腰痛に効き目があるが、ほとんどはカイロプラクティックというよりはマッサージの効果であり、プラセボ効果を上回る効果はない。椎骨周辺を触ることにリスクがある。 (3)ホメオパシーはまったく効果がない。むしろかなり有害である。 (4)一部のハーブは一部の症状に確かな効果がある。使い方を間違えると危険(飲みあわせ)。その他は、プラセボ効果を上回る効果はない。 共同著者の一人、エルンストはホメオパシーの実践者、推進者であり、西洋医学ではなく代替医療で初めて大学の教授になった人だ。その人が、こういう結論に達している。 第一章はモノゴトを「科学的に検証する」ということを丁寧に解説している。科学的な検証によって否定された瀉血や強制労働などの有害な治療法。科学的な検証により肯定された感染症に対する清潔/消毒/ワクチンの有効性。二重盲検やランダムサンプリングなどの手法がなぜ大切なのか、豊富な事例を使って説明する。 その後、上にあげた4つの代替医療の有効性を順番に検証していく。 本書の白眉は「プラセボでも治るならいいじゃない」に対する反論だ。 (a)科学的に検証された現代医療の治療法では、生理的化学的な効果とプラセボ効果の両方を得られる。代替医療にはプラセボしかない。 (b)プラセボ効果は効果が不安定である。例えば、信じる人にしか効かずバレると効き目が無くなる、同じ症状に対する処方がバラバラ、など。 (c)プラセボでは治らない病気がある。ビタミンの欠乏による壊血病、不潔な環境での感染症など。代替医療は概して「何にでも効く」と主張する。 (d)プラセボは進化しない。現代医療は進化改善し続けている。 (e)現代医療は、医師も製薬会社も厳しい何段階にも及ぶ審査が課せられている。それでも医療事故が起きている。代替医療にはそれがなく、簡単なトレーニングで治療者になりほぼノーチェックで薬を処方している。その結果起きている事故について、あまり知られていない。 などなど。 私個人は、家族友人に現代医療の従事者が多いこと、それなりに科学的論理的な思考を好むことから、どちらかといえば現代医学寄りの人間だ。一方で、文化人類学を研究したことから、近代科学になじまない考え方の価値をも大切に思っている人間だ。 ホメオパシーは完全にアウトだと思っていたが、鍼を含む東洋医学や、カイロプラクティックと通じるところのある整体には惹かれるものがあり、「信じれば救われる」のを良しとする信条の持ち主だ。 代替医療に対しては「プラセボよりはある程度マシな効果がある」と思っていたのでショックを受けている。本書は「ほぼプラセボしかない」と言っているから。 読み終わって「ちょっと待ってくれ、時間が欲しい」と著者に呼びかけてしまった。 ただ、これだけは言える。 本書が大前提にしている「(本人や周りの意思と関係なく)病気が治ることは良いことだ」は、常にそうとはいえず、良い場合とそうとは限らない場合があるということ。 本書の「科学的な検証」が有効な射程とそうでない領域があるということ。 全体は部分の集合ではなく、生物としてのヒトは細胞の集まりかもしれないが生きている人間はそれ以上の何かであるということ。 なお、少々気になったのは、本書の肩入れ。代替医療の*効果*になると科学的に有為かを厳しくチェックしているが、代替医療の*副作用*となると(代表性バイアスにとらわれる傾向にあるなど)科学的な態度ではなく「ほら見ろだから代替医療はダメだ」という傾向が見られる。この点は残念。
2投稿日: 2013.10.05
powered by ブクログ鍼や整骨、ハーブ療法など、広く用いられていながら未だ科学的医療のお墨付きをもらっていない代替医療。 それらに焦点を当て、科学的見地から有効性を検討しよう…という試みがとても興味深かった。 はじめに過去の似非医療法が暴かれた史実とその方法論が語られるため、読者は抵抗なく科学的な検討とは何かを知ることが出来る。 その後、現代に蔓延る代替医療の歴史、それについて行われた実験と、結果からの考察が述べられる。 好感が持てるのは、本書の目的が科学の権威で代替医療を潰そうということではなく、あくまで公正に(この場合、科学的という意味で)効力を判断しており、有効なら活用していこうという柔軟で前向きかつ真摯な姿勢を貫いていることだ。 WHOの見解をただ鵜呑みにするのではなく、そこからもう一歩踏み込んで検証していることに驚く。そういった切り込み方が中身をより濃くしている。 科学的な検証、疑いを晴らすための論議では、ロジカルな思考を楽しめるし、付随して語られる史実は驚きを与えてくれるので、伝記と科学本をないまぜにしたようなテイストで飽きない。
0投稿日: 2013.09.24
powered by ブクログ原題「Trick or treatment?」の茶目っ気は感じられない邦訳タイトル.中身の情報量は多いが、読み応えとしては「フェルマーの最終定理」などには遠く及ばない.結論が妥当で,ある意味予想通りのものばかりであることから,より強くそう感じるのかもしれないが.第VI章の,プラセボだろうが何だろうが効果があれば良いじゃないか,という問いに対する筆者らの答えは必読.「文庫版訳者あとがき」も地味に有用.
0投稿日: 2013.09.17
powered by ブクログ文庫化でタイトルが変わってます。元の題は「代替医療のトリック」。鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法などなど様々な代替医療について詳しく調査しています。科学的にメカニズムが解明されているのか、そうではないとしてそもそも効果はあるのかないのか。多くの代替医療はどちらにも×印がつくわけですが、中には効果があると言えるものもあります。 著者は科学者ですし、努めて公平な態度で検証に臨んでいるようですが、調査結果に対しては怒りを感じているようです。まーでも世の中ってそんなもんw
0投稿日: 2013.09.01
