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フェルマーの最終定理(新潮文庫)
フェルマーの最終定理(新潮文庫)
サイモン・シン、青木薫/新潮社
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総合評価

814件)
4.4
423
250
76
10
0
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    数学好きにも、数学にそこまで興味がない人にもお勧めできる本です。 命を削って数学をする、数学を愛する数学者たちのドキュメンタリー 序章からドキドキします

    1
    投稿日: 2022.10.18
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    本書はノンフィクションです。 本来わたしは小説しか読みません。フィクション専門です。 おそらく今までの読書生活の中でノンフィクションを手に取ったのは10冊程度でしょう。 しかも、たいていは途中で放棄してしまうか、最後まで読み通したとしてもすぐに忘れてしまうかのどちらかです。 今までにそうならなかった本、おもしろくて感銘を受けたノンフィクションは江川紹子さんの書かれたオウム真理教の本と、北里大学獣医学部の奮闘が書かれた「犬部」の2冊のみです。 ではなぜ、わざわざ苦手なノンフィクションを手に取るのか。 たまに、ごくたまにですが食傷気味になることがあるからです。 例えて言うなら……酒も苦手なわたしは甘いほうの口、甘党です。ケーキや菓子パンやお菓子が大好きですが、そればかりだと口の中が「あぐあぐ」って感じになります。なにか苦いもの、辛いもの、しょっぱいものを欲したくなるのです。 それがわたしにとってのノンフィクションです。   フェルマーの最終定理。この言葉を知っている方はきっと多いでしょう。わたしもなんとなくは聞き覚えがありました。 おそらく、テレビのドキュメント番組、本書の序でも書かれていますがBBCテレビの「ホライズン——フェルマーの最終定理」を観たのだと思います。 あれはおもしろかった。 で、本書を選びました。   フェルマーの最終定理とは何か? 本書のはじめにで、こうあります。 数学界の偉大な英雄たちを一人残らず巻き込んで展開する、勇気、不正、ずるさ、そして悲しみに彩られた魅力あふれる冒険物語——その中心にあるのが、フェルマーの最終定理なのである。と。 大げさで抽象的ですがまちがってはいないでしょう。 ピエール・ド・フェルマーは、1601年フランス生まれの役人であり、非常に優れたアマチュアの数学者でした。 性格は秘密主義で猜疑心が強くて人付き合いが悪く、ほかの数学者をからかうのが大好きという困った人物でした。 彼のやり口は自分が発見した定理を数学者たちに送り付け、自分の証明、つまり解法は明かさずに、できるものなら証明してみろと挑発して楽しむことでした。 しかも彼はただのはた迷惑な困ったチャンにとどまらず、確率理論と微積分法を発見するほどのはた迷惑な“天才”困ったチャンだったのです。 あるときフェルマーはあの有名な、数学オンチなわたしですら知っているピュタゴラス(ピタゴラスのほうがなじんでるが本に記載されてるとおりに記します)の方程式 x²+y²=z² をいじってました。  【直角三角形の斜辺の二乗は他の二辺の二乗の和に等しい】ってヤツです。 x=3、y=4 ならば 3×3+4×4=25 となり √25=5 すなわち z=5 となる。 フェルマーはこれを二乗以上ならばどうなるのかを考えたのです。 つまり x³+y³=z³     x⁴+y⁴=z⁴     x⁵+y⁵=z⁵       ・ これらの方程式のxyzにあてはまる整数解は存在するか? フェルマーは、二乗よりも大きい(べき数)を同じ(べき)の二つの数の和で表すことは不可能である。と、のたまった。 整数解は存在しない、と。 そしてこのはた迷惑な天才は、こう続けた。 「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」と。   いや書けよな~、オッサ~ン(゚Д゚)ノ フザケンじゃねぇ!! 後にこの問題は多くの数学者たちの頭を悩ませる難問として350年も君臨することになります。 でも、小気味良いですよね。 だいたい数学の難問というのはまずその問題自体を理解するのが難しく、やたら面倒くさげな訳の分からない記号のオンパレードで出来てるらしいのだが、フェルマーの最終定理は素人でも問題の意味が分かる。 しかもこのフェルマーの最終定理、世に出たのが本人の死後、フェルマーの息子の手によってなされたのである。 いや、答えを聞きたくてもあんたもう死んでるや~ん。 ワ○ピースか! 海賊王のロジャーか! すべての財宝を置いてきたって、場所言ってから処刑されろや! フェルマーもどっかに答えを書いておけや!! このフェルマーの定理はいくつもあったらしいのですが、ほかのそれらは数学者たちによって解明され、ただ一つ残ったこの難問がフェルマーの“最終”定理と呼ばれるようになったのです。   本書は、このフェルマーの最終定理に挑む数学者たちのドキュメントであり、ひいては数学とはなんぞやと教えてくれる良質のノンフィクションでした。 ワクワクさせられました!(^^)! 多額の賞金までかけられた難問に挑む数学者たち。 証明を阻む“無限”の壁。 そして10歳のときに町の図書館でこの難問に出会った少年は数学者となって再び相まみえる。 20世紀の数学のテクニックを駆使し、7年もの孤独な苦闘の末、ついに証明なるかというそのとき……。 結果は知っていてもドキドキします。 あとでレビューを書くためにと、貼った付箋の数は25枚にもなりました。 めでたく自分の中の「3冊目」のノンフィクションになってくれました。   まともなレビューはここまで。以下に本書を読んで本筋ではないものの気になったことを記します。 まずピュタゴラスのおっさん。 紀元前六世紀の偉人で、数学の始祖? 数の真理を追究する教団を作り、「万物は数なり」と言い切る。 意外なエピソードとして弟子を殺した話があった。 ピュタゴラスは、あらゆるものを有理数(整数と分数)で説明できると信じていたが、あるとき一人の弟子が√2を有理数では表せられないことを発見する。と、その弟子に溺死による死刑を言い渡して殺してしまう。 アホか。としか言いようがない。殺さんでもいいだろうと思うが、そこまで理想とする数学に憑りつかれていたんだろうな。 でもまちがっていたのはピュタゴラスのほう。弟子は殺され損。   それから、なにかと宗教が鼻に付く。本書でも知識を集めていた巨大な図書館が宗教の名のもとに焼き討ちにあうなどの被害を受けている。 ピュタゴラス、ガレリオ・ガリレイ、ダーウィン……。 宗教は自分たちの思想に合わないものを「異端」と決めつけ、改心しないものは邪悪と認定し、平気で残忍な行いをする。 ムカつく! 特に女性は数学を学ぶことに多大な迫害を受けた。 西暦四世紀のアレクサンドリアのヒュパティアは世界一偉大な問題解決者として知られていた。数学者たちは難問に何か月も頭を痛めるとヒュパティアに手紙を送って助けを求めるのだそうで、彼女が期待に応えられなかったことはまずなかったそうだ。 しかし、アレクサンドリア大主教のキュリロスは哲学者、科学者、数学者を異端者として迫害を始める。 その残酷な様子はこう書かれている。  聖なる四句節の運命の日、ヒュパティアは馬車から引きずり下ろされ、衣服を剥がされた。そして教会内に連れ込まれ、読師べトルスや野蛮で無慈悲な狂信者の一味によって惨殺されたのである。彼女の肉は、鋭利な牡蠣の殻で骨から削ぎ落され、まだぴくぴくと動いているその四肢は火炎に投ぜられた。   これは本書には書かれていないが、この蛮行を命じたキュリロスは教皇13世に称えられ、「教会の博士」として聖人の列に加えられたそうな。   正直に言って反吐が出る。 いったい宗教は、宗教を名乗る外道たちは何万、何十万、何百万の命と苦痛を搾り取れば気が済むのか。   また、宗教だけではなく女性の学者は差別とも戦わねばならず、それは最近の20世紀まで続いた、とある。 1718年にミラノで生まれたマリア・アニェシはヨーロッパ中の数学者が認める実力者だったが、多くの学術団体、とくにフランス学士院は彼女に研究ポストを与えようとはしなかった。   あのアインシュタインをして「女性への高等教育がはじまって以来、もっとも重要かつ創造力のある数学の天才」と言わしめたエンミ・ネーターでさえゲッティンゲン大学の講師にはなれなかった。 ゲッティンゲン大学の教授たちの見解は「女を講師にするなどもってのほか。講師になれば次は教授や評議員になるかもしれない。戦争に行っている人間が大学に戻ったときに女の下で学ぶなんてことになったと知ったら何と思うか」というものだった。 この意見に反論した言葉がおもしろい。 「諸君。講師にするのに、どうして候補者の性別が問題にされなくてはいけないのか。大学は公衆浴場ではないのだ」 また、彼女の同僚はネーターのことを偉大な女性数学者と思うかと尋ねられてこう答えた。 「彼女が偉大な数学者であることの証人にはなれますが、彼女が女性かどうかは宣誓いたしかねます」と。 おもしろい(笑)   意外にもヨーロッパ諸国のなかで、もっとも女性に差別的だったのがフランスだったらしい。 1776年に生まれたソフィ―・ジェルマンは偽名を使って男性名で学校にもぐりこんだ。後に数学者として、また、物理学者として優れた業績を上げた彼女はフランス学士院からメダルを授与され、初の科学学士院の講義に出席する女性となった。が、国家は彼女の死亡証明書を発行するとき、数学者ではなく年金受給者と呼んだ。 フェルマーの最終定理に話を戻すと、意外にも日本人数学者の活躍が大きかったのが驚いた。 フェルマーの最終定理を解く中核となった 谷山=志村予想。 フェルマーの最終定理の証明を“微分幾何学”を用いてあと一歩までと迫った富岡洋一。 そして証明への最後の鍵となった岩澤理論。 なんだか日本人としてくすぐったいような誇らしいような。 訳者あとがきにも書かれているが理数系は人文系よりも言葉の壁が低いのかもしれない。これからの少年少女、いや、女性の不遇の時が長かったのであえて少女少年と言い直そう。未来ある才能ある情熱ある少女少年たちはおそれずに目指してほしい。数学の高みを。そんなふうに思った読書だった。   さらに付け足し。 非常に面白かった本書ですが、それでも☆4です。かなり5に近かったのですが、少し冗長というか欲張りすぎ? フェルマーの最終定理だけではなく数学全般のことが書かれている。書かれ過ぎてるくらい。 著者はこの後【暗号解読(上下)】という本を出しているのだが、その内容に触れるような話をも載っている。あの有名なドイツの暗号、エニグマもでてきた。 要は盛沢山過ぎ。 フェルマーの最終定理を証明した後も話は終わらずに、数学の大統一、という命題に進む。 そこらへんが「要らんな」と、正直思った。 が、偶然にも読書の最中に東野圭吾さんの【容疑者Xの献身】の映画版が放映されていた。容疑者は天才数学者。映画の中で出てきた“四色問題”が本書でも解説されていた。分割されている地図を色分けして塗るとき、隣り合うブロックを色違いにするには四色で済むか。五色以上必要なのか、という問題。 一見簡単そうに見えて誰にも答えの出せなかったこの難問に答えを出したのはコンピュータだった。しかも数千の地図をコンピュータに放り込んで処理させるという“力技”である。これでは、四色で色分けできない地図は今現在存在しないということだけであって論理的な証明には至っていない。たとえ99、999999999999999%であっても完全とは言えないだろう。 映画であの容疑者が「あの証明は美しくない」と言っていた訳がよくわかった。 

    59
    投稿日: 2022.09.27
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    定理の名前を聞いた事ある程度ですが、その内容や人生を狂わす程の底無しの難しさを数学の歴史を通して分かり易く説明してくれます。 ただ、それ以上に 「最終定理は証明出来ていないにせよ、他の数学者に数々の戦略やアプローチを与えた。彼の失敗になんら恥ずべき点は無い」 という言葉に感銘を受け、チャレンジして最後まで徹底してやり切る大切さを学ばせてくれた良作です。

    1
    投稿日: 2022.09.21
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    インドのラマヌジャンの本を読んだ時にも感じたが、数学者は難解な解法に悩みながらも、実はそのテーマは素朴でシンプルな内容の証明だったりする。例えば、本著の事例で言うと、地図は4色で塗り分け可能である事の証明のように。 聞けば単純で面白いと思う話から、どうも理解が難しい証明等、色んな数学に纏わる物語を紹介しながらも、フェルマーの定理を証明するドラマを追う。 何故だろう、一番印象に残ったのはセミの話。本著では寄生虫の周期と重ならぬように、セミの土の中にいる周期が素数になったとの説が取られるが、他の書では、氷河期を生き抜くために、極力土の中で過ごす事ができる最小公倍数の大きな素数ゼミが生き残ったという説を読んだ覚えがある。どちらも説得力があるが、それよりも、素数の意味を生命に照らして理解する驚くべき事例だ。 数学こそ論理推論の学問であり、これを理解する事が、世の摂理の理解にヒントを与えてくれる。改めて、面白いと思った。

    1
    投稿日: 2022.09.10
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    引っ越すときに新幹線の中で読んだ本。 難解な数学小説かな、と思いきや、天才天才と呼ばれる人たちの素顔を集めたノンフィクション。 定理も分かりやすく解説している。数学の教科書を開きたくなった。 無性に。

    0
    投稿日: 2022.08.27
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    フェルマーの最終定理と題してはいるが、実際のところは数学史全体を紀元前から最終定理の証明までサイモン・シンの軽快な文章で概観できる。高度に数学的な内容は出てこないので、一般人にもおすすめできる。

    0
    投稿日: 2022.08.13
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    今って、ブームなんですかね、数学。NHKでも地上波でパンサー尾形さんを起用して放送したり。ニュース以外はつまらない芸人のトーク番組しか放送していない時間帯に、けっこう新鮮ですよね。

    1
    投稿日: 2022.08.07
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    【琉大OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA7715841X

    0
    投稿日: 2022.07.07
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    数学ノンフィクション。 数学も苦手な上、ノンフィクションも普段読まない。しかもこの分厚さ…けっこうなボリュームだなぁと読み始めたが、うーん、面白い! 17世紀にフェルマーが残したフェルマーの最終定理。 xのn乗 + yのn乗 = zのn乗 nが3以上の自然数 (x, y, z) の組が存在しない 「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」 紀元前古代ギリシアの哲学者であり、数学者でもあったピュタゴラスの話から始まり、17世紀にフェルマーがフェルマーの最終定理を残してからというもの、数学者たちが様々な方法で証明を試み、3世紀もの時を費やし、つい数年前、ついに証明されたという壮大でドラマチックな物語。 数学の神秘性、数字の持つ不思議、自然界をも支配している数学。 数学が苦手な私が数学の面白さに魅せられたのだから、理系の人にはもちろん、文系の人にもぜひおすすめしたい。 たとえば、17年地中で過ごすジュウシチネンゼミや13年地中で過ごすジュウサンネンゼミは蝉の天敵である寄生虫とライフサイクルが極力重ならないように素数のライフサイクルになっているという説があるらしい。また、川の直線距離と実際の長さの比はほぼ3.14...つまりπであるらしい。数学って学問だけの話じゃないんだと、面白くて、不思議で、ちょっと鳥肌…。 もちろん自然界の話だけでなく、多くの数学者たちが登場し、それぞれの人生や人間模様も面白い。 時々数学の話で付いていけない話もあったけど(特にケプラーの球体充填問題…)それも気にならないくらい面白かったのでちょっと背伸びの☆5です。

    5
    投稿日: 2022.06.28
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    読み終えてしまうのが勿体ないくらい興奮させてくれた。超難しい数学を平易なことばでイメージさせてくれる。300年余り証明できなかったフェルマーの最終定理を多くの数学者が挑戦しどのようにアプローチし挫折したかの軌跡、日本の谷山豊と志村五郎の功績が深く関わっていること、アンドリュー・ワイルズの8年間の粘り強い飽くなき思考、ピエール・ド・フェルマーの天才さが印象的だ。ワイルズは現代の数学テクニックを使って証明したが、フェルマーはそのような数学テクニックがなかった当時どのように証明したのか?(夢想像がが膨らむロマンだ)

    0
    投稿日: 2022.06.27
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    久しぶりにアカデミックな本を読んだ(笑) 素人には非常に難しい題材にも関わらず、自分が読んでも理解できる内容になっている著者の力量には心底感服した。 この著者の他の作品も読んでみたいと思う。

    4
    投稿日: 2022.06.20
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    読み終えた。 5年前ぐらいに一度挫折した本書だか、この度再戦の末読了した。 数学IIBで終わっている自分にとっては5年経とうが変わらず難しく、正直内容の半分も理解できていない。 それでも、星4をつけたのはタイトルにもある周知の定理の、歴史の一部分を知ることのできた満足感からである。 2度と読むことはないだろうけど、本当に読めてよかった。 フェルマーが少し難のある人間で証明を書ききらなかったことで300年以上も解き明かされなかったなんてロマンスの塊だな。

    0
    投稿日: 2022.06.19
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    "その瞬間について語るとき、あまりにも鮮烈な記憶にワイルズは涙ぐんだ。 「言葉にしようのない、美しい瞬間でした。とてもシンプルで、とてもエレガントで……。どうして見落していたのか自分でもわからなくて、信じられない思いで二十分間もじっと見つめていました。それから、日中は数学科のなかを歩き回り、何度も机に戻っては、それがまだそこにあることを確かめました。ええ、ちゃんとありましたよ。私は自分の気持ちを抑えられなくて、とても興奮していました。あれは私の研究人生で最も重要な瞬間です。あれほどのことはもう二度となしえないでしょう」(p.415)"  "私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない"という文句とともに有名なフェルマーの最終定理が、数々の数学者の苦闘を経て、3世紀以上の後に遂に証明されるまでを描いたドキュメンタリー。  本書を読んで抱いた印象は、訳者の青木薫がほとんど代弁してくれている。 "正直言って私は少々むっとした。というのも本書のはじめの方では、数学にくらべて自然科学は劣っている、劣っていると繰り返し強調されているからだ。たしかに証明の厳密さという点では負けるかもしれないが、「自然科学には自然科学のすごさがあるのだ!」と、数学への対抗意識が燃え上がった。(略)これほど美しく、しかも科学の道具としてはおよそ役に立ちそうもない大定理が証明されたのだから、数学者が得意絶頂になるのも無理はない。そう自分に言い聞かせて、とりあえず先に進むことにした。しかしまもなく私は、対抗意識などどこへやら、数学と数学者の世界に引き込まれてしまったのである。(p.486)" 一応大学で物理学を学んでいる身としては、証明が厳密であること一事を以て数学が自然科学に対して優越しているとする気はないが、確かに数学には他の自然科学にはない独特の純粋さがあることは認める。それは、論理とアイデアだけを頼りに、頭脳の中で一個ずつブロックを積み上げていく純粋さである。  フェルマーの最終「予想」がこれほど多くの数学者を惹きつけたのは、その主張が極めてシンプルであることが大きいと思う。主張だけなら、おそらく数学を学び始めの中学生でも理解できる。しかし、それは300年以上もの長きにわたり数学者たちのアプローチを跳ね除けつづけた。 "「その問題はとても簡単そうなのに、歴史上の偉大な数学者たちが誰も解けなかったというのです。それは十歳の私にも理解できる問題でした。そのとき私は、絶対にこれを手放すまいと思ったのです。私はこの問題を解かなければならない、と」(p.37)" 2012年にABC予想の証明を発表した京大の望月教授が若い頃に「シンプルだがその奥に深い構造がある問題に取り組みたい」と口にしていたというのをNHKの特集で見たが、フェルマーの最終予想などはまさにそのような問題の一つだと言えるだろう。  この本には難解な数式など一切登場しない。にもかかわらず、物足りなさは感じなかった。それは、一つにはサイモン・シンの筆力によるものだ。フェルマーの最終定理を巡る歴史をまとめ上げる構成力・表現力は、数多のサイエンスノンフィクションの中でも群を抜いている。また、数式は確かに使っていないのだが、例えば数学的帰納法や背理法といった、なぜ定理の証明がこれほど困難を極めたかを理解するうえで必要な数学の知識は抜かりなく解説しているのは見事である。そして何よりも、最終定理に挑み続けた数学者たちの人生そのものがドラマに満ち溢れているからだ。フェルマーの最終定理の完全な証明を成し遂げたのは、アンドリュー・ワイルズである。だが、この偉業は彼一人に帰されるものではない。各時代の数学者たちが着実に一つ一つ進展を積み重ねていき、次の時代の数学者にバトンのように繋げていく。その様には、本当に圧倒される。読み始めたとき、1995年の出来事を語るのに紀元前6世紀を生きたピュタゴラスから語り起こすのは些か大袈裟に思ったのだが、本を閉じるときには納得させられるのである。  定理が証明される過程で、谷山=志村予想の谷村・志村をはじめとして多くの日本人が重要な役割を果たしたことには、同じ日本人としてとても誇らしく思う。

    20
    投稿日: 2022.05.30
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    数学者・フェルマーが作った「フェルマーの最終問題」が出題されてから、アンドリュー・ワイルズがその解法を見つけ出すまでの350年間の物語である。その謎が解き明かされるまでに数々の数学者がその謎を解こうと奮闘する姿がとても格好良かったです。途中途中で出てくる数学的に難しい言葉は飛ばし飛ばしにして読んでいたものの、その間に挟まる人間ドラマが秀逸でこれが本当に起きていたことのかとおもうととても信じられない気持ちになった。 そして、この問題を解いたアンドリュー・ワイルズがそこにたどり着くまでの8年間もとても面白い。まさか、日本人の提唱した理論がその謎の解明に大きく解明していくことになろうとは…、同じ日本人としてとても嬉しい気持ちになりました。 例えたとえかなわなくても、その熱意が解明に繋がった歴史の積み重ねがとても感動的なものだと思いました。

    31
    投稿日: 2022.05.29
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    フェルマーの最終定理史を本当に最初から順番に書いている やや冗長だがエピソードが面白いので中弛みせず読めた 暗号解読の本も読んでみたい

    0
    投稿日: 2022.05.10
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    難しい話ではなく、数学者たちの歴史や努力の跡、数字の面白い偶然など、フェルマー以外の話もたくさん載っている。ピュタゴラス、オイラー、エウクレイデス、ケプラー、アインシュタイン、リーマン予想、私でもふむふむ、そうなんだーって読める。それぞれが数が大好きで、数の不思議やその偶然は偶然なのか、法則があるのか、そして法則が証明できるか、を突き詰めようとしている。素数の不思議や美しさ、も語られていて、  博士の愛した数式 を思い出した。

    0
    投稿日: 2022.05.01
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    サイエンス・ライターとして至高の域の仕事。常人には想像もできないほど難解なはずの理論を、子供にも理解できるようなコンセプトに落とし込むことで、こんなにも膨大でハイコンテクストな証明の道筋の、その背骨の部分を全くの素人にも理解させてしまう。深い理解力、本質を的確に拾い上げられるセンス、そして解説力の全てを高いレベルで備えていないとできない仕事。知的好奇心が大いに刺激され、非常に楽しい読書体験だった。

    0
    投稿日: 2022.04.24
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    これはおもしろい。一気読み必至。 数学的な背景が絶妙な難易度で解説されていて、天才数学者たちの苦闘の歴史やヒューマンドラマにドハマりしました。 翻訳も素晴らしい。

    1
    投稿日: 2022.04.20
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    フェルマーの最終定理を巡る数字者達の冒険小説。そして、数学のドラマティックな歴史物語。 サイモン・シンのプロローグから、読み始める勇気をいただく。 専門的な数学を細かに説明せず、業績の偉大さに焦点を当てようとする。(細くなくてもわからないけどね!) 始まりは、紀元前6世紀。既に神格化されるピュタゴラス。「世界は美しい数でできている」という思想からの研究が数学の黄金期を作る。ピュタゴラス教団の教祖として活躍するが、彼に反する者は抹消される。多くの弟子と共に戦死し、迫害が続く。それが、数学を広めることとなる。 紀元前3世紀、エウクレイデスが、幾何学的知識の集大成 「原論」を。ディオフォントスが、数論的知識を「算術」に編纂する。 このあたりの書物が、、幾たびかの戦闘で喪失され、暗黒時代が続く。 17世紀 フランス人裁判官のフェルマーが、アマチュア数学者として、その才能を発揮。意地悪な天才で秘密主義。論文にも興味無し。「算術」を好み、愛読する。その中でピタゴラスの定理を知り、その上級パターンとしてフェルマーの定理を思いつく。 「驚くべき証明を見つけたが、それを書くにはこの余白は狭すぎる」とんでもないメモを残して、証明を書き記さないで亡くなる。 フェルマーの息子が、「算術」の余白に書き込まれたメモをまとめて出版する。その余白の難問に数学者達が挑む。そして、最後に残ったものが、フェルマーの最終定理となった。そして、証明できないまま300年残ることになる。 まず、18世紀オイラーという計算の天才が挑む。 19世紀ソフィジェルマンとう女性数学者が男子と偽り研究を続ける。 そして、長い間数学の僻地だったであろう日本で、 1955年 谷山=志村予想が発表される。 1984年 ゲオハルト=フライが、フェルマーと谷山志村予想の二つの理論を結合する。 そして、遂に、アンドリュー・ワイズが、10歳の時街の図書館でフェルマーの最終定理と出会い、その証明をすることを決心する。 1986年から独りで研究を始める。6年の月日をかける。過去の理論を駆使して遂に、1993.6.23ケンブリッジにてその成果を発表する。 論文化した後、修正にも苦労するも、1995年修正論文を発表して最終定理に決着をつける。 それはそれは、天才だらけ。不遇の天才も多かった。女性研究者は認められない時代も長かった。 そして、いつの時代も戦争は、文化や業績を簡単に破壊する。 一つの難問は証明されたけれど、まだまだあるみたいですよ。そして、コンピュータによる解析の是非など、数学の世界も終わりが無さそうです。

    36
    投稿日: 2022.04.14
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     1995 年アンドリュー・ワイルズによってフェルマーの最終定理が証明された。本書には 3 世紀にわたる数学者たちの苦闘が描かれている。タイトルからして難しそうだったが、オススメの本として頻繁にみかけていたので読んでみた。結果、非常に面白く、数学に対する見方が変わった。  学生時代、数学の証明問題はあまり好きではなかった。正しさが証明されている定理を使って問題を解決することの重要性は理解できたが、定理の正しさを証明する必要性を感じていなかったからだ。というより、定理を証明することがどういうことかよく分かっていなかった。しかし、本書を読んで、私達が利用している数学は、これまでに多くの数学者たちが積み上げてきた証明済みの定理の上に存在しているということを漸く理解できた。学生時代に読んでおきたかった。  数学に詳しくなくても理解でき、さらに物語を楽しめるように書かれているので、是非読んでみて欲しい。数学が今よりも好きになると思う。

    1
    投稿日: 2022.02.09
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    フェルマーの最終定理に挑む人たちのドキュメンタリー。 『中田敦彦のYoutube大学』で紹介されてたが、フェルマーの最終定理という未到の山に登る数学者の歴史を知ることができて、とても面白かった。

    0
    投稿日: 2022.01.30
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    物語であり、ドキュメンタリーであり、世界史であり、スゴイものを読んでしまった。いや、読めてよかった。 三浦しをんの『ビロウな話ですみません日記』を読んで以来気になっていたもの。数学の話で泣けるのか!に挑戦したくなった。 結果、泣きはしませんでしたけれど、あの瞬間の高まりは共有できた。 紀元前から始まった人類の数学への飽くなき挑戦。 しつこい、いや粘り強く追求される「なぜ?」によって、私たちの現在は出来たのだな。 ピタゴラスの裏の顔はEテレ「ピタゴラスイッチ」好きのコドモたちには教えられないけれど、彼あっての我らであって、よくぞ、考えついてくれました。 アンドリュー・ワイルズが最終的にフェルマーの最終定理を証明するに至っては、数多の数学者の死屍累々が必要不可欠だったわけで、悔し涙を飲んだ数学者がどれほどいたことよ。 粘り強いにも程があるってくらい、考え抜ける力っていうのは、東大生が努力する力くらい、一般人には計り知れないレベルなんだろうということは簡単に推測できる。 おもわず、「で?」と言ってしまいそうになるけれど、それは言いっこなしよ。 なにかの役に立つから努力する、という一般人と違って、問題があって、それが解けるかもしれないと思ったら挑戦せずにはいられない人種なんだから。 登山家は山があったら登らずにはいられないけれど、数学者は山があったら崩さずにはいられない人たちなんだから。

    1
    投稿日: 2022.01.22
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    これを読んだ生徒は数学が好きになるし、数学の点数も上がる、という話に納得。数学の奥深さ、そして数学という神秘に挑む天才たちの情熱に感嘆し、胸を熱くした。数学は、宇宙や神とかそういう類のものの秘匿された言葉を理解することと同義だと思った。そこに絶対的にあるのに、簡単には見えないもの。数学、面白い!!

    1
    投稿日: 2021.12.14
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    フェルマーの最終定理という言葉は聞いたことがあったけれど、実際になんなのかも知らなかった。聞いてみると、とても単純な定理なのだが、これを証明するのが330年もの間誰もできなかったことに驚いた。 数々の数学者たちが挑んでは失敗し、それでもその失敗をつなぎ合わせてアンドリューワイルズが最終的に証明に導いた。 その中でも根幹の照明となっていたのが、谷山志村理論という日本人が考え出した理論で、日本人が大きく関わっていたことにも驚いた。 それにしても何かに没頭してのめり込む力の凄さを目の当たりにした。 映画になりそうなほどの歴史が詰まった内容だった。

    1
    投稿日: 2021.11.24
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    フェルマーの最終定理に関係した数学者を時系列的に主人公とし記述。最後にはワイルズを主役にドラマティックに話は進む。ピュタゴラス、オイラーは手厚く話が語られている。原理的なことはほぼ触れられないのでどのように定理を証明したかは正確にはわからない。付録で論文でも付けておいてほしかった。読んでもわからないだろうが。よくここまで調べたもんだと思える内容。歴史と数学と人間ドラマが合わさった物語。

    1
    投稿日: 2021.11.23
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    初めて会ったのは中学生の時。とんでもない世界があることに衝撃を受けた。凡人には一生かかわりのない美しい世界を見せてくれる。何回も読み直すたびに数学には神様が存在すると確信した。

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    投稿日: 2021.11.21
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    すごいです! 数学が得意不得意に関わらず、絶対感動する作品です。 数々の数学者が挑んできたフェルマーの最終定理。その解明に関わってきた数学者たちの熱い物語です。解明のヒントとなるきっかけに日本人数学者2名の活躍があったことも驚き。 オススメ!

    2
    投稿日: 2021.11.20
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    とても面白くてわくわくしながら読んだ。数式や難しい理論を使わず、一般向けに数学の面白い概念やエピソードだけを伝えてくれる。専門的なことは何だかよく分からないけれど、数学はとてもエキサイティングで、数学者は知の探検家のようなものらしいということが分かる。 フェルマーの最終定理の証明には賞金や名誉が与えられるが、本当の報酬は「解けた」という快感なのだろうと思う。誰も目にしたことのない地点に辿り着き、自力で世界を押し広げた者にしか得られない歓喜と高揚があるに違いないが、そんな経験はないのでそれがどんな気分かは分からない。 数というのは、人間の頭脳が発達し、数直線を引いてアラビア数字を操るようになったから生まれたものではない。人間が作り出した概念ではないのだ。宇宙にはもともと数があり、人間が進化の果てにやっと発見したというか、その一端を表せるようになったのだ。…というようかことを本書を読んだ後に誰かと話した。 数の世界の途方もなさを思うと、増え続ける栗まんじゅうを思い出し、身震いするのであった。

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    投稿日: 2021.10.30
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    数学者のロマン。 正直数学の証明とか公式とかは全く分からなかったが、350年にも及び問題解決に注いできた執念のバトンは感動。 役に立つとか立たないとかそんな次元の話ではない。 フェルマーの最終定理の証明に日本人が大きく関わっていたのは驚き。 自分の知らない世界だったが、知らないからこそ面白かった。

    2
    投稿日: 2021.10.24
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    数字や将棋が好きな息子をみていると、彼の周りに数字が浮遊していて、それをぱっと掴みとって答えを出しているように見える時がある。そんな数字の世界の魅力を垣間見られるかな、と手にとった本作。フェルマーの最終定理をめぐるドキュメンタリー。無限に広がる数字の世界。1と2の間にもいくつの数字が広がっているのだろう。私には底なし沼の様に見えてしまう。それを美しい、楽しい、と感じ、人生を捧げて証明に挑む人々。山中伸弥さんの著作を読んだ時も感じたが、いかに早く論文や証明を発表するかが大切、人生を捧げても報われるかはわからない、過酷な世界でもあるのだな、と思う。谷山=志村予想という、日本人がフェルマーの最終定理に関係していたことも驚きでした。推理小説も好きですが、自分の知らない世界にも触れていきたいな、と再確認した本作でした。

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    投稿日: 2021.10.19
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    中身の数論の内容は難しく理解しきれなかったが、フェルマーの最終定理にまつわる浪漫と証明を果たすまでの歴史を感じることができました。ワイルズはフェルマーの最終定理に魅せられ、ライフワークとして向き合っていたが故に、証明にたどり着けたのかなと感じました。単純に好きなことや夢中になれることを突き詰めていった先に、大きな成果が生まれることがあるのだと感じました。

    0
    投稿日: 2021.09.15
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    フェルマーの定理を証明する話題に入る頃から、難しくてついていけなくなったが。それまでの、素数や完全数の話はおもしろかった。大学の数学科でどんな事をやるのかも垣間見えた。予測-証明-定理。しかもより美しさを数学者は求めている、という点に惹かれた。現在では数字を放り込めば、パソコンで計算をやってしまう。なぜそのように導き出されたかが省略され理解するという過程が飛ばされる、いわゆるブラックボックス化がどんどん増えてきたことに疑問を感じていたので、本書を手にとったのは良いタイミングだった。2021.9.9

    0
    投稿日: 2021.09.09
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    さらっと数学で当たり前に習うことも、天才的な数学者達が様々な試練を乗り越え、解き明かして証明したからこそなのだと、その努力を垣間見ることができた。

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    投稿日: 2021.08.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    数学者たちの苦闘から完全証明を行ったワイルズに至るまで、三世紀に渡る壮大なストーリーが描かれた作品。 この作品の秀逸だと感じる点は以下三点である。 ①登場人物がどのような人であったのか、人となりが伝わるように描かれている ②3世紀にも及ぶ壮大なストーリーを、時系列順にどんな発見がなされたか巧みに記している ③数学に明るくない読者を想定して、可能な限り証明を分かりやすく表現している (詳しい方向けに補遺付き) 数学者の証明がメインであるけれど、その数学者たちがどのような環境下で、どのような思いで研究を行ってきたのかがとても分かりやすく描かれている。この壮大なドラマの中で、日本人(谷山 豊氏と志村 五郎氏)が重要な役割を果たしていたことを初めて知って衝撃を受けた。各数学者達が果たした証明が徐々に繋がって、点と点が線となり、二次元が三次元になっていくような、世界の広がりを感じた。 全く門外漢であるが、数学の美しさや証明のロマンに触れることができ、とても楽しい時間だった。こんな素敵な世界を覗かせてくれた著者に感謝。

    0
    投稿日: 2021.08.12
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    この本は、高校生、大学生くらいの学生の方におすすめしたい1冊です。 フェルマーの最終定理。それはピタゴラスの定理から派生させた非常にシンプルな定理です。 その定理を証明するために300年という年月、何人もの数学者、何百ページにわたる数式の論文が必要でした。 ノンフィクションなのに、まるでフィクションかのような、多くの人の人生を巻き込んだ1つの物語で、数学に明るくない私でも、最後まで楽しく読めました。 本の最初の方で、数学と科学における証明の違いが説明されます。「数学は一度証明されればそれは永遠に変わらない」。それに対して科学は「仮説を立て実験し実証して限りなくそうに違いない」というところまでの証明は可能だが、後にそれを覆す証拠も出てくることがあり、その時点でそれが最も正しいらしい答えとなるそうです。 それぞれの分野における「証明」という言葉の持つ意味について考えたことがなかったので、確かにそうだなととても納得しました。 そう考えると、数学はすべての分野において基礎であり、学生の頃もう少し踏み込んで勉強してみたかったなという気持ちになりました。 ですので、ぜひ学生の皆さんにこの本を読んでみて欲しいと思います。

    1
    投稿日: 2021.07.19
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    高校時代、自分は文系だったが数学が嫌いではなかった。新しい公式を覚えてそれを駆使して問題を解いたときや難解な証明問題の納得できる答えを見たときの達成感のようなものが好きだった。スケールは全く違うが、本書はそんな数学の楽しさを思い出させてくれる一冊だった。補遺にある証明も含めてわかりやすく説明されているおかげで楽しんで読むことができた。 読む前はフェルマーの最終定理という存在とそれをワイルズという数学者が証明したという知識しかなかったので、新鮮な情報が多かった。特に谷山=志村予想という形で日本人も大きく関わっていたことはなんだか自分のことのように嬉しく感じた。 本書ではフェルマーの最終定理の証明はただ難解なクイズを解いただけではない大きな影響力を持つことまで説明されている。しかし作中にもある通り、ワイルズなどの数学者は必ずしも社会的な影響を意識して証明に取り組んでいるわけではないという。何かに取り組むときに「それをして何の役に立つの?」という疑問が浮かぶことが年々増えたが、好奇心を尊重するというポジティブな思考も本書は与えてくれた。

    0
    投稿日: 2021.07.18
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     壮大なバトル漫画を読んでいるかのようでした。プロの数学者ではない裁判官であるフェルマーが趣味程度で見つけた定理を、プロの数学者が300年かけて挑むという、もはやフィクションの世界観だと思った。  高校や大学の講義で出てきた、定理や法則の名前にもなってる数学者が続々と登場しては、フェルマーの最終定理に敗れていく中盤の内容がとても興味深く、面白かった。 一見簡単に証明できそうな問題でも、こんなにも複雑で多数の分野をまたいだ証明が必要になるというところに、数学のロマンと奥深さがあるのだなと感じた。 読み終わった後はかなりの達成感があった

    0
    投稿日: 2021.07.16
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    図書館員って文系ばっかでしょと思われています。理系出身者も意外といるんですよ。私はセンター試験後に文転したダメダメ元理系です。この文章を読んでいる高校生の皆さんはそんなことにならないように心底願っています。頑張ってください。阪大図書館で待っています。 さて、高校時代、数学ができないのに理系クラスにいた私ですが、最後まで数学を嫌いになることはありませんでした。点数も取れないし、受験対策の演習の時間には、クラスメイトがスラスラ解けるレベルの問題が全然解けなくて恥をかいたし、数学の授業には今も新鮮に嫌な気持ちになる思い出がたくさんありますが、数学自体を嫌いになることはありませんでした。それはこの本のおかげです。難しいけれど、数字や計算だけではない、その向こう側にある人間のドラマや、その数式が意味するものを教えてくれたからです。 数学好きな方も、むしろ嫌いな方も、ぜひ一度読んでみてください。最初の序章、著者がフェルマーの最終定理を解いた数学者を見かけた場面から、すっと引き込まれて、数学の歴史や、フェルマーの最終定理の証明に関わった数学者たちの人生に触れることができます。とても読みやすく書かれていますので、前提知識は必要ありません。受験勉強の合間に(特に数学をやる意味を見失いそうな時に)読んでみてください。モチベーションが復活するかもしれません。

    0
    投稿日: 2021.07.14
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    読みものとして、数学がチンプンカンプンでも付いて行けます。何に役立つかわからないけど、心燃やす知性への探究が堪能できます。しかしながら数学的なことを作者も理解して書いてる(当たり前だけど)のが凄いことです。

    0
    投稿日: 2021.07.04
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    300年間だれも証明することができなかったフェルマーの最終定理が解かれるまでを描いた数学ドキュメンタリー。 普段触れることのない「数学の世界」で戦う天才たちの終わりの見えないと苦悩と、証明がなされたときの言葉にできない達成感が伝わってくる。読後の爽快感が堪らない。そう、この問題が解かれるには、沢山の天才たちの、自殺を図るまでの苦悩や夜明けの決闘を経なければならなかった。 「論理的」であること、絶対にこうであると言い切れる数学はそれにのめり込む人たちを掴んで離さない。数学の学問としての魅力や完全性が伝わってくる。 そして果たしてフェルマーは正しい証明を持っていたのかどうか、それはいまなお謎のままである。ただここまで、数学者を虜にさせたのは、その数式の簡潔さだけではなくその書き残したドラマチックな「匂わせ」の一言であることは間違いない。

    0
    投稿日: 2021.06.06
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    この世の全ての学問で数学が一番美しいのではないか、と思わせてくれるような本だった。実際にそうではないとしても、そう思う日があったのは素敵なことだと思う。 やはり、数学に関する本の中にも日常に生かしたいと思えるような部分を見つけてしまう。統一や止揚、集中。 何かを成し遂げるには、愛が必要なのだろう。8年かけて、やっと一つの問題が解決されることもあるのだから。

    2
    投稿日: 2021.05.21
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    普段生きている上ではほとんど知ることのない数学の世界にどっぷり浸かれた。 どんな分野にもロマンがあるんだとも思いました。 読んでて素敵!と思ったことを記録しておきます。 ネタバレ…かな?ご注意を。 ・中世では愛を育むために友愛数を刻んだ御守りをお互い身につけていた(これまじでリアルにやりたい) ・女性の数学者になぜ結婚しないのか?と問うた時の答 「私は真理と結婚しているから」 ・数学者はエイプリルフールが好き(あかん) どうでもいい話ですが、 仕事で8191っていう数字を見かけて、「素数っぽい!」と思って調べたところ見事に素数でした。 なんか嬉しい。 本を読むことは、毎日に小さな気づきと喜びを増やすことなんだろうなぁ。 ほっこり。  

    0
    投稿日: 2021.03.24
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    ドラマチック数学ヒストリー 350年続いた難問を誰にでもわかるように説明した上でドラマチックにエピソードを描いた傑作。 解いたワイルダーさんも天才だが筆者の実力も最高レベル。

    0
    投稿日: 2021.03.24
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    数学会において長年その証明をする事が出来なかった、その筋では有名な「フェルマーの最終定理」。 それが1993年、アンドリュー・ワイルズという数学者によって遂に証明された。 本書は3世紀に渡って解かれる事の無かったこの問題を巡る、さまざまな人間模様を描いている。 そもそもの始まりが、ひねくれた17世紀の数学者、フェルマーが残した走り書きである。 「私はこの命題の真に驚くべき証明を持っているが、余白が狭すぎるのでここに記す事は出来ない」 最終的にはワイルズが証明を果たすのだが、ワイルズ以前にも多くの数学者がこの証明に取り組み、そして敗れていった。 ワイルズはどのようにしてこの証明を果たしたのか。 その過程がとても丁寧に書かれているノンフィクションの小説である。 一見すると、とても難しそうな本である。 数学の本、しかも証明だ。好きな人はあんまりいないのではないか。 しかし本書はとても丁寧に、順を追って説明をしている為、全く難しさを感じなかった。 しかもこの定理を巡る波乱に満ちたドラマが予想以上に面白く、夢中になれる内容であった。 個人的に驚いたのが、「谷山=志村予想」という 2人の日本人数学者によって示された“予想”(完全に証明出来ないが、ほぼ間違いないと予想されるもの)が フェルマーの最終定理を解く大きな鍵になっていた事である。 恥ずかしながら知らなかったのだが、これは数学会に於いて非常に大きな意義のある予想だったそうだ。 この予想なくして、フェルマーの最終定理は解けなかったのだ。 もちろん、フェルマーの最終定理を証明する為のその他の定理、予想についてもきちんと説明をしてあり、 本当は全くわかってないのだが、何だかフェルマーの定理を理解した気にさせてくれる。 数学に全く興味がない人や苦手な人でも、本書ならば読めるのではないか。 そう思わせるような内容だった。難しい事は難しいのだが。4.5点。

    0
    投稿日: 2021.03.14
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    フェルマーの最終定理の歴史的背景を知ることは壮大な数学の物語を知ることであるといえる。 誰にでも理解可能な数式でありながら、幾多の数学者が解けないという奇妙さと、証明に取り組む意義を世界が一度は失ったものの、次第にフェルマーの最終定理を証明することが、数論における最大の目標となっていく劇的なストーリーはまさに圧巻の一言である。 そして、この定理を証明したワイルズという数学者は解くべくために生まれてきたといえるような運命にあった。若干13歳でフェルマーの最終定理に出会い、強烈に惹かれ、いつかは自分が解いていみたいと心に秘めながら30年が経過し、ついにフェルマーの最終定理を証明するのである。 この本はただの数学の本ではなく、フェルマーの最終定理を中心とした、数々の数学者を巻き込んだ壮大な歴史物語であった。 特に私が面白いと思ったところは、フェルマーの最終定理の証明に日本人が密接に関わっていた事である。谷山と志村という2人の日本人が提案した、「谷山-志村予想」を証明することが何とフェルマーの最終定理の同時証明になるというとんでもないものだった。同じ日本人として感慨深いものがあり、日本人にも数学界に名を残す優秀な方がいたことに感激した。 本の最初から最後まで興味を失わずに読める稀なほんである。

    4
    投稿日: 2021.03.10
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    フェルマーの最終定理が解けるまでに330年という長い歴史が生まれた。さまざまな数学者が挑戦と失敗·挫折を繰り返したなかで、日本人の「予想」や「理論」が重要な材料となって、アンドリュー·ワイルズ氏がその歴史に終止符を打つこととなった、このストーリーに私は非常にワクワクした。途中に出てくる定理や理論の話はあまり頭に入ってこないが、それでもおもしろいストーリーである。ワイルズ氏がいよいよフェルマーの最終定理を解くまでのクライマックスに、私はただの読者なのに興奮した。 中高のとき、数学って、問題を解いていてもさっぱり分からんかったし、何をしているんだ俺は!ってなる瞬間がたくさんあったが、本書を読み終えて、数学の意味深さやおもしろさが、少し理解できた気がする。

    0
    投稿日: 2021.02.11
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    たまたま今は数学の勉強をしていて、なおかつ並行してこの本を読みました。 フェルマーの最終定理自体を知らなかったですが、本書を通じて楽しく学べました。 また、数学でいう楽しさや喜びを感じ取ることが出来て、より一層数学について、また世の中の物事に関心を持つようになりました!! 難しい本ではあるので、読書初心者の方にはあまりおすすめ出来ませんが、ある程度物語も読んでいる人には、たまにはノンフィクションを!ということでおすすめしたいです

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    投稿日: 2021.02.10
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    どんな分野にもドラマはある。プロジェクトXのように、その分野に明るくない人にとってもキャッチーな部分を取り上げて、物語として面白く描いてくれている。途中に出てくるそれぞれの数式には理解が及ばないものも含まれていたが、何の問題もなく、面白く読み終えた。

    0
    投稿日: 2021.02.10
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    ロマン溢れすぎる。 “この証明の探索には、地球上の偉大な頭脳、莫大な報酬、自殺を図るほどの絶望、そして夜明けの決闘が必要だったのである。” 数学者という人たちの評判を伝える小話が面白い。

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    投稿日: 2021.02.06
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    とても読み易く、それでいて決して平易だけではない。素晴らしいサイエンス本。フェルマーは最終定理から、それを取り巻く数学全般の物語りを面白く伝えてくれている。作者の他の翻訳も是非読んでみたくなりました。

    0
    投稿日: 2021.01.21
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    数学関係を目指すきっかけになった本。フェルマーの最終定理を軸に多くの数学者にスポットが当てられている。

    0
    投稿日: 2021.01.15
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    非常にドラマチック。実際の証明はさっぱり分からないが、ストーリーにはどんどん引き込まれるのは作者の力量。日本人もフェルマーの最終定理にいろいろと関わっているのだと知る。

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    投稿日: 2021.01.03
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    単行本で読んで以来の再読。その後いろんな数学の本を読んだおかげか、前回ほど数学関連のことばがわけわからないことはなかった。そのためか、作者がいかにわかりやすく手際よくまとめているかよくわかった。ただ、不完全性定理関係のくだりはちょっと「?」感があったが、、まぁ”数学上の興味深いトピックの紹介”と”証明は存在しないかもしれないという不安の表現”としてはこれもありなのかな、という気もした。しかしこの抽象的でわかりにくいトピックをこれだけ面白く読ませるのはすごい。

    2
    投稿日: 2020.12.10
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    数学が苦手な私でも読める1冊。フェルマーの最終定理がいかにして生まれどう解かれたのかおよそ300年の歴史について書かれているまた数学という学問が明瞭で曖昧な学問だということを感じた。 読み終わる時に少し寂しさを感じた。

    1
    投稿日: 2020.12.08
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    単純な表現だが、実に面白かった。 数学はというのは必ず真実があるという思い込みがあった。 しかし、読み進めていく中で、数学ほど曖昧さを帯びた、極めて情動的な思考の末に生まれるある時代のある瞬間の物語であり、真実には大きく二つの意味があることを知り、ため息が出るような満足感であった。 とはいえ、件の数学界(数論会と言うべきか)においては、この曖昧さの中にこそ存在する「未知の何か」を、証明という真実を確証するプロセスに最大限の重要度を見出している点が、ある意味で相反するものである点、そしてそれが並存しているからこそ数論なのだという点において、この小説に大いなるドラマを感じることができた。 映画、奇跡がくれた数式のラマヌジャンを思い出す。 友愛数。 岡清の受け売りではないが、数学とはほんとうに詩的でドラマチックな人間の営みである。

    2
    投稿日: 2020.10.28
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    めちゃくちゃ面白い本です。 数学が苦手な私ですが、読んでるとグイグイ物語に引き込まれて、夢中になりました。 400年も解けなかった問題を人生すべてをかけて解くって、すごすぎます! ぜひぜひ、読んでみてください。

    2
    投稿日: 2020.10.27
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    数学に精通していなくても、この数学理論の壮大さ難解さ、ロマンが理解できました。数百年という時を超えて難題に挑んできた数々の数学者たちのストーリーが積み重なり、ラストは感動と爽快感でいっぱいでした。数学が分からなくても読めますが、やはり数学的な思考の説明は入るので、序盤はちょっとだるい部分もありましたが総じて面白かったです。

    1
    投稿日: 2020.09.21
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    元々数学がとても苦手な自分だけど、 ニュースになったり歴史的難解定理と言うのは知っていた。 数学が出来るとか苦手とかいうレベルの話ではなく、 歴史的な人物が掲げた1つの定理が、 何百年も解かれていないそこにはとんでもなく頭のいい人達が立ち向かい、 その間の苦悩や葛藤があり、 人生があり、 1つのロマンを解明させるための追求が書かれている。 もはや挙げられている定理や関連する数式とかほんとに気が狂うぐらいにわけわからんけど、 理解できないながらもものすごく面白く表現されていて、 止まらなかった。 数学とは単に計算するだけではない ということを思い知った。

    3
    投稿日: 2020.09.16
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    フェルマーの最終定理というものは知っていたものの、まさか小説があるとは思いもせず、評価も高いので読破。 内容は数学者の物語が散りばめられ、非常におもしろかった。

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    投稿日: 2020.09.10
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    未解決問題にはロマンが詰まっています。そのロマンの過程で得たもの、失ったものについて知ることができます

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    投稿日: 2020.08.20
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    数学の知識が無くても楽しめると書いていたけど、数学の知識が無いとわからないことがいっぱいあった。 しかし、難問を解きたいという人本来の情熱や試行錯誤など読み物としてはとても面白かった。

    0
    投稿日: 2020.08.15
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    多くの人がそうだと思いますが私もYouTube大学から流れてきて読んでしまったうちの一人です。が、やはり期待以上に面白かったです。この本を面白くしているのは何といっても著者サイモン・シンの章立ての構成力だと思います。史実であってもそこにストーリー運びがある。ストーリーテラーとしてのアンドリュー・ワイルズがいる。もちろんこの問題そのものの魅力もさることながら、「誰が語るかによってその話が面白いかどうか決まる」ということをまさに体現している本です。

    0
    投稿日: 2020.08.10
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    巨人の肩に立つ、とはこういうことかと感じさせてくれる名著であった。フェルマーの最終定理を巡るドラマを描いたもので、数学の知識はなくとも十分楽しめる。 遥か昔に提示された問題を解くため、数学の発展の中で生まれてきた新たな技術を1つ1つ駆使して証明していく様は、美しいとしか言いようがない。 最後に、コンピュータが数学の世界にもだいぶ入り込んでおり、証明の一部を汚しているように感じられた。だが、これも1つの時代なのかもしれない。

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    投稿日: 2020.07.18
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    面白かった。学生時代から数学アレルギー、数学嫌いで実はこちらの書籍も購入したものの長らく未読状態でした。しかし読みはじめて感動、続く高揚感、数学と数学者の世界に大いに魅了されました。 高校時代のあの数学教師も数学の魅力に気付いていたのでしょう。だったらなんで教えてくれなかったのか。いや私が聞いてなかったのか‥。 まさに「恐ろしくも美しい数学の魅力」を垣間見る事ができる一冊でした。

    1
    投稿日: 2020.06.20
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    数学のロマン。 脈々と受け継がれ、発展していくモノの一つの終着。そしてこれからも、、 自分は過去の多くの人のたゆまぬ努力の積み重ねの恩恵を受けて生きている。だからこそ、自分も前に、次に、つなげていける様に努力を。

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    投稿日: 2020.06.02
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    「ネタバレ もクソもねえよ。最終定理が証明されるんだよ」でお馴染み、フェルマーの最終定理です。 今を遡ること350年プラス20年前、天才数学者のピエール・ド・フェルマーが残した言葉が、その後3世紀以上も数学者を悩ませた数学界最大の難問となった。それは 〉「3 以上の自然数 n について、x^n + y^n = z^n となる自然数の組 (x, y, z) は存在しない」 〉私はこの命題の真に驚くべき証明を持っているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない と言うメモ書きだった。 これを名だたる天才たちが挑み続け、敗北し続け、ついに1995年、アンドリュー・ワイルズが証明に成功する。 その過程についてのノンフィクション。 これを読むまで、そんなに誰も解けないような問題なんて、フェルマーという人も解けてなくて適当に書いただけなんじゃないの?と思っていましたが…。 どうもこのフェルマーという人は変人中の変人で、 〉フェルマーにとっては、証明を公表して夜に認められたところでなんの意味もなく、一人静かに新しい定理を創り出すという純粋な喜びだけで満足していたのである。とはいえ、猜疑心が強くて付き合いの悪いこの天才には、人を困らせて喜ぶようなところがあった。そんな性格と秘密主義とがあいまって、彼がいざほかの数学者とやりとりをするとなると、ただ相手をからかうことだけがその目的となるのだった。(p86) というのだから、この走り書きも彼は実際に証明していたと見られているのだ。走り書きは他にもたくさんあって、たくさんの新証明が公表されないままになったと。 フェルマーの最終定理は、長い間重要な定理だとは思われていなかった。 これが名声を博していたのは、単に非常に難しい、というそれだけだった。 ワイルズも「純粋数学者というのは、手ごわい問題が、そう、未解決の問題が大好きなのです」と言っている。 この本が面白いのは、ただの超難問のパズルと思われていたフェルマーの最終定理にチャレンジする過程でたくさんの天才数学者が登場し、少しずつ数学界に知見を加えて数学の世界を広げていくところだ。 そして最後には谷山=志村予想という現代数学に革命を起こす予想と結びついて、数学の中心に躍り出るというダイナミックな史実。 以下は備忘というか、この本の、ワイルズの証明までの歴史。 長い歴史の端緒として、オイラーが背理法の一種である無限降下法を使ってn=3の場合を証明して最初の突破口を開いた。 19世紀に入ってソフィー・ジェルマンが特定の素数について道を示してn=5とn=7が証明された。 コーシーとラメの二人が完全証明に手をかけたように見えたが、失敗。 クンマーが、当時の数学のテクニックでは完全に証明できないことを示した。 1908年になって賞金10万マルクという懸賞金が懸けられる。 1931年に発表されたゲーデルの不完全性定理が「数学は論理的に完全ではありえない」ことを数学者たちに認めさせ、フェルマーの最終定理のような問題は解けないかもしれないとほのめかした。 それからノイマンとチューリングのおかげで大戦後から1980年代までにn=4,000,000までの場合が証明された。 1960年代に重要な数学的仮説が発表された。谷村=志村予想と呼ばれるそれは、楕円方程式という数学のジャンルと、モジュラー形式というジャンルの、まったく別の世界を結び付けられるかもしれない仮説だった。 1984年秋、谷村=志村予想が証明されることが、そのままフェルマーの最終定理の証明につながるという報告がされる。 1993年6月、ワイルズがケンブリッジの専門家会議で証明を発表する。 1993年12月証明に欠陥があることが分かり、1995年5月修正された二篇の論文が掲載され、ついに証明が完成することになる。 さて、翻訳作業が行われた1999年12月時点では谷山=志村予想は一部についてしか証明されておらず全体の証明は査読中であるとの記述がある。 ネット検索した限りでは証明は完成し、「モジュラリティ定理」となっているようである。作中で言及のあった数学の大統一を目指すラングランズ・プログラムにも前進があったということでいいのかな? 借りた直後に図書館が休館になったので、じっくり読ませていただきました。

    20
    投稿日: 2020.05.01
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    数学が美しいという人たちの世界を垣間見ることができる。 でも感想を書くのが難しい。350年間解かれなかった数学界最大の難問、たぶん数学に疎遠の人でも名前くらい聞いたことがある、フェルマーの最終定理。それに挑む数学者達の歴史とドラマ…。確かにドラマを追うには、数学の知識は必要ない。でもこの熱意ドラマを楽しむ知的好奇心は必要!私はどれだけ理解、共鳴できただろう?できないということは、知的人間でないと暴露している気がして…。 本書のメインストリームでない、補遺を楽しんでしまう。 2020.4.24

    4
    投稿日: 2020.04.25
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    高校のときにもった、無限の彼方まで伸びる数直線のイメージを思い出した。数学者として生きるのは大変そうだよ。 完全数とか、スキュース数といった数のウンチクは面白かった。

    0
    投稿日: 2020.04.05
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    2020年2月「眼横鼻直」 https://www.komazawa-u.ac.jp/facilities/library/plan-special-feature/gannoubichoku/2020/0201-8778.html

    0
    投稿日: 2020.02.19
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    中学2年生くらいに興味本位で読みはじめたが、今までちゃんと読めていなかった作品。最後の方にスピンが挟まっており、今日は時間があったので読了。 難しい内容はあまりなく、数学者の名前もある程度知ることができたが、あまりワクワク感がなく、読み終えるのに苦労した。 自分は小説系の方が好きなのもあるからかもしれないけど、個人的には絶賛!という感じではありませんでした。

    0
    投稿日: 2020.02.18
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    名前は知っててもどういう定理なのか全然知らなかったので、読んでみたが、なるほどこういうもんだったのかと感心。しかし、実際にフェルマーはどうやって証明したんだろうね。あの世でお逢いすることがあったら、聞いてみたいものだ。まあ、それを私が理解できるかどうかは疑問だが・・・ あと、結構日本人数学者の皆さんのことが取り上げられてるのが、日本人としては嬉しい

    2
    投稿日: 2020.02.10
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    数学を扱ったドキュメンタリーながら、まるでミステリーを読むかのように、ハラハラドキドキしながら読み進められる名著。 フェルマーの最終定理の証明に日本人数学者が貢献しているとは知らなかった。

    0
    投稿日: 2020.02.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    数学界に長年証明されずに残っていたフェルマーの最終定理を証明した数学者のお話。 この本が他のエッセイや自伝と違うところは、著者のサイモン・シンがテレビ業界の人だという点だ。 数百年証明されていなかっただけに、フェルマーの最終定理の証明を巡る物語には、一般人には難解すぎる概念が数多く出てくる。いわば一般受けしにくいトピックのはずなのだ。 だが、サイモン・シンはこの物語を数学的要素を最大限に噛み砕いた上でドラマ性にスポットを当てている。 1人の数学者、アンドリュー・ワイルズが幼少期に魅せられたフェルマーの最終定理に、最新のテクニックや革新的なアイディアを用いて立ち向かう姿は、研究者としての姿勢よりも、ひとりの男性の人生を賭けた戦いと言う方がふさわしい。 上司から与えられたテーマが非常に運命的だった。ワイルズは実力もさることながら、運も味方につけている。 人生で大いなる目標を達成するためには、徹底した準備に加え、運や人との巡り合わせが大切だということを学んだ。 これはフェルマーの最終定理を巡る多くの方々のドラマであり、感動的に描かれている。 題材自体の魅力に加え、サイモン・シンの構成力・表現力がこの本を名著たらしめている。

    9
    投稿日: 2020.02.05
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    「フェルマーの最終定理」は何故こんなに面白い本なのか。 長年の歴史に渡る壮大なノンフィクションであり、関連する人物全員に素晴らしいヒューマンドラマがあり、知的欲求を満たす題材であり、知らなかった貴重な情報に数多く触れられる点も挙げられる。 数学嫌いな人も含めて大勢の人々から世界中で評価されている、十分納得の一冊だった。 読んでない人は人生損してるとまで言えるレベル

    2
    投稿日: 2019.12.24
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    数学の知識がなくても物語として面白い。フェルマーの最終定理を証明することななった過程を描く。そこに日本人の数学者が大きく関わっていたのは驚いた。

    10
    投稿日: 2019.12.01
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    私が学生に頃は将来も解決不能と思っていた課題が解決された。その解決した人を追いかけたドキュメンタリー。

    0
    投稿日: 2019.10.23
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    この本は、凄い・・・。 本書は、世界中でベストセラーとなり「傑作」の名をほしいままにしているが、実はこう言う本だったのか・・・。目から鱗が落ちる思いだ。 この本をものすごく簡単に説明すると、17世紀のフランスの数学者ピエール・ド・フェルマー(1601年~1665年)が   「俺、こんな問題と答えを思いついちゃったんだけど~♪お前ら解ける?もちろん、やり方は教えな~い。解けるもんなら解いてみ。」 と言って(もちろん、実際はこんな言い方はしていないw)、答えも教えずそのまま死んでしまったのだが、その後の多くの数学者達が血のにじむような努力を重ね、その解法のヒントを少しずつ得ながら、約350年の後、プリンストン大学の数学者アンドリュー・ワイルズが1995年にそれを解いたという物語を非常にドラマチックに描いたドキュメンタリータッチの作品と言えばよいだろうか。 この『フェルマーの最終定理』と呼ばれる定理は、   『3 以上の自然数 n について、X^n + Y^n = Z^n となる自然数の組 (X, Y, Z) は存在しない』 というものだ。 350年以上も解かれていないという定理だからもっと複雑なものを想像していたが、算数レベル(もちろん小・中学生レベルね)の知識しかない僕でも何となく意味することは分かる。 例えば、このnが2だとしたら、つまり2乗であれば、   3^2 + 4^2 =5^2   9+16=25 というように解が存在する。ちなみにこれはピュタゴラスの定理と呼ばれている。 ただ、これが3乗となると、先ほどの3、4、5で試すと   3^3 + 4^3 =5^3   27+64≠125 となり、解は無い。 つまり『フェルマーの最終定理』を解くということは、これがどんな数字でも、どんな組み合わせでも3乗以上であれば絶対に解は無いということを証明しろということなのだ。 数学の素養の全くない僕には、なにをどうしたらよいのか全く分からないが、過去の数学者達はこの問題に一生をかけて取り組んでいった。 この本は数学の歴史から始まり、フェルマーがこの定理を考えついた背景、そして、その『フェルマー予想』(まだ証明がされていないものは『予想』と呼ばれる)が証明できるか否かに取り組んだ数学者ひとり一人について詳細に描写していく。そして約350年かけて数々の歴史的な数学上の発見や定理に基づき、最後にアンドリュー・ワイルズ教授がこれを証明するまでが詳細に描かれていくのだ。   この本に読むに当たっては、とりあえず、数学の素養は必要ないし、アンドリュー・ワイルズ教授がどうやってこの定理を証明したのか、その論文の内容がこの本で紹介されている訳でもない。もし、その論文の内容が紹介されていたとしても、普通の読者はまったく理解できないだろうが(笑)。 この本の特筆すべきところは、数々の数学の理論や定理をごくごく簡単に説明し、それぞれの数学者がどのような人生を送って、どのような苦労をしたかを詳細に説明することによって、この『フェルマー予想』を証明することがどれほど困難であるかということを読者に鮮やかに説明してくれるところにあるのだ。 例えるなら「エベレストに登ること」がどれほど大変なのかということを「エベレスト登頂に失敗した多くの登山家」にインタビューしながら「エベレストに登ったことの無い筆者」が「エベレストに登ったことの無い読者」に上手に説明しているような感じである。 もちろん、現在はエベレストにはたくさんの登頂者がいるので「なんだ大したことないじゃん」と思う人もいるかもしれないが、約350年以上誰も解くことができず、実際に存在するかも分からない解法を探し求めるという難易度を考えれば、エベレストを約10倍高い山として想定するか、『天空の城ラピュタ』や『アトランティス大陸』の実在を証明するくらい難しいと思ってもらった方が分かりやすいかもしれない。 この本には数多くの数学者の方々が登場し、多くの日本人数学者もこの『フェルマー予想』の解法のヒントを提供しているのにも驚いたのだが、僕が本書の中で一番気になった数学者はフランスの女性数学者ソフィー・ジェルマン(1776年~1831年)だ。 ソフィー・ジェルマンの人生をみると、こんなアニメの主人公のような女性が実在したのかと驚かされる。 ソフィーは13歳でフランス革命を迎えた女性であり、当時の女性にとっては数学を勉強するなどということは、ほぼあり得ない時代だった。20歳そこそこの年齢だったソフィーは、数学の面白さに魅せられ、どうしても数学を勉強したいと思い、実在の男性になりすまして大学の数学の授業を聴講、当時の数論の世界的権威であったドイツ人数学者のガウスと「ムシュー・ルブラン」という男名を使って数論について文通をするほどの実力を持っていたのだ。 そんなガウスはある事件が起こるまで「ルブラン」が女性であるとは全く知らなかった。 ガウスが「ムシュー・ルブラン」の正体を知ったのは、1806年、ナポレオン軍がドイツ領土に侵攻した際に起こったできごとがきっかけだった。ソフィーはドイツにいたガウスの身を案じ、たまたま知り合いであったナポレオン軍の司令官に「ゲッチンゲン大学ガウス教授」の身の安全を頼んだのである。 司令官はソフィーの願いどおり、ガウスの身を保護し「あなたが生きているのは、ソフィー・ジェルマンのおかげですよ」と教えた。ガウスはそれが誰だか分からなかったが、ソフィー・ジェルマンこそが彼が長年数論を指導していた文通相手「ムシュー・ルブラン」であることを後に知るのである。ガウスは「ルブラン」が若い女性であったことに驚いたが、その後も変わらず彼女を指導し続けた。 女性蔑視が当たり前だった時代、まるで『ベルサイユのばら』のオスカルのように「男装の数学者」として活躍したソフィー・ジェルマンがなした「フェルマー予想」に関する研究は、その後何百年もの間、数学者が探究していくうえでの基礎を作ったのだ。 ちなみにソフィー・ジェルマンをモデルにした『数字はわたしのことば: ぜったいあきらめなかった数学者ソフィー・ジェルマン』という絵本がほるぷ出版社から出版されているので今度読んでみたいと思う。 このように「フェルマー予想」を証明しようとした、多くの数学者の人生が本書で生き生きと描かれている。このソフィー・ジェルマンのほかにも10代で『ガロア理論』を確立し、21歳で非業の死を遂げたフランスの若き数学者で革命家のエヴァリスト・ガロア(1811年~1832年)や「フェルマー予想」の解法に大きな役割を果たした「谷山-志村予想」を発表した日本の数学者の谷山豊と志村五郎の驚くべき生涯など興味深い数学者が数多く取り上げられている。 本書を読んでそれぞれの数学者のことをさらに詳しく知りたいと思う読者はたぶん僕だけではないはずだ。 本書はドキュメンタリーとしても、大きな謎を解く極上のミステリーエンターテイメントとしても楽しめるのは間違いない。そして著者のサイモン・シン氏の筆力の凄まじさがそれを可能ならしめているのである。 この世界には「天才」と呼ばれる学者達が数多くいることが分かったのだが、この「フェルマーの最終定理」を生み出した当の本人ピエール・ド・フェルマーが本当はどうやって証明したのかは、いまだに永遠の謎のままである。 この「フェルマーの最終定理」を証明したアンドリュー・ワイルズ教授は、8年がかりで、しかも、350年間の間に培われた多くの数学者たちが発見した多くのヒントを使って、この定理を証明した。 一方、350年前の数学の知識でこの「定理」を創り出したフェルマーは、本当に350年間に一人の本当の『超天才』だったかもしれない。 しかし、もしかしたらフェルマーは   「『こんな問題と答えを思いついちゃったんだけど~♪』ってあの時は言ったけど、実ははったりだったんだよね~、本当に解いちゃった人がいるんだ凄いね~☆」 と天国で驚いているという可能性もなきにしもあらずなのである(笑)。 全く数学の素人の僕でもそう思うのだから、この定理を解いたアンドリュー・ワイルズ教授をはじめ「フェルマー予想」を解こうとした過去全ての数学者達があの世にいったらぜひフェルマーに会って真相を知りたいと思っているに違いない。 こんな数学界の偉大なロマンを本書によって知ることができたのは、自分の人生によって大きな一歩となったのは間違いない。そして、この経験を他の多くの読書人と分かち合うことができたら、読書人としての僕の人生にこれ以上の幸せはないだろう。

    47
    投稿日: 2019.10.09
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    数学界最大の超難問はどうやって解かれたのか?3世紀にわたって苦闘した天才数学者たちの挫折と栄光、証明に至るまでを描く感動の人間ドラマ。 17世紀、ひとりの数学者が謎に満ちた言葉を残した。「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」以後、あまりにも有名になったこの数学界最大の超難問「フェルマーの最終定理」への挑戦が始まったが――。天才数学者ワイルズの完全証明に至る波乱のドラマを軸に、3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘を描く

    2
    投稿日: 2019.09.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ようやく読み終えたと言うのが最初の感想。 学生時代、数学の授業がとにかく嫌いであった私には最初はとにかくとっつきにくい本であった。 読み進める中で、私が本書に記載されている数々の予測や定理、証明や式などを理解する必要がない事に気付き、そこからは純粋にフェルマーの最終定理をめぐる物語として読み進める事が出来た。 17世紀から誰も証明が出来なかった問題にいかに多くの人の知恵と時間、苦悩、協力、閃き、何より努力と情熱を費やし、最後にアンドリュー・ワイルズが完全に解き明かす。 人類が挑んだ壮大な物語である。 説明 内容紹介 言葉にしようのない、美しい瞬間でした。 数学界最大の超難問はどうやって解かれたのか?3世紀にわたって苦闘した天才数学者たちの挫折と栄光、証明に至るまでを描く感動の人間ドラマ。 17世紀、ひとりの数学者が謎に満ちた言葉を残した。「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」以後、あまりにも有名になったこの数学界最大の超難問「フェルマーの最終定理」への挑戦が始まったが――。天才数学者ワイルズの完全証明に至る波乱のドラマを軸に、3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘を描く、感動の数学ノンフィクション! 内容(「BOOK」データベースより) 17世紀、ひとりの数学者が謎に満ちた言葉を残した。「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」以後、あまりにも有名になったこの数学界最大の超難問「フェルマーの最終定理」への挑戦が始まったが―。天才数学者ワイルズの完全証明に至る波乱のドラマを軸に、3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘を描く、感動の数学ノンフィクション。

    5
    投稿日: 2019.08.18
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    17世紀、一人の数学者が謎に満ちた言葉を残した。 「私はこの命題の真に驚くべき証明を持っているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」 以後、あまりに有名になったこの数学界最大の超難問「フェルマーの最終定理」への挑戦が始まった。 天才数学者ワイルズの完全証明に至る波乱のドラマを軸に、3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘を描く、感動の数学ノンフィクション! (あらすじより) 数学は中学で挫折した私でも楽しく読めました(理解できたとは言ってない) 何ていうか 「私はこの本の真に驚くべき感想を持っているが、打つのが面倒でここに記すことはできない」 という感じです。

    0
    投稿日: 2019.08.18
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    感動した。数学が大の苦手だったわたしでも、飽きずに読めた。フェルマーの定理以外にも、いろんな数学の誕生を知ることができた。しかも分かりやすく、専門知識が皆無でも理解しながら読むことができた。ワイルズが叶えた奇跡の証明。そこに貢献した谷山ー志村予想。数学のロマンがいっぱい詰まった本。

    1
    投稿日: 2019.08.14
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    フェルマーの最終定理を解いた実在の人物のストーリーが軸となり、いろんな人物の功績を紹介、日本人も出てくる。完全数、無理数等。個人的には巻末にあったピタゴラスの定理の証明方法が面白かった。 23人の中で同じ誕生日がいる確率は半分以上。22+21+20+・・・+1の組み合わせがあるため。 完全数の話。 無理数の話。 友愛数の話。約数の和が互いにおなじ。220と284 ピタゴラスの定理の証明。

    0
    投稿日: 2019.08.12
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    数学の難問がどのようにして証明されていくかを書いてある本。 数学について詳しくなくても読みすすめることができ、 数学という静かさやクールさが漂うような分野に熱さを感じることができる素晴らしい本でした。

    0
    投稿日: 2019.07.28
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    今まで読んだ本の中で一番面白かったまじで 早く続きが読みたくて読みたくてしょうがなくて一気に読んでしまった かなりの頻度で話題がころころ変わっていくけど本当に物凄く読みやすかった 全部読み終わってしまって「あ〜読み終わっちゃったな〜」と少し寂しくなったけど、そこから補遺のページが続くのでワクワクが止まらない

    1
    投稿日: 2019.07.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【感想】 この本を読むにあたり3度目のチャレンジだったが、300ページ目くらいで挫折・・・ 数学の美しさを知るにあたり、非常に面白い内容なんだけど、文系出身の自分にはハードルが高すぎる作品でした。 ただ凡人の僕にも「美しい!」と思える点は多々見受けられたようで、完全数や完全数の和のエピソードや、川の長さが直線距離×πである点など、決して役に立たないが素敵な雑学をいくつも手に入れる事が出来たのは良かったかも。 「数学」の美しさと難解さを思う存分知る事が出来た1冊でした。 この本を完読し、且つ内容をしっかりと理解できる人は本当にすごいと思う。 【あらすじ】 言葉にしようのない、美しい瞬間でした。 数学界最大の超難問はどうやって解かれたのか? 3世紀にわたって苦闘した天才数学者たちの挫折と栄光、証明に至るまでを描く感動の人間ドラマ。 17世紀、ひとりの数学者が謎に満ちた言葉を残した。 「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」 以後、あまりにも有名になったこの数学界最大の超難問「フェルマーの最終定理」への挑戦が始まったが――。 天才数学者ワイルズの完全証明に至る波乱のドラマを軸に、3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘を描く、感動の数学ノンフィクション! 【内容まとめ】 1.「フェルマーの最終定理」 3以上の自然数nに対して、「X'n+Y'n= Z'n」を満たすような自然数X,Y,Zはない。 2.「ピュタゴラスの定理」 「直角三角形の斜辺の二乗は、他の二辺の二乗の和に等しい。」 3.「完全数」・・・約数の和がその数自身と同じになる →6(1+2+3=6) →28(1+2+4+7+14=28) →3番目は496、4番目は8128、5番目は33,550,336、6番目は8,589,869,056 4.完全数のエレガントな点 常に連続した自然数の和として表すことができる 6=1+2+3 28=1+2+3+4+5+6+7 496=1+2+3+4+5+6+7.....+30+31 8,128=1+2+3+4+5+6+7....+126+127 5.曲がりくねった川の長さについて。 水源から河口までの直線距離×3≒川の実際の長さ しかも、この比はほぼ3.14 π、すなわち円周と直径の比の値に近い。 【引用】 3以上の自然数nに対して X'n+Y'n= Z'n を満たすような自然数X,Y, Zはない。 p10 アンドリュー・ワイルズ 「数学界における聖杯を発見した。」 「つまり、フェルマーの最終定理を証明した」と。 1993年夏にワイルズは証明を発表した。 しかし、発表した証明の中に欠陥が見つかった… p33 数学の深いアイデアを考えつくのは、大体において若い時分である。 「数学上の大きな一歩が、50を過ぎた人間によって踏み出された例を私は知らない。」 中年になった数学者は次第に輝きを失い、残りの人生は研究よりも教育や管理運営をして過ごすことになりがち。 p37 ・ピュタゴラスの定理 「直角三角形の斜辺の二乗は、他の二辺の二乗の和に等しい。」 ピュタゴラス 「数には数の論理がある」 紀元前6世紀に生きたピュタゴラスのおかげで、数は単にものを数えたり、計算したりするために利用されるだけでなく、数それ自体としての価値を認められるようになった。 p44 ・過剰数、不足数、完全数 過剰数 →約数の和がその数よりも多いもの →12(1+2+3+4+6=16) 不足数 →約数の和がその数よりも少ないもの →10(1+2+5=8) 完全数 →約数の和がその数自身と同じになる →6(1+2+3=6) →28(1+2+4+7+14=28) →3番目は496、4番目は8128、5番目は33,550,336、6番目は8,589,869,056 また他にもエレガントな点がある なんと、常に連続した自然数の和として表すことができる 6=1+2+3 28=1+2+3+4+5+6+7 496=1+2+3+4+5+6+7.....+30+31 8,128=1+2+3+4+5+6+7....+126+127 p50 ・曲がりくねった川の長さについて 水源から河口までの直線距離×3 ≒川の実際の長さ しかも、この比はほぼ3.14 π、すなわち円周と直径の比の値に近い。 p61 ・隅を切り取られたチェスボードの問題 →8×8-2=62マスとなったチェスボードを、31枚のドミノ牌で覆い尽くせることはできるか? 数学的アプローチ 1.チェスボードから切り取られた隅は、両方とも白である。したがってボード上には、32個の黒い正方形と30個の白い正方形がある。 2.それぞれのドミノ牌は、隣り合った2個の正方形を覆う。隣り合う2つの正方形は必ず色が異なっており、つまり、1個の白と1個の黒である。 3.それゆえ、どんな並べ方をしようとも、30枚のドミノ牌は30個の白・黒の正方形を覆う。 4.結果として、つねに1枚のドミノ牌と2個の黒い正方形が残る。 p72 ・フェルマーの最終定理 「xn+yn=zn」 この方程式はnが2より大きい場合は整数解をもたない。 p106 西暦642年、イスラム教徒のアレクサンドリア攻略によって、コーランに反する書物は破棄され、ギリシャの数学は煙となって消えた。 続く千年のあいだ西洋の数学は沈滞し、数学の命の灯火をともし続けたのはインドやアラビアの一握りの知識人だけだった。 彼らは失われた定理の多くを自ら作り出しただけではなく、数学に「ゼロ」をはじめとする新しい要素を付け加えたのである。 p117 ・xn×yn=zn n≦3 「ある三乗数を二つの三乗数の和で表すこと、あるいはある四乗数を二つの四乗数で表すこと、および一般に、二乗よりも大きいべきの数を同じべきの二つの数の和で表すことは不可能である」 定理の概略を述べた書き込みに続けて、このいたずら好きの天才は、その後何世代にもわたって数学者たちを悩ますことになるメモを書き添えた。 「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」 p243 ・ゲーム理論とトルエル トルエルとは、3人で行う決闘のようなもの。 問題 クロ氏、グレー氏、シロ氏は揉め事を解決するためにピストルで決闘することになった。 クロ氏は平均して3回に1回しか当たらず、グレー氏は3回に2回、シロ氏は百発百中の名手とする。 公平を期するため、クロ氏、グレー氏、シロ氏の順番で一人が生き残るまで続ける場合、クロ氏ははじめにどこを狙うべきだろうか? 第1の選択肢としてグレー氏を狙った場合、もし成功すれば次にピストルを引くのはシロ氏のため、クロ氏は死ぬだろう。 第2の選択肢としてシロ氏を狙った場合、それに成功しても次に引き金を引くのはクロ氏であり、確率論から言えば勝利の見込みはうすい。 第3の最も良い選択肢はクロ氏が空に向かってピストルを打つことだ。次にピストルを発射するのはグレー氏だが、彼は間違いなくシロ氏を狙う。そしてもしシロ氏が生き残れば彼はグレー氏を狙う。 結局グレー氏またはシロ氏のどちらかが死に、クロ氏はその後どちらか生き残った方を狙うことになる。

    10
    投稿日: 2019.07.03
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    ピタゴラスから現代までの数論の歴史をなぞった感じがした。読み始めは、フェルマーの最終定理と関係ない話が続いていて、読みやすいので苦にはならないものの、早く核心に迫りたいとも思った。しかし、さすがに300年以上も解けなかった問題である。解決するためには紀元前の定理から最先端の定理までを総動員しなければならず、そのために長々と数学の歴史を知る必要があったのだと、途中で気が付く。 数式がほとんど出てこないのに、数学のことが分かった気になるのは著者と翻訳者の仕事のおかげだ。巻末の補遺には数式が出てくるが、それさえ分かりやすい。数学好きなら絶対に読むべき。科学史が好きな人にもお奨めできる。また、フェルマーの最終定理を証明するために、日本人の数学者が提示した谷山-志村予想の証明につながるところなど、知らないこともたくさん。

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    投稿日: 2019.06.24
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    数学に夢を見て、数学に人生を捧げた人たちの物語がこの本にはつまっています。何年もの間解けなかった問題に挑戦し続けるその執着心の強さは読む者を圧倒するはずです。 数学の難解で複雑な理論をわかりやすく咀嚼し、その魅力を熱量をもって伝えている筆者や訳者は本当にすごいと思う。

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    投稿日: 2019.06.14
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    V章の谷山=志村予想のくだりから話がよりドラマティックになっていく。ぐっときた。そしてサイモン・シンの筆力の高さに脱帽。

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    投稿日: 2019.06.06
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    面白い。数学的なことは全然わからないけど、解明に至るまでの幾人もの挑戦が冒険小説のようで一気に読み進められます。数学的なところにもちょっと興味が湧きました。

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    投稿日: 2019.04.24
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    面白かった(と思う)。 今まで私が読んできた本のなかで、「面白かった」と言っているタイプとは違うけれど、読んで良かったなと思う。 読書紹介のために急ぎで読んでしまったのがもったいなかった。 数学の証明に関わる人たちのドラマや思いが詰まっていて、自分とは関わりのない世界の話だけれども、もし小学生くらいからやり直せるのだとしたら、数学をもっと楽しみたいなと思う作品。 終わり方がまだまだ解けない数学の謎が残っている―――で終わっているのもいい。

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    投稿日: 2019.04.21
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    フェルマーの最終定理って…なに?というか数学かーとかなり苦手意識を持って読み始めたがおもしろい。日本人や女性が取り上げられているところも訳者の言うとおりよい。谷山豊氏、ガロアが印象的。

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    投稿日: 2019.02.22
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    タイトルの取っ付きづらさに反して内容の平易さはあの「罪と罰」と同等。 完全文系の自分でもツラツラ読める(後半はさすがにややこしい用語や数式が出て難儀したが) 緻密な数学世界の一端が垣間見えて面白い

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    投稿日: 2019.02.13
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    かなり面白い。 固い話ではなく、フェルマーの最終定理を取り巻く数学者達の人間ドラマ。 ピタゴラスの定理、など馴染みのある言葉も出てくるので取っつきやすい。へぇー!な事実もあって楽しめる。 嫌々やってた数学に、こんな背景があったとは想像しようともしなかった。 数学にはドラマとロマンが詰まっている。

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    投稿日: 2019.01.29
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    ピタゴラスの数論の成り立ちからアンドリューワイルズがフェルマーの最終定理の証明に至るまでの様々な数学者の葛藤、苦悩、称賛、名誉など歴史的背景も含めて鮮やかに描いている。頭からお尻まで終始面白かったが、オイラーの凄まじい数学者人生と谷山志村のエピソードが特に印象的だった。

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    投稿日: 2019.01.26
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    17世紀の数学者フェルマーが証明したと主張し、20世紀後半にアンドリュー・ワイルズが実際に証明した定理について記した本。 実際にはピタゴラスの三平方の定理や四色問題の計算機に依る証明など数学上の発見についても適宜説明されている。時代が進むにつれてほとんどの読者にとって到底理解できない水準の数学に話が及ぶが、それでもその歴史的重要性や当事者の心理について追体験できるような書き方になっている。

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    投稿日: 2019.01.04
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    読了。べらぼうに面白かった。フェルマーの最終定理というタイトルだけど、それだけを解説した本というわけではない(むしろ難しすぎるので途中からは詳しい説明を省いている)。ピュタゴラスからはじまってオイラーやニュートンなど著名な数学者・科学者が次々と関わってくるので、ソフィー・ジェルマンのくだりでついにガウスが出てきたときには思わず「キター」と叫んだ(心の中で)。基本的にはノンフィクションなので、出来事そのものが面白いということなんだけど、文章が読ませるので面白さが数倍になっている。なんどでも読みたい作品。

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    投稿日: 2018.12.20
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    数学って単なる計算だと思っていたが、この本を読んでその考えが間違っていたことが分かった。 フェルマーの最終定理という簡単そうな証明が、幾重にも時代を超えて挑戦者をボコボコにしてきたのは大変面白く感じる。そういった諦めていった数学者の熱意を継いでくる人がいつの時代にもいるものだ。 人から人へ、巨人の肩に乗りながら最終定理に挑む姿は、ロマンを感じる。 あーでもないこーでもない、その何百回の繰り返しが最終定理の証明まで行き着くストーリーは大変面白い。

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    投稿日: 2018.12.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これはすごいおもしろい…難しくてわからないところがいっぱいあるが… 個人的に9月19日が大切な日として出てきたのがちょいうれしかった

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    投稿日: 2018.11.07
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    ●フェルマーの最終定理だけでなく、ピュタゴラスの定理や数論、オイラーの関係式など様々な知見について知ることができた。

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    投稿日: 2018.10.28
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    短い命のニンゲン達が、 ある天才の遺した化け物に挑んでは散り、挑んでは散り、 何百年の後に一人の少年が、 今まで散っていった英雄たちの力と武器を受け継いで その化け物に立ち向かう。 ファンタジーに見紛うほど美しくて重厚な、人間と世界の物語。

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    投稿日: 2018.10.20